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    元スレ勇者「世界救ったら仕事がねぇ……」

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    451 :

    海外産のスライムかもしれないぞ

    452 :

    養殖物のスライムかもしれないぞ

    453 :

    このスライムは養殖物だ、食べられないよ

    454 :

    今夜はありませんが、がんばっています。

    455 :

    無理せず自分のペースで書いてくれたらいいよ
    てわけで、今夜も書くよね?壁|ω・`)

    456 = 1 :

    >>455
    今夜は本当に投下ないのでスミマセン

    あと、スライムは勝手に増殖するタイプなので、あまり天然も養殖もないよーな気がします。
    強いて言うなら、養殖でおいしくなるエサをあげた方がおいしいかなぁ。

    457 :

    いやせっかく来たんだ書けよ

    458 = 453 :

    山岡「スライムの味は水で決まる、この澄み切った天然水で育ったスライムには臭みも余計な雑味もないんだ」

    459 :

    もう追いついちまった

    楽しみだなー

    460 :

    じゃあスライムの飯を特上薬草、毒消し草、満月草、世界樹の葉、各種木の実をブレンドで

    水をアモールの水、世界樹のしずく、魔法の聖水、エルフの飲み薬を混ぜて育てた

    回復にもお茶やお菓子などカレーの隠し味にもバッチリな最高級ブランドスライムでも作るか

    461 :

    >>460
    大赤字だなきっと

    462 :

    その最高級ブランドスライムが増殖してくれれば……

    463 :

    血より水だよなー

    464 :

    戦士の村。

    戦士「……なに、もう脱出した?」

    弟子A「ええ、まあ。なんていうか、包囲が隙だらけだからっつって、女商人さんが」

    戦士「まあ、軍隊として攻めるなんてほとんど初めてだろうからなぁ」

    弟子B「……兵隊ってのは素人なんすかね」

    戦士「無理もないだろう。冒険者がいるから、兵士は守るだけでよかったんだ」

    弟子A「大所帯はまだです、あの、子どもたちが」

    戦士「ああ、さすがに大人数は難しいだろう」

    弟子C「……師匠、準備できました」

    弟子D「ほんじゃ、俺ら、子ども連れて行きますんで」

    戦士「おう、よろしく頼む」

    弟子A「師匠! 兵隊が呼んでますよ!」

    戦士「さて、行くか」

    465 = 1 :

    村の門前には、詰め掛けた兵士たちがざわざわとしゃべっていた。

    そこへ、戦士がゆっくりと進み出てくる。
    兜に胸部全面を覆う鎧、膝や足首もがっちりと具足で固められている。
    背中に二つの戦斧をくくりつけて、完全武装の態で歩いてくる。

    ざわめきが大きくなる。

    戦士は改めて軍容を眺めた。

    なるほど、整列もなっていない。
    村を蹂躙するには足るかもしれないが、これなら逃げるチャンスはいくらでもありそうだ。

    戦士はがしゃん、と背中の戦斧を一つ降ろし、それを地面に突き立てて直立した。
    相手の出方を待つ。

    やがて、兵士が一人、兵の群れをかきわけて進み出てきた。


    兵士「戦士殿ですか!?」

    戦士(声がでけー)

    466 = 1 :

    戦士「そうだ」

    兵士「兵士長が会談を希望です! こちらへお出でください!」

    戦士「この場で結構。要求を聞こう」

    兵士「な、な、なにを」

    戦士「だから、この場でいいから。どうしてほしいのか、言えってんだよ」

    兵士「え、えー、あー……聞いてきます!」ダッ


    弟子A「……なんすか、あれ」

    戦士「交渉の仕方も分からないんだよ」

    弟子B「師匠、あれ、近くまで運んでおきましたから」

    戦士「ありがとう」

    467 = 1 :

    兵士が戻ってくる。


    兵士「……お待たせしましたっ! まず武装を、解除してください!」

    戦士「断る。理由なく武装した連中に囲まれて、そんなことに従う義理がない」

    兵士「あ、あなたは、南国の国民です……よ?」

    戦士「その前に、この村の代表としてこの場にいる。撤兵して、安全な会談場所を設けるのでなければ従わない」

    兵士「そ、そんな……!」

    戦士「別に俺はやり合うのでも構わない。せめて目的を言え」

    兵士「わ、我々は、戦士殿を迎え入れようと……」

    戦士「そのために軍隊を差し向ける必要はないだろう」

    兵士「そ、それは……」

    戦士「勇者の一味を拘束しに来たってことか?」

    兵士「そんなつもりは」

    戦士「ふざけるのもいい加減にしろッ!」

    468 = 1 :

