元スレ勇者「パーティーにまともな奴がいない……」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
1 :
初オリジナルssです。
微エロはあっても完全なエロシーンは無しでいきたいと思います。
魔法、お金の単位、装備などはドラクエを引用しますが、オリジナル設定満載です。
主要キャラクターの中にはとあるキャラクターをモチーフにしたキャラクターが少数います。
それでもよければ見てください
2 = 1 :
城
勇者「初めまして」ペコリ
王「そんなに硬くならなくてもよい、楽にしておれ」
勇者「あ、はい」
勇者「こんな子供に何の用があるのでしょうか?」
王「しっかりしておるな」
勇者「はい」
王「うむ、実はお主に重要な用があるのだ」
勇者「なんでしょうか?」
王「お主もわかっておると思うがお主は勇者なのだ」
勇者「え?」
王「お主は勇者なのだ」
勇者「は!?」
王「だからお主は勇者なのじゃ」
勇者「だから、どういう意味!?」
王「知っておるのじゃろう」
勇者「いや、全く知らないんですけど!!」
王「ぬ、父親から聞いておらぬのか?」
3 = 1 :
勇者「聞いてないよ、もしかしてあのダメおやじが勇者だったの!?」
王「お主の父親はただのグータラのダメ人間じゃ、だがお主の母親は勇者の血を引いておるのじゃ!!」
勇者「……」
王「母親からは聞いておらぬのか?」
勇者「あの人は俺が小さい時に愛人作って出て行きました」
王「お主の母親がか?」
勇者「はい」
王「いつ頃だ?」
勇者「俺の記憶にあの人との記憶がないのでわからないです」
王「……」
勇者「……」
勇者「王様?」
王「そんな複雑な家庭環境だったとは知らなかった……すまぬ」
勇者「気にしてませんから」
勇者「ところでダメおやじのとは知り合いなんですか?」
王「うむ、お主の父親とは昔からの友人でな、今でも酒場で飲んだりしておるのだ」
勇者「王様が酒場に行っていいんですか?」
王「お忍びじゃから大丈夫だ、あと町の民と話す事も重要じゃしな」
勇者「そうですか」
勇者「そんなにダメおやじと仲いいのに聞いてなかったんですか?」
4 = 1 :
王「今でも仲良くやっておると言っておった、お主と母親も仲がいいと……」
勇者「それはあれです、二人目の母親です」
王「……そうか」
勇者「もう慣れてますから、気にしないでください」
王「うむ……」
勇者「で、俺が勇者なのはわかったですけど、具体的にどうすればいいんですか?」
王「おお、忘れておった、お主には魔王を倒しに行ってもらいたい」
勇者「魔王?」
王「うむ、最近は大人しくしておるらしい、しかし魔王は存在自体が脅威、人々は魔王が存在しておるだけで不安なのじゃ」
勇者「それって俺が悪者になるんじゃないですか?」
王「魔王は悪、それは古来から決まっておることなのじゃ」
勇者「だからって何もしてない魔王を倒せって……どうなの?」
王「魔王を倒せば周りの国から大量の討伐金が支給されるのじゃ、そうすればこの国はもっと強くなれる」
勇者「偉そうなこと言っておいて結局金?」
王「金は命より大事なのじゃ、お主も王になればわかる」
勇者「わかりたくもない」
5 = 1 :
王「話はここまでだ、質問はあるか?」
勇者「聞きたい事は山ほどあるけど聞いても仕方ないしもういいよ」
王「おい、最初の敬語はどうしたのだ」
勇者「いろいろありすぎてもう面倒臭い」
王「別にいいのじゃが」
勇者「ならこれからタメ口でいい?」
王「別にいいぞ」
勇者「じゃあタメ口で」
王「……では勇者よ、魔王討伐に行ってくれるか?」
勇者「断る」
王「魔王討伐に行ってくれるか?」
勇者「断る」
王「……なぜだ」
勇者「俺が家を出たら妹が一人になっちまう」
王「父親は別として母親がおるじゃろう」
勇者「毎日カジノ漬けのダメな母親なんだ」
王「……そうか」
勇者「俺がいなくなったら妹の面倒を見る人間がいなくなる、それに俺が働かないと家族が飢え死にしちまう」
王「なんと言っていいのかわからんが―――――」
女大臣「そんな年で家族を養うために働くなんて、なんて健気な勇者なのでしょう!!」ガタン!!
