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    元スレさやか「奇跡も魔法も……」ほむら「私のは技術よ」

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    151 = 36 :



    仁美「あら、暁美さん」

    ほむら「……ハッ!? あ、あら、し、志筑仁美さん……何かしら?」

    仁美「いえ……用もなにも……」

    仁美「何をニヤニヤしてたんですか?」

    ほむら「へっ……?」

    仁美「ふふっ、暁美さんもこういう顔するんですね。ラブレターですか?」

    ほむら「うぅ……違うわよ……」

    仁美「そうですか。……ところで、美樹さんと何かあったんですか?」

    ほむら「別に何も?」

    仁美「そうですか。それでは、また明日」ペコリ

    ほむら「えぇ。さようなら」




    ほむら「あぁ、ビックリした……」

    ほむら「……さて、と。ジャイロのとこに行きましょう」

    152 = 36 :



    一方その頃



    マミ「3つ? 穢れたの3つ欲しいの? 3つ……このイヤしんぼっ!」

    マミ「いい? 投げるわよ」

    QB「いいよ。マミ」

    マミ「ティロッ☆」

    ドヒュゥ――――z___ッ!

    QB「キュップイ。キュップイ。キューップイ」パクッパクッパクッ

    QB「キュプー」

    マミ「良ぉお~~~~~~~しッ! よしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし」ナデナデ

    マミ「ナイスキャッチよキュゥべえ~~~」

    QB「普通に渡してくれればいいのに……」

    マミ「いいじゃない別に~。鹿目さん達が来るまでの間、お茶の用意ができたら暇なのよ~」

    QB「わけがわからないよ」

    153 = 36 :



    ――廃墟


    ほむら「お待たせジャイロ」

    ジャイロ「ん? おぉ、早かったな」

    ジャイロ「……何かあったか?」

    ほむら「ん?」

    ジャイロ「さやかやマミにあれこれ言われてムスッとしてると思ったが」

    ほむら「そうね。あの二人、私はキュゥべえに何もしてないのに勝手に結論づけちゃって……ムカッ腹が立たないこともないわ」

    ジャイロ「機嫌がよさそうだな」

    ほむら「あら、そう見える?」

    ジャイロ「まどかのことか?」

    ほむら「ふふ、正解。この時間軸のまどかとメル友になれるのよ」

    ジャイロ「ああそう……めるともって何だ? あ、やっぱいい。説明しなくていい」

    154 = 36 :



    ほむら「……で? これからどこに行くの? 学校帰りの中学生を呼び出すだなんて、通報されるわよ」

    ジャイロ「あのなぁ……これはおまえのためでもあるんだ」

    ほむら「私の?」

    ジャイロ「これからおまえ用の鉄球を用意する」

    ほむら「本当? 私用の鉄球くれるの?」

    ジャイロ「正確には材料を集める。色々この辺りを歩き回って、丁度いい廃材置き場を見つけた」

    ほむら「廃材置き場?」

    ジャイロ「ああ」

    ほむら「私に廃材の窃盗の片棒を担げと」

    ジャイロ「おまえがそれを言うのか?」

    ほむら「冗談よ」

    ジャイロ「でも俺は死人だから逆に罪はねぇーんじゃねぇの?」

    ほむら「……廃材置き場なんてこの辺りにあったかしら」

    ジャイロ「スルーかよ。ああ、ここからだと結構歩くぜ」

    ほむら「それにしたって、出かけるならそうと言ってくれればいいのに。着替えて来るのに」

    ジャイロ「早い方がいいだろ? 暗くなると補導されるだろ。おまえ」

    ほむら「私にそれを言うの?」

    ジャイロ「冗談だよ」

    155 = 36 :



    ――
    ――――


    ほむら「……ねえ、兄さん。何か食べる?」

    ジャイロ「兄さんンン?」

    ほむら「兄さん。兄上の方がいいかしら?」

    ジャイロ「何だよその呼び方は」

    ほむら「私は女子中学生よ。制服のままだし。そういう設定でないとまあ間違いなく通報されるわ。ええ、通報されるわね」

    ジャイロ「世知辛ェ世の中だな」

    ほむら「これが未来よ。で、どうなの? 未来の食べ物を食べない?」

    ほむら「これはあなたはこの世界で何食べているのかという好奇心でもあるのよ」

    156 = 36 :


