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    元スレさやか「奇跡も魔法も……」ほむら「私のは技術よ」

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    801 = 755 :



    なんてこった

    802 :


    ほむらが死んだことよりも最後にオリキャラが出てくる方が余程絶望的だわ

    803 = 751 :

    まどか契約してほむら復活なんてやられるよりはマシじゃね

    804 :

    救ってくれるんだよねえ~~~~~>>1
    あんたはハッピーエンドにしてくれるよねェ~~~~~


    そしてジャイロも死んだことに誰も触れてないという……

    805 :

    ヨーロッパの格言にこんなのがある… 『オリキャラが出るSS…そのSSはもうすぐ滅びる』

    806 :

    >>805
    つまり、だ
    このSSはオリキャラじゃない!よって滅びる事もない! そういうことなんだな?!

    807 :

    オリキャラとか何やってるんだ>>1ーーッ スピードはともかく理由を言えーーーッ

    808 :

    気にするな>>804……………
    そうなるべきだったところに…戻るだけなんだ
    元に戻るだけ……ただ元に…

    ってことだよ

    809 :

    主要キャラに助けられる魔法少女A&B、もしくはまどかが子供にほむらの話をおとぎ話として伝える
    つまりオリキャラとはこういうことだろう

    810 = 755 :

    好きなように書かせてやれよ
    「納得」は全てに優先する

    811 :

    その実態を知る前に騒ぐオリキャラアレルギーは黙ってろよ

    812 :

    もちろん、『名前』なんて…憑いてませんよね…

    813 :

    >>1の書き込みが終わったらキチッと>>1乙とレスしてから次の投下を待つ
    誰だってそうする、俺だってそうする

    814 :




    ――さやかは目を覚ました後、まどかからほむらの死を知った

    かなりのショックだったが、まどかも杏子もマミも、ほむらの死を受け入れていた

    だからさやかもそれを受け入れた


    さやかは帰宅すると自分の部屋へ行き2時間眠った。そして……目をさましてからしばらくしてほむらが死んだことを思い出し……泣いた……




    スーパーセルによる建造物の倒壊、洪水などにより、見滝原の生徒児童及び学生に三週間の休校を言い渡された

    ワルプルギスの夜を超えてから、一週間が経っていた

    815 = 814 :



    ――某県S市


    さやか「やぁみんな。ワルプルギスぶり! 略してワルぷり!」

    杏子「おい。遅いぞ」

    さやか「ごめ~ん」

    マミ「全くもう……集合時間10分前には来てって言ったじゃない」

    さやか「いや~、初めて来るとこなんで電車とかで戸惑っちゃって」

    さやか「まどかと一緒に行ければ良かったんだけどなー」ジトー

    まどか「……ウェヒヒ、ごめんね?」

    さやか「まどかも顔を見るのはワルぷりだね」

    さやか「いや~、早く休校解かれないかなぁ」

    816 = 814 :


    マミ「そうね。でも……私は受験生だから、その埋め合わせが今から怖いわ……」

    さやか「お忙しいとおっしゃるならば! 魔女狩りはあたしにお任せあれですよ!」

    杏子「たのもしーなー(棒読み)」

    さやか「あんたってやつは……」

    まどか「あはは……」

    さやか「おっ、まどか。どうしたその包帯は」

    まどか「ん、これ? 昨日パパにお料理教えてもらってたら指切っちゃって怪我しちゃった」

    さやか「どんくせぇ~」

    まどか「ひど~いっ」プンスカ

    さやか「あははっ」

    まどか「ウェヒヒッ」

    マミ「ふふっ」

    杏子「へへっ」

    さやか(……ほほ~?)

    817 = 814 :



    さやか(みんな……変わらないじゃんか)

    さやか(ほむらとジャイロがいなくなって一週間……)

    さやか(みんな笑ってる。ちゃんと、乗り越えられてるんだなって)

    さやか(だったらあたしも……いい加減に……)

    さやか(はは……おかしいよね。ほむら、ジャイロ)

    さやか(あたしってどっちかといえばそーゆーキャラなのに……)

    さやか(もしかしたらこの中で一番あんた達を引きずってるかもしんない)

    さやか(こうやって、寂しいって感情を押し殺してる感)

    さやか(……いや、みんなも今のあたしみたいに隠しているのかな?)

