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    元スレ魔王「おれと手を組め」魔法使い「断る」

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    52 = 41 :

    ――
    ――――
    ――――――

    53 = 41 :

    「おとうさん?おかあさん?」

     『……』『……』

    「ねえ、おきてよ。にげなくちゃ、ねえったら」

     『おい、まだ子供がいるぞ』

     『ガキぃ?慰みもんにもなんねーじゃん』

    「ひっ――!?」

     『こんな死体なんかにすがり付くなよ気持ち悪い』

     『おいおい、自分でやっといて良くいうよ』

    「や、やめて……おとうさんたちをけらないで……」

    54 = 41 :

     『あ?なに言ってんだよ』

     『敗戦国が偉ぶってるんじゃねえ』

    「い、いた……やだ…」

     『つまんね、殺すか?』

    「ころ…す……ころ…」

     『そうだな。じゃあ俺から――』



    わたしには人をころせる力があるって

    むかし、おとうさんがいってた



    「………しんじゃえ」



    それが、わたしの、はじめての

    55 = 41 :

    ――――――
    ――――
    ――

    56 = 41 :

    チュンチュン

    魔法使い「朝か……」ムクリ

    魔法使い(頭痛い考えすぎたからかな)

    青年「ふん。気持ち良さそうにうなされていたが」

    魔法使い「それはどっち…だ…」

    青年「こういうときはおはよう、というそうだな」

    魔法使い「……」

    青年「……」

    魔法使い「なんでここにいるんだ!?ふざけているのか!」

    青年「失礼な。おれは少しもふざけていないのだが」

    57 :

    乙乙

    58 :

    魔法使い「なんで普通に私の部屋に侵入しているんだ!」

    青年「魔王だからな」

    魔法使い「したり顔やめろ!」

    青年「それより、どうやら階下が騒がしいぞ?」

    魔法使い「……?」

    青年「早く行ってみたらどうだ。好転か後転、どちらだろうな」

    魔法使い「……いいか、荷物漁るなよ」ダッ

    60 = 58 :

    トントントン

    魔法使い「みんなおはよう」

    僧侶「あ、魔法使いさん!今から呼びにいこうと思ってたんですよ」

    魔法使い「どうしたんだ?犯人が見つかったか?」

    僧侶「違うんです…」

    剣士「おはよう。…盗賊がいなくなったんだ」

    61 = 58 :

    魔法使い「盗賊が?よりによってこんなときに?」

    戦士「こんなときだから、だろ。怖くて逃げたんだ」

    魔法使い「戦士」

    戦士「くそったれが。あいつ、俺の所持金ごっそり持っていきやがった」

    僧侶「ええ!?」

    剣士「そうなんだ。同室だったこちらも半分盗まれている」

    戦士「“盗賊”だからな。寝た人間を起こさず盗むなんて朝飯前だ」

    戦士「それにこちとら相手を信用しているから…」ギリッ

    魔法使い「……」

    62 = 58 :

    魔法使い「勇者の剣は?」

    戦士「あんなの売れないだろ。金額的な意味ではなく知名度で」

    魔法使い「ああ…そうだな。怪しまれるだろう」

    剣士「昨日はそういう素振りを見せなかったんだがなぁ…」

    戦士「心変わりは一晩あれば充分だ」

    63 = 58 :

    剣士「……」

    剣士「勇者の件と盗賊の件、両方聞かなくてはいけないな」

    戦士「勇者はともかく、盗賊め……」

    僧侶「あの、魔法使いさん」

    魔法使い「ん?」

    僧侶「盗賊さんの位置を特定できないのですか?」

    魔法使い「そうか、その手があったか。やってみよう」

    64 = 58 :

    戦士「出来るのか?」

    魔法使い「私は攻撃専門だが、まあ出来ないってわけじゃない」

    魔法使い「誰か、盗賊が使っていたものはないか?」

    戦士「探してくる」トントントン

    剣士「しかし…いったいどうなっていやがるんだ」

    僧侶「……」

    魔法使い「……」

    剣士「五人パーティーのうち、一人が死亡一人が行方不明」

    65 = 58 :

