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    元スレ提督「ウチは平和だなぁ」艦娘「表面上は」

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    751 :

    この提督がホモだったらどうするの

    752 :

    ここの吹雪は腐っているのか
    提督を襲うのがショタとかなら許すのかねww

    753 :

    >>751
    吹雪「私そういうの嫌いじゃないですから!」

    754 :

    ギリギリのバランスで内部崩壊は避けてんのね

    755 :

    趣味がホモでも愛は一途なんてよくあること

    756 :

    >>744
    あなた五航戦なんですか?

    757 :

    なんでや!五航戦可愛いやろ!!

    758 :

    >>757
    五航戦さんちーっす

    759 :

    アーユーゴコウセン?

    760 :

    それから・・・

    私は実戦で勝利を重ね、

    レベルも上がり、改装を受けて航巡になった。

    提督「おめでとう、鈴谷。よく頑張ったな」

    提督はまるで自分のことのように喜んでくれた。

    その一言が嬉しかった。

    その為に頑張ってきたと思えた。

    本当に・・・この人が好き・・・大好き。

    なのに不安が消えない。

    心の奥底では、『信じていいの? 本当に?』

    そう懸念し続ける自分が居た。

    そして・・・

    ある日の真夜中。

    私は全ての不安を消すために決心する。

    コンコンッ

    提督「誰だ?」

    鈴谷「まだ起きていたんだ」

    提督「鈴谷か・・・おまえこそまだ起きてたのか」

    鈴谷「・・・・・・」

    提督「ここには慣れたか?」

    鈴谷「・・・うん。みんな優しいよ」

    提督「そうか・・・良かった」

    761 = 1 :

    鈴谷「・・・私をこのまま、ここに置いていていいの?」

    提督「・・・鈴谷? どういう意味だ?」

    鈴谷「私さ、前の鎮守府で黒提督を殺そうとした」

    提督「・・・知っている」

    鈴谷「失敗しちゃったけどね」

    提督「・・・・・・」

    鈴谷「提督はさ、夜曾野さんに言われたから私を気に掛けてくれたの?」

    提督「・・・最初はそうだったかもな。でも今は違う」

    提督「君の境遇を聞いて、力になりたいって思った」

    提督「心から助けたいって思った・・・」

    鈴谷「優しいね・・・提督は」

    鈴谷「私はさ、もう何も信用出来なかった。人も艦娘も」

    鈴谷「信じても裏切るから。酷いことするから。私を否定するから」

    提督「・・・・・・」

    鈴谷「でも・・・ここに来て・・・」

    鈴谷「暖かさを知ったんだ。とても心地がいい・・・暖かさを」

    提督「そう思ってくれるなら嬉しいよ」

    鈴谷「でも恐いんだ。全部、全部、全部・・・」

    鈴谷「なんかの失敗で消えちゃいそうで・・・」

    鈴谷「信じてもまた裏切られるんじゃないかってさ」

    762 = 1 :

    鈴谷「今度、裏切られたら・・・」

    鈴谷「私は多分、貴方を殺してしまうかもしれない」

    鈴谷「こんなに良くしてくれた仲間を殺してしまうかもしれない」

    提督「・・・・そんなことはないさ」

    鈴谷「皆もさ・・・」

    鈴谷「仲間だって言ってくれる一方で・・・」

    鈴谷「本当は提督に言われたから・・・」

    鈴谷「優しくしているだけなんじゃないかって・・・」

    鈴谷「そうやって・・・心の底では誰も信用してない」

    鈴谷「嫌な女だよね私」

    鈴谷「そんな危険な娘を置いておける?」

    鈴谷「だからさ・・・私を完全に貴方のモノにしてよ」

    そう言うと鈴谷は服を脱ぎ始める。

    提督「・・・おいっ!!」

    鈴谷「私ね、色々酷いことされたけど」

    鈴谷「女として大事なモノは守ったよ? そこまで奪われたら屈辱だから」

    提督「やめなさい・・・」

    鈴谷「貴方だったらいいと思ったの」

    鈴谷「私を滅茶苦茶にしてよ。悪いこと全部消してよ・・・」

    鈴谷「そうしたら変われるから・・・」

    763 = 1 :

    提督は自分の上着を脱ぐと私に被せた。

    鈴谷「私のことは抱けない?」

    鈴谷(また私は失敗したのかな・・・)

    鈴谷(私、馬鹿だから・・・)

    鈴谷(もう・・・どうしていいかワカラナイや)

