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    元スレ八幡「俺ガイルNGシーン集?」

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    1 :

    俺ガイルのSSです。

    SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1440430348

    2 = 1 :

    やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。①


    青春とは嘘であり、悪である。

    (中略)

    リア充爆発しろ。


    平塚「比企谷。この舐めた作文は何だ? 一応言い訳くらいは聞いてやる」

    八幡「ひ、ひや、俺はちゃんと高校生活を振り返ってますよ? 近ごろの高校生はらいたいこんな感じじゃないでしゅか! だいたい合ってますよ!」

    平塚「普通こういうときは自分の生活を省みるものだろう」

    八幡「だったらそう前置きしておいてください。そしたらその通り書きますよ。これは先生の出題ミスであってですね」

    平塚「小僧、屁理屈を言うな」

    八幡「小僧って……。いや確かに先生の年齢からしたら俺は(バキィッ!!!)ぐはあっ!!」

    平塚「次は当てるぞ……すまん比企谷、本当に顔に当ててしまった」

    <カットー!!

    八幡「……なんかめっちゃ血ぃ出てるんすけど」

    平塚「すまんすまん、わざとじゃないんだ」

    雪乃「比企谷くん、これで血を押さえなさい……」

    八幡「悪い、サンキュな……」



    <テイクツー、アクショーン!!

    八幡「小僧って……。いや確かに先生の年齢からしたら俺は(ヒュンッ!!)ってあぶなぁぁぁあああ!! 今また当てる気でしたよね!!?」

    平塚「すまんすまん……わざとじゃないんだ」ニヤリ

    八幡「おいこの先生役代えろ!!」

    3 = 1 :

    雪乃「それで、そのぬぼーっとした人は?」

    平塚「彼は比企谷。入部希望者だ」

    八幡「二年F組比企谷八幡です。えーっと、おい。入部ってなんだよ」

    平塚「君にはペナルティとしてここでの部活動を命じる。(中略)彼の捻くれた孤独体質の更正が私の依頼だ」

    雪乃「それなら、先生が殴るなり蹴るなりして躾ければいいと思いますが」

    平塚「私だってできることならそうしたいが最近は小うるさくてな。肉体への暴力は許されてないんだ」

    八幡「ダウト!!!」

    <カットー!!

    雪乃「ちょっと、次は私のセリフじゃない」

    八幡「さっきこの人が俺のこと殴ろうとして何回やり直したと思ってんだよ!! まだ鼻が痛むんだぞ!!」

    平塚「だからわざとじゃないと言ってるだろうに」

    八幡「あんた十回近くもNG食らってよくまだそんなこと言えますね!!」

    4 = 1 :

    雪乃「不思議なことに優れた人間ほど生きづらいのよ、この世界は。そんなのおかしいじゃない、だから変えるのよ、人ごと、この世界を」

    八幡「努力の方向性が明後日にぶっ飛びすぎだろ……」

    雪乃「そうかしら。それでも、あなたのようにぐだぐだ乾いて果てるより随分とマシだと思うけれど。あなたの……そうやって弱さを肯定してしまう部分、嫌いだわ」

    (中略)

    ──きっと俺と彼女はどこか似ている。柄にもなくそんなことを思ってしまった。

    ──今はこの沈黙すら、どこか心地いいと、そう感じていた。

    ──少しだけ、自分の鼓動が早くなるのを感じた。心臓の刻む律動が秒針の速度を追い越してもっと先へ進みたいと、そう言っている気がした。


    ──なら。

    ──なら、俺と彼女は。


    八幡「なぁ、雪ノ下。なら俺と友」

    雪乃「なんですかそれ口説いてるんですかごめんなさいそれは無理」

    いろは「ちょっと雪ノ下先輩! 人のセリフ取らないでください!!」

    <カットー!!

    雪乃「ごめんなさい、一色さん……実はちょっと言ってみたかったのよね」

    八幡「最後だけちゃんと台本通りなのがムカつく……」

    5 = 1 :

    八幡「……このビッチめ」

    結衣「はぁ? ビッチって何よっ! あたしはまだ処──う、うわわ! な、なんでもないっ!」

    雪乃「別に恥ずかしいことではないでしょう。この年でヴァージ──」

    結衣「わーわーわー! ちょっと何言ってんの!? 高二でまだとか恥ずかしいよ! ゆきのん、女子力足んないんじゃないの!? ……あっ」

    <カットー!!

