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    元スレさやか「奇跡も魔法も……」ほむら「私のは技術よ」

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    701 = 648 :




    さやか「現代の護身グッズの合理性をだよォ~~……」

    ジャイロ「鏡の類はないもんな……」

    さやか「あんたにかけられたマスタードスプレーのことだよ……」

    Dio「き、貴様ら……!」

    さやか「さっきのスプレー! 『ピンク色の塗料』が同時に噴射されるのだ!」

    さやか「塗料がつくことで、犯人がすぐにわかるからな……合理的でしょ」

    Dio「……ハッ!」

    翼竜「ガウゥゥゥ……」

    Dio「お、俺の恐竜が……ダークピンクに……」


    さやか「塗料がついていれば、そいつはそれを噴射された、則ちターゲットだってわかるからね……しかもそう簡単には落ちない」

    さやか「途中で乗り換えればそれをあたし達が見逃さない。だからあんたは翼竜の中に潜むほかなく、この塗料に気付かなかったんだ」

    ジャイロ「どっちみち、空飛ぶピンクを探せばいいんだよ。まぁ高い場所に行くだろうと予想はしていたがな」

    702 = 648 :



    Dio「ひ、退け! 恐竜!」ガシィッ

    Dio「飛べッ! ジャイロは手ぶらッ! 鉄球を持って投げるまでの隙ができるッ!」

    翼竜「ギャウー!」

    バサッ

    Dio「ここは逃げ――」

    さやか「そうはさせるかッ!」

    ザシュッ


    Dio「な……ッ!?」

    翼竜「GYAAAAAAAA――!」

    Dio「な……なにィィィ!? 恐竜の……翼が……」

    グラッ

    Dio「お、落ちるッ!」

    ズルッ ガシィッ

    703 = 648 :




    Dio「ハァ……ハァ……!」

    ジャイロ「やはり……落下しないように恐竜から抜け出したな」

    さやか「落ちまいと必死にビルにしがみつく姿は実に情けないねぇ」

    Dio「何故だ……! 何故恐竜が……近づかれていないのに!」

    さやか「……フッフッフ。翼竜ちゃんは、マスタードスプレーで目がふさがれちゃったから自慢の動体視力も残念賞……」

    Dio「さやか……?」

    Dio「ハッ! け、剣が……! 『刀身がない』ッ!?」

    さやか「へへーん!」バーン

    さやか「マミさんにも秘密の奥の手だよ……この剣先を飛ばすのは! ……もっとも一本しかないから無くしたらまた作らないといけないんだけどねっ」

    さやか「名付けてラストショット! 剣先を飛ばして翼竜をやったッ!」

    Dio「こ……この……! 薄っぺらなたかがカスの小娘のくせにッ!」


    704 = 648 :



    ジャイロ「回転をくらうがいいぜ」

    ギャンッ

    Dio「うおあッ!」

    シルシルシルシルシルシル

    グルンッ ドサッ


    さやか「回転で捕まり状態から半回転しィ~~……あたし達の足下に!」

    さやか「築地のマグロみたいにドサァーってね。ニョホホ」

    Dio「ク、クソッ……!」

    ジャイロ「大人しくしてろよ。そのまま回転で動きを止めてやる」

    シルシルシルシル

    Dio「うっ……グク、ぬぬ……!」

    ジャイロ「さて、と。このDioをぶちのめすか。脚の不自由なその体……俺はおまえさんにカワイソーだとか思わねぇ」

    Dio「く……ぐく……!」


    705 = 648 :



    ジャイロ「聞け、Dio。俺は今からおまえを抱えて、こっから飛び降りるぜ」


    Dio「な、何ィッ!?」

    ジャイロ「わざわざ高いビルへ逃げたのが運の尽きだ」

    ジャイロ「まあ……下から見えないし行くのに骨が折れるからこのビルに逃げるのが順当だろーがな」

    ジャイロ「こんなとこから……おまえを蹴り落とすのもいいが、おまえは恐竜を呼び出したりとかするかもしれねーからよぉ……」

    ジャイロ「共倒れってのがおまえを葬る一番確実な方法だ。しかもこれが唯一無二のチャンスさ」

    Dio「お、おまえ……! し、死ぬ気かッ!」

    ジャイロ「おまえ何かを抱えて飛び降りなくちゃならないってのは嫌ってもんだぜ」

    ジャイロ「Dio。とにかくおまえはちょっと黙ってろ。心を静かに……」

    シルシルシルシルシル

    Dio「ウ……あ……」

    Dio「…………」

    706 = 648 :



