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    元スレ勇者「パーティーにまともな奴がいない……」

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    タグ : - 勇者 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    101 :

    次は男キャラか…

    102 :

    次も女キャラでもいいんじゃね?
    変人だらけのハーレムパーティとか羨ましいような羨ましくないような・・・とかね

    103 :

    これはある意味引き込まれる良いSSですね

    104 :

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



    スライム「……」プルプル

    勇者「……」

    スライム「ピキーピキー」訳『か、かかってこい!!』

    勇者「……別にお前が襲ってこないなら戦う気はないんだけど」

    スライム「ピキキ?」訳『僕をいじめないの?』

    勇者「だから襲ってくる気が無いなら俺も攻撃しないって」

    スライム「ピキピキー」訳『あれ、君は僕の言葉がわかるの?』

    勇者「わかって無かったらとっくに斬りかかってると思うぞ」

    勇者「ついに脳みそが腐り始めたんですか?」

    勇者「突然何!?」

    勇者「モンスターに話しかけているので」

    勇者「俺はモンスターの言葉がわかるんだよ」

    勇者「……やはり脳みそが腐り始めたんですね」

    勇者「本当だからね!!」

    スライム「ピピキー」訳『ねえ、言葉がわかるなら薬草をくれない?』

    勇者「ではなんと言ってるんですか?」

    勇者「薬草がほしいってさ」

    105 = 104 :

    勇者「本当ですか?」

    勇者「本当だよ」

    勇者「ほら」スッ

    スライム「ピ、ピキー!!」訳『ありがとう、本当にありがとう!!』

    勇者「喜んでるみたいですね」

    勇者「そりゃ喜ぶだろ、ほしい物もらったんだから」

    勇者「そうですか……」ジー

    勇者「そのかわいそうな人間を見るような目をやめろ!!」

    スライム「ピキキーピキー」訳『これで友達を助ける事が出来るよ』

    勇者「よかったな」

    勇者「……」ジー

    勇者「だからその目をやめてくれない?」

    スライム「ピキッキ」訳『こ、これは僕の気持ち』スッ

    勇者「お礼なんていいよ」

    スライム「ピキキ」『そんな事言わずにもらってよ』

    勇者「じゃ、じゃあもらうよ」パシッ

    スライム「ピキキキ、ピピピキキキキキ」訳『これはスライムの笛って言って、この笛を吹けばいつでもスライムが助けに来てくれるんだ』

    106 = 104 :

    勇者「あ、ありがとう」

    スライム「ピキキ」訳『じゃあまたどこかで』ピョンピョン

    勇者「それはなんですか?」

    勇者「スライムの笛だってさ」

    勇者「使えるんですか?」

    勇者「これを吹くとスライムが助けに来てくれるんだってさ」

    勇者「だからあなたはバカなんです」

    勇者「もしこの笛が役に立ったら土下座しろよ」

    勇者「……所であなたはどうしてモンスターの言葉がわかるんですか?」

    勇者「小さい時に人間の言葉がしゃべれるスライムの下で働いてた事があったんだ」

    勇者「どうしてですか?」

    勇者「7歳のガキを雇ってくれる所なんて限られてたんだよ」

    勇者「……確かに小さい頃は働ける場所が限られていますからね」

    勇者「わかるのか?」

    勇者「はい、私も職場探しには苦労しましたから」

    勇者「お互い苦労したんだな……」

    勇者「そうですね……」

    107 = 104 :