    八幡「お前この時まだ雪ノ下さん呼びだろ」

    結衣「ごめんごめん、ついいつもの癖で……」

    雪乃「次は気をつけてね」


    平塚「高二でまだとか恥ずかしい……か」

    小町「あれ、平塚先生どうかしたんですか?」

    平塚「あっ、いや、なんでもないぞ、うん……なんでも……」

    6 = 1 :

    <テイクツー、アクショーン!!

    結衣「わーわーわー! ちょっと何言ってんの!? 高二でまだとか恥ずかしいよ! 雪ノ下さん、女子力足んないんじゃないの!?」

    雪乃「…………くだらない価値観ね」

    八幡「にしても、女子力って単語がもうビッチくさいよな」

    結衣「また言った! 人をビッチ呼ばわりとかマジありえない! ヒッキー、マジでキモい!」

    八幡「ビッチ呼ばわりと俺のキモさは関係ねーだろ。あとヒッキーって言うな。……このビッチが」

    結衣「こっの……っ! ほんとウザい! っつーかマジキモい! 死ねば?」

    八幡「……」シクシク

    結衣「……あれっ?」

    <カットー!!

    結衣「ど、どうしたのヒッキー?」

    八幡「いやその……そういえばこの頃のお前ってそんな言葉遣いだったの忘れてたなーとか……ちょっと思ったより心にグサっときた」

    結衣「うわわごめん! べ、別に今は本当に言ってるわけじゃないから! ね?」

    7 = 1 :

    八幡「十分後、ここへきてください。俺が”本当の”手作りクッキーってやつを食べさせてあげますよ」

    これで勝負は俺のターン。


       ×  ×  ×


    雪乃「これが『本当の手作りクッキー』なの? 形も悪いし、不揃いね。それにところどころ焦げているのもある。──これって……」

    結衣「ぷはっ、大口叩いたわりに大したことないとかマジウケるっ! 食べるまでもないわっ!」

    八幡「ま、まぁ、そう言わず食べてみてくださいよ」

    結衣「そこまで言うなら……(パクッ)ぐはっ!!」

    雪乃「……(パクッ)ぐはっ!!」

    八幡「あれっ?」

    <カットー!!

    雪乃「比企谷くん……この用意したクッキー、何を入れたの……?」

    八幡「え? いや、あん時に由比ヶ浜が作ったクッキーを再現しようかと思って俺が作ったんだけど」

    雪乃「べ、別に味まで再現しようとしなくても……いえ、あの時より酷──がくり」

    八幡「ゆ、雪ノ下──ッ!!」

    8 = 1 :

    三浦「ちょ、ちょっと! あーしらまだ話終わってないんだけどっ!」

    雪乃「何かしら? あなたと話す時間も惜しいのだけれど。まだ昼食をとっていないのよ」

    三浦「は、はあ? いきなり出てきて何言ってんの? 今、あーしがユイと話してたんだけど」

    雪乃「話す? がなりたてるの間違いじゃなくて?(中略)ついつい類人猿の威嚇と同じものにカテゴライズしてしまったわ」

    三浦「~~っ」

    雪乃「お山の大将気取りで虚勢を張るのは結構だけど、自分の縄張りの中だけにしなさい。あなたの今のメイク同様、すぐに剥がれるわよ」

    三浦「……はっ、何言ってんの? 意味わかんないし」


    八幡(……なぁ、こいつら……)

    葉山(演技……なんだよな?)

    戸部(こ、こえぇ……)

    9 = 1 :

    材木座「クククッ、まさかこんなところで出会うとは驚いたな。──待ちわびたぞ、比企谷八幡ッ!! …………あのー、他の人たちはどこ行ったのかなー……? 今日の収録はこの教室だって聞いてたんだけどなー……はちまーん? ちょっとー、はちまーん? 電話出てよー、はちまーん!?」

    10 = 1 :

    戸塚「ぼく、男なんだけどなぁ……。そんなに弱そうに見えるかな?」

    八幡「え」

    戸塚「……証拠、見せてもいいよ?」

    八幡「お願いしますっ!」ドゲザッ

    戸塚「えっ!?」

    <カットー!!

