元スレ勇者「世界救ったら仕事がねぇ……」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
301 = 1 :
女商人(あ……そうだ)
女商人「あの、実はですね」
勇者母「何かしら~」
女商人「彼、今度結婚するんです」
勇者母「あらほんと~? 私にはなにも言わないで」
女商人「それでですね、お相手はあの、魔法使いさんなんです」
勇者母「あらあら、うふふ、あらあら」
女商人「彼、魔法使いさんと新居を構えてまして、ぜひお母様にもこちらに移って欲しいと」
勇者母「そうなったら、お祝いしないといけないわね~」
女商人「そうでしょう、今、友人も招待したいということで、彼は飛び回っているんですが」
勇者母「魔法使いちゃんがその町にいるのね~」
女商人「そうなんです」
302 = 1 :
女商人(この程度の無茶振り、許されるわよね)
勇者母「でも~、がっかりしてるでしょう~?」
女商人「何が、ですか?」
勇者母「あなたも~、息子に少し気があったんじゃないかーって思ってたから~」
女商人「そんなことはありえません」
勇者母「あの子~、度量が広いから~、納得してる範囲なら許可しちゃうわよ~?」
女商人「お断りしますよっ!」
勇者母「財産分与」
女商人「なん……ですか?」
勇者母「相続について口添えしてもいいわよ~」
女商人「……そ、そんなことで動きません」
勇者母「褒美、まだたんまり残ってるのよね~」
女商人「とにかく! 早くご準備お願いします」
勇者母「うふふ」
303 = 1 :
今夜はここまで。
よろしければ次回の順番をお選びください。
1.魔法使いと側近の対決?
2.お姫様と勇者の回想
3.探検隊はどーなったのか
305 = 1 :
あ、一応、全部書くつもりですが、読みたい順番をお選びください、ということです
310 :
虎が悪い奴って感じしないな
311 :
じゃあ、231で、お姫様のところから書いていきます。
虎は強敵には楽しんで全力で挑みますが、弱者にはつまらんと言いながらも殺戮したりできちゃうので、まあ普通に魔物です
312 :
231と思ってたらおれおまだった
313 :
この虎、上手く懐柔できたら某溝の口のさーべるたいがー君みたいになりそうだな……
314 :
アーマータイガー<……
315 :
虎「ニャアニャー」(乙)
316 = 313 :
>>314
あ、アーマーだったww
318 = 1 :
南国、城。
姫「……」
侍女「お茶でございます、なんつって」
姫「ありがとうございます」
侍女「身分の低い娘っ子に敬語を使う必要はございませんよ?」
姫「相変わらずですね、あなたは……」
侍女「また暗い顔ですね。やなことでもありました?」
姫「いえ、別に」
侍女「『あなたは憂い顔も美しい』キリッ」
姫「隣国の王子様ですか、その真似は」
侍女「そうですよ。似てたでしょ?」
姫「ふふっ」
319 = 1 :
侍女「戦争のことですか? まあ戦争で死人が出るのはしょーがないですよ」
姫「いえ……」
侍女「あのバカ王子も出てるから、下手うってお亡くなりになる可能性もありますし」
姫「人の死を願うものではありませんよ」
侍女「さーせん。じゃあ、勇者のことですか?」
姫「えっと……ええ」
侍女「私せいかーい。ご褒美にお茶をご一緒する栄誉を賜ります。ロイヤルスイーツうめぇ」ムシャムシャ
姫「もう、侍女さんったら」
320 = 1 :
姫「……この度の争いは、勇者様のご一行が引き起こしたと聞いています」
侍女「僧侶さんでしたっけ」
姫「勇者様も、戦いに身を投じられたとか」
侍女「みたいですね」
姫「もしや、私が勇者様を追い出したことが遠因なのではないかと……」
