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    元スレさやか「奇跡も魔法も……」ほむら「私のは技術よ」

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    251 = 186 :



    さやか「……ねぇ、まどか」

    まどか「ん?」

    さやか「転校生は?」

    まどか「ほむらちゃんなら先に帰ったよ」

    さやか「……そう。昨日のことなんか言ってた?」」

    まどか「ううん。特に何も」

    さやか「メールでも? あたしのこと何か言ってた?」

    まどか「……さやかちゃん。ほむらちゃんに謝りたいんだよね?」

    さやか「……あたし、ちょっと誤解してたから……結局、今日は話すことはあってもそれは言えなかったし」

    まどか「それなら、また今度謝ればいいよ。ね?」

    さやか「……うーん。でもなぁ……キュゥべえがあたしに助けを呼んだのは事実だし……」

    252 = 186 :



    さやか「とか何とか理由付けてどっちとも言えないウジウジしてるさやかちゃんなのであった」

    さやか「転校生はそれに呼び出されてたりは?」

    まどか「わかんないけど、ほむらちゃんは特に何も言ってないし、わたし達だけで話したいのかも」

    まどか(……マミさんはほむらちゃんのアドレスを知らない。でもメールにはほむらちゃんを連れてきてとか書いてないからね)

    まどか(わたし達限定で言いたいこと……か。何を……言うんだろう。それともテレパシーってやつで既に呼び出されてたりして)

    まどか「……佐倉杏子ちゃん……か。どんな子だろう」

    さやか「マミさんの友達と言えば、何かお淑やかでのんびりしているイメージがあるよ。あるいはその逆」

    253 = 186 :




    帰路ほむ


    ほむら「何とかお菓子の魔女で巴マミを助けられたわね……」

    ほむら「一日経って巴マミも冷静になった頃でしょう。巴マミの家にでも行ってみましょう」

    ほむら「できれば共闘を結びたい。話くらい聞いてくれるでしょう」

    ほむら「……しかし、彼女が無断欠席だなんて珍しいこともあるわね」

    ほむら「昨日のことで色々悩んでいるのかしら。だとしても無断でっていうのも……」

    ほむら「なおさら巴マミの家へ行ってみ……」

    ほむら「……ん?」


    杏子「……」テクテク

    254 = 186 :


    ほむら「あれは……佐倉杏子?」

    ほむら「……何故?」

    ほむら「何故ここにいる?」

    ほむら「まだ見滝原に来るような時期じゃない……」

    ほむら「ジャイロの件もあるし、この時間軸はよくわからないことがつくづく多いわね……全く」

    ほむら「…………」

    ほむら「いつの間に来てたのかしら……。そして、どこへ行くつもり?」

    ほむら「彼女が見滝原で行くところを言えば……」

    ほむら「ゲームセンターか巴マミの家くらい……ね」

    255 = 186 :



    ほむら「巴マミ……まさか佐倉杏子を密会するために学校を欠席し、佐倉杏子はその帰り……?」

    ほむら「しかしそれなら仮病を使うなりして少なくとも無断欠席は避けるはず……」

    ほむら「…………わからない」

    ほむら「何を考えているの? 巴マミ……」

    ほむら「まさか昨日の一件で自信を無くしてテリトリーを譲ろうだとか……」

    ほむら「……やめましょう。無駄な推測は余計な先入観を生む」

    ほむら「取りあえず……ついてってみましょう」

    ほむら「場所によっては……接触して、直接聞いてみる」


    256 = 186 :




    ――病院


    杏子「……」


    ほむら「病院に入ってった……?」

    ほむら「何故? 佐倉杏子までこんなとこに来る理由がないわ……」

    ほむら「ますますわからない。でも……何か、嫌な予感がする」

    ほむら「一応ジャイロにここに来るよう伝えておきましょう」

    ほむら「持たせてよかった通信機」



    ほむら『もしもし、ジャイロ? えぇ。私よ』

    ほむら『すぐに来てもらいたいのだけど……ええ、そうよ。場所は昨日と同じ』

    ほむら『今度は病院の中にいるから……ええ。早くね』

    ほむら「……佐倉杏子。あなた、何が目的なの?」

    257 = 186 :



    ――院内


    ほむら(あれから佐倉杏子は、病院内をうろついた)

    ほむら(突然Uターンしてみたり、追っ手を避けているように見えたけど……)


    杏子「……」コンコン

    ほむら(病室……何の用? 誰かの見舞い?)

