元スレ勇者「パーティーにまともな奴がいない……」
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301 = 300 :
勇者「でも行かないと武器が買えないだろ」
女勇者「少なくともイケメンや魔王に勝てる武器は手に入らないでしょうね」
勇者「じゃあ行くしかないだろ」
女勇者「そうですね、私も少し剣を見たいですし」
ドラゴン「じゃあ出発だ」
勇者「そう言えばお前等の武器ってなんだ?」スタスタ
ドラゴン「オレは拳だ」スタスタ
暗殺者「基本はナイフだが使おうと思えば何でも武器にする」スタスタ
勇者「じゃあ武器はいらないのか?」スタスタ
ドラゴン・暗殺者「ああ」スタスタ
女勇者「野宿ってどうやるんですかね」スタスタ
勇者「なんだかんだで初めてだもんな」スタスタ
ドラゴン「適当な場所で寝ればいいだろ」スタスタ
勇者「野宿ってそんなもんなのか?」スタスタ
女勇者「違います」スタスタ
勇者「じゃあどういうのなんだ?」スタスタ
暗殺者「基本はテントを張ってそこで寝るもんだ」スタスタ
勇者「テントなんて持ってねぇよ」スタスタ
302 = 300 :
ドラゴン「じゃあ地面に寝るんだな」スタスタ
女勇者「簡易テントとか持ってないんですか?」スタスタ
暗殺者「一応あるけど」スタスタ
女勇者「けどなんですか?」スタスタ
暗殺者「三人用しか持ってない」スタスタ
女勇者「一人が見張りをすればいいでしょう」スタスタ
勇者「……俺の事?」スタスタ
女勇者「男でしょう」スタスタ
勇者「そう言うと思った」スタスタ
女勇者「嫌なんですか?」スタスタ
勇者「俺だってテントで寝てぇ」スタスタ
女勇者「あなたとドラゴンが一緒のテントで寝たら大惨事になるじゃないですか」スタスタ
勇者「なるか!!」スタスタ
ドラゴン「続きは今日にするか?」スタスタ
勇者「今度こそ女勇者に殺される」スタスタ
303 = 300 :
暗殺者「俺は気にしない」スタスタ
女勇者「そう言えばあなたの体はどうなっているんですか?」スタスタ
暗殺者「一応ベースは女の体だ」スタスタ
暗殺者「ちゃんとあそこもある」スタスタ
勇者「じゃあところどころ吸血鬼とかゾンビみたいな部分があるのか?」スタスタ
暗殺者「見た目にはそこまで変わった部分は無いが体の中はだいぶ変わってるらしい」スタスタ
勇者「心臓が二つあるとか?」スタスタ
暗殺者「さすがにそこまでは変化しない」スタスタ
暗殺者「自然治癒能力が上がってたり、基礎能力が高かったりするくらいかな」スタスタ
勇者「それでも十分凄いじゃん」スタスタ
暗殺者「まあな」スタスタ
勇者「お前のそのしゃべり方と顔も合体のせいか?」スタスタ
暗殺者「ああ、ゾンビも吸血鬼も男だったらしいからその影響だと思う」スタスタ
暗殺者「昔は女の子の顔してたし、話し方も女の子だったし、あと胸ももう少し大きかったし」スタスタ
女勇者「……」スタスタ
勇者「なのに負けてるんだな、お前」スタスタ
女勇者「死にたいようですね」スタスタ
勇者「冗談だよ、冗談」スタスタ
304 = 300 :
ドラゴン「勇者、手を出せ」
勇者「え?」
ドラゴン「いいから早く」
勇者「あ、ああ」スッ
ドラゴン「よしよし」
ドラゴンは勇者の手を掴むと自分の胸に押しつける。
勇者「は?」
女勇者「……」