突然入ってきたのは高そうなローブを着た、眼鏡で巨乳の勇者と同い年ぐらいの女の人だった。
勇者「……誰?」
6 = 1 :
王「大臣、お主また盗み聞きをしておったのか」
勇者「こんな若いのに大臣?」
王「そうじゃ」
勇者「そんな若さで大臣なんてよっぽどのエリート?」
王「うむ、この国一番の天才と言っても過言ではない」
勇者「天才って本当にいるんだな」
王「うむ、彼女が来てからはあらゆる仕事がうまくいっておる」
勇者「ふーん」
王「じゃが情に弱いのと盗み聞きをする癖があるのが問題じゃ」
女大臣「王様、私は今ものすごく感動しています!!」
王「そ、そうか……」
女大臣「なんて、なんてかわいそうなんでしょう」
勇者「同い年の人にかわいそうって言われるのって意外と傷つくんだぞ」
王「安心しろ、お主よりも1歳も年上じゃ」
勇者「ほぼ同い年……」
女大臣「王様、勇者がいない間、勇者の家にメイドを派遣してはどうでしょうか?」
王「そうじゃな、勇者、お主はどう思う?」
7 = 1 :
勇者「もちろん無料だよな?」
女大臣「当たり前です!!」
王「勝手に決めてほしくないのじゃが……」
勇者「いいの!?」
女大臣「いいですよ!!」
女大臣「私が責任を持ってあなたの家族を養っていきます!!」
王「だから勝手に決めないで―――――」
女大臣「この国の財政状況なら彼の家を養うことなど簡単ではありませんか」
王「だからと言って一つの家族だけを特別扱いするのはあまり……」
女大臣「勇者の家族への援助ではダメですか?」
王「……わかった、援助を許可する」
女大臣「これで大丈夫です!!」ズイッ
勇者「あ、ありがとう(本当に凄いな、いろいろ……)」
王「では行ってくれるのか?」
勇者「ここまでやってもらったんだ、行くよ」
王「ではそこにある鉄の鎧、鉄の盾、鉄の剣、鉄の兜はお主にやろう」
勇者「いいの?」
王「うむ、魔王は強敵じゃからな」
8 = 1 :
勇者「ありがとうございます」
女大臣「明日までに必要最低限の食料と資金を準備しておきますので」
勇者「あ、ありがとうございます」
女大臣「いえいえ、旅には必要不可欠ですので」
勇者「そうなんだ……」
王「旅はお主の思っている以上に過酷なものなのじゃ」
勇者「わかってます」
女大臣「今あなたが思っている三倍は過酷な旅になります」
勇者「そんなに?」
女大臣「はい」
王「それぐらいの心構えで臨めという事じゃな」
女大臣「では私は明日の準備をしてきます」スタスタ
王「うむ、頼んだぞ」
王「勇者よ、出発は明日だ、しっかり準備しておくのじゃぞ」
勇者「わかりました」
9 = 1 :
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
勇者の自宅
勇者「ただいま」ガチャ
妹「おかえり!!」タタタッ
茶色がかったツインテールで十歳くらいのかわいい少女が勇者に近寄ってくる
妹「遅かったね」
勇者「ああ、いろいろあってな」ドサッ
妹「その荷物は?」
勇者「ああ、王様にもらったんだ、見るか?」
妹「別にいい」
勇者「ああ、そう……」
妹「お腹空いた、ごはん!!」
勇者「ああ、わかったわかった」スタスタ
勇者「食べ物ってあったかな?」ガチャ
勇者「思った通り、空っぽだな」
10 = 1 :
勇者「この時間じゃ食材屋も閉まってるだろうしな、どうしよう」
妹「お兄ちゃん、お腹空いた!!」
勇者「ああ、わかってる」