    ガチャッ

    杏子「……」

    「あ、佐倉杏子ちゃん……かな?」

    杏子「……あぁ、そうだ。きょうこって言うんだがな」

    「あっ、ご、ごめんなさい……」


    ほむら「……まどか?」

    「え?」

    258 = 186 :



    まどか「あっ、ほむらちゃん! ほむらちゃんも来たんだねっ」

    まどか「ほむらちゃんもマミさんにここに呼ばれてたんだ?」

    ほむら「え?」

    まどか「へ?」

    まどか「……えっと、マミさんにここに来るように言われたわけじゃない……の?」」

    ほむら「私は、そこのポニーテールの子にちょっとした用があって」

    杏子「……」

    まどか「あ、そうそう。この子、マミさんの知り合いらしいの。魔法少女の佐倉杏子ちゃん!」

    杏子「……よろしく」

    ほむら「……えぇ、こちらこそ」

    まどか「さやかちゃんも来てるよ。それで先に上条くんのお見舞い……あ、ほむらちゃんは上条くんに会ったことあったっけ?」

    ほむら「名前だけは知っているわ。確かに会ったことはないけど」

    259 = 186 :



    ほむら(佐倉杏子……何故まどかと接触を? それに、巴マミに呼ばれたですって? 何故?)

    ほむら(巴マミが佐倉杏子といつの間にか接触していて、紹介するためにここに……?)

    ほむら(いや、だとしても巴マミなら自宅に招くはず……佐倉杏子は巴マミの家を知っているはずだし……)

    ほむら「あら、まどか。その花かごは?」

    まどか「あ、これ? 病院に来てっていうから実は杏子ちゃんのお見舞いなのかなーって思って用意したんだけど……」

    まどか「違うみたいだね」

    ほむら(見舞い……。巴マミがお見舞いに行くような人はいた? 同級生か教師が怪我をしてそのお見舞い?)

    ほむら(まどかは佐倉杏子が入院していると勘違いしていたようだけど……)

    ほむら(誰であろうてまどか達を呼び出す理由がない。佐倉杏子も呼び出されているとすればなおさらあり得ない)

    260 = 186 :



    まどか「ちなみにキュゥべえも来てるよ。今はいないけど」

    ほむら「キュゥべえまで?」

    ほむら(……魔法少女と、その素質のある者、そしてキュゥべえが揃った。やはり巴マミ……何かする気だ)

    ほむら(……まさか、巴マミ、何らかの理由で魔法少女の真実を知ってしまって心中しようと?)

    ほむら(だから知り合いを呼び寄せて、キュゥべえもろとも……)

    ほむら(いや、どっち道病院である理由がない)

    ほむら「……それで? 当の巴マミは?」

    ほむら(こうなったら本人に聞くしか……)

    261 = 186 :


    まどか「まだ来てないみたい」

    ほむら「そ、そう……」

    ほむら「その様子だとまどかは聞かされていないのよね。呼び出された理由」

    まどか「紹介したい人がいるって。マミさんは杏子ちゃんを紹介しようと……」

    ほむら(それは病院でやる必要がない。だから多分、嘘だ)

    ほむら(……わからない。巴マミの意図は……?)

    ガチャ


    「やあ、揃っているようだね」

    ほむら「!?」

    262 = 186 :



    「ごめんよ。ちょっと迷ってしまった」

    まどか「え、えーっと……」

    まどか(わぁ……外国人さんだ)

    ほむら(何……この男……? 誰?)

    杏子「……」

    「ああ、初めまして。僕はマミの遠い親戚だ」

    まどか「マミさんの親戚……?」

    「やあ、君はマミのお友達のまどかちゃんだね。マミから聞いている。そこの子は杏子ちゃん」

    「この花かごは……そうか。お見舞いだと思ったんだね。ごめんよ、気を使わせちゃって」

    「おや? 聞いた話ではさやかちゃんて子がいるはずなんだが……君はほむらちゃんだよね?」

    ほむら「…………」

    263 :

    ジョジョキャラか?
    誰かな…

    264 = 186 :


    ほむら(巴マミの親戚……)

    まどか「あ、あの、さやかちゃんはここに入院してるお友達のお見舞いしてます」

    「そうか……。それは厄介」

    まどか「え?」

    「おっと、この言葉は違った。いやぁ日本語は難しいね」

    「それはそうと、マミは残念ながら風邪が悪化して欠席だ」

    まどか「え? そ、そうなんですか? マミさん。そうだったらメールくれればいいのに……」

    ほむら「…………」

    まどか「それで……マミさんは何の用だったんですか?」

    265 = 186 :