    ジャイロ「あー……悪いが、何も食う気がないんだ」

    ほむら「そう。口に合わない?」

    ジャイロ「違うんだよ。ほら、この前俺が『そーゆー欲望』が湧かないって話しただろ? 三大欲求の一つ。下がスタンドしない方」

    ほむら「…………」

    ジャイロ「今の言い方は悪ふざけが過ぎたわな。続けるぞ? 実は、その三大欲求のどれも湧かないってわかったんだ」

    ほむら「……何ですって?」

    ジャイロ「眠くならないし、腹も減らないし、不能なわけよ」

    ジャイロ「食指が動かないんだ。『二つ』の意味で」

    ほむら「……あなたって遠慮とかしないタイプ?」

    ジャイロ「死人だから許せ。どういう理屈だってのは聞くな」

    157 = 36 :



    ジャイロ「とにかく三大欲求が湧かないんだ。いや、別に食おうと思えば食えるぞ。でも食おうと思わなきゃ食わないんだ」

    ほむら「……難儀な体ね」

    ジャイロ「死んでるからな。でも味覚はある。ワイン程度は飲むぜ」

    ほむら「そう」

    ジャイロ「東洋で言う所の仙人ってやつなんじゃないか? 俺は」

    ほむら「あなたみたいな仙人がいてたまるもんですか」

    ジャイロ「ガハハニョホ。おい、ついたぜ」

    158 = 36 :



    ――廃材置き場


    ほむら「ある意味では長いこと見滝原に住んでいたけど、こんなとこがあったなんて知らなかったわ」

    ジャイロ「もしかしたらその見滝原を出てるかもしれないがな」

    ジャイロ「シビル・ウォーを思い出していい気はしないが、これだけあれば十分すぎるだろう」

    ほむら「しびる・うぉー? 何それ」

    ジャイロ「前に話したスタンドだ。まぁ過ぎたことだ」

    ほむら「……しかしほんと、ずいぶんと遠くに来たものね」

    ジャイロ「他にも廃材置き場、あったのかもしれねーがな」

    ジャイロ「ところで今気付いたんだが、女子中学生が廃材置き場にきて廃材を頂戴するのは世間体的にマズイんじゃないか?」

    ジャイロ「まあもう手遅れだろうけど。制服だし」

    ほむら「あなたって人は……」

    159 = 36 :


    ほむら「でもまぁ大丈夫よ。廃材置き場に行くって聞いてから、せめて顔はバレないよう気を遣ってたもの」

    ほむら「ストーキングには慣れているから、死角だとか気配だとか、よ~くわかる」

    ジャイロ「大変だな」

    ほむら「色々あってね。なんだかんだでバレたことは一度もないわ」

    ジャイロ「ストーキングする方かよ。され慣れてるのかと思ったらおまえがするのかよ。テメーが通報されちまえよ」

    ほむら「私だって本当はそんなことしたくないものよ。心が痛むったらありゃしないんだから」

    ほむら「変身……っと」パァッ

    ほむら「さ、鉄を集めるわよ」

    160 = 36 :



    ジャイロ「本当はわざわざそんなんしなくとも、別に拳銃を削って鉄球にすることもできるんだけどな~」

    ほむら「勿体ないわ」

    ジャイロ「そう言うと思ったぜ」

    ほむら「鉄球の材料に……廃材なんかでほんとにいいの?」

    ジャイロ「武器は鉄球じゃあなくて、回転そのものだ」

    ジャイロ「ただその回転に一番適した造形というものが真球で、ぶん投げるなら鉄がなおさらいいんだがな。素材に拘る必要はない」

    ほむら「そういうものなの……? まあいいわ。たくさん作ってたくさんストックするわよ。頑張ってね」

    ジャイロ「おまえが作るんだよ。作り方はレクチャーしてやる。その後は無くなり次第勝手に作れ」

    ほむら「はいはい。いくつ作ろうかしら……ほむ、二十個は欲しいわね」

    ジャイロ「多すぎだ。それに持ちきれねぇだろ」

    161 = 36 :



