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    元スレ魔王「おれと手を組め」魔法使い「断る」

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    752 :

    皆のアイドル蝙蝠ちゃん

    753 :

    蝙蝠ちゃんキター

    755 :


    ひょっとして足元がお留守な剣士って、ヤムチャなかんじなの?

    756 :

    ――どこか

    魔法使い「そうだ、城へ行こう」

    戦士「軽いな」

    魔法使い「状況が不明なところに乗り込むのは気乗りしないが仕方ない」

    戦士「さすがに城はまだ大臣の手に落ちてないんじゃないか?」

    魔法使い「どうなんだろうな。大臣はかなり汚い奴だから」

    戦士「お前本当に嫌いなんだなあいつ」

    魔法使い「戦士のほうがまだ二割はマシだ」

    戦士「そうか、やっぱり予定を変更してここで殺るわ」ブォン

    757 = 756 :

    魔法使い「仲間割れをしている場合じゃない。…仲間というものなのかは知らんが」

    戦士「自分の発言を見直してから仲間割れ云々言えよな」

    魔法使い「話を戻して、だ。下手すると城の人間達が私たちの敵になっている可能性もあるぞ」

    戦士「…冗談でもそういうのはやめろよ。頼るところがねーじゃん」

    魔法使い「そうだな。じゃあ城に行くか」

    758 = 756 :

    戦士「待て。自分で話しときながらそれか。負ける。絶対負ける」

    魔法使い「“戦士”だろ?負けるなんか思うな」

    戦士「二対何百何千の兵で勝てると思ってんのかアホ!」

    魔法使い「全てに立ち向かわなくてもいいじゃないか」

    戦士「へ?」

    魔法使い「なにをそんな几帳面に戦う必要がある?」

    戦士「これだから魔王討伐の時からお前が苦手だったんだよ…」

    魔法使い「なんだ、苦手だったのか」

    戦士「お前の料理もろもろにな」

    759 = 756 :

    戦士「あのな、“戦士”は戦うことが誇りなんだ。戦わない道を選択するなんて恥だ」

    魔法使い「じゃあいますぐその誇り捨てろ。まあ戦士のばあい埃被ってるだろうが」

    戦士「無茶ぶり言うな!あとそのうまいこと言ったって顔やめろ!むかつく!」

    魔法使い「冗談はともあれ、誇りに縛られてたら死ぬぞ。特に今回は」

    戦士「……」

    魔法使い「何も考えず戦えないんだよ。殴りあうだけじゃ駄目だ」

    魔法使い「それに大臣はさっきも言ったように汚い奴だ」

    760 = 756 :

    戦士「……分かったよ!そんな説教しなくてもいいじゃねーか」

    魔法使い「悪い」

    戦士「しかし本当に二人だけで行くつもりか?」

    魔法使い「……助っ人が欲しいところだがな」

    戦士「ちょっと待ってみよう。この流れならもしかしたら助っ人が来るかもしれない」

    魔法使い「そうだな」

     一分経過。

    戦士「んなわけねーだろうが!!」

    魔法使い「言い出しっぺのくせに何を言っているのやら」

    戦士「都合良く助っ人なんか来るわけないよな!」

    761 = 756 :

    魔法使い「追っ手は来たけどな」

    戦士「無駄話しすぎた」

    魔法使い「うまくひっかかるといいが」トントン

    戦士「……杖、新しくしたのか?」

    魔法使い「ないと色々困るし」

     前方を見やれば追っ手がかけてくる。

    戦士「おい、やばいんじゃ…」

    魔法使い「大丈夫。走っていれば弓矢は使えないし」

     距離、五十メートルになって。
     魔法使いが一段と強く杖で地面を叩いた。

     がばっと地面に穴が開く。
     追っ手は抵抗できずに飲み込まれて消えた。

    762 = 756 :

    戦士「……死んだのか?」

    魔法使い「いいや。数日後にここから吐き出されるよ」

    戦士「お前、すげー魔法使うんだな」

    魔法使い「そりゃどうも。じゃあ、城に行こうか?」

     そういってずりずりと地面に円を書き始めた。

    戦士「なにしてんだ…?」

    魔法使い「魔法との相性が悪くて思うままに使えないんだよ」ガリガリ

    魔法使い「だからこうやってわざわざ陣を地面に書いているわけ」ガリガリ

    魔法使い「最近魔法陣でも正確に転移できる魔法を教わったし」ガリガリ

    戦士「…何か大変だな」

    魔法使い「武器との相性みたいなもんさ」

    763 = 756 :