侍女「それはいくらなんでもないですね」
姫「そうでしょうか」
侍女「あの手のタイプは、追い出されたことなんか今ごろ忘れてますよ」
姫「そ、そうでしょうか?」
321 = 1 :
侍女「だから、姫様が気にすることはないですよ」
姫「……私は」
侍女「まだ何かあるんですか?」
姫「私はあの方を尊敬しています……」
侍女「姫様はろくでなしに引っかかるタイプですね」
姫「ど、どうしてですか!」
侍女「いや、まあ、この城に滞在してた時のことを思い出していただければ」
姫「……」
322 = 1 :
―――数ヶ月前。
勇者『まあ、そういうわけで、あの辺の村は魔物が住人になってたわけですよ』
姫『まあ』
勇者『そのまま宿に泊りましたけどね。分かってて』
姫『そ、それでどうなったのです?』
勇者『夜中に襲い掛かってきたので、「宿代踏み倒すぞ!」って叫ぶと硬直して』
姫『魔物なのに、おかしいですわ』
勇者『それがどうも、本当に魔物同士で休憩所に使ってたみたいで』
姫『あら、それはかわいそうですね』
勇者『まあね。全員ぶん殴って寝なおしました』
姫『宿代は……』
勇者『サービスが悪いってんで、賢者が値切りました』
姫『ふふふっ、ちゃんと払ったんですね』
勇者『そうそう! いやあ、面白かったですよ』
323 = 1 :
―――数日後。
侍女『ちわー、お茶屋が配達ー』
勇者『あんた、侍女だろ』
姫『あら、いつもありがとう』
侍女『……』
勇者『なんだ?』
侍女『勇者様、お仲間どっか行っちゃったみたいですけどー』
勇者『え、マジ?』
侍女『マジマジ』
姫『こ、困りましたね、追いかけなくては』
勇者『うーん、ま、でも、平和になったし、いいか』
姫『え? でも』
勇者『お、今日のお茶はなんか浮いてるぞ』
侍女『今日は果物のお茶ですだ』
324 = 1 :
―――数週間後。
勇者『うーん、することないなー』
姫『あの、勇者様。お暇でしたら、ボードゲームなどいかがでしょう』
勇者『いいね!』
姫『はい、それでは』
勇者『あ、いつもいる子も呼ぼう。おーい、侍女ちゃーん』
侍女『呼ばれて飛び出て』
勇者『ボードゲームして遊ばない?』
侍女『完全に堕落してますな』
勇者『な、なんだよ』
姫『侍女さん、一緒に……ダメ?』
侍女『姫様に言われちゃ、かないません』
325 = 1 :
侍女『あーがりー』
勇者『くそっ、強すぎだろ、お前』
侍女『猪突猛進にサイコロばかり振るからでござい』
姫『うふふ』
勇者『うーん、やっぱり俺、一人旅は向いてないのかねー』
侍女『魔王を倒せたのも、お仲間のおかげですか』
勇者『そうなんだよなー、一人じゃダメなのかね』
姫『こら、侍女さん、失礼でしょう』
侍女『しーましぇーん』
勇者『いやいや、実際、そうだしな』
326 = 1 :
メイド1『クスクス……』
メイド2『勇者さんって、全然働いてないよね』
メイド3『逆玉狙ってるのかしら』
メイド1『出身は城下の地元民らしーよ』
メイド2『えー、ちょっとショック』
メイド3『お父さんも勇者なんだって?』
メイド1『ひぇぇぇ(笑)』
侍女『……』
勇者『お、侍女ちゃん』
侍女『あー、こっちは清掃ちゅーですよー』
勇者『なんだよ、急に』
侍女『勇者様は姫様の相手だけしてればいーんじゃないですか』
勇者『うーん、まあ、な』
327 = 1 :
侍女『何かご不満でも?』
勇者『なあ、姫様って俺と結婚する気とかないのかね』
侍女『さあー、姫様に決定権はありませんので』
勇者『そんなもんかなぁ』
侍女『結婚する以外に、したいことないんですか?』
勇者『うーん……』
侍女『え、え、どうなんだ、このこの』
勇者『やめろ、モップでつつくな。まあ、あまりやりたいこともないな』
侍女『この寄生虫が』
勇者『あ?』