    「いやね、親戚である僕は、たまたま日本に来てたんだけど……」

    「何でもマミが、ついでにみんなに僕を紹介したいって。おめかしとしてスカしたコートを着てきた」

    まどか(やっぱりマミさんは誰かを紹介したかったんだ……)

    まどか「あの……暑くないですか? それ」

    「ノープロブレム」

    「さて、と……本題に入ろうか」

    「マミの友達になってくれてありがとう。彼女の両親は事故にあってね、ずっと独りぼっちだったんだよ」

    まどか「そ、そうだったんですか……」

    ほむら「……何故病院に?」

    「……元気そうに見えるだろうけど、これでも僕は、その、色々あったからね」

    ほむら「……まどかはあなたのことを知らなかったようですが」

    「……マミなりのサプライズじゃあないかな」

    ほむら「…………」

    266 = 243 :

    僕ってことはジョニィか?

    267 = 186 :



    「やれやれ。結構歩いたんで疲れたよ」ドサッ

    「お、いいね。このベッド。フカフカだ。マットに挟まって圧迫されたいくらいだよ」

    杏子「…………」

    ほむら(テレパシー)『ねえ』

    杏子「…………」

    ほむら(テレパシー)『ねぇ、ねえってば。聞こえてるんでしょう?』

    杏子「…………」

    ほむら(テレパシー)『ちょっと、無視しないで。佐倉杏子』

    ほむら(テレパシー)『……あなたは巴マミを師事していたが仲違いして独立し現在風見野でテリトリーを張っている。槍を操り幻術の固有魔法を持っている』

    杏子「!」ピクッ

    ほむら(テレパシー)『何故知っているんだって感じね。何よ。ちゃんとテレパシー聞こえてるじゃない』

    268 = 186 :



    ほむら(テレパシー)『あなたが何故見滝原にいるの? そしてこの病院に何の用?』

    ほむら(テレパシー)『この男は誰? あなた、巴マミと付き合い長いはずよ』

    ほむら(テレパシー)『巴マミにこんな親戚がいるなんて私は知らない。あなたは何か知ってるんじゃないの?』

    杏子「…………」

    ほむら「…………」

    ほむら(だんまり……か。喋る気はなし、あるいは何も知らないか……)

    ほむら(巴マミにこんな親戚がいるのは……知らないだけで、本当はいたのかもしれないわね)

    ほむら(……いや、仮にそうだとして何故ここにいる? そして何故このタイミング会う必要がある?)

    ほむら(……ジャイロと同じ、異次元の人間という可能性がある。いや……だとしても、巴マミの親戚を名乗るか?)

    ほむら(佐倉杏子を呼び出せるのか? 何故巴マミの家庭事情を知っている?)

    ほむら(そして肝心の巴マミは何が理由で無断欠席して連絡が取れないのか)

    269 = 186 :



    「あ、そうだ。ほむらちゃん。事情はよくわからんが、何でもマミを助けてくれたらしいね。ありがとう」

    ほむら「……はあ」

    「よろしく。さっきも言ったけど、僕はマミの遠い親戚。……ホント、国籍を超えるくらい遠い遠い、ね」

    ほむら「……」

    「シャイな子だな。まあ、いい。よろしく」

    ほむら「……どうも」

    スッ

    ほむら「……?」

    「ほら、握手だよ。握手。是非。内気な子には積極的に接することにしてるんだ」

    「……それとも見知らぬ外国人と握手するのは嫌かな?」

    ほむら「……い、いえ、別に」

    ほむら(本当に私が知らなかった人間か、否か。判断できない。ただ、握手の拒否をするには不自然に見えるか……)

    270 = 186 :



    杏子『罠だッ!』

    ほむら「ッ!」ピクッ

    杏子『この男は危険すぎるッ!』

    ほむら「!?(今のは……テレパシー! ……佐倉杏子?)」

    杏子「……」

    ほむら(この男……!)

    「……チッ」

    ほむら(ヤバイ! 何かヤバイッ! 今すぐ退――)サッ




    ズパンッ  



    271 = 186 :




    ほむら「……え?」


    ボトン

    まどか「……な、なに? 今……何か……落ちたよね?」

    ほむら(……何? 何が……起きたの?)

