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元スレ八幡「俺ガイルRPG?」

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301 = 1 :



   ×  ×  ×


八幡「……橋、か?」

2の国を出発して、歩いて約1時間経った頃。

俺たちは大きな川の上にかかる橋の前に来ていた。

雪乃「地図を見る限り、この橋を渡らないと3の国に行けなさそうね」

マジ? 国と国を繋ぐのがこんな橋ひとつでいいのかよ……確かに、それなりに大きい橋ではあるが。

しかしこの橋の下を流れる川はすごい規模だ。ってかこれ川と呼んでいいのかすら疑わしくなるほどの大きさだ。

八幡「この大きさだと落ちたら助けにいけねぇから気をつけろよ」

結衣「怖いこと言わないでよ!」

だが、この橋の上で魔物と戦闘になり、万が一にでもこの橋から落ちたらもうどうしようもない。

まぁ、この橋の幅は軽く見積もっても20メートルはある。端に寄らなければ平気だろう。

戸塚「すっごい大きいねぇ……どれくらいの長さがあるんだろう」

幅は数十メートルでも長さは数キロ以上ありそうだ。向こうの岸もわずかにしか見えない。

これは橋を渡りきる前に結構な回数魔物と遭遇しそうで嫌だなと思っていた矢先に、突然橋に何かが表れた。

302 = 1 :

八幡「……これは、魔物か?」

突如橋に表れたのは、犬のような姿をした魔物? だった。

その魔物は寝ているようで、ぐーぐーいびきをかいていた。

しかし困ったな、こいつが横に大きく広がっているせいで橋の大半が埋まってしまっている。

いろは「なんですかねこの犬みたいなの……避けて端っこ通りますか?」

八幡「いや、多分これは罠だな。犬の横を素通りしようとした瞬間に犬が起きて襲われたら下の川にドブンって感じか」

となると、この犬らしき魔物を倒すしかない。寝ている今なら奇襲のチャンスだろう。

しかし20メートルの幅の橋の大半を埋める程度にはこいつはでかい。中ボス的存在だろうか、気を引き締めねばなるまい。

そこで周りを見渡してみると、ふと雪ノ下の姿が見えないことに気が付いた。

八幡「あれっ、雪ノ下は……」

きょろきょろと周りを見てもいないので、後ろを見てみるとそこにいた。

が、しかし。

俺よりさらに数十メートルほど後ろに下がっていた。

雪乃「……」

そういや、あいつ犬駄目だったな。

……どうしよう。

303 = 1 :

書き溜めしてから、また来ます。

304 = 289 :


ゆきのんいぬきょうふしょうだったな、かわいい

305 :

そろそろ魔王四天王のひとり相模からの刺客ユッコ辺りが来そうな予感

306 :

勇者ww

307 :

狼男のほうが怖いと思うんだが

308 :

靴5回も犬にパクられてるからな
仕方がない

309 :

>>305
「相模は我らが四天王でも最弱」

310 :

???「ヒキオごときにやられるとは四天王の面汚しだし」

311 :

>>305

/nox/remoteimages/22/95/473da42ea899ed82240e4dee2c6b.png

312 :

??「ウ、ウチもパーティーに入る!!!」

313 :

賢者タイムな海老名さんに期待w

314 :

文字通りの腐女子になってる可能性も…

315 = 313 :

賢者タイムな海老名さんに期待w

316 :

ビキニネクロマンサー海老名さん

317 :

平塚「なぁ、比企谷。これは城廻に貰ったあれを使うんじゃないのか?」

八幡「城廻先輩から貰ったあれって……ああ」

平塚先生に言われて、城でめぐり先輩に貰ったアイテムの事を思い出した。

たしか、ガラスのふえとかいう名前のあれだ。

平塚「おそらく、その笛であの犬? みたいなやつを起こすんじゃないのか?」

八幡「ポケ○ンのふえとカビゴンですか……」

しかし、ことごとくみんなあの魔物を犬っぽいなにかとしか認識していないのな。

まぁ、15メートルくらいあるあれを犬と呼びたくない気持ちは分かる。

平塚「ふふっ、思い出すなぁ……フジろうじんに貰ったポケモ○のふえでカビゴンを起こすイベント……間違えて倒してしまい、思わず電源を切ったらレポートかいてないとかあったなぁ……」

八幡「……俺が生まれてくるよりも前の話ですね」

平塚「んなぁ!?」

いやね? 赤緑ってあれ発売年1996年ですからね? 今から19年前だから、現在高校2年の俺は生まれていないわけで。

まぁ、XYでもカビゴンをポ○モンのふえで起こすイベントはあるから、ネタ自体は通じますよ先生!!

