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    元スレ勇者「世界救ったら仕事がねぇ……」

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    901 = 1 :

    南大臣「まあ、君が魔王シンパであることは聞いていた」

    鳥魔物「……」

    南大臣「だが、個人では強大な力やシステムを使いこなす事は出来なかった」

    南大臣「人間も同じことではないか、たった一人がすべてを決め、すべてをこなす」

    南大臣「……実際に、魔王は敗れ去ったではないか」

    鳥魔物「魔王様を侮辱しないでください」

    南大臣「では、勇者殿でも良かろう」

    勇者「俺がなんだってんだよ」

    南大臣「……勇者殿。あなたは、魔王を倒した後、何をされていましたか」

    勇者「ごろごろしてた」

    南大臣「それ以後ですよ。わが城内に武器を持って押し入るまでの間です」

    勇者「北国で、ほれ、戦ってた」

    南大臣「……北国で内乱の手助けをしていましたな」

    勇者「……ちょっと待て。魔法使い助けるから」ガラガラ

    南大臣「……」

    902 = 1 :

    南大臣「魔王を倒すほどの力を持ちながら、一国の争いを収めるどころか、内乱の火種を炎にする」

    南大臣「各国の不安材料だった魔物を残したまま、それを討伐することもしない」

    南大臣「……力を持て余して、秩序を乱す冒険者どもと同じだ」

    勇者「いや、勇者は便利屋じゃねーし」

    南大臣「便利屋ならまだマシですな! 救世の英雄が、わが国ではたかりのような生活を送ってはばからない!」

    勇者「だから、仕事を探してただろうが」

    南大臣「数ヶ月も経ってから、でしょう」

    勇者「そりゃそうだろ。姫様と結婚して、永久就職いけるか! って思ってたし」

    南大臣「……し、正直が過ぎるのではありませんか?」

    南大臣「とにかく! お分かりでしょう」

    南大臣「いかなる力の持ち主でも、それが個々人に属している限り、真に使いこなすことなどできないということが」

    虎魔物「わけが分からんな」

    勇者「まったくだ」

    903 = 1 :

    勇者「いいか、ハゲジジイ。だったらてめぇはどうなんだよ」

    南大臣「私は、陛下とともに、人間の跳躍を目指しました」

    勇者「はっ、ジャンプくらい、誰でもできるわ」

    南大臣「比喩ですよ。勇者殿にしか出来ないことを、人類全てが出来たらどうなりますか」

    勇者「俺にしか出来ないことは、雷呪文くらいなもんだろ」

    南大臣「……魔王を倒すことが、誰にでも出来るなら」

    勇者「勇者の価値がなくなる」

    南大臣「そうではありません。誰もが活き活きと生きられるのです」

    南大臣「そればかりではない、元来、力において人に勝る魔物とも共存し、生きていくことが可能だ!」

    勇者「だってよ?」

    虎魔物「気持ち悪いってのは強者の意見か、骨」

    骨魔物「……少なくとも」


    骨魔物は、カタカタと顎を鳴らす。


    骨魔物「四天王の方々と違い、我々は魔王様の闇の力を無くしては、この世界では生きられぬ」

    904 = 1 :

    虎魔物「ふん! それは魔界に帰りそびれたのが悪いんだろうが」

    鳥魔物「……」

    南大臣「虎の方は気づいているようですな。ご自身の意見が、強者の論理だと」


    南大臣の笑顔を見て、勇者は床に唾を吐き捨てた。


    勇者「俺が馬鹿だと思って、煙に巻こうとしているだろ」

    南大臣「……なんですかな」

    勇者「仮にこれで全員が強くなっても、相対的に弱いやつらが苦しむだけだろ」

    南大臣「……」

    勇者「北国の内乱もさー、元は孤児院が襲撃されたから反撃したんだよ」

    勇者「子どもが攻撃されたんだよ」

    勇者「僧侶さんは、それで腹が立って戦っただけだ」

    南大臣「それはしかし、政治的に影響力のある人間が孤児院を作っているからでしょう」

    勇者「関係ないだろ、そんなもん」

    905 = 1 :

