元スレ京太郎「合同合宿ですか?」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
351 :
乙ー
このあとの京淡の絡みが楽しみすぎる
352 :
このクスリとくる笑いが良い
353 :
乙っす
354 :
ダンボールといえば咲ってのは某引越しについてきたSSのこと?
355 :
憧無双と聞いてワクワクが止まらない
356 :
>>349
段ボールかぶって寝てるのはあーさんだぞ
357 :
>>356
そうだった 部長だからたまにごっちゃになるわ
358 :
>>354
可愛い咲ちゃんではなくダンボール姫
でも、ダンボール姫の中にはカワイイ咲ちゃんが!
359 :
360 = 1 :
京太郎「『だよー』、『なのよー』、『ですよー』……『三よー』!!」
和「なにを言ってるんでしょうか彼は」
憧「あたしに聞かないでよ」
穏乃「わかった! つまり『よー』の部分がかかってるんだ」
京太郎「さすが穏乃! よくわかってくれた、俺のこの難解なギャグをよくわかってくれた」
玄「わかる?」
優希「さすがに無理だじぇ」
361 = 1 :
穏乃「understand、う、うんだー……?」
京太郎「アンダースタンドな」
穏乃「意味は?」
京太郎「理解する」
穏乃「ほうほう。り、か、い、す、る……っと」
京太郎「ちなみにアンダー(下)がスタンド(勃つ)するって意味じゃないぜ! アンダスタン?」
憧「ちょっと、京太郎ちょっと」
京太郎「なんじゃらほい」
憧「黙れ」
京太郎「はい」
362 = 1 :
穏乃「さぁいい具合に場が白けてきたところでなんかして遊ぼう!」
憧「いやシズは宿題やりなさいよ」
優希「今日はもう十分やったよ! もうそろお開きでいいと思うじぇ」
京太郎「そんんだからお前らは、今この結果があるんだろうが」
厳然たる事実がそこには横たわってますよ?
京太郎「そんなんで休み明けのテストとか大丈夫なんか?」
穏乃「大丈夫! 私、本番に強いタイプだから」
優希「私も私も!」
京太郎「ホントか~」
自信満々で言ってのける穏乃に怪訝な視線を向ける。
穏乃「ホントだよ!」
京太郎「じゃあ得意な科目は?」
穏乃「ずがこーさく!」
363 = 1 :
『折り紙』とは、
正方形の色紙を決まった手順で折り動植物や生活用品などを形作る日本伝統かつ、日本起源の遊び。
古くは千代紙と呼ばれる和紙を使用した。
もっとも一般的な正方形の紙を使用する不切正方形一枚折り。
いくつかの部分に分けてそれを組み合わせる複合折り。
紙に切り込みを入れて角の数を増やしたり一部を切り取ったりする切り込み折り。
形作ったものを動かせる玩具として作られた仕掛け折りなのどがある。
憧「ってなんであたしたち折り紙なんてやってるのよ」
京太郎「そらお前、穏乃が工作得意だって言うから」
完成した風船を机に置く。
京太郎「まぁいった本人はアレだが」
穏乃「うにゃ!? またズレた!」
364 = 1 :
和「…………」バババババババババ
玄「和ちゃんは折り紙を見た瞬間、折鶴職人みたいになってるね」
和の周りには出来上がった折鶴が群舞となって散乱する。
京太郎「ああ……いるいる、クラス1人はこういう女子」
和「ふぅ……」
一段落したからか洗脳が解けたのか、和は忙しなく動かしていた手を止め額を拭う真似をする。
京太郎「和はなんていうか、……すごいね」
俺が賛辞を送ると、和は今で見たこともないような朗らかな顔で笑う。
和「そうですか!? 私、折鶴には少し自信があるんです!」
やや興奮気味に詰め寄ってくる。こんな和かつてないな。
和「実は『秘伝千羽鶴折形』も愛読してまして」
なにそれ? 魔導書?