318 = 1 :

閑話休題。

とりあえず、あのガラスのふえをとやらを使ってみる価値はありそうだ。

俺は雪ノ下に声が届く位置まで歩いていき、そしてふえを使うように頼むことにした。

八幡「おい、雪ノ下。城廻先輩に貰った笛あるだろ、あれ吹いてくれ」

雪乃「この笛を?」

八幡「ああ、それであの犬っぽいなにかが退く可能性がある」

雪乃「分かったわ」

雪ノ下はそう言うと、未だに原理が不明な4次元ストレージから笛を取り出しそのまま吹き始めた。

雪乃「~♪」

結衣「わぁ……」

いろは「綺麗な音色ですね……」

戸塚「すごいね……」

確かに雪ノ下が吹いた笛は、なんていうか少し切なくて、柔らかい音色だった。

一色が綺麗な音色と表現したのも分かる。

が。

八幡「お前……さすがにそんなところから吹いても届かないだろ……」

雪ノ下は、犬から数十メートル以上離れた位置に立ったまま演奏していた。

さすがにそこからじゃ犬を起こすには音量が足りない。

仕方が無いので、もっと犬の近くへ近づくように促すことにした。

319 = 1 :

八幡「もうちょっと近づいて吹いてくれ」

雪乃「……吹いても退かないじゃない、嘘をついたわね比企谷くん」

八幡「聞け」

駄目だ……こいつ犬のこと苦手過ぎだろ……。

しかしこのままでは、この先には進むことが出来ない。なんとかして雪ノ下を犬の近くにまで移動させ、笛を吹かせる必要があった。

八幡「頼む、雪ノ下。このままじゃ立ち往生だ」

雪乃「……じゃあ、あなたがこれを吹けばいいじゃない」

八幡「お前が口をつけたものを吹けるわけないだろ」

雪乃「あっ……」

雪ノ下はそう言われて気が付いたのか、顔を赤らめて笛をサッと体の陰に隠し、そして俺のことを睨みつけた。いや、今のはお前の自爆だからね?

いくら女子のリコーダーの先を入れ替えたことのある俺でも、今ここでそれを受け取って口にしようだなんて度胸は──やめよう、胸が痛くなってきた。

まぁ、真面目な話そういうたいせつなものポジションのアイテムってのは勇者しか使えないものなのだ。実際試したけど俺じゃ取り出せなかったし。だから雪ノ下に頼むしかない。

そこへ、いつまでもうだうだやっているのを見かねたのか暇になったのか、一色がとことことこちらまで歩いてやってきた。

320 = 1 :

いろは「何をしてるんですかー? 早く動きましょうよー」

八幡「いや、こいつが犬苦手だから動いてくれないんだよ……」

雪乃「……別に、犬が苦手というわけではないわ。その、あまり得意ではないというだけで」

それを世間では苦手って言うんだけどな。

しかし同じことを昔言ったような気がするし、一色の前でこれ以上下手に突っついてやるのも可哀想なので言わないでおいた。

いろは「えー、雪ノ下先輩って犬苦手なんですかー!? なんていうか、ちょっと意外ですー」

言いやがったこの後輩。

しかも思ったより煽り口調で。

そう煽られては、この負けず嫌いにおいては右に出るものはいない雪ノ下雪乃が反応しないわけがなかった。

雪乃「な、何を言ってるのかしら一色さんは……私が犬が駄目だという証拠はないわ」

普段の会話で証拠証拠言い出す奴の大半は悪魔の証明を求めているから性質が悪い。証拠あんの? とかいきなり言い出す奴ってどうしてあんなに頭悪そうに見えるんだろうな……。