    ほむら「大丈夫よ。盾の中に入れるから」

    ほむら「ほら、そこの鉄骨だってこの通り」ズリズリ

    ジャイロ「…………」

    ほむら「私の力は時を止めるだけじゃあないのよ。驚いた?」

    ジャイロ「……いや、それよりもあのサイズをさも当然のように片手で持ち上げるおまえの姿に驚いてる」

    ほむら「魔法パワーよ」

    ほむら「鉄球を投げる際にこの力をプラスするつもりでいるわ」

    ジャイロ「ふーん……。まぁ俺にはそういう魔法がないから何とも言えないが」

    ほむら「なんやかんやで鉄球は持てるだけ持つに越したことない。さ、材料を集めるわよ」

    ジャイロ「おうよ」

    162 = 36 :



    「……?」

    「何してんだあいつら……こんなとこで……怪しい奴らだな」



    「ッ! 変身した……魔法少女かッ」

    「……何をしてるんだ? まあいい。後で尾行してみるか」

    「見滝原の中学だかどっかの制服だよなアレ……」

    「見滝原……あそこもいつかはあたしのテリトリー。下見がてら、行ってみよーかね」

    「たい焼きうめぇ」ムシャムシャ




    見滝原のとある中学校の制服を着た少女が廃材を集めに廃材置き場に出没する噂。

    回収した廃材はその場で何らかの方法で消滅させてしまうらしい。

    一説によるとその少女は金属を体内に取り込んで食べるエイリアンであるとのこと。

    ――見滝原の七不思議。その②

    163 = 36 :

    今日は多分、ここまで。多分というのはその気になったら続けるかもしれないからです。


    「キャラが変」等のご指摘をいただきましたが、どっちかと言えば原作よりも二次創作とかジョジョの空気を基準にしてる部分があるからですかねぇ


    164 = 144 :


    マミさんは億安(漢字わからん)とナランチャ成分が入ってしまったんですね。わかりました

    165 = 90 :


    魚は相変わらずの魚だったけど

    166 :

    乙。
    せっかくの良SSだっつーのに外野のマミさやかdisがうぜえ
    せめて投下中は余計な戯言挟まず口チャックしてろってんだビチグソどもが

    167 :

    マミさやがこの段階でクズ言動するのは毎度のことだろ!

    シャル越えてからが本番

    168 = 36 :

    ついさっき前作がまとめに載っていたことに気が付いた+夜のテンションでアレ+お菓子の魔女までは終わらせたくなったので二三時四十分くらいに再開します。

    169 :

    ヒューッ!
    こいつは嬉しいお知らせだぜ

    170 :

    すげえ嬉しい
    いやまじで

    171 = 90 :

    楽しみだぜ

    >>166
    disでもなんでも無く、事実だけどね
    それがdisってるように見えるな十分さやか厨かマミ厨

    172 :

    時は満ちた

    173 = 36 :




    ――数日後


    さやか「おっ、見てよまどか」

    まどか「なぁに?」

    さやか「双眼鏡だよ~~~っ。双眼鏡が道端に落ちてるよ~~~っ」

    まどか「さやかちゃんは落ちてる物にすぐ興味示すね。ばっちぃから拾っちゃダメだよ」

    『ワタシはバッチくなんかありませんよ!』

    まどか「!?」

    さやか「残念! さやかちゃんの裏声でした!」

    まどか「うん。知ってた」

    さやか「なんだ。つまんない」

    174 = 36 :


    ティロッ♪

    さやか「およっ」

    まどか「あ、ごめんね。メール来た」

    さやか「そういやまどか。最近ケータイをイジること多くない?」

    まどか「そ、そうかな?」

    さやか「どうした~? 出会い系にでも登録したのか~?」

    さやか「リアルで会おうだとか写メ送ってとか言ってくるやつは信用するなよ!」

    まどか「そういうのとは違うよ……」

    さやか「違う? 保険係のお仕事? 別のクラスの友達? まぁなんでもいいけど」

    まどか(ほむらちゃんとメル友になっただなんて言えない……)

    175 = 36 :



    まどか(あ、ほむらちゃんからだ。えーっと……タイトルは「無題」……)



    『電話では話しにくい。

     巴マミや美樹さやかが近くにいるかもしれないからね。今一人?

