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    元スレ魔王「おれと手を組め」魔法使い「断る」

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    401 = 393 :

    ――人間の城、地下牢

    大臣「私だ」

    兵士「大臣さま?ここはいくらあなたさまであろうと通れな――」

    大臣「<従え>」ギュインッ

    兵士「――どうぞ。夜遅くにご苦労様です」ガチャッ キィ…

    大臣「戦士のところまで案内してくれ」

    兵士「はい」

    コツコツ

    大臣「――どうだ、やつの様子は」

    兵士「はい。一日中、ずっとあんな感じです」

    戦士「……」ガリガリ

    大臣「堕ちたものだな――下がれ」

    兵士「分かりました。用事がすみましたらお呼びください」ススッ

    402 = 393 :

    戦士「……」ガリガリ

    大臣「何を壁に彫っている?」

    戦士「……」ガリガリ

    大臣「…人の言葉が通じないか」

    戦士「……の……」ガリガリ

    大臣「なんと?」

    戦士「ばけもの……」ガリガリ

    大臣「……」

    戦士「ひとじゃない……まものじゃない……」ガリガリ

    大臣「…やはり魔法使いか…」

    大臣(あの力は身近な邪魔者の中でも強すぎる――消しとくべきだろう)

    戦士「……」ガリガリ

    大臣「その翼の生えた人間は、お前のいう化物か」

    戦士「……」コク

    403 = 393 :

    大臣(人間の姿のまま魔物化する、ということか)

    大臣(なら都合がいい)

    大臣「なあ、戦士」

    戦士「……」ガリガリ

    大臣「力が欲しくないか」

    戦士「…ちから…?」ガリ…

    大臣「魔法使いに負けない力だ。お前の望みを叶える強さだ」

    戦士「……」

    大臣「欲しいのなら、その薄暗い地下牢から手を伸ばせ、戦士」

    大臣「――これを飲みさえすれば、お前は強くなれる」チャプ

    戦士「……ぁ」

    大臣「お前は完全には狂っていないぞ――まだ戦えるのだ」

    404 = 393 :

    戦士「……」

    大臣「ほら――」スッ

    戦士「……」

    大臣「何をためらう?」

    大臣「お前は――魔物を倒す“勇者”となりたくないか?」

    戦士「……」




    ゴクッ



    405 = 393 :

    ――宿

    青年「!」

    魔法使い「……」スースー

    青年(どこかで微弱で歪ながら、魔力が生まれたな――)

    青年(ふむ。新たな子の誕生にしてはおかしすぎる)

    魔法使い「む……」ゴソ

    青年(しかも人間の国、城の近くからなんとなく感じる)

    青年(知らないところで何か動き出しているのか…?)

    魔法使い「………うぅ…」モゾモゾ

    青年「魔法使い?起きたのか」

    魔法使い「……ひとりに…しない…で……」

    406 = 393 :

    青年(夢をみているのか)

    魔法使い「……やだ……みんな…」

    青年(鷲一族は……一気に皆殺しされたんだったな)

    魔法使い「……やめ…」

    青年「」ナデナデ

    魔法使い「…さみし…い……」

    青年「今はおれがいるだろ」ナデナデ

    魔法使い「……」パチリ

    青年(起きた?)

    魔法使い「置いて…いかない、で……」

    青年「ああ」

    魔法使い「……」スー

    青年「……」ナデナデ

    407 = 393 :

    バサッ

    「まお……」

    青年「……」ナデナデ

    魔法使い「……」スースー

    「」

    青年「側近か。どうだった」

    「海に異常はなし――あの掘っ立て小屋にも人影はありませんでした」

    青年「“人魚”には会えたか?」

    「いえ。“人魚”は警戒して海上付近にはいませんでした」

    青年「おれが行くべきかもな」ナデナデ

    「…それより、今、なにをなさっているんです?」

    青年「こいつがうなされていたのでな」ナデナデ

    青年「ミノタウロスが言っていた『泣いてる子は抱き締めて撫でろ』を実践中だ」

    「」

    青年「まあ今は寝ているから抱き締められないけどな」

    408 = 393 :

    「」

    青年「もういいか」スッ…

    魔法使い「……」スースー

    「」

    青年「側近?」

    「あ、ちょっとお花畑に行っていました」

    (今度ミノタウロスに会ったら『変な知識植え付けんな』と言わなくては…)

    409 = 393 :

    ……

    チュンチュン

    魔法使い「……ん、朝か…」

    青年「よう」

    魔法使い「」

    青年「なんだ?おれとお前で部屋をとったことを忘れたのか」

    魔法使い「い、いや……あれ?なんで私があなたの手を握っているんだ?」

    青年「覚えていないのか。まぁ寝ぼけていたしな」

    魔法使い「ちょっ、一体私はあなたになにをしたんだ!?」

    青年「なにって」

    「」バサッ

    魔法使い「あっ、ちょうど良いときに!あの!私は昨晩なにを!」

    「……」

    「きのうは、おたのしみでしたね(主に魔王さまが)」

    410 = 393 :

    魔法使い「」

    青年「楽しかったな(撫でるのが)」

    魔法使い「」

    青年「お前案外ああいう(撫でられる)こと好きなのな」

    魔法使い「」

    青年「あれなら別に普段からでも(撫でて)やっていいぞ」

    魔法使い「」

    (すごい放心状態…いじりすぎたか)

    青年「」ナデ

    魔法使い「!?」

    青年「ああでも表情は固いな。寝ているときは無防備なのか」ナデナデ

    魔法使い「え?え?」

    412 :

    側近ひどい

    413 :

    乙!
    戦士が……! 続きが気になる!