    結衣「ちょっとヒッキー、何言ってんの!?」

    八幡「ばっかお前俺はこの時になんで証拠見せてもらわなかったんだって死ぬほど後悔したんだよ、もしもタイムスリップしたら今度こそ見せてもらうんだって何度も思った……今日こそ、それを実行に移す時ッ!!」

    戸塚「もう、八幡ったら……まぁ別に、いい、けど……『比企谷くん?』『ヒッキー?』『先輩?』『あんた?』『えっちょっお前ら何をすアーッ!!』……いい、んだけど……」

    11 = 1 :

    戸塚と由比ヶ浜は腹ばいになるとゆっくり腕立て伏せを始めた。

    戸塚「んっ……くっ、ふぅ、はぁ」

    結衣「うぅ、くっ、……んあっ、はぁはぁ、んんっ!」

    押し殺した吐息が漏れてくる。(中略)

    由比ヶ浜が腕を曲げると、体操服の襟元から眩しい肌色がちらっと覗く。いかん。直視できん。

    さっきから俺の心拍数がやたら上がっていて、これはもう不整脈の可能性がある。

    材木座「八幡……なぜだろうな。我は今、とても穏やかな気分だ……」

    八幡「奇遇だな。俺も同じ気持ちだ」

    ときどきちら見しながらにへらっと笑っていると、背中に冷水をぶっかけられ冷たァああああああ────!!!

    八幡「ちょっ待っ、これ本当に冷水ぶっかけるシーンじゃねぇから雪ノ下! あっ、一色タオルを持ってきてく(バシャアアアアッ!!!)冷たァアアア!!? 待て、なんで二杯目!? お、ルミルミ! このままじゃ風邪を引くからタオルを(バシャアアアアッ!!!)三杯目ェェェ!!? お前ら何を──!!?」

    <カットー!!


    雪乃「……ばか」

    12 = 1 :

    三浦「あんさぁ、雪ノ下サンが知ってるかしんないけど、あーし、テニス超得意だから」

    そう言いながら、バスケのドリブルの要領でボールを地面に投げては受け、それを繰り返す。雪ノ下は目だけで三浦の言葉の続きを促した。

    にぃっと三浦が笑う。雪ノ下の見せた笑顔とはまったく違う、攻撃的な獣の笑顔だ。

    三浦「顔に傷とかできちゃったらごめんね」

    ……うわぁ、怖い。予告危険球とか初めて聞いたよ?

    そう思ったときにはひゅっと鋭い風切り音と、ボールを弾いた軽快な音がした。

    打球は雪ノ下の顔面に高速で(ドシャアアアアアアアアッ!!!)………………。

    三浦「…………あっ、マジでごめん…………本当に顔面に行っちゃうなんて…………」

    雪乃「ふ、ふふふっ……なるほど、あの時の意趣返しということね。上等よ、受けて立ってあげるわ……」ユラァッ

    八幡「お、おい雪ノ下落ち着けまだ撮影中だから、あれわざとじゃないから!」

    葉山「優美子! とりあえず謝ろう!! 今ならまだ許してもらえるかもしれないから!!」

    八幡「雪ノ下! テニスラケットは人を殴りつけるものじゃない!! おい材木座とあとテニスの観客役やってる玉縄お前らも見てないで止めるの手伝え!!」

    13 = 1 :

    八幡「っ! セーシュンのばかやろおぉ──────っ!」パコーン

    材木座「あ、あれは……『空駆けし破壊神・隕鉄滅殺-メテオストライク-』!!」

    三浦「な、なにそれ」

    葉山「優美子っ! 下がれっ!」

    三浦「っ!!」

    ──あ、やべ。三浦がフェンスに激突する。

    葉山「くっ!」

    葉山はラケットを投げ捨てると、駆け出した勢いそのままに走り出す。

    間に合うか!? 間に合うのか!?

    三浦「はや(ガッシャァァァアアアンッ!!!)…………」

    あ、間に合わなかった。

    <カットー!!

    葉山「……ごめん優美子、そんな速さでフェンスに突撃するとは思ってなかったんだ……」

    三浦「隼人だったらこれでも受け止めてくれるって信じてたのに……」

    雪乃「くっ……くくっ……」

    八幡「おいお前、笑い堪え切れてないぞ」

    14 = 1 :

    八幡「俺なら別になんもしてないよ。礼ならあいつらに……」

    と、そいつらの姿を捜して、俺は周囲を見渡す。すると、テニス部の部室の脇でひょこひょこと揺れるツインテールを見つけた。

    あんなとこにいたのかよ。

    礼の一つも言っておこうと部室のほうへ回り込んだ。

    八幡「とつか……あっ」

    思いっきり着替え中だった。

    <カットー!!

