元スレ魔王「おれと手を組め」魔法使い「断る」
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451 :
人魚A「あ、はい。真珠…この場合、わたしたちの涙のことですが」
人魚C「仲間がそばにいると、反応してほのかに光るんです」
人魚B「すごくきれいですよ」
人魚D「今は見つかるといけないから外していますが」
魔王「なるほどな。…では真珠を貸してくれないか」
人魚A「貸すだなんて。魔王さまのためならいくらだってあげますわ」ポロッ
人魚A「どうか…頼みます」スッ
魔王(曇りのない白色か)
魔王「ありがとう。必ずやりとげる」
人魚A(お礼言われた…)キュン
452 = 451 :
――掘っ立て小屋
魔法使い「……」
魔法使い(わずかながら、魔力の跡)
魔法使い(あの商人は“魔法使い”までとは言わずとも、魔法はつかえるようだ)
少女「どう…?」
魔法使い「欲しい情報は得られたかな」
少女「本当?」
魔法使い「うん……っ!」バッ
魔法使い(今、明らかに視線を感じた!)
魔法使い(……誰だ?商人か、商人の仲間か)
少女「どうしたの?」
魔法使い「…なんでもない。早く行こう」
少女「ん?うん…」
453 = 451 :
――少女の家近く
魔法使い「いいか、良く聞いて」
魔法使い「私と君はここで離れる」
少女「なんで?まだお昼前なのに?」
魔法使い「……昼は関係あるのか?ともかく、私と行動は危険になった」
少女「?」
魔法使い「変なやつに見られたようだ」
少女「えっ!」
魔法使い「君にも被害がかかる。だから、ここでお別れだ」
少女「あ、あたしだって戦えるよ!」
魔法使い「甘いよ。私たちの世界の戦うは殺すか殺されるかだ」
少女「……」
454 = 451 :
魔法使い「わかってくれ」
少女「……うん」
魔法使い「いい子だ。また、すべて終わったら会おうよ」ナデナデ
少女「絶対だよ?」
魔法使い「ああ」
少女「じゃあね、またねお兄さん!」タタッ
魔法使い「」コク
魔法使い「……さぁてと」
455 = 451 :
??1「おい、子供が消えたぞ!」
??2「まさかあの男、魔法を使いやがったか!」
??1「ちっ…。あの男を直接襲撃するしかないな」
??3「宿は?」
??2「つけていこう。本来ならあの子供の予定だったのに…」
??1「あの“魔法使い”を始末したらでいいだろう」
??3「だな。俺らの商売の危険因子は取り除かないと――」
456 = 451 :
――宿前
青年「よう」
魔法使い「やあ。海から帰ってきたか」
青年「たった今な。で、お前、知ってるか?」
魔法使い「もちろん知ってる」
青年「ならいい」
魔法使い「夜になるまで街を歩こうかと思うんだが」
青年「手紙は?」
魔法使い「今のこの状態じゃ、迷惑がかかるだけだろ」
青年「そうだな」
魔法使い「じゃ」
青年「おいおい。おれを置いていくかよ」
魔法使い「…あなたもついてくるのか?」
青年「もちろんだ」
魔法使い「……」ハァ
457 = 451 :
――市場
魔法使い「この麻の糸をください」
「はいよー」
青年「何に使うんだ?」
魔法使い「別に……秘密だよ」
青年「ふん。隠すことが好きだなお前は」
魔法使い「一つはバラしたら明らかに命に関わるけどな」
青年「注意しないとな」
魔法使い「うん、あなたが口を滑らさなければ多分大丈夫」
青年「信用ないな」
鷹(あれ…距離縮んだ?)