     状況は良くわからないけど、病院でグリーフシードを見つけることでしょう。

     今向かっている。でもジャイロは少し遅れてくるかもしれない。

     結界に入ったら巴マミを足止めしてほしい。ジャイロがそこへ行くまででいい。

     おそらく巴マミは「お菓子の魔女」に敵わない。だから助けたい。     暁美ほむら』



    まどか「………………え?」



    まどか(グリーフシード……? お菓子の魔女……? マミさんが……敵わない……?!)

    176 = 36 :



    さやか「……ハッ! ま、まどか! これ!」

    まどか「うん? ……あ!?」

    さやか「グリーフシード……!」

    まどか(お菓子の……魔女……!)

    QB「すぐに孵化するね。この様子だと」

    まどか「キュゥべえッ!」

    さやか「まずいよ……まどか! マミさんを連れてきて!」

    まどか「さ、さやかちゃんは!?」

    さやか「あたしは見張ってる!」

    まどか「そんなっ。危ないよ!」

    QB「魔法少女でないのに……結界の中に巻き込まれたら確かに危険だ」

    177 :

    さやかはクズゥゥゥゥゥ!的な感じに愛されてるからしゃーない

    178 = 36 :


    さやか「なぁに! いざって時は契約しちゃえばいいのさ。キュゥべえ。一緒にいて」

    さやか「願い事の候補がないわけじゃないからね。そん時はそれを叶える」

    まどか「なっ……!」

    QB「それは本当かい?」

    まどか「で、でも……! ダメだよさやかちゃん!」

    さやか「な~に、いざって時はだよォ! マミさんが来れば問題ない」

    まどか「うぅ……わ、わかった! でも! 無茶しちゃだめだからね! すぐマミさんつれてくるからね!」

    ダッ


    さやか「まどか……頼んだよ……!」

    さやか「……恭介」

    179 = 36 :



    ――結界



    まどか「お……お菓子……!」

    まどか(もうちょっとメルヘンな感じを想像してたけど……)

    マミ「……差詰めお菓子の魔女と言ったところかしら?」

    マミ「思春期の女の子にはナーバスになりそうな結界ね」

    マミ「それで? 美樹さんはグリーフシードを見ていると言ったのよね」

    まどか「はい」

    マミ「全く……無茶をするわ。その勇気は称賛に値するけども」

    マミ「急がなくっちゃねっ」

    まどか「……マミさん」

    マミ「なぁに?」

    180 = 36 :


    まどか「今更なこと言うんですけど……一人で大丈夫なんですか?」

    マミ「ん? どういう意味?」

    まどか「あの……一人で、魔女と戦うのは……」

    マミ「……そうね。勿論怖かったわ。でも、大丈夫。要は慣れよ」

    マミ「それに今は、一人じゃないもの」

    まどか「え?」

    マミ「鹿目さんや美樹さんがいるじゃない」

    マミ「私、嬉しいの。魔法少女という共通の認識のある友達ができて……」

    まどか「…………」

    まどか(わたしが言ったのは……そういうことじゃないのに……)

    まどか(ほむらちゃんがメールで、お菓子の魔女はマミさんと相性が悪いって言っていたから……)

    181 = 36 :



    まどか「マ、マミさん。わたし、そういうことで言ったんじゃないんです」

    マミ「あら? 早とちりしちゃったかしら」

    まどか「その……ほむらちゃんと一緒に戦って欲しいなって」

    マミ「……何を言ってるの?」

    まどか(そりゃ、そう言われるよね……。早く来て。ほむらちゃん。ジャイロさん)