侍女『わったしはお掃除侍従長~』サササー
328 = 1 :
侍女『勇者様はダメなんじゃないですか?』
姫『どうしたんです、急に』
侍女『なんかやりたいこともないみたいですし、へーかも評価しないでしょう』
姫『そんなことないでしょう、彼は世界を救ったのよ』
侍女『まーいーですけどー』
姫『だったら、お父様に聞いてみるわ』
侍女『やめといたほうがええで』
姫『もう、そんなこと言って』
侍女『いや、今、大臣と話してたんで』
姫『大丈夫ですよ、話が終わったら出てくれば良いのです』
329 = 1 :
玉座。
南国王『……勇者殿はどうしている?』
南大臣『ごろごろしております』
南国王『……』
南大臣『率直に申し上げます。世界が平和になった以上、もはや勇者殿は不要……』
南国王『言うな。何か事業でもなすなら、我が娘を嫁がせようかと考えていたのだが』
南大臣『褒美は与えたのです。もう良いでしょう』
南国王『軍事力としてはどうか?』
南大臣『救世主を値切って雇うことは難しいでしょう』
南国王『……』
姫『……』
侍女『ぼろくそっすね』
姫『きゃ! 急に声をかけないで』
侍女『すんませーん』
330 = 1 :
将軍『……指南役は無理でしょう』
南国王『なぜだ?』
将軍『彼の剣術は防御がありません。多少のケガを物ともせずに飛び込んでくるのです』
南国王『ふむぅ』
将軍『……多少どころではありませんな。一度、自身の骨を折りながら、我が隊で腕の立つ兵士を十人まとめて病院送りにしました』
南国王『なるほど』
将軍『しかし、手当て慣れといいますか、回復の魔法の効きが良すぎるのですが』
南国王『精霊の加護を得ただけはあると……』
将軍『とにかく守りがありません』
南国王『守りの時代には向いていないということか』
将軍『有名を利用する手はありますが』
南国王『下手を打てば、私の地位を脅かすやも知れん』
南大臣『……陛下。この際、勇者殿を政治利用しない方向で、他国と共同しましょう』
南国王『大丈夫かね?』
331 = 1 :
南大臣『万が一、勇者殿が他国につくようなことがあれば、我が国には勇者殿のご実家が城下にありますし』
将軍『それはいささか抵抗がありますが』
南大臣『万が一です、そうならないようにすればよろしい』
南国王『うむ……それがいいかもしれんな』
将軍『しかし、彼は姫様とも仲がよろしいご様子』
南大臣『それでは、姫様から押し出してもらうことにしましょう』
南国王『よいのか?』
南大臣『隣国の王子が姫様を見て、一度お話したいと言ってきています。それに、今後は姫様も働いてもらわねば』
南国王『うむ……そうだな。我が王家の一員として、自覚を持ってもらわなくては困る』
将軍『お二人が好きあっているのならば……』
南大臣『将軍、情で政治を決めてはかえって姫様に不幸をもたらしますぞ』
将軍『そ、そうでしょうか』
332 = 1 :
侍女『あれまー』
姫『……』
侍女『姫様、どうしますか』
姫『……』ダッ
侍女『あ、姫様!』
姫『はぁ、はあ、勇者様、勇者様……!』
姫『ゆ、勇者様!』
勇者『んあ?』ぐでーっ
姫『……』
勇者『どうしたんですか? 姫様』
姫『えっと、あの……』
333 = 1 :
勇者『息を切らして、走ってきたんですか?』
姫『い、いえ……その』
勇者『?』
姫『あのですね、勇者様』
勇者『はい』
姫『そろそろ、ご実家に戻られてはいかがでしょう』
勇者『へ?』
姫『かなり長い間、お城にお引止めしてしまって……』
勇者『いやいやいや、実家は城下町にあるんで』
姫『そうですが、もうしばらくお母様にお顔を見せていらっしゃらないのでは?』
勇者『えーっと』
姫『きっと、そろそろ心配なさってますよ』
勇者(これ、あれか? もう帰れ的な?)