    魔法使い「…酷いものだ」

    剣士「とても魔王討伐など行けないな。諦めるしか…」

    僧侶「帰るのですか」

    剣士「それしかないだろう。そして新たな“勇者”が生まれるまで待つしかない」

    魔法使い(その魔王は今私の部屋でごろごろしてるんだがな)

    66 = 58 :

    魔法使い「しかし、まあ」

    剣士「なんだ?」

    魔法使い「昨日から思っていたが、あまり勇者の死に動揺しないんだな」

    僧侶「わたしは…もう、なにがなんだが分からなくて…」

    剣士「死に方は違うとはいえ、仲間が死ぬことに…なんというか慣れちまってな」

    魔法使い「……」

    剣士「戦に参加しすぎた結果がこれだ。深く悲しめない最悪な人間となってしまった」

    魔法使い「そうか…。悪かった、このようなことを聞いて」

    剣士「いや、いいさ」

    67 = 58 :

    戦士「あったぞ」トントントン

    魔法使い「それは?」

    戦士「ベルトだな。かなり使い込んでいる」

    魔法使い(……何故ベルトを置いていったんだ?)

    魔法使い(いつもは確かズボンとの間にナイフとか挟むのに使っていたな)

    魔法使い(新しいものを手にいれた――と考えるべきか?)

    戦士「魔法使い?どうした」

    魔法使い「あ、なんでもない。ちょっと外に行こう」

    68 = 58 :

    ガチャリ

    僧侶「何故外に?」

    魔法使い「汚れるからさ。宿の女将だっていい顔しないだろう」

    僧侶「?」

    剣士「む…朝はまだ寒いな」

    戦士「それに雨が降りそうだ」

    魔法使い「じゃあ、やるぞ」ブォン

    69 = 58 :

    魔法使い「……」コツン

    僧侶「魔法陣がベルトを真ん中に回り出した……」

    魔法使い「誰か、小さくていい。刃物を」

    剣士「これはどうだ?手のひらに収まるぐらいだが」

    魔法使い「少し借りる」ピッ

    僧侶「っ!」

    剣士「おい!」

    戦士「なに手首を切ってるんだ!」

    魔法使い「こちらの位置を手っ取り早く表すには血が有効なんだよ」ポタポタ

    魔法使い「本当はさらに盗賊の血もあれば早く見つかるのだが…流石に常備しているわけでもないし」ポタポタ

    戦士「…血の常備は嫌だろ。吸血鬼じゃあるまいし」

    70 :

    魔法使い「位置特定」

    魔法使い(わりと近いな。…動いてはなさそうだ)

    魔法使い(まだ早朝だし寝ているのか?)

    魔法使い「こっちだ」タッ

    僧侶「あっ、待ってください!」タッ

    戦士「チームワークというものを大切にしろよ…」タッ

    剣士「やれやれ、朝からマラソンか」タッ

    71 = 70 :

    タッタッタッ

    魔法使い「早朝だと開いている店はほとんどないな」

    僧侶「ぜぇ……そうですね……はぁ……」

    戦士「おんぶするか?」

    僧侶「舐めないで……下さい……」

    剣士「ここらへんは森に近くて少し不気味だな」

    魔法使い(そういえば私も昨日、ここらで魔王と……)

    魔法使い「この辺りだ」ピタ

    72 = 70 :

    剣士「おおい、盗賊ー!」

    戦士「盗賊ー!でてこーい!」

    僧侶「お願いします、姿を見せて下さい!」

    カァカァ

    剣士「? あそこ、やけにカラスが集まっているな」

    戦士「食品廃棄物が捨てられているんじゃないのか?」

    僧侶「酒場とかありますからね」

    戦士「でもなんか引っ掛かるな。見に行こう」

    魔法使い(おかしいな、盗賊はどこに…あのあと動いたか?)