    勇者「間違うときは、集団でやっても間違うんだよ」

    勇者「お前らが今やってんのも大間違いだ」

    勇者「いいか、今すぐその変な球体を引っ込めろ!」

    南大臣「……あなたには弱者の思いは」

    勇者「知るか! 俺はエスパーじゃねーんだよ」

    鳥魔物「……もういいです」


    鳥魔物が静かにつぶやく。


    鳥魔物「お前達は、魔王様を侮辱しました」

    鳥魔物「それだけで、私にとっては十分すぎるほどです」


    突然、鳥魔物がくわぇーッと奇声を発した。

    906 = 1 :

    全員が驚いて固まる中、鳥魔物は翼を広げると、一直線に跳躍した。

    南大臣が、身構える。
    その横合いで、骨魔物が銃を乱射した。

    銃弾を魔風によって吹き飛ばす。
    鳥はその場にいた誰をも無視して、「くだらんクス玉」に爪を立てた。
    がりっ、という引っかき音が鳴り、その右爪を叩くようにして左腕で球体を殴りつける。


    南大臣「き、貴様!」


    大臣のあせるような声。
    骨の激しい銃撃。
    そして、後に追いすがる虎の影。

    それらを無視して鳥はひらりと舞い上がり、今度は球体の上部を殴りつけた。


    鳥魔物「こんな、こんなくだらんものを……!」


    うなりながら、さらに彼女の怒りが加速していく。

    907 = 1 :

    上方に飛び跳ねた鳥に釣られて、全員の意識が勇者に向いていない。

    そこで、勇者はようやく魔法使いの様子がまずいことに気づいた。

    雷撃呪文でも撃つべきかと考えた勇者の腕の中で、魔法使いがぬる、と赤色をにじませている。
    勇者の怪我から移った血ではない、彼女自身の頭部から流れている血だ。
    荒い息を吐く魔法使いに、回復の呪文をかける。


    勇者(やべぇ、なんだこれ)


    思ったより、回復が効かない。
    ……いつのまにか、闇の力が広間に充満し、魔法が効きにくなっている!


    魔法使い「……ハァ、ハァ」

    勇者「ま、魔法使い!?」

    魔法使い「……出た?」

    勇者「うん、出た」

    魔法使い「まずいわ……儀式を、済ませる、前に」

    勇者「しゃべんな! どうするかだけ、言え!」

    魔法使い「て、撤退……」

    勇者「いやいやいや」

    908 = 1 :

    勇者「だってあれ、壊れやすそうだぞ?」


    見ているうちにも、鳥魔物が球体に傷を付けていく。
    傷口から、黒い霧が噴出してきている。


    魔法使い「暴走……」

    勇者「ま、魔法使い!?」


    連戦で疲労が溜まっていたためか、魔法使いは息を荒くしたまま気絶する。
    勇者が仕方なく、彼女を引きずりながら移動しようとすると、虎魔物が飛び込んできた。


    虎魔物「……勇者!」

    勇者「おう、虎! まずいぞ、あれ、暴走するらしいぞ!」

    虎魔物「ちっ、鳥のやつも暴走してやがるからな」

    勇者「どうする、なんか魔法も弱まってるし!」

    虎魔物「……」

    勇者「とりあえず、俺があの骨をぶん殴って……」

    虎魔物「いや、どうせなら一度撤退しろ」

    勇者「お?」

    909 = 1 :

    虎魔物「その女がこの事態の知恵を握ってんだろ」

    勇者「そりゃそうかもしれんが」

    虎魔物「なら一旦、退いて、そいつの傷を癒せ」

    勇者「おい……」

    虎魔物「態勢を整えるだけだ、早くしろっ!」

    勇者「バカ言え!」

    虎魔物「鳥を押さえるのは、俺の役目だと言ったろう」


    ずがあっ!