和「これは原本はもう手に入らないんですが、改訂版が出版されてて」
なんだこいつの目。目が離せねぇ、キラキラ輝いてまるで星みたいな……。
365 = 1 :
玄「そういえば和ちゃんがまだ吉野にいたころ、赤土先生のお誕生日会をやろうってなった時もこんな風に折り紙で飾り付けとかしたよね」
憧「やったやった。色紙切って連環にして飾ったりね」
穏乃「花とかも作ったよね。紙だけど」
和「懐かしいですね」
言葉の通り、昔を懐かしむように和が目を細める。
玄「またこうやってみんなで集まれたらなってずっと思ってたから、とっても嬉しいよ」
憧「ま、それもシズの行動力のおかげかしら」
穏乃「憧は最初、断ったくせに~」
憧「もう! そのときの話はもういいでしょ!」
玄「あははは」
366 = 1 :
幼馴染組が仲良く談笑しているのをよそに俺は何かに没頭している優希を観察する。
京太郎「それ、さっきからなにやってんの?」
優希「これか? ふふふ、見ろ! 折り紙で作ったタコスだじぇ!」
優希はドヤねん顔でその白と緑と赤と橙の色紙を重ねて折っただけの物を俺に突き出してくる。
眼前の物体を反芻するがやっぱり白と緑と赤と橙の色紙を重ねて折っただけの物にしか見えない。
京太郎「いやどう見ても色紙を重ねて折っただけの物にしか見えんのだが?」
優希「犬の目は節穴か! よく見るんだじぇ!」
そういって優希は同じ物を大量に作り出す。
なんだこの不毛な生産光景……。
京太郎「よし! お前のそのタコスに対する飽くなき執着心はわかった。ちょっと待ってろ!」
それだけ言い残すと俺は再び部屋を出て行った。
367 = 1 :
穏乃「またどっか行ったね」
和「ゆーき。まさかまたなにか無茶を言ったんですか?」
優希「言い掛かりだじぇのどちゃん! 私はなにも言ってないじょ」
憧「どうせいつもの発作でしょ? 放っておけばその内戻ってくるわよ」
玄「て、手厳しいね……」アハハ
トン
憧「あ、玄それ……バラ?」
玄「うん!」
穏乃「へぇーよく出来てますね」
憧「これ難しい? 簡単?」
玄「簡単だよ。慣れれば2分もかからないくらい。良かったら教えようか?」
玄「他にもアサガオ、アジサイ、コスモスとかもあるよ」
368 = 1 :
穏乃「教えて教えてー!」
憧「玄先生教えてくださーい!」
和「この感じ……」
園児『のどか先生ー!』ワーワーキャッキャッ
和「~~~///」ポワァー
玄「和ちゃん?」
憧「なんか咲いてる」
369 = 1 :
ガチャ
京太郎「待たせたな!」
穏乃「遅かったじゃないか」
俺は開いた片手で後ろ手に扉を閉めつつ、もう片方で持っていたトレイをテーブルの上に置……こうとしてその異常性に気付く。
京太郎「って、うお!? なにこの薔薇園? ちょっと退けて退けて」
俺が手で横に退けるようにジェスチャーを送ると、女性陣によってテーブルにスペースが作られそこに持ってきたトレイを今度こそ置く。
穏乃「なにして来たの?」
京太郎「これよ!」
トレイの上の皿に山積みにされいていたのは、
優希「タコスだじぇ!」
言うが早いか、優希の手がサッと翻り我先にとタコスを頬張る。
後、ついでにみんな喉渇いたんじゃないかと思ってお茶淹れてきた。
京太郎「どうよ優希、これが本物のタコスだ」
優希「ん、ん~?」
咀嚼しながら、自身が先ほど作っていた良くわからない紙の集合体に目をやる優希。
優希「んぐ、なんだぁ!? この紙切れはぁ!!」
そういって紙切れをテーブルに叩きつける。
京太郎「いや、それお前が作ったんだろ」
370 = 1 :
穏乃「これ私たちも貰っていいの?」
京太郎「おう! たくさん作ったからいっぱい食ってくれよ」
和「ありがとうございます♪」
玄「いただきます!」
憧「それにしても見事な手際ね」
京太郎「慣れりゃ簡単なもんよ」
憧「高1の男子が料理に慣れって……」
京太郎「いや~、実は1学期の家庭科の調理実習と裁縫の実技でA評価を貰ってしまってな」
京太郎「これは喜んでいいのかどうか……」
和「ま、まぁ成績が上がるのは良い事ですよね?」タジ