458 = 451 :
……
魔法使い「時間は潰せたみたいだな」
青年「退屈しないですんだ」
魔法使い「異国の文化って思ったよりすごいもんだな」
青年「ふぅん。おれはあまり興味ないが」
魔法使い「あっそ。――帰るか」
青年「そうするか」
459 = 451 :
――深夜、宿
ギシ…
??1「全員寝静まったな」ヒソ
??2「うむ」ヒソ
??3「早く終わらせちまおう」ヒソ
カチャ カチャ カチッ
??1「さすが鍵あけの天才」ヒソ
??2「ふふん。さ、入るぞ」ヒソ
ガチャッ
460 = 451 :
??1「!?」
??2「いない!?」
??1「バカな…」
ボフン
??2「今、音がしなかったか」
??3「うん、窓が開いている。あそこからだな」
??2「連中、まさか逃げ出したとかじゃ…」ツカツカ
??2「…でも誰もいな――」
青年「窓の外に落ちた枕がそんなに気になるか?」
??1「!?」
462 :
乙
この二人と一羽を騙そうと思ったら一筋縄ではいかないな
463 :
なんてとこで切りやがる巫山戯んな
おつ
464 :
乙
>>462
鷹「鳥目を甘く見ないでもらいたい」(ドヤッ
465 :
おつおつ
466 :
>>460
>青年「窓の外に落ちた枕がそんなに気になるか?」
某漫画の鬼頭さんを思い出した
467 :
>>464
鳥目って根拠ないらしいぞ
468 = 451 :
青年「部屋に入るまでは良かったのにな。予想外のことでもちゃんと対応しとけよ」
??2「貴様っ…ぐっ!?」バタ
??3「なにが……」バタ
??1「おまえら!――おい、なにをしやがった!?」
青年「おれじゃない。そっちに聞いてくれ」
魔法使い「気絶させただけだよ。借りている部屋だからな」スッ
??1(死角に…!?わざわざ声をかけたのは、死角に目がいかないため…)
青年「チェックアウトだな」
魔法使い「うん、チェックメイトな」
469 = 451 :
青年「メイトもアウトも同じようなものだろ」
魔法使い「多分違うと思うぞ」
青年「まあいいか。改めて、チェックメイトだ」
魔法使い「話し合いにその布は邪魔だな。取らせてもらうぞ」コツン
パキンッ
中年1「ま、魔法を破られた…だと?」ハラリ
魔法使い「なんだ、自分に魔法をかけていたのか」
青年「ちょっと魔法を使える程度の一般人に“魔法使い”が負けるわけないだろ」
魔法使い「…やめてくれよ。この先万が一負けたら恥ずかしいだろ」
青年「なんだ、負けるのか?」
470 = 451 :
魔法使い「そういうわけじゃないが…私は規格外に強い訳でもないし」
青年「ふん。弱気だな」
魔法使い「過信しすぎていてもな」
中年1「あの、帰っていい?」
魔法使い「無理」
青年「駄目に決まっている」
473 :
魔王様がお帰りでーす
474 = 451 :
魔法使い「だいぶ脱線してしまったな――」
魔法使い「で。私たちに何のようだ?」
青年「寝込みを襲うって時点でろくな理由じゃなさそうだがな」
中年1「…誰が言うかよ」
中年1(この窓から逃げ出すことは可能だな。……よし、今――)ザッ
青年「待った。話は終わっていない」
中年1「あっ…!?身体が動かな…」ガチ ビキッ
魔法使い「…石化か。元に戻すほうが難しいようだが」
青年「戻せる。じゃなかったら使わない」
475 = 451 :
魔法使い「ならいい。ああ、ちなみに今から尋問から拷問になった」
青年「分かった」
中年1「は!?」
魔法使い「逃げないで素直に吐けば穏便に事を運ぼうとしたのだが」
青年「それは残念だったな。こいつ、自分の立場をよく理解していないんだろ」
魔法使い「じゃ、教えないといけないな」
中年1「ま、待て!いいのか!?声が周りに聞こえるぞ!」
魔法使い「……」
青年「……」