だが、今回に限っては別だ。面倒だし、さっさと終わらせたいし、ここは一色の味方についてさっさと終わらせてやろう。

八幡「お前がそこで立ち尽くしているのが最大の証拠だろうが。ま、逆にあの犬に近づけて笛を吹けるってんなら犬が苦手じゃないことを証明出来るんだけどな」

雪乃「……随分と見え透いた挑発ね」

駄目かー。これなら行けると思ったんだが、さすがに釣り針が大き過ぎたらしい。

と思いきや。

雪乃「いいわ、その安い挑発を買いましょう。私があんなものを恐れているわけがないということを、今ここで証明してあげるわ」

わーちょろかったー。

こいつ、もしかして由比ヶ浜とは違う意味で将来なんか変な男に騙されたりしないだろうか……。

かくして、雪ノ下雪乃改めちょろのしたちょろのんは、あの犬へ近づくというミッションを課されることになった。

321 = 1 :

雪乃「……」

……あんなぷるぷるしながら一歩一歩ゆっくりと歩いている姿を見ると、さすがに助け舟を出したくなる気になる。

が、あいつが動いてくれない限りどうしようもないのは確かなので、ここは心を鬼にして犬の方へ向かってもらおう。がんばれがんばれ。

いろは「……先輩、もしかして本当に雪ノ下先輩って犬が苦手なんですか?」

八幡「あいつの前ではあんまり言うなよ、泣くぞ。俺が」

いろは「なんで先輩が泣くんですか……」

なんでかって? そういうのがあったら俺が情報を流したからって思われて、雪ノ下にいじめられるからです。まぁ流したの俺なんだけど。

雪乃「……それで、これを吹けばいいのね」

おお、いつの間に犬の近くにまで移動してる。大した進歩だ……それでも5メートルくらいは離れているような気はするが、あの犬の大きさを考えれば頑張った方だろう。

そこで雪ノ下が笛を吹き始める。

雪乃「~♪」

犬?「……わう?」

すると、犬の方に反応があった。先ほどまで閉じていた目が開き、体が起き始めた。

やはりあの笛はここの犬を動かすためのキーアイテムだったようだ。

まぁRPGだとあるあるだよな、クリアしてないと貰えないアイテムを使わないと突破出来ない障害物の存在ってのは。

322 = 1 :

さて、その障害物の犬……の魔物? でいいのかあれは? 改めてまじまじと見てみると、見た目完全に現実世界の犬なんだけど。具体的にミニチュアダックスフントだなあれは。なんかで見たことあるなぁ。

その犬は立ち上がると、こちらに気が付いたのか顔を向けてくる。

犬?「わん!」

雪乃「ひゃあっ!!」

犬が吠えると、近くにいた雪ノ下が驚いてどったんと腰を床に打ち付けた。

……なんかやけに可愛らしい悲鳴が聞こえた気がするんですけど、気のせいかな? 気のせいだよね?

しかし、この犬マジで犬だな、見た目が。今からこいつを倒さなければならないと思うと割と気が滅入る。

似たようなことを考えているのか、由比ヶ浜も顔を暗くしていた。

結衣「うう、サブレにそっくり……ねぇヒッキー、あの子と戦わなくちゃいけないの?」

ああ、そうだ思い出した。なんかで見たことあると思ったら、由比ヶ浜から預かったこともあるサブレだサブレ。あれも確かミニチュアダックスフントだったはずだ。

しばし犬の様子を伺う。確かに、由比ヶ浜にあれに攻撃しろというのは酷だろう。

雪乃「ひ、比企谷くん……!」

八幡「あん?」

雪ノ下が呼ぶ声が聞こえたので、そちらの方を見てみる。すると、まだ犬の近くで座っていた、何やってんだあいつ。

犬の動きを警戒しつつ、軽く走って雪ノ下のところに向かうと、雪ノ下は顔を赤らめながら小声で言った。

雪乃「あの、その……腰を」

八幡「……腰を、なんだ」

雪乃「……腰を……抜かしてしまって……」

八幡「…………」

雪乃「その……男手なら、私を運べると思って……」

……こいつ、やっぱ意外とアホなんじゃないの?

そもそもゲームで腰を抜かすとかあんのかよ。そう思って一応雪ノ下のステータスを確認してみると状態異常:腰抜かしとなっていた。あんのかよ。

323 = 1 :

八幡「……別に俺が運ぶ必要もないだろ」

そう言って、状態異常を治すアイテム『なんでもなおし』をストレージから取り出して雪ノ下に渡してやる。

雪乃「あ……」

雪ノ下は、何かに気が付いたような顔でそれを受け取った。

もしかしてアイテムの存在も忘れてるくらい混乱していたのか……どんだけ犬のことが苦手なんだよ。

ふと、犬の方に意識を向けてみる。

犬はこちらの方を見つつも、そのまま居座っているだけで何かしてこようとはしなかった。

おかしい。普通の魔物なら間違いなく襲ってくる位置だ。だがその犬は襲うどころか動こうとすらしないし、いつも魔物と会ったときのウィンドウも開かない。

となると、実はこいつは魔物じゃなくて犬型のNPCなのか?