暗殺者「大胆だな」
ドラゴン「人間の男はこんな脂肪の塊が好きなのか?」
勇者「そりゃあ、まあ……」モミモミ
ドラゴン「何がいいんだ?」
勇者「柔らかさ……とかかな」モミモミ
女勇者「勇者、それ以上揉み続けるなら殺しますよ」
勇者「言うと思った」
ドラゴン「なんだ、もういいのか?」
勇者「女の子がそんなに簡単に胸を触らせちゃいけません」
305 = 300 :
ドラゴン「貴様だから触らせてるんだ」
勇者「……なんかすまん」
暗殺者「俺達どっか行ってこようか?」
勇者「行かなくていい!!」
女勇者「やるなら夜やりなさい」
勇者「いいの?」
女勇者の蹴りが勇者の顔面に直撃する。
女勇者「殺しますよ?」
勇者「じょ、冗談じゃん……」
女勇者「黙りなさい」
暗殺者「嫉妬?」
女勇者「あなたも肉塊になりたいんですか?」
暗殺者「遠慮いたします」
勇者「あれ、洞窟?」
女勇者「見ればわかります、バカなんですか?」
勇者「怒ってる、怒ってるよね?」
女勇者「知りません」
306 = 300 :
暗殺者「今日はここで野宿だ」
ドラゴン「まだ明るいぞ」
暗殺者「洞窟ってのは敵だらけだからしっかり休んでから行った方が安全だ」
勇者「じゃあ今日はここで野宿」
女勇者「テントの張り方を教えてもらえますか?」
暗殺者「いいぞ」
勇者「じゃあ俺は飯探しに行ってくる」スタスタ
ドラゴン「オレも―――――」
女勇者「あなたはこっちの手伝いです」
ドラゴン「オレは留守番か!?」
女勇者「いいから手伝いなさい」
ドラゴン「わかった」
307 = 300 :
~~~~~~~~~~~~~~
夜
勇者「木の実と肉しか取れなかった」スタスタ
暗殺者「肉が取れただけでも十分だ」
勇者「でもあんまり取れなかった」
ドラゴン「最悪タンパク質は貴様から取ればいいし、大丈夫だ」
勇者「それはどっちの意味で?」
ドラゴン「貴様の好きな方でいいぞ」
勇者「どっちも嫌だ」
女勇者「誰が調理するんですか?」
勇者「肉は焼けばいいとして、木の実はどうしよう……」
暗殺者「生で食える奴だからそのまま食えばいい」
勇者「じゃあ火をおこすだけでいいのか」
ドラゴン「オレがやってやろうか?」
勇者「ああ、頼む」
ドラゴンはいくを軽く吸うと、小さな炎の球を吐きだす。
女勇者「凄いですね」
ドラゴン「当たり前だ、オレは竜だぞ」
勇者「たまに忘れそうになるけど竜なんだよな、お前」
ドラゴン「今は一応人間だけどな、あははははは!!」
勇者「火を吐ける人間が何処にいる」
308 = 300 :
勇者「焼けたぞ」
暗殺者「そうだな」モグモグ
女勇者「そうですね」モグモグ
勇者「もう食ってるし」
ドラゴン「勇者も食えよ」モグモグ
勇者「はいはい」モグモグ
女勇者「勇者、ドラゴン、近くに湖があるのでそこで体洗って下さいね」
ドラゴン「じゃあ一緒に行くか」
女勇者「誰が一緒に行けといいました!?」
ドラゴン「いいじゃん、ぶーぶー」
女勇者「黙りなさい」
勇者「つーか、なんで俺達だけ?」
暗殺者「俺が見つけてきたんだ、知ってて当然だろ」
勇者「あ、そうなんだ」
女勇者「あなたから行ってきてください」
勇者「俺?」
女勇者「あなたからです」
勇者「はいはい」スタスタ
309 = 300 :
今日はここまで。
そう言えばまだモンスターと戦ってなくね?