魔法使い「この騒ぎでどうして誰も来ないんだろうとか、思わなかったか?」
476 = 451 :
中年1「あ」
魔法使い「すでにこの部屋は防音だ。窓も開いてるが、見えない壁を張っているだけ」
青年「つまるところ…なにやってもバレないってこった」ペロ
中年1「」ゾクッ
魔法使い「師匠に教えられた通りにうまくできるかな。少し不安だ」
青年「なに、死なない程度に痛め付ければいいだけだろ」
魔法使い「コツがいるんだってさ」
青年「コツねぇ。まず何からする?」
魔法使い「爪の間に針を入れようか。腕を完全に固定しないとできない」
中年1「」
477 = 451 :
青年「痛いのか」
魔法使い「痛い痛い。指に針刺しただけでも痛いんだから」
中年1「ひっ…や、やめろ!」
魔法使い「じゃあ吐け」
中年1「」
魔法使い「吐け」
中年1「俺も、正直分からないからなんとも……」
青年「ふん。死体処理がめんどくさそうだな」
魔法使い「鳥葬でもするか」
青年「……いや、それはお前、ちょっと、なんというか」
魔法使い「…冗談だ」
中年1「待て待て!本当だ!本当なんだ!」
478 = 451 :
青年「ふむ。詳しく話せ」
魔法使い(やはり王。オーラが違うな…)
中年1「……数ヶ月前、得たいの知れない男が来たんだ」
中年1「それで、薬と矢を渡して――」
『実験をしたい。その薬は無害だ』
『それにその矢は魔物の魔法を破る』
『どちらも与えてやろう。代わりに結果を聞かせろ』
中年1「――って」
魔法使い「実験……その薬は飲んだのか?」
中年1「ま、まあ」
魔法使い「どういう効果が?」
中年1「俺はあんまり効かなかったけどよ…リーダーは人を操れるぐらいの魔力を持てたんだ」
479 = 451 :
青年(……ふむ。繋がった)
魔法使い「個人差があるのか。薬の効き目は?」
中年1「リーダーは二週間で切れるな…定期的に飲まないといけないらしい」
青年「矢は?」
中年1「そ、それは…」
青年「“人魚”狩りか」
中年1「うっ……」
魔法使い「……?」
青年「ふん――リーダーのところまで案内しろ」
中年1「馬鹿言うな!そんなことしたら俺が殺されちまう!」
青年「今死ぬか否かの違いだろ」
中年1「……」
480 = 451 :
……
中年2「なんかよくわかんないけど連行されてた」
中年1「ちぃっ…」
魔法使い「早く歩け。朝が来るぞ」
中年2「朝が来たところで――」
青年「魔法使い!」グッ
魔法使い「っ!?」ヨロ
シュッ サク
魔法使い「矢!?」
シュッシュッシュッ
中年1「ガッ…!」ザク
中年2「ぐぅっ」ザク
中年3「…やはり…見限られ…」ザク
魔法使い(全員不自然なほどに急所を…!)
青年「…魔法で力を得ているな。まだ飲んだ人間がいたのか」シュパッ
魔法使い「手づかみで…いや、そうじゃなくて!」
481 = 451 :
魔法使い「おい!しっかりしろ!」
中年1「あは…は…りぃ、だぁは…きびし…な」
魔法使い「……」
中年1「おま…え…いつか、必ず……痛い目…に…」ガク
魔法使い「……」
青年「他二人は死んだ。即死だな」
魔法使い「こっちも死んだ」
青年「死体はどうする」
魔法使い「…ここに放置しとこう。縛ろうと思わなくて良かったよ」
青年「ああ」
魔法使い「……あと、お仲間さんが回収するかもだし」
青年「ふん。やれやれ、相手は相当あせっていると見た」
魔法使い「だな」
482 = 451 :
魔法使い「……」
青年(黙祷というものか)
魔法使い「……。ここから離れよう」
青年「ああ」
魔法使い(ん?最初の矢になにか…紙が?)
青年「どうした、置いてくぞ」
魔法使い「あ、ああ。今行くから」ガサッ
ローブノ男 ノミ 読メ
魔法使い(私のことか?なんだこれ。それと黒い束も……髪の毛!?)
