元スレ魔王「おれと手を組め」魔法使い「断る」
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651 = 647 :
蝙蝠「トコロデサ」
側近「ん?」
蝙蝠「30ネングライマエニ、センソウアッタンデショ?」
側近「……あったな。魔物と人間が入り乱れた、最悪な戦争」
蝙蝠「ボクノイチゾク、ダレモハナシテクレナイ」
側近「……」
蝙蝠「ネェ、ナニガアッタノ?ソンナニヒドカッタノ」
側近「本当に好奇心旺盛だな…」
蝙蝠「エヘヘ」
側近「でも、そうだな。いつまでも、傷としてしまっていてはいけないな」
側近「若い世代に伝えて――二度と過ちを犯させないようにしなくては」
蝙蝠「ハナシテクレルノ?」
側近「大雑把にだけどな。まあどこか落ち着くところにぶら下がれ」
652 = 647 :
蝙蝠「オジイチャンノ、ムカシバナシ!」
側近「食われたいのか」
653 = 647 :
実を言うと戦争が起きた直接的な理由は分からない。
だが当時、きっかけはなんでも良かったのだろう。
今以上に人間と魔物の溝が深かったのは確かだったから。
人間は『勇者』がなかなか現れないことに焦りを感じていたし、
魔物は人間が次々作り出す武器に恐れを感じていた。
ならば、と両者は思ったわけだ。
人間のほうは『勇者』がいないなら自分達でなんとかしようと考え。
魔物のほうは人間が脅威になる前に潰してしまおうと考えた。
そうだ。
互いが互いを排除したかった。
自分たちが生物界の頂点に立ちたかった。
そのせいでどちらも大勢死んだ。
654 = 647 :
前代魔王さまも、人間の前代の王もなんとか争いを止めるよう努力したが……
え、ああ、違う。
国あげての戦争じゃない。勝手に始まったんだよ。
人間側は『救世主』とかって奴が率いて、魔物側は戦が好きな種族が率いた。
で、お上の言うことなんか聞かずにやりたい放題始めた。
魔物も人間も。
次第に手口は汚くなって、敵の街や村を破壊したり無抵抗の住人を惨殺したり。
…可哀想なことをした。後に知って無力さに泣いたよ。
自分は自分の一族を守るだけで手一杯だったから。
655 = 647 :
蝙蝠一族も大変だっただろうな。
静かな日々を望んでいたのに夜の偵察に遣わされたりして。
で、戦争は唐突に始まったのと同じように唐突に終わった。
まあ終わりの方じゃどちらも戦力足りなかったし、長くは続かなかったかもな。
史実だと、前代魔王さまが終わらせたことになっている。
そう、史実。
……あんまり言い触らすなよ。
まだこの事実を公表するのは早い。
戦に参加した魔物から反感を買われるから。もう少し傷が和らいだらのほうがいい。
魔物の兵と人間の兵。
その間に立ってありったけの魔力を暴発させたのは――
――現魔王さまだった。
656 = 647 :
遠くから見ていたが凄まじかった。
というか巻き添えを食らいかけた。
両者あわせて二百万。
――その大半が死亡した。即死に近い。
現魔王さまが暴走したのは色々理由があったんだが…。
かなりデリケートだから触れないでおく。
それで、戦争は終わらざるを得なかった。
前代魔王さまは現魔王さまに王位を渡し姿を消した。
今更感もあったが。ほとんど城にいなかったし。
様々なところに残した深い傷はまだあちこちに残っているし、
なにより――自分にとって一番大きかったのは鳥族の最強とも言われた鷲一族がほぼ全滅したこと。
かなり卑怯な手を使われたと聞く。
657 = 647 :
――知っていたのか。
唯一の生き残りが小娘だ。純血は絶えた。
小娘もわりとすごい暴走したらしいけどな。
前前代魔王さまがそんなことを言っていた。止めるのに苦労したらしい。
初対面じゃ気づかなかったけど。
それもまさか恩人の娘だったなんて。
以上だ。
酷い戦争だった。
今は前より敵意を持ってないみたいなのは救いだが。
もうあんなことは見たくない。
悩みのない平和な世界なんて来るわけないが、それでも。