    818 = 814 :



    マミ「……さて、と。全員揃った所で、早速用事を済ませましょう」

    杏子「おい、さやか。気をつけろよ。ここは他の魔法少女のテリトリー。下手に動くな」

    さやか「そうだね。……敵意持たれない?」

    マミ「……かもね。でも、行かなきゃ」

    まどか「ところで、何をしにここまで?」

    マミ「ある人物に会うためよ」

    さやか「ある人物?」

    杏子「……ああ。重要な奴だ。だから魔法少女でないまどかも連れてきた」

    まどか「どんな人だろう……」

    杏子「……むっ?」


    819 = 814 :



    杏子「……おい、背後から誰かがあたし達を見てるぜ」

    さやか「へ?」

    マミ「!」

    「……」

    タッタッタッ

    まどか「あっ、あのうしろ姿は……!」

    杏子「追うぞ!」

    さやか「あ、うん!」

    820 = 814 :



    ――公園

    まどか「あっ。いた!」


    「ほらほら、喧嘩しないで」

    「私の邪魔をする奴は縛り首だ」

    「この前のは僕のせいじゃないって世界だ」

    「がっついちゃあダメ。ちゃんとソウルジェムは考えてグリーフシードのストックも持ってるからね」

    「ようこそ……少女の世界へ……」



    マミ「作戦会議でもしてるのかしら?」

    杏子「チームみたいだな」

    まどか「中心になってるあの子……誰かに似てるような……」

    さやか「……あのうしろ姿はッ! まさかあいつは……」

    マミ「待って。私が話をする。みんなここにいて……」

    821 = 814 :



    ザッ

    マミ「私の名は巴マミ。この二人とともに見滝原と風見野の魔法少女をしているものよ。こっちの子は魔法少女ではないけど」

    「帰ってッ!」

    マミ「ッ!」


    クルッ

    「話はききません! 聞きたくないッ!」

    眼鏡少「帰ってッ!」


    さやか「あっ!」

    杏子「ほむら!」

    まどか「ほむらちゃん……?」

    眼鏡少「みんな行くよ!」

    Ⅰ~Ⅲ「はーい」ゾロゾロ


    まどか/さやか/杏子「まっ、まさか!」

    マミ「…………」


    822 = 814 :



    マミ「暁美さんの従妹よ」

    マミ「ああやって他の魔法少女を束ね、教育して暮らしている……」

    まどか「従妹」

    マミ「でも……従姉の暁美さんの死を報告するのは……つらいことよ」

    さやか「………………」

    マミ「あの子は私達が暁美さんを見殺しにしたと思い込んでいる」

    さやか「そ、そんな……」

    まどか「協力は期待できそうにないですね……」

    マミ「そうね……。……あ!」

    杏子「魔女の気配だ……!」

    まどか「孵化するのを待っていたんだ。だから今行って……」

    823 = 814 :


    杏子「仕方ない。魔女はあいつらに任せて、その後で話つけよう」

    マミ「そうね……」

    まどか「うん……」

    さやか「…………」

    さやか「……いや、あたし……追って話してくるよ。ほむらはあたしを助けようとして……だから……」

    杏子「ほむらの死はさやかのせいじゃない……。だが……あたしらは待ってるよ。危なくなったら戻れよな」

    さやか「…………うん」

    824 = 814 :


    ――結界

    さやか「…………」トボトボ

    さやか「とは言え落ち込むよなぁ……」

    さやか「ほむらは……あたしを守ることを考えたから浄化が間に合わないって判断したんだろうし……」

    さやか「従妹……か」

    さやか「いるなんて知らなかったな」

    さやか「そういえばあたし……ほむらのこと何も知らない……」

    さやか「あたしはほむらのどんな音楽が好きなのかもわからなかったな……」


    コツン

    さやか「ん? 何か落ちてる……」

    825 = 814 :



    さやか「こ、これは……この赤渕眼鏡……」

    さやか「さっきの……ほむらの従妹の……!」

    さやか「ま、まさか!」

    ダッ




    「――ッ!」

    「ま……魔法少女だった時はステキな美人だったと思うな。もう呻き声でわかるのよ。私は」

    「うん。なにか高貴な印象をうける」

    「声優のA(エーミリー)・加藤の声に似てませんか?」


    「――!」グアッ


    ズギャァ――ン

    「やっばぁーいッ!」

    「クッ! さすが魔女! 僕達のおべっかが通用しないとは!」

    826 = 814 :