    73 = 70 :

    戦士「ほれ、しっしっ」

    魔法使い「焼き払おうか」

    戦士「……地味に恐ろしいこと提案するな。焼き鳥にしたってうまくないからいい」

    剣士「ん?人形か?にしては、大きい――え?」

    魔法使い「な、まさか……」

    戦士「嘘だろ……盗賊!?」

    剣士「ふ、服装は、昨日の盗賊のものだ……」

    僧侶「あ…あ……」パクパク

    魔法使い「僧侶!しっかりしろ!」

    僧侶「い……いやああああぁあぁああぁぁぁぁぁぁ!!」

    74 = 70 :

    ――魔法使いの宿部屋

    スィー バサッ

    青年「よう側近。どうだった?」

    「どうやら、盗賊なるものが死んだようです」

    青年「ほう?」

    「しかし、断定はまだ。カラスどもがほとんどの顔を食ってしまいましたので」

    青年「所持品を見ればわかりそうだな。盗賊で間違いなさそうだが」

    「はい。わたくしもそう思います」

    75 = 70 :

    青年「はは、しかしわずか二日三日で二人も死ぬなんてな」

    青年「一人目は勇者、二人目は盗賊――か。どういう決まりなのやら」

    「犯人は誰かなどとは考えておられるので?」

    青年「まだまだだ。情報が足りない」

    「はっ。ではもう少し」

    青年「まだいい。――奴が帰ってきたみたいだからそちらを優先に聞こう」

    ガチャ

    魔法使い「……まだいたのか」

    76 = 70 :

    続こう

    77 :

    おつおつ

    79 :

    >>1乙 面白い、楽しみにしている。

    81 = 70 :

    青年「ふん。客に対して失礼だな」

    魔法使い「そもそも呼んでいない。客は客でも招かざる客だろ」

    青年「招かざる客な。なかなかいい響きだ」

    魔法使い(なに言っても無駄っぽいな……)

    青年「で?何が起きたんだ?」

    魔法使い「……分かっているみたいだな、その態度からすると」

    青年「どうだろうな?ハッタリかもしれないが?」

    82 = 70 :

    魔法使い「……」

    魔法使い(全く感情が読めない。さすがは王と言うべきか)

    魔法使い「少し待て」コツン

    ブォン

    青年「ほう、人払いか」

    魔法使い「弱めのな。緊急な用事なら通す」

    青年「ふむ――昨日から思っていたのだが」

    魔法使い「なんだ」

    青年「嫌がってる割にはやけに協力的な態度じゃないか。なにか考えているのか?」

    魔法使い「……」

    魔法使い「あなたの質問を拒否すると後が恐いということと」

    青年「相手魔王だしな」

    魔法使い「誰かに話さないと、潰れてしまいそうなんだよ…」ギシ

    83 = 70 :

    青年「潰れる、とは?」

    魔法使い「精神的にだ。身近にいた誰かが死ぬのは、辛い」

    青年「……」

    魔法使い「ましてや殺人事件だ。……前触れもなく死んでしまう」

    魔法使い「ああ、思い返せばそうだな……警戒していたわりには喋りすぎた」

    青年「……」

    青年「適度に息を抜け。壊れるぞ」

    84 = 70 :

    魔法使い「精神的にか?」

    青年「精神的にだ」

    魔法使い「はぁー……」

    青年「なんだ、ため息などついて」

    魔法使い「まさか魔王に慰められるなんて思ってもみなかった」

    青年「おれも勇者パーティーとここまで話すとはな」

    魔法使い「…とりあえず、あなたはあまりこの件にでしゃばらないでもらいたい」

    青年「切り替え早いな。おれは邪魔か?」

    魔法使い「邪魔というより、物事を変にややこしくさせそうだから嫌だ」

    青年「はっはっは、失礼だな殺すぞ」

    (その通りな感じがするが言わないでおこう…)

    85 = 70 :

    魔法使い「さて、そろそろ行かなければ」スッ

    青年「せいぜい頑張って現実に絶望することだな」

    魔法使い「…嫌みしか吐けないのかあなたは」

    青年「そうじゃないか。犯人など見つけてどうする?死者が蘇るか?」

    魔法使い「……あなたのところでは、どう対処するんだ?」

    青年「まず殺し合わない。飢饉で共食いはあるが、それも最近はない」

    魔法使い「…平和だな、うらやましい」

    青年「ま、一部は血気盛んでこまるけどな。ほら行くんだろ」シッシッ

    魔法使い「…私の部屋、乗っとるなよ?」コツン ブゥン

    青年「今のは解除か。しねぇよそんなこと」

    魔法使い「どうだか…」ガチャ

    86 = 70 :