    魔法使い「できた」

    戦士「大丈夫なんだろうな」

    魔法使い「いけるだろ、多分」

    戦士「不安すぎる」

    魔法使い「位置的には城のそばに転移するぞ。いいな」

    戦士「その方がいいだろ。なあ、これって衝撃とかあ―――」

    シュンッ

    764 = 756 :

    ――人間の城、門前

    魔王「……」シュンッ

    魔王「ここか」

     城門を一睨みして、魔王は歩き出した。
     よく“魔王”の外見を思い浮かべるとき、人間が考えがちなマントはない。
     そのため一見すると、真っ黒な出で立ちの青年が城へ歩いているように見えなくもない。

    魔王「……」

     夜風が彼の髪を荒らす。
     もうじき月が真上にかかるだろう。

     胸元の真珠に気づいて魔王は苦笑をもらす。

    魔王「まだ返してなかったな」

     それきり表情を消し去って、彼は闇へ消えた。

    765 = 756 :



     だが。


     彼は多くの騒ぎの中で失念していた。
     “魔王”は無敵だ。どんな傷もたちどころに治す。

     そんな治癒効果すら、もっといえば“魔王”そのものの力を
     封じ込めてしまう代物があることを頭の隅に置きっぱなしにしていた。

     それが今入った城にある。
     これから会うことにある大臣がそれを持っている。


     ――魔王が“勇者”と一度でも斬り結んでいれば。
     それ専用の対策をとっていただろう。
     だが彼は若すぎたのだ。“魔王”として。


     すなわち、その名は。

    766 = 756 :





    ―――『勇者の剣』




    767 = 756 :



    蝙蝠「ハッ」パチ

    蝙蝠「チョットショウゲキガ、ツヨカッタヨ」

    蝙蝠「アレ。マオウサマ、イッチャッタノカナ?」

    蝙蝠「オイカケナクチャ。ボク、コノアタリシラナイシ」

    蝙蝠「スッカリヨルダネ。ヨルハ、スキ」パタパタ

    蝙蝠「マオウサマー」パタパタ

    768 = 756 :

    続く
    剣士は強いんです…一応強いはずです…

    769 :

    おつおつ

    771 :

    おつ
    強いハズなんだけど実力を見せないままいなくなるキャラっているよね

    772 :


    剣士はあれだ、強さはヤムチャじゃないけど
    僧侶をベジータ的な誰かに寝取られるとかだよ、きっと

    >>771
    >>2で早々にいなくなった人、いるよね

    773 :

    乙。ここも楽しみだな。乙。

    774 :

    乙乙!

    775 :

    ――酒場

    僧侶「……と、いうわけなんです」

    マスター「なるほど」

    僧侶「信じていただけるのですか?」

    マスター「先ほどの奴等を締め上げたら同じ事を言っていたからね」

    僧侶「締め上げた?」

    剣士「気にしなくていい。マスターと仲良くなりたいなら」

    僧侶「は、はぁ」

    剣士「にしても大臣はなにをしようとしているのやら」

    僧侶「それはわかりません。力を…とにかく、強い力が欲しいようでした」

    マスター「力ねぇ」

    777 = 775 :

    「国王とかやばいやん」

    「魔王も狙われてるんだろ?すげーな」

    「早くなんとかしないと」

    剣士「表だって何もされてないんじゃ手の出しようがない」

    マスター「だな。しらばっくれられたらそこまでだ」

    「目つけられるかもだしな」

    「大人ってめんどくさい」

    ザワザワ

    剣士「あ、じゃあこうしよう」

    僧侶「?」

    剣士「魔物が城を襲おうとしているって偽の情報を言えばいい」

    マスター「ほう」

    剣士「そのために警備してるんです→内部探りという感じで」

    778 = 775 :

    マスター「うまくできるかどうかは分からないが…やってみる価値はある」

    「なんたって国王が危機だしな」

    「王女さん大丈夫かな」

    僧侶「で、でもそれだと魔物の怒りを…」

    マスター「なんなら話せばいいさ、さっきの話を」

    僧侶「聞いてくれるでしょうか…」

    剣士「賭けだな。魔王も大臣に侮辱されたも当然だから攻撃ぐらいはするかも」

    マスター「ついでにこちらの被害も未知数、と……」

    僧侶「……」

    剣士「とりあえず、ありったけの兵力を集めよう。明日の朝までにだ!いいな!」

    779 = 775 :