    さやか「危ないッ!」


    「ッ?!」

    ズバァッ

    「――!」

    「あ、あなたはさっきの……!」

    さやか「ハン! ワルプルギスと比べりゃあんたなんかショボっちぃね!」

    「――――ッ!」

    さやか「あ! 逃げた!」

    さやか「くっ……追いかけたいとこだが……」

    さやか「それよりあんた達! 大丈夫か!?」

    「う、うん……」

    さやか「怪我をしているね……。今治してあげるよ」

    「どうも……」

    827 = 814 :



    「……あッ!?」

    使い魔「SYAAAAAAAAAAAAA!」

    さやか「使い魔!? うわぁっ!」

    ドゴアァァッ!

    さやか「ふぐゥッ!」

    「ああっ! 見知らぬ人!」


    ドサッ

    さやか「ぐ……クゥ!」

    さやか「ま、まずい……足の腱を切れたか……!」

    さやか「ヤバッ!」

    使い魔「KWAHHHHHH!」

    828 = 814 :



    さやか「ここで問題だ! このえぐられた足でどうやって使い魔をかわすか?」


    3択―ひとつだけ選びなさい

    答え①美少女のさやかちゃんは突如反撃のアイデアがひらめく

    答え②仲間がきて助けてくれる

    答え③円環の理。現実は非常である


    さやか「あたしが丸をつけたいのは②だけど……」

    さやか「マミさん達はほむらの従妹達に任せると言ったから結界の外にいる」

    さやか「今テレパシーで呼び出すにも時間がかかる」

    829 = 814 :



    さやか「ここは①しか考えられな――」

    コンッ、カラカラカラ


    さやか「……ん?」

    コロコロコロ……

    さやか「……空き缶?」

    使い魔「…………」

    ゴアッ!

    さやか「!?」

    830 = 814 :



    ドギャァッ!

    使い魔「TEEEEEEEEEEEEE!」

    さやか「あ、空き缶から何か飛び出した!?」


    「缶の中に鉄球を入れた。金属板への入れ方は秘密にしとくわ」


    さやか「鉄球を……すごい。て、手品みたいだ……」

    さやか「え? ……て、『鉄球』?」


    「手品……そうね。それじゃあ私のことを、魔術師の炎……マジシャンズ・ホムホムって呼んでもいいわよ? 魔法少女だけどね」

    さやか「……ほむ、ほむ?」

    「ふふ……」

    さやか「……!」



    使い魔「」

    ボシュゥ――

    831 = 814 :



    さやか「あ……ああ……!」

    さやか「あんたは……! まさか!」

    さやか「その顔! その声! み、見間違えるものかッ!」

    さやか「あ……! あ……!」



    さやか「暁美ほむら!」


    ほむら「YES! I AM!」バァーン

    ほむら「ほむ、ほむ♪」


    さやか(答え――②!)

    832 = 814 :



    さやか「う……嘘……ゆ、夢? 幻覚?」

    ほむら「…………」

    さやか「さ……触れる……。人間だ。本物だ……! 声も……体温も……!」ペタペタ

    ほむら「何を言ってるのよ。さやか」

    さやか「ほ、ほむら……本物……! 本物だ……!」

    ほむら「本物よ」

    さやか「う……ううぅ……ほ、ほむらぁ……」ウルウル

    ほむら「ほら、泣かないの」

    さやか「だ、だってぇ……」

    さやか「ううぅぅ……」ゴシゴシ

    さやか「ど、どうしてここにいるの? あんた、死んだはずじゃ……」

    ほむら「えぇ……色々あってね」

    ほむら「でも今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょ?」

    833 = 814 :



    さやか「そ、そうだね……そうだよね! だって、だって実際に生きてて、助けてくれたもん!」

    ほむら「そう。あなたがピンチな瞬間を隠れて探っていたわ」

    さやか「は?」

    ほむら「そういう時に助けた方がかっこいいじゃない」ファサ

    さやか「あ、あんた……そんなキャラだったっけ……」

    さやか「……あ!」

    さやか「そ、そうだ! さっきテレパシーで助けを呼ぼう!」

    さやか「今! 今みんないるんだよ! まどかも! みんな!」

    ほむら「落ち着きなさい。さやか」

    さやか「それが落ち着いてられますかァーッ!」




    マミ「美樹さん! どうしたの!?」

    さやか「きたッ!」

    834 = 814 :