    ジャイロ「聞け、Dio。俺は今からおまえを抱えて、こっから飛び降りるぜ」


    Dio「な、何ィッ!?」

    ジャイロ「わざわざ高いビルへ逃げたのが運の尽きだ」

    ジャイロ「まあ……下から見えないし行くのに骨が折れるからこのビルに逃げるのが順当だろーがな」

    ジャイロ「こんなとこから……おまえを蹴り落とすのもいいが、おまえは恐竜を呼び出したりとかするかもしれねーからよぉ……」

    ジャイロ「共倒れってのがおまえを葬る一番確実な方法だ。しかもこれが唯一無二のチャンスさ」

    Dio「お、おまえ……! し、死ぬ気かッ!」

    ジャイロ「おまえ何かを抱えて飛び降りなくちゃならないってのは嫌ってもんだぜ」

    ジャイロ「Dio。とにかくおまえはちょっと黙ってろ。心を静かに……」

    シルシルシルシルシル

    Dio「ウ……あ……」

    Dio「…………」

    707 = 648 :


    ジャイロ「おまえはバラバラにしても石の下からミミズのようにはい出てきそうなくらいにしつこいからな。こうするしかねー」

    さやか「…………ねぇ、ジャイロ」

    ジャイロ「あん?」

    さやか「本当にこうするしかないかなぁ」

    さやか「あたし……やっぱヤだよ。恭介の腕治してくれたり、恩があるのに……」

    ジャイロ「気にするな。俺はこの世界にとっては招かれざる存在なんだよ。元に戻るだけさ……ただ元にな」

    708 = 648 :



    ジャイロ「俺だけにDioに引導を渡す権利があり、義務なんだ。俺はDioの道連れになるつもりで戦う」

    ジャイロ「ほむら以外の全員は、俺が死ぬことを承諾しただろ?」

    さやか「それは、そうだけどさ……」

    ジャイロ「まぁ、さようならと言えないのが心残りではあるが……まぁ仕方あるまい」

    ジャイロ「それらを覚悟したからこそ、おまえは俺とここに来たんだぜ」

    ジャイロ「ま、当のほむらに黙ってこんなことするのもあれだが……あいつに限って許してくれないだろうからな。黙って逝くぜ」

    さやか「うん……でも、寂しいよ……。マミさんや杏子だって……」

    ジャイロ「人の死を乗り越えてこそ、人は成長するもんなんだよ」

    ジャイロ「杏子が言っただろ? 俺を魔女の呪いから解放するって」

    さやか「……わかったよ。うん。あたし達で決めたことだもんね」

    さやか「あたし、あんたのことずっと忘れないからね!」

    ジャイロ「いつかは忘れてもいいぜ」

    さやか「うーん……そう言っちゃうかあんた……」

    709 = 648 :



    さやか「……さて、これからジャイロは死んじゃうわけだけど」

    ジャイロ「何だ?」

    さやか「バックルは? 渡しとくよ?」

    ジャイロ「いや、ほむらは4回目の『できない』をまだ言っていないはずだ。だからやれない」

    さやか「ちょ……! 死んだら渡せないじゃん! 新手の詐欺まがいなことを……!」

    ジャイロ「掟は掟だからな……。それに、バックルなんか今更意味はない」

    さやか「え? ど、どういうこと?」

    ジャイロ「ほむらに伝えてやってくれ。『おたくはすでに答えを掴んでいる。回転させようとする意志を持つならなぜそれを使わない?』と……」

    ジャイロ「これはバックルなんかよりずっと良いヒントだ」

    さやか「…………」

    さやか「愛弟子に最期の伝言するのに、それだけじゃ寂しくない?」

    ジャイロ「ニョホホ、おまえ気が利くじゃあないか。それじゃお言葉に甘えて……だが、覚えられるのか?」

    さやか「あたしを馬鹿にしないでよね!」


    710 = 648 :



    ――
    ――――


    ジャイロ「さてと、あとはよろしく頼むぜ」

    さやか「うん……」

    ジャイロ「あばよ」

    さやか「イイヤツに生まれ帰れよっ!」

    ジャイロ「ニョホホッ、だといいな」


    ジャイロ「……オラ、起きろDio。死ぬ時間だぜ……しょっと」

    ガシィッ

    Dio「……はっ!」

    ジャイロ「それじゃ、飛び降りるで」

    ブワッ

    Dio「ッ!」

    711 = 648 :

    >>710はミスです。すみません


    ×さやか「イイヤツに生まれ帰れよっ!」
    さやか「イイヤツに生まれ変われよっ!」

    712 = 648 :