334 = 1 :
―――数日後。
姫『……』
侍女『あなたのお城のお茶屋さん、ただいま参上しました』
姫『ああ、侍女さん』
侍女『元気ありませんね』
姫『……勇者様は』
侍女『ご実家でごろごろしてます』
姫『……きっと、私が手ひどく追い返してしまったからだわ』
侍女『いや、することないだけでしょう』
姫『そんなこと……!』
侍女『それより、隣国の王子様からまたお手紙来てますよ』
姫『捨てて』
侍女『あいあい』ビリビリ
335 = 1 :
侍女『あと、勇者様からも手紙が』
姫『か、貸してください!』バッ
侍女『おう』
姫『……』
勇者「この度はとんだ失礼をしてしまい、申し訳ありませんでした」
勇者「隣国の王子様とのご成婚、まことにおめでとうございます」
勇者「私も故郷の姫君の慶事を、自分のことのように嬉しく思っています」
勇者「これからも良き指導者、妻として、世界を導いてください」
姫『……うっ、うう』グスッ カサカサ
侍女『……そんな感動的なことは書いてないはずですけど』
336 = 1 :
姫『二枚目……』カサッ
勇者「堅苦しいのはここまでにする。辞書引きながら書いたんだが、なんか言葉が下手ですまんね」
勇者「結婚おめでとう。正直言って驚いているが、姫様ともなれば無理はないわな」
勇者「それで、お祝いということで、褒美の四分の一は返納することにした」
勇者「もらった金だが、せっかくの機会なんだし、盛大な結婚式をやるのに使ってくれ」
勇者「しばらく一緒に暮らせて、結構楽しかったぜ。ただ、怠けすぎちゃったからな」
勇者「俺も自分なりにがんばってみようと思う」
勇者「なんだかんだで、俺は自分ひとりじゃ生きられないみたいだ」
勇者「だから、姫様にもらった分は、俺もちゃんと返せるようにがんばるよ」
勇者「それじゃあ、また」
姫『……勇者様』
337 = 1 :
姫「あの方は、私たちの都合で追い出したのに、文句も言いませんでした」
侍女「いやけど、そもそも褒美は渡してましたよ?」
姫「そればかりではなく、私を励ましてくれて」
侍女「美化しすぎ美化しすぎ」
姫「……グスッ」
侍女「あーはいはい、リッパナオヒトデシタネー」
姫「侍女さん、クビにしますよ?」
侍女「どうせ、この戦争が終わったら姫様、東国に行っちゃうんだし、いーです」
姫「そ、そう……」
338 = 1 :
侍女「結婚が嫌なら、勇者様と一緒に逃げるって選択肢もありましたよね?」
姫「それは、ご迷惑がかかるわ」
侍女「そうっすかねー」
姫「勇者様は、今も、正義のために戦っているんです」
侍女「いやあ、流れとか成り行きでしょ、間違いなく」
姫「そうだとしても、勇者様は自らのわがままを通しているのではないのだと思います」
侍女「自分の意見ってのがないんじゃないですかね、それ」
姫「もう! 勇者様はかっこいいんです!」
侍女「す、すみません」
339 = 1 :
侍女「でも、勇者様は今、北の王国の反乱軍に加わっていると」
姫「北国では、良い噂は聞きませんでしたから」
侍女「いやあの、これで我が国でも王制の反対運動とか出てきたらどーします?」
姫「……私は、勇者様を信じたいと思います」
侍女「……」
姫「どうしたのですか、侍女さん。また何か言いよどんで」
侍女「私はっすね、王家に拾われたので、あまり勇者様に肩入れしたくないんです」
姫「……」
侍女「だから、姫様の心が多少傷ついても、いろいろと黙ってようと思ってたんですが」
姫「何か、知ってしまったのね?」
侍女「……はい」
340 = 1 :
姫「教えてくれませんか、そのこと」
侍女「……あのっすね、大臣、いるでしょ」
姫「え、ええ」
侍女「あのおっさん、人間じゃないっぽいんです」
姫「は?」
侍女「だから、多分、魔物なんです。あのおっさん」
姫「え、え、王宮に、魔物が入り込んでいるということ……?」
侍女「はい。多分ですけど」
姫「どういうことなの?」
侍女「んー、夜中にいつものように王宮を歩き回ってたら、裏庭に大臣がいたんすけど」
侍女「大臣、明らかに魔物と話してたんですよね。骸骨とか、人魂とかと」
姫「そ、それは一大事ではありませんか!」
341 = 1 :
侍女「そーっすけど、あの大臣のおかげで、国はよくなったじゃないですか」
姫「そんなこと……」
侍女「冒険者って言ってたごろつきは減ったし、明らかな犯罪者は牢屋にぶち込まれたし」
姫「……」
侍女「財政だって、冒険者に払いまくってた報酬を整理しましたし」
姫「そうかも、しれませんが」
侍女「王様も良くやっているって言ってるし、いいのかなーって」
姫「……彼の目的は、勇者様を陥れることなのかもしれませんよ!」