明日を迎えられると保証できる未来にはしておきたい。
お話終わり。
658 = 647 :
蝙蝠「ウマクマトメタネ!」
側近「自分らしくないことを言った気がした」
蝙蝠「ソンナコトアッタンダネ。マオウサマ」
側近「本人には言うなよ。かなり気にしてるから」
蝙蝠「ソコマデ、ムシンケイジャナイモン!」
側近「信じられない……」
蝙蝠「タカサン、マオウサマ、シンパイ?」
側近「ああ。強さゆえに弱さをみせられないお方だから」
蝙蝠「コンケツナラ、ナントカシテクレル!」
側近「何故そこに話が飛ぶ!」
蝙蝠「ケッコン!ケッコン!」
司書「……未だ結婚できぬ我の嫌がらせですか……」ゴゴゴゴ
蝙蝠「ゴメンネ」
側近「ここで炎系魔法はやめよう」
659 = 647 :
閑話 了
耳だれが痒い
660 :
痒くなったらマキロン湿らせた綿棒で堪えろ
処置が正しいか知らんが
661 :
じびかいけばいいとおもうの
662 :
司書さんww
663 :
最終パート
魔王「おれと来てくれないか、魔法使い」魔法使い「…ああ」
664 = 663 :
――魔王城
人魚「――つまり、スパイがいたってこと?」
魔大臣「そう。人間側と、反魔王派のふたつだ」
ゴブリン「なんでスパイが今頃見つかったんだ?」
魔大臣「今頃、というより今まで泳がしていた」
側近「魔大臣と一応の検討はつけていたが、いかんせん証拠がなくてな」
魔大臣「証拠なしで疑惑なんかかけたら問題が起こる。だから手を出せなかったんだ」
トロール「証拠がつかめたト」
魔大臣「そういうこと」
665 = 663 :
ミノタウロス「ってことは自分からゲロったと」
魔大臣「うーん…当たらずとも遠からず…だな」
側近「自分からゲロらせた、というべきかなんなのか…」
ミノタウロス「?」
側近「本人からのほうが話が早いだろうな。いつまでそこで盗み聞きしてるんだ」
サキュバス「えへへ☆入り時を見失っちゃってた☆」ガチャ
人魚「」イラッ
サキュバス「なんと、サキュバスちゃんのお手柄なんですっ!」バ-ン
ゴブリン「は?」
トロール「どういうこト?」
666 = 663 :
魔大臣「サキュバスといったらアレしかないだろ…」
側近「ここまで自分を武器にするとは恐れ入った…」
ゴブリン「ま、まさか」
サキュバス「そっ☆スパイくんたちを片っ端からベッドに呼んで――」
サキュバス「情報と精、搾り取っちゃったよ☆」ツヤツヤ
ミノタウロス「スパイは…どうなったんです?」
ゴブリン「なぜ敬語」
サキュバス「あたし達が本気出したら死んじゃうからね☆一歩手前で止めたよ☆」
トロール「ご愁傷様だネ」
ゴブリン「まったくだ」
667 = 663 :
サキュバス「ところで魔王さまは?」
側近「資料を見に行っている」
サキュバス「残念☆魔王さまと遊びたかったなぁ。性的な意味で」
側近「!?」
ゴブリン「ぶぅーっ!?」
人魚「あ、あんた、まさか魔王さまと寝る気!?許さんわ!」
サキュバス「あれれ~おばちゃん、嫉妬~?」
人魚「だ、れ、が、おばちゃんよ!!」バッシャーーン
ゴブリン「ぎゃああぁぁぁぁびっしょびっしょぉぉぉぉぉぉ!!」
魔大臣「真面目に会議できないのかな…」
側近「無理っぽいな」
668 = 663 :
――資料室
魔王「」パラッ
司書「……魔王さまが、ここになんて珍しいですね……」
魔王「司書か。気になることがあってな」
司書「……お調べ物ならなんなりと……」
魔王「じゃあ聞くが、全く魔力のない人間に魔法を使わせる薬はあるのか?」
司書「……“人魚”の時の件ですか……」
魔王「よく知っているな」
司書「……情報を集めるのが我の仕事ですから……」
司書「……あるには、あります……」
魔王「どんな?」
669 = 663 :
司書「……いくつか入手の難しい薬草を、ややこしい調合で混ぜ作るんです……」
魔王「ふむ。そう簡単にはできないってことか」
司書「……はい……」
魔王「副作用はないのか?」
司書「……すぐにはありません。しかし……」