310 :
モンスターと仲良くなりそうだしな勇者
むしろ人間を敵に回しそうな性格
312 :
者「寒い地域じゃなくて良かった、マジで良かった」ヌギヌギ
勇者「とうっ!!」ドボン
勇者「気持ちいい」
勇者「いいな、ちょっと泳いでみるか」バチャバチャ
勇者「はは、たまにはこうやって遊ぶのもいいな」バチャバチャ
勇者(もし誰かが見てたら恥かしくて死ぬな、これ)
暗殺者「楽しそうだな」
勇者「やっぱり見られてた!!」
勇者「つーか何見てんだ、今何も着てねぇぞ!!」
暗殺者「大丈夫、俺は男の体に何かを感じたりなんかしない」
勇者「それでも恥ずかしいだろ」
暗殺者「誰が?」
勇者「俺がだよ!!」
暗殺者「同性に裸を見られても何も感じんだろ」
勇者「じゃあお前は俺にも女勇者にも裸を見られても大丈夫なのか!?」
暗殺者「ああ」
勇者「ああ、じゃねぇよ」
暗殺者「でも、男でも女でもあるってのは不便なんだ」
313 = 312 :
>>312 最初は勇者です。 初っ端からミスった
314 = 312 :
勇者「知らねぇよ、何がだよ」
暗殺者「俺は男にも女にも性的興奮を感じられない」
勇者「……俺はそれを聞いてどう反応すればいいんだ?」
暗殺者「それは自分で考えてくれ」
勇者「それじゃあお前恋愛とかできなくね?」
暗殺者「出来ないさ」
勇者「それでいいのか?」
暗殺者「俺にとってはこれが普通だ」
暗殺者「お前はドラゴンと結婚するんだろ」
勇者「何がどうなってそうなる!!」
暗殺者「じゃあドラゴンの事は何とも思ってない?」
勇者「いや、多分惹かれてる……と思う」
暗殺者「……俺にはその惹かれている、と言うのがわからん」
勇者「そんなの俺だってわかんねぇよ」
勇者「用は直感だよ、直感」
暗殺者「よくわからん」
勇者「無理にわからなくてもいいだろ、そのうちわかれば大丈夫だ」
315 = 312 :
勇者「なあ、タオルって持ってる?」
暗殺者「持ってない」
勇者「ああ、そう……」
勇者「ちょっと濡れてもいいから着るか」
暗殺者「それがいい」
勇者「あんまり見ないでくれる?」
暗殺者「ああ、すまんすまん」
勇者「終わったぞ」スタスタ
女勇者「わかりました」
女勇者「ドラゴン、暗殺者、行きますよ」
ドラゴン「ああ」
暗殺者「俺も?」
女勇者「はい」
ドラゴン「裸の付き合いってやつだ」スタスタ
暗殺者「なんか違うと思う」スタスタ
女勇者「覗いたら殺しますからね」スタスタ
勇者「はいはい」
316 = 312 :
ドラゴン「勇者も一緒に入ればよかったのに」ヌギヌギ
女勇者「相変わらず勇者の事が大好きなんですね」ヌギヌギ
ドラゴン「夫婦だからな」ヌギヌギ
暗殺者「仲良しだしな」ヌギヌギ
ドラゴン「だろ」ヌギヌギ
女勇者「暗殺者、あなたって胸が小さくなったんですよね?」
暗殺者「ああ、実際小さいだろ」
女勇者「……」
暗殺者「どうした?」
女勇者「何でも無いです、本当に何でも無いです……」
ドラゴン「人間胸だけじゃないぞ」チャプチャプ
暗殺者「胸が小さくても心が大きければ大丈夫」チャポン
女勇者「そうですね……」
女勇者(悪意は無いんですね……)
ドラゴン「こんな物の大きさで印象が変わるなんて不思議だな、人間は」
暗殺者「胸は男のロマンだから」
ドラゴン「よくわからんな」
暗殺者「俺もよくわからん」
女勇者「何の話ですか!!」
ドラゴン「胸の話だ」
317 = 312 :
女勇者「どうでもいいです」
ドラゴン「お前は胸のロマンがわかるのか?」
女勇者「わかる気も無いです」
ドラゴン「やっぱり勇者に聞いた方がいいか」
暗殺者「そうだな」
女勇者「聞かなくてもいいです!!」
暗殺者「俺も聞かない方がいいと思う」