    「おう!」

    「連絡してくる」

    「憲兵隊にも」

    剣士「表向きは『魔物に攻められそうだから』な。誰が密告するか分からないから」

    剣士「武器の手入れと食料もだ。いつ何がおこるか分からないぞ!」

    「了解!」

    「行くぞ!」

    僧侶「…剣士さん、人望ありますね」

    マスター「あれでも隊長候補だ。変に抜けているのが不安だがね」

    僧侶「そうなんですか…」

    僧侶(ちょっとかっこいいです、剣士さん)

    僧侶(ところで魔法使いさんは今なにをしているのでしょうか…)

    780 = 775 :

    ――城のそばの森

    シュンッ

    魔法使い「少し遠すぎたか」

    魔法使い「ふむ……移動にてこずりそうだな。城につくまで何があるか」

    魔法使い「戦士はどう思う?」

    魔法使い「戦士?」

    戦士「オロロロロロロロ」

    魔法使い「なに吐いているんだ。武者震いならぬ武者吐きか」

    戦士「ちげぇ!衝撃がやばすぎて気持ちわオロロ」

    魔法使い「あのぐらい耐えろよ」

    戦士「逆によく耐えられるな!毎日やったら死ぬわ!」

    魔法使い「そうか、初心者にはきつかったか。私は耐性があるんだろうな」

    781 = 775 :

    戦士「移動は…確かにめんどいな。行くまでに襲撃されたら困る」

    魔法使い「もう一度転移か」ガリガリ

    戦士「待った、それで敵の中に放り込まれてもしばらく動けないぞ」

    魔法使い「…そうか。無理矢理身体動かせと言っても、動かないもんは動かない」

    戦士「地道に行くしかないな」

    魔法使い「その前に」

    戦士「ああ」

    魔法使い「――周りを囲んでいる連中を始末しないとな」

    戦士「そうだな」

    782 = 775 :

    戦士「この森に元々住んでいる魔物じゃないんだな?」

    魔法使い「違う。この森は小さい魔物がほとんどだから

     ボンッと。
     当たったら爆散しかねない攻撃が四方から二人に向かってくる。

    魔法使い「触るなよ!」

     魔法使いも光の球をいくつか出現させ、当てさせた。
     強い風と砂ぼこりが舞う。

    戦士「来る!」

     砂ぼこりを掻き分け、敵が踊りかかってくる。
     見る限り全員魔物だ。

    魔法使い「了解!」

     背中あわせになり戦士は拳で、魔法使いは強化した杖で相手を砕いていく。

    783 = 775 :

     殴り、叩き、突き刺す。
     悲鳴と肉が潰れる音が断続的に響いていた。

    魔法使い「ようやく半分だ」

    戦士「気を抜くな」

     足下からきた魔物を蹴り飛ばす。
     魔法使いは魔法で石を浮かし、執拗に魔物へ当てていく。

     数は減ってきた。
     しかし疲労は重なっていく。

    戦士「あっぐぅ!?」

    魔法使い「戦士!?」

    戦士「足をぶっ刺された…くそったれ!」

     何かを殴打する音が背中から聴こえる。
     しかし魔法使いも魔法使いで絶え間なくくる攻撃で振り向けない。

    784 = 775 :

    戦士「くっそ…」

    戦士(足の感覚がほとんど消えた。立つのでやっとだ)

    魔法使い「悪い、あとで薬草を渡す、今は辛抱してくれ!」

    戦士「……わぁったよ。っと」

     首筋に噛みついてくる魔物に容赦なく頭突きをした。
     足の血が止まらない。
     間隙を縫って布で止血を試みたが、深すぎるようだ。

    戦士「……」

    魔法使い「っ」

     魔法使いが息を飲む。

    魔法使い「最後の切札か!」

     見れば、残った五体が突き出した手に魔力を込めていた。

    785 = 775 :

     邪魔をしようと杖を振り、

    魔法使い「っぐ」

     五体のうちの一体が攻撃をしかけてきた。
     魔法使いの腕と手の甲が裂けた。

     直後に二体が崩れ落ちたが、残りの魔物たちは気にするようもない。
     いや、むしろ。
     今がチャンスとばかりに、飛びきり大きい攻撃の球を送り出す。

    魔法使い「――させるか」

     応戦。
     二つの球はぶつかり合い牽制しあう。
     魔法使いがさらに力を放出すると魔物側の球は圧されていく。

     あともう一押し、というところで。

    786 = 775 :