京太郎「そういうそっちはどうなんだよ。一応、女子高だろ?」
憧「あたしはそれなりには出来るわよ」
玄「旅館のまかないは私の担当ですのだ」
371 = 1 :
優希「タコスうまー!」バクバク
穏乃「これなら毎日でも食べたいよー!」バクバク
こいつらはダメそうだ。
優希「やはり犬のタコスは絶品だじぇ、まぁそこにこそ価値があるからな!」
京太郎「お前は俺を全自動タコス製造機かなんかと勘違いしてないか?」
憧「前脚の使い方がお上手だものね」
そう言いながら憧が俺の右手の甲を摘んでくる。それを振り払いつつ、俺も負けじと言い返す。
京太郎「お前もさり気無さを装うことなく俺を犬扱いするんじゃねぇ」
憧「そうね、犬の方が賢い物ね」プクク
京太郎「玄さん! あいつが、あいつがー!」
悪びれる素振りを見せない憧を指差しつつ、玄さんに泣き付く俺。
この上なく情けない光景だが、そんなん知るか! 俺は味方がほしい。
372 = 1 :
玄「もう! そんな言い方ダメだよ憧ちゃん」ナデナデ
京太郎「そうだよ! 憧ちゃん!」
憧「ちゃっとなにいきなりちゃん付けで呼んでんのよ!」
京太郎「だって~」
玄「女の子だも~ん」
京玄「「ね~♪」」
そういって笑い合う俺と玄さん。うん、見事なコンビネーション。
憧「しゃぁぁ~~らくっせぇぇぇぇ~~……(巻き舌気味)」
穏乃「ぶふぅ!? ちょ、憧! 顔、顔!? すごいことになってる!」
放送コードに引っ掛かりそうな凄まじい、筆舌し難い憤怒の形相を浮かべる憧。
マジで怖いんだけど。
373 = 1 :
京太郎「よっと、これで完成」
玄さんに教えてもらった通りにバラを折る。
顔に真っ赤な紅葉を浮かべながら赤いバラを折る俺。う~ん、マンダム。
京太郎「ちょっとよれてるかな?」
玄「そんなことないと思うよ?」
和「須賀君は本当に器用ですね」
京太郎「こういうチマチマした作業は昔から得意なんだよ」
京太郎「なんか俺の人生そのものみたいで」
和「嫌な表現ですね」
374 = 1 :
京太郎「しかし、これはちょっと作り過ぎじゃないか?」
穏乃「調子に乗って遊びすぎたね」
俺と穏乃は今やすっかり忘れ去られた眠れる淡、その淡が被るダンボール箱に作った花や鶴、連環や切り紙のレリーフを糊で飾り付けている。
なんか邪教の祭壇みたいになってきたな。
淡「ふにゅ……」Zzz
俺は細く切った紙に花やレリーフをくっ付け即席の花冠を作る。
それをソッと、穏乃の頭に載せる。
京太郎「結構似合うじゃん」
穏乃「任しといて」フフン
京太郎「うん?」
溢れかえる折りバラの中に1つ珍しい物を見付ける。
京太郎「なんか青いバラが混じってるぞ」
玄「ホントだね」
375 = 1 :
玄「そういえばブルーローズは自然界には存在しない花という事で、花言葉には『不可能』や『奇跡』って意味があるらしいよ。後、『神の祝福』とか」
玄「もっとも今は品種改良が進んで実在するそうなんだけどね」
和「なんだかロマンチックですね」
京太郎「玄さん詳しいですね」
玄「おねーちゃんがお花とか好きで、一緒に見てたら自然とね」
あー、なんか納得。
憧「へぇ。で、誰がこれ作ったの?」
穏乃「あ、それ私」
なんでもない事のように普通に穏乃が手を挙げる。
京太郎「え”」
憧「しししし、シズがバラを創造した!?」
和「しかしこれはなんとも見事の川崎ローズ!」
京太郎「まさに奇跡!」
穏乃「いや、それアサガオのつもりだったんだけど」
京太郎「え、なに? お前んち実は錬金術師の家系なの? とうとう摂理超えちゃったの?」
穏乃「いえ家は代々和菓子屋ですが?」
376 = 1 :
穏乃「だって私、山登りばっかりしててこういうのあんまりやったことないんだもん」ブーブー
お前さっき得意科目は図画工作って言ってたですやん。
京太郎「なに、じゃあそんな小さい頃から山に登ってたのか?」
穏乃「そうだよ! 吉野の街の子は5歳も過ぎればみんな山で修行して育つんだよ!」
京太郎「……」チラッ
俺はさり気無く穏乃の同郷の友に視線を送る。
憧玄「「」」ブンブンブンブンブンブン!!
