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元スレ魔王「おれと手を組め」魔法使い「断る」
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――魔王城
魔王「側近はいるか」
側近「は、ここに」
魔王「人間の町に降りる。お前も来い」
側近「畏まりました。しかし、なぜ人間の町へ?」
魔王「ああ。ついさっき面白いことを聞いてな」
側近「面白いこと、ですか?」
SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1339856123(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)
魔王「側近はいるか」
側近「は、ここに」
魔王「人間の町に降りる。お前も来い」
側近「畏まりました。しかし、なぜ人間の町へ?」
魔王「ああ。ついさっき面白いことを聞いてな」
側近「面白いこと、ですか?」
SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1339856123(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)
魔王「勇者が殺されたらしい」
――人間界、宿場町
魔法使い「……もう夕方か」
魔法使い(朝からずっと走り回っていたんだな…)
僧侶「あっ、魔法使いさん!」タタタ
魔法使い「僧侶。なにか情報は?」
僧侶「ありません…戦士さんたちも同様らしく」
魔法使い「そうか…」
魔法使い「……もう夕方か」
魔法使い(朝からずっと走り回っていたんだな…)
僧侶「あっ、魔法使いさん!」タタタ
魔法使い「僧侶。なにか情報は?」
僧侶「ありません…戦士さんたちも同様らしく」
魔法使い「そうか…」
僧侶「わたし、まだ信じられません…。何故、勇者さまが…」
魔法使い「だな…」
魔法使い(宿近くの裏路地であんなにあっさりと……)
剣士「魔王が先手を打って刺客を寄越したんだろうよ」ザッ
魔法使い「剣士か。先手とはどういうことだ?」
剣士「力をつけられる前に殺したってことだ。深夜に勇者を呼び出して殺害したんじゃないか?」
魔法使い「しかし、剣は部屋に起きっぱなしだったが。呼び出されたにしては不用心だ」
剣士「なら、その時ちょうど散歩にでも出掛けてたんだろ」
魔法使い(無茶苦茶だな)
魔法使い「だな…」
魔法使い(宿近くの裏路地であんなにあっさりと……)
剣士「魔王が先手を打って刺客を寄越したんだろうよ」ザッ
魔法使い「剣士か。先手とはどういうことだ?」
剣士「力をつけられる前に殺したってことだ。深夜に勇者を呼び出して殺害したんじゃないか?」
魔法使い「しかし、剣は部屋に起きっぱなしだったが。呼び出されたにしては不用心だ」
剣士「なら、その時ちょうど散歩にでも出掛けてたんだろ」
魔法使い(無茶苦茶だな)
剣士「それに、見ただろ?あの勇者の身体をさ」
僧侶「う、うう…」
魔法使い「おい、剣士。少しは気を使え」
剣士「本当の事だろ――めちゃくちゃに切り刻まれていたじゃないか」
僧侶「ううう…」
魔法使い「なら何故、宿で寝ていた私たちを倒さなかったんだろうな。勇者を殺すついでにさ」
騎士「おいおい、魔法使い。しっかりしてくれよ」
騎士「魔王を倒せるのは選ばれた勇者、と剣だけだろ?」
僧侶「う、うう…」
魔法使い「おい、剣士。少しは気を使え」
剣士「本当の事だろ――めちゃくちゃに切り刻まれていたじゃないか」
僧侶「ううう…」
魔法使い「なら何故、宿で寝ていた私たちを倒さなかったんだろうな。勇者を殺すついでにさ」
騎士「おいおい、魔法使い。しっかりしてくれよ」
騎士「魔王を倒せるのは選ばれた勇者、と剣だけだろ?」
魔法使い「ふむ…つまり私たちは倒すに値しないと判断されたわけか」
僧侶「そんな!」
騎士「命拾いしたってやつだが…くそ、胸くそ悪いな」
僧侶「勇者さま以外は脅威にすら見られてないなんて…」
剣士「残念だが、それが現実だ」
僧侶「……」
魔法使い「精神的にも疲れが溜まると良くない。宿に戻ろうか?」
僧侶「そんな!」