    勇者「それでそのスライムに言葉を教わったんですか?」

    勇者「ああ、結構長い間働いてたからモンスターの言葉は完全にマスター出来てる」

    勇者「スライム以外もわかるんですか?」

    勇者「スライムの言葉をマスターしたら自然とわかるようになってた」

    勇者「案外凄い人なんですね」

    勇者「いろんな仕事してきたからな、こう見えてもいろいろ出来るんだぞ」

    勇者「自画自賛ですか、気持ち悪い」

    勇者「お前が凄い人って言ったからだろ!!」

    勇者「お世辞を本気で受け取るなんて……やっぱりあなたはダメですね」

    勇者「お前も十分ダメだろ」

    勇者「あなたほどではありません」

    勇者「それは自覚してる」

    勇者「で、次は何処に行くつもりですか?」

    勇者「ここから一番近いのは……ドラゴンの村だ」

    勇者「あそこですか……」

    勇者「知ってるのか?」

    勇者「はい、何度か行った事があるので」

    勇者「ちなみにドラゴンの住む山が近くにあるからドラゴンの村と呼ばれているんです」

    108 = 104 :

    勇者「ふーん、ドラゴンが住んでるんじゃないのか」

    勇者「言っておきますがドラゴンの村ではドラゴンは嫌われ者ですよ」

    勇者「え?」

    勇者「あそこの村人はドラゴンと非常に仲が悪いですから」

    勇者「せっかくドラゴンの村なのに?」

    勇者「なんでもドラゴンが頻繁に襲いに来るそうですよ」

    勇者「……おかしいな」

    勇者「どうしました?」

    勇者「何でも無い、気にすんな」

    勇者「あなたの事を気にする暇は私にはありません」

    勇者「知ってる」

    勇者「ドラゴンか……会ってみてぇな」

    勇者「今のあなたと私でドラゴンに勝てると思いますか?」

    勇者「戦う気なんて無いよ」

    勇者「男ってのは一度はドラゴンに憧れるんだ」

    勇者「わかりませんね……」

    勇者「女にはわかんないかもな」

    勇者「多分人類にもわからないと思いますよ」

    勇者「じゃあ俺も町の半分は人類じゃないって事か?」

    大臣「そうですね」

    勇者「とにかくドラゴンには会ってみたいな」

    勇者「死ぬなら一人で死んでくださいね」

    勇者「わかったわかった」

    勇者「日が暮れる前に行きますよ」スタスタ

    勇者「わかったわかった」スタスタ

    109 = 104 :

    ~~~~~~~~~~~~~~

    ドラゴンの村

    ザワザワ

    勇者「賑わってる?」

    勇者「どちらかと言えばざわついているに近いですね」

    勇者「何かあったのんだな」

    勇者「そう考えるのが妥当ですね」

    村人「あんたら旅の人かい?」スタスタ

    勇者「そうだけど」

    勇者「なあ、あの人だかりって―――――」

    勇者「村長は何処にいますか?」

    勇者「今俺が質問してるんだけど」

    勇者「まずは村長に会わないといけません」

    勇者「そんなに村長に会うのが大事か?」

    勇者「はい、こういう小さな村では特に大事です」

    勇者「そうだったのか……知らなかった」

    勇者「だからあなたはバカなんです」

    110 = 104 :

    村人「村長ならあっちの人だかりの中だよ」

    勇者「さっきも言おうとしたけど何あれ?」

    村人「知らないのかい、ドラゴンが捕まったんだ」

    勇者「ドラゴン?」

    村人「ああ、なんでも凄い弓兵の人が生け捕りにしたそうだ」

    勇者「凄い弓兵ですか……」

    村人「ああ、心も広い素敵な人だ」

    勇者「私達とは真逆な人間ですね」

    勇者「そうだな」

    村人「会ってみるといいよ」

    勇者「なあ、ドラゴンには会えるか?」

    村人「ドラゴンなら檻に入ってるから誰でも見れると思うよ」

    勇者「そうか、ありがとう」

    勇者「やっぱりおかしいな……」

    勇者「どうしました?」

    勇者「別に」

    勇者「行ってみますか?」

    勇者「ああ」

    勇者「……」スタスタ

    111 = 104 :