    結衣「……なんでさいちゃんの名前呼んだし」

    八幡「悪い悪い、ミスっちまったんだ。次はちゃんとやるよ」

    15 = 1 :

    <テイクツー、アクショーン!!


    八幡「俺なら別になんもしてないよ。礼ならあいつらに……」

    と、そいつらの姿を捜して、俺は周囲を見渡す。すると、テニス部の部室の脇でひょこひょこと揺れるツインテールを見つけた。

    あんなとこにいたのかよ。

    礼の一つも言っておこうと部室のほうへ回り込んだ。

    八幡「ざいもく……あっ」

    思いっきり着替え中だった。

    <カットー!!

    結衣「……今度は中二? なんでそれと間違えんの?」

    八幡「わ、悪い……なんかぼーっとしてたわ……次こそちゃんとやるって」

    16 = 1 :

    <テイクスリー、アクショーン!!


    八幡「俺なら別になんもしてないよ。礼ならあいつらに……」

    と、そいつらの姿を捜して、俺は周囲を見渡す。すると、テニス部の部室の脇でひょこひょこと揺れるツインテールを見つけた。

    あんなとこにいたのかよ。

    礼の一つも言っておこうと部室のほうへ回り込んだ。

    八幡「わたりわたる……あっ」

    思いっきり着替え中だった。

    <カットー!!

    雪乃「……比企谷くん、まさかとは思うけれど……私たちの着替えを何度も見るために、わざと間違えてないかしら?」

    結衣「ええっ!!?」

    八幡「ばっ、ばばばばっかちげぇよ素で間違えたに決まって『もうほんと死ねっ!』テニスラケット投げんな痛ァッ!!!?」


    三浦「……」

    葉山「ゆ、優美子……どうして俺の目を潰したんだ……?」

    海老名「……」

    戸部「あ、あの、海老名さーん……? 俺見てなかったって……!!」

    藤沢「……」

    本牧「目が、目がぁ……!!」

    17 = 1 :

    他に抱えてる長編二つの筆が止まったので、息抜きで思いついたネタを書いてたらすごい進んだ。はい。
    とりあえずここはゆっくりまったりと11巻分まで書こうと思います。

    それでは2巻分書き終わったら、また来ます。

    18 :

    乙です‼
    ちょっとワロタw

    19 :

    こういうの好き

    20 :

    おもしろい

    22 :

    いろはの真似する雪乃のは、かなり受けたw

    23 :

    また面白いものを…(歓喜)

    24 :

    なんか信者がきめぇ

    25 :

    内容も相当きもいけどな

    26 = 24 :

    >>25
    叩かれるよ

    28 :

    乙、こういうSS増えてほしい

    30 :

    戸塚役は女の子なのかな

    31 :

    アイマスだとよくこういうのあって面白いよね
    これは微妙だけど

    33 :

    >>32
    きも

    35 = 1 :

    やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。②


    ゴールデンウィークも過ぎて、じわりじわりと暑くなりはじめてくる今日このごろ。

    (中略)

    川崎「これ、あんたの?」

    その女子はさっきと変わらぬ調子で言った。

    川崎「……ちょっと待ってて」

    ため息混じりにそう言うと、梯子に手をかけてするすると下りてくる。

    ──そのとき。

    風が吹いた。重く、垂れ下がった暗幕を取り払うような、そんな宿命的な風。夢を託した肌色のトライアングルを未来永劫焼き付けるように神風に靡く。

    詩的に表現したが、要するにパンツが──肌色? 待て、ここで見えるべきなのは黒のレースであるはず。というかそもそも肌色なのはおかし──もしかして、何もはいてな(ブシャァァァアアア!!)

    <カットー!!