    さやか「おい! みんな驚かないでよ! 誰に出会ったと思うッ!?」

    マミ「美樹さん! 急に呼び出すもんだから心配したわよ!」

    まどか「ど、どうしたのそのキズは?!」

    杏子「敵に襲われたのか?」

    さやか「傷なんてすぐ治るからいいよ! いい!? ソウルジェムポロリするなよ杏子! 驚いて漏らすんじゃあねーぞまどか! 誰に出会ったと思う!? マミさん!」

    杏子「?」

    まどか「?」

    マミ「?」

    さやか「なんとッ! 喜べ!」

    さやか「パンパカパ~~ン♪」

    さやか「ほむらが生きてたんだよォ! オロロ~~~~ン!」

    ほむら「ほむっ」トォジョーッ

    マミ「さ! 魔女を追うわよ!」

    835 = 814 :



    杏子「まどか。変身だ」

    まどか「うん」パァッ

    さやか「!?」

    ほむら「みんな。奴は手強いわよ」

    杏子「ようほむら」

    まどか「ほむらちゃん。久しぶり。元気?」

    ほむら「ええ。最近ちょっと寝不足気味だけどね」

    マミ「暁美さん、ちゃんと休まないとダメよ。すぐそうやって無理するんだから」

    ほむら「そうね。気を付けるわ」

    ほむら「でも、こっちの都合も一段落ついたしそろそろ見滝原に帰れるわ」

    まどか「やったぁ! ほむらちゃんが帰ってくる~♪」ギュッ

    836 = 814 :


    ほむら「ふふ、急に抱きつくだなんて今日のまどかは甘えんぼさんね」

    まどか「ウェヒヒッ、ほむらちゃんの顔が見られて嬉しいよぉ~」

    ほむら「私もみんなの元気な顔が見れて嬉しいわ。私がいない間ちゃんと魔法少女できた?」

    まどか「うんっ!」

    さやか「……おい。ちょいと待て。あんたら」

    杏子「あ、そうそう。例の件はどうなった?」

    ほむら「大体はまあ。なんやかんやで落ち着いたわ」

    まどか「それは何よりだけど……ほむらちゃんちょっと痩せた?」

    マミ「ちゃんとエネルギーになるもの食べてる?」

    杏子「食うモン食わないと育つとこ育たないぜー」ケタケタ

    ほむら「う、うるさいわねっ」


    さやか「こら! 待てといっとるんだよッ! てめ――――らッ!」

    837 = 814 :


    さやか「何? 何よ何さ何だってばよ!?」

    さやか「死んだと思ってたヤツが生きてたというのに!」

    さやか「まどかは契約していないはずなのに!」 

    さやか「何なの!? その平然とした会話は!」

    マミ「あ……美樹さん。ごめんなさいね」

    マミ「ワルプルギスの夜で暁美さんが死んだというのは、あれは嘘よ」カル~ク

    さやか「ギャニィ――ッ!?」

    まどか「あー、でも嘘じゃないと言えば嘘じゃないかな?」

    ほむら「えぇ。確かに私は死んだわ」

    さやか「へ? え?」

    838 = 814 :


    ほむら「でも私が生き返ったのはまどかが契約してくれたからなのよ」

    さやか「生き返っ……!?」

    まどか「うん。しちゃったんだ」

    マミ「武器は弓と矢よ」

    さやか「……み、みんな既にほむらが生きてるってこと知ってて黙ってたの?」

    さやか「杏子ッ! あんたもか!」

    杏子「さやかがは口が軽いから一般人にほむらが裏で色々してたのを知られるのはまずい」

    杏子「さやかには内緒にしようって言ったのはあたしだ」

    さやか「……」ズル…


    839 = 814 :