    414 :

    これはもう結婚式イベントと冒険なんてとんでもないイベントも秒読みやな

    417 :

    狂戦士->勇者?

    418 = 414 :

    >>417
    その謎の記号は→か?

    419 :

    >>418
    え?

    421 :

    つまり戦士は姫ではなく勇者に思いを寄せていたということなんだよ

    422 :

    すまないホモ以外は以下略
    はじまるよ

    423 = 422 :

    ――街

    「あ!おにいさーん」フリフリ

    魔法使い「やぁ……」

    「…どうしたの、お兄さん。顔が赤いよ」

    魔法使い「なんかな…あんなことされると妙に意識するというか…」

    「へ?」

    魔法使い「いや、こちらの話だ。朝ごはんは食べた?」

    「もちろん。お兄さんは?」

    魔法使い「バッチリ」

    「あそこの宿のご飯不味いでしょ。部屋はいいらしいけど」

    魔法使い「……だから自分で朝食を買う客が多かったのか…」

    424 = 422 :

    「お兄さんなんとも思わなかったの?」

    魔法使い「別のことで頭がいっぱいで。それに、自分で作るものの方が不味いし」

    「…お料理下手なんだ?」

    魔法使い「みたいだな。食べた人は一回はひっくり返る」

    「毒物!?」

    魔法使い「それ言われたな。アオビカリキノコ入れたときとか」

    「それあたしみたいな子供でも知ってるほどの毒キノコだよ!」

    魔法使い「青いスープって美味しいのかなって思うじゃないか」

    「お兄さん冒険しすぎだよ!」

    426 :


    こないだ青いカレーなら見たけどあの色はあかん

    427 :



    >>426
    青いカレーと緑色の野菜カレーを混ぜてみな
    凄く美味しそうに見えるぞ

    428 :

    >>1

    魔法使いの料理だと、 魔王喜んで食うのではwwwwww

    429 :

    毒はスパイスとか感覚で使ってそう
    魔王だし

    430 :

    魔法使い「まあ料理談義はここまでにして」

    「料理なの…?」

    魔法使い「どうしようか、ここから。何も考えてないんだ」

    「……」

    「じゃあ、うちに来て」

    魔法使い「え?」

    「きっと、どれだけ大変なことが起きてるか分かるから」

    431 :

    ――街

    住人「なんかよくわかんねーけど買っちゃって――」

    住人A「俺もかかあに怒られて――」

    住人B「なんかこう、買っちまうんだよな。その場のノリで」

    住人「分かる分かる」

    ヤンヤヤンヤ

    「……」

    魔法使い「…そうですか。お話、ありがとうございます」

    432 = 431 :

    住人B「しかしあんちゃんは何者だ?

    住人A「や、杖もってるから“魔法使い”なのは分かるけど」

    魔法使い「修行の旅、ですかね。いわゆる」

    住人「わけぇのに大変だなぁ」

    魔法使い「いえ」

    住人A「なんだい、話聞いたってこたぁ兄ちゃんはここの謎を突き止めてくれんのか」

    魔法使い「出来る限り」

    住人「頼もしいなぁ」

    住人B「でもひよっこだから期待はできんぞ」

    アッハッハ

    「」オロオロ

    魔法使い「……」コツン

    住人「あれ、急に小便行きたくなった」

    433 = 431 :

    住人B「俺も」

    住人A「便所どこだった!?」バタバタ

    「お兄さん、なんかしたの?」

    魔法使い「…一応プライドはあるから。期待できない、とかはちょっとね…」

    「意外だね。もうちょっとクールな人だと思ってた」

    魔法使い「クールじゃないよ。すぐにキレる」

    「意外……」

    魔法使い「で、羽も生えてくる」

    「お兄さん、あんまり冗談とかだじゃれとかうまくないほうでしょ」

    魔法使い「あはは」

    魔法使い(本当なんだよ…)

    434 = 431 :

    「じゃああのおっさん集団に止められたけど……あれがうち」

    魔法使い(一般的な大きさだな)

    魔法使い「入っていいのか?」

    「うん」ガチャッ

    魔法使い(……う、わぁ)

    「すごいでしょ?」

    魔法使い「これは、思ったよりも」

    「色んなものがごっちゃごちゃ――足の踏み場もないよ」

    魔法使い(全く家そのものの雰囲気と噛み合っていない)

    魔法使い(なにもかもちぐはぐで――落ち着きがないというべきか)

    435 :

    ここで切れるのか

    437 = 431 :