    川崎「……ごめん、はき忘れた」

    戸塚「八幡!? 鼻血すごいよ、大丈夫!?」

    八幡「やるじゃん。ラブコメの神様……ぐふっ」

    戸塚「はちま──んっ!!?」

    雪乃「…………」

    結衣「…………」

    いろは「…………」

    36 = 1 :

    職場見学希望調査票

    希望する職業:専業主夫


    平塚「比企谷。私が何を言いたいか、わかるな?」

    八幡「さ、さぁ……」

    平塚「……まさか、わからないと言うつもりか?」コキコキッ

    八幡「さ、サーイエッサー! と言おうとしたんです! 違うんです! わかってるんです! 書き直します! 殴らないで!」

    平塚「当たり前だ。まったく……少しは変わったかと思えばこれだ」

    八幡「俺のモットーは初志貫徹なので」テヘッ♪

    平塚「……やはり殴って直すしかないか。テレビでもなんでも殴ったほうが話が早い」

    八幡「い、いや、俺、精密機械なんでそういうのはちょっと。それはそうと最近のテレビは薄いから殴りようがないですよね。やはり年の差を感じ」

    平塚「衝撃のっ! ファーストブリットおぉっ!!」ゴスッ

    八幡「……ぐふっ」

    平塚「撃滅のっ! セカンドブリットおおっ!!」バキッ!!

    八幡「ぐはっ!」

    平塚「抹殺のぉっ! ラストブリットおおおっ!!!」ドガァッ!!

    八幡「ひでぶっ!!」

    <カットー!!

    雪乃「……このシーン、確か殴るのは一度だけだったはずですが」

    平塚「あれ、そうだったか。すまんな比企谷、リテイクだ」

    八幡「ふざけんな! 絶対わざとだろうが!!」

    37 = 1 :

    結衣「け、携帯教えて? ほ、ほら! わざわざ捜して回るのもおかしいし、恥ずかしいし……。どんな関係か聞かれるとか、ありえ、ないし」

    (中略)

    結衣「赤外線使えるよね?」

    八幡「いや、俺スマートフォンだから赤外線ついてない」

    結衣「えー、じゃあ手打ち? ……めんどっ」

    八幡「そういう機能は俺には必要ねぇんだよ。だいたい携帯嫌いだしな、ほれ」

    結衣「あ、あたしが打つんだ……、いいんだけどさ。ていうか、迷わず人に携帯渡せるのがすごいね……」

    八幡「いや、見られて困るもんないからな。妹とアマゾンとマックからしかメール来ないし」

    結衣「うわぁ! ほんと……(ポチポチ)……ねぇ、ヒッキー」

    八幡「ん?」(あれ、ここで俺を呼ぶセリフあったか?)

    結衣「この、めぐり先輩とのメールがずらっと並んでるのは何?」

    八幡「お前、今撮影中だぞ……それはあれだ、昨日城廻先輩からメールが来てたから、それに返信してたら長くなってな」

    結衣「この沙希とのやつは?」

    八幡「いや、それは一昨日あいつが送ってきたやつだ」

    結衣「そしていっぱいあるこの留美ちゃんのは?」

    八幡「留美はなんか毎日送ってくるから……あの、由比ヶ浜さん? なんか目が怖いんですけど、一体何が、あっ、ちょっ、俺の腕の関節はそちらには曲がらな」

    <カットー!!


    めぐり「…………」チラッ

    川崎「…………」チラッ

    留美「…………」チラッ

    38 = 1 :

    結衣「あ、あのさ……この問題なんだけど……」

    俺に聞くのはプライドが許さないのか、えらく恥ずかしそうに由比ヶ浜が聞いてくる。

    八幡「『ドップラー効果』か……。俺、理系は捨ててるからよくわからん。代わりに『グラップラー刃牙』なら説明できるんだけどそれじゃダメか?」

    結衣「全然ダメだよ! プラーしか合ってないよ!?」

    やっぱりダメか。説明にはちょっと自信があったんだが。

    由比ヶ浜は諦めたように教科書とノートを閉じると、ずずーっとストローでアイスティーを飲んだ。空になったグラスを手に立ち上がろうとしたとき、あ、と何かに気づいた声を上げた。

    釣られて俺もそちらを見ると、そこには野暮ったいセーラー服を着た、めちゃくちゃ可愛い、美少女がいた。

    八幡「妹だ……」

    俺の妹の小町が楽しそうに笑いながらレジの前に立っている。横には学ランを着た男子。

    八幡「悪い、ちょっと」

    言って俺は席を立つと、すぐさまゴキブリダッシュで後を追いかける。そしてその男の背中に向けてゴキブリタックルを仕掛けに行った。

    平塚「時速270キロ!!?」

    八幡「ゴキブリタックル……ッす」ドガアッ!!