騎士「命拾いしたってやつだが…くそ、胸くそ悪いな」
僧侶「勇者さま以外は脅威にすら見られてないなんて…」
剣士「残念だが、それが現実だ」
僧侶「……」
魔法使い「精神的にも疲れが溜まると良くない。宿に戻ろうか?」
剣士「そうだな…虚勢張ってバテても格好悪い」
僧侶「戻って、情報交換しましょうか」
剣士「だな」
魔法使い「……!」ピィン
僧侶「魔法使いさん?」
剣士「どうした?」
僧侶「戻って、情報交換しましょうか」
剣士「だな」
魔法使い「……!」ピィン
僧侶「魔法使いさん?」
剣士「どうした?」
魔法使い「いや…少し気がかりなことが出来た。先に戻っていてくれないか」
僧侶「は、はぁ…分かりました」
剣士「いつ戻る?」
魔法使い「今日中には戻る」
魔法使い「明日になっても戻らなかったら警戒体制に入ってくれ」
剣士「ああ」
僧侶「…それ、いっしょに行ったほうが良いのでは?」
剣士「それで強めの敵に当たって三人仲良く全滅したら?」
僧侶「は、はぁ…分かりました」
剣士「いつ戻る?」
魔法使い「今日中には戻る」
魔法使い「明日になっても戻らなかったら警戒体制に入ってくれ」
剣士「ああ」
僧侶「…それ、いっしょに行ったほうが良いのでは?」
剣士「それで強めの敵に当たって三人仲良く全滅したら?」
僧侶「ぜ、全滅……」
魔法使い「まあ大丈夫だろう。僧侶を頼むぞ」
剣士「はいはい。僧侶には馬鹿みたいに優しいな」
魔法使い「……なあ、もう一度確認したいんだが」
剣士「ん?」
魔法使い「勇者は誰に殺されたんだと思う?」
剣士「誰って、だから魔王直属かなんかの魔物だろ」
魔法使い「まあ大丈夫だろう。僧侶を頼むぞ」
剣士「はいはい。僧侶には馬鹿みたいに優しいな」
魔法使い「……なあ、もう一度確認したいんだが」
剣士「ん?」
魔法使い「勇者は誰に殺されたんだと思う?」
剣士「誰って、だから魔王直属かなんかの魔物だろ」
僧侶「魔法使いさんは、何か他に考えが…?」
魔法使い「いや。まあなんだ、話し合いは後にしよう」
剣士「おう」
魔法使い「…戦士は個人行動を一番嫌がるからな。なんとか宥めておいてくれ」
剣士「ええー…あいつかなりピリピリしてるし、自分でなんとかしろよ」
魔法使い「憂鬱だ…。じゃあ、後で」
僧侶「ご幸運を……」
魔法使い「いや。まあなんだ、話し合いは後にしよう」
剣士「おう」
魔法使い「…戦士は個人行動を一番嫌がるからな。なんとか宥めておいてくれ」
剣士「ええー…あいつかなりピリピリしてるし、自分でなんとかしろよ」
魔法使い「憂鬱だ…。じゃあ、後で」
僧侶「ご幸運を……」
――町外れの森
魔法使い「……」
魔法使い(確かここらへんから弱めとは言え、魔力を感じたが……)
ピーヒョロロ-
魔法使い「鷹?」
魔法使い(向こうに誰か、居る…?鷹使いか?)
青年「……」ボソボソ
魔法使い(もしかしてあれは鷹と話しているのか?)
魔法使い「……」
魔法使い(確かここらへんから弱めとは言え、魔力を感じたが……)
ピーヒョロロ-
魔法使い「鷹?」
魔法使い(向こうに誰か、居る…?鷹使いか?)
青年「……」ボソボソ
魔法使い(もしかしてあれは鷹と話しているのか?)
青年「おい、そこ」
魔法使い「……!?」ビク
青年「覗き見などと趣味が悪いな」
魔法使い「……申し訳ありません。悪気はないのです」ザッ
青年「ふむ、それは杖か。魔法を使用する者とみたが」
魔法使い「はい」
青年「ふん――なるほど、いいカモフラージュだ」
魔法使い(カモフラージュ…まさかな…)
青年「しかし何故魔力を魔力によって抑え込む?」
魔法使い「っ!」ギク
魔法使い「……!?」ビク
青年「覗き見などと趣味が悪いな」
魔法使い「……申し訳ありません。悪気はないのです」ザッ
青年「ふむ、それは杖か。魔法を使用する者とみたが」
魔法使い「はい」
青年「ふん――なるほど、いいカモフラージュだ」
魔法使い(カモフラージュ…まさかな…)
青年「しかし何故魔力を魔力によって抑え込む?」
魔法使い「っ!」ギク
青年「どうした?おれはただ疑問を口に出しただけだ」
魔法使い「……まさか見破られるとは。高度技術を持った魔法使用者、でしょうか」
魔法使い(魔力を抑えてることなんて師匠以外には見破られなかったのに…)
青年「はは、不思議そうな顔をしているな」