    さやか「…………」

    さやか「あたしが無意気の内にとっていたのは敬礼のポーズであった」ビシィッ

    さやか「それにしても何だか……ずいぶんとあっさりとした別れだなぁ……」

    さやか「何でだろう? ジャイロのことは、尊敬も感謝もしているのに……」

    さやか「不思議と、泣くとか『そーゆーの』がない。大切な仲間の一人との別れだってのに」

    さやか「思えば杏子もマミさんもそうだったな……割とあっさりジャイロの死を受け入れた」

    さやか「悲しいし、寂しいし、未来の娯楽施設を見せてその反応を見てみたかったってのに……」

    さやか「……魔女の呪いから解放するっていう意識だからかな?」

    さやか「これが、救済する側の気持ちってやつなのかな」

    さやか「あーもー! あたしの頭じゃ考えがまとまらないからもう何でもいいや!」

    713 = 648 :





    ゴオォォォ――――――z____ ッ!


    Dio「う、うおおおおおおッ!?」

    ジャイロ「この高さならよォ――……落ちるのがコンクリだろうが水だろうがどっち道、即死だぜ」

    ジャイロ「おまえは病院の時に続いて、また落ちるんだ」

    ジャイロ「再びな……」

    Dio「お、おのれ……! ジャイロ・ツェペリ……!」

    ジャイロ「再びなァ――――――ッ!」

    Dio「フン! だが……面白いぞジャイロ・ツェペリ! おまえの覚悟には敬意を表してやる!」

    Dio「だがッ! この俺がおまえの腕を切り落として逃げないとでも思ったか!?」

    ジャイロ「ッ!」

    Dio「WRYYY! 貧弱! 貧弱ゥ!」

    グアァッ! 

    714 = 648 :



    ガキィッ!

    Dio「……な」

    ジャイロ「ぐああッ! 痛っ……てぇな! ちくしょう!」

    Dio「ば、馬鹿な……! 恐竜化した俺の手刀はおまえの腕を切り飛ばすはずだ……。俺は骨ごと腕を切り落とすこともできる……!」

    Dio「何故腕が繋がっている! 何故掴む腕の力が緩まないんだ!」

    ジャイロ「ニョホホ。ホホ」

    シルシルシルシル

    Dio「ッ! 回、転……!」

    ジャイロ「ホ」

    ジャイロ「気付いたか? 何も俺が無策でつっこむわけねーだろ」

    ジャイロ「テメーにしては冷静じゃあないな。まあ無理もない」

    Dio「ジャイロ・ツェペリッ! 皮膚を硬質化したなッ!」

    ジャイロ「おうよ。今の俺はそこら辺の拘束具よりも頑丈だぜ」

    715 = 648 :


    Dio「は、離せジャイロォ……!」

    ジャイロ「嫌だね」

    Dio「いいか、よく聞け。どうせ俺達は既に死んでいるんだぞ……!」

    Dio「今こうして空気が吸えるのはきっと生き返れという神の啓示だ!」

    Dio「生に執着するのが生き物ってもんだろう!?」

    Dio「手を組もうじゃないか! 俺達が手を組めばニューヨークのマンハッタン島くらいなら簡単に手に入るぞッ!」

    Dio「まどかの力があれば俺達は生き返って何だってできるんだッ!」

    Dio「何なら他の魔法少女の素質のある奴を探せば、契約の力で何でも叶うぞ! ちょっと脅せば大丈夫だ!」

    Dio「おまえにも永遠の喜びを与えようじゃないか!」

    Dio「なあいいだろう! おまえにも出世欲はあるはずだ! おまえにも、人の上に立つ才能がある!」

    ジャイロ「なんつーか……おまえ、小物臭がハンパないな。まぁ、生への執着心と良いように捉えてやる」

    Dio「クッ!」

    716 = 648 :



    ジャイロ「いつまでもこの世にへばり付いてんじゃあねェーぜッ! お互いによオォ――ッ!」

    Dio「ふざけるなァァァァ――――ッ! ジャイロォォォ――――ッ!」

    ジャイロ「うるせぇーぞ! ボケッ!」

    Dio「やめろオオオオオオオオWRYYYYYYYYYYYYYYYYY――――ッ!」

    ジャイロ「テメーごときにしがみついて死ぬ俺の気持ちも考えろよなッ!」

    Dio「ウオオオオオオオオオオオオオォォォォォォッ!」

    ジャイロ「…………」

    Dio「――――」

    ジャイロ(……じゃあな)