そう考えていると、ようやくウィンドウが開いた。そこにテキストが表示される。

なんと いぬが おきあがり▼

なかまになりたそうに こちらをみている!▼

なかまに してあげますか?▼

ニア はい
  いいえ


そんな選択式のウィンドウが開いた。

こんなんドラク○でよく見たわ。

だが、こういうのって普通倒してから出てくるものじゃないだろうか。

324 = 1 :

まぁ、倒さずに仲間になってくれるというのなら楽だしそれに越した事はない。由比ヶ浜も戦わなくて済むと思ったか、ほっとしてるし。

さて、問題は本当にこいつを仲間にするかどうかだが。

八幡「おい、雪ノ下。これどうす……」

いなかった。

辺りをきょろきょろと見てみると、雪ノ下はすでにまた数十メートル離れたところにまで移動していた。あいつ……。

まぁ、あんなに離れていてはまた聞きにいくのは面倒だ。だから勝手に俺が選んでもいいだろう。恨むなよ、雪ノ下。

八幡「仲間にする、で」

そういうと、犬が突如光になって消え去った。

その後には、モンスターボールのような球体が残されていた。

ハチマンは いぬを なかまにした!▼

ハチマンは なかまをよぶを おぼえた!▼

てっきり犬のまま付いてくると思ったけど、モンスターボール方式なのね。いや雪ノ下のためにも助かったっちゃ助かったが。

325 = 1 :

俺はそのモンスターボールみたいなものをストレージに入れると、自分のステータスを確認する。

すると、技のところになかまをよぶが追加されていた。グラビティ以外はじめての技だ。

……まぁ、自分は働かずに戦えるというなら俺にとって理想の技だ。文句などあるわけない。ほんのちょっとだけ、ほんのちょっとだけ派手な技を覚えて無双したいなぁなんて思ってないんだからね!

このイベントは犬の強制加入イベントだったのかなぁとか考えていると、由比ヶ浜がこちらに向かって走ってきた。

結衣「ヒッキー! 今の子って仲間になったの?」

八幡「ああ、なんかそうらしいな」

結衣「へぇー! あ、なんか名前つけてあげようよ!」

八幡「サブレ」

結衣「ええ!?」

こうして、俺達の仲間にサブレ@犬の魔物が加入することになったのだった。

今度雪ノ下の近くでなかまをよぶを使ってみよう……殺されるかもしれないけど。

326 = 1 :

最後少々駆け足になりましたが、第2章終了です。

第1章が約3万文字だったので、それより短くするつもりで書いていましたが、なんか倍ほどの長さになりました。
ほんと無駄に長くなって申し訳ないです。第3章以降は最初から駆け足で行こうと思います。

また、息抜きでほんわかほのぼのハートフルラブコメディSSを他スレで書いてます。
小町「こまちにっき!」八幡「は?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432110358/
もしよかったら、こちらも宜しくお願いします。

そして、これからTBSおよびCBCでは「俺ガイル。続」第8話が放送されます。お忘れなく。

それでは書き溜めしてから、また来ます。

327 :

おお、おまいだったのか
は…ハートフル……?

328 :

いやあれハートフルボッコされそうなんだけど

329 :

ハートフルなのか?wwww
みてて雲行きが怪しくなってきたから読むのやめたんだけどwwww

331 :

ハートフル聞くとバカテス思い出す

333 :

第3章 3の国編


NPC「ここは3の国だ」

八幡「……」

国の入り口に立って国の名前言うだけのアルバイトって自給いくらくらいなんだろうな。

昔俺がやった看板持ちのバイトは結構割が良かったんだが。

あれは心を無にするだけで稼げる優良バイトだった、たまに酔っ払いにウザ絡みされるのにさえ気をつければ。

小町「わー、この国も大きいですねー!」

戸塚「すごい暑いね……2の国とはまるで反対だね」

さて、あのサブレの捕獲イベントが終わった後、1時間程歩くと3の国に到着した。

1の国と2の国の間などはイベントが多かったのもあって半日以上かかったが、今回はイベントらしいイベントもサブレの一件だけであり、魔物との戦闘回数も少なかったおかげでまだ正午である。