    勇者「だから何をそんなに悩んでいるのですか?」スタスタ

    勇者「ドラゴンが気高き生き物って事は知ってるよな?」スタスタ

    勇者「はい、ドラゴンの基礎知識ですよね」スタスタ

    勇者「ああ、じゃあドラゴンは気高いから危害を加えない限り人間を攻撃しないってのは知ってるか?」スタスタ

    勇者「それは初耳ですね」スタスタ

    勇者「それが本当だとしたらこの村人が襲われる事は無いはずなんだよ」スタスタ

    勇者「ですがこの村の人々はドラゴンに何度も襲撃されていますよ」スタスタ

    勇者「だからドラゴンに危害を加えている人間がいるはずなんだ」スタスタ

    勇者「そいつを探し出す」スタスタ

    勇者「そんな事をしている人間が素直に白状するとは思えませんが」スタスタ

    勇者「それをドラゴン本人に聞きに行くんだ」スタスタ

    勇者「それぐらい考えればわかるだろ」スタスタ

    勇者「無理ですね、あなたの思考回路はおかしいですから」スタスタ

    勇者「その言葉をそっくりそのままお前に返してやるよ」スタスタ

    ドンッ

    勇者「あ、すいません」

    弓兵「別に気にするな」ガハハハ!!

    勇者「弓?」

    弓兵「お前達は旅の者か?」

    勇者「もしかしてあなたがドラゴンを仕留めた弓兵ですか?」

    112 = 104 :

    弓兵「ああ、そうだとも」

    それはあごに髭を蓄えた2メートルを超える短髪の大男だった。

    勇者「……」

    弓兵「何だ坊主、そんな怖い顔してどうしたんだ」

    勇者「ちょっと腹が痛いだけだ」

    弓兵「そうか、今の時期は食あたりが怖いからな、注意しろよ」ガハハハ

    勇者「これから注意するようにするつもり」

    弓兵「お前達もドラゴンを見に行くのか?」

    勇者「はい」

    弓兵「見たら驚くと思うぞ、めちゃくちゃでかいからな、がはははは!!」

    弓兵「おっと、俺は酒場に行く、後で会えるといいな」スタスタ

    勇者「ああ」

    勇者「そうですね」

    勇者「……どう思う?」スタスタ

    勇者「あの男自体は悪い人間では無さそうですね」スタスタ

    勇者「だよな」スタスタ

    勇者「私の予想ですがあの男はこの村に雇われた弓兵だと思います」スタスタ

    113 = 104 :

    勇者「村に雇われることなんてあるのか?」スタスタ

    勇者「町には兵士がいますが小さな村にはいませんから必然的に強そうな兵士を雇わなければならないんです」スタスタ

    勇者「さっきの男性は見た所フリーの弓兵のようですからドラゴン討伐を依頼されたと考えるのが妥当です」スタスタ

    勇者「物知りだな」スタスタ

    勇者「世間の基礎知識です、知っていて当然ですよ」スタスタ

    勇者「……」スタスタ

    勇者「って事は悪いのはそれを依頼した人間って事か?」スタスタ

    勇者「あくまで私の予想ですが」スタスタ

    勇者「ここか……」

    勇者「まるで要塞だな」

    勇者「そうですか? 石でできた巨大な虫籠にしか見えませんが」

    勇者「ああ、そうも見えるな」


    二人の目の前には石造りの四角く窓が二つしかない大きな建物があった。


    村長「誰だお前達は」

    勇者「勇者です」

    勇者「女勇者です」

    村長「勇者?ずいぶん貧相な勇者だな」

    勇者「お前もずいぶんと貧相な頭だな、毛は何処に落したんだ?」

    勇者「勇者、きっと今日は急がしくて家に忘れてしまったんです」ヒソヒソ

    村長「ずいぶんと生意気なガキと女だな」

    114 = 104 :

    ※補足

    モンスターについて

    モンスターには二種類おり、理性をもったモンスターと持っていないモンスターがいます。

    持っているものの例 スライム・サキュバスなど    持っていないものの例 ゾンビ・ミイラ男など

    高等なモンスターはたいてい理性を持っていると考えてもらって結構です。

    ただし理性があるからいい奴とは限りません。

    115 = 104 :