ドラゴン「そうか……」
女勇者「あれは実は変態ですから」
暗殺者「人畜無害に見えるけどな」
女勇者「あれほど人畜有害な人間はいません」
暗殺者「そうか?」
女勇者「あんなのが人畜無害だったら全人類が人畜無害です」
暗殺者「そうかもな」
ドラゴン「それがあいつの良さだ、あははははは!!」
勇者「何だろう、凄くバカにされてる気がする……」
318 = 312 :
~~~~~~~~~~~~~~~~
次の日 朝
勇者「……」スヤスヤ
女勇者「起きなさい」
勇者の蹴りが勇者の腹に直撃する
勇者「ちょ……お前……」
ドラゴン「いい朝だ」
暗殺者「気持ちいいな」
女勇者「勇者、さっさと行きますよ」
勇者「死ね……」
女勇者「あなたが死になさい」
暗殺者「いいから行くぞ」
勇者「はいはい」スタスタ
ドラゴン「勇者は後ろで待機してろ」スタスタ
勇者「は?」
女勇者「剣を持っていない人が前衛に居られても困るだけです」スタスタ
暗殺者「黙って後ろで待ってろ」スタスタ
319 = 312 :
勇者「女の後ろに隠れるって……かっこ悪!!」
女勇者「いいから黙って歩きなさい」スタスタ
勇者「男の気持ちも考えろ、死ね」
暗殺者「反抗期か?」
勇者「誰がだ!!」
暗殺者「お前だ」
ドラゴン「オレがしっかり教育しとく、安心しろ」
勇者「お前は俺のなんだ」
ドラゴン「妻だ」
勇者「やかましい、死ね」
女勇者「マイブームなんですか?」
暗殺者「言いマイブームではないな」
勇者「うるせぇ!!」
ガサガサ
勇者「なんだ?」
女勇者「静かにしなさい」
勇者「……敵か?」
暗殺者「そうみたいだ」
オーク「ブヒヒヒ」
勇者「オークか……」
321 = 312 :
※裏話 (これは設定したけれども多分使う必要のない設定を紹介する場所です。そのため飛ばしてもらってもかまいません)
勇者の職歴
7歳 スライム運送でアルバイトを始める……勇者がちょっと話していた職場。
スライムの旦那が経営している。
9歳 賭場での手伝い開始……悪いお客を追い払う仕事を開始。
基本的に話し合いで解決していた。
11歳 賭場での手伝い終了……用心棒として顔が知れてしまったため自分から辞めた。
11歳 逃がし屋の手伝いを開始……町からいろいろな事情で逃亡する人間の手伝いを開始する。
仕事が少ない割に日給がいいので、勇者としてはありがたかった。
14歳 スライム運送で正社員に昇格……スライム運送の主任に昇格。
時給制から日給制になった。
16歳 用心棒の仕事を開始……不定期に仕事を引き受けていた。基本的にチンピラのボコるか、チンピラの抗争の手伝い。
ここで勇者の剣術がみがかれた。
16歳 逃がし屋の仕事を辞める……これも顔が知れてしまったため自分から辞めた。
17歳 スライム運送でチーフに昇格……実質スライム運送ナンバー2に昇格
18歳 勇者になる……王様に頼まれしぶしぶやることになる。
ちなみにスライム運送には就職したままである。
322 = 312 :
今日はここまで。
ちなみに他にもどうでもいい設定があるので需要があったら紹介します
324 :
勇者顔広そうだなw
325 :
勇者9歳の頃はちゃんと話し合いができてたのにな・・・
326 :
先頭にいたオークの首が吹き飛ぶ。
それは文字通り一瞬だった。
オークの首を持った暗殺者がオークの群れの中心に立っていた。
「楽しませてくれよ」
オークの首を地面に投げ捨て、また笑う。
残忍で凶悪な笑顔だ。
暗殺者は襲いかかってくるオークを一瞥すると地面の小石を拾う。
彼女はそれをオークに投げつけた。
普通なら目潰し程度の効果しかない小石だが、彼女が使えばそれは凶器に変化する。