父親「勇者、帰ってたのか」スタスタ
勇者「なあ、食い物ってもう無いのか?」
父親「さあな、俺は知らん」ガチャ
勇者「おい、どこ行くんだ」
父親「酒場だよ、先に寝てていいぞ」スタスタ
勇者「おい、待て!!」
父親「話なら明日にしてくれ」
勇者「……」
妹「お兄ちゃん、あれは?」
勇者「ん、ジャガイモじゃん」スッ
妹「ジャガイモは嫌!!」
勇者「じゃあ夕飯はないぞ」
妹「もっと嫌!!」
勇者「だったら我慢しろ」
妹「……わかった」
母親「ただいま」ガチャ
11 = 1 :
妹「お帰り!!」ダキツキ
勇者「遅かったですね」
母親「ごめんごめん、カジノのおっさんがうるさくてさ」
母親「夕飯ってある?」
勇者「これから作るところです」
母親「そう、私ちょっと出掛けてくるわね」
勇者「どこ行くんですか?」
母親「あんたの給料を倍にしてあげるの」ニッコリ
勇者「待て!!それは今月の生活費――――」
母親「倍になれば問題ないでしょ」バタン
勇者「おい、馬鹿かあんた!!」ガチャ
勇者「どこ行ったんだよ」キョロキョロ
勇者「いない……」
妹「お兄ちゃん……」
勇者「大丈夫、大丈夫だから」ナデナデ
勇者「寒いし中入ろうか」
妹「うん」
12 = 1 :
勇者「さて、ジャガイモと少しの調味料で何が作れるのか」
妹「ポテトチップス!!」
勇者「それはお菓子だから駄目だ」
妹「ぶー」
勇者「正直ジャガイモだけで飯なんて無理だよな」
妹「どうするの?」
勇者「買いに行くしかないよな……」
勇者「まだやってる食材屋ってあるかな」
妹「お出かけ!?」
勇者「ああ、買い物行くか?」
妹「行く行く行く!!」
勇者「じゃあ準備しろ」
妹「はーい!!」タタタッ
13 = 1 :
勇者「準備できたか?」
妹「うん!!」
勇者「じゃあ行くか」ガチャ
妹「わーい!!」
勇者「北風が冷たい……」
妹「大丈夫?」
勇者「大丈夫大丈夫」ニッコリ
物陰
女大臣「なんて、なんて健気な少年……」ポロポロ
王「わかったから涙を拭いてくれ、目立って仕方ないわい」スッ
女大臣「すいません」ブー
王「またお約束なことを……」
女大臣「ありがとうございます」スッ
王「お主……」
女大臣「もう大丈夫です」ニッコリ
王「いや……そういう意味でじゃなくてじゃな……」
女大臣「早くしないと勇者さんが行ってしまいます」スタスタ
王「う、うむ、そうじゃな」スタスタ
14 = 1 :
おばさん「おや、勇者じゃないか、何してるんだい?」
妹「夕ご飯買いに行くの」
おばさん「そうかい、でも今の時間じゃあやってる食材屋は少ないんじゃないかい?」
勇者「でも、家に帰っても何もないんで」
おばさん「……私の買ったやつでよければ少し分けてあげようかい?」
勇者「いいんですか?」
おばさん「ああ、いいよ」
勇者「ありがとうございます」
勇者「お金はちゃんと払いますんで」
おばさん「別にお金なんていいのに」ニッコリ
勇者「ちゃんとお金を払わないと悪いんで」
おばさん「じゃあこの肉と野菜でいいかい?」
勇者「はい」
おばさん「200ゴールドでいいよ」
勇者「はい、ありがとうございます」
妹「ありがとね」ニコニコ
勇者「ありがとうございました」スタスタ
15 = 1 :
おばさん「……若いのに大変なんだねぇ」
女大臣「感動です……」ウルウル
王「わかったから泣くのをやめんか」
おばさん「……」ジー
王「いや、決して怪しい者ではないぞ」
おばさん「あんた達は勇者の知り合いかい?」