    ガチャ

    魔法使い「……」

    戦士「魔法使い」

    魔法使い「僧侶は…?」

    戦士「駄目だな。勇者、盗賊で立て続けにあれだったから…引きこもったままだ」

    魔法使い「入れてもらえるだろうか」

    戦士「どうだがな。アイツ自身に聞かないとどうにも」

    魔法使い「…僧侶」

    戦士「下に行こう。剣士がさっきからうんうん考えてやがるんだ」

    魔法使い「分かった」

    87 = 70 :

    剣士「ううん…」

    戦士「ひどい顔だな」

    剣士「戦士たちか一体何が目的で犯人は二人を殺したのか…」

    魔法使い「魔物、じゃないのか?」

    剣士「勇者はな。でも、問題は盗賊だ」

    魔法使い(魔物のセンは変えないか…)

    剣士「盗賊と戦士の金が消えていた。盗賊の…死体からは、見つからなかった」

    魔法使い「何者かに持っていかれたと?」

    剣士「しかし、必ずしも犯人が持っていったとは考えられない」

    剣士「たまたま通りかかった浮浪者が持っていった可能性だってある…」

    88 = 70 :

    剣士「ううん…」

    戦士「ひどい顔だな」

    剣士「戦士たちか。一体何が目的で犯人は二人を殺したのか…」

    魔法使い「魔物、じゃないのか?」

    剣士「勇者はな。でも、問題は盗賊だ」

    魔法使い(魔物のセンは変えないか…)

    剣士「それに盗賊と戦士の金が消えたことも。盗賊の…死体からは、見つからなかった」

    魔法使い「何者かに持っていかれたと?例えば犯人に」

    剣士「しかし、必ずしも犯人が持っていったとは考えられない」

    剣士「たまたま通りかかった浮浪者が持っていった可能性だってある…」

    89 :

    魔法使い「…同一人物だろうか?」

    剣士「分からん。分かるのは、盗賊には争った形跡があったことだ」

    魔法使い「争った」

    戦士「形跡?」

    剣士「そうだ。手や顔に細かい傷がついていたし、襟首も伸びていた」

    魔法使い「…死ぬ前に抵抗をしたのか、盗賊」

    戦士「……ひでぇもんだな」

    90 = 89 :

    剣士「しかしここで考えてほしい」

    魔法使い「何を?」

    剣士「盗賊は身のこなし――逃げ足が早いだろ?」

    魔法使い「ああ、まあな。“盗賊”だしな」

    戦士「それが?」

    剣士「勇者と同じく、いきなり襲われたんじゃないかと」

    魔法使い「なるほど…追いかけられて捕まるほど間抜けじゃないもんな」

    戦士「ふむ…」

    剣士「誰かと待ち合わせをしていて、その誰かか、誰かのバックにいた人物に襲われたんじゃないか?」

    剣士「そう思うわけだ」

    91 = 89 :

    魔法使い「それはつまり、盗賊は誰かと会う約束をしていたことになるが?」

    剣士「それなんだよな。盗賊が見つかったところは確かに密会にはいい」

    魔法使い「だが密会する意味が不明だと」

    剣士「そうだ」

    戦士「…なんか薄汚ねぇことでも話していたんじゃないのか?」

    魔法使い「……例えば?」

    戦士「知らん。ただ、金を持っていったのも関係するかもな」

    剣士「ううん……」

    92 = 89 :

    魔法使い「女将さん」

    「ひゃあ!?」ビク

    魔法使い「――いや、そこで聞き耳立ててたのは知ってますって」

    戦士「客はまだいなくて良かったな」

    剣士「だからこそここまで話せたんだよ」

    魔法使い「三人分コーヒーをお願いします」

    「わ、分かりました」ソソクサ

    魔法使い「……僧侶は大丈夫だろうか」

    剣士「ああ…」

    93 = 89 :