    メメタァッ

    717 = 648 :





    ――避難所


    タツヤ「タァァァ~~~~~…………」

    タツヤ「ボ」

    知久「よしよし」

    詢子「お酒飲みたいんだが」

    知久「我慢してよ詢子さん」

    詢子「酒! 飲まずにはいられない!」

    知久「そういえばまどかは?」

    詢子「さあ? 外の景色でも見てるんじゃないの?」

    詢子「ほら、子どもの頃、台風の時とかってなんかわくわくしなかった? そんなノリでさ」

    知久「あぁ、そんな頃もあったような気がするよ」

    タツヤ「イギーッ」

    718 = 648 :




    まどか「…………」

    QB「彼女達の元へ行くのかい?」

    まどか「行きたいけど……」

    まどか「わたしが行っても、邪魔なだけだよ……」

    まどか「外の様子、見てるだけ……」

    QB「…………」

    QB「君は無力感を覚えている」

    QB「全員が戦っているのに、自分だけ安全な場所にいることに心を痛めている。違うかい?」

    まどか「…………」

    QB「君が契約されすれば、ワルプルギスの夜を倒せるというのに……」

    まどか「わたしが契約してワルプルギスを超えても、それはほむらちゃんを悲しませちゃう」

    まどか「ほむらちゃんは幸せになるために、わたしを幸せにするために未来からやってきた」

    719 = 648 :



    QB「やれやれ。人間の価値観というものは本当に理解ができない」

    QB「ねぇ、まどか」

    QB「ワルプルギスの魔女は何故、舞台装置の魔女と呼ばれているのを知っているかい?」

    QB「ワルプルギスは自分自身で舞台を作り上げ、魔法少女を役者をした舞台を演出する」

    QB「その脚本は、魔法少女の敗北が結末なんだよ」

    まどか「…………」

    QB「ワルプルギスを超える力がないと、その舞台の結末。もとい崩壊の運命からは逃れられない」

    QB「負けることが運命だ。その運命を切り開けるのは君の契約――」

    まどか「キュゥべえ……それは違うよ」


    720 = 648 :



    まどか「運命っていうのは自分で切り開くものなんだよ」

    まどか「運命の一言で諦めれちゃうようなら、ほむらちゃんは今、この時間軸にはいない」

    まどか「……それに役者じゃない存在が乱入しているんだもの」

    QB「ジャイロ・ツェペリ……」

    まどか「それに、ほむらちゃんには、その技術(アドリブ)があるもん」

    まどか「とにかくわたしは、そうそう契約はしないから」

    QB「本当に君は……」

    まどか「魔法少女になる以外に鹿目さんを超える方法……何かないかなー」

    QB「鹿目……? あぁ、前の時間軸の君のことか」

    QB「そんなこと考える必要はないんじゃないかな。君がその鹿目なんだから」

    まどか「キュゥべえにはわたしの心が一生わからないだろうね――」

    721 = 648 :




     ガシャアァァァンッ!


    まどか「!?」

    QB「!?」


    まどか「な、何の音……!」

    QB「ガラスが割れた音だね」

    まどか「……え」

    まどか「あ……あれって……そんな……」


    『ルゥゥゥゥ…』


    まどか「う、嘘……そんな……あ、あり得ない……どうして……!」

    722 = 648 :




    恐竜「ブハァ――……ッ」


    まどか「恐、竜……!?」

    まどか「でぃ、でぃ……」

    まどか「Dio……!?」

    まどか「そ、そ、そ、そんな……ど、どど、どうして……た、確かに……確かに消えたって……!」

    QB「スタンド能力というものは本体が死ねば消滅するはずなのに……」

    QB「……あの時、病院で……あの高さから落ちたのに……奇跡的に生きていたのか……!」

    まどか「う、う、うぅ……」

    まどか「うあああああああ!」

    QB(まどかが恐怖している!)

    723 = 648 :



    恐竜「ギャアァァ――――ッ!」

    ダンッ

    QB「気付かれた!」

    まどか「ああああ……あああ……あああああ……」

    恐竜「グルルルルル……」

    QB「まどか! 逃げるんだ!」

    まどか「あ、あわ、あわわ……」

    ガクガク

    まどか「あ、脚が……脚が震えっ……!」

    まどか「ひっ、ひぃ……ッ!」

    724 = 648 :



    ――まどかは思った。


    Dioがいる! 病院の高い階からコンクリートの地面に落下して消えたと聞いていた!