    提督「自分の体はもっと大事にしろ・・・女の子なんだから」

    鈴谷「覚悟して来たんだけどな・・・」

    提督「そんなに震えてか?」

    そう言われて気がついた。体が震えていることに。

    鈴谷「でも、そうでもしないとっ!!」

    鈴谷「私はもう裏切られない、そんな絶対的確信が欲しいの!!」

    鈴谷「そうじゃないと怖いんだよ・・・」

    鈴谷「ようやく楽しいって思えるようになったのにっ!!」

    鈴谷「また突然、全部消えちゃう気がして・・・」

    提督「もう誰も鈴谷を裏切らない!! 俺も、皆も!!!!」

    鈴谷「・・・ありがとう。でも信用出来ないんだ。人なんて内面は分からないから」

    提督「鈴谷っ!!!」ギュー

    鈴谷「・・・え? 提督?」

    鈴谷(抱きしめられてる・・・///)

    764 = 1 :

    提督「過去にどんな酷いことがあったかは知ってる」

    提督「辛かっただろう、助けて欲しかっただろう・・・」

    提督「でも、今はお前は俺の艦隊の艦娘で、大事な部下だ」

    提督「オマエは俺が絶対守ってあげるから・・・」

    提督「もう、二度とあんなことにはならないから・・・」

    提督「絶対に裏切らない。絶対に・・・」

    提督「皆だって、俺に言われたからじゃない、お前を認めてるんだよ」

    提督「同じ艦隊の仲間だって、友達だって、家族だって」

    鈴谷「家族か。前にも言ってくれたよね・・・」

    提督「この艦隊の皆は家族だ。共に生活して、共に戦っていく・・・家族だ」

    提督「ここでは、もう誰もお前に酷いことはしない」

    鈴谷「今度は・・・本当に信じていいのかな?・・・」グスッ

    提督「ああ、信じろ・・・信じてくれ」

    提督「信じてくれたこと、後悔はさせないよ。絶対に」

    提督「悲しい過去は変えられないけど・・・」

    提督「これから、いくらでも楽しい未来は作れるんだ」

    提督「皆と、これから作っていこう? 楽しいって思える未来をさ」

    鈴谷「・・・提督」

    提督「それでも・・・もし俺が裏切ったなら・・・」

    提督「そう、少しでも感じたなら、その時は俺を撃てばいい」

    765 = 1 :

    鈴谷「・・・分かった」

    鈴谷「その代わり、もし逆に私が皆を・・・」

    鈴谷「提督を裏切ったら・・・提督が私を撃って・・・殺して」

    提督「それは・・・・・・」

    鈴谷「・・・できない?」

    提督「当たり前だろう」

    鈴谷「これは契約だよ。そうじゃないと私は前に進めないから・・・」

    提督「・・・分かった。約束する」

    提督「そして、そんなことに絶対ならないことも約束しよう」

    言いたい事を全部ぶちまけたら心の奥底にあった不安は、

    何時の間にか綺麗さっぱり消えていた。

    鈴谷「ありがとう。改めてよろしくね。提督」

    提督「ああ、よろしくな。鈴谷」

    766 = 1 :

    それから今まで溜まっていたモノを吐き出すように泣いた。

    心に重く圧し掛かっていたモノが消えていく。

    これで、ようやく全ての枷から開放された気分だった。

    涙で滲む視線の先に・・・

    あの時、私を庇って沈んだ娘が見えた。

    鈴谷(ごめんね。私は・・・もう大丈夫だから・・・)

    今まで悪夢にしか現れなかった彼女が私に向かい微笑んだ。

    ―――良かったね。これで私も安心して皆の所に行けるかな。

    そう言われた気がした。

    彼女は死んだ後も私を・・・そう思うと涙が止まらなかったが、

    とてもとても優しい気持ちになれた。

    言いたい事は山ほどあった。謝りたかった。

    でも自然と頭に浮かんだ言葉は感謝の言葉だった。

    鈴谷(本当にありがとう・・・)

    彼女はとても満足そうに優しく笑いながら静かに消えていった。

    まるでもう心残りはないとばかりに。

    鈴谷(もう大丈夫。私は・・・前に進むよ。貴女の分まで・・・)

    提督は優しく私を抱きしめて、泣き止むまで撫でてくれた。

    767 = 1 :

    そして現在・・・

    鈴谷「色々あったよね・・・提督」

    優しく、寝ている提督の頬にキスをする。

    鈴谷(私は提督が大好きだよ。本当に大好き)