    まどか「……実はわたし」

    まどか「ほむらちゃんとメル友なんです!」

    マミ「!」

    まどか「ほむらちゃんは、わたし達を心配してくれています。勿論マミさんも!」

    まどか「わたしは、マミさんと同じように、ほむらちゃんを信頼しています! だから……!」

    マミ「……鹿目さん。あなた、何を言っているのかわかっているの?」

    まどか「わかっています! あの穴ぼこだらけのとこの時だって、ほむらちゃんはわたしを案じて……」

    182 = 177 :

    さやかの魔女化は上條と付き合わない限りどうしても避けられないんだよね
    戦いで助けなければ魔翌力尽きて魔女化
    助ければ「なんで勝手な事をするんだよ!アンタの力借りる位なら死んだ方がマシだ!」てな感じに魔女に近付く

    まあ、ある意味美味しいポジションだよね

    183 = 36 :


    「まどか」


    マミ「!?」

    まどか「?!」

    まどか「ほ、ほむらちゃん!」

    ほむら「仲裁させたいという気持ちは嬉しいけど、彼女を戸惑わせるようなことを言っちゃだめよ」

    ほむら「……巴マミ」

    マミ「……何か用? 私達、今急いでいるの」

    ほむら「この魔女は強いわ。だから共闘をしましょう」

    マミ「…………」

    ほむら「別にまどかがそう言ったからじゃない。単純にここの魔女はあなたと相性が悪い」

    ほむら「言いにくいけど予言させてもらうわ。あなた独りではお菓子の魔女に殺される」

    マミ「…………」

    まどか「マ、マミさん……協力してくださ――」

    184 = 177 :

    マミさんってプライド高いからなぁ、助けなきゃ死んじゃうけど助けようとしたら邪魔するしな
    ベジータっぽいよね

    185 = 36 :



    シュルッ

    ほむら「!?」

    ガシィッ

    まどか「え!?」

    ほむら「なッ――!」

    マミ「リボンで縛り付けた」

    ほむら「な、何を……! 離しなさい!」

    マミ「大人しくしていれば、あとで解放するわ」

    まどか「ほ、ほむらちゃん!」

    まどか「マミさん! ほむらちゃんを離してください!」

    マミ「……ずいぶんあなた。暁美さんに肩入れするわね」

    まどか「うっ……ほ、ほむらちゃんは悪い子じゃないです!」

    186 :



    マミ「……何なのかしら? もしかして暁美さんに何か言われたの?」

    マミ「例えば……私達の動向を監視して報告して自分のことをよく言わないと酷い目に遭うと脅されたとか」

    まどか「いっ、いくらマミさんでもそんな言い方……!」

    マミ「例え話よ。た・と・え・よ」

    まどか「だって……わたしと打ち解けようとハッピ――」

    ほむら「まどかッ!」

    まどか「あ、う、うぅ、そうだった。言っちゃダメだった。と、とにかくっ、ほむらちゃんはほんとは優しいんです」

    マミ「……いい? 鹿目さん。魔法少女において、共闘において最も大事なことは『信頼』なの」

    マミ「援護だと協調性だとか、互いの欠点をどうフォローできるか、とかじゃあない……」

    マミ「あなたが彼女を信頼できても、私はできない! 戦いにおいて『不信』は少しでもあってはならないのよ! その差は命を食いつぶす!」

    マミ「鹿目さんは、私とあの人、どっちを信じるの? 心理テスト風に言えば『どっちか一人しか助けられない状況でどっちを助ける?』ってヤツよ」

    まどか「う、うぅ……」

    187 = 186 :



    マミ「私の友達であるキュゥべえを狙って、不審者と同行する人からいきなり、あなたは魔女に殺されるですって?」

    マミ「そんなこと、いきなり言われてハイ、そうですか。と信じられると思って?」

    まどか「で、でもわたしは……」

    ほむら「やれやれ……ずいぶんとまあいきなりの不意打ちね」

    ほむら「……巴マミ。まどかを攻めてはいけない。この子の優しさを知っているでしょう」

    マミ「……えぇ。わかっているわ。だからあなたの言うことに従わざるをえなかったのよ」

    まどか「ち、違っ……これはわたしが勝手に言ったことで……」

    ほむら「一応もう一度警告するわ。ここの魔女は強力。あなたの実力は認めるけど……」

    ほむら「あなたじゃここの魔女には勝てない」

    マミ「それを私に信じさせてみなさいよ。あなたが着いてきても問題ないと信じさせられるものなら」

    188 = 186 :



