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元スレ勇者「パーティーにまともな奴がいない……」

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401 = 389 :

肩や腕にはクナイが突き刺さっている。

血まみれの女性はにこやかに笑いかけてきた。

髪を掴まれ、無理矢理に立たされる。
足からはおびただしい量の血が溢れ出ている。


「そんなんじゃ私をイかせるどころか濡らすことだって出来ないわよ」


そんな言葉を言いながら左足にナイフを突き刺す。
やはりその顔は恍惚の表情をしていた。


「え、これから面白くなるのに、仕方ないわね」


彼女は残念そうな声を上げた。

そして彼女は目を閉じる。

402 = 389 :

暗殺者「ドラゴンは何処にいる」

リーダー「ちょ、ちょっと待ってくれ」

暗殺者「何を待つんだ」

暗殺者「何ならまた交代しようか?」

リーダー「わ、わかった、言うから俺の質問に答えてくれ!!」

暗殺者「……わかった」

リーダー「あいつは何者だ!!」

暗殺者「俺の中にいるもう一つの人格だ」

暗殺者「あいつに教えてもらってただろ」

リーダー「……」

暗殺者「じゃあさっさと話せ」

リーダー「多分武器屋の裏の家だ」

暗殺者「本当だな」

リーダー「あ、ああ」

暗殺者「私の出番ね」

リーダー「お、おい!!」

403 = 389 :

暗殺者「足って二本もいらないわよね」

リーダー「ちゃ、ちゃんとしゃべっただろ!!」

暗殺者「さっきも言ったでしょ、まだ私は濡れてもいないのよ」

リーダー「ひ……」」

暗殺者「時間が無いからさっさと殺すわね」

暗殺者「もっと楽しみたかったわね……」


暗殺者はナイフを胸に突き刺す。


リーダー「あ、ああ……」ガクン

暗殺者「次はもっと遊ばせてよ」

暗殺者「わかってる」

暗殺者「……」スタスタ

勇者「終わりましたか?」

404 = 389 :

※補足

魔法について

簡単に説明しましたが魔法は二種類あり魔力を使うタイプと自分の体を使うタイプに分かれます。

自分の体を使うタイプは代償と呼ばれ、血、皮膚、肉などの部位を媒体に魔法を発生させます。

当然大きな魔法には大量の代償が必要となるため、下手をすれば死にます。

生まれつき魔力は決まっており、成長する事も無いので、代償は魔力の少ない人たちが多く利用します。

405 = 389 :

今日はここまでです。

まだもう一戦残ってると思うとしんどい……

暗殺者戦は時間の関係で結構雑になっちゃってると思います。すいません

勇者戦はもっと頑張ります。

406 :

乙ー

吸血鬼さん?の台詞を何か区別出来ると読みやすいと思うけど良い案がない……

今のところは口調で判別出来てるけど……

407 :

暗殺者(?) に脳内変換済

408 :

それくらい読み分けられるだろ

409 :

口調がはっきり違うから読み間違う事もないけど、主人格を「 」、副人格を『 』で
書き分けてみるとか?
ただこれだと副人格が表に出てる時に、心の中の主人格との会話で混乱するね
表層 : 主「 」、副『 』
心中 : 主「( )」、副『( )』
とか?

410 :

妙に変化つけるより、このままでいいと思うの

411 :

このままでいい

412 :

このままがいい

413 :

暗殺者「ああ、終わったよ」

勇者「殺したんですか?」

暗殺者「その辺に転がってる」

暗殺者「お前も派手にやったよな」

勇者「仕方のない事です」

勇者「傷を塞いでおきましょうか?」

暗殺者「いや、大丈夫だ」

勇者「そうですか」

暗殺者「それにしても、勇者のやる事じゃないよな」チラッ

暗殺者「皆殺しか?」

勇者「はい」

暗殺者「ずいぶん派手にやったな」

勇者「数が多かったんです」

勇者「それに私は勇者ではありません」

暗殺者「ああ、そうだったな」

勇者「で、場所はどこですか?」

暗殺者「武器屋の裏の家だってさ」

414 = 413 :