    鈴谷(私だけじゃない、皆、提督が大好き)

    鈴谷(・・・それこそ狂ってしまうくらいに)

    鈴谷(本当は提督に私を選んで欲しい・・・私を・・・)

    鈴谷(でもね・・・誰か一人を選んだら・・・)

    鈴谷(選ばれなかった他の娘はきっと・・・堕ちると思う)

    鈴谷(深い・・・深い・・・闇に・・・)

    実際の所、過去何度か負の感情に飲まれそうな艦娘は居た。

    だが、陥った本人も、提督も、

    無自覚にそれを回避していた為、最悪の事態は免れていた。

    提督は常に正しくあろうとした。

    それは既に自分自身も忘れてしまった幼い頃の父と母との約束。

    父と母が大好きだった幼い提督は、

    両親が仕事で家を長期開ける事に不満を抱き、泣いて駄々をこねた。

    幼い提督は泣けば両親が家に居てくれると思ったのだろう。

    泣きじゃくる我が子に困った両親は約束した。

    『正しく、良い子にしてれば、すぐ帰ってくるから』

    それを聞いて、提督は頑張った。ずっとずっと。

    768 = 1 :

    結局、両親は帰らなかった。

    それでも頑張った。ずっとずっとずっと・・・

    元帥に引き取られ、そんな約束はすっかり忘れてしまっても、

    無意識に正しくあろうとした。それが当たり前のこととして。

    やがて、それは彼の人格となり、

    本人も無自覚のまま、誰が見ても正しいと思う

    模範的すぎる好青年となった。

    ある種、彼もまたどこか歪であったのだ。

    また、提督は軍人の父と艦娘の母の間に出来た子供であった。

    血の半分が艦娘のハーフ。それが理由か定かではないが、

    無自覚ながら通常の人間よりも艦娘に対して親近感が強かった。

    まるで妹や自身の娘のように心から彼女達を愛していた。

    さらに艦娘達からしても、提督は何か・・・

    安心出来るような親しみやすい感覚があった。

    まるで同族のように。

    そんな提督に純粋に愛される艦娘達。

    誰だって向けられる無垢な好意を悪く思う者は居ない。

    ただの兵器としてではなく、

    一人の女の子として、人間として見てくれる優しい人。

    それが恋愛感情に変わるまで、そう時間は掛からなかった。

    純粋な愛であればある程に艦娘達の恋愛感情は高くなり、

    既にその感情は一般のそれとは比べられない領域にあった。

    769 = 1 :

    愛が強ければ強い程に裏切られたと、

    一度でも思えば負の感情は大きくなる。

    愛情の分だけ反転した憎悪に変わる。

    もしも・・・提督が誰か一人を選んだ場合、

    その負の感情は提督が選んだ、

    ただ一人の娘に向けられることになるだろう。

    深海棲艦と艦娘の類似点等を理由に、

    沈んだ艦娘が深海棲艦化すると言う噂があった。

    悲しみや、憎しみが限界を超えた時・・・堕ちると。

    あくまで噂だが・・・でも、もしも・・・

    もしも事実ならば・・・

    きっと選ばれなかった娘達は堕ちる。

    それも選ばれた一人を除いて全員が・・・

    それ程までに提督は愛されているのだ。

    ただでさえ、各々が通常の艦娘のセオリーから外れた

    非常識な強さを身につけてる現状で、

    もしも噂どおり深海棲艦になったら・・・

    鈴谷(この国はどうなるのだろうね?)

    770 = 1 :

    艦娘である今の状態でも他の同型の娘を

    遥かに凌駕しているのだ。

    姫級と対峙した際も、恐ろしい相手であるハズの姫級が

    一方的に嬲られて、恐怖と絶望の表情を見せ・・・

    こんなことはありえないと否定し、叫びながら沈んでいった。

    そんな仲間達が全て深海棲艦と化したら・・・

    この国は恐らく滅ぶことになるだろう。

    鈴谷(そうなるって分かっても、皆・・・)

    鈴谷(提督、貴方に自分が選ばれたいんだよ?)

    すやすやと寝息を立てる提督。

    鈴谷(でも、提督はそんなこと知りもしないだろうけどね)

    鈴谷「・・・この朴念仁」

    そう言ってもう一度優しくキスをした。今度は口に。

    771 = 1 :

    鈴谷「それじゃあ出張権限を行使しますか」

    提督のベッドに潜り込む。

    提督は朝に弱いので、自分の方が早く起きるのは確実。

    仮に提督が早く起きたとしても、

    夜中にトイレに行って、寝ぼけて間違えたとでも言えば

    なんとかなるだろう。

    鈴谷(折角のチャンスなんだから堪能しないとねぇ)

    鈴谷(提督・・・今・・・私、凄い幸せだよ?)