    ~~~~~~~~~~~~~~~~~


    「……ここは、どこなんだろう」

    「辺りが真っ暗で何も見えない……」

    「取りあえず、歩いていけばなにかわかるかな?」

    「…………」

    「何だろう。この感じ……懐かしいというか」

    「そうだ……。思い出した。この感覚」

    「――とお喋りしてる時、――と一緒に帰っている時……そういうのに似てる」

    「何だかわからないけど、このまま歩けばみんなに会える気がする……」

    「……うん?」

    「何だろう。遠くで光りが見える……そっちに行ってみよう」

    840 = 814 :



    ――ワルプルギス撃破後


    杏子「落ち込みムードなのに……あたしらを馬鹿にしてるかのようないい天気だな」

    マミ「えぇ……今までこんな空、見たことあったかしら」

    杏子「ホームレス時代は一日中雲を数えてた日もあったが……あたしは初めてだ。こんな空は」

    マミ「そう……」

    杏子「…………」

    マミ「…………勝った……のね」

    杏子「犠牲は……出たがな……」

    マミ「……えぇ」

    杏子「ほむらは……まどかを契約させなかった。……これが、ほむらの悲願だ」

    杏子「悲願は達成された。ほむらは……救われていたんだ」

    杏子「そしてジャイロは元の世界に戻った。いるべき場所に帰っていったんだ……」

    841 = 814 :


    マミ「そうね……」

    マミ「……ワルプルギスにはみんなが貸していたのよ」

    マミ「ずっと昔から大勢の人間が……あらゆるものを貸していた」

    杏子「戻って来ねえものが多すぎるがな……」

    マミ「ええ。多すぎるし、大きすぎるわ。でも、二人のおかげで、私達は生きている」

    マミ「私達が失ったものワルプルギスの夜なんかよりもずっと大きい……しかし、二人のおかげよ……」

    マミ「二人のおかげで私達は生きているのよ……」



    ほむら! ジャイロ! 終わったよ……


    842 = 814 :



    まどか「みんなっ!」タッ


    マミ「鹿目さん……!?」

    杏子「何でここに……」

    まどか「ハァ……ハァ……空が、晴れたから……もしかしたらと思って……ハァ……」

    マミ「そ、その腕どうしたの!?」

    まどか「えぇ……ちょっと、色々ありまして……」

    まどか「わたしより、みんなこそひどい怪我を……」

    杏子「……ああ。ついにワルプルギスを倒したんだ。……これは名誉の傷さ」

    まどか「杏子ちゃん、マミさん……埃まみれで……ビルの瓦礫?」

    マミ「……ええ。そうよ」

    QB「まさか勝てるとは……お手柄だよ。みんな」

    マミ「キュゥべえ……」

    843 = 814 :


    まどか「や、やったんだね! ついに、ほむらちゃんの願いが達成されたんだよね!」

    マミ「……えぇ、そうね」

    まどか「わたしも頑張ったんだからっ!」

    まどか「ほむらちゃんにさやかちゃん、ジャイロさんはっ?」キョロキョロ

    杏子「……さやかはここだ。頭を打って気を失っているが、問題はない」

    まどか「あ、さやかちゃん……よかった。大丈夫そうで何よ――」

    まどか「……ん、今、何て?」

    マミ「…………」

    まどか「さやかちゃん『は』……?」

    まどか「…………ね、ねぇ、どういう意味かな?」

    まどか「あ、あれ……? 二人は……? ほむらちゃんと……ジャイロさんはどこ? ねぇ?」キョロキョロ

    844 = 814 :



    QB「……まさか、マミ」

    マミ「逝ってしまったわ。元の世界に、冥土の世界に、導かれて……」

    まどか「…………え?」

    杏子「ジャイロは……Dioを道連れにして、消滅しちまった……」

    まどか「え? ……え?」

    杏子「そしてほむらは……自らの穢れたソウルジェムを……さやかを守るために回転させた」

    マミ「美樹さんを生かすため、自らの魔女化を防ぐために……そして、暁美さんのソウルジェムは砕け散った」

    まどか「嘘……でしょ……? 嘘だよね?」

    マミ「暁美さんの遺体は『これ』の下よ」

    まどか「……ッ!」

    杏子「魔法で少しでも修復しておこうと思ったんだがな……」

    まどか「あ……あ……!?」ガタガタ

    QB「避難が間に合わず犠牲になった……で通るね。この状態なら」

    845 = 814 :