    戦士「やましいところがないというなら、なぜ最初から軍隊で取り囲んだ」

    兵士「あ、え、う」

    戦士「俺はこの村で農業をやっている、お城とも取引がある」

    戦士「勇者たちも、誤った事はしていない」

    戦士「それなのに、なぜウソをつく!」

    兵士「ゆ、勇者は……」

    戦士「あ?」

    兵士「勇者一味は、北国で反乱を起こしていると」

    戦士「元々、孤児院に攻撃を仕掛けたのはあの国だ。自分の身を守るのは当たり前だろうが」

    兵士「し、しかし……」

    戦士「……大体、他所の国とこの国と何の関係がある?」

    兵士「北国と南国は同盟関係にあり……」

    戦士「だから俺を拘束する? そりゃとんだ内政干渉だ!」

    469 = 1 :

    兵士「し、しかしですね」

    戦士「もういい。軍を退け、会談場所をつくれ。せめて最低限の手順を踏んでからにしろ」

    兵士「……」

    戦士「いいから伝えて来い!」

    兵士「は……はい!」ダダッ


    弟子A「いいんですかい?」

    戦士「構わん……ガキどもの準備は出来てるな?」

    弟子B「大丈夫みたいっすよ」

    戦士「じゃあまだ引き伸ばせそうだから、もう、海経由の進路を取って脱出するよう言ってくれ」

    弟子B「了解しやした」

    470 = 1 :

    弟子A「ん……?」

    戦士「どうした?」

    弟子A「動きがあるみたいですね」

    戦士「司令官が動いてるのかな」

    弟子A「いや、なんつーか、こりゃ」


    弟子が言わないうちに、戦士も察しがついた。
    まず臭いがしたからだ。一瞬、まさか、と思ったが、遠くで赤く光るのを見て、確信した。

    火矢だ。

    相手は、最初から交渉する気などなかったらしい。
    そのまま、辺鄙な村を焼け落とすつもりで、やってきたのだ。
    勇者の一味を、村ごと潰すために。

    戦士は顔を赤くして怒鳴った。


    戦士「盾を用意しろ!」

    471 = 1 :

    弟子が戦士の叫びに応え、盾を構えて列を作った。
    いくら相手が整列も出来ぬ相手とはいえ、多勢に無勢は戦士も知っている。

    ならば、どうするか。


    戦士「いいか、俺が大将をつぶす! 盾があるやつは村を守れ!」

    弟子たち『応!』

    戦士「持ってねぇやつは、俺に続けッ!」

    弟子たち『応! 応! 応!!』


    ―――速攻で、頭をひねり潰す。

    472 = 1 :

    戦士は命令を飛ばしたにも関わらず、戦斧を背負いなおすと、一度、村の入り口に走って戻った。
    そこには戦士の長身の、さらに三倍にもなる、巨大な斧が突き立っていた。

    弟子たちに用意させていたのはそれだ。

    この巨斧は神事に使われるものであって、本来、実用に使えるものではない。
    弟子たちも、これを運ばされた時、まあ、村の守護を意味するものだから、程度にしか考えていなかった。

    ……戦士も、「使った」ことがあるのは数回ほどだ。
    だが、大軍を前にして、短い時間で決着をつけるなら、やはりこれしかあるまい。
    戦士は、斧の柄に手をかけた。


    弟子A「し、師匠!? それ、使うんですかっ」

    戦士「……すーっ、はーっ」


    息を吸う。
    息を吐く。

    473 = 1 :

    ちょうど、大地にどっしりと根を下ろした大木のイメージ。
    それを両腕で抱え込むようにして力を込める。
    前に「使った」時は、魔法使い(そのときは賢者)に腕力を増強してもらって振るったものだが、今度はそういう訳にもいかない。

    後ろで兵隊たちも動き始めた。
    弟子たちが盾を持って、それを防ぎにかかる。

    戦士は全身に力を込めて、地面に突き立った斧を抜き始めた。

    地響きのような音がする。
    ゴゴゴ、という音が、戦場の叫び声に混じって聞こえてくる。
    巨大なシルエットが、村の入り口で膨れ上がってくる。

    ぐるり、と戦士は敵軍に振り向いた。

    腹に柄を当てた、旗を持つような姿勢から、ゆっくりと上段に振りかぶる。

    そして、戦士は、敵軍に一歩を踏み出した。

    474 = 1 :

    ずしぃぃん――ずしぃぃぃん―――


    まるで巨人が近づいてくるかのような、大きな足音。


    ずしぃん――ずしぃぃん―――


    振りかぶられた斧は、すでに武器というよりは断崖に近かった。
    なにしろ、それを見上げると、太陽さえ隠されてしまうのだから。


    ずしん――ずしいいん―――


    そして、人に迫るその速度が、次第に速まってくる。
    そうだろう、そんな巨大な斧を振りかぶれば、重みで速度を増すのは必定だ。

    巨斧から、声が放たれる。


    戦士「死にたくなければ、大将まで道をあけろッ!!」

    475 = 1 :

    人垣が割れた。


    ずしん、ずしん、ずしん―――


    うわあああああああ!