司書「……服用すると短命に…飲んでから十年生きられるかどうか……」
魔王「…無理矢理に魔力をつくる代償が寿命か」
司書「……はい……」
魔王「なるほどな。礼を言う、参考になった」
司書「……勿体なきお言葉……」
670 = 663 :
――街の近く
戦士「久しぶりだな、魔法使い」
魔法使い「何故ここに。牢に入れられたと聞いたが」
戦士「牢から出してもらったんだよ。お前を倒すためにな」
魔法使い「誰に!」
戦士「誰でもいいじゃないかよ……挨拶はここまでだ。行くぞ」ブォン
魔法使い「魔法――!?戦士、お前、薬を飲んだのか!」
戦士「じゃないと勝てないからな。なんにでもすがるさ」
魔法使い「戦士…自分の力で敵に勝つんじゃなかったのか」
戦士「……」
671 = 663 :
魔法使い「鍛錬し、己を磨き、最強を目指すんじゃなかったのか」
戦士「……」
魔法使い「あれらはすべて嘘だったのか!」
戦士「もうあの頃のオレじゃないんだよッ!」
魔法使い「……っ」
戦士「勇者を殺し、盗賊を殺し、僧侶を傷つけ、剣士を騙したオレは――」
戦士「そんな、そんな夢なんて語れる身分じゃないんだよ」
魔法使い「……」
戦士「オレは目的を見失った。狂ったオレ残ったものは――お前への恐怖」
魔法使い「私への……」
672 = 663 :
戦士「だから、殺り合おうぜ。魔法使い」
魔法使い「……」
戦士「オレはお前を殺して、恐怖を殺して、それから生きる目的を探す」
魔法使い「とんでもなく自己中心的だな」
戦士「なんとでも言え――なぁ、お前はオレを殺したらどうするんだ?」
魔法使い「殺さない。せまい牢に生きて、罪に苦しめ」
戦士「ははっ……相変わらずキツい奴だな」グッ
魔法使い「……」
戦士「覚悟しろ――混血っ!」
魔法使い「……っ、来いよ!我が侭に付き合ってやるよ、戦士!!」
673 = 663 :
続く
実は去年中耳炎なったんですよね…耳鼻科行くか
674 :
お疲れ様です
676 :
なおしてこいください
677 :
どんな病気でもそうだけど特に中耳炎は悪化すると大変だぞ
なるべく早く医者に行っとけ
678 :
これくらい平気でほっとくと難聴とか有り得るしな
679 :
歳食って基本的な体力や抵抗力が落ちて来た時に泣くぞ?
俺の祖母は、時代柄やっつけな治療で放置したせいか、75過ぎてから耳ダレが止まらんようになってる。
戦後しばらくホウ酸水で洗うしか薬が無かった田舎ったってなー。
680 :
ご心配おかけして申し訳ありません
土日に耳鼻科に行く予定です
681 = 680 :
顔に打たれるギリギリでくるりと魔法使いは回避した。
魔法使い「っ!」
逃げてもまた追ってきて今度は蹴りを食らいそうになる。
体力は並みの人間より上とはいえ、早めに対処をとらなければいけない。
戦士「逃げてばっかりか!そんなに軟弱なのか!」
魔法使い「安い挑発だな」
魔法陣を戦士の足元に展開させ、爆発させた。
容赦はしない。
そしてこの程度では死なないだろうとも思っている。
戦士「だぁっ!!」
魔法使い「…やっぱりな」
682 = 680 :
ぴんぴんの姿で砂ぼこりの中から姿を現した。
戦士は目の前に魔法陣を展開させ、それに向かって勢いよく拳を叩きつけた。
それは空気を圧縮させた凶器となり魔法使いに迫る。
が、手を払っただけであっさりと消え失せた。
そもそも基礎が違う。
強い魔力をもち十年も修行に明け暮れた魔法使いと、
薬を飲んでわずかな期間で魔法を使う練習をした戦士。
勝敗は明らかだった。
魔法使い(ま、それも魔力だけならな――)
魔法使い(あっちは身体が武器だから)
683 = 680 :
一瞬でも油断すれば重い拳の犠牲になるだろう。
よろめいたらそこで終わりだ。抵抗する間もなくひたすら殴られる。
魔法使い(それは、やだなぁ…)
魔法使い(魔物化をすれば一発で倒せるとは思うが)
それは嫌だった。
間違えて戦士を殺してしまう可能性もある。
魔法使い(あと、通行人も巻き添え、に、………ん?)