    大志「ぐぼああああっ!!! ちょっ、比企谷先輩何するんすか!!?」

    八幡「その呼び方は円盤特典のネタバレになるからやめろ! それにてめぇ撮影中だからって小町に近付きやがって!!」

    大志「理不尽っす!!」

    川崎「ちょっとあんた、何してんの」

    八幡「うるせぇノーパンはちょっと今黙って(グシャ)あれおかしいな人の首は180度も回らないはずなんだけど」

    結衣「ヒッキー、次それ思い出したら360度回すからね」

    それ首ねじ切れるじゃねぇか。

    39 = 1 :

    実験。ファーストネームで呼び合うことで人間関係は変化するか。

    八幡「彩加」

    戸塚「……」

    八幡「ああ、悪い、今のは……」

    戸塚「……嬉しい、な。初めて名前で呼んでくれたね」

    八幡「なん……だと……」

    戸塚「ぼ、ぼくも……、ヒッキーって呼んでいい?」

    八幡「それはやだ」

    戸塚「じゃあ……、八幡?」

    八幡「も、もう三回呼んで!」

    戸塚「……八幡」こちらの反応を窺うように照れながら、

    戸塚「八幡?」小首を捻りきょとんとした表情で、

    戸塚「八幡! 聞いてるの!?」頬を膨らませてちょっと拗ねたように。

    八幡「……………………」

    戸塚「…………八幡? セリフ忘れてるよ?」

    八幡「…………はっ、うっかり見惚れていたぜ」

    <カットー!!

    戸塚「もう、八幡ったら……」

    八幡「悪い悪い、……あとこのシーン百回くらいやり直そうぜ」

    結衣「多過ぎだし!?」

    雪乃「バカだわ、バカがいるわ……」

    留美「……八幡」

    八幡「ん、どうした?」

    留美「……なんでもない」プイッ

    40 = 1 :

    チェーンメールシーン撮影終了後


    三浦「結局さー、こん時の犯人誰だったん?」

    戸部「え」

    「え」

    大岡「え」

    葉山「え、ちょ、優美子」

    八幡(まさか今更掘り返されるとはなぁ……)

    41 = 1 :

    小町「しまったぁ! 寝過ぎたぁっ! 一時間だけ寝るつもりが……、五時間寝てたぁっ!」

    八幡「あーあるある、って寝すぎだろ、帰ってきて即寝たのかよ」

    小町「失礼なっ! ちゃんとシャワー浴びてから寝たよっ!」

    八幡「やべぇ、なんで今俺怒られたのか全然わかんねぇ」

    小町「そんなことよりなんで起こしてくれなかったの!?」ブーブー

    八幡「どうでもいいけどズボン履けズボン。それと勝手に俺の服着んな」

    小町「ん? ああこれ、寝巻きにちょうどいいんだよ。ちょっとワンピースっぽくない?」

    言いながら小町はびろーんとTシャツの襟元を引っ張る。伸ばすな伸ばすな。ブラ見えてるから。くるっと一回転すんなパンツ見えんだろって……。

    俺はそのまま撮影していたリビングを出ると、近くにいた大志の目を潰してから『目が、目がぁぁぁ!!』視界に入った葉山の目に向かって指を(パシッ)

    葉山「や、やぁ比企谷……どうして、俺の目に指を突っ込もうとしたのかな?」グギギ

    八幡「たとえ撮影中だろうが小町の下着を視界に入れた男の目は全員潰す」グギギ

    葉山「その理論だと、このドラマが放送された時は日本中の男の目を潰すことになるんだけど(ズブッ)目がああああああっ!!」

    三浦「……ふんっ」

    戸部「目がああああああっ!!」

    海老名「……」

    本牧「目がああああああっ!!」

    藤沢「……」

    八幡「目と鼻と肩と両手の親指人差し指中指薬指小指がああああああああっ!!」

    川崎「あんた、だから人の弟に手を出すんじゃないよ……」

    八幡「り、理不尽だ……」

    大志「それ比企谷先輩が言うんですか……」

    42 = 1 :

    結衣「ね、ねぇ小町ちゃん……このドラマってノンフィクションなはずなんだけど、本当にあんなやり取りしてたの?」

    小町「え? まぁ結構前なんであやふやですけど、確か」

    結衣「へ、へぇ……そうなんだー……あたしもヒッキーのTシャツ欲しい……」ボソッ

    43 = 1 :