勇者「私達の出番はここまでですね」

暗殺者「ああ、そうだな」

暗殺者「ここはどうする?」

勇者「女大臣に頼んでおけば片付けてくれます」

暗殺者「そうか」

勇者「行きますよ、勇者が待ってますから」スタスタ

暗殺者「そうだな、こっからはあいつの仕事だ」スタスタ

勇者「で、あれは誰ですか?」

暗殺者「聞いてたのか?」

勇者「はい、少しですが」

暗殺者「……後でしっかり話す」

勇者「そうしてください」

415 = 413 :

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


武器屋


暗殺者「ただいま」ガチャ

勇者「勝ったのか?」

暗殺者「ああ」

勇者「皆殺しですが」

勇者「そうか」

勇者「ずいぶん頭が冷えたようですね」

勇者「……さっきは悪かった」

暗殺者「謝る事じゃない」

大臣「場所は何処ですか?」

勇者「武器屋の裏の家です」

勇者「って事はここの裏って事?」

勇者「そう言う事です」

武器職人「ずいぶん近くだな」

暗殺者「後、悪いんだが後処理頼めるか?」

大臣「安心してください、すでに後処理は始めてます」

勇者「仕事が早いですね」

大臣「大臣ですから」

416 = 413 :

勇者「じゃあ行ってくる」

武器職人「ちゃんと持って帰ってこいよ」

勇者「死んだら許しませんよ」

勇者「わかってる」

暗殺者「死ぬな、それだけだ」

勇者「わかってる」

大臣「頑張ってくださいね」

勇者「ああ」

勇者「じゃあ」ガチャ

勇者「……で、何者なんですか、強者とは」

大臣「前に言ったとおりです」

暗殺者「なんか隠してるだろ」

大臣「……さすがですね」

暗殺者「嘘には敏感なんでね」

大臣「強者は私の知った人物です」

勇者「……知った人物?」

大臣「はい、私の兄弟子にあたる人物です」

417 = 413 :

武器職人「なんでその事をあいつに教えなかったんだ?」

大臣「全ての情報が武器になるとは限りません」

大臣「それにこの情報を知った所で勇者様が有利になる訳ではありません」

暗殺者「勇者に迷いが生まれないようにって訳か」

大臣「その通りです」

暗殺者「凄いなあんた、大臣やってるのがもったいないくらいだ」

大臣「過大評価ですよ」

大臣「あの方は力を追い求めるような人間では無い人間でした……」

勇者「人間なんてすぐに変わってしまうものです」

暗殺者「どうしてそうなったかは知ってんのか?」

大臣「ある程度は知っています」

暗殺者「あ、そう」

大臣「聞かないんですか?」

暗殺者「聞いたところで意味は無いだろ」

大臣「そう……ですね」

418 = 413 :

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


勇者「……」スタスタ

強者「……」


そこには黒い服を着た白髪の男が立っていた。


勇者「お前が強者か?」

強者「いかにも、貴公が勇者か?」

勇者「ああ」

強者「ほう、想像とは違う男だったか……」

勇者「ドラゴンは何処だ」

強者「心配するな、まだ何もしとらん」

勇者「何処だって聞いてんだ」

強者「屋根裏部屋だ」

勇者「素直に返す気は……無いよな」

強者「その通りだ、それでは何のためにさらってきたのかわからんだろう」

勇者「そうだよな、わかるよ」

強者「何がだ?」

勇者「あんたの言い分もほんのちょっとだけわかる、強さを追求するってのは大切だ」

419 = 413 :

強者「……貴公に俄然興味がわいてきた」

勇者「あんたは自分のために力を得るようなタイプには見えねぇしな」

強者「……」

強者「貴公は力を得たくは無いのか?」

勇者「他人を犠牲に力を得るってのも有りだろ思う、けどそれに俺の仲間を使うんならそれを止める」

強者「全くの他人ならいいのか?」

勇者「俺の知ってる人間じゃないなら勝手にやってくれ」

強者「外道だな、貴公は」

勇者「お互い様だ」

強者「だがドラゴンを返す気は毛頭無い」

勇者「だろうな」

強者「お互い、剣で語り合おうではないか」


強者は黒色の剣を抜く。


勇者「そうだな、それしかないよな」


勇者もまた、刀を抜く。

420 = 413 :

今日はここまでです。

昨日は更新できずすいません。鯖が復活するまで待ってたら寝ちゃいました。

もう戦闘シーンは書けているんですが、自分で納得できていないので明日にさせていただきます。本当にすいません。

421 = 412 :