すげー勢いで首を左右に振る阿知賀メンバー。
さすがにそのレベルはお前だけらしいぞ。
穏乃「いやー、うち、おかーさんがさぁ『穏乃はもっと女らしくしなさい! 山は危ないから無闇に入っちゃダメ!』って」
穏乃「その抑圧された感情が、ね? だから私、日頃からいかにして山に行こうかってそればっかり考えてたよー!」タハー
京太郎「猛獣かお前は」
377 = 1 :
和「花言葉って面白いですよね」
憧「いろいろあるわよね。しかも大体2つ通りで、意味が反転してたりするの」
京太郎「タロットに通じる物があるな」
玄「たとえばこの黄色いバラだと、『友情』または『誠意がない』とかかな」
京太郎「なんか今日の玄さん格調高いね」
憧「友情、誠意がない……」
憧「京太郎は後者かしらね~」
したり顔でそんなことを言う憧。
378 = 1 :
京太郎「どーゆー意味かなそれ?」
憧「言葉通りの意味だけど」
京太郎「おいおい俺は誠実さと爽やかさと透明感でここまでやってきたんだ」
憧「ああ、モテない男が大事にしてそうな語群ね」
京太郎「言ったなこの野郎っ!! ちょっと澄ましたキャラ気取りやがって実はこっそり絵日記つけてるくせに!」
憧「ななな、なんであんただそんなこと知ってるのよ!? 見たの!? 読んだの!?//////」カァァァ
京太郎「穏乃に教えてもらった」ケロ
憧「シィィィィィズゥゥゥゥアァァァァァァ!!」
穏乃「うわぁぁこっちに振るなぁ!?」
和「もう! どうしてあなたあなた達は仲良く出来ないんですか」バン
379 = 1 :
机を勢いよく叩きさすがに和が仲裁に入る。
京太郎「い、いや待て和。これは俺と憧なりのスキンシップなんだよ!」アセアセ
憧「そうそう、仲の良さって別にベタベタするだけじゃないと思うのよね!」ワタワタ
和「本当ですか~?」ジトッ
うろんげな表情でこちらを伺う和。
あ、これぜってー信じてねぇ。
京太郎「憧もほら、嘘でもいいからいっぺん俺のこと好きって言ってみ?」
憧「え~しょうがないな~」
まさに不承不承を絵に描いたような表情である。
憧「コホン」
381 = 1 :
言わせておいてなんだけど凄まじく疑わしい。
京太郎「本当かよ」
憧「いや、嘘だけど」
京太郎「嘘とか言うなよ」
憧「いや、だって嘘でも言えっていったじゃない」
京太郎「憧ってもしかして俺のこと嫌いのか?」
憧「好かれてるとでも思ってるんなら京太郎の頭はおかしい」
京太郎「」
なんだこの一連のやり取り。
和「嘘をつきましたね。嘘をついた須賀君には罰を下します」
京太郎「え!? 嘘ついたの俺じゃなくね!?」
和「言い訳は聞きたくありません。罰として原稿用紙3枚分の反省文を書いてください」
和「もしくは『将来の夢』をテーマに作文を書いてください」
京太郎「うう、僕の将来の夢は~……」カリカリ
382 = 1 :
俺の将来の夢か。
やはりそれを語るに当たって欠かせないのが俺の中学生の頃の話だろう。
それは遡ること3年前……ブツブツブツブツ
ガチャ
咲「こんにちわ~」
和「咲さん?」
優希「んぐ、いや~食べた食べた」
穏乃「まだ食べてたんだ……」
憧「あれ? 咲ってチャンピオンと出掛けてたんじゃなかったっけ?」
咲「うん、そうなんだけど。今帰ってきて聞いたらみんなここだって」
玄「おかえり、紅茶飲む?」
咲「あ、ありがとうございます」
玄「どういたしまして♪」
咲「ところでさっきから京ちゃんはなしてるの?」
383 = 1 :
京太郎「ん? おお、咲か。今ちょうどお前の自叙伝書いてたところだ」
咲「なにしてるの!?」
京太郎「タイトルはこう、単純に『咲』と」
京太郎「いや、これは過去話に当たるわけだからなんか副題つけるか『咲~過去編~』。いや、『咲~中学生編~』
京太郎「ん~『咲-Saki-中学生編 episode of Once Upon a Time 在りし日の二人』ちょっとくどいかな? いやいいか」
京太郎「これは面白い! これは売れる! 皆さんも是非、お茶の間の皆さんも是非これ買ってくださいこれ。全国の書店にて絶賛発売中!」
和「誰に向かってしゃべってるんですか?」
憧「壁のほう向いてることはだけは間違いないわね」