    勇者「……今、なんかすげー音したぞ」

    虎魔物「ほれ、もうそいつ死にそうじゃねーか。早く行け」

    勇者「ばっか、お前、ここで逃げられるか」

    虎魔物「あー、もういい」ヒョイ

    勇者「ちょっと待て」


    虎魔物が勇者と魔法使いを抱え上げる。
    抗議を無視して、それを広間の向こう側へと、した投げで思い切り放り投げた。

    910 = 1 :

    勇者「うおおおっ!」


    空を飛んでいたのは何秒か。

    勇者が着地をしたのは、広間の端を越えて廊下のあたりだ。
    同じく投げ飛ばされた魔法使いも、妙な格好をして床に滑り込む。


    勇者「魔法使い、無事かっ!」

    商人「旦那!?」

    勇者「うわ、お前ら」

    商人「どうしたのですか、ま、魔法使いまでこんな様で」

    勇者「ちょっとしたうっかりミスだ! こいつは任せるっ!」


    叫んで勇者が再度飛び込もうと、広間を覗き込む。
    すると、その勇者の顔に、嫌な薄気味の悪い風が吹き寄せてきた。

    奥の方が、完全に黒い霧に覆われている。
    隙間から見える、その光景に、勇者は息を飲んだ。

    球体がぱっくりと、割れている。
    その中に、どろりとした人型のモノがうごめいている。
    それも一つや二つではない、みっしりとつまっている……。

    911 = 1 :

    割れた球体の周りで激しくぶつかり合う影。
    しかし、それをはっきりと見る間もなく、鈍く腹に響く衝撃が、勇者たちに向かって来た。


    ずずぅぅぅんん―――びりっ、びりぃぃぃ―――


    肌に衝撃がまとわりついてくる。
    皮膚を持っていかれるような重みを感じて、勇者は嫌なものを感じた。
    とうとう、叫ぶ。


    勇者「―――全員、撤退!!」


    返事もしないで、女商人は軽い侍女を抱きかかえると、すぐさま走り出した。
    その後を商人が追う。

    勇者は魔法使いを背中に無理やり乗せて、全力で逃げ出した。
    ぐったりと勇者にもたれかかってはいるものの、呼吸音が首筋にかかってくる。


    勇者「ちっ、マジかよ、俺が、逃げる、とはな」

    魔法使い「はっ、はっ、はぁっ……」

    勇者「ったく、こいつを、背負うのも、久しぶり、だし……」

    魔法使い「城下町……避難……」

    勇者「しゃべんな! やるから!」

    912 = 1 :

    城外。

    ずぅぅんん、ん―――



    戦士「……なんだ?」

    弟子A「なんか、音しましたね」

    弟子B「やばい感じがするっすね……」


    勇者「―――うおおおおおい! 戦士ぃいいいいいい!」


    戦士「あいつが血相変えるとは、何の冗談だ」


    勇者「撤退ぃいいい! 避難んんんんんん!」


    戦士「……おい、お前ら」

    弟子ズ『へい!』

    戦士「早く荷物まとめろ! 町の人に逃げるように指示を飛ばせ!」

    弟子A「い、今からっすか!?」

    弟子B「無理があるっすよ」

    戦士「いいから行け、できる限り、俺たちの村の方まででも後退しろ!」

    弟子ズ『……分かりやした!』ダッ

    913 = 1 :

    戦士「……勇者!」

    勇者「逃げるぞ! なんかやべー!」

    商人「冗談やめてくださいよ!」

    戦士「魔法使いは!?」

    勇者「頭を打っただけだ! 多分!」

    商人「……向こうに丘があります。そこまで死ぬ気で走りましょう!」

    戦士「おい、商人。姫様は俺が抱えてやるから、寄越せ!」

    商人「頼みますっ、もう、人を抱えるのは、無理っ!」


    戦士が姫の体を受け取ったとき、振動が城の奥から走り抜けた。
    窓ガラスが次々と割れて、フレームはゆがんではぎ落ちていく。
    石積みの城がごとごとと揺れ動き、まるで生き物のようにうねり始めた。