女大臣だけが受け付けない
ただの感想でふ

続きを楽しみにしてまふ

422 :

乙。厨二全開だなwwwwww

423 :

楽しいなこれ

424 :

勇者と強者は同時に走り出す。

二人とも姿勢を低くし、攻撃態勢に入った。

お互いに頭の中を戦闘用に切り替える。
無駄な事を何も考えず、戦う事だけに集中した脳に。

勇者の刀と強者の剣が激突した。

金属音と共に火花が散った。

お互いの顔が近づく。
お互いに笑ってはいるが目は獣そのものだ。

奥歯がギリギリと鳴っているのがわかる。
膝も笑っていた。

一瞬でも気を抜けば死ぬ。
直感でそう感じた。

つばぜり合いの状態で二人の体が停止する。

一瞬の停止。
一瞬の静寂。

だが次の瞬間にはまた火花を散らしながら剣と刀が激突する。

防御しては攻撃する、を何度も繰り返す。
一瞬の油断もミスも許されない。

お互いに精神をぎりぎりまで集中させた戦い。
その姿はまさに獣同士の喰い合いだった。


「ははは、面白い、やはり貴公は面白いぞ!!」


つばぜり合いの状態で強者が言い放つ。
顔は無邪気な子供の笑顔のようだ。

425 = 424 :

この男にとって戦いは生きている証なのだろう。
勇者はそう感じていた。


「あんたも十分面白ぇよ」


勇者は相手の目を見てそう言い返した。

剣と刀が擦れ合い音をたてる。

自然と右手に力が入った。
さらに相手に近づく。

自然と笑顔がこぼれた。
邪悪で心底楽しそうな笑顔。

強敵と戦える事。
自分よりも強い相手と戦える事がうれしい。

強者の剣に弾かれるように後ろに吹き飛ぶ。

勇者は2メートルほど離れた場所に着地した。
態勢はほとんど崩れない。

勇者は刀を両手で構え直すと、強者の方を見た。

楽しいそうに。
本当に楽しそうに。
強者は右手に黒い剣を握りしめ笑っていた。

彼もまたこの戦いを心底楽しんでいるのだ。

一瞬の隙が命取りになると言う極限状態が二人の何かを猛烈に刺激している。
心が、体が、何かが燃えていた。

先に仕掛けたのは勇者だった。

426 = 424 :

一瞬で強者との距離を無くし、剣を振り下ろす。

ガキィン、と言う音が炸裂する。

強者の剣が勇者の刀を止めていた。

強者は刀を弾くと勇者の懐に飛び込む。

決して素早いわけではない。
だが隙が全く無い。

逃げられない。
そう感じた勇者はとっさに刀を盾にした。

金属同士がぶつかる音と共に刀を持つ手に衝撃が走る。
予想以上の衝撃に手が痺れた。

あまりの衝撃に僅かに後ずさりしてしまう。

強者の攻撃は止まらない。

姿勢を低くすると、恐ろしい速さで突進してくる。
その姿は獲物を狙う肉食獣の様だ。

勇者は刀を構え直すと、大きく横に薙ぎ払った。
僅かに衝撃波が起こり、砂煙がまき上がる。

だが強者はそこにはいない。

勇者はとっさに周りを見渡した。
それらしき姿は無い。

だが次の瞬間、勇者は右足の鋭い痛みで膝をついていた。
見なくても血が出ているのがわかる。

太もも辺りから出た血が足を伝いゆっくりと地面に落ちる。

427 = 424 :

理由は簡単。
斬られたのだ。

勇者が刀を横に薙ぎ払った瞬間に後ろに回られていた。

速い。
勇者が出会ってきた中で最も速いかもしれない。
そう感じるほど速い。

奥歯を噛み締め、踏ん張る。
だが足に力が入らない。

血が絶え間なく傷口から流れ出ていた。
傷は深い。

いつの間にか、強者が目の前に立っていた。
右手に持った剣からは血が垂れている。

勇者はとっさに後ろに跳んで距離を置く。

着地した時に態勢が僅かに崩れた。

それでも刀を構え直し、攻撃の準備をする。


「ほう、まだ目が死んでおらぬか、やはり我の見込んだ通りだ!!」


強者は楽しそうにそう叫んだ。
残虐で、邪悪な笑顔。

顔には勇者の血が数滴飛び散っている。

428 = 424 :