魔法使い「?」
青年「まだおれの正体に気づかないのか?」
魔法使い「は――?」
青年「お前をここに招待したのはおれさ。勇者パーティーの一員、魔法使い」
魔法使い「……まさか見破られるとは。高度技術を持った魔法使用者、でしょうか」
魔法使い(魔力を抑えてることなんて師匠以外には見破られなかったのに…)
青年「はは、不思議そうな顔をしているな」
魔法使い「?」
青年「まだおれの正体に気づかないのか?」
魔法使い「は――?」
青年「お前をここに招待したのはおれさ。勇者パーティーの一員、魔法使い」
魔法使い「!?」
青年「やはり話し合いをするには似ている系統同士がいいと思ってな」
魔法使い「似ている、だと?」
青年「おれもお前も、基本的には魔法を使うからさ」
魔法使い「…わざと魔力を放出させ、それに反応したものをここへ呼び出したというのか」
青年「その通り。――そっちの言葉使いのほうがいいな。新鮮だ」
魔法使い「……。一体あなたは誰だ」
青年「ふん、考えてみろよ」
魔法使い「――まさか、勇者を殺した犯人だとか」
青年「ならとうの昔にお前らは生きていないさ」
青年「それに、お楽しみは最後まで取っておくタイプなんだよ」
青年「やはり話し合いをするには似ている系統同士がいいと思ってな」
魔法使い「似ている、だと?」
青年「おれもお前も、基本的には魔法を使うからさ」
魔法使い「…わざと魔力を放出させ、それに反応したものをここへ呼び出したというのか」
青年「その通り。――そっちの言葉使いのほうがいいな。新鮮だ」
魔法使い「……。一体あなたは誰だ」
青年「ふん、考えてみろよ」
魔法使い「――まさか、勇者を殺した犯人だとか」
青年「ならとうの昔にお前らは生きていないさ」
青年「それに、お楽しみは最後まで取っておくタイプなんだよ」
魔法使い「……」
青年「とはいっても、いつまでも黙っているのは性格は悪いな」ブォン
魔法使い(動作と詠唱無しに結界を!?)
青年「これで話を邪魔する雑魚はこない」メキメキ
魔法使い(頭から角が生えて……この姿は、まさか)
青年「なぁ、魔法使い。聞いたことはないか?」
魔法使い「……」
青年「ヒトに近いカタチをした、角の生えた魔物を。そして、魔物の上にたつ魔物の存在をさ――」
魔法使い「……――魔王か!!」
魔王「ご名答」ニヤリ
青年「とはいっても、いつまでも黙っているのは性格は悪いな」ブォン
魔法使い(動作と詠唱無しに結界を!?)
青年「これで話を邪魔する雑魚はこない」メキメキ
魔法使い(頭から角が生えて……この姿は、まさか)
青年「なぁ、魔法使い。聞いたことはないか?」
魔法使い「……」
青年「ヒトに近いカタチをした、角の生えた魔物を。そして、魔物の上にたつ魔物の存在をさ――」
魔法使い「……――魔王か!!」
魔王「ご名答」ニヤリ
魔法使い(どうして気づけなかった――鷹から魔力が感じられる点で不自然だろう!)
魔法使い(不味い…私ごときが魔王になど勝てるわけもない)
魔法使い(ならばこの異変を他に伝えるしか…)ポゥ…
魔王「はっ、ダメダメだな。動作で何をするかがバレちまうだろ」パチン
フッ
魔法使い「魔法が…消えた…」
魔王「ま、座れよ。おれだって何も勇者なしのパーティーに止めを刺しに来た訳じゃない」
魔法使い(いつの間にか後ろに椅子がある)
魔法使い「…では、なにをしにきた」
魔王「ふん。なぁ魔法使い。お前は勇者がなにに殺されたか――知っているんだろ?」
魔法使い(不味い…私ごときが魔王になど勝てるわけもない)
魔法使い(ならばこの異変を他に伝えるしか…)ポゥ…
魔王「はっ、ダメダメだな。動作で何をするかがバレちまうだろ」パチン
フッ
魔法使い「魔法が…消えた…」
魔王「ま、座れよ。おれだって何も勇者なしのパーティーに止めを刺しに来た訳じゃない」
魔法使い(いつの間にか後ろに椅子がある)
魔法使い「…では、なにをしにきた」
魔王「ふん。なぁ魔法使い。お前は勇者がなにに殺されたか――知っているんだろ?」
魔法使い「……」
魔法使い「魔物だろう。あなた直属のな」
魔王「本気でそう思ってるのか、魔法使い」
魔法使い「……」
魔王「……」ニヤニヤ
魔法使い「魔王、あなたは相当最低な性格みたいだな」