    いよいよ時間がない。

    勇者は全員を励ましながら、その後を追いかける。
    ふらふらになって走るもの、がちゃがちゃと鎧を鳴らして駆けるもの。
    それらの背後を守りつつ、勇者は振り返った。

    闇色の球体が、城を包んで膨れ上がっていた。

    914 = 1 :

    城内。

    闇に包まれている中で、魔物たちは盛んに動いていた。
    何しろ闇の力は、魔物たちを凶暴に、強力にさせる「システム」なのだ。
    その球体から発せられる瘴気は、新たな魔物さえ産んでいた。

    ……しかし、虎はそれが制御されたものではなく、暴走した結果であることを知っている。

    鳥がぱっくりと割った球体の中に、うごめく人型を見かけて、虎は思い当たった。


    虎魔物(そういえば、あの人間が言っていたな。「わが国王」と)

    虎魔物(国主を犠牲にしたというのか……それとも、良かれと思ったのか?)


    その自慢げにしていた人間は、噴き上がる瘴気に当てられて、近くに倒れている。
    虎はそれを足蹴にすると、闇雲に銃を放っている骨をぶん殴った。

    続いて、跳ね回る鳥の姿を見やる。
    見れば、彼女の全身は闇の力でぱんぱんに膨れ上がっている。

    過剰なのだ。

    虎も感じていた。
    闇の力が全身に流れ込んでくる、それはいい。
    問題は、その力が、自分でも操ることが出来ないほど、過剰に流れ込んでくることだ。


    虎魔物「……鳥ぃっ!」

    915 = 1 :

    虎魔物「鳥、聞こえるだろうがっ!」

    鳥魔物「……! ……!」


    鳥魔物が何かを叫ぼうとしている。
    しかし、頭の先から喉にいたるまで、無理やり物を詰め込まされたように彼女は腫れ上がっている。

    虎も、頭が沸騰したように熱くなってくる。


    虎魔物「鳥、とりっ!」


    指先が腫れ上がって重みを増す。
    爪が熱を持って、弾け飛ぶ。

    弾け飛ぶ―――もう、活発に動くどころではない。
    過剰な魔力が彼らの体を崩壊に導き始めていた。

    虎魔物は、闇の中をもがきながら、割れた球体にしがみついた。
    鳥魔物が、転がって虎の方に向かってくる。

    鳥が、腫れ上がった腕で、球体の中にいる人型を引き裂いた。

    虎は、その鳥を殴りつけて、押し倒す。


    虎魔物(くそったれ、こんなつまらん―――)


    虎の意識が途切れた。

    916 = 1 :

    今夜はここまで~。

    917 :

    あぅぅ・・・
    虎ぁ鳥いいいいい

    918 :

    虎かわゆす

    919 :

    タイガー助かってくれぇぇぇえ

    920 :

    勇者サイドの人物評が終わったら魔物サイドの人物(魔物)評も見てみたい
    とにかく>>1乙っっっっっっっっっっっっっ!!

    922 :

    ふぅ

    923 :

    乙!

    虎と鳥が

    924 :

    >>923
    なんか青と赤の仲良し兄弟みたいだな

    925 :

    >>850
    制御できない力に頼った段階でクソ

    926 = 918 :

    虎の主人公&可愛い補正で助かると信じてる

    虎かわいいよ虎

    927 :

    おもしろい
    完結頑張ってくれ

    928 :

    ―――山の中。

    魔法使い『もう、降ろしてよ……』

    勇者『アホか、今日中にもう一山越えるってのに、お前は歩けるのか』

    魔法使い『山を越えるのにこんな調子じゃ、あんたが潰れるでしょ』

    勇者『ぐははっ、俺の体力は人並み以上だからな!』

    魔法使い(確かに、こいつ鎧の魔物に一人で突っ込んで、ぼっこぼこにされても死ななかったし……)