強者は剣を両手で構えた。

来る。
そう分かっているのに体の反応が間に合わない。

ゴウッ、と言う音が聞こえた。

強者は勇者目掛けて跳んでいた。
助走も無いのに、さっきよりも速い。

体が強張るのがわかる。
恐怖が彼の体を支配している。

勇者は動かない体を強引に動かし、刀を構え直した。

強者の攻撃に備える。

真正面からぶつかれば足に怪我を負っている彼に勝ち目は無い。
ならば……受け止めるのではなく受け流せばいい。

勇者は構えを微妙に変える。

刀の角度を調整し強者とぶつかる。

今まで以上に剣と刀が擦れる音がした。
力が流れて行くのが感覚でわかる。

力を左へと受け流し、右足にかかる負担を減らす。

次の瞬間、勇者は強者目掛けて刀を突き出した。
隙を極限まで少なくし、今の自分の出せる最速で突く。

ブスリ、と刀が肉に刺さる感覚。

刀は強者の左肩を貫いていた。
左肩からはドス黒い何かが溢れ出ている。

ドス黒い何かはもはや人間とはかけ離れた物体のように見える。
いや、実際人間とはかけ離れた物だ。

今になって自分の戦っている相手が人間ではないと自覚した。


「血も通ってねぇのか」

「我が人間だったのは昔の話だ」



強者はそう言った。
口調は今までと変わらないのに、寂しそうに聞こえた。

彼は剣を大きく縦に振り下ろす。

429 = 424 :

だが勇者はそれを素早く回避した。

だが服の左肩が僅かに破れ、血が出る。

これ以上血を流すのは危険だ。

すでに右足の感覚が無くなりつつあった。

勇者は刀を強く握り、後ろに跳ぼうとする強者に追撃をする。

チャンスはここしかない。
そう自分の心に言い聞かせる。

後ろに跳ぶ強者に向かって跳んだ。

強者に向かって刀を大きく縦に振る。

刀は空を斬り、強者の首を斬り裂こうとする。

だがガキィン、と言う音と共に刀が止められた。
火花が飛び散り、得物同士が擦れてギリギリと音をたてる。

強者がとっさに剣で防御したのだ。

だが勇者は止まらない。
ここで引き下がるわけにはいかない。

強者の脇腹目掛け左足で蹴りを入れる。

ドゴッ、と鈍い音が聞こえた。

だが強者に足が当たった瞬間、勇者の脇腹にも痛みが走る。

強者も勇者の脇腹に蹴りを入れていたのだ。

430 = 424 :

胃の中の物が逆流しそうになる。

お互いに吹き飛び、地面に転がった。


「貴公の強さはこんなものではなかろう」


強者は立ち上がり、剣を構える。
左腕はドス黒い液体に染まっていた。


「あんたも本気で来いよ」

勇者も立ち上がろうとする。

右足が斬られたせいでうまくバランスが保てない。
だが痛みに耐え、立ち上がる。

刀を握り直し、強者に突っ込んだ。

ここまでくれば小細工など無用。
正面から正々堂々斬り込む。

強者は剣を大きく振りかぶり、横に薙ぎ払う。

空を切る音。
飛び散るドス黒い液体。

だが勇者には当たらなかった。
勇者はすでにそこにはいない。

勇者の刀が振り下ろされる。

強者の左手を斬り落した。

左手が宙をくるくると飛んでいる。
ドス黒い液体が辺りを染めた。

強者の顔が苦痛にゆがんでいるのが見えた。

431 = 424 :

その時強者の動きが僅かに鈍っていた。

勇者はそれを見逃さない。

後ろに跳ぼうとする強者の胸に剣を突き刺す。

だが勇者の腹にも剣を突き刺さる。

予想以上の激痛がはしる。

お互いに得物が突き刺さったまま静止した。

静寂。

勇者は前に進んだ。
僅かに動くだけで剣が体の奥に刺さっていくのが感覚でわかる。

腹に激痛が走る。

血で足が滑る。
前に進むのがつらい。

だが前に進む。


「さ……すがだ」


強者はつらそうにそう言った。
だが、なぜかその声には強さが滲み出ている。

今まで背負って来た物の重さがその強さを生みだしているのだろう。

多分それは強者の信念だ。
人間であることをやめてまで貫き通す信念。
人間をやめてまで守りたかった何か。

それが彼の強さ。

だが勇者にも貫き通したい信念がある。
守りたい者がある。

だからこそ、自分の信念を貫き通す。
自分の守りたい者を守る。

それが勇者の強さ。

勇者は相手の顔を睨みつける。


「ははっ、こんな所で死ぬわけにはいかねぇんだよ!!」

432 = 424 :