魔王「これでも部下思いだがな」
魔法使い「…勇者の遺体に、魔法を使った形跡はなかった」
魔法使い「魔力をもったものの犯行なら、いくらか魔力が残るはずだ」
魔王「それで?」
魔法使い「魔物だろう。あなた直属のな」
魔王「本気でそう思ってるのか、魔法使い」
魔法使い「……」
魔王「……」ニヤニヤ
魔法使い「魔王、あなたは相当最低な性格みたいだな」
魔王「これでも部下思いだがな」
魔法使い「…勇者の遺体に、魔法を使った形跡はなかった」
魔法使い「魔力をもったものの犯行なら、いくらか魔力が残るはずだ」
魔王「それで?」
魔法使い「全ての魔物は、微弱とはいえ魔力持ちだ」
魔法使い「魔力の痕を完全に消し去ることは私ですら不可能だ」
魔王「そうだな」
魔法使い「まとめると、《勇者から魔力は感じられなかった》」
魔法使い「《魔物は関わったものに魔力を残す》」
魔王「一種のマーキングだからな」
魔法使い「つまり、だ」
魔王「つまり?」
魔法使い「勇者を殺したものは、かなりの高度技術を持った魔法使用者か――」
魔法使い「魔力の痕を完全に消し去ることは私ですら不可能だ」
魔王「そうだな」
魔法使い「まとめると、《勇者から魔力は感じられなかった》」
魔法使い「《魔物は関わったものに魔力を残す》」
魔王「一種のマーキングだからな」
魔法使い「つまり、だ」
魔王「つまり?」
魔法使い「勇者を殺したものは、かなりの高度技術を持った魔法使用者か――」
魔法使い「それか、人間」
魔法使い「それも――あの勇者が剣無しで会う程に親しい関係の」
魔王「ほう?剣無しとは?」
魔法使い「私が見たかぎり、勇者は剣を非常に大切にしていた」
魔法使い「見知らぬ人間に呼ばれても手放して行くとは考えられない」
魔法使い「――だが、知り合いだったら?ある程度共に過ごした……仲間<パーティー>だったら?」
魔法使い「『散歩に行かないか。剣は重いだろうから置いていけばいい』」
魔法使い「そんな感じに言えば、多少は渋るものの勇者は置いていくと思う」
魔法使い「あいつはどちらかというと、話は聞くタイプだったからな」
魔王「ここまでの話に確証は?」
魔法使い「まさか、あるはずない。単なる私の不合理な妄想だ」
魔法使い「私が見たかぎり、勇者は剣を非常に大切にしていた」
魔法使い「見知らぬ人間に呼ばれても手放して行くとは考えられない」
魔法使い「――だが、知り合いだったら?ある程度共に過ごした……仲間<パーティー>だったら?」
魔法使い「『散歩に行かないか。剣は重いだろうから置いていけばいい』」
魔法使い「そんな感じに言えば、多少は渋るものの勇者は置いていくと思う」
魔法使い「あいつはどちらかというと、話は聞くタイプだったからな」
魔王「ここまでの話に確証は?」
魔法使い「まさか、あるはずない。単なる私の不合理な妄想だ」
魔王「ふむ。では魔法使い、お前は犯人を見つけたいか?」
魔法使い「もちろんだ」
魔王「勇者のために?」
魔法使い「……」
『魔物は全て死ぬべきだ。そうだろう?』
『特に――』
魔法使い「ただの自己満足。身近に犯人がなんておちおち寝てもいられない」
魔王「ふん。じゃあこうしよう」
魔法使い「もちろんだ」
魔王「勇者のために?」
魔法使い「……」
『魔物は全て死ぬべきだ。そうだろう?』
『特に――』
魔法使い「ただの自己満足。身近に犯人がなんておちおち寝てもいられない」
魔王「ふん。じゃあこうしよう」
魔王「おれと手を組め」
魔法使い「断る」
魔法使い「断る」
魔王「何故だ」
魔法使い「魔王と犯人捜しなど意味が分からない」
魔王「敵と手を組むのがそんなに嫌か」
魔法使い「分かっているなら勝手に一人で探せ」
魔王「つれないな少年。――あ、いや少女か。すまんすまん、胸があまりにも慎ましいものだったのでつい」
魔法使い「―――魔王覚悟ッ!!」
ドゥンッ
魔法使い「魔王と犯人捜しなど意味が分からない」
魔王「敵と手を組むのがそんなに嫌か」
魔法使い「分かっているなら勝手に一人で探せ」
魔王「つれないな少年。――あ、いや少女か。すまんすまん、胸があまりにも慎ましいものだったのでつい」
魔法使い「―――魔王覚悟ッ!!」
ドゥンッ
なんちゃってミステリー(笑)
続く
続く
期待
確か少年は女性にも使えなかったっけ?