女大臣「一応知り合いです」
おばさん「しっかりしてるだろ、あの子」
女大臣「そうですね、健気で素敵です」ウルウル
おばさん「そうだろ、あんたもそう思うだろ」ウルウル
王「わしはどう反応すればよいのじゃ?」
おばさん「アンタいい人だね、今日家でご飯食べていかないかい?」
女大臣「いいんですか?」
おばさん「いいさ、人類皆家族じゃないかい」
女大臣「おば様……」
おばさん「おいで」スタスタ
女大臣「はい」スタスタ
王「……」
16 = 1 :
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
朝
勇者「ん、朝か」ガリガリ
妹「……」スゥスゥ
勇者「そういえば今日出発だったな」スタスタ
妹「あれ?出掛けるの?」
勇者「ああ、ちょっとな」
勇者「あれ?」
勇者「父さん、ここにあった荷物知らないか?」
父親「ああ、それなら売ったぞ」
勇者「は?」
父親「借金返済のために売ったんだ、あれお前のだったか?」
勇者「テメェ自分の物じゃ無かったら売るんじゃねぇよ!!」ガシッ
父親「すまんすまん」
勇者「……」
父親「でも俺は鎧と盾しか売ってないぞ」
勇者「じゃあ誰が―――」
母親「あ、兜と剣は私が売ったわよ」
勇者「何やってんですか!!」
母親「金の兜と剣にしようと思ったら失敗しちゃって」ニコニコ
勇者「そう言えば昨日のお金はどうしたんですか?」
母親「ごめん、負けちゃった」
勇者「……俺出掛けるから、詳しい事は後から来る大臣さんに聞いてくれ」
父親「あ、ああ」
17 = 1 :
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
城
勇者「おはようございます」スタスタ
王「うむ、おはよう」
王「鉄の装備一式はどうしたのじゃ?」
勇者「えーと、その……売られちゃった」
王「……どういう事じゃ?」
勇者「父親と母親に売られちゃった」ニッコリ
王「……なんと言っていいかわからんが――――」
勇者「でも俺にはこれがあるから」
王「ヒノキの棒?」
勇者「昔からの愛用品だし」ナデナデ
王「これから城の皆で送るのに布の服にヒノキの棒で歩くのか?」
勇者「問題でも?」
王「わしが満足な装備も与えないケチな王様みたいになってしまうじゃろ」
勇者「実際ケチな王様じゃん」
王「確かにそうじゃが……」
女大臣「心配無用です」ガチャ
18 = 1 :
勇者「また盗み聞きしてたの?」
女大臣「はい」
勇者「堂々と言っちゃうもんな」
王「何が心配無用なのじゃ?」
女大臣「こんな事もあろうかと地下通路を作っておきました」
勇者「凄ぇ!!」
女大臣「これで城や町の人に見つかることなく町を出ることができます」
王「いつの間に……」
女大臣「昔の地下通路がありましたので」
王「さすが天才じゃな」
勇者「天才とはちょっと違う気がするけど……まあいいか」
妹「お兄ちゃん!!」タタタッ
勇者「い、妹!?」
女大臣「さすがに家族の方にはお別れを言った方がいいと思いましたので」
王「父親と母親はどうしたのじゃ?」
女大臣「父親は二日酔いで頭が痛いそうです」
勇者「母親はどうせカジノだろ」
女大臣「はい」
19 = 1 :
妹「これ持って行って」スッ
勇者「ありがとう……」
妹「狐のお面だよ」
勇者「いや、見ればわかるけどさ……」
妹「見つかっちゃいけないんでしょ?」
勇者「あ、うん、ありがとう」
女大臣「いい光景ですね」ウルウル