    まどか「あれは……何? そこに落ちてるのって……?」

    杏子「…………」

    まどか「見覚えがある……何だっけ……どこで見たっけ?」

    ほむら「あ、あれは……あそこに落ちているのは……!」

    ゴゴ ゴ ゴ


    272 = 186 :




    ほむら「私の……『腕』……?!」

    ボタッボタッ

    ほむら「う、うぐ……ッ! う、ああぁ、あ……!?」ガクッ

    ほむら「血、血が……ッ! クッ……!」

    まどか「う……で……? ほむらちゃ……の……腕?」

    まどか「腕……腕って? ほむらちゃんの腕? 腕が……え? あの赤いのって……血?」

    まどか「……」

    まどか「」クラッ

    ドサッ

    ほむら「まどかッ!」

    273 = 186 :



    ほむら「き……気を失って……ぐくッ……!」

    ほむら(佐倉杏子……何故、私のテレパシーを無視していたのに……今……)

    ほむら(確かに今……『警告』……したわ。な、何なの……? この男……。この男が……私の腕を……!)

    ほむら「ハァ――ハァ――……」

    ほむら(佐倉杏子……こいつを知って……いる……)

    ほむら(手刀で腕を……。これで確信した……奴は異次元の人間だ)

    ほむら(警戒はしていたが……迂闊だった)

    ほむら(佐倉杏子の警告がなかったら私は……死なないにしても、左肘から先がなくなる以上の負傷を強いられていた!)


    「……やっぱ暑いな。コート、脱ぐか。まぁ、格好のおかげで警戒されるよりはマシさ」バサッ


    ほむら(……! あ、あれは……あの、いかにもさっきまで馬を乗ってましたと言わんばかりの格好は……!)

    274 = 186 :



    「……なんだ? おい」

    「ム」

    杏子「……」

    ほむら「ジャ、イロ――」

    ガクッ

    ジャイロ「何なんだよ。おい……」


    ド ド ド ド ド ド



    275 = 186 :



    ジャイロ「…………状況を整理するぜ」

    ジャイロ「俺は、ほむらに呼び出され、ここに来た。で、ここの職員によォ~……」

    ジャイロ「制服を着た黒い長髪の女子中学生を知らないかって聞いたらよォ~……この病室にいるらしいと聞いた」

    ジャイロ「で、来てみた。そしたら……なんだ? これは」

    ジャイロ「何でほむらの片腕がフッ飛んでんだ。何でまどかは倒れてんだ。そこの嬢ちゃんは誰なんだ」

    杏子「…………」

    まどか「」

    「…………」

    ジャイロ「そして……なんでテメェがいるんだ?」

    「…………」



    ジャイロ「Dioッ!」



    276 = 263 :

    な、なんだってー!?

    277 = 186 :



    Dio「ジャイロ……久しぶり……になるのか? 1891年以来になるか?」

    Dio「そんなことよりおまえ……その踏みつぶしたくなるような帽子を着けてここにきたのか?」

    Dio「俺はヘルメットを自重してきた上に目立たないようにスカしたコートを調達したのに……ナンセンスな奴だ」

    ジャイロ「耳クソが詰まってて俺の言ったことが聞こえなかったのか? あん?」

    Dio「おまえがいるということは……やはりおまえも大統領に殺されたんだよな?」

    ジャイロ「テメー! どういうことだッ! まずは俺の質問に答えろ!」

    Dio「だから答えてやるんだよ。……どうやら俺らにとって見れば、この世界は異世界ってやつだ」

    Dio「かと言ってあるべき未来でもない。23代アメリカ大統領がファニー・ヴァレンタインじゃあなかったからな……」

    Dio「そこで、だ。俺の推測では……」

    Dio「大統領の能力――D4Cによって殺された奴が、この世界に、異次元に来ているんじゃあないかと考えている。というよりそれ以外に理由がない」

    Dio「おまえもそうなんじゃあないか? え? ホット・パンツもジョニィ・ジョースターもウェカピポも探してみたがいなかったぜ」

    Dio「ウェカピポはD4Cによって死んだのは確認したが、他二人はそれ以外で死んだか生き延びているのかもしれない。おまえは知らないか?」

    278 = 186 :