    本人ではないが、恐竜が実際にいる! ガラスを突き破って! 侵入した! つまり生きている!

    何があったのかわからないが、何にしてもいるという事実がある!


    ……目的はわたし! Dioが病院を襲撃した時、さやかちゃんとキュゥべえを捕まえて契約を迫ったように……

    今! わたしとキュゥべえを捕まえて、契約させるつもりだ!


    ここに恐竜が現れたということは、Dioは、わたしがここにいることを知っていたということになる!

    そして本体が来ていないということは……きっとDioはワルプルギスの所にいる!


    725 = 648 :


    まどか「い、い……」

    まどか「いやあぁぁぁぁ……!」

    ペタン

    QB「まどか! 座り込んではダメだ! 逃げなくちゃ!」

    まどか「こ、腰が、抜け……た、立てないよぉ……!」

    恐竜「グフゥー」

    まどか「ひぃぃぃっ!」


    ドスンッ

    まどか「ごふッ!?」

    726 = 648 :




    QB「まずい! あの時と同じだ……!」

    QB「恐竜がまどかを踏みつけた!」

    恐竜「グルルルゥ……」

    キョロ キョロ

    QB「警戒している……仲間がいないかどうか確かめているんだ」

    まどか「お、重い……痛い……苦しい……た、助けて……誰か……」

    まどか(声が震える……大声が出ない……怖い……怖い怖い怖い怖い)

    まどか(誰か……誰か助けて……ママ、パパ……ほむらちゃん……!)

    まどか「痛い、痛い、痛い……痛いよ……痛いよぉ……!」

    QB「まどか! しっかりするんだ!」

    まどか(――ん? 脚に……傷跡みたいなものが……ある)

    727 = 648 :



    QB「まどか!」

    QB(まずい……Dioにまどかを奪われたら……)

    QB(契約すること自体は問題ない。しかし……今はダメだ)

    QB(Dioにまどかを渡すわけにはいかない)

    恐竜「ブハァ――……」

    QB(うっ、目が合った)

    QB(……確か恐竜は、Dioの言葉に反応していた)

    QB(なら……言葉が通じるかもしれない!)

    QB「まどかを離してくれ!」

    728 = 648 :



    恐竜「グルル……」

    ギリッ

    まどか「ああああ……っ! お、重い……! 苦しい……!」

    QB(まずい……さやかの時と違って……さやかがうつ伏せだったのに対してまどかは仰向け)

    QB(生物は防御をする時、腹を抱えるようにして背中を丸める。それは内臓を防御するためだ)

    QB(まどかは今、かなりのダメージを与えられている!)

    QB(さらに、恐竜が間近に見えることによる恐怖!)

    QB(さやかの時以上の恐怖と苦痛を味わわされている……!)

    QB(今、契約をさせるにも……恐竜がいては、踏まれていてはそれができない)


    729 = 648 :



    QB(助けなければ……しかしどうやって?)

    QB(……恐竜はDioの言葉を認識していた)

    QB(言語は通じないだろうか? 今はとにかく考え得るあらゆる方法で試してみよう)

    QB(Dioは日本語で指示していたが、テレパシーで別の言語による指示を送っていた可能性もある)

    QB(あらゆる言語で試してみよう)

    QB「Release her!」

    QB「Placere dimittere Madoka!」

    QB「Si prega di rilasciare il suo!」

    QB「マドカヲ離シテクレ!」


    730 = 648 :


    恐竜「グゥゥ――……」


    まどか「う……く……ぐぐ……」

    まどか(キュゥべえの声に反応している……?)

    まどか(何の音なのかわからなくて音のする方を確認しているのかな? 犬が首を傾げるみたいに)

    まどか(何にしても……キュゥべえに注目している)

    まどか(い、今がチャンス!)

    まどか(脚の傷跡……何かによって『斬られた傷』がふさがってきたって感じの傷……)

    まどか(そ……そこに……やるしかない!)

    まどか「く……」

    モゾッ

    まどか「ケ、ケータイの角……」

    まどか(動体視力……視界外なら……!)

    まどか(ごめんなさい!)

    ブォンッ



    ゴスンッ!