小石は吸い込まれるようにオークの右目に直撃した。
肉に当たった時とは違う、水分を含んだグチャ、という音が響く。
オークの右目からは大量の血が溢れ出ていた。
痛みのせいかオークが大声で喚いている。
うるさい。
暗殺者のナイフが一瞬で右目の無いオークの首をはねる。
鮮やかな赤色の液体が暗殺者のローブを濡らす。
「やっぱ弱いよ、お前等」
暗殺者はつまらなさそうに呟くと手に付いた血をぺろりと舐める。
327 = 326 :
暗殺者の強さがわかったのか、オーク達の一部が逃げだし始めていた。
背を向け逃げて行くオーク達を暗殺者はつまらなそうな目で見る。
逃がす気は無い。
暗殺者の手にはいつの間にか数十本のナイフが握られている。
逃げるオーク達の背中に向かって無数十本のナイフを投げつける。
ナイフは一本も外れる事無くオーク達の背中に刺さる。
オークは音を立てて地面に倒れた。
猛毒の塗ってあるナイフだ、多分即死だろう。
相変わらず弱い。
暗殺者は舌打ちをしながら地面に落ちたオークの首を蹴る。
隣でもオークの倒れる音がする。
横を見ると女勇者が血まみれで立っていた。
周りは血の海になっており、肉塊と化したオークの死骸がごろごろ転がっている。
「終わったか?」
「はい、こんなのに負けると思いますか?」
相変わらずの口調だ。
暗殺者は手に付いた血を舐めながら笑う。
女勇者は剣を軽く振り、剣に付いた血を掃った。
彼女はもう戦う気も無いようだ。
逃げて行くオークを横目で見ながら、彼女は剣を鞘にしまう。
「いいのか、殺さなくて?」
「私はあなたと違って戦闘狂ではありません」
328 = 326 :
暗殺者はその言葉に苦笑いを浮かべる。
どうやら全部見抜かれているようだ。
バレたからと言ってどうという事は無いのだが。
暗殺者は手に握っている数本のナイフを懐にしまい、周りを見る。
オークの姿は無く、洞窟は静まり返っている。
「そうだ、ドラゴンは―――――」
言いきる前にドラゴンは見つかった。
ドラゴンは呑気に立っていた。
彼女の近くの壁にはオークが突き刺さっている。
なんと言うか、異様な光景だった。
どうやったかは容易に想像がつくが、実際に出来るのは彼女だけだろう。
「終わりましたね」
「そうだな」
つまらなそうにそう言うと暗殺者はオークの背中に刺さったナイフを回収し始めた。
329 = 326 :
女勇者「自分で回収するんですか?」
暗殺者「当たり前だ、毎回ナイフを投げっ放しにしたら金がいくらあっても足りない」
女勇者「まあ、そうですね」
ドラゴン「弱いな」
暗殺者「やっぱり強くないと面白くないよな」
勇者「終わった?」
ドラゴン「何処にいたんだ?」
勇者「お前等が戦うって言ったから岩陰で隠れてたんだよ」
女勇者「それにしてもずいぶん派手にやりましたね」
ドラゴン「そうか?」
女勇者「頭から壁に突き刺さっているのは派手以外の何なんですか」
暗殺者「いいからさっさと行くぞ、あいつ等がまた来ても迷惑だ」スタスタ
勇者「そうだな」スタスタ
女勇者「この洞窟を抜けたら武器の町ですね」スタスタ
暗殺者「そうだ、一つ聞きたいんだが金はあるよな?」スタスタ
女勇者「……多少は」スタスタ
勇者「剣って一本いくらぐらいなの?」スタスタ
330 = 326 :
女勇者「いいのを買おうとすれば4000ゴールドほどですね」スタスタ
勇者「全然足りなくね?」スタスタ
女勇者「はい」スタスタ
勇者「いや、はいじゃなくて……」スタスタ
女勇者「なんですか?」スタスタ
勇者「買えねぇじゃん!!」スタスタ
暗殺者「おいおい、大丈夫か?」スタスタ
ドラゴン「いつもの事だ、何とかなるだろ」スタスタ
女勇者「そうですね」スタスタ