侍女「勇者様が何かしてくれたんですか? この国に」
姫「そ、それは……」
342 = 1 :
侍女「魔王を倒したら、褒美をやる、だから戦って倒して、褒美ももらった。それでおしまいでしょ?」
姫「……」
侍女「ぶっちゃけ、私は嫌いです。勇者なんか」
姫「侍女さん……」
侍女「あ、あの野郎、たくさんもらった褒美、あっちこっちに寄附してたんです」
侍女「……使いきれないからって」
姫「え?」
侍女「私が、寂れた村の出身だって教えたから、そこに寄附して……」
侍女「私は身売りされてこっち来たんだから、うれしくもなんともないのに」
侍女「……わざわざ両親からの、謝罪の手紙まで持ってきて」
343 = 1 :
姫「……」
侍女「わ、私は、何もしないで、ごろごろして、嫌いなのに、あんなやつ、嫌いなのに」
姫「侍女さん……」
侍女「なのに、世界を救っても、私は救われてないじゃんって言ったら、謝ったりプレゼントくれたりするんですよ」
侍女「分かんないんです。あいつが正しいのかどうかも……」
姫「……」
侍女「でも、やっぱり、今の状況を見ると、おかしいんですよね、うちの国」
姫「……ええ」
侍女「あいつが正しいんですよね、多分」
姫「……」
344 = 1 :
姫「侍女さん」
侍女「……はい」
姫「おそらく、我が国は魔物に操られている恐れがあります。私たちがそれを知ったと気づかれれば、私たちも口を塞がれるでしょう」
侍女「まあ」
姫「侍女さん。こうなったら、正式にあなたをクビにします」
侍女「え」
姫「そして、勇者様のところへ、その情報を伝えてきなさい」
侍女「それは……」
姫「それが嫌なら、勇者様の他の仲間のみなさんのところへ行きなさい」
侍女「でも」
姫「こうなった以上、事は一刻を争います。名目は暇を出すことにして、早く知らせにいきなさい」
侍女「……姫様はどーするんです?」
姫「……王宮に残るのが、私の仕事です」
345 = 1 :
探検隊、キャンプ。
盗賊「あー、ほんっとよくここまで来たもんだわ」
盗賊「せっかく冒険稼業で名前を売ってきたのに、平和になったら一転犯罪者扱い」
盗賊「いやそりゃ、一時期は人様のモノを盗んだりしてましたけどね?」
盗賊「どっちかっていうと、洞窟の探索とかの方が得意だったわけで」
盗賊「過去にさかのぼって調べ上げて、牢屋に入れられるとか本当ないわよねー(開き直り)」
盗賊「……この探検隊がなければ一生牢屋暮らしだったかもしれないわけだし」
盗賊「仕事って、一度なくなると大変よねー」
盗賊「でも、なんていうかこの探検隊、男女混合の隊のせいか、やたらむらむらしてる連中が多い気がするのよねぇ」
盗賊「……とりあえず配給行くか」
346 = 1 :
隊員「おっ、いい姉ちゃんがいるじゃねぇか」
盗賊「……」
隊員「おい、ねーちゃん! ちょっと気分転換に付き合えよ!」
盗賊「……うっざ」
隊員「おいおいおい、なんつった?」
盗賊「鏡貸そうか? 自分の顔面見たら、私がそういいたくなる気持ちが分かるでしょ」
隊員「なんだぁ、こいつ!」
遊び人「まあー、まあまあまあ」スッ
隊員「な、なんだぁ、お前!」
遊び人「だんな、向こうでお仲間が、ポーカーの頭数ぅって怒ってましたよ」
隊員「げ」
347 = 1 :
隊員「おい、お前、俺のこと悪く言ってないだろうな!」
遊び人「とんでもございません」
隊員「くそっ」タッタッタ
盗賊「……」
遊び人「行っちゃいましたよ」
盗賊「ありがと。じゃあね」
遊び人「はいはーい」
盗賊「……え、何もしないわけ?」
遊び人「芸人が観客に手を出すのは、命がかかってるときだけでして」
盗賊「あっそう」
遊び人「あ、でも、配給に行かれるんですよね。僕もです」
盗賊「この野郎」
348 = 1 :
遊び人「お姉さんも、牢屋に入れられたクチですか?」
盗賊「そうよ。「も」ってことはあんたもそうだったわけ?」
遊び人「昔は規制が緩かったですからねー」
盗賊「何してたのよ」
遊び人「ストリップダンサーを」
盗賊「ぶっ」
遊び人「あと男娼を少々」
盗賊「げほっ、ぐぇっほ」
遊び人「大丈夫ですか?」
盗賊「大丈夫なわけあるかっ! なんなのよ、ストリップって」
遊び人「知りませんか? 服を脱いで踊る」
盗賊「知ってるわ! なんで男なのに出来るのよ!」
遊び人「需要があったとしか言えませんねぇ」
349 = 1 :
今夜はここまでー。
新キャラも出てきましたが、これでようやく大体出揃った感じでございます。
さー、後は突っ走る連中が一人二人三人。
350 :
乙んこ
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