    今日はここまでです。

    ちなみに勇者の魔物の言葉が分かる設定は最初からありましたが発揮するタイミングが無かったためこんなに後になってしまいました。

    116 :



    更新楽しみにしてる

    117 :

    スライムは高等なモンスターなのか

    118 :

    >>1

    次の更新が待ち遠しい
    これからも期待してます

    119 :

    次は弓兵が仲間になるのかな?
    ようやく後衛がつくのか……
    いや、意表をついて仲間になるのはドラゴンとか

    120 :

    ちょっと待て!、「理性をもったモンスターと持っていないモンスターがいます。 持っているものの例 スライム・サキュバスなど」って言ったな。つまり、サキュバスも出るてことか!?

    121 :

    スライム「」

    122 :

    お前ら”スライム属”なめんなよ

    123 :

    予想はしないほうがいいと思うよ
    >>1が良いって言うなら良いけど

    124 :

    乙乙!

    125 :

    村長「お前達もドラゴンを見に来たのか?」

    勇者「当たり前だろ、ハゲ散らかしたおっさんを見に来たわけじゃねぇ」

    村長「俺だって好き好んでハゲてるんじゃねーんだ!!」

    勇者「で、ドラゴンは何処だ?」

    村長「ドラゴンはこの中だ」

    勇者「自由に見ていいんだろ」

    村長「勝手にしろ」

    勇者「言われなくても勝手にします」スタスタ

    勇者「勝手にさせてもらうぞ」スタスタ

    勇者「……」ガチャ

    ドラゴン「……」

    そこには真っ赤な鱗の全長10メートルはあるドラゴンが鉄の檻に入れられていた。


    勇者「大きいですね」

    勇者「そりゃドラゴンだしな」

    勇者「そんな事はわかっています」

    ドラゴン「グルルル」訳『人間か、お前達も興味本位でオレを見に来たのか』

    勇者「確かに興味本位だけどそれだけで来たわけじゃねぇぞ」

    ドラゴン「グルル」訳「ふん、オレを殺しに来たのか?」

    126 = 125 :

    勇者「別にお前を殺すために来たわけじゃねぇから」

    ドラゴン「ガルル」訳『では何の用だ?』

    勇者「理由が無いと来ちゃダメか?」

    ドラゴン「グルルル」訳『生意気な人間だな』

    村人達「……」ザワザワ

    勇者「勇者、周りの者たちが怪しがっています」ヒソヒソ

    勇者「また今度来るな」スタスタ

    村長「お前等何してる!!」

    勇者「ドラゴン見てただけじゃん」

    村長「ドラゴンと会話しているように見えたが」

    勇者「話しかけちゃダメなのか?」

    村長「ドラゴンに話しかけても無駄だぞ、こいつ等は人間の言葉などわからん」

    勇者「そんなもんわかんねぇだろ」

    村長「お前は頭が悪いみたいだな、こいつ等は人間の言葉もわからん劣等種だぞ」ニヤニヤ

    勇者「お前の頭も十分劣等種だぞ」

    大臣「これからさらに劣等種になりますね」

    村長「お前達は俺を怒らせたいのか!?」

    127 = 125 :

    勇者「お前がムカつく事言うから言い返してるだけだ」

    勇者「私は純粋に楽しんでいます」

    村長「お前等……」

    勇者「こんな変人と一緒にされたくないな」

    勇者「あなたも大概ですよ」

    勇者「でもお前よりマシだ」

    村長「そんな話はどうでもいい!!」

    勇者「あ、そう」

    村長「とにかく余計な事は絶対するな、わかったな」

    勇者「わかったよ」スタスタ

    勇者「わかっています」スタスタ

    勇者「また来るからな」スタスタ

    村長「来るな!!」

    勇者「さて……これからどうする?」スタスタ

    勇者「とりあえず日が暮れる前に宿を見つけませんか?」スタスタ

    勇者「ああ、そうだな」スタスタ

    勇者「いくら持ってる?」スタスタ

    勇者「私ですか?」スタスタ

    勇者「お前に決まってんだろ」

    128 = 125 :