    ひぃいいっ、ひいいいいいい


    二つに割れた悲鳴の間を、さらに速度を増した巨斧が通り抜ける。
    弟子たちがその後ろに続く、火矢を準備している者たちの油壺を壊し、なお、抵抗するものをなぎ倒す。
    人垣は、もはや逃げるどころか、横倒しになって踏み潰される者まで出てきた。

    割れた道の先に、陣取っていた兵士長の姿が見えた。
    うろたえながら逃げ場を探すが、部下たちに押しとどめられて、あるいは渋滞して、動けない。

    待て、と言おうとしたのか、兵士長は制止の素振りを見せた。

    だが、遅い。

    地面に巨大な斧が、叩きつけられた!

    476 = 1 :

    ずどぉぉおんっ、という轟音。

    そして、砂埃。
    それに紛れて、戦士は即座に巨斧から手を離し、その先端に走った。
    大地を割ったにも関わらず、戦士は自分のコントロールがうまくいったことを確信していた。

    そう、兵士長には当てていない。気絶しているだけだ、と。

    戦士は背中の戦斧を取り外し、彼の首を引っつかむと、そのまま突きたてた。
    煙が次第に収まっていく。
    悲鳴も、怒号も、あまりの衝撃にかき消されたようだ。

    戦士が叫んだ。


    戦士「貴様らの大将は俺が確保した! 全員、武器を捨てろ―――ッ!」

    477 = 1 :

    兵士「ひうっ……」

    戦士「……おう、さっきのガキか」

    兵士「あ、あ、あなたは、その、あなたはっ」

    戦士「武器を捨てろ」

    兵士「ひっ、はいっ」ガチャン

    戦士「よし、いいか。お前が責任を持って、村から軍を引き離せ」

    兵士「わ、私はぁ」

    戦士「いいから早くしろ。別に俺はお前らの命がどっちに転んでも構わんのだ」

    兵士「わ、分かりましたっ」ダダッ


    弟子A「師匠ー、とりあえず、十人ほどぶん殴りましたよーっ」

    戦士「よーし、分かった! 今から大将を渡すから、縛り上げといてくれ!」

    弟子B「了解しましたーっ」

    478 = 1 :

    戦士「それにしても、ひでぇ様だな。まあ、俺がやったんだが」

    弟子B「一目散で逃げていきますね」

    弟子A「……師匠」

    戦士「ああ?」

    弟子A「なんか、妙なもんがいるような気が……」


    戦士は、弟子に言われて目を凝らした。
    確かに、何かがいる。村から離れていく軍勢の影に、青白い炎が見える。


    戦士「……魔物だな」

    弟子B「兵隊が足りないからって、魔物も採用したってわけっすか」

    弟子A「南のお城は人減らししたんだろ? その代わりに魔物ってのも笑えねぇ」

    戦士「確かに笑えないな」

    戦士(軍とともに逃げていく、ということは、あれは確かに南国から来たのか)


    戦士は舌打ちをした。まだまだ、損な役回りは続きそうだった。

    479 = 1 :

    北国、森のアジト。

    勇者「うーん」

    僧侶「どうなさったのですか、勇者様」

    勇者「いや、結局、俺ってちゃんと仕事してるのかなーって」

    僧侶「そ、そういえば……あ、孤児院の土地は」

    勇者「それは見つけたよ!」

    僧侶「ありがとうございます! でも、その、今すぐ報酬をお支払いするというわけにも……」

    勇者「まあ、状況が状況だからねー。でも、踏み倒しちゃ駄目だぜ」

    僧侶「そうですわね」

    貴族「何を言っておられるのですか、勇者殿」

    勇者「なんだよ」

    貴族「かつての仲間をお助けしたのに、報酬などせびるとは!」

    勇者「めんどくせーな、あんた」

    480 = 1 :

    勇者「大体、ちゃんと契約を交わしているんだから、いいんだよ」

    貴族「嘆かわしい、勇者とあろう御方が」

    勇者「てめぇ、都合のいい時だけ勇者扱いしやがって」

    貴族「何をおっしゃいますか。この手助けも、無報酬でやっていただきたいと思っているだけで」

    勇者「はぁあ!?」

    僧侶「ま、まあまあ。別に勇者様も、この件については頼まれてしたことではありませんし」

    勇者「……そうだな」

    貴族(ナイスです、僧侶さん!)