もっとも、この国に入った瞬間にまた時計は止まってしまった。

つまりイベントを進めなければ、またこの時計が動くことはないだろう。

334 = 1 :

いろは「ていうか、この国暑くないですか……わたしの国を見習って欲しいです」

平塚「心頭滅却すれば火もまた涼しというだろう、気をしっかり持て。それにしても暑いなここは……」

いやあんたが気をしっかり持て。数秒で掌返さないでください、あんたはどこの政治家だ。

しかしさっきから他のパーティメンバーが言っているように、この国は非常に暑かった。

ゲームなんだから感じる温度くらい一定にして欲しい。

汗が出ないだけマシといえばマシなんだが。

雪乃「とりあえずあの城を目指しましょう」

雪ノ下が指を指した先を見てみると、少し遠くのほうに高い城が見える。

おそらく、あの城にこの国の王がいるのだろう。

335 = 1 :

歩き出した雪ノ下に続きながら、NPCの会話に聞き耳を立てた。

NPC1「この3の国は別名、火の国とも呼ばれるんだ」

NPC2「おいおいまたボヤ騒ぎかよ、今月に入って何百回目だ」

NPC3「2の国は水が名物だが、この国は炎が名物だ。女王も炎のように熱く滾っていると聞く」

そんなことを聞きながら城に向かっていく。なるほど、ここが酷く暑いのは2の国が水の国に対してここが火の国だからか。火の国とかなんか分からないけど燃えるってばよ。

そしてこの国の王も女なのがさりげなく判明していた。女王って言っていたし。

めぐり先輩と同じくこの国も女王が一番偉いのだろうか。

結衣「女王様かー」

そのNPCの発言を聞いていたのか、由比ヶ浜がそんなことを呟く。

結衣「そういえばさ、この国の女王様もあたし達が知ってる人だったりするのかな?」

八幡「ああ……確かに可能性はあるな」

1の国の王はクソジジィ……じゃなかったNPC老人だったが、2の国はめぐり先輩が女王を務めていた。

もしかしたら、この国の女王も総武高校の面子だったりする可能性は高い。

336 = 1 :

結衣「じゃあさ、この国の女王様が誰だか予想してみようよ!」

戸塚「いいね、考えてみよう!」

いろは「じゃああの3年の先輩とかはどうですかねー」

そんな感じで、由比ヶ浜の周りで女王誰だ予想ゲームが始まっていた。しかし出てくる名前のほとんどが俺は知らない名前なので全く会話に入れない。まぁ、大体いつも入れてないけどね。

仕方がないので、俺は近くのNPCの発言に集中することにした。

NPC4「この国の女王は金髪が映える美人だよな、そして炎のように非常に気が強い」

NPC5「騎士団長も女王と並ぶ物凄い美形だ。剣の腕も立つしよく気が利くから部下からの評判も良い」

NPC6「女王の側近に、よく鼻血を出して倒れる女がいるらしい。一体どうしたのだろうか」

NPC7「騎士団にっべーっべーってよく叫ぶ奴がいるんだが、ありゃどういう意味なんだ?」

八幡「……」

はい分かっちゃいましたー、この国のトップ分かっちゃいましたー。

なんならその側近とか騎士団とやらのトップとそのメンバーも分かっちゃいましたー。

マジかよ、あいつらが管理してる国なのかここは……。まぁ火の国だしね、炎の女王がいるのはある意味当然だよね。

結衣「うーん、わかんないなー。誰がいるんだろうねー」

おい、お前が分からないでどうするんだ。一応友人だろ。

337 = 1 :