    ほむら「…………」

    ほむら(「思い込む」ということはなによりも「恐ろしい」ことね)

    ほむら(しかも自分の能力や才能を優れたものと過信している時はさらに始末が悪い)

    ほむら(巴マミの能力、才能は実際に優れてはいる……ただ過信している)

    ほむら(勝てるという自信、負けるはずがないという思い込み、自分をよく見せたいという欲が、彼女を言葉通り食い潰してしまう)


    マミ「あなたの実力がどうかは知らないけど、あなたが魔女と一緒に私を葬るなんてことを決してしないという根拠がない」

    マミ「信頼できない相手と共に戦うだなんてできない」

    ほむら「……やれやれだわ」

    189 :

    一方的に不信してるのは貴女じゃないですかー!
    てかこの選択肢卑怯だな、どちらか選んだら片方を裏切る事になり、H×Hみたいに「選べない」と答えても「選べないじゃない、選ばなきゃいけないのよ」って返ってきたらおしまいだしな

    190 = 186 :


    「じゃあ俺が行こう」


    マミ「!?」

    まどか「!?」

    ほむら「……ジャイロ」

    ジャイロ「待たせたな」

    ほむら「ずいぶんとまぁ、遅かったじゃない」

    ジャイロ「おまえは何で縛られているんだ?」

    ほむら「色々あったのよ。……肩に葉っぱついてるわよ」

    ジャイロ「抜け道をしたからな。遅れて悪かったよ」

    まどか「あ……えっと……ジャイロさん」

    ジャイロ「よぉ、まどかじゃあないか。しばらくぶりだな」

    まどか(ほむらちゃんがメールでよく話してる人……)

    まどか(この人はほむらちゃんに「技術」を学んでいるらしい。あの鉄球みたいなのでグルグルするやつ)

    まどか(ほむらちゃんはこの人を、変わり者だけどいい人だと言っていた)

    まどか(ほむらちゃんがそう言うなら、いい人なんだ)

    191 :

    ポルポ……いや、デm……マミさんか。

    192 = 186 :


    マミ「……『俺が行こう』ってどういう意味?」

    ジャイロ「言葉通りだ」

    ジャイロ「おまえさんがほむらを信用できないっていう気持ち……わからないでもない」

    ジャイロ「だが、信用できないという理由だけで、試験終了チャイム直前まで問題を解いている受験生のような必死こいた気分で警告するほむらの言葉を軽視するのもどうかと思うぜ」

    マミ「それが嘘である蓋然性。私をついでに葬ろうとしている疑惑の方が強いわ」

    まどか「も、もしそうだったらわざわざ警告しに現れないと思いますっ!」

    マミ「……そうね。それも一理ある。でも、敢えてということもある」

    ジャイロ「だから、俺と共闘しろと言っているんだぜ」

    マミ「何でよ」

    193 = 186 :


    ジャイロ「おまえさんがほむらを信用ならねーってんなら……」

    ジャイロ「身動きの取れない所を使い魔に襲われるなんてことがないというなら、ほむらをそのままにしてくれてかまわない」

    ほむら「……ジャイロ。私を助けてくれるんじゃあないの?」

    ジャイロ「んなこと言ったってよォ、こいつがヤダって言うんだぜ? 仕方ねー」

    マミ「……そのリボンには使い魔を寄りつかせない効果がある」

    ジャイロ「よし。決まりだな」

    マミ「あなたと共闘するつもりはないわ」

    ジャイロ「そうだな……なんならまどか達の護衛を引き受けよう」

    ジャイロ「いざって時は……魔法少女のおまえさんなら一般人の俺なんてどうにでもできる。違うか?」

    マミ「……」

    まどか「わ、わたし、それがいいと思いますっ。ねっ! ほむらちゃん」

    ほむら「え? え、えぇ……まぁ、いいんじゃないかしら」

    194 = 186 :