    ジャイロ「……Dio。テメーは馬鹿でかいキモイ化け物は見てないのか?」

    Dio「化け物? ……何を言っているんだ?」

    Dio「俺が本当に気が付いた時にはこの世界にいたんだよ。化け物ってなんのことだ。スタンドの話か?」

    ジャイロ「じゃあ折角ドヤ顔で話してるとこ悪ぃけどよォォー……おまえの推測は間違っている」

    ジャイロ「スタンドじゃあねー……魔女だ」

    Dio「魔女……? 歴史の上では既に狩り尽くしたと思うんだが……」

    Dio「どういうことだ。教えろ」

    ジャイロ「うるせえッ! 答えるのはテメーだ! 俺の質問は異次元がどーこーとか、そんな大規模なことじゃあねぇ!」

    ジャイロ「何故この病院にいて、ほむらの腕が吹っ飛んでいるのかを聞いているッ!」

    Dio「ああ、なんだ……そんなクラッカーの歯くそにも満たないどうでもいいことか……」

    Dio「フン、言うまでもないだろ」

    Dio「……そういえば俺とおまえってそんな会話したことないよな」

    279 = 186 :



    Dio「そんなことより……」クルッ

    杏子「……」

    Dio「杏子……貴様、テレパシーを送ったな」

    バッ!

    杏子「ッ!」

    ガシィッ!

    杏子「グッ……!」

    ジャイロ「!」

    Dio「あと少しでそこの小娘のハラワタをえぐり出せたかもしれなかったものを……」

    Dio「結局、片腕を切断する程度の傷しか負わせられなかったぞ。半歩、退きさえしなければなァ……」

    ジャイロ「おい! 何するつもりだッ! キョーコ……佐倉杏子か! そいつを離せッ!」

    Dio「余計なことをするなと言っただろうが。全く……」

    Dio「おまえが反省するより早く首の骨を折っちまいそうだから、まぁ『こうする』のも仕方があるまい」

    ジャイロ(余計なことをするなと言った……? 何があったかわからんが、既にDioと出会って……利用されているのか?)

    280 = 186 :


    ジャイロ「Dio! テメーこそ余計なことをするんじゃあねーぜッ!」

    Dio「そういうおまえも余計なことをするなよ。こいつを即死させたくなければな」


    杏子「ク……や……やめ……」

    Dio「スケアリー・モンスターズ」

    ズギャンッ

    杏子「あ……が……」メキッ

    メキメキメキ…

    ジャイロ「……!」

    杏子「や……だ……ガ……」

    杏子「グ」

    グググ…

    281 = 186 :


    杏竜「ガアアアアァァァ――――ッ!」


    ジャイロ「こいつ……! 恐竜に……! こんな所でッ!」

    Dio「『スケアリー・モンスターズ』……。杏子を『恐竜化』して完全な支配下においた。頭脳は間抜けだが従順な配下。これでもう余計なことはしない」

    Dio「やはり俺の部下とするには恐竜か利害が一致しているスタンド使いがいい」

    ジャイロ「Dioォォォッ!」バッ

    ジャイロ(杏子……つったか。すまねえ。おまえにも鉄球をぶつけるつもりで投げるぜッ!)

    シルシルシルシルシル

    ジャイロ「オラァッ!」

    ブンッ

    シルシルシルシルシル

    Dio「鉄球なぞ無駄だ。おい杏子、角度的におまえにも当たるかもしれないぞ」サッ

    杏竜「!」サッ

    282 = 186 :


    ドゴンッ


    ジャイロ(くそ……避けられて壁に……。死後でもスタンドの性能には影響はないのか……)

    Dio「行け! 杏子!」

    杏竜「ギャアァ――!」ダッ

    Dio「ジャイロォッ! 俺がいることを忘れるなよッ!」ダッ

    Dio「URYYYYYYYY!」バッ

    ジャイロ「ッ!」

    ジャイロ(鉄球は一球しかない……! 狙うのはDioか? 杏子か? どっちだッ!)


    ガァンガァンッ!


    Dio「ムッ!?」サッ

    杏竜「ガゥ!」サッ

    283 = 186 :



    ジャイロ「ほむら!」

    ほむら「ハァ……ハァ……気を失ったフリをしてみた」

    ほむら(佐倉杏子がまどか達を襲撃することを想定して……銃を予め用意しておいてよかった……)

    ほむら(今の銃声を聞けば、他の患者や職員や美樹さやかは避難するはず……)

    Dio「拳銃。……フン、鹿目まどかと同じように、気絶したままでいればよかったものを」

    Dio「しかし――拳銃も時代の変化につれて進化していたようだな。弾速が速くなっている。だが我が恐竜(スケアリー・モンスターズ)の動体視力の前には無駄……」

    ジャイロ「ほむら……。無茶……すんじゃねーぞ。さっき投げた鉄球が戻ってきた。腕を出せ。回転で痛みを和らげてやる」パシッ

    ほむら「心配には……及ばないわ。あなたは二つしかない鉄球は大事に使って」フラッ

    ジャイロ「そうか……。ああ、そうだ。これがDioの『スタンド』だ。恐竜の動体視力と身体能力。そして他の生き物を恐竜にして配下にする能力」

    ほむら「そう……やっかいね。恐竜の動体視力と言われてもパッとしないけれども」

    284 = 186 :