    勇者「私は無一文です」

    勇者「……マジで?」

    勇者「でなければ借金などしていません」

    勇者「あなたはいくら持っているんですか?」

    勇者「300ゴールドだけど」

    勇者「……安い宿なら何とかなります」

    勇者「び、貧乏旅ってわかってたし仕方ないよな」

    勇者「そうですね」

    勇者「……」

    勇者「……」

    勇者「……と、とにかく宿を探すぞ」

    勇者「勇者、あそこはどうですか?」

    勇者「……あそこ?」


    それは廃墟一歩手前のオンボロの宿屋だった


    勇者「俺は慣れてるからいいよ、別に野宿でも大丈夫だし」

    勇者「女勇者はいいのか?」

    勇者「大丈夫です、私も野宿でも大丈夫な人間ですから」

    勇者「あ、そう言えばそうだったな」

    勇者「はい」

    129 = 125 :

    勇者「つーかやってるのか?」スタスタ

    勇者「私に聞かないでください」スタスタ

    勇者「お前があそこがいいって言ったんだろ」スタスタ

    勇者「こんにちは」ガチャ

    おじいさん「いらっしゃい」

    勇者「……ここって宿屋だよな?」

    おじいさん「そうだよ」

    勇者「泊まっていい?」

    おじいさん「一部屋50ゴールドだよ」

    勇者「人数じゃなくて?」

    おじいさん「ああ、何人でも一部屋なら50ゴールドだ」

    勇者「一部屋で」

    おじいさん「はいよ」

    勇者「勝手に決めるなよ!!」

    勇者「ただでさえ貧乏旅なんです、安い方がいいでしょう」

    勇者「お前と同じ部屋って……嫌なんだけど……」

    勇者「それはこっちの台詞です」

    130 = 125 :

    おじいさん「106号室だよ、これ鍵ね、場所はそこの地図に書いてあるから」コトッ

    勇者「じいさん、この地図ボロボロ過ぎて読めないんだけど」

    おじいさん「心の目で見てくれ」

    勇者「それで見れたら苦労しねぇよ」

    勇者「歩きまわれば見つかります」スタスタ

    勇者「お前って案外雑だな」タタタッ

    勇者「ここですね」ガチャッ

    勇者「思ったより綺麗だな」

    勇者「二段ベッドですか……勇者はどちらがいいですか?」

    勇者「下でいいよ、上行くの面倒臭いし」

    勇者「そんなんだからダメなんです」

    勇者「どこかにダメな部分があったか!?」

    勇者「全てです」

    勇者「じゃあ俺が上で寝ればいいんだろ」

    勇者「嫌です、私が上で寝ます」

    勇者「どっちだよ」

    勇者「あなたは下でいいと言ったじゃないですか」

    勇者「お前言ってる事めちゃくちゃだぞ」

    勇者「自分でもわかっています」

    勇者「なら言うんじゃねぇ」

    勇者「とにかく荷物の整理だ」ガサゴソ

    勇者「勇者、少し出掛けてきていいですか?」

    勇者「いってらっしゃい」ガサゴソ

    勇者「行ってきます」ガチャ

    131 = 125 :

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    夜  宿屋


    勇者「ただいま戻りました」ガチャ

    勇者「おかえり」

    勇者「いろいろ調べてきました」

    勇者「だと思った」

    勇者「なあ、お前はあのハゲをどう思う?」

    勇者「てっぺんハゲはやっぱりかっこ悪いですね」

    勇者「俺もそう思うけど今はそっちじゃない」

    勇者「何かしら裏がありそうですね」

    勇者「やっぱりそうか」

    勇者「後あの弓兵の事ですが、やはり雇われていたようですね」

    勇者「ドラゴンを捕まえるように命令したのは誰だったんだ?」

    勇者「ハゲのようです」

    勇者「って事やっぱりあのハゲが何かしら絡んでるって事?」

    勇者「当たり前です、それがわからないなんてあなたはバカですか?」

    勇者「すぐバカって言うよな」

    勇者「バカじゃないんですか?」

    勇者「もういい、お前面倒臭ぇ」

    132 = 125 :