    戦士『勇者、そうは言っても休憩しよう』

    僧侶『少し寒くなってきましたし、無理をしてはいけません』

    勇者『ええ~っ、ほこらが見えてるわけでもねぇのによー』

    魔法使い『なに、それとも、私の胸が気になるって言うの』

    勇者『投げ捨てるぞ』

    戦士『まあ、体力ないくせに、魔法使いは大きいからな』

    勇者『あ、それは俺も思うわ』

    僧侶『お二人とも……休む覚悟はよろしいですか?』

    929 = 1 :

    切り株。

    戦士『まあ、しかし、なんだ。思ってたよりもお前らタフなんだな』

    勇者『んあ?』

    僧侶『そうでしょうか』

    魔法使い『……馬鹿にしてるの?』

    戦士『厭味じゃないから、聞いてくれよ』

    勇者『ふっ、まあ、何しろ、勇者だからな』

    戦士『ほら、俺はともかく、お前ら全員、冒険するのは初めてだろ?』

    勇者『おい聞けよ』

    魔法使い『そうでもないわ……私は父親の事業が失敗して夜逃げしてから、ずいぶん冒険まがいのことはしたし』

    僧侶『なるほど! それで野宿支度の手際がお上手だったのですね!』

    魔法使い『無自覚なのよね、それは』

    僧侶『え? え?』

    930 = 1 :

    戦士『それにしちゃ、ずいぶん体が弱いな』

    魔法使い『この仕事を選んでからは、太陽を見る機会が少なくなったから。手に職をつけるのも大変だったわよ……』

    勇者『不健康なやつだな。体も軽いし、ちゃんと食ってんのか』

    魔法使い『そりゃあんたと比べれば食べてないけどさ』

    僧侶『ダメですよ、勇者さん。各人の食べる分量は、度を越してはならないのです』

    魔法使い『……僧侶の食べる分量は相当あるわよね』

    僧侶『ええ。最近も少し、成長していまして』

    戦士『ヒットマッスルがな』

    勇者『上腕筋って言えよ』

    僧侶『そうなんですよ~! 神父様に言われたとおり、肉体を鍛えれば神様は答えてくださると言うことですよね!』

    戦士『女子力か』

    勇者『女子力だな』

    魔法使い『私、筋肉の話題で盛り上がるのは女子と違うと思う』

    僧侶『筋肉は盛り上がってますよ?』

    魔法使い『……』

    931 = 1 :

    勇者『まあでも、お前も筋トレくらいしろよ』

    魔法使い『毎日冒険で移動しているのに、それに加えろと?』

    戦士『いいじゃねぇか、お互いの弱いところは助け合うのがパーティーだ』

    魔法使い『……それは傷の舐めあいって言わないかしら』

    僧侶『魔法使いさん。私達に傷はありません』

    勇者『そうだぞ。俺の親父も、一人で冒険して死んじまった口だからな。強がって死ぬより全然マシだ』

    戦士『……』

    魔法使い『そうね……ごめんなさい』

    僧侶『むしろ、魔法使いさんがいなければ、私達、きっと生き残れませんでしたわ』

    戦士『まあな。こいつが突っ込んで、遺跡の罠を作動させたりしたときは……』

    勇者『ああー、うっせうっせ!』

    魔法使い『じゃあ、私も、強がりはやめるわ』

    勇者『当たり前だろ、そんなもん!』

    魔法使い『とりあえず、町までおぶってもらおうかしら』

    勇者『ま、町まで!? 山越えたら降りろよ!』

    魔法使い『弱い私を助けるのがリーダーの務めでしょ』

    勇者『弱くねぇよ、お前は。強かっつーんだよ、それ』

    932 = 1 :

    すまないが、今夜はここまで。

    933 :

    おつ

    935 :

    問:僧侶は何番か

    http://www.buzzfeed.com/rickye/female-bodybuilders-strike-a-pose-201k

    937 :