    ほむら(気絶したまどかは部屋の隅に寝かせておいた……が、今、非常にまずい問題がある)

    ほむら(私は変身するとソウルジェムが左手の甲に埋め込まれて左腕に盾が発現される)

    ほむら(しかしその腕が吹っ飛んだ)

    ほむら(変身はできても……『盾が発現されない』……。つまりそういうこと。とにかくそういうこと)

    ほむら(盾がない。時を止められなければ鉄球もなし。弾丸のリロードも片手じゃあどっちみちできない)

    ほむら(とにかく切断された腕の止血は魔法で何とかするとして……どうする?)

    ほむら(ハンドガンの残り弾数もあとせいぜい6発程度)

    ほむら(これはかなりヤバイ……わね)

    285 = 186 :


    ほむら「…………」

    ほむら(佐倉杏子が恐竜にされた)

    ほむら(……どうしてなの? 佐倉杏子……。警告したということは目の前の男……Dioのことを知っていたということ)

    ほむら(何故黙っていた? 何故警告した? 何を考えている?)

    杏竜「グルルゥ……」

    ジャイロ「二つ……わかんねーことがある」

    ジャイロ「まず、杏子。何故、お前さんはDioの味方をしているんだ?」

    杏竜「ガゥ――」

    ジャイロ「恐竜化してたら話は通じねーか。後回し。二つ目は……Dio。テメーの目的は何だ。とっとと答えろよクソッタレトカゲヤロウ」

    Dio「フン」

    ジャイロ(ほむらを攻撃したということは……魔法少女を知っていて、警戒しているということだぜ……)

    ジャイロ(しかしほむらは盾が吹き飛んでしまったか……。かなりマズイ)

    ジャイロ(流石の奴でもほむらに時を止める能力があることは知らないはずだ……。それを覚られてはいけない)


    286 = 186 :


    ほむら「戦うしかないわ。ジャイロ」

    ジャイロ「ああ……」

    ほむら(まずは吹き飛んだ腕を拾うことだ……)

    ほむら(治癒魔法で失った腕を復元するのは時間がかかるし、隙が大きい……)

    ほむら(魔法少女になった美樹さやかでもない限り、こうなったら腕を作り直すよりも拾ってくっつけた方が早い)

    ほむら(しかし……切断された腕を拾うだなんて妙な動き、奴が不審に思わないだろうか。いや思う)

    ほむら(一瞬でいいからとにかく隙を作る……)

    ほむら(盾さえあればハンドガンの弾数を気にする必要は全くないんだけれど……)

    ジャイロ「おい……」

    ほむら「……なに?」

    ジャイロ「投げるぞ」

    ほむら「…………えぇ。わかったわ」

    287 = 186 :




    Dio(……これは試練だ。ジャイロ・ツェペリと魔法少女を超えろという……神の課した試練と捉えよう)

    Dio(この閉鎖的な空間。ここはスケアリーモンスターによる接近戦が有利だ)

    Dio(だが、奴の鉄球にはまだ未知の部分がある。迂闊には動かせたくない。なるべく見極めたいところ)

    Dio(暁美ほむら。奴の能力は、聞いた話には……兵器を操ることだ)

    Dio(先ほどの片腕が吹き飛んでいながらの銃撃。腕は確かだ。女の方が射撃の上達が早いと言うが……)

    Dio(そしてわざわざ本物の銃を使っていることから杏子の槍やマミのマスケット銃のようなことはしない)

    Dio(D4Cと違って射程も能力も弱点も理解していない。鉄球も魔法少女も未知。一気に攻め込んでもいいがここは慎重になりすぎるということはない)

    Dio(……未知が多いとは言え、今言えることは……)

    288 = 186 :



    ジャイロ「オラァッ!」

    Dio「鉄球を寄越しても……」

    ほむら「……!」チャキッ

    Dio「なまっちょろい銃で狙ってもな……」


    Dio「スケアリーモンスターの動体視力の前には『無駄だ』ということだッ!」

    シルシルシルシルシルシル

    ガァン!ガァン!