    勇者「俺もう一回ドラゴンの所行ってくるわ」

    勇者「わかってます」

    勇者「多分遅くなるから先寝てていいからぞ」

    勇者「言っておきますが変な事があったらあなたを肉塊にしますからね」

    勇者「そんな気は無い」

    勇者「お前の胸がもう少し大きかったらその可能性があったけどな」

    勇者「そうですか、あなたは今すぐに肉塊になりたいようですね」チャキッ

    勇者「じゃあ行ってくる」タタタッ

    勇者「……」タタタッ

    勇者「まだハゲいるじゃん……」タタタッ

    勇者「こんばんは」

    村長「何の用だ!!」

    133 = 125 :

    勇者「ドラゴンを見に来ただけだよ」

    村長「……怪しいな」

    勇者「怪しいならボディチェックしたら?」

    村長「得物を置いていけ」

    勇者「はい」ポイッ

    勇者「これで文句ないだろ」

    村長「おい、得物を渡せ!!」

    勇者「お前の持ってるのが俺の得物だ」

    村長「ヒノキの棒が!?」

    勇者「俺がそれ以外に武器を持ってるとでも?」

    村長「……」

    村長「余計な事はするなよ」

    勇者「はいはい」ガチャ

    134 = 125 :

    注※ドラゴンはドラゴンの言葉でしゃべっていますが読みやすいようにで訳した状態で表記します。


    勇者「おい、起きてるか?」

    ドラゴン「ふん、また来たのか、人間」

    勇者「また来るって言っただろ」ドサッ

    勇者「それにどうせ暇なんだろ」

    ドラゴン「オレに話しかけてきたのは貴様が初めてだ」

    勇者「他の奴らはお前の言葉なんかわかんないからな」

    ドラゴン「そうだな、オレは貴様等の言葉がわかるのにな……」

    勇者「皮肉か?」

    ドラゴン「かもな」

    勇者「そうだ、肉持ってきたけど食うか?」

    ドラゴン「いいのか?」

    勇者「お前にあげるために持ってきたんだ」スッ

    ドラゴン「悪いな」モグモグ

    勇者「聞きたいんだけどお前は何をして捕まったの?」

    ドラゴン「オレは気高き竜だ、人間など相手にはしない、人間共が勝手に騒いでいるだけだ」

    勇者「お前はいいのか?」

    ドラゴン「ん?」

    135 = 125 :

    勇者「そんな訳のわからない理由で殺されていいのか?」

    ドラゴン「殺されたく無いに決まってる」

    ドラゴン「だが、オレがどれだけ足掻いてもここから逃げるのは不可能だ」

    ドラゴン「逃げるのが不可能だとわかっているのに足掻くのは無様だろ?」

    勇者「生きるために足掻くのを無様だとは俺は思わねぇ」

    ドラゴン「それは貴様が人間だからだ」

    ドラゴン「オレは気高きドラゴン、無様に生きるよりも美しく散る事に美学を感じる生き物だ」

    勇者「気高きドラゴンね……」

    ドラゴン「貴様も物好きだな、オレの話し相手をするなんて」

    勇者「変人だからな」

    ドラゴン「面白いな、貴様は」

    勇者「俺もお前と話してると楽しいよ」

    ドラゴン「ふん、お世辞か」

    勇者「お世辞とかじゃなく本心だよ」

    ドラゴン「……」

    勇者「どうした?」

    ドラゴン「……何でも無い」

    勇者「そうか」

    勇者「……」

    ドラゴン「……」

    勇者(何この沈黙……)

    136 = 125 :