    731 = 648 :



    恐竜「ギャアァァ――――――スッ!」


    まどか「ひっ、怯んだ! 今の内に抜け出すッ!」

    ズルッ

    まどか「お、おあぉっ!」

    ダッ

    まどか「ぎゃっ!」ベチャ

    QB「まどか! 大丈夫かい?!」

    まどか「こ、転んじゃった……けど大丈夫!」

    まどか「キュゥべえ……! 隙をつくってくれてありがと!」

    まどか「はぁ……はぁ……」

    まどか「痛いだろうなぁ……ごめんなさい。恐竜にされた人……あるいは動物さん……」

    まどか「わたしも痛かったから両成敗ってことで……いたた……」

    732 = 648 :



    恐竜「ギャウゥゥゥ……」

    QB(うつ伏せだったらまどかは攻撃できなかった。仰向けはまずいと思ったが、逆によかった)

    QB(これが火事場の馬鹿力というものなのかな。それともまどかの精神力が思いの外成長していたのかな)

    QB(これなら魔法少女になった後は素晴らしい活躍をしてくれるだろう。だが……今の状況は……)

    QB「状況は何も好転していない……」

    まどか「どうしよう……」

    まどか(助けを呼ぶのはダメ……巻き込んでしまう)

    まどか(それ以前に恐竜を目の当たりにするわけにはいかない!)

    まどか(どうすればいい……? わたしに何ができる?)


    まどか(わたしは……無力だ)


    733 = 648 :



    QB「まどか。急いで契約するんだ!」

    まどか「キュゥべえ……」

    QB「じゃないと、またあの時の二の舞だ! 魔法少女になって戦うんだ!」

    QB「そして、そのままほむら達に加勢しようじゃないか!」


    まどか(……確かにそうだ)

    まどか(今、何をどう考えても、わたしが恐竜と戦うには、魔法少女になるしか手だてはない)

    まどか(じゃないと、またあの時と同じように……)

    まどか(わたしとキュゥべえはあの鋭い牙の生えた口でくわえられ……)

    まどか(人質にされる! 敗北が決定してしまう!)

    まどか(……契約しか……契約しかないの!?)

    まどか(それは……嫌だッ!)

    734 = 648 :




    まどか「…………」

    まどか(……いつだったかな)

    まどか(ジャイロさんが……前に『ルーシー・スティールさん』っていう人の話をしてくれた……)

    まどか(ルーシーさんは……その命を賭けて、修羅場をくぐり抜けたらしい!)

    まどか(聖なる遺体だとか、スタンドだとか大統領だとか、詳しい事情はわからないけど……)

    まどか(いつ消されても、殺されてもおかしくないような権力に対して、立ち向かったらしい!)

    まどか(夫を守るためにッ!)

    まどか(ルーシーさんは……確か14歳で……52歳のスティーブンさんって人のお嫁さんだ)

    まどか(年齢差と14歳で結婚していることもそうだけど……年齢がわたしとそんな変わらないということにわたしは驚いた!)

    まどか(ルーシーさんはスタンドという能力を持っていないし、鉄球の回転のような技術もない)

    まどか(それでも! 愛する夫のために命を賭けた! あらゆる恐怖に対抗した!)

    735 = 648 :




    まどか(きっとその人は幸せになっただろう……)

    まどか(わたしも幸せになりたい……ほむらちゃんも、幸せになるために時間を遡行してきたんだ……)

    まどか(14歳のルーシーさんができたのなら、わたしだって……!)

    まどか(見滝原を……みんなを……ほむらちゃんを救うために!)

    まどか(わたしがDioに捕まったら……全てが台無しになる)

    まどか(わたしなんかのために……ほむらちゃんの重ねてきた努力を無駄にはできない!)

    まどか(やるしかない! やらなきゃやられる!)

    まどか(でも……どうやって?)

    736 = 648 :



    まどか(ルーシーさんならどうするだろう)

    まどか(ルーシーさんと違うとこは……わたしの命がある意味で保証されていることだ)

    まどか(Dioの目的はわたしの契約の力。必要なときになるまで殺しはしない)

    まどか(でも……それが何だっていうの?)

    まどか(ただの人間が……丸腰で恐竜と対峙して、勝てるわけがない)

    まどか(本当に契約だけ?)

    まどか(契約すればほむらちゃんを悲しませる……契約しなければ敗北する)

    まどか(うぅ……ほ、ほむらちゃん……)


    737 = 648 :



    QB「まどか! ただの人間に、恐竜を相手できるわけがない!」

    QB「契約するんだ! 今すぐに! 恐竜が警戒している今の内に!」

    まどか(ただの人間……)

    まどか(わたしは……ただの中学生だ。普通の人と同じに……家族を愛し友人を愛し国を愛する……)

    まどか(ダメだ……。ただの中学生でしかないんだ……)

    まどか(契約するしか……もう手だてはない……!)

    まどか(敗北だけは避けなければ……わたしも、戦わなくちゃ……!)