    平塚「……比企谷。一つ教えておいてやろう。力なき正義など、悪と変わらない」

    八幡「……せ、正義なき力のほうがよほど悪じゃ、ちょま! 殴るのはノー!」バキッ

    八幡(あの人また本気で殴りやがった)

    平塚「まったく……このクラスは問題児が多くてたまらんな。……そう言っているうちにもう一人。川崎沙希。君も重役出勤かね?」

    川崎「……」ペコッ

    八幡「……またノーパン、だと?」ブシャアアアアッ

    戸塚「はちま──んっ!!」

    川崎「……まちがえた」


    結衣「さ、沙希! パンツくらいはこうよ!」

    川崎「はくの忘れてただけ……たまたま、今日だけ、偶然」

    結衣「この前の撮影の時だって忘れてたじゃん!!」

    44 = 1 :

    <テイクツー、アクショーン!!

    平塚「……比企谷。一つ教えておいてやろう。力なき正義など、悪と変わらない」

    八幡「……せ、正義なき力のほうがよほど悪じゃ、ちょま! 殴るのはノー!」バキッ

    八幡(何もこのシーンからリテイクしなくても)

    平塚「まったく……このクラスは問題児が多くてたまらんな。……そう言っているうちにもう一人。川崎沙希。君も重役出勤かね?」

    川崎「……」ペコッ

    八幡「……絆創膏、だと?」ブシャアアアアッ

    戸塚「はちま──んっ!!」

    川崎「……まちがえた」


    結衣「さ、沙希!! なんで絆創膏なの!!?」

    川崎「こっちは2巻分終わったらしばらく出番ないから必死なんだよ!!」

    結衣「認めた! 今わざとやってるって認めた!!」

    大志「ああ、最近姉ちゃんが遠くへ……」

    小町(最近会ってなかったからかなー……)

    45 = 1 :

    カフェ

    結衣「ヒッキー、おごってー♪」

    八幡「ああ? 別にいいけどよ……、何飲む? ガムシロ?」

    結衣「あたしはカブトムシかっ! おごりたくないなら素直に言ってよ!」

    雪乃「……みっともないからやめなさい。そういうの、あまり好きではないわ。すぐたかろうとする人は屑ね」

    八幡「そうだな。俺も嫌いなタイプだ」

    結衣「ええーっ!? じゃ、じゃあもう言わない!」

    八幡「いや別に仲良い奴ら同士の冗談ならいいんじゃねぇの。お前は内輪で好きなだけやれば?」

    雪乃「ええ、そうね。私の内輪のことではないし、構わないわ」

    結衣「あたし、二人に内輪扱いされてないとかちょっとショックだ!」

    由比ヶ浜が雪ノ下に泣きつくのを横目で見つつ、レジが俺の番になった。ブレンドコーヒーを注文すると、できる店員さんは素早く作り上げた。

    玉縄「390円になります」クルックルッ

    八幡「…………ぶふっ」

    <ハチマン、アウトーッ

    八幡「ふざけんな! なんで玉縄が店員役やってんだよ! こんなの絶対笑うに決まってんだろうが!!」

    平塚「比企谷、笑ったからにはケツバットが待っているぞ」

    八幡「いつから笑ってはいけないドラマ撮影24時になったんだよここは! 待ってそれ金属バットじゃぎゃああああああっ!!」


    雪乃「…………くくっ」

    陽乃「雪乃ちゃん、あうとーっ♪」

    雪乃「…………不覚だわ」

    46 = 1 :

    カマクラ「ニャー」

    雪乃「にゃー」

    カマクラ「ニャ?」

    雪乃「にゃ、にゃあ……」

    カマクラ「ニャー!」

    雪乃「にゃあ。にゃああああっ」


    陽乃「こちらが先ほどの雪乃ちゃんの録画になります」

    雪乃「待って。これ休憩時間だったはずよね。どうしてカメラが回っているのかしら」

    陽乃「比企谷くーんっ、ちょっと見て欲しいものがあるんだけど」

    雪乃「待って姉さん、やめて。待って。やめてください」

    47 = 1 :

    平塚「川崎、君は最近家に帰るのが遅いらしいな。朝方になるまで帰らないらしいじゃないか。いったい、どこで何をしているんだ?」

    川崎「誰から聞いたんですか?」

    平塚「クライアントの情報を明かすわけにはいかないな。それより、質問に答えたまえ」

    川崎「別に。どこでもいいじゃないですか。それで誰かに迷惑かけたわけじゃないし」

    平塚「これからかけることになるかもしれないだろう。君は仮にも高校生だ。補導でもされてみろ。ご両親も私も警察から呼ばれることになる。……君は親の気持ちを考えたことはないのか?」