勇者「いろいろ間違ってるけどね」
勇者「しかもなんであんた泣きそうなの?」
女大臣「感動的ですので」ウルウル
勇者「この程度で泣けるってヤバくない?」
王「そろそろ出発じゃな」
勇者「ああ」
女大臣「中庭の隅に入口があります」
勇者「じゃあ行ってくる」スタスタ
王「必ずや魔王を倒すのじゃぞ」
勇者「家族のこと任せたぞ」ガチャ
女大臣「わかってます」
20 = 1 :
王「大丈夫じゃとよいが……」
女大臣「きっと大丈夫です」
兵士「王様、準備ができました」ガチャッ
王「すまんな、勇者はもう出発した」
兵士「ど、どういう事ですか?」
女大臣「勇者の見送りは必要ないということです」
王「そういう事じゃ」
兵士「わ、わかりました」ガチャ
こうして、貧乏でお人好しで苦労人な勇者の冒険が始まったのである。
21 = 1 :
今日はここまでです。
明日からは一日6スレ前後投下していきます。
勇者の旅立ちなのでまだ仲間はゼロですがこれかれいろいろな奴が入ってきます。
設定で分からないことや矛盾点などがあったらどんどん質問してください。
22 :
非常識で基地外ばかり
これはヒドイ
23 :
もう妹だけ城で暮らさせてあげて
25 :
ま、待て!妹をあんな所に置いていくのか!?
いくら大臣がいるとはいえ、あの両親なら
妹を売りそうだ
26 :
スレタイからしてまともなやつは仲間になんないんだろうな…
なぁ>>1、せめてハーレムという環境だけでも用意してやってはくれぬか?
27 :
一乙。なんか面白そう。
おまえら、スレタイ読み直せ。
まだまだ変なの出てくるんだぞwww
28 :
ここからまた増えるのか…それも職的な意味ではなく、人格的にとか…
29 :
>>26のIDがP(ペナルティ)K(キック)になってることに気付いた。
それはそうとどんな変人パーティになるのやらwwwwwwwwwwwwwwwwww
30 :
>>29
別に一々言う程の事でもなかろうよ
しかしヒドいな
31 :
~~~~~~~~~~~~~~~~
城付近の森
ゴトッ
勇者「思ったより長かったな」
勇者「つーかここどこ?」
勇者「確か王様にもらった地図があったよな」ガサゴソ
勇者「最初の町は何処だ?」バサッ
勇者「ここが俺達のいた町だから……」
勇者「まずは農の町か」
パラッ
勇者「ん?」スッ
勇者「手紙?」
『勇者様へ
これから魔王討伐の旅に出るにあたり言いたいことがあります。
まずどこかの町で仲間を探すようにしてください。
仲間がいれば旅も楽しくなりますし、魔物との戦いも有利になります。
決して一人だと思わず、頑張ってください。
女大臣より』
勇者「何のチュートリアルだよ」
勇者「……仲間ねえ」
勇者「仲間ってどうやって作ればいいんだろ……」
32 = 31 :
勇者「友達みたいな感じで話しかければいいのか?」
勇者「でも仲間ってそんなに簡単なものじゃないよな」
勇者「……まあ向こうで考えればいいかな」スタスタ
勇者「パーティーか……」スタスタ
勇者「俺が戦士だからほしいのは魔法使いと僧侶かな」スタスタ
勇者「後は格闘家とかもいると戦いが楽になるな」スタスタ
勇者「男ばっかだとむさ苦しいし、女ばっかりだとハーレムってバカにされるし……」スタスタ
勇者「パーティーって難しいな……」
勇者「でもみんなで仲良くって素敵だな」
勇者「……何だろう、俄然やる気が出てきたぞ」スタスタ
勇者「おっしゃ!! 強くて素敵なパーティーを作ってやるぜ!!」タタタッ