    >>935
    かえって余計な筋肉がつきすぎている感じがしますね
    長距離選手に筋肉を載せたようなイメージなので、腕がふとすぎる気がします
    強いて言うなら13番でしょうか? しかしこれも太すぎる感じがします

    938 :

    やっぱ女はある程度脂肪ついてないとダメだな

    939 :

    >>935
    全員、結構な年齢に見えるけどかなりの鍛えようだな
    さすが神に使える国の人たちは違うんだなぁ

    940 :

    ホテルついて脱がせてそんなだったらとりあえず土下座するな。
    ごめんなさい!!って。
    そこまでいってりゃ服着ててもわかりそうだけど
    なにより顔が恐い

    941 :

    ホルモンかステロイドかで男性化がががか

    942 :

    僧侶はきっと健康的肉体美!
    魔法使いは可愛いな~


    勇者、ちょっと変われ!
    安心しろ、ちゃんと宿泊施設につれてくから。なんか見た目まぶしいとこだけど

    943 :

    なぜ昨日は真面目に論評していたのか……しかも通常時を想定してるし

    どーでもいいですが、スカラ的なモードを書いたくらいの頃から、寝る前の筋トレが日課になってます

    945 :

    ―――テント。

    魔法使い「……」

    魔法使い(夢か……)

    魔法使い「……!」

    魔法使い「夢!?」ガバッ

    僧侶「いきなり動いてはいけません!」

    魔法使い「そ、僧侶!? 北国にいるはずじゃ、あ、これも夢……?」

    僧侶「違います。殴って確かめましょうか」

    魔法使い「あんたに殴られたらまた夢を見そうだわ」

    僧侶「そんなことはないと思いますが」

    魔法使い「まあ、でも、どうしてここに」

    僧侶「北国で私が為すべき事はめどがついたのです。南国の危機を聞きつけて、それで……」

    勇者「……ん、お!」

    魔法使い「ゆ、勇者」

    勇者「目が覚めたのか! ちっきしょー、お前がいないと作戦会議できねーだろっ!」

    僧侶「勇者様! お触り厳禁です!」

    946 = 1 :

    魔法使い「……勇者。どうなったのか、言いなさい」

    勇者「あれ見ろ」


    勇者がテントの外を指し示す。
    その先には、城にぎゅうぎゅう詰めになっている黒色の球体が、今にも弾けんばかりに脈打っていた。


    勇者「鳥の魔物があの中の球体を割って、ああなっちまった」

    魔法使い「……そう」

    勇者「あの状態で一時停止はしているが、どうしようもねー」

    勇者「魔法も効かんし、武器もよく分からん」

    勇者「大体、あの闇の中に入ってると、息苦しくて力が抜けるしな」

    魔法使い「そりゃそうよ。魔王の、闇の力を再現したものなんだから」

    僧侶「あれが、闇の力だと?」

    魔法使い「魔王城に突入したときとか、魔王と戦ったとき、感じてたでしょ?」

    勇者「おーおー! そういや視界も悪くなってたしな」

    魔法使い「あれは魔王が薄めて世界中に張り巡らせていたけど、今はあそこに集中しているからとんでもなく濃いわ」

    勇者「で、打つ手は?」

    魔法使い「……多分、ないわ」

    勇者「おいおい」

    947 = 1 :

    魔法使い「だって、あの闇の力を振り払うとき、光の玉って使ったでしょ?」

    勇者「ああ、使ったな」

    僧侶「あの、魔王が魔法を食らうようになったあれですね?」

    魔法使い「そう、あれ」

    勇者「じゃあ、それを使えばいいじゃん」

    魔法使い「魔王を倒すときに使っちゃったのに?」

    勇者「……お、おう」ポン

    魔法使い「だから、儀式を始めさせる前に止められればよかったんだけど……」

    僧侶「……魔法使いさん」

    魔法使い「なに?」

    僧侶「この際、お聞きしますが、あの禍々しい力を、人間が復活させたというのは本当ですか」

    魔法使い「本当よ、南大臣が、魔物と協力して」

    僧侶「なんと愚かしいことを。魔物に操られていたとはいえ……」

    勇者「いや、あの大臣は、自分でやってたけどな」

    魔法使い「うん」

    僧侶「なんてことを!」

    948 = 1 :