     ×  ×  ×


前回に似たようなやり取りをして門番に門を開けてもらい、俺達は城の中に入った。

城の中もやたら炎を使った装飾が多くて暑いったらありゃしない。

ただでさえ外はクソ暑いというのにさらに暑くしてどうすんだ。

兵士「どうぞ、お通りください」

兵士が女王の間に繋がる大扉を開けると、雪ノ下が真っ先に入る。

俺達も雪ノ下に続いて中に入った。

そしてその中にあった玉座では、予想通りの人間が足を組んで偉そうにふんぞり返っていた。

あれが、獄炎の女王だろう。

三浦「ちょっとー、あんたら来んの遅くない? あーしら、結構待たされてるんですけど?」

葉山「まぁまぁ優美子、落ち着いて。雪ノ下さん達もお疲れ、こちらに来ていることは城廻女王から連絡が来たんだ。そこに椅子を用意してあるから座るといいよ」

海老名「はろはろ~、ユイも来たんだ~」

戸部「っべーわ、マジで勇者来たわこれ~」

そしてその玉座の周りには、これまた予想通りの面子が並んでいた。

三浦、葉山、海老名さん、戸部の4人がそこにはいたのだった。もう現実世界の人間がいても全然驚かなくなってきたな……。本当、何人の人間が巻き込まれているのだろうか。

338 = 1 :

結衣「ええ!? 優美子が女王様だったの!?」

ええ!? お前本当に分かってなかったの!?

いつもあいつらとつるんでいるはずの由比ヶ浜ですら気が付かなかったというのに、対極の存在であるはずの俺が気が付いたということは、もしかして俺の方があいつらと友達と言えるのではないだろうか。

これで俺もぼっち脱出でリア充だ。違うか、違うね。

ちなみに雪ノ下は俺と同じく気が付いていたようで、特に驚きもせず一歩前に出た。

雪乃「三浦さんがこの国の女王という認識でいいのかしら」

三浦「ん、大丈夫」

雪乃「そう」

前までのふたりなら、この時点ですでになにか一悶着あったかもしれない

だが、この前のマラソン大会での件でちょっとは互いへの認識を改めたのだろう。三浦からも雪ノ下からも特に何か噛み付いたりすることはなかった。

……が、それ以上何も会話をしないのでは結局話が進まない。

ここは由比ヶ浜に頼んで話をしてもらった方がいいかもしれない。やだ、私ったら滅茶苦茶気が利いてる? もしかしたらこの空気読みスキルでリア充になっちゃうかもしれない?

葉山「雪ノ下さん、結衣、君達に頼みたいことがあるんだ」

なーんて俺が変な気を回す前に葉山が先にこの停滞しかけた空気を動かした。さすがイケメン、気付くのも早ければ動くのも早い。こいつが勇者やった方がいいんじゃないの?

339 = 1 :

雪乃「頼みたいこと、とは何かしら?」

葉山「ああ、実はこの国から少し離れたところに廃墟となった城があるらしくてね」

出、出~~~廃墟城奴~~~!!

RPG物に置いて、廃墟といえばまず城か屋敷の二択である。理由は広さがないとダンジョンとして成り立たない以上、城と屋敷は一番都合が良いから。以上。

葉山「その城の奥に、魔王への攻略に役に立つアイテムがあるっていうのをNPCから知ったんだ」

雪乃「魔王への攻略に……?」

葉山「ああ、そこで雪ノ下さん達にもそのアイテムを回収するために手伝ってもらいたい」

なるほど、ダンジョンの奥にラスボスへ効くアイテムがあるっていうのもこれまた王道パターンだ。どうでもいいが、葉山がアイテムとかNPCとか発言していると違和感がすごい。

そしてそれとは別に、ひとつ気になることがある。

八幡「だったら、お前らが先に行って取ってきても良かったんじゃないか?」

そこにあると分かっているのなら、何も俺達の到着を待つ必要はない。さっさと行って攻略し、アイテムを持ってくればいいのだ。

だが葉山は苦笑しながら、俺の質問に答えた。

葉山「もちろん、先に俺達だけでそのダンジョンにまで行ったさ。だけど、あのダンジョンは少し厄介な作り方をしていてね」

八幡「厄介な作り方?」

葉山「ああ。二箇所にボタンがあって、そのボタンを同時に押さないとボスへの扉が開かないんだ」

へぇ、廃墟なのに無駄に凝った作り方してんだな。

340 = 1 :

葉山「さすがに二手に分かれる余裕があるほど俺達の戦力は大きくなくてね、仕方がないから城に引き返すと城廻女王から勇者達のことを書いてある手紙が来たんだ」

手紙? 一体どのように送ってきたんだと疑問に思っていると葉山が伝書ハトだよと付け加えた。なるほど、携帯やメールがないこの世界では伝書ハトを使うらしい。まさか実際に使っているのを見ることになるとは。