    戦士「ホントか弱いんだなぁあいつ」

    剣士「むしろこんな態度をとれてる自分たちが異常なんだよ」

    魔法使い(確かに)

    戦士「戦争とかで見慣れたからな、こっちは」

    魔法使い「……」

    「はいコーヒー」カチャ

    魔法使い「ありがとうございます」

    戦士「よくお前らそのままで飲めるな。苦いだろ」ドバドバ

    剣士「慣れた」

    魔法使い「慣れた」

    戦士「ちぇっ、気取ってやんの」

    94 = 89 :

    魔法使い「……」ズズッ

    戦士「いっそのこと嫌なこと忘れさせてやろうぜ」

    剣士「どうやって?」

    戦士「どうもこうも、セックスしかないだろ」

    剣士「ブーッ!」

    魔法使い「…はぁ。僧侶の最初の自己紹介思い出せよ」

    魔法使い「“僧侶”は神と契りを交わしたもの。姦淫は御法度だ」

    戦士「バレなきゃ問題ないって」

    魔法使い「癒しの魔力が低下するけどな。半減か、それ以下だ」

    戦士「っ!?」

    魔法使い「ちゃんと聞いとけよ……。“僧侶”はそういうのがあるからあまり数がいないんだ」

    95 = 89 :

    剣士「一生独身を貫かないといけないんだよな?」

    魔法使い「そう。神に背かぬ生き方を一生だ」

    戦士「へえぇ。とても俺にはできそうにない」

    魔法使い「だから容易にそのようなことを言うな。失礼だ」

    戦士「へいへい」

    剣士「はぁ……」

    魔法使い「私は少し、町を見てくる」

    剣士「大丈夫か?」

    魔法使い「朝から襲ってはこないだろう。聞き込みをしてくる。それと」

    剣士「なんだ?」

    戦士「あ?」

    魔法使い「第一発見者の家とか出来たら教えてほしい」

    96 = 89 :

    剣士「ん。控えておいたんだ」ペラ

    魔法使い「ありがとう。昼には戻る」

    戦士「俺はどうすっかな…こっちも聞き込みするわ」

    剣士「自分も。また報告があったらここで連絡を」

    魔法使い「了解。じゃあ後で」

    97 = 89 :

    ――街

    ワイワイ

    魔法使い(やはり話題で持ちきりか)

    魔法使い(…悔しいな。仲間が死んでいくとは)

    青年「それは嫌嫌つきあっている仲間ではなくてか?」

    魔法使い「!?」バッ

    青年「そんな驚いてくれるな。目立つだろ」

    魔法使い「…なんなんだ、一体」

    青年「怖い顔してんなよ。一人より二人だろ?」

    魔法使い「私は一人でも動ける。あなたに助けてもらう筋合いはない」

    青年「助けるというか、面白そうだからついてくだけだが?」

    魔法使い「……あ、そ」

    98 = 89 :

    ――街

    ワイワイ

    魔法使い(やはり街も話題で持ちきりか)

    魔法使い(…悔しいな。仲間が死んでいくとは)

    青年「それは嫌嫌つきあっている仲間ではなくてか?」

    魔法使い「!?」バッ

    青年「そんな驚いてくれるな。目立つだろ」

    魔法使い「…なんなんだ、一体」

    青年「怖い顔してんなよ。一人より二人だろ?」

    魔法使い「私は一人でも動ける。あなたに助けてもらう筋合いはない」

    青年「助けるというか、面白そうだからついてくだけだが?」

    魔法使い「……あ、そ」

    99 = 89 :

    青年「で、どうなんだ?あのパーティーに嫌嫌ついてってないのか?」

    魔法使い「…そんなわけないだろ」

    青年「どうせ国かなんかに押し付けられたんだろ?」

    魔法使い「……」

    青年「それか偉い分類に入る個人に脅されたとか」

    魔法使い「…あー、自主的なものなら、参加していなかっただろうな」

    青年「なら、やはり強制か?」

    魔法使い「……もういいだろ、こんな話は」

    青年「ふん。そうか」

    100 = 89 :

    続きます


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