    まどか「う、うああ……ああ……! ああああ……あ……!」ポロポロ

    まどか「あああ、あ……ほ、ほむら……ちゃ……あああああ……!」

    まどか「ほむらちゃんが……! ジャイロさんが……!」

    まどか「あんまりだよ……! ひどすぎるよ……!」

    まどか「約束したのにッ! 一緒に……一緒にお出かけするって、約束したのにッ! そんなの! そんなの……ッ!」

    まどか「どうしてッ!? わたしは幸せになるためにッ! ほむらちゃんのために覚悟を決めたのにッ!」

    マミ「落ち着いて! 鹿目さん!」

    まどか「いやだ! いやだぁぁぁッ! わたし頑張ったのにッ! 頑張ったのにィッ! いやだよぉぉぉッ!」

    まどか「うあああああぁ……いやぁ……いやだよぉ……! こんなのってないよ……!」

    杏子「落ち着けよッ!」ガシィッ

    まどか「ッ!」

    846 = 814 :



    杏子「ジャイロは最期の道標を示した。そしてさやかはそれを伝えた」

    杏子「結果としてほむらは勝ったんだ! なるべくしてなったんだよ……!」

    マミ「暁美さんは……覚悟をしていたのよ……。鹿目さんと美樹さんを……そして、私達を守る……ために……」

    まどか「うぅぅ……」

    まどか「そんなの……そんなのやだよォ……いやだァ……うぅ……」

    QB「たった五人で戦って、ワルプルギス……それもDioが加担しているのに犠牲が二人で済んだ。それだけでも十分じゃないかな」

    杏子「おまえは黙ってろ……」

    QB「…………」

    QB「ジャイロ・ツェペリは無理だけど、暁美ほむらを犠牲者でなくすることができるよ」

    マミ「!」

    847 = 814 :


    まどか「……契約?」

    QB「そうなるね。Dioもいない。ワルプルギスも超えた今、契約してもさほど問題はないんじゃないかな」

    まどか「……何で……ジャイロさんはだめなの?」

    QB「わからない。けどわかる。恐らく完全にこの世から……概念ごと消えてしまったから……かな」

    杏子「概念……?」

    QB「とにかく、暁美ほむらは生き返る。潰れた肉体と砕けたソウルジェムに復元ができるよ」

    まどか「…………」

    まどか「……キュゥべえ」

    QB「どうするんだい? まどか」

    848 = 814 :



    まどか「…………」

    マミ「鹿目さん……あなた……」

    まどか「……わたし、ほむらちゃんが……」

    杏子「…………」

    マミ「契約をしたら……暁美さんの遺志はどうなるの?」

    マミ「暁美さんは……あなたを契約させないために……!」

    まどか「マミさん……だけど……だけど……っ!」

    マミ「暁美さんはあなたのために……ッ!」

    グイッ

    849 = 814 :



    マミ「……佐倉さん」

    杏子「……マミ。……魔法少女の素質がある以上、願いを叶える権利はあるんだ」

    杏子「あいつは、まどかを幸せにしたいんだろう? きっと、いや、間違いなく、今のままではまどかは……親友を失ったから不幸になる」

    マミ「……そう、ね。例え今阻止をしても、キュゥべえにしつこく追いつめられてしまう……その度に鹿目さんは苦しむでしょうね」

    マミ「暁美さんの覚悟を無下にするわけじゃないけど、私なんかでは、あなたの覚悟を止められない……」

    杏子「他人のために願いを叶えるのは馬鹿のすることだ。だが……この願いはまどかのためでもあり、みんなのためでもある」

    杏子「まどかはもちろん、あたしもマミもさやかも……みんなほむらと一緒にいたいからな」

    まどか「……ありがとう。二人とも」

    QB「さて、君にはどんな途方もない願いも叶えられる素質がある」

    QB「それでも無理なこともある。さっきも言ったけどジャイロ・ツェペリは生き返らせることはできない」

    QB「その理由は闇の中だ。とにかくできないんだ。いいね?」

    まどか「うん」

    QB「それじゃあ聞こう。まどか、君の願いは――」


    850 = 814 :



    (…………)

    (…………空?)


    (あれ……?)

    (私は確か……えっと……何をしていたんだっけ)

    (ここは天国? いえ違う……。そうだ……確か私は……)


    「……まさか」


    まどか「ほむらちゃんっ!」

    「……!」

    「ま……まどかッ!」


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