少女って言う方が一般的だと思うけど
確か少年は女性にも使えなかったっけ?
少女って言う方が一般的だと思うけど
――深夜、宿
魔法使い「ただいま…」フラッ
僧侶「ぼ、ボロボロじゃないですか!」
剣士「何があったし」
魔法使い「ちょっとな…自爆した…」
盗賊「めずらしい、普段はそんなことないのに?」
魔法使い「ちょっと気が高ぶっていてつい」
僧侶「治療しますから動かないで下さいね」キィィィン
魔法使い「ああ、ありがとう」
戦士「魔法使ァァァァい!!」バァン
全員「」ビクッ
魔法使い「ただいま…」フラッ
僧侶「ぼ、ボロボロじゃないですか!」
剣士「何があったし」
魔法使い「ちょっとな…自爆した…」
盗賊「めずらしい、普段はそんなことないのに?」
魔法使い「ちょっと気が高ぶっていてつい」
僧侶「治療しますから動かないで下さいね」キィィィン
魔法使い「ああ、ありがとう」
戦士「魔法使ァァァァい!!」バァン
全員「」ビクッ
魔法使い「なんだ、戦士。私は疲」
戦士「なんだじゃねぇ!どこほっついてたんだ、こんな時に!」
魔法使い「……すまなかった」
戦士「勇者が殺られたんだぞ!それなのに貴様は――」
魔法使い「悪いが、ここは宿で、今は深夜だ」クルリ
戦士「~~~!?」バタバタ
盗賊「いいなその杖?くれよ?」
魔法使い「あげるか。私の大切な商売道具なんだぞ」
剣士「お前らは一大事ってときに…」ハァ
僧侶「他のお客さんをこれ以上不安にさせてはいけません…静かに話しましょう」
魔法使い「そうだな」
戦士「なんだじゃねぇ!どこほっついてたんだ、こんな時に!」
魔法使い「……すまなかった」
戦士「勇者が殺られたんだぞ!それなのに貴様は――」
魔法使い「悪いが、ここは宿で、今は深夜だ」クルリ
戦士「~~~!?」バタバタ
盗賊「いいなその杖?くれよ?」
魔法使い「あげるか。私の大切な商売道具なんだぞ」
剣士「お前らは一大事ってときに…」ハァ
僧侶「他のお客さんをこれ以上不安にさせてはいけません…静かに話しましょう」
魔法使い「そうだな」
盗賊「じゃあまず状況確認?」
僧侶「そうですね」
戦士「~~~!」バタバタ
魔法使い「小声なら出せるはずだ」
戦士「あ、本当だ。この野郎魔法使~~~~!」バタバタ
魔法使い「学習してくれよ…」
剣士「話進めていい?」
魔法使い「どうぞ」
僧侶「そうですね」
戦士「~~~!」バタバタ
魔法使い「小声なら出せるはずだ」
戦士「あ、本当だ。この野郎魔法使~~~~!」バタバタ
魔法使い「学習してくれよ…」
剣士「話進めていい?」
魔法使い「どうぞ」
剣士「――勇者は裏路地で発見された。裏路地といっても、まあまあ広いところだが」
剣士「そしてそれを通行人が見つけたのが雨月の18日。つまり今朝だ」
僧侶「そういえば、その通行人さんはどうなったんですか?」
剣士「ショックで寝込んでしまったそうだ」
盗賊「かわいそうに?」
魔法使い(第一発見者か…なにか他に情報を持っていないだろうか)
剣士「ここまでで、何か疑問は」
魔法使い「ん。勇者は昨日遅くまでどこに行っていたのか分かるか?」
僧侶「そういえば、昨晩異様に遅かったですよね」
剣士「そしてそれを通行人が見つけたのが雨月の18日。つまり今朝だ」
僧侶「そういえば、その通行人さんはどうなったんですか?」
剣士「ショックで寝込んでしまったそうだ」
盗賊「かわいそうに?」
魔法使い(第一発見者か…なにか他に情報を持っていないだろうか)
剣士「ここまでで、何か疑問は」
魔法使い「ん。勇者は昨日遅くまでどこに行っていたのか分かるか?」
僧侶「そういえば、昨晩異様に遅かったですよね」
盗賊「この町に来てから毎晩どっか行ってない?」