    ドラゴン「……貴様の横にいた女は何者だ?」

    勇者「あいつはただの旅の仲間、それ以上でもそれ以下でもない」

    ドラゴン「二人旅か?」

    勇者「ああ、仲間募集中だ」

    ドラゴン「改めて聞こう、貴様の目的は何なんだ?」

    勇者「目的なんてねぇよ」

    勇者「ただ俺ドラゴンが好きなんだ、かっこいいし」

    勇者「特にお前は好きだな、かっこいいし話が合うし」

    ドラゴン「……そうか」

    勇者「お前は俺の事どう思う?」

    ドラゴン「そうだな……今の所は変わった奴だな」

    勇者「今の所は?」

    ドラゴン「印象なんてものは一秒ごとに変わるものだろう」

    勇者「まあ、そうだな」

    ドラゴン「やはり貴様は変人だ」

    勇者「自覚してるよ」

    勇者「それにあんたも十分変だ」

    137 = 125 :

    ドラゴン「ふふ、死ぬ前に貴様のような人間に会えてよかった」

    勇者「俺もだ、お前に会えて良かった」

    ドラゴン「ふふ、かわいい奴だな、貴様は」

    勇者「そんな事言ってくれるなんてうれしいねぇ」

    ドラゴン「ここで会ったついでだ、オレの願いをきいてくれるか?」

    勇者「ここから出してほしいのか?」

    ドラゴン「バカ言うな、俺は気高き竜だ、そんな見苦しい事を願ったりしない」

    勇者「そうか」

    ドラゴン「俺の介錯を頼みたい」

    勇者「俺にか?」

    ドラゴン「ああ、死ぬのなら名も無き村人に殺されるよりも貴様に殺されたい」

    勇者「……嫌だね」

    ドラゴン「……そうか、残ね―――――」

    勇者「俺はお前をここから逃がす気でいるからな」

    ドラゴン「何?」

    勇者「お前が無実だとわかった以上、お前を見殺しには出来ないから」

    勇者「俺がここから出してやるよ」

    ドラゴン「貴様正気か?」

    勇者「ああ正気だ」

    勇者「じゃあまた明日来るわ」スタスタ

    ドラゴン「阿呆が……」

    138 = 125 :

    今日はここまでです。

    結構まじめにいちゃラブ? を書いてみました。ドラゴンと。

    予想ですがあまりにも具体的だとちょっとあれですが、アバウトな予想なら好き勝手にやってくれて結構です

    139 :

    ドラゴンとのイチャラブ来るとは想定外すぎるww
    おつ

    140 :

    女勇者はデレるのだろうか

    141 :

    一瞬弓兵が仲間になりそうな感じだったが安心した。
    乙。勇者の変人ハーレム希望。

    142 :

    ドラゴンはニンゲンになれて女竜騎士でパーティにさんか

    143 :

    >>126に女大臣が出てきた件について

    144 :

    なにもおかしくないだろ

    145 :

    ここまで読んで確信した。
    シリアスな展開なのに変人だらけなのは>>1が変人だからか。
    ドラゴンといちゃラブとかデッドボールぎりぎりのインハイで思わずのけぞったわ

    146 :

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~


    檻の建物の外


    村長「また話しかけてたみたいだな」

    勇者「文句ある?」

    村長「返事はあったか?」ニヤニヤ

    勇者「あんたこそ育毛シャンプーの効果はあったか?」ニヤニヤ

    村長「お前……いい加減にしろよ」ギロッ

    勇者「ただのジョークだろ、イライラするとハゲるぞ」

    村長「もうハゲとるわ!!」

    勇者「自覚はあるんだな」

    村長「当たり前だ」

    勇者「それよりドラゴンの処刑はいつだ?」

    村長「明日の夜だ」

    勇者「絶対だな」

    村長「なんで予定を変える必要があるんだ」

    勇者「女勇者が見たいらしいんだ、早めたりすんなよ」

    村長「安心しろ、俺は予定はきちんと守る」

    勇者「わかった」スタスタ

    勇者「……一旦帰るか」スタスタ

    147 = 146 :