    鈴谷(私を救ってくれてありがとう・・・)

    鈴谷(これからもっと・・・)

    鈴谷(楽しいって思える未来を作っていかないとね?)

    布団の中で提督に抱きつく。

    大きな背中。とても愛おしく感じた。

    鈴谷(おやすみ。提督)

    私はとても安心して眠ることが出来た。

    772 = 1 :

    投下完了。
    感想何時もありがとうございます。
    見ていると頑張ろうって思います。本当にありがとう。

    ようやく鈴谷編終わった。長々すんませんね。
    当初のプロット版から書き足し過ぎて凄い伸びちゃった!

    このスレだけで終わらす予定がボリューム付けすぎて
    2スレ目まで行きそうで・・・恐い・・・

    ちょっと仕事の関係で5月半ばまで忙しいので
    投稿頻度は遅くなるかもしれません。
    また近いうちに投下しますね。(5日以内くらい)


    基本的に安価とかはやるつもりはありませんが、
    まだ出てない子で秘書やって欲しい娘が居たらさり気なく
    書いておいて貰えると、シーンが浮かべば書き足すかも。

    ※扱いが一般的な常識と感性から外れる可能性もございます

    長々すいません。
    おやすみなさい。

    773 :

    おつ

    774 :

    鈴谷メインヒロインやんけ

    775 :

    まだ初期艦という超絶アド持ってる子がいるんだよなあ

    776 :

    乙です
    クリスマスプレゼントのお返しに、浜風に髪留めをプレゼントする

    777 :

    このSSの五航戦どうすんだよ

    778 :

    面白いな…
    鈴谷のメインヒロインまったなし

    779 :

    愛宕とか見てみたいわ

    780 :

    そろそろ次スレかな

    781 :

    那珂ちゃんお願いします

    782 :

    那珂ちゃんは中々やる那珂だけに
    なんちて

    783 :


    鈴谷でこのスレ終わっても良かったでー

    784 :

    那珂に出すぞっ!

    785 :

    >>784
    審判死刑

    786 :

    まるで五航戦のようなセンスだ

    788 :

    鈴谷も五航戦みたいな真似してるやん
    川内も着てるし認定待ったなしやな

    789 :

    出張特権だからへーきへーき

    790 :

    最終ラインはまだ越えてないし、娼鶴ちゃんみたいに裸になってないからセーフセーフ。

    791 :

    俺は陸軍将校の大倉井(おおぐらいだ)

    今日は久しぶりの休日。

    生きがいでもある大食いを楽しむ為にこの街に来た。

    入ったのはラーメン店。

    最近オープンしたばかりにも関わらず、

    絶品と評価がうなぎ登りの店だ。

    『特盛ラーメン5杯全部食べきったら無料!賞金5万円』

    ※残した場合はお品代を頂きます(時価)

    今回はコレを挑戦しよう。

    大食いこそ・・・我が生きがい・・・

    こんな時代だからこそ、平和を守る軍の仕事に誇りはある。

    だが、軍に入らなければ、フードファイターとして生きていただろう。

    大倉井「店主、コイツに挑戦したいのだが・・・」

    店主「・・・ほう?」

    強面の店主の目がギラリと光る。

    店主「いいのかい? コイツは・・・バケモノだぜ?」

    大倉井「・・・望む所だ」

    常連達『おい・・・アレ』『ああ、久しぶりの挑戦者だ』

    店内がざわめく。・・・この感じが心地良い。

    皆が俺に注目している。

    792 = 1 :

    また伝説を生んでしまうのか。

    ふふふ・・・悪くない。

    その時だった・・・

    ???「すいません、これを頂けますか?」

    店主「え? お嬢ちゃんも?」

    ???「はい。お願いします」

    店主「辞めて置いた方がいい・・・女の子が食べられる量じゃない」

    ???「無理でしたら御代は払いますよ」

    店主「・・・後悔しても知らんぞ」

    常連『まじかよ・・・』『あんな娘が?』

    ・・・なんだあの少女は?

    俺に集まっていた注目を・・・大食いを舐めているのか?