33 = 31 :
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
農の町
ワイワイガヤガヤ
勇者「賑わってるけど、町ってより村だな」スタスタ
おじさん「ん、君は旅人かい?」
勇者「あ、はい」
おじさん「旅ができるなんて、若いっていいね」
勇者「そうですかね?」
おじさん「こんなおじさんじゃ旅は出来ないからね」
勇者「あの、すいませんがパーティーを作りたいんですけど何処に行けば作れるんですか?」
おじさん「唐突だね」
勇者「す、すいません」
おじさん「そうだね、酒場とかがいいんじゃないかな」
勇者「ありがとうございます」
おじさん「いい仲間が見つかるといいね」
34 = 31 :
勇者「今なら誰がいますかね?」
おじさん「今なら勇者様がいると思うよ」
勇者「勇者様?」
おじさん「うん、なんでも魔王討伐に行くそうで二日前からこの村にいるんだ」
勇者「そうなんですか」
おじさん「今の時間なら酒場にいると思うよ」
勇者(勇者って何人もいるのか? 王様は何も言ってなかったしな……)
勇者「勇者ってどんな人?」
おじさん「会ってみればいいじゃないか、驚くと思うよ、酒場はそこを真っすぐ行けばあるよ」
勇者「あ、ありがとうございます」スタスタ
勇者(驚く?)スタスタ
勇者(まあ、俺以外に勇者の血を引いてる人間がいても不思議じゃないしもしかしたら仲良くできるかもな)スタスタ
勇者(……待てよ、目的は一緒なんだから運が良ければ仲間になってかれるかもしれない)スタスタ
35 = 31 :
勇者(しかも仲間が勇者なら最強のパーティーが作れるじゃん!!)
勇者「俺って幸運じゃね?」
勇者「そうと決まれば酒場までダッシュ!!」タタタッ
勇者「こんにちは!!」ガチャ
マスター「いらっしゃい」
勇者「ここに勇者がいるって聞いたんだけど」
マスター「あそこの奥の席に座ってますよ」
勇者「あの人?」チラッ
勇者「あれ、女?」
奥の席に座っていたのは長い黒髪にうろこの鎧をまとった少し年上の美しい女性だった。
マスター「はい、勇者様は女性ですよ」
勇者「え!?」
マスター「どうしたんですか、勇者様に会いに来たんですよね」
勇者「ま、まあな」
勇者(やばい、年上の女と話したこと無いんなんてないぞ)
勇者(あ、女大臣がいたか……でも女大臣とは流れで話しただけだし、なんて声かければいいんだ?)
36 = 31 :
勇者(近所のおばさんなら向こうから話しかけてきてくれるんだけどな……)
女勇者「……」ゴクゴク
勇者(牛乳飲んでるって事は未成年?)
勇者(ダメだ……話しかけ方がわからない)
勇者(もう少し観察していよう、そうすれば会話の糸口が見つかるかも)
勇者「……」ジー
マスター「ご注文は?」
勇者「注文?えーと……」
マスター「メニューはこちらです」スッ
勇者「あ、どうも」
勇者(高い……)
勇者(自分で作った方が断然安いじゃん)
勇者(一番安いのは牛乳か)
勇者「ぎゅ、牛乳で」
マスター「ミルクですね、かしこまりました」
勇者(ミルクって言うのか、間違えちゃったよ)
勇者「やばい、こういう店って入ったこと無いから緊張するな」
マスター「どうぞ」スッ
勇者「ありがとうございます」
37 = 31 :
勇者(おかわりは……自由な訳ないよな)
勇者(ゆっくり飲まないとな)チビチビ
女勇者「……」ジー
勇者(こっち見てる?)