    勇者(その前に弓兵に会っておいた方がいいな)タタタッ

    勇者「えっと……酒場は……」キョロキョロ

    勇者「あっちか」タタタッ

    勇者「こんばんは」ガチャ

    マスター「いらっしゃい」

    勇者「弓兵いるか?」

    弓兵「ん、俺に用か?」

    勇者「ああ、ドラゴンについて聞きたいんだ」

    弓兵「ドラゴン?」

    勇者「あんたが仕留めたんだろ?」

    弓兵「ああ、俺が仕留めたんだ、と言っても微妙だけどな」

    勇者(微妙?)

    勇者「どうやって仕留めたのか教えてくれないか?」

    弓兵「どうやってって……別に普通に仕留めただけだぞ」

    勇者「ドラゴンは強かったか?」

    弓兵「いや、村長の命令で寝込みを襲ったからそこまで大変ではなかったよ」

    148 = 146 :

    勇者「あのハゲか……」

    弓兵「俺としては少し不満だったがな」

    勇者「あんたは正々堂々戦いたかったのか?」

    弓兵「そりゃそうだろ」

    弓兵「まあ、雇い主に逆らう訳にはいかんからな」

    勇者「そういうもんか?」

    弓兵「そういうもんだ」

    弓兵「お前も飲むか?」ゴクゴク

    勇者「俺未成年だから飲めない」

    弓兵「そうか、残念だな」

    勇者「あんた名前は?」

    弓兵「弓兵だ、呼び捨てでいいぞ」

    勇者「あ、ああ」

    弓兵「しかしあのドラゴンも気の毒だな、無実の罪で殺されるなんて」

    勇者「……あんたわかっててこの仕事を引き受けたのか?」

    弓兵「ああ、俺達のいた町ではドラゴンは守り神だったからな」

    弓兵「ドラゴンの事は詳しいんだ」

    149 = 146 :

    勇者「ドラゴンが理由が無い限り人間を襲わないってのも知ってたのか?」

    弓兵「当たり前だ」

    勇者「ならなんでこの仕事を引き受けたんだ?」

    弓兵「報酬が良かったんでな」

    勇者「やっぱり世の中金って事か……」

    弓兵「そう言う事だ」

    弓兵「金を得るためなら仕事は選べないんだ」

    勇者「その言葉をろくに働いてない人間に聞かせてやりたいね、特にダメおやじ」

    弓兵「見損なったか?」

    勇者「いや、あんたの言い分もわかるよ」

    勇者「理想で飯は食えないからな」

    弓兵「苦労したんだな」

    勇者「それなりにはしてる」

    勇者「そろそろ帰るよ、いろいろありがとな」

    弓兵「ああ、またいつでも来い」

    勇者「そうする」ガチャ

    勇者「つーかマジでそさっきの言葉をダメおやじと母親に聞かせてやりてぇよ」スタスタ

    150 = 146 :

    勇者「……」スタスタ

    勇者「ドラゴンにはあんな事言ったけどどうすればいいんだろうな……」スタスタ

    勇者「使えそうな道具とか無かったっけ?」ガサゴソ

    勇者「スライムの笛……」

    勇者「……まあ使ってみて損は無いよな」

    ピーーーー

    勇者「……」

    勇者「……」

    スライム「お呼びですか?」ピョンピョン

    勇者「ああ、俺が呼んだんだけど、お前しゃべれるの?」

    スライム「はい、スライムはしゃべれる個体が多いんですよ」

    勇者「意外だな」

    スライム「よく言われます」

    勇者「なあ、この笛って何回でも使えるのか?」

    スライム「はい、何回使ってもらって結構ですよ」

    勇者「女勇者の土下座決定だな」

    勇者「これ持ってる奴って何に使ってるんだ?」

    スライム「いろいろです、簡単な手伝いから性処理までいろいろな事を頼まれます」

    勇者「明らかに間違った使い方してる奴がいるのは気のせい?」

    スライム「多分気のせいです」


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