    魔法使い「なんてことをって言われてもねぇ」

    勇者「あいつ、勇者が嫌いみたいだったからな」

    僧侶「好き嫌いで世界を滅ぼそうとしたのですかっ!」

    魔法使い「良かれと思ってやったんでしょ。多分」

    勇者「ああ、そうっぽかったな」

    魔法使い「……ま、敵を私達だけに設定したのがまずかったのね」

    勇者「どういうことだ?」

    魔法使い「人間の魔法や行動は制限されるけど、魔物は活発になるでしょ、あの力って」

    魔法使い「だから、鳥の魔物が攻撃していたって聞いて、ああ、案の定って思ったわ」

    勇者「魔物は味方だと思ってたから、対策を練ってなかったのか」

    魔法使い「そういうことね」

    僧侶「何の話か分かりませんが、あれを放置してはおけませんよ!」

    魔法使い「いや、打つ手がね……せめて、何か、対抗できる道具があれば……」

    勇者「……」

    魔法使い「計画書に、何かあったかな……でも……」

    勇者「やっぱり、俺が突入すっか」

    魔法使い「はぁ?」

    949 = 1 :

    勇者「ん……あの場では、お前も倒れたしな。撤退は間違ってなかったとは思うが」

    勇者「闇の力に対抗するなら、光の力といえば、俺の雷撃呪文が一番だろ?」

    僧侶「そ、そうですよね」

    魔法使い「あんた一人の魔法で足りるわけないでしょ」

    勇者「それはどうか分からん。とにかく、核さえぶち抜けば、どうにかなるんじゃね」

    魔法使い「……核を叩く必要はあるわ。でも、下手を打てば、国一つ滅ぶわよ」

    勇者「もう城が滅んでるんだから、いいじゃねぇか」

    魔法使い「良くない! 万一のことがあれば、世界中に飛び散る可能性もある!」

    勇者「放っておいても、いつぶっ壊れるかわからんだろうが」

    魔法使い「あ、あんたね……頭を使いなさいよ」

    勇者「だから、使った結果だ」

    僧侶「ゆ、勇者様……」

    魔法使い「何、もしかして、責任を感じちゃってるわけ?」

    勇者「あ?」

    魔法使い「あのハゲジジイに責められたこととか、気にしてるとか」

    勇者「別にあのジジイに言われたからじゃないが……」

    勇者「俺も考えてはいたんだ」

    魔法使い「何をよ」

    950 = 1 :

    勇者「なんつーかさ、俺は、それなりに力のある人間だって自負はあるわけよ」

    僧侶「それはもちろん、勇者様ですから」

    勇者「うん。でもな、魔法使いが言ってたみたいに、俺って存在だけで、疎ましがられるっつーか」

    魔法使い「……」

    勇者「なんか、俺が魔王を倒さなければ良かったんだ、みたいなことも言われるし」

    勇者「ばっさり切り捨てるより、魔王と共存したほうが良かったんじゃね、みたいにも思ってな」

    魔法使い「あのね」

    勇者「まあ、聞けや」

    勇者「だから、ほれ、連れてきてたけど、虎の魔物。あと竜魔物とかも」

    勇者「話してみると変な連中だが、まあまあ面白いやつらだったし……魔王とも、そうできたのかなーって思うとな」

    僧侶「ま、魔王は子ども達の親を奪い、村や国を襲ったのですよ」

    勇者「まーな! 俺も親父をやられたし、復讐心もあって一生懸命だったし」

    勇者「けど、そうじゃない未来もあったのかもしれねーと思うと」

    勇者「ちょっと、嫌な気分になる」


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