勇者は刀を離し、強者の腹を殴った。
拳には筋肉とは程遠い硬い感触があった。

血で足が滑り、僅かにふらつく。

強者は膝をついていた。

負けられない。
絶対に負けられない。

勇者は体を大きく捻った。
そのまま大きく振りかぶり、強者に殴りかかる。

強者はとっさにかわそうとするが間に合わない
間に合わせない。


「おおォォォォォォ!!」


大声を上げ、殴りかかる。

勇者の拳が強者の顔面に突き刺さる。

メキリ、と言う骨が折れるような音がした。

それが強者の顔の骨なのか勇者の手の骨なのかは分からない。

強者は竹トンボの様に回転しながら2メートルほど吹き飛ぶ。

立ち上がってはこない。

静寂。
無音。

勇者のその場に崩れ落ちた。

体が動かない。
満身創痍。

音が無い。
目の前が霞む。

勇者は必死に意識を繋ぎ止め、刀の鞘を杖にしながら立ちあがった。

433 = 424 :

強者「ここまでか……」

強者「戦士が……剣ではなく拳で勝敗を決めるか」

勇者「最初に言っただろ、俺は外道だって」

強者「貴公は俺の思った通りの男だ」

勇者「?」

強者「貴公は……我にそっくりだ」

強者「愛する人のために命をかけられる、いい人間だ」

勇者「……あんたは守れたのか?」

強者「守れていたら、我はこんな姿にはなっておらん」

勇者「……」

強者「殺せ」


強者は自分に刺さっている刀を抜き、勇者に渡す。


勇者「最初っから殺す気だ」

強者「飾らんな、貴公は」

勇者「ああ、普通の勇者ならあんたに手を差し伸べてただろうな」

強者「そうだな」

勇者「後悔してるのか?」

434 = 424 :

強者「まさか、こんな闘いを出来て後悔する必要など無かろう」

勇者「……」

勇者「ドラゴンは本当に無事なんだろうな」

強者「杞憂だ」

勇者「……」

勇者「遺言くらいなら聞いてやる」

強者「遺言……か」

強者「無いな」

勇者「いいのか?」

強者「伝えたい事も、それを伝えたい人もおらん」

勇者「そうか」

勇者「心臓を刺せばいいのか?」

強者「うむ、我だって心臓を刺されれば死ぬ、一撃で頼むぞ」

勇者「そのつもりだ」


勇者は倒れている強者の心臓を刀で突き刺した。

435 = 424 :

今日はここまでです。

戦闘シーンは難しいです……

ちなみに俺はドラゴン大好きな厨二病です。

436 :

おつ!

貴公と言う呼び方を聞くと影技を思い出す……

438 :

良い

439 :

いいぞ!

440 :

>>437
沈黙の長()

441 :

ダイスンスーン…

442 :

一気読みした

443 :

どんどん面白く厨二臭くなるなwwww

444 :

勇者「……死んだか」


勇者は強者の剣を強者に握らせる。


勇者「成仏しろよ」

勇者「とにかく屋根裏部屋に行かねぇと」フラフラ

勇者「これは本当に死ぬ……」フラフラ

勇者「鍵かかってるし……」

勇者「……」


刀で鍵を叩き斬る。


勇者「ドラゴン、居るか?」

ドラゴン「勇者、勇者か!!」タタタッ

勇者「元気で何よりだ」

ドラゴン「結界はどうした?」

勇者「結界?」

ドラゴン「ああ、ビリってしただろ」

勇者「えーと、多分刀で斬っちゃったと思う」

ドラゴン「結界をか?」

445 = 444 :

勇者「ああ、多分」

ドラゴン「さすが勇者、オレの夫だ!!」ダキッ

勇者「わかったからさっさと帰るぞ」

ドラゴン「ああ」

勇者「……」

ドラゴン「ん?」

勇者「無事でよかった……と思う……」

ドラゴン「思うってなんだ、思うって」

勇者「そのままの意味だ」

ドラゴン「なんと言うか、色気に欠けるな、貴様は」

勇者「元々だ」

ドラゴン「別の言い方は無かったのか?」

勇者「お前は俺のあれだから……死なれたら困る、だから無事でよかった、これでいいか?」

ドラゴン「だからあれってなんだ」

勇者「あれはあれだ」

ドラゴン「だからもっと詳しく言ってくれ」

勇者「……」

446 = 444 :