    勇者「じゃあこれのお礼は、今度町をつくるから、そこと年契約で商品買うってのはどうだ」

    貴族「な、何をおっしゃる」

    勇者「孤児院の子どもがたくさん商品を作る予定だから」

    僧侶「それはステキですわね!」

    貴族「そ、僧侶さん!?」

    勇者「契約書つくっとこ」

    貴族「ちょっと待て! 誰が承知するか、そんなもの」

    481 = 1 :

    勇者「だって、魔法使いがピンチはチャンスにしろって」

    貴族「貴様、都合の良い時だけ魔法使い殿の言葉を使うな!」

    勇者「お前、俺が勇者だけでちやほやされた時代はもう終わったんだよ」

    貴族「やかましい! 大体、金の話の前に、今後の計画だ!」

    僧侶「そ、そうですわね」

    勇者「しかしなあ。実際、兵力ではもう負けたも同然だろ」

    貴族「そのようなこと……!」

    僧侶「確かに、私たちを支持してくださる方も減りましたし……」

    勇者「あーあ、勇者効果も数ヶ月か。みんなこき下ろすのだけは早いんだから」

    貴族「待たれよ! 何か、何か方策があるはず……!」

    482 = 1 :

    見張り兵「――貴族殿!」

    貴族「な、なんだ」

    見張り兵「なにやら、怪しいやつがうろついておりまして」

    貴族「……このアジトを知られるわけにはいかん。申し訳ないが」

    見張り兵「い、いえ、『僧侶を出せ』と騒ぎ立てているものですから」

    僧侶「わ、私ですか?」

    見張り兵「は、はあ。『僧侶に会えば分かる』と、言うものですから」

    僧侶「そ、その、どうしましょうか」

    勇者「まあ、会ってやれば? 不審なやつなら、俺が叩き切る」

    貴族「……完全に危険人物だな」

    483 = 1 :

    アジトの前。

    商人「離せ! 苦しい!」

    貴族兵「何を言っているんだ! 武器を大量に抱えて怪しくないとでも言うつもりか!」

    商人「違う! 俺は味方なの!」

    僧侶「あのう……」

    貴族兵「はっ、僧侶殿!」

    僧侶「私に御用があるという方は、その……」

    商人「あ、俺です、俺俺!」

    勇者「軽いやつだな」

    貴族「……貴様と変わらん」

    僧侶「お話できませんから、離してあげてください」

    貴族兵「は、しかし」

    貴族「よい。万一があれば、勇者殿が切り殺してくださるそうだ」

    商人「お……おいっ!」

    484 = 1 :

    商人「ひでぇ目にあったぜ」

    僧侶「失礼ですが、どちら様ですか? 私とは面識は……」

    商人「いえ、あります! 面識!」

    勇者「お城の門番じゃん。南国の」

    商人「あ、そうそう、そうなんっすよ!」

    僧侶「お城の門番の方は、このような方だったか……」

    勇者「いや、裏門の方だよ。鍵がどうとか、世間がどうとか言ってた」

    商人「うおお、俺を知ってる人がいるとは、ついてる!」

    勇者「……お前は俺を知らないのか?」

    商人「……誰?」

    勇者「勇者だよ! あーもう、やっぱりこいつ叩き切ろうぜ」

    商人「わー、ちょっと待って、今のなし!」

    勇者「なんで、世界で一番有名な男の顔を、みんな知らないんだよぉ!」

    485 = 1 :

    勇者「……で、門番が何の用なんだよ」

    商人「ちょーっと待った! 俺はもう、門番は首になったの」

    僧侶「そ、そうですか」(視線そらす)

    勇者「かわいそうにな。俺と同じ無職か」

    商人「何言ってんの!? フリーの商人になったってことだよ!」

    勇者「ああ、そう」

    商人「勇者のくせに、冷たいなー、あんた」

    勇者「そりゃ、知らない人から『勇者ですか? サインください』とか言われるのも面倒だけど、何でみんな知らないかね」

    商人「だって、なかなか会う機会がないしさ」

    勇者「……俺は覚えてたのに」

    貴族「まあ、どうでも良いではありませんか」

    勇者「お前も初めて会った時、疑ってたよな」

    貴族「記憶にありませんな」

    勇者「おい、てめー!」

    486 = 1 :