勇者「お金は何ともならねぇだろ」スタスタ
暗殺者「そろそろだぞ」スタスタ
ドラゴン「勇者、腹減った」スタスタ
勇者「じゃあまずは飯を食うか」スタスタ
ドラゴン「肉がいいぞ」スタスタ
勇者「はいはい」スタスタ
女勇者「よそでイチャイチャしてきなさい」スタスタ
勇者「絶対言うと思った」スタスタ
331 = 326 :
~~~~~~~~~~~~~~~~~
武器の町
勇者「本当に武器屋ばっかだな」スタスタ
女勇者「だから武器の町だと言ったじゃないですか」スタスタ
ドラゴン「まずはどうする?」スタスタ
暗殺者「酒場で情報集めのついでに昼飯食うか」スタスタ
勇者・ドラゴン「賛成」スタスタ
女勇者「言っておきますが情報収集のついでに昼食ですからね」スタスタ
ドラゴン「わかってるわかってる」スタスタ
勇者「安くていい剣売ってないかな」スタスタ
暗殺者「叶わぬ願い」スタスタ
勇者「言ってみただけだ」スタスタ
女勇者「最悪ヒノキの棒でいいんじゃないですか?」スタスタ
勇者「最悪な、最悪」スタスタ
暗殺者「奮発していいヒノキの棒でも買うか?」スタスタ
女勇者「凄いヒノキの棒を買ってもいいですよ」スタスタ
勇者「結局ヒノキの棒じゃねぇか!!」スタスタ
ドラゴン「いっそ素手でどうだ?」スタスタ
勇者「絶対嫌だ」スタスタ
332 = 326 :
勇者「こんにちは」ガチャ
マスター「ちーす」
女勇者「若いマスターですね」
マスター「君いくつ、かわいいね」
勇者「ペチャパイだけどな」
女勇者「殺してあげましょうか?」
勇者「すいません」
勇者「なあ、安くていい剣売ってる場所ってあるか?」
マスター「あ、そんなの知るか」
女勇者「知らないんですか?」
マスター「知ってるよ、教えてあげよっか?」ニコニコ
勇者「死ね、すみやかに死ね」
マスター「男に興味は無い」
暗殺者「性格悪いな、お前」
マスター「黙れ」
勇者「こいつ女だぞ」
マスター「先言ってくれよ」ニコニコ
勇者「うぜぇ」
333 = 326 :
ドラゴン「飯あるか?」
マスター「こんなとこで食うより、俺と一緒にどっか食いに行かない?」
勇者「そんなんでいいのかよ」
マスター「ここは俺の店だ」
勇者「うわぁ……」
ドラゴン「一人で食ってろ」
勇者「かわいそうだな、俺が一緒に行ってやろうか、もちろんお前の奢りで」ニヤニヤ
マスター「うるさい!!」
勇者「かわいそうだな、ふられちゃって、本当にかわいそうだよ」ニヤニヤ
マスター「性格悪いな、テメェ」
勇者「お互い様だ」
ドラゴン「これがナンパなのか?」
勇者「ああ、ああいうバカは無視するのが一番いいから覚えとけ」
マスター「誰がバカだ!!」
勇者「俺の目の前にいる酒場のマスター」
334 = 326 :
父親「酒あるかい?」ガチャ
マスター「いらっしゃい、あるよ」イライラ
マスター「さっさとどっか行けよ」
勇者「一緒に飯行くんじゃなかったのか?」ニヤニヤ
マスター「しつこい!!」
父親「ん、勇者じゃないか」
勇者「な、なんでお前がいるんだ!?」
父親「なんでって、ここに凄い酒があるって聞いたから」
女勇者「これがあなたの父親ですか?」
勇者「あ、ああ」
ドラゴン「初めまして、お父様」
父親「え、えーと、君は?」
ドラゴン「息子さんをオレに下さい」
父親「ああ、どうぞ」
勇者「おい、勝手に話を進めんな!!」
ドラゴン「こういうのは早い方がいいだろ」
勇者「良くない!!」
335 = 326 :
今日はここまで。
久々登場のお父さんです。
336 :
武器の街までなかなかの距離無かったっけ?
流石勇者の父さんやで
337 :
父さん・・・
338 :
屑の割りに強かったりしちゃったり?