僧侶「そうですね。ふらりと」
剣士「ああ…それか。呆れるなよ……」ハァ
盗賊「なになに?」
剣士「聞き込みしてたら教えられたんだがな――」
魔法使い「」ゴクリ
剣士「アイツ、最近ずっと接待専門の酒場行っていたようだ」
戦士「……」
僧侶「えっ」
魔法使い「国から貰った金で遊びほうけていたのかあのバカは」
剣士「そして酒もしこたま飲んでいたとさ」
魔法使い(そう言われてみると勇者の部屋はすごい酒臭かったな…)
剣士「…なら、酔った勇者を倒すのは、普段より容易いものとなる」
僧侶「そうですね。ふらりと」
剣士「ああ…それか。呆れるなよ……」ハァ
盗賊「なになに?」
剣士「聞き込みしてたら教えられたんだがな――」
魔法使い「」ゴクリ
剣士「アイツ、最近ずっと接待専門の酒場行っていたようだ」
戦士「……」
僧侶「えっ」
魔法使い「国から貰った金で遊びほうけていたのかあのバカは」
剣士「そして酒もしこたま飲んでいたとさ」
魔法使い(そう言われてみると勇者の部屋はすごい酒臭かったな…)
剣士「…なら、酔った勇者を倒すのは、普段より容易いものとなる」
戦士「む…なんだか、犯人が分かったみたいな話ぶりだな」
僧侶「はい。私たちが考えたのは、魔物の仕業かと」
剣士「魔王直属かなんかのな」
魔法使い「……」
魔法使い(…魔王に言い含められているだけかもしれないんだ)
魔法使い(幻想で人間の仕業だと、思い込まされていてもおかしくない)
魔法使い(あいつは私たちに仲間割れを起こさせるつもりなのだろうか)
盗賊「本当にそうかなあ?」
剣士「は?」
戦士「どういうことだ?」
盗賊「だってさぁぁ、なんでこんな時期に死なないといけない?」
僧侶「はい。私たちが考えたのは、魔物の仕業かと」
剣士「魔王直属かなんかのな」
魔法使い「……」
魔法使い(…魔王に言い含められているだけかもしれないんだ)
魔法使い(幻想で人間の仕業だと、思い込まされていてもおかしくない)
魔法使い(あいつは私たちに仲間割れを起こさせるつもりなのだろうか)
盗賊「本当にそうかなあ?」
剣士「は?」
戦士「どういうことだ?」
盗賊「だってさぁぁ、なんでこんな時期に死なないといけない?」
盗賊「まだ旅が始まったばかりと言っても過言じゃないじゃん?」
戦士「数ヶ月は経ってるけどな」
盗賊「あと、魔王は歴代の“勇者”を墓場送りにしたんだろ?」
魔法使い「……」
盗賊「どうして早めに芽をつむ?あっちには相当な力があるのに?」
僧侶「実は勇者さんにすごい力を秘めていたから早めに始末したとか…」
盗賊「……」
剣士「……」
戦士「……」
魔法使い「……」
僧侶「…なんて」
戦士「数ヶ月は経ってるけどな」
盗賊「あと、魔王は歴代の“勇者”を墓場送りにしたんだろ?」
魔法使い「……」
盗賊「どうして早めに芽をつむ?あっちには相当な力があるのに?」
僧侶「実は勇者さんにすごい力を秘めていたから早めに始末したとか…」
盗賊「……」
剣士「……」
戦士「……」
魔法使い「……」
僧侶「…なんて」
魔法使い(むしろ最弱のほうだからなぁ)
戦士「まあな、俺も最初は思ったさ」
魔法使い(先代勇者の息子だから、“勇者”の血が流れているから)
剣士「死んだやつのことを悪くいいたくはないがな…」
魔法使い(それだけで、選ばれた――力ではなく血筋しか見ていない)
盗賊「先代“勇者”がすごすぎたんだよな?」
魔法使い(納得は出来なかったが…剣を持てるのは彼しかいなかったからしょうがない)
戦士「まあな、俺も最初は思ったさ」
魔法使い(先代勇者の息子だから、“勇者”の血が流れているから)
剣士「死んだやつのことを悪くいいたくはないがな…」
魔法使い(それだけで、選ばれた――力ではなく血筋しか見ていない)