京太郎「あれ? 俺今なにしゃべってた? なんか一時のテンションに身を委ねてわけのわからないこと口走ってた?」
咲「うん。そこだけは間違ってないね」
京太郎「まぁいいや。どうせここ編集でカットするし」
憧「残念これはライブ中継」
和「人生に編集点なんてそんなオカルトありえません」
僕の将来の夢は本の印税で優雅に暮らすことです。
384 = 1 :
咲「なにこれ?」
咲が怪訝な表情を向けたのは邪神崇拝の祭壇。……ではなく淡が被るダンボール箱。
京太郎「バカ! 不用意に近付くなその下には世界によって封印された暴虐の邪神が眠ってるんだ」
京太郎「静かに、静かにこっちに来い」
咲「う、うん……」
頷くとゆっくりと戻ってくる。……と。
ガタッ
咲「あ……」
咲が淡の座っている椅子に脚を引っ掛けた。
京太郎「あ……」
淡「う、う~ん」
呻きを零しながら、ダンボールがモゾモゾと鳴動する。
淡「あわ!? なにこれ暗い!?」
385 = 1 :
淡「なにこれ? なにこれ!?」
ガタガタと動くダンボールもとい、淡。
優希「京太郎の仕業だじぇ」ボソ
あこらバカ! 優希てめぇなに火ぃくべてんだよ!?
動きがピタリと止まる。
ダンボールの天面に貼られたガムテープが白磁のような10本の指で押し上げられ、張力限界を超えて剥がれ落ち、蓋の部分がゆっくりと開かれる。
淡「キョォォォォォォタロォォォォォォォ…………」
地鳴りのような底冷えする声。現れたのは髪を大きく逆立て、口元は憎悪に痙攣し、眼球には毛細血管が浮かんでいる、
これでもかというほど装飾のあしらえられたダンボールを胴体とし、赫怒の炎を背景効果に纏った異形の邪神がそこにいた。
麻雀の対局中ですら、こんな激烈な殺気を放っている奴になどいまだかつて出逢ったことがない。
386 = 1 :
京太郎「なぁ、俺、今どんな状態になってる?」
穏乃「んとね、わかりやすくいうと小説版デビルメイクライのギルバ」
京太郎「つまり包帯でぐるぐる巻きってことだな?」
和「わかりにくいネタ持ってこないでください」
淡「ふんだ!」バクバク
京太郎「ちくしょう、愚かしいほどの真摯な善意でやったことなのになんでこうなるんだ」
淡「そりゃ寝たのは私だけどさ! ダンボールは無いでしょダンボールは!」
京太郎「だから手頃なもんがなかったんだって」
淡「じゃあ、……その、上着とかでもいいじゃん」ボソボソ
京太郎「え? なんだって?(難聴)」
淡「なんでもないもん!」
387 = 1 :
優希「すまんじぇ淡ちゃん、うちの僕用犬が」
淡「ううん。ユッキーは悪くないよ」フルフル
京太郎「わかるぞ、その『ぼくよう』って字が牧羊じゃなくて『しもべ』って意味の僕ってことが俺にはわかる」
優希「うっさじょ犬」
淡「そーだそーだ犬~」
京太郎「なにこの仕打ち。ちくしょう淡まで俺を犬扱いしてきやがる」
淡「犬~犬犬犬犬犬!」
京太郎「あ? 俺が犬ならじゃあお前は猫か?」
淡「私のどこが猫なのよ!」
京太郎「その自分勝手なところとか、気分屋なところとか、後エサやってるとき以外はまったく可愛げないところだろうが!」
淡「ふ~んだ、猫らしさっていうのは自分でルールを決める自由さ。飼い犬とは違うのよこの首輪ヤロー!」
388 = 1 :
京太郎「こっの……はぁ、なんか疲れた。これやるから機嫌直せよな」
俺は手元に残っていた折りバラの中から白いバラを1つ取り上げ淡の頭に載せる。
淡「ふん、こんなんで誤魔化されるわけ、」
玄「淡ちゃん、淡ちゃん」チョイチョイ
淡「なぁに? クロ」
玄「白いバラの花言葉はね、『私はあなたに相応しい』って意味なんだよ?」ボソボソ
淡の目が見開かれる。玄さんがなにやら耳打ちしているが俺の位置からでは聞き取れない。
淡「もうもう! しょうがないな~キョータローは~」アワアワ
え?! なんか一瞬で機嫌が直ってるんだけど? 白いバラを手に握り360度どこからどう見てもニコニコ顔である。
視線を向けると、玄さんが指でOKの形を作りサインを送ってくる。
よくわからんがさすがベスト・オブ・マイフレンズ。
390 = 1 :
/⌒ _>、/⌒ Y¨¨¨ 、
/´> ´ , } \
, ´ / : 、 ヽ
/ / ' | | ∨ :.