    しかし、彼女の外見はどこかで見たような・・・

    どうせテレビか何かだろう。

    大倉井「お嬢ちゃん、辞めておきな」

    ???「はい?」

    大倉井「アンタには荷が重過ぎる」

    ???「いえ、おかまいなく」

    すかした顔しやがって・・・

    793 = 1 :

    まぁいい、すぐに俺に注目が集まる。

    常連達『やべぇ・・・対決だ』『大食い対決だ!』

    暫くすると店主が品を持ってきた。

    店主「お待たせしました」コトッ コトッ

    バケツや洗面器のような巨大な器がそこにはあった。

    量が多いのは麺とスープだけではない。

    具もチャーシューと野菜がこれでもかと言うくらいの大量山盛り。

    まるで、そびえ立つ山。食の大山がそこにはあった。

    店主「おあがりよっ!」

    ???「うわぁ・・・これ全部食べていいんですか!?」

    少女は目をキラキラさせて喜んでいる。

    ???「いただきますっ!」

    とてもこんな娘が食べきれる量ではない。

    戦う前から勝敗が付いているようなものだが関係ない。

    どんな相手でも全力で挑む。

    大倉井「・・・ズルズル」

    一気に食い始める。

    旨い。旨すぎる。

    そう、まるで風が語りかけてくるようだ・・・

    794 = 1 :

    量も一級なら、味も超一級だった。

    だが、今はそんなことはどうでもいい。

    どんどん胃に流し込む。

    常連『すげぇっ!!もう1杯目を完食したぞ!?』

    ふふふ・・・そうだ・・・もっと注目しろ。

    今日、この店の歴史に俺の名前が残るのだ。

    ふと少女の方を見る。

    ???「・・・チュルチュル」

    大倉井(・・・暢気なもんだ)

    そんな亀みたいなペースじゃ勝てないぜ?

    ???「これは・・・」

    ???「醤油の味がしっかり出ています」

    ???「魚介ベースでしょうか?・・・美味しい」

    ???「油も癖がなく、さっぱりしているのも食べやすいです」

    ???「高い次元で食材がまとまっていますね・・・」

    ???「先ほどから手が止まりませんよ」

    ???「店主さん、この麺は自家製ですか?」

    店主「ああ、そうだが・・・」

    ???「とても美味しいです」

    795 = 1 :

    ???「良い太さです。麺とスープがよく馴染む・・・」

    ???「ここまで調整して合わせるには苦労されたのでは?」

    店主「ここまで来るのに10年掛かったよ。今年からようやく自分の店を持てたんだ」

    大倉井(ケッ 話してる余裕なんてあるのかよ?)

    常連『すげぇ・・・もう3杯目だ!!』『なんて速度・・・』

    ???「私の方も次を頂けますか?」

    店主「ああ、どうぞ」コトッ

    それから黙々と食べ続け・・・

    4杯目半ばに差し掛かった頃である。

    大倉井(クソっ! なんてラーメンだ・・・)

    ペースが落ちてきた。

    食べても食べても減りやしない。

    今まで、ここまでの怪物に会ったことはない。

    腹は既に満腹。もう限界と体が悲鳴をあげる。

    横を見ると、少女は3杯目を平らげて4杯目を貰っていた。

    不味い・・・このままでは・・・負けるっ!!

    無理やり口に詰め込む。熱い。苦しい。

    だが・・・これが戦いだ。フードバトルだ。

    この苦しみの果てに栄光がある。

    796 = 1 :

    負けるか・・・負けるか・・・

    ???「店主、5杯目を頂けますか?」

    なん・・・だと・・・・?

    あの小娘・・・俺より先に・・・!!

    クソっ!! クソっ!!! クソっ!!!!

    無理やり口に詰め込む。今だけは耐えろ。俺の体。

    こんな小娘に負けては・・・プライドがズタズタだ・・・

    大倉井(ダメだ・・・もう・・・・ウプッ・・・)

    意識が朦朧としてきた。

    店主「驚いたよお嬢ちゃん。まさか全部平らげちまうとは・・・」

    常連達『おおおおっ!!!』パチパチッ

    大倉井「な・・・に・・・?」

    何時の間に!?

    負けた!? 俺が!? こんな小娘に!?