女勇者「……」スタスタ
勇者「……(やばい、こっち来た)」
女勇者「何か用ですか?」
勇者「え?」
女勇者「さっきからずっと見てたじゃないですか」
勇者「あ、あんたが勇者だって聞いたからさ」
女勇者「はい、私は勇者です」
勇者(本当に勇者なんだ)
勇者「……」
女勇者「何か?」
勇者「あんたが女だったからさ……」
女勇者「勇者に性別は関係ないと思いますが」
勇者「そ、そうだよな」
女勇者「はい」
38 = 31 :
勇者「お、俺も勇者なんだよ」
女勇者「はい?」
勇者「俺も勇者なんだ」
女勇者「……」
勇者(あれ、怒らせた?)
勇者「それで目的も一緒だから一緒に旅しようと思ってさ」
女勇者「あなたは本物の勇者なのですか?」
勇者「俺は王様に言われただけだからあんまり実感は無いんだけどな」
女勇者「……」
勇者「どうした?」
女勇者「この人は偽物の勇者です!!」ガタッ
勇者「は!?」
町人達「なんだなんだ?」ザワザワ
勇者「お前何言ってんだよ!!」
女勇者「この男は偽物の勇者です、早くこの町から追い出さないと大変なことになります」
勇者「何意味わかんない事言ってんだ!!」ガシッ
男「おい、勇者様から離れろ!!」
39 = 31 :
勇者「待てよ、俺も本物の勇者だ!!」
男「証拠はなんだ」
勇者「証拠?」
男「お前が本物の勇者だって証拠だよ」
勇者「証拠って言われても……」
勇者「無いけど俺は勇者だ」
男「信じられるわけ無いだろ!!」
勇者「だよな……」
男「布の服にヒノキの棒の勇者がいる訳ないだろ!!」
勇者「テメェ人を見た目で判断してんじゃねぇぞ!!」
男「お前と勇者様を比べたら全員が勇者様を勇者だと言うぞ!!」
町人達「そうだそうだ!!」ガヤガヤ
勇者「そ、それは否定できない……」
女勇者「この男を町から追い出してください!!」
勇者「おい、何勝手な事言ってんだ!!」
男「わかりました」
勇者「勝手に話進めんな!!」
40 = 31 :
男「勇者様のためにこいつを殺せ!!」
町人達「おォォォォォ!!」
勇者「お前等の大事な勇者様は俺を追い出せって言ってたぞ」
男「構うものか」
勇者「俺が構うわ!!」
男「動くなよ」ジリジリ
勇者「待て、話し合おうぜ」
男「いまさら何言ってんだ」ジリジリ
勇者「話し合えばきっと誤解は解ける」
男「無理だ」
勇者「このわからずや!!」
そう怒鳴ると勇者は自分が飲んでいた牛乳を目の前にいた男の顔めがけて思いっきりかける。
そして怯んだ町人達の人込みを一瞬でかき分け、酒場の外に飛び出す。
勇者「なんでこうなるんだよ!!」タタタッ
勇者「しかもめっちゃ追ってきてるし」タタタッ
勇者「どっか隠れられそうな場所は……」タタタッ
41 :
うわぁ…
スレタイみて個性が強すぎるキャラばっかりがPTにいると思ってたんだけど
このままでいくと鬱展開に持っていくのか…?
42 = 31 :
ひたすら走っていると道の端に人間が一人入れるほどのタルが置いてあった。
勇者「ラッキー!!」
勇者「よっと」ストッ
ドコニイッタンダ? サガセ!!
タタタッ
勇者「逃げ切ったな」ガタガタ
勇者「あれ、出られない?」ガタガタ
勇者「何このお約束の展開」ガタガタ
勇者「うおっ!?」ガタン
ゴロゴロ
勇者「嘘、マジで!?」ゴロゴロ
ゴロゴロ
勇者「お約束過ぎるだろ!!」ゴロゴロ
勇者「ちょ、止まれ!!」ゴロゴロ
勇者「ギャァァァ!!」ゴロゴロ
ドゴン!!