    川崎「先生……。親の気持ちなんて知らない。ていうか、先生も親になったことないからわかんないはずだし。そういうの、結婚して親になってから言えば?」

    平塚「ぐはぁっ!」

    川崎「先生、あたしの将来の心配より自分の将来の心配したほうがいいって、結婚とか」

    平塚「……ぐっ、くぅ……」

    八幡「いいぞもっと言ってやれ川崎ィ!!」

    戸塚「は、八幡、今撮影中だよ!」

    <カットー!!

    八幡「あ、今声入っちゃいました? ごめんなさいテヘペロ☆ それじゃあ先生、リテイクお願いします」

    平塚「ひ、比企谷ぁ……」グスン

    結衣「お、鬼がいる……」

    48 = 1 :

    とりあえず、男女五名でメイド喫茶『えんじぇるている』に入る。

    玉縄「お帰りなさいませ! ご主人様! お嬢様!」クルックルッ

    八幡「ぶふぉっ!!」

    <ハチマン、アウトーッ

    八幡「出オチかよ!! っつーかなんで玉縄がメイドやってんだよ!! おかしいだろ!! 戸塚にやらせろよ!!」

    戸塚「八幡、ぼくも男なんだけど……」

    玉縄「比企谷くん……」

    八幡「な、なんだよ……」

    玉縄「……9巻まで出番がなくて、暇なんだよ」

    八幡「知るかよ!! じゃあせめて一般客役やってろよ!!!」

    49 = 1 :

    ホテル・ロイヤルオークラ バーカウンター

    学校で見せるのと同じ、かったるい空気を醸し出して、ふっと浅いため息をついてから、俺たちに一瞥をくれる。

    川崎「……何か飲む?」

    雪乃「私はペリエを」

    それに答えて雪ノ下が何か言った。な、何? ペリー? 今なんか注文したの?

    結衣「あ、あたしも同じのをっ!?」

    八幡「あ……」

    俺も今そう言おうと思ったのに……。由比ヶ浜に先を越され、完全にタイミングを逸してしまった。む、むむむ。なんだ、なんて言えばいいんだ。ドンペリだがドンペンだか言えばいいのか? ちなみにドンペンは激安の殿堂のイメージキャラクターだ。注文したところで多分出てこない。

    川崎「比企谷だっけ? あんたは?」

    さっきのペリーさんは飲み物だよな……。別にハリスとかアーネスト・サトーとか言わなくていいんだよな。じゃあ、とりあえず飲み物の名前を……。

    八幡「俺はパン(バキッ)(ドカッ)ぐぼがっ」

    両隣の雪ノ下と由比ヶ浜の両方から同時に頬にパンチを貰ってしまった。

    雪乃「パンチを二回……ということでパンツ、という意味かしら?」

    八幡「俺、パンジェンシーって言おうとしたんだけど…………」

    ちなみに午後ティーのことである。

    50 = 1 :

    <テイクツー、アクショーン!!

    学校で見せるのと同じ、かったるい空気を醸し出して、ふっと浅いため息をついてから、俺たちに一瞥をくれる。

    川崎「……何か飲む?」

    雪乃「私はペリエを」

    それに答えて雪ノ下が何か言った。な、何? ペリー? 今なんか注文したの?

    結衣「あ、あたしも同じのをっ!?」

    八幡「あ……」

    俺も今そう言おうと思ったのに……。由比ヶ浜に先を越され、完全にタイミングを逸してしまった。む、むむむ。なんだ、なんて言えばいいんだ。ドンペリだがドンペンだか言えばいいのか? ちなみにドンペンは激安の殿堂のイメージキャラクターだ。注文したところで多分出てこない。

    川崎「比企谷だっけ? あんたは?」

    さっきのペリーさんは飲み物だよな……。別にハリスとかアーネスト・サトーとか言わなくていいんだよな。じゃあ、とりあえず飲み物の名前を……。

    八幡「俺はMAXコー」

    雪乃「彼にホットコーヒーとアイスコーヒーのブレンドを」

    おかしい、その二つのブレンドは一番やっちゃいけないはずだ。


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