    魔物「魔王、捕ラエタ」


    魔法使い「―――は?」

     瞬間、集中力が途絶える。
     それに気づいたころにはもう魔法使いの目前に死が迫っていた。

    戦士「魔法使い!!」

     横から強い力で押された。
     堪らずに数メートル吹っ飛ぶ。

     振り向いて、彼の姿を認める。
     球に真正面から立ち向かう戦士を。

    魔法使い「せん――」

     ゴウッという音がやけに耳に焼き付いた。

    787 = 775 :

     轟音。
     強い光があたりを照らす。

     一通り落ち着いたあと、魔法使いは唇を震わせながら呼ぶ。

    魔法使い「戦士……?」

     砂ぼこりを手で払うように振ると、すぐさま視界が透明になる。
     人間が横たわっていた。

    魔法使い「うそ」

     両腕の肘から下がない。
     あちこちが焼け焦げ、悲惨な有り様だった。

    魔法使い「戦士!なんで!」

     胸元を叩いて呼びかける。
     薬草でどうにかなるレベルの損傷ではない。

    戦士「………い…」

    魔法使い「戦士!」

    戦士「あ……オレ、原型残っ……さすが、強化……魔法…」

    788 = 775 :

    魔法使い「なんで…なんで私を!」

    戦士「女に……戦わせん……の、恥、だから」

    魔法使い「誇りのためか!?でも、結果がこれだ馬鹿!」

    戦士「……オレ、さぁ……勇者、になりたくて………」

    戦士「でも、なれなくて……さ」

    魔法使い「……」

    戦士「あんな…こと、した……償い……」

    魔法使い「私を殺さないのか。大臣を殺さないのか!?」

    戦士「足……も、ダメだったから。動くの、無理……だった」

    魔法使い「……」

    戦士「足手、まとい、よりは、いいだろ?」

    789 = 775 :

    魔法使い「馬鹿……お前なんか見とりたくなかった」

    戦士「オレも……できれば、王女、さまが、良かった、なぁ……」

    魔法使い「あはは…わがままなやつ」

    戦士「なぁ……オレから、必要なの、持ってけ…」

    魔法使い「ああ」

    戦士「埋めなく……いいから…体力、使う」

    魔法使い「ああ」

    戦士「勝てよ」

    魔法使い「必ずだ」

    戦士「……僧侶と、剣士にも……よろしく」

    魔法使い「分かった」

    戦士「………」

    魔法使い「………」

    魔法使い「止まった」

    790 = 775 :

     見渡せば、魔物が増えていた。
     ちらほら人間も見える。
     騒ぎで集まってきたらしい。

    魔法使い「……もっと早く魔物化していれば良かったな…」

    魔法使い「でもなんでか……感情が高ぶらないとなれないんだよ、戦士」

    魔法使い「ごめんな。都合が悪いやつで、ごめん」

     翼が少女の背から生える。
     鷲の大きく獰猛な翼が。

    魔法使い「一人で逝くのは寂しいだろ?すぐ賑やかにしてやるから」


     一対数十。

     圧倒的な数の中、魔法使いは笑った。

    791 :

    ――酒場

    僧侶「あ」

    剣士「どうした?」

    僧侶「いえ…なにか、今、感じまして」

    剣士「感じた?」

    僧侶「…『戦いの中死ぬなら本望だ』」

    剣士「……それ、戦士が昔言ってたやつ?」

    僧侶「あれ、そうですね。なんで突然こんなことを…」

    剣士「……」

    僧侶「……」

    剣士「…なんか、胸がざわめく夜だ」

    僧侶「ええ…」

    792 = 791 :

    続く
    彼はこんな終わりで良かったのか悩んでる

    793 :

    あとどれ位かわからんけど
    惜しい人を亡くした
    乙!

    794 :

    乙乙!

    795 :


    僧侶も電波体質だったのか

    796 :


    これがニュータイプか

    797 :

    次も楽しみに待つ。乙。

    798 :

    乙乙

    799 :

    まあなんだかんだ言って私利私欲からの連続殺人犯ですしおすし

    800 :

    最後に男を見せたんだから良かったんじゃね?


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