    Dio「鉄球も銃弾も避けるぜ。杏子も同様に――」

    289 = 186 :



    チィンッ キィンッ

    杏竜「――!」

    Dio「ムッ! 弾丸の軌道が……」

    Dio「何ッ! 跳弾!」

    Dio「……だがッ!」

     サッ 

    ジャイロ「躱したか……」

    Dio「……正直に告白しよう。今、ほんのちょっぴりヒヤッとしたぜ」

    Dio「まさか貴様のような小娘がここまで正確な跳弾を撃てるとは思わなかった」

    Dio「だが、それも覚えたぞ」

    ほむら「人間の知能と恐竜の力……まるで最強に見える。……しかし」

    ほむら「勝ち誇っているところ悪いけど、私はあなたを狙ったわけではないわ」

    Dio「……何?」

    ジャイロ「ああ、跳弾の狙いはおまえじゃねー……」

    ジャイロ「跳弾で、鉄球への注意と、鉄球の軌道を逸らした」

    Dio「軌道……」

    Dio「――ハッ!」

    290 = 186 :



    バサァッ


    杏竜「ガッ?!」

    Dio「何ィッ!?」

    ジャイロ「俺達が狙ったのはベッドのシーツだ。シーツは軌道が逸れた鉄球の回転に巻き込まれ、背後から……視界外から覆い被さるぜ」

    ほむら「動体視力が優れていても、視界外なら、ましてや目の前の私達に集中していれば気付かないんじゃない? という発想」

    シルシルシルシルシル

    Dio「クッ……目くらましか! だが!」

    杏竜「グギャグバァ!」

    Dio「シーツなど無駄無駄無駄無駄無駄! 劈いてくれる!」

    291 = 186 :




    バリバリバリッ


    Dio「…………」

    ジャイロ「…………」

    Dio「……何故だ。ジャイロ・ツェペリ」

    ジャイロ「…………」

    Dio「何故だ、と聞いているのだ」

    ジャイロ「何のことだ?」

    Dio「何故今の隙に攻撃しなかった。予備動作さえ、全くない……。攻撃しないということは、今の跳弾からの目くらましに何の意味があったのだ」

    292 = 186 :



    ジャイロ「なんだ……そんなことか」

    ジャイロ「隙を作るのが目的だ……何も急いで攻撃することもねェーからな……」

    Dio「……どういうことだおい」

    ほむら「今の隙に……あなたに切り落とされた腕を拾ったわ」

    ほむら「そして応急処置程度に腕をくっつけた……!」ニギニギ

    Dio「!」


    Dio「……成る程な。今の隙に腕を治したか。治癒魔法」

    Dio「回復を優先したようだが……不完全だな。ちょっと切れ込みを入れたら落ちそうだぞ」

    ジャイロ「確かにちょっと引っ張ればまた筋肉がちぎれて取れそうだな。だが、十分だぜ」

    Dio「その盾に兵器を格納していると聞いている。ダイナマイトでも出すつもりか?」

    ほむら(……聞いている?)

    ほむら「とにかく十分なのよ。目的を達成する分にはね」

    サッ

    ほむら「これ……なんだと思う?」

    Dio「……ハッ!」

    293 = 186 :


    Dio「ば、馬鹿なッ! それは……!」

    Dio「おまえの手にある『それ』はッ!」

    ほむら「いざという時の道具として……持ち歩いていると思ったわ」

    Dio「それは……ソウルジェム……おまえのか……?」

    Dio「いや違う……『やはり』だ……この色は見間違えるはずがない」


    Dio「何故おまえが『俺の』ソウルジェムを持っているッ!」

    ほむら「あなたのじゃあない……これは『巴マミの』ソウルジェムよ!」


    ほむら(腕を治したことで盾が使えるようになって……)

    ほむら(さらに時間を止めて奴のポケットやコートの中を探して、取り上げた)

    ほむら(ジャイロが攻撃しなかったのはシートを被った佐倉杏子やソウルジェムに当たるかもしれなかったからだ)

    294 = 186 :



    Dio「何故……俺が持っているとわかった……!」

    ジャイロ「ソウルジェム……つゥ――と……魔法少女の魂なんだよな。……マミはそのことを知らないと聞いていたが?」

    ほむら「えぇ、知らないはずよ。でもあいつは知っている。巴マミから奪ったそれを持っているということはそういうことよ」

    ジャイロ「なるほどな……杏子は何故Dioに協力しているのかってのはどうなんだ?」

    ほむら「彼女はそこまで悪い子ではない。私も彼女のことはなんやかんやでよく知っているからわかるわ」

    ほむら「少なくとも病院を襲撃するような無駄なことも、あんな乱暴者を味方にすることもしないし取引もしない」

    ほむら「そこで私は彼女が『脅迫』されてDioに味方していると推測した」

    ほむら「どういう事情かはさておき、彼女は巴マミを助けるために味方をしたのだと。さっぱりしてるけど根は優しくて人情に厚い子だから」

    ジャイロ「……なるほど。辻褄は合うっちゃ合うか。俺は杏子のことを知らないがな」

    295 = 186 :