盗賊「先代“勇者”がすごすぎたんだよな?」
魔法使い(納得は出来なかったが…剣を持てるのは彼しかいなかったからしょうがない)
戦士「……」
剣士「…寝るか」
戦士「だな」
僧侶「もう日付も変わりましたしね…」
剣士「とりあえず明日、国に連絡しよう。あとは朝起きてからだ」
魔法使い「分かった」
僧侶「ではお先に」ペコ
魔法使い「おやすみ」
戦士「ほら勇……、あー…そっか、いないのか」
魔法使い「戦士…」
戦士「気にすんな。そんなヤワじゃないからな、俺は。じゃ」
盗賊「あ、戦士?すぐ寝る?」スタスタ
戦士「なんだよ」スタスタ
魔法使い「……私も寝る」
剣士「ああ。また明日」
魔法使い「また明日」
剣士「…寝るか」
戦士「だな」
僧侶「もう日付も変わりましたしね…」
剣士「とりあえず明日、国に連絡しよう。あとは朝起きてからだ」
魔法使い「分かった」
僧侶「ではお先に」ペコ
魔法使い「おやすみ」
戦士「ほら勇……、あー…そっか、いないのか」
魔法使い「戦士…」
戦士「気にすんな。そんなヤワじゃないからな、俺は。じゃ」
盗賊「あ、戦士?すぐ寝る?」スタスタ
戦士「なんだよ」スタスタ
魔法使い「……私も寝る」
剣士「ああ。また明日」
魔法使い「また明日」
――宿部屋
キィ
魔法使い「ふぅ」ドサ
魔法使い「……」
青年「ここに一人とか豪勢だな」
魔法使い「!?」
青年「この宿は二人部屋しかないそうだから溢れたか?しかしぴったり六人のはずだが」
魔法使い「な、何でここに居る!?」
青年「もう忘れたか?おれは魔王だ。このぐらい余裕」
魔法使い「だからって人の借りた部屋でくつろぐなよ……」
青年「あ、分かった」
魔法使い「話を聞け」
青年「魔法使いお前、男って偽ってるだろ?」
キィ
魔法使い「ふぅ」ドサ
魔法使い「……」
青年「ここに一人とか豪勢だな」
魔法使い「!?」
青年「この宿は二人部屋しかないそうだから溢れたか?しかしぴったり六人のはずだが」
魔法使い「な、何でここに居る!?」
青年「もう忘れたか?おれは魔王だ。このぐらい余裕」
魔法使い「だからって人の借りた部屋でくつろぐなよ……」
青年「あ、分かった」
魔法使い「話を聞け」
青年「魔法使いお前、男って偽ってるだろ?」
続く
魔法使い「…ひとつ、言わせてくれ」
青年「なんだ」
魔法使い「順番というか、順序ってものを知っているか?」
青年「それがどうした」
魔法使い「私が女だと暴く前に今のセリフだろ。普通は」
青年「ふん。順序なんて意味のないものに付き合うほど俺は暇じゃない」
魔法使い(どうみても暇そうなんだけどな……)
青年「なんだ」
魔法使い「順番というか、順序ってものを知っているか?」
青年「それがどうした」
魔法使い「私が女だと暴く前に今のセリフだろ。普通は」
青年「ふん。順序なんて意味のないものに付き合うほど俺は暇じゃない」
魔法使い(どうみても暇そうなんだけどな……)
青年「で、どうなんだ」
魔法使い「…ああそうだよ。私はパーティー内では男としている」
魔法使い「だいたい何故あなたは私の性別が分かった?それが不思議なのだが」
青年「簡単だ。軽く解析したら普通ヒトのオスにあるものがなかったからな」
魔法使い(いつ解析とかしたんだ?というより解析ってなんだ?)
青年「しかし迷ったぞ。なんせメスにあるはずの豊満なものも――」
ガッシャーン
魔法使い「…ああそうだよ。私はパーティー内では男としている」
魔法使い「だいたい何故あなたは私の性別が分かった?それが不思議なのだが」
青年「簡単だ。軽く解析したら普通ヒトのオスにあるものがなかったからな」
魔法使い(いつ解析とかしたんだ?というより解析ってなんだ?)