    「本当は、お母さんもお父さんもこんな趣味じゃないの」

    魔法使い「なるほど…」

    「なのに、わけの分からないものをどんどん買ってきて…」

    魔法使い(なんだこれ…)ビヨヨーン

    「やっぱりなんか起こってるんじゃないかなって」

    魔法使い「そうか…」ビヨン

    魔法使い「……行ってみるか、あの小屋に」

    438 = 431 :

    「でもあそこ、不定期だよ」

    魔法使い「誰もいないほうがやりやすい」

    「そうなの?」

    魔法使い「何かしら残っている場合もあるだろうし」

    「そうなのかな」

    魔法使い「多分」

    「……そういえば、もう一人のお兄さんいないね」

    魔法使い「ああ、海に行くらしい」

    「海?」

    439 = 431 :

    ――海

    ザザ… ザザーン

    青年「静かだな」

    「人間の街の近くですからね」

    青年「ふん。普段の“人魚”を知らぬからなんともいえんが」

    「そうでしたっけ?」

    青年「ああ。おれは今まであの城にいる人魚ぐらいしかみたことがない」

    「あれは稀なタイプです」

    青年「稀か」

    「あれは変化(へんげ)が出来ませんが、魔力と知力と化粧のケバさにおいては断トツです」

    青年「今ちらりと悪意をこめてなかったか?」

    「気のせいです」

    440 = 431 :

    青年「となると、普通の“人魚”は変化できるのか」

    「はい」

    青年「……無知だな。王のくせして他を知らないとは」

    「これから学べばよろしいのですよ。それに、そのための我らです」

    青年「頼もしいな」

    「勿体なきお言葉」

    青年「――さて」チャプ

    青年「“人魚”は今海底にいるのか」チャプチャプ

    「恐らくは」

    青年「では、あちらがこれないのならこちらが行くべきだな」

    「あの」

    青年「なんだ」

    「…鳥人族は水が駄目で…」

    青年「じゃあ留守番だな」

    441 = 431 :

    「お気をつけて」バサッ

    青年「分かっている」チャプ

    バシャン

    青年(かなり深くのようだな)

    青年(魔力…こっちか)

    ~♪

    青年(歌声…意外だな、水中でも聞こえるものだったのか)

    青年(元の姿に戻るか)

    人魚A「……!しっ!誰か来る!」

    人魚B「また人間!?」

    人魚C「違うみたいね。人間なら泳ぐはずよ」

    人魚D「歩いてきてるね。陸上みたいに」

    人魚B「泳ぐ方が早い気がするんだけ……あれ?あの姿は……」

    魔王「」スタスタ

    人魚A~D「」

    445 :


    地味に鷹さんが好き

    446 :


    そりゃあ神の指を持つ男だからなあ

    447 = 431 :

    魔王「初めてだな」ピタ

    人魚A「え、ま、魔王さま?」

    人魚B「強い魔力といい角といい、どう考えても魔王さまよ!」

    人魚C「お化粧ちゃんとするんだった!どうしよう!」

    キャアキャア

    魔王(魔力は中ぐらいか。防護魔法が強いんだったな)

    人魚D(やば!?無表情だ、怒らせたかも!)

    人魚D「あーっと、申し訳ありません魔王さま」アセアセ

    人魚D「今、わたくしどもは精神状態が不安定です。ご無礼をお許しください」フカブカ

    448 = 431 :

    魔王「構わん。こちらも突然来て悪いな」

    人魚A「そんな!いいんですよ!」

    人魚B「魔王さまが謝ることじゃありません!」

    魔王「では本題に移ろうか」

    人魚D(マイペースだなぁ)

    魔王「――他の“人魚”はどうした」

    人魚A「……」

    人魚C「人間にさらわれました」

    魔王「お前ら防護魔法が協力だと聞いたが」

    人魚A「なぜかは分からないんですけど、人間側の武器で防護壁が一ヶ所破れたんです」

    魔王「ふむ」

    人魚A「それで、あの…パニックになってしまって。網でわーと」

    449 = 431 :

    人魚D「今は、ギリギリ逃げ延びたわたしたちだけです…」

    人魚B「」グスン

    魔王「今までにも人間はお前たちをさらおうとしていたか?」

    人魚A「はい。でも最近は様子がおかしかったですね。ね?」

    人魚C「なんかわたしたちが居るところを見に来てる感じだったよね」

    人魚D「今思えばみんなで固まっているところを捕まえようとしてたんだね…」

    魔王「ふむ――武器、か。どのような?」

    人魚B「えっと、矢です」

    魔王「矢?矢を水中に穿ったのか」

    450 = 431 :

    人魚A「魔法をかけられていました」

    人魚C「それらがヒビをいれて、パリンと割れたんです。…わたしたちの防護壁が」

    魔王「…人間め、厄介なものを作ったものだ」

    人魚A「矢は一つ一つじゃどうってことありませんが、大量にだと話は違います」

    人魚D「お願いします!わたしたちの仲間を助けてください!」

    魔王「ああ。そのためにきたのだからな」

    人魚B「」キュン

    人魚D「なにか、お手伝いすることは?」

    魔王「そうだな。お前らは仲間がそばにいるか確認するために何かしているか?」


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