雪乃「分かったわ、ならそのダンジョンを攻略するために葉山くん達に協力すればいいということね」

葉山「ああ。頼めるかな?」

雪乃「分かったわ、引き受けましょう」

そう葉山に返答すると、踵を返してこちらの方向に顔を向けた。

雪乃「みんなもいいかしら」

結衣「当たり前だよ、ゆきのん!」

小町「もちろんですよー!」

雪ノ下がそう問うと、他の皆は口々にそれに好意的な反応を返した。

いや、いいかしらとか尋ねるんなら引き受ける前に言えよ。

どうせやらなきゃ時計進まないし、拒否権ないからやりますけどね、ええ。逆らわないから社畜って言うんですよ。

こうして、俺達は葉山達と一緒に壇上攻略に赴く羽目になったのであった。

341 = 1 :

平行で複数のSSを書いていても投稿ペースも文字量も犠牲にしない、うん暇人にしか出来ないねこれ。

書き溜めしてから、また来ます。

342 :

楽しい、待ってる


確かに暇人だな笑
そのお陰で楽しめてますが

343 :

暇人でもやろうと思わないとやれないけどな
その点では誇っていいんじゃね

344 :



神父「おお!八幡死んでしまうとは情けない」

八幡「いや、死んでねぇし」


雪乃「性根が腐ってるからかしら・・・」

結衣「あはは・・・」

神父「ザオ○ク」

神父は八幡にザオ○クを唱えた

八幡「おい止めろ!だから死んでねぇよ」

しかし八幡の目は死んだままだ

小町「ザオ○クですらごみぃちゃんの目は蘇らないんだね」

八幡「・・・」

345 :

>>344
>>1以外が長文書くなカス

346 :

これは荒れる

347 :

はい、ここまで!

348 :



実際こまちにっきと並列でこの量毎日更新はすごいと思う

349 :



       ×  ×  ×


八幡「……」

葉山達とダンジョンに行くことが決まってから少しの時間が流れた。もっとも、イベントが進んでいるわけではないので時計は止まったままだ。

俺達は今、城の中の部屋で待機している。葉山達がダンジョンに行くための準備をしているため、しばし待たされているのだ。

周りを見渡してみれば、また雪ノ下が小町に対して問題を出している光景が見えた。よく見ると由比ヶ浜もその近くにいる。

雪乃「問題、千葉県が全国で生産量一位の食べ物をみっつあげなさい」

聞けば千葉県の話をしているではないか。意識せずとも、耳がそちらの方へ向いてしまう。

小町「とりあえず落花生ですよね」

結衣「あと梨もだったよね!」

おーおー、アホの子なのによく覚えてたな。

そうだ、千葉県の梨の生産量は全国一位を誇る。ふなっしーなんかの存在もそこから来ているのだ。

しかし、そのふたつだけ答えると小町も由比ヶ浜もうんうん言って答えが行き詰ってしまった。

マジかよ……千葉県が生産量日本一を誇るものって結構あるぞ……。

350 = 1 :

雪乃「……正解は伊勢海老よ、伊勢海老」

進行が止まってしまったふたりを見かねたのか、とうとう雪ノ下が答えを言ってしまった。

しかし、無駄に感情がこもっていたような気がするな……。

前に文化祭の打ち上げの時にも伊勢海老をやたら推していたような気がするのだが、やっぱり好きなんじゃないの?

八幡「あとはイワシとかほうれんそうとかも、地味に千葉県がトップだぞ」

小町「うわ、お兄ちゃんいたんだ」

結衣「ちょっ、驚かさないでよ!」

雪乃「……驚いた、私に気付かれないまま近づいてこれるなんて」

思わず突っ込んでしまったら、この言われ様である。

いや、確かにグループで話している時に外野からいきなり突っ込まれたら驚きもするのか。

ごめんね、今までグループの中に入ったこととかないからお兄ちゃん分からなかったよ。

そんなやり取りをしていると、がちゃりと扉が開く音が響いた。

そちらの方を振り返ってみると、葉山が先頭に三浦達がぞろぞろとついてきて部屋の中に入ってきた。

よく見ると、最初にいた戸部や海老名さんだけではなく大和とあともうひとりもいた。なんだっけあのもうひとり。そうだ思い出した童貞風見鶏大岡だ。


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