43 = 31 :
勇者「なんで最初の町でこんな目にあうんだよ……」フラフラ
勇者「う……回ったせいで気持ち悪いし……」ウエッ
女大臣「大丈夫ですか?」サスサス
勇者「あ、悪い……」
女大臣「吐き気はありませんか?」
勇者「ん?」
女大臣「どうしました?」
勇者「なんでここにいるんだ?」
女大臣「王様に頼まれて来ているんです」
勇者「あ、そう」
女大臣「勇者様もこの町に来てたんですか」
勇者「俺達の町から一番近いからな」
女大臣「そうですね」
勇者「そうだ、この町で勇者に会ったんだ」
女大臣「そうですか」
勇者「なあ、勇者って何人もいるのか?」
44 = 31 :
女大臣「どうでしょうね、でもそんなにホイホイ勇者なんていないと思いますが」
勇者「だよな」
女大臣「その女勇者様と話し合うべきだと思いますよ」
勇者「なんで女って知ってんだ?」
女大臣「見てましたから」
勇者「何処から?」
女大臣「最初からですね」
勇者「見てたなら助けてくれよ」
女大臣「あなた一人でも大丈夫だと思いましたので」
勇者「まあ、これくらい一人で乗り切れなきゃダメなんだと思うけど」
女大臣「とにかくあの女勇者様と話してみない事にはどうしようもないですよ」
勇者「そうだけど……酒場までたどり着けないだろ」
女大臣「妹様からもらったお面があるじゃないですか」
勇者「……これをつけろと?」
女大臣「ほかにいい案があるならそちらをどうぞ」
勇者「……」スチャッ
勇者「どうだ?」
女大臣「素敵ですよ」
勇者「棒読みだな」
女大臣「気のせいです」
45 = 31 :
勇者「あ、妹元気?」
女大臣「はい、城に来ては王と遊んでいますよ」
勇者「あのドケチ王と?」
女大臣「はい」
勇者「そうか、元気ならいいや」
女大臣「妹様は本当に素敵だと思います」
勇者「だろ、かわいいだろ」
女大臣「はい、めちゃくちゃにしたいくらいかわいいです」
勇者「めちゃくちゃにしたいって……お前女だろ」
女大臣「恋に性別や血縁関係なんて関係ありませんよ」
勇者「お前ってレズ?」
女大臣「レズではありません、両刀です」
勇者「あ、そう……」
勇者「別にお前がどんな性癖だろうと気にしないけど妹に手を出したらぶっ殺すからな」
女大臣「わかっています」
勇者「妹が心配になってきた……」
女大臣「いいから早くした方がいいのではないですか?」
勇者「じゃあ行くか」
46 = 31 :
ちょっと中途半端になりましたが書きためが無いのでここまでです。
だいたいこのくらいの時間に更新していきます
47 :
乙乙
にしても世界観ごと大丈夫かこれw
49 :
乙
今のところ終わってるな
50 :
女大臣「ヒノキの棒は隠しておいた方がいいですよ」
勇者「隠すってどうやって?」
女大臣「布に包めば意外とバレませんよ」
勇者「マントでいいかな」キュッ
女大臣「まるで変態みたいですね」
勇者「ストレートに言われると傷つくんだけど」
女大臣「では私はこれで」スタスタ
勇者「ついて来てくれないの!?」
女大臣「一応仕事で来てるので仕事を終わらせてきます」
勇者「ああ、そう言えばそうだったな」
女大臣「時間がありましたら女勇者様の事も調べておきますので」
勇者「ああ、頼む」
女大臣「それではまた」スタスタ
勇者「頑張れよ」
勇者「……俺も行くか」スタスタ
勇者「……」スタスタ
町人「……」ジー
勇者(みんなめっちゃ見てるし)
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