    ほむら「脅しているのなら、Dioは巴マミの命を握っているという証明になるものを持っていると思った。それこそ、ソウルジェム。これは命そのものだけど」

    ほむら「最悪私達を脅す手段としても、あるいは動揺を誘うため……」

    ほむら「そういう目的で使うためにすぐにでも取り出せるような場所に隠していたのよ」

    Dio「……いい推測だな」

    ほむら(しかし、巴マミに佐倉杏子、二人のベテラン魔法少女がDioに敗北したことになるわね……。巴マミは不意打ちをくらったとして……)

    ほむら(佐倉杏子は前の時間軸で、ソウルジェムが魂であることを知った時、かなり動揺してた……。だからきっとその動揺を突かれた)

    ジャイロ「……Dio。テメーの目的は結局何だ。何故マミのソウルジェムで杏子を脅して病院を襲撃する?」

    ジャイロ「俺やほむらを殺すためだけならわざわざ誘い込まずとも奇襲をかければいいはずだからな。答えろ」

    296 = 186 :


    Dio「…………」  

    ゴ ゴ ゴ ゴ

    Dio(やれやれ、ちとマズイな。この状況……。どういうことだ? 何故取られた?)

    Dio(俺の服から奴の血の臭いがする……近づかれて直接ポケットを探られたのは間違いない。だが……この俺が気付かないはずが……)

    Dio(……超スピードとか瞬間移動だとかチャチなものじゃあない。まるで、時を止められたかのような――)

    Dio(時を……止める……)

    Dio(……そうか! ほむらは時を止められるんだ!)

    Dio(時を止めたのでなれば俺のポケットからソウルジェムを奪えた時に近寄られた気配がなかったのも説明がつく)

    Dio(どうしたものか……クソッ! 油断をしたつもりじゃあないが、いざという時のソウルジェムで脅すということを封じられた……!)

    297 = 186 :




    ~~~~~~~~~~~~


    ――昨夜


    ピンポーン

    『はい、巴です』


    「やあ、こんな時間に申し訳ない」

    マミ『あのー、どちら様でしょうか』

    「明日越して来る者なんだけどね、引っ越しの挨拶にでもと思って」

    マミ『えっ……? い、今開けますっ』

    「あー、余計なお世話かもしれんがチェーンは開けなくていいからね。世の中は危ない」

    マミ『は、はい……』

    ガチャ ガチャッ

    298 = 186 :



    「やぁ、こんばんは。お嬢ちゃん。もしかしてお勉強の邪魔をしたかな?」

    マミ「い、いえ……」

    マミ(わぁ……外国人だ……)

    「これ、よかったら。イギリス生まれが一押しする紅茶ギフトだ。ドアの隙間から失礼するよ」

    マミ「あ、これって……ウェッジウッドの紅茶っ!」

    マミ「ありがとうございますっ。私この紅茶大好きなんです!」

    「そうか。気に入ってもらえてよかった」

    「盗品だがな」


    299 = 186 :



    マミ「え?」

    ガシィッ!

    マミ「むぐッ!?」

    ゴトンッ

    「チェーンなぞ、無駄無駄」

    バキィ

    マミ「ン、ンンンーッ!」キッ

    パアッ

    「何だ? そのふざけた衣装は。スタンドか? ……だが、いいか。口を塞いだってことは騒ぐなってことだぜ」

    「俺の名はディエゴ・ブランドー。初めまして。通称Dioだ」

    300 = 186 :



    マミ「ンッ!」チャキッ

    Dio「マスケット銃を出すのがスタンドか? ……だが、騒ぐなと言っただろうが。二度も同じ事を言わせるな」

    Dio「一度でいいことを二度言わなけりゃあならないってのはそいつが頭悪いってことなんだぜ」

    ギリッ

    マミ「ん゙……んぐぐ……ッ!」

    Dio「いいか。三度目はないぞ。次ンーンー言ったらその綺麗な頬に親指を貫通させて紅茶飲んだらこぼれでてしまうような穴をあけてやる」

    マミ「……ッ!」

    「マミを離して!」

    Dio「む?」


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