    勇者「……で、早く用件を言ってくれよ」

    商人「え、あ、はい。実はその、女商人から手紙を預かっておりまして……」ゴソゴソ

    僧侶「まあ、女商人さんから!」

    貴族「どなたですか」

    僧侶「かつて、魔王討伐の一時期、私たちと共に戦った仲間です」

    勇者「お、女商人か……」

    商人「これっす! 魔法使いからの手紙もありますけど」

    僧侶「ああ、彼女の字だわ、丁寧な」カサカサ

    商人「勇者にも会えるとは思ってなかったので、そっちは持ってないんすけど」

    勇者「い、いいよ。女商人からなんて」

    商人「……あれ~? かつての仲間じゃないんすか」

    勇者「う、うるせぇ。あいつは俺を嫌ってるから、いいんだよ」

    487 = 1 :

    商人「ま、それはそれとして」がっちゃん

    貴族「その、武器の山は?」

    商人「もちろん、商人が武器を抱えてやってきたとなれば、これは商売しかないっすよ!」

    貴族「……まさか、そのためにここまで来たのか?」

    商人「女商人から、ここの場所も聞いてきたんでね」

    貴族「な、なぜこの場所がばれているのだ!」

    商人「離反した同志もいたでしょ~? 詰めが甘い反乱だって、女商人が言ってましたよ」

    貴族「ぬ、ぬう……」

    勇者「ああ、女商人は冷たいやつだからな」

    商人「とにかく、格安で前払い! 反乱が成功したら、残りを頂きましょう!」

    貴族「足元を見おって! 誰がそんなものを欲しがるか」

    488 = 1 :

    勇者「まあ、待て。貴族」

    貴族「ゆ、勇者殿」

    勇者「まず、アジトの場所が知られてるってことは、敵方にも知られているってわけだ」

    貴族「ぬう……」

    勇者「で、それにも関わらず武器を持ってきたってことは、女商人はそれでも勝算を見込んでいるってわけだな」

    商人「……その通りっすよ、だんな」

    貴族「勝算と言われても……兵をかなり失い、魔物まで出てきたんですぞ!?」

    勇者「そうだな、まず武器を買う前に情報を買おう」

    商人「よ、よく分かりましたね、俺が情報を持ってるって」

    勇者「女商人にも言われてたからな、『頭悪い人は嫌いです』って」

    489 = 1 :

    といったところで今夜はお開き。

    490 :

    戦士が男前過ぎてヤバイ

    491 :

    追いついた乙。楽しみにしてる。

    492 :

    滅茶苦茶楽しくて待つのがツライ

    494 :

    乙!

    やっぱり世界を救う様な奴らはこれくらい強くあって欲しいよな、身体も頭も。

    495 :


    凄く面白い

    496 :

    あっちもこっちも楽しみな展開でいいね
    ここからどう転がっていってどう収束するのかたのしみだ

    498 :

    一日潰れたからといって続きが書けるとは限らないの法則……
    今しばらくお待ちください

    499 :

    貴族「しかし、いまさらどのような情報があろうと……」

    勇者「そりゃ、分からんよ。で、お前が持ってる情報はなんだ?」

    商人「へへ、まずは僧侶さんに渡した手紙っす」

    貴族「……ずいぶん、熱心に読まれておりますな」

    勇者「それで、他には?」

    商人「新聞を持ってきました。南国、東国、北国の全部です」どさっ

    勇者「よし、これはいくらだ?」

    商人「ま、まけておきますよ」

    勇者「ありがとうよ」

    貴族「新聞……ですか」

    勇者「そうだ。まあ、全体の戦況を把握するにはよかろうさ」

    貴族「暢気なことを」

    勇者「そうか? おー、『南国も行動、国内の勇者一味に対して』。戦士のことかな」

    500 = 1 :

    貴族「ぬ、ぬう……『北国の反乱、テロリストを鎮圧間近』!? ふざけおって!」グググ

    商人「あーちょっと! 破かないでくださいっすよ!」

    勇者「ふむ。『勇者が魔物と手を結んだ? かつての英雄の面影なし』」

    商人「滑稽でしょ?」

    勇者「いや、実際、西の方じゃ魔物と条約結んだしなぁ」

    商人「え、マジなんすか?」

    勇者「つっても、これはその辺りを書いたわけでもなさそうだな。ただの中傷記事だ」

    商人「つまり、勇者のイメージを落とす作戦っすかね」

    勇者「だろうな。でも、実際のところ離反者も多いんだろ? 効いてる効いてる」

    貴族「笑い事ではありませんぞ!」

    勇者「別に笑ってねぇよ」


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