青年「」スタスタ
魔法使い(やつは気づいていないな…ちょっと読んでみよう)
子供ハ 預カッタ
魔法使い「!」
以下ノ 場所二来イ
誰カニ イウナ 誰カト クルナ
483 :
破ッタラ 子供 殺ス
以上
魔法使い「……」
魔法使い(この髪は…確かに、あの子みたいな髪だが…)
魔法使い(別人の可能性もある。ただの脅しかもしれない)
魔法使い(あの子に会ってみるか)
鷹「お疲れさまです」バサッ
青年「お前の枕を落とすタイミング、ぴったりだったぞ」
鷹「有りがたきお言葉。枕は回収致しました」
魔法使い「あ、放置してなかったんだ」
鷹「失礼な!」グサッ
魔法使い「いっづぅぅ!?」
484 = 483 :
――数時間後、少女宅
ザワザワ
魔法使い「…?」
憲兵「もう一度、聞き直しますね。あなたのお子さんは…」
少女母「だから、朝見たらいなくなっていたのよ!」
少女父「夜遊びするほど大きくも無ければ、勇気もないのに…」
憲兵「玄関は開いていたんですね?」
少女母「ええ。外に出たとしても、靴をはかずに」
憲兵「抱えられて連れ去られたかもしれない、と…」
憲兵B「あなた方は何か気づきませんでした?」
少女父「いいえ、馬鹿みたいに寝ていました…」
485 = 483 :
魔法使い(僅かだが両親に魔法をかけられたあと)
魔法使い(見た感じ睡眠魔法か。……なんてことだ)
魔法使い(本当――だったのか)
魔法使い(別れたのが昼…あのあと出歩いた可能性もある)
魔法使い(外に出るなと言っていれば良かった…ちくしょう)
魔法使い(彼女は――私のためにさらわれたんだ)
魔法使い(なら、私は……)
486 = 483 :
――宿部屋
青年「……」ガチャ
青年(あそこで物を売る気配はない…警戒したか)
青年「む、魔法使い?いないのか」
鷹「魔王さま。手紙が」
青年「手紙?」
出掛けてくる。
帰るなら帰ってていい。
荷物はそのままにしといてくれ。
鷹「……これだけですか?」
青年「いや…お互い勝手に出掛けているが、今まで置き手紙などしなかった」
青年「どこに――」
487 = 483 :
鷹「魔王さま?」
青年「感じられないな…」
鷹「何がですか?」
青年「魔法使いの魔力だよ。あいつ、念入りに魔力を消してる」
鷹「何故今になってそんなことを小娘が」
青年「おれに付いてきて欲しくないんだろうな」
鷹「ならこの置き手紙に意味があるのでしょうか?」
青年「あるさ。遺書だ」
鷹「遺書!?」
青年「わざわざ『出掛けくる』。そのくせに場所は書かない」
青年「そして『帰るなら帰ってていい』。まるで長期間ここへ帰らないと言わんばかりだ」
488 = 483 :
青年「荷物の件は分からん。ま、これはただ嫌なだけだろう」
鷹「遺書って…小娘は死ぬんですか?」
青年「まだなんとも言えん」
青年「……誰かに呼ばれ何処かに行ったか、自発的にか…まあどちらでもいい」
青年「探すぞ。おれはあいにく人探しの魔法が出来ないから地道にな」
鷹「は、はい」
青年「あと、ほかにこれにはもう一つ意味があるとおれは推測する」ペラ
鷹「え?どういう意味が?」
青年「――『助けに来てくれ』」
489 = 483 :
――街からかなり離れた場所の建物前
魔法使い「ここか」ザッ
魔法使い(なんだ?微かに魔物の気配がある)
魔法使い「……」
魔法使い(それにしても、なんであんな手紙残してきたんだろう)
魔法使い(明らかに『今からなんかやりますよん』って言ってるようなものじゃん…)
魔法使い(…魔王も一緒に来れば心強いが……なんせ、人質がいるかもだしな)
魔法使い「考えても仕方がない……行くか」スタスタ
490 = 483 :
――建物内
魔法使い(だだっ広いところだな)キョロキョロ
「ようこそいらっしゃいました、お客さま」
魔法使い「!」バッ
商人「どうも、しがない一商人でございます」ニタァ
少女「お兄さぁん」グスッ
魔法使い「…その子を離せ。どうして私を呼び出した」
商人「商売に邪魔なものは消えていただかないと困るんですよ」
魔法使い「商売だと?あんなのか商売だと言えるのか」
商人「売ったもの勝ちですよ。そして――」
少女「お兄さん、後ろ!!」
魔法使い「え――」
ヒュンッ ドス
魔法使い(背中を射たれ――!)
商人「先手をうったもの勝ちでも、あります」ニヤニヤ
491 = 483 :
魔法使い「何を…塗りやがった…」
商人「眠り薬を。いささか強すぎたみたいですね?」
魔法使い「…っ」ドサッ
商人「警戒心が甘いですねぇ。ここは敵の本拠地ですよ」
魔法使い(…師匠に見られたら…怒られそうだな…)
魔法使い(ちょっと…鈍ったかも……)
商人「――が――で――」
魔法使い「…まぉ……」
バタリ
492 = 483 :
つづく
あと二週間ほど更新できなくなる
493 :
おつおつ、いくらでも待つさ
494 :
おつ
今日はやけに多いと思ったらそういうことかよ…
497 :
乙
悪役に眠らされるとかこれはもうクリムゾン状態確定やな
498 :
499 :
二週間だと・・・!
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