339 :
父さん実は強いパターンか
オルテガ、ウインド、勇次郎・・・どの辺レベルかね
キン肉真弓ぐらいがいいなぁ
340 :
勇者「つーかどうやって来た」
父親「馬車に乗ってきたけど、それがどうした?」
ドラゴン「馬車があるのか?」
勇者「あっても乗れねぇよ、金銭的に」
勇者「馬車っつっても魔物に襲われる可能性は0じゃねぇぞ」
父親「どうしても酒がほしかったんだ、仕方ないだろ」
女勇者「本当にお酒が恋人なんですね」
父親「酒のためなら死んでもいいさ」
父親「……所で君は?」
女勇者「申し遅れました、勇者の保護者役をしております、女勇者です」
勇者「何時から俺の保護者になった」
暗殺者「勇者の上司の暗殺者だ」
勇者「お前の部下になったつもりは無い」
ドラゴン「勇者の妻のドラゴンだ」
勇者「違う」
父親「出来の悪い息子がお世話になってます」
341 = 340 :
女勇者・暗殺者「いえいえ」
勇者「お前が言うな!!」
父親「本当にお前を見ているとお前の母さんを思い出なあ……」
勇者「俺は顔を覚えてねぇけどな」
父親「会ってみたいか?」
勇者「会ったってどうしようもねぇだろ」
女勇者「私は会いたいです」
勇者「なんで?」
女勇者「あの人は私達親子をおかしくしたんですから……」
暗殺者「殺したいほどにか?」
女勇者「殺す気はありません、ただ話したいだけです」
父親「まあ、俺にとってはどうでもいいんだけど」
女勇者「自由ですね」
勇者「父さんは会いたくねぇのか?」
父親「俺にとって一番大事なのは酒と自分、それ以外は正直どうでもいい」
勇者「だろうな、で今の母さんはギャンブルと命だろ」
父親「ああ、だから結婚したんだ」
父親「お互いが自由に生き、たまに欲求は解消し合う、そんな関係が俺達にはベストだ」
342 = 340 :
勇者「息子の前でそんな話すんな」
父親「別にいいだろ、そう言う事を知ることによって大人になっていくもんだ」
女勇者「勇者には聞いていましたが……凄いクズっぷりですね」
父親「まったく……そんな風に思ってたのか」
勇者「黙れ、仕事もやらずに一日中酒飲んでる奴を尊敬できるか」
暗殺者「奥さんは一緒じゃないのか?」
父親「さっきも言っただろ、お互いの生活には干渉しないって」
女勇者「黙って出てきたんですか?」
父親「ああ、正直あいつがどんな生活を送っているかも知らん」
ドラゴン「……凄い屑っぷりだな」
勇者「今更何言われても驚かねぇよ」
父親「ははっ、物分かりのいい息子でうれしいよ」
勇者「褒められたのに全然うれしくねぇ」
ドラゴン「なんとなく似てるな」
暗殺者「確かに何処となく似てる」
女勇者「親子ですからね」
343 = 340 :
勇者「うれしくねぇ……」
女勇者「人畜有害な所とかそっくりじゃないですか」
勇者「ダメの部分じゃねぇか!!」
父親「お前は母親似だよ」
勇者「会ったこと無い人に似てるって言われてもね」
女勇者「いつも以上に言葉にとげがありますね」
勇者「気のせいだ」
父親「まあいいか、おい、その凄い酒ってのは無いのか?」
マスター「今日は売り切れだ、明日来な」
父親「そうか、そうするよ」スタスタ
父親「勇者、頑張れよ」ガチャ
勇者「面倒臭い事が起こらないといいけど……」
女勇者「もう十分面倒臭い事に首を突っ込んでるじゃないですか」
勇者「そうだけどさ」
暗殺者「で、これからどうする?」
勇者「剣を買う」
ドラゴン「なあ、さっき言ってた安くていい剣が売ってる店って何処だ?」
マスター「ここから真っすぐ行ったところの店だ」
344 = 340 :
勇者「やけに素直だな」
マスター「用が住んだらとっとと出てけ」
暗殺者「言われなくても出て行くよ」ガチャ
勇者「……」スタスタ
女勇者「どうしたんですか?」
勇者「酒のためって言ったってわざわざ来るなんておかしいと思って……」
暗殺者「酒の他にも目的があるって事か?」スタスタ