    マミ「…………」

    マミ「あなた……『覚悟して来てる人』……ですよね」

    マミ「魔女を『始末』しようとするってことは……」

    マミ「逆に『始末』されるかもしれないという危険を、『覚悟して来ている人』ってわけですよね……」

    ジャイロ「おう」

    マミ「わかったわ。ツェペリさん。鹿目さんに免じて、あなたに鹿目さん達の護衛を任せるわ」

    ジャイロ「任せな」

    マミ「魔女がもう孵化してしまう。時間がない。だからこれは妥協案よ」

    ジャイロ(全く……慢心して殺される奴の言う台詞か、これは……)

    ジャイロ(後輩の前では大人ぶっているが、結局はまだガキだ。プライドが無駄に高い)

    195 = 186 :



    マミ「行くわよ。鹿目さん」

    まどか「あ、はい……」

    まどか「……ほむらちゃん。ごめんね。わたし、余計なことを……」

    ほむら「何を謝ることがあるのよ。あなたはちゃんと巴マミを足止めしてジャイロと合流させてくれたわ。ありがとね」

    まどか「で、でも……わたしが変なこと言わなかったら縛られたりなんか……」

    ほむら「大丈夫よまどか。不安かもしれないけど、大丈夫……」

    ほむら「あなたが私のことをそう思ってくれて、嬉しかったわ」

    ほむら「あなたはとても優しい……。今回はちょっとその優しさが空回ししちゃったのよ。私の言い方も悪かったのよ」

    196 = 189 :

    ジョルノww
    最初から皆ジョジョキャラみたいな性格の時間軸とかありそうだな

    197 = 186 :


    ほむら「いつかメールで書いたと思うけど、私はジャイロを信頼しているわ。回転の力を信じてる」

    ほむら「だから私はこうして冷静でいられるのよ。さぁ、行って。まどか。美樹さやかが危ないわ」

    まどか「う、うん……わかった。ほむらちゃん……ほんとにごめんね」

    ほむら「いいのよ。でも、その心遣いだけでも嬉しいわ……」


    マミ「鹿目さんっ!」

    まどか「はいぃっ!」

    ほむら「さぁ、早く行ってあげて。……気をつけてね。まどか」

    まどか「うん……!」

    198 = 186 :




    ――結界最奥


    まどか「さやかちゃん!」

    さやか「あ!」


    さやか「もー! やっと来たぁ! もう、心細かったんですからね!」

    マミ「ごめんなさい。ちょっと一悶着あってね」

    QB「……彼は」

    さやか「あ……! あの時の……ふ、不審者……!」タジ…

    ジャイロ「よぉ」

    さやか「マミさん! なんで転校生の仲間が!?」

    マミ「不本意だけど、この人にあなた達の護衛を任せるわ」

    QB「何だって?」

    199 = 186 :



    まどか「さやかちゃん。大丈夫だよ。この人、悪い人じゃないから……」

    さやか「まどか。あんたまさか……転校生に何か……」

    ジャイロ「この魔女は強いらしいからな。念には念を、だ」

    さやか「マミさんに敵うやつなんかいないさッ!」

    ジャイロ「だといいんだがな」

    さやか「マミさんを妨害して消そうだなんて考えてないだろうね……?」

    ジャイロ「同じようなことさっきマミが言ってたな。断言する。俺は、ンなことはしない。神に誓うぜ」

    まどか「使い魔から守ってくれるからマミさんは魔女に専念してくれるよっ」

    さやか「魔女に専念……ね。いつあたしらに手を出すかわからないよ。むしろ集中できないっしょ」

    ジャイロ「ほむらがある意味で人質になっているんだがな」

    さやか「え? どういう意味?」

    マミ「……話は後よ。グリーフシードが孵化するわ」

    200 = 186 :




    ゴゴ ゴゴゴ ゴゴ ゴ

    「…………」


    さやか「あ、ありゃ……何だかかわいいのが出てきましたね」

    マミ「でも魔女よ」

    ジャイロ(この魔女が……マミの頭を食っちまうのか)

    まどか(見た目は弱そうだけど……ほむらちゃんが言うには、マミさんと相性が悪い強力な……)

    マミ「さ、戦闘開始よ」

    タッ


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