青年「しかし迷ったぞ。なんせメスにあるはずの豊満なものも――」
ガッシャーン
僧侶『魔法使いさん!?大丈夫ですか!』ドンドン
魔法使い「あ、やあ…僧侶」ガチャ
僧侶「どうしたんですか今の音!それに何か話し声もしたような…」
魔法使い「寝ぼけていて。ちょっと今日は疲れてしまったみたいだ」
僧侶「え?そう…ですか。早く寝た方がいいですよ?」
魔法使い「いや、もう寝ていた」
僧侶「?」
魔法使い「……実は私、寝相が悪いんだ」
魔法使い「あ、やあ…僧侶」ガチャ
僧侶「どうしたんですか今の音!それに何か話し声もしたような…」
魔法使い「寝ぼけていて。ちょっと今日は疲れてしまったみたいだ」
僧侶「え?そう…ですか。早く寝た方がいいですよ?」
魔法使い「いや、もう寝ていた」
僧侶「?」
魔法使い「……実は私、寝相が悪いんだ」
僧侶「まあ…」
魔法使い「秘密にしていたんだが…言わないでくれるか?恥ずかしいから」
僧侶「も、もちろんです!」
魔法使い「ありがとう。おやすみ、僧侶」
僧侶「おやすみなさい、魔法使いさん」
魔法使い「僧侶も早く寝た方がいいぞ。体力ないんだから」
僧侶「失礼です!」
魔法使い「ごめんごめん」
パタン
魔法使い「秘密にしていたんだが…言わないでくれるか?恥ずかしいから」
僧侶「も、もちろんです!」
魔法使い「ありがとう。おやすみ、僧侶」
僧侶「おやすみなさい、魔法使いさん」
魔法使い「僧侶も早く寝た方がいいぞ。体力ないんだから」
僧侶「失礼です!」
魔法使い「ごめんごめん」
パタン
魔法使い「はぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
魔法使い(騙してごめん僧侶)
青年「あの少女にはおれの存在が気づけなかったみたいだな」
魔法使い「…隠れていたのか」
青年「面倒なことは嫌だからな」
魔法使い「彼女は治癒に特化しているんだ。その他は全然……」
青年「全然?」
魔法使い「…そういえば、あなたは敵だったな…」
青年「ふん。仲間の弱点は言いたくないか」
魔法使い「……」
青年「その勇者無しのパーティーでおれを倒しにいくなら言わないほうがいいな」
魔法使い「……ふん」
魔法使い(騙してごめん僧侶)
青年「あの少女にはおれの存在が気づけなかったみたいだな」
魔法使い「…隠れていたのか」
青年「面倒なことは嫌だからな」
魔法使い「彼女は治癒に特化しているんだ。その他は全然……」
青年「全然?」
魔法使い「…そういえば、あなたは敵だったな…」
青年「ふん。仲間の弱点は言いたくないか」
魔法使い「……」
青年「その勇者無しのパーティーでおれを倒しにいくなら言わないほうがいいな」
魔法使い「……ふん」
青年「話を戻すか。魔法使い、お前は自分を男だと認識させる魔法でも使っているのか?」
魔法使い「魔法など使わなくても、私は昔から男子に間違われていたんだ」
魔法使い「ボロをみせなければ誰も私のことなど女だと思わない」
青年「ふうん、なるほどな。やっぱ胸の大きさも関係しているんだろうか」
魔法使い「………」イラッ
青年「だが、風呂とかはどうしている?」
魔法使い「それは言うべきことなのか――」
鷹「」バサッ
魔法使い「魔法など使わなくても、私は昔から男子に間違われていたんだ」
魔法使い「ボロをみせなければ誰も私のことなど女だと思わない」
青年「ふうん、なるほどな。やっぱ胸の大きさも関係しているんだろうか」
魔法使い「………」イラッ
青年「だが、風呂とかはどうしている?」
魔法使い「それは言うべきことなのか――」
鷹「」バサッ
魔法使い「あ、窓から鷹が」
青年「ご苦労。なにかあったか?」
鷹「いいえ」
魔法使い(喋ったよ)
青年「魔物のほうは何もなし、か。さておれらも戻るかな」スク
魔法使い「戻るって、どこへ?」
青年「向かいの宿だよ」
魔法使い「は?」
青年「寂しくなったらいつでもこい」シュンッ
魔法使い「誰が行くか!――……もういないし」
青年「ご苦労。なにかあったか?」
鷹「いいえ」
魔法使い(喋ったよ)
青年「魔物のほうは何もなし、か。さておれらも戻るかな」スク
魔法使い「戻るって、どこへ?」
青年「向かいの宿だよ」
魔法使い「は?」
青年「寂しくなったらいつでもこい」シュンッ
魔法使い「誰が行くか!――……もういないし」
――青年の宿部屋
鷹「魔王さま」
青年「ん?」
鷹「このような質素な部屋でよろしいのですか?」
青年「いいんだよ。あまり高い部屋に何日もいたら怪しまれるしな」
鷹「ならよいのですが」
青年「それに…外は久しぶりだからな。どこであろうと楽しめる」
鷹「……前々代魔王様と前代魔王様があんなに早く引退しなければ、もう少し自由に」
青年「よせ。もう終わった話だ」
鷹「はい…申し訳ありません」
鷹「魔王さま」
青年「ん?」
鷹「このような質素な部屋でよろしいのですか?」
青年「いいんだよ。あまり高い部屋に何日もいたら怪しまれるしな」
鷹「ならよいのですが」
青年「それに…外は久しぶりだからな。どこであろうと楽しめる」
鷹「……前々代魔王様と前代魔王様があんなに早く引退しなければ、もう少し自由に」
青年「よせ。もう終わった話だ」
鷹「はい…申し訳ありません」
続け
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