    せめて完食しなければ恥だ・・・後少し・・・うっ

    大倉井「うぉぉぉぉぉっ!!!」

    常連「あれはっ!!?」

    常連2「知っているのか!?」

    常連「ああ、あれこそは二箸流!!」

    常連2「何!? あの2つの箸を自在に操るあの技か!?」

    普段は封印している技を開放し、4杯目を食べ終える。

    797 = 1 :

    大倉井「店主、最後の・・・5杯目を・・・・」

    明らかに無理だ。店主も困った顔をしている。

    だが・・・引くわけには・・・・

    その時、少女が声を掛けてきた。

    ???「やめた方がいいですよ」

    ???「いえ、やめてください」

    大倉井「何? お前に言われる筋合いは・・・」

    ???「その状態じゃ食べきるなんて無理でしょう」

    大倉井「・・・やって見なければ分からんっ!!邪魔をするな!!」

    ???「食べれもしないのに食材を無駄にする気ですか?」

    ???「それは食への冒涜です!!」

    大倉井「・・・なんだとぉ!?」

    この俺が? 食べることが生きがいの俺が?

    食を冒涜するだと!? 舐めたことを・・・・っ!!

    ???「食事とは、それを作った人、食材になった命・・・」

    ???「それに感謝することを忘れてはいけません」

    ???「あなた、言いましたか?」

    大倉井「何をだ・・・」

    ???「いただきますってですよ」

    大倉井「・・・・!!!」

    ???「それにちゃんと味わってます?」

    頭を殴られたような衝撃を受けた。

    798 = 1 :

    過去に師匠に言われたことを思い出した。

    大倉井「何故です!師匠!!何故・・・」

    師匠「・・・・・・」

    大倉井「何故、私に奥義を授けて下さらぬのですか!」

    師匠「分からんか?」

    大倉井「私は常に戦い、勝利してきました!」

    大倉井「私に何が足らないと言うのですか!?」

    大倉井「どうか、仰ってください、お願いします」

    師匠「・・・奥義など、そもそもないのだ」

    師匠「食すことはどういうことか・・・」

    師匠「それを知った時、お前に足りない物が見えるであろう」

    師匠「それこそがお前が求める奥義なのかもしれん」

    大倉井「待ってください!師匠!!師匠ぉぉぉぉーーーー!!!!」

    そうだ・・・食事とは本来・・・・

    作ってくれた人に感謝し、味わい、それを楽しむもの・・・

    そんな一番大事なことを忘れて居たなんて・・・

    師匠が言いたかったことがようやく分かった気がした。

    師匠、俺は負けましたよ。

    こんな小娘に完全に負けてしまいました。

    799 = 1 :

    大倉井「・・・店主、俺の負けだ」

    その宣言の後、

    店内は勝負を見守っていた客達の歓声で包まれた。

    負けたが、大切なモノを取り戻せた気がする。

    心は穏やかで、とても気持ちが良かった。

    ???「店主、別途で特製とんこつチャーシュー餃子セットください」

    全員『まだ食うのかよ・・・・』

    ???「ふぅ・・・美味しかった」

    ???「店主さん、お会計お願いします」

    店主「いや、いらん」

    ???「え? でも最後のは御代が出るのでは?」

    店主「良いモノを見せてもらった・・・」

    店主「作る側としては嬉しいものだよ」

    店主「味わって美味しいって食べてもらうのはね」

    店主「私も大切なことを再認識させられたよ」

    ???「・・・すいません。賞金まで頂いてしまって」

    店主「最後に・・・アンタ、名前は?」

    赤城「・・・赤城」

    店主「え・・・? まさか・・・舞鶴の?」

    赤城「そうですけど・・・?」

    店主「貴女様が『舞鶴の聖食神・赤城』・・・?」

    800 = 1 :

    赤城「恥ずかしながら一部で、そう呼ばれてますね」

    店主「あのっ!! お願いします!!サインをください!!」

    店主「あなたのサインがある店は繁盛すると噂がっ!!」

    赤城「ええ、それは構いませんが・・・」

    店主「ありがとうございますっ!! ありがとうございますっ!!」

    常連「まさか・・・あのお方が・・・・」

    常連2「知ってるのか!?」

    常連「聞いたことがある・・・」

    常連「ごく稀に出現する伝説のフードファイターの噂を・・・」

    常連「まさか・・・直に見ることが出来るとは・・・」

    常連3「惚れそうになるくらい美人だなぁ」

    常連「なんでも結婚していて人妻だそうだ」

    常連2「旦那も苦労しそうだなぁ」

    赤城「ではご馳走様でした」

    ガチャ・・・バタン

    大倉井(舞鶴・・・?)

    大倉井(まさか・・・)

    大倉井「店主、金はここに置いておくぞ!」

    店主「はい、毎度」

    赤城(そろそろ鎮守府に戻らないと・・・)

    大倉井「待ってくれ!!」

    赤城「はい?」


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