    まどか「キュ、キュゥべえ……わたし……」

    まどか(ごめんなさい……。ごめんなさい。ほむらちゃ――)


    738 = 648 :



    ほむら『まどか、あなたは特別な存在よ』



    まどか「――ハッ!」

    まどか(今……ほむらちゃんの声が聞こえたような……)

    まどか(いや、違う。今のはわたしの思い出だ……ほむらちゃんがわたしに言ってくれた言葉)

    まどか「…………」

    まどか(……そうだよ)


    まどか(違うんだよ!)


    まどか(わたしはただの人間じゃあないんだ……)

    まどか(特別……)

    まどか(普通の人とは違うことがあった!)


    739 = 648 :


    まどか「…………」

    QB「どうしたんだい?」

    まどか(わたしには『キュゥべえ』がいる!)

    まどか(ただの人間が……ただの、それも丸腰の女子中学生が恐竜に勝てるはずがない……)

    まどか(しかし……丸腰の女子中学生のわたしに、勝つ可能性があるとするのなら!)

    まどか(それはキュゥべえがいるということだ!) 

    まどか(それこそ、わたしが普通と違うとこ!)

    まどか(キュゥべえが見える……)

    まどか(そして……それは「わたしだけ」じゃない)

    QB「ど、どうしたんだい。まどか」

    まどか「キュゥべえ! わたしに協力して!」

    QB「契約かい? もちろ――」

    まどか「契約はしない! でも、協力して!」

    QB「……」

    741 = 648 :


    まどか「……ありがとう」

    QB「お礼を言われる理由がわからないよ」

    まどか「それでも、ありがとう……」

    まどか「協力はしてくれるんだよね?」

    QB「……ああ、そうか。全く。人間の言葉は本当に要領を得ない」

    QB「僕は力にはなれないよ。噛みつくことも庇うこともできない。そんな僕がいたところで……」

    QB「まあ、何をするのかは聞かないけど、勝算はあるのかい?」

    まどか「……わからない。賭けになるかも。……けど、やらなきゃやられる」

    QB「僕は何をすればいい?」

    まどか「わたしの肩に乗ってっ」

    742 = 648 :



    まどか(この恐竜と対峙する上で……)

    まどか(目的がわたしなら……ある意味ではわたしの命は保証されている!)

    まどか(少なくともこの恐竜には殺されはしない! 手加減をされる!)

    まどか(だから多少無茶しても……大丈夫だ!)

    まどか(みんなの足手まといになりたくないと思ったからには……)

    まどか(ならないために! 覚悟を決める!)

    まどか(思いついてしまった『策』に……わたしは人間の魂を賭ける!)

    まどか(成長するんだ! 成長しなければ栄光は掴めない! 明るい未来も! ほむらちゃんの幸せも!)

    743 = 648 :




    恐竜「ギィィィヤァァァ――――ッ!」

    グアァァ

    QB「来るよ! まどか!」

    まどか「勇気を出して……わたし……!」

    まどか「勇気とは怖さを知ることッ!」

    まどか「キュゥべえ! 覚悟を決めてッ!」

    まどか「いっくよォ――――ッ!」

    ダッ


    QB「な……何だって!?」

    QB「逆に突っ込んだッ!?」

    QB「何を考えているんだまどか!」

    744 = 648 :


    QB「このままだと正面衝突! 捕まりに行くようなものだ!」

    まどか「うん捕まるだろうね! でも怯えて立ちつくしている方が捕まえてくれと言ってるようなものッ!」

    まどか(契約をしなければ、恐竜に負けたら、わたしは人質にされ、みんなの敗北が決まる。それは嫌だ!)

    まどか(ほむらちゃんを悲しませたら、わたしが負ける!)

    恐竜「ウガアアアァァァ――――――ッ!」

    まどか「うおあああああああ――――ッ!」

    まどか(わたしが恐竜に勝ってみんながDioとワルプルギスに勝つ! これが完全なる勝利!)

    まどか「ゴメン! キュゥべえ!」

    QB「!」

    QB「うわあぁぁっ!」

    恐竜「ガアァァァァッ!」

    まどか「おらぁッ!」



    ザグゥッ!


    745 = 648 :



    ボタ…ボタ…


    まどか「あ……ああ……うあ……」


    QB(恐竜の牙が……まどかの腕に……深々と刺さった……!)

    QB(下手をすれば……神経が切れて、上条恭介と同じように……腕が動かなくなるかもしれないというのに……!)