勇者「多分……」スタスタ
女勇者「そんな事私達には関係ないじゃないですか」スタスタ
ドラゴン「そうだ、それは貴様の父親の問題だろ」スタスタ
勇者「あいつは自分が良ければそれでいいって考え方だからなぁ……」スタスタ
勇者「それに俺に会いに来たって可能性もあるし」
女勇者「どういう事ですか?」スタスタ
勇者「俺達がこの町に来た時にあいつが来てるって都合が良過ぎるだろ」
女勇者「……確かにそうですね」
勇者「まあ、今は剣を買うことが最優先、あいつの事は今はいいや」スタスタ
暗殺者「調べといてやろうか?」スタスタ
勇者「出来るの?」スタスタ
345 = 340 :
暗殺者「当たり前だ、俺は暗殺者だぞ」スタスタ
勇者「……今の所は調べなくていいよ」スタスタ
暗殺者「本当にいいのか?」スタスタ
勇者「そのうち頼むかもしれねぇ」スタスタ
暗殺者「わかった」スタスタ
ドラゴン「ここみたいだな」
勇者「こんにちは」ガチャ
武器職人「……どうも」
そこにいたのは40歳前後の渋い男だった。
勇者「剣がほしいんだけど」
武器職人「今まで使ってきた武器は?」
勇者「え?」
武器職人「お前が今まで使ってきた武器はなんだ?」
勇者「ヒノキの棒だけど」
武器職人「……帰れ」
勇者「ちょっと待て、まだ何も言ってねぇじゃん」
346 = 340 :
武器職人「まともな剣も持った事無い奴に剣なんて売れるか」
勇者「……どういう事?」ヒソヒソ
女勇者「どうやら職人気質の人間のようですね」ヒソヒソ
ドラゴン「なんだそれ?」
女勇者「簡単に言えば頑固な人です」
勇者「なあ、頼むよ」
武器職人「別の所をあたりな」
勇者「……あんたの剣がいいんだ」
ドラゴン「そんな事言ってたか?」ヒソヒソ
女勇者「嘘ですよ」ヒソヒソ
武器職人「……お前の剣の腕前は?」
勇者「え?」
武器職人「どれほどの流派を習得した」
勇者「……一つも習得してない」
武器職人「そんな奴に俺の剣は売れない!!」
女勇者「見た目はこんなんですが意外と強いんですよ」
暗殺者「ああ、なんて言ったって勇者だからな」
347 = 340 :
武器職人「ダメだ、お前に剣を売る気は無い」
勇者「……今日は帰る、また明日来る」スタスタ
ドラゴン「いいのか?」スタスタ
勇者「じゃあまた明日」ガチャ
勇者「下手に粘っても無駄、日をおいて着た方が成功率が高い」スタスタ
女勇者「何の情報ですか」
勇者「俺の経験」
女勇者「信憑性0ですね」
暗殺者「まあ、話し続けてても無駄だと思うし、今日は帰った方がいいだろ」
勇者「だろ、引き際ってのが大事なんだよ」
ドラゴン「面倒臭いな、交渉と言うものは」
暗殺者「だが出来れば武器になる」
勇者「とにかく宿屋を見つけようぜ」
348 = 340 :
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
路地裏
父親「……」ガサゴソ
女大臣「どうしてここにいるんですか……」
父親「女大臣さん、あなたこそなんでここに?」
女大臣「仕事です、あなたは?」
父親「凄い酒があるって聞いたんでそれを買いに来たんですよ」
女大臣「……それだけですか?」
父親「……ははっ、あなたには嘘は通用しないですよね」
父親「勇者に用があって来たんです」
女大臣「そうですか」
父親「理由は聞かないんですか?」
女大臣「相手を詮索する趣味はありませんので」
父親「そうですか」
女大臣「こんな場所にはこれから来ない方がいいですよ」
父親「どうしてですか?」
女大臣「この町に厄介な者が迷い込んでいますから」
349 = 340 :
今日はここまで。
中途半端ですいません。今回は長めです。
350 :
もっとだ、もっと
みんなの評価 : ★
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