ー‐イ' / / | | l } | | | .
/ ' ' / |{ | / /| } l | |
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/ ,..イ , 从,ィ=从{ l / ィ=tミ}イ/ /_ 从
 ̄´ |∧ { Vリ ∨' Vり /' /- } / }
/ 从ム , ム,イ-、/l ,
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八 __ _ / /
、 イ Ⅵ
\___ イ |ヽ
「 、 | r <///|
|/}_」 |//(_)//|_
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/ ゝ _ ノ \ 、 \
′ 「 l | | ヽ ヽ X x ヌ
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| ′ j| 从/ /}I j| } ハ ぃ リ
| ′ 〃 孑天らリ ノノ ノ「乏らメ、 } ぃ
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.ノxイ{l ! |{ |i:::::℃| !:::℃} || j| !
|l ! l刈 弋辷:ソ 弋zソ !| l| 八}
|| jI jl ハ⊂⊃ r──‐v⊂⊃ 从ハリ ヽ
.ノヽ八从乂> . _ ゝx‐'x ノ _ .≠ _
≪.:.:.:.:ア二二ニフ" つ ま ~
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ヽ|:| l_≧=ァ≦ト /_,′ 八
ノ厂| l 〔, / / `丶、 `
/∧ i| | 「⌒ / / /∧
/ イ′ j ト、∧ / ′´ .イ
:' / | |\ハヒ/| |ニニ/ 〉 :
/ ノ〈 i i >ニ| | ´y' ! |
.' / 〉 / j / ノ<i| | 〔___! ト、〕
. 〔′| `ー‐' /// | | i| Υ─| | .′
398 = 1 :
たぶん今の俺達は外人四コマの2コマ目みたいな顔してるんだろうな。
和「ああああああああああ//////」
和「だったような気がするんですが、咲き方とかによってもいろいろ違うみたいでえええ///」
京太郎「へぇ」
和「あの、須賀君」
京太郎「ん? なんだ和」
和「人生の編集点ってどこで入れれば良いんでしょうか?」
京太郎「そうさな、やらかしちゃった時点から大体10秒前くらいに血痕が落ちてるから。まず、それを回収して……」
照「……」タコスー
399 = 1 :
i
_||__
=ニニニ二ロ [∞]ニニ=-
 ̄lニコ二I´
\ヽヽ よく来てくれた 残念だが、憧無双など存在しない
ヽヽヽ だまして悪いが、仕事なんでな 諦めてもらおう
, ───,-―‐-、 ─| ̄|ー┐─,-―‐、
/ / _l`、 ̄ ;/ヽ ` 、 __ __l
| i二l __ j_l ̄ ̄ ̄l ̄ ゙̄〕_l __ j_l
ヽ___ヽ ,l-l、 / _/ ヽ_,/ _,l-l、/
└── `l二二l /〔二` ´二〕 l二二l
あ、今回のネタこれで終わりです。なんか久々に長く書いたな
まぁいろいろ言いたい事とかあると思いますがそこはグッと堪えてもらうということで
それではまた
400 :
乙~
今回えらい長かったな
みんなの評価 : ★
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