    QB(まどかは信じている……全員が生きて帰ってきて、この傷を癒してくれるということを……だが……)


    QB「無茶苦茶な……! 君は……なんてことを……!」


    まどか「ふぐぅっ……うぅ……うぅぅぅ」ポロポロ

    まどか「み、見てのとおりだよ……キュゥ……べえ……グスッ」


    746 = 648 :



    まどか「敢えて……『恐竜の口に腕を突っ込んだ』……」

    まどか「い……いたい……すごくいたいよぉ……血もいっぱい出るし……エグッ、涙まで出てくる……」

    まどか「でも……怖いのは痛みなんかじゃない……みんなの足を引っ張るのは嫌だ……」

    まどか「人質にされて、ほむらちゃんの今までの努力を無駄にするのが……ずっと怖い……」

    まどか「わたしが……わたしもがんばらないと……明日は訪れない……!」

    まどか「ワルプルギスの夜を超えた! 暁が見れないッ!」

    まどか「明日って今なんだよッ!」

    まどか「みんなで幸福に生きてみせる!」

    まどか「栄光は……わたし達に……ある……!」

    747 = 648 :


    恐竜「グッ……ガッ……」


    まどか「杏子ちゃんと初めて出会った病院での出来事……」

    まどか「恐竜は……さやかちゃんとキュゥべえをくわえて、持ってきて……Dioが脅迫をした」

    まどか「Dioはジャイロさんと同じようにキュゥべえが見えていた」

    まどか「そしてそのDioの能力である恐竜は……キュゥべえを見て触れることができた。だからつれてこれた」

    まどか「Dioは……キュゥべぇに干渉できる」

    まどか「その能力である恐竜もまた……キュゥべえに干渉できる……!」

    まどか「キュゥべえは……恐竜に物理的干渉ができるッ!」



    まどか「はぁ……はぁ……」

    まどか「ごめんね。キュゥべえ……」

    恐竜「ググッ……ゲッ、ガ……ギ」

    まどか「腕を突っ込んで……」

    まどか「恐竜の『喉』に『キュゥべえ』を『詰め』た……」

    恐竜「ギギ……ギギギィ……」

    QB「全く……わけが……わからないよ。君がこんな……乱暴な手段を選択するなんて」

    まどか「恐竜は息ができなくて窒息する!」


    748 = 648 :





    恐竜「ガ……」

    ドサァッ


    恐竜「」ヒクヒクッ


    QB「なんて……なんて無茶をするんだまどか……」

    QB「僕で窒息させるだなんて……僕を乱暴に扱ったこともそうだけど」

    QB「なによりその負傷。生身でそんなことを……」

    QB「左腕が真っ赤じゃないか」

    まどか「うっ……」


    ガクゥッ

    まどか「け……決着ゥ~……!」

    まどか「はぁ……はぁ……」

    QB「君の命がけの行動。……僕は敬意を表すよ」

    まどか「か……勝っちゃった」

    まどか「わ、わたし……なんかが……恐竜を……魔法少女じゃないのに……」

    まどか「やった……! やったよみんな……! わたしが……わたしが倒したんだ……!」

    まどか「ウェ、ウェヒヒ……。血だらけだけど……ジンジン痛むけど……すごく、晴れ晴れとしてる……」

    749 = 648 :



    まどか「わたしでも……」

    まどか「わたしでもできるなら……」

    まどか「わたしでもできるなら、今更Dioなんかがいても……」

    まどか「みんな、大丈夫だよね!」

    まどか「……うぅ、う、腕が熱い……!」

    まどか「この傷……どうしよう……」

    まどか「恐竜と一戦交えたなんて言えないもんね……」

    QB「契約すれば何とでもなるよ。その傷も、この状況も」

    まどか「……普通に。後でさやかちゃんに治してもらえばいいし」


    ショウ「…………」

    QB「おや、恐竜の姿が元に戻っているよ」

    まどか「あ、ほんとだ……」

    まどか「そっか。気を失うとDioの能力が解除されるんだったっけ」


    750 = 648 :


    まどかさんが左腕を負傷した所で、ワルプル前半戦はこの辺で。

    今夜決着ゥゥーーーーーーーッ!編として再開します。


    中途半端に次スレにいくのは嫌なので2レス分を1レスにまとめるとかしたから長さがバラバラで読みづらくして申し訳ないです。


    まどかさんvsショウさん。蛇足感がありますが、スティール夫人及びトリッシュさせたかっただけです。

    まさか前作と同時に書いていたのに二倍近くの長さになるとは思いもしませんでしたが。


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