違和感。
戦士が動きをとめた魔法使いに今がチャンスと殴りかかってきたが撥ね飛ばした。
周りを見回す。
684 = 680 :
誰もいない。
―――誰も、いない。
魔法使い(戦士にばかり気を取られていたが――これは…)
魔法使い「おい、戦士」
戦士「あ?」
魔法使い「お前は人払いを出来るのか?」
戦士「んなもんするぐらいならもっと技磨いてらぁ」
魔法使い「だよな…そこまで頭が回るほど賢くないよな…」
戦士「なんだとコラ」
うるさいので再び足元を爆発させる。三連発。
魔法使いは熟考し、そして
魔法使い「逃げるぞ、戦士」
685 = 680 :
戦士「は?」
魔法使い「周りの気配を探ってみろ。武器を持った人間が二十名」
戦士「……マジか」
魔法使い「しかも人払いをかけられているのに、だ。嵌められたな」
戦士「嵌められた?つまり…」
魔法使い「どちらかが勝っても、結局は奴等に殺される」
戦士「待てよ、意味わかんねぇよ」
魔法使い「お前は誰から薬を貰ったんだ?正直に言ってくれ」
戦士「……大臣さまだ」
魔法使い「ふん。じゃあ確実に私を殺しにきたか」
戦士「オレは?特に殺される理由ねぇぞ」
686 = 680 :
魔法使い「なにいってんだ」
切羽詰まってきてなんだか笑えてきた。
ひきつった笑みに戦士が引いた。
魔法使い「捨てゴマに決まってんじゃないか」
戦士「………」
怒るかな、と魔法使いは身構えたがそうでもない。
ただ静かに立ち尽くしているだけだ。
戦士「じゃあ」
魔法使い「なんだ」
戦士「オレを捨てゴマ扱いしてる奴らをぶっ殺してから、お前も殺す」
魔法使い「勝手にしろ」
戦士「逃げるか」
魔法使い「そうだな」
杖で上に向かって大きく弧を描く。
周りが大爆発していくつかの悲鳴が生まれた。
687 = 680 :
――魔王城
魔王「あ」
司書「……魔王さま?……」
魔王「いや、ちょっと遠くで誰かが危険なことにあっている気がしてな」
司書(……電波?……)
側近「魔王さま!」バサッ
魔王「どうした」
側近「反魔王派が城内で暴動を起こしているそうです」
魔王「ふむ。分かった」
司書「……我も行きますか……」
魔王「いや。お前はここを守れ、いいな?」
司書「……はい……」ドキドキ
側近(天然タラシ…か…)
688 = 680 :
短いけどここまで
魔王「おれと耳鼻科にいけ」魔法使い「自分で行けよ」
689 :
俺「さっさと行けよ」
690 :
はやくいけよ
691 :
俺「わかる。病院怖い」
692 :
耳鼻科 盆休みじゃね?
693 :
おつ
694 :
俺「じゃあ俺と行くか♂」
695 :
乙
耳の中いじられるのって怖いよな
脳味噌近いし
696 :
乙乙!
中耳炎こじらして両耳から膿&血を垂れ流した人が通りますよ
697 :
>>695
やめろゾワッとした
698 :
>>696夜に歩いてたらホラーだわ
699 :
どんな病気も拗らせると怖いよな。
例え中二病というはしかみたいなものであってもさ
700 :
治んないと絶望的だよな
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