ドラゴン「……」

勇者「仲間だよ、仲間!!」

ドラゴン「……それだけか?」

勇者「それだけ……って訳でも無いけど……」

ドラゴン「……」

勇者「ああ、もう!!」


勇者はドラゴンと唇を重ねる。


勇者「……」///

ドラゴン「……」

勇者「……」///

ドラゴン「……」

ドラゴン「あ、ありがとう」///

勇者「あ、ああ」

勇者「行くぞ」フラフラ

ドラゴン「ああ、そうだな」スタスタ

勇者(やばい、これは死ぬかもしれない)フラフラ

勇者(恥ずか死ぬ)フラフラ

勇者(ああ、なんでこんなベタな事を……)フラフラ

447 = 444 :

~~~~~~~~~~~~~~~


武器屋


勇者「ただいま……」フラフラ

ドラゴン「悪かったな」

勇者「勇者、ドラゴン!!」

暗殺者「二人とも大丈夫か?」

ドラゴン「オレは大丈夫だ、それよりも勇者が……」

大臣「とにかく血を止めましょう」

勇者「はい」ポワワン

大臣「勇者様、いきますよ」ポワワン

勇者「悪いな」

勇者「強者はどうなったんですか?」

勇者「死んだ、と言うより俺が殺した」

大臣「そう……ですか」

暗殺者「とにかくみんな無事でよかった」

大臣「まっだぐでず」ポロポロ

448 = 444 :

勇者「わかったから泣くな、今ハンカチ持ってねぇから」

大臣「自分でもっでまずので」

勇者「ああ、そりゃ良かった」

勇者「武器職人、これ返す」スッ

武器職人「ああ」パシッ

武器職人「……おい」

勇者「ん?」

武器職人「ほら、お前にお似合いのボロ刀だ」ポイッ

勇者「……いいのか?」

武器職人「折ったら許さんからな」

勇者「でもこれかなりいい刀じゃ――――」

武器職人「折ったら許さんからな!!」

勇者「……大事にするよ」

大臣「よがっだでずね」ポロポロ

勇者「わかったからちょっと泣き止め」

暗殺者「とにかくみんな無事でよかった」

父親「やっと終わったか」ガチャ

勇者「父さん、何の用だ」

父親「お前に言い忘れた事があったんでね」

大臣「私達は席を外しましょうか」

勇者「別にいいよ」

449 = 444 :

勇者「で、何の用だ?」

父親「これをお前に渡そうと思ってたんだ」スッ

勇者「なんだよ、これ」

父親「お前の母親が今居る場所が書いてある」

勇者「ほ、本当ですか!?」

父親「ああ、これを届ける為にここまで来たんだ」

勇者「今更会う必要なんて無い」

父親「本当にいいのか?」

勇者「……」

父親「まあ、お前達が次に立ち寄る町がその町だ、気が向いたら会いに行け」

勇者「わかった」

父親「物分かりがいい子で助かったよ」ニッコリ

勇者「……」

父親「じゃあ、帰るかな」

勇者「こんな事のためだけに来たのか?」スタスタ

父親「当たり前だ、お前のために来たんだぞ」ガチャ

450 = 444 :

ドラゴン「どうするんだ?」

勇者「今の所はわかんねぇ、とにかく行ってから決める」

勇者「そうですね」

武器職人「頑張れよ、あんた達」

勇者「ああ、ありがとう」

勇者「荷物はまとめてあります」

勇者「仕事が早いな」

勇者「あなたとは違って私は手際がいいんです」

勇者「なんでそうムカつく言い方しか出来ないのかな」

勇者「元々です」

ドラゴン「じゃあ行くか、おんぶしてやろうか?」

勇者「余計なお世話だ」

大臣「後処理は私に任せておいて下さい」

勇者「では、お願いします」スタスタ

大臣「はい」

大臣(勇者様と女勇者様はどうするんでしょうか……)

大臣(心配です……)


こうして、勇者たちは新たな町へ向かうのであった。


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