私的良スレ書庫
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元スレさやか「奇跡も魔法も……」ほむら「私のは技術よ」
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多時間軸の間を「戻る」ことができるのは暁美ほむらとその能力「盾」だけである。
その他の物は「盾」がそうしない限り過去へ遡行できない。
SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1346077712
しかし……自然界においてこの「盾」の能力以外のものでひとつだけ時空を移動しているものがある。
それは「重力」という力である。
もし「重力」という「引っぱる力」がなければ暁美ほむらの肉体が過去へ遡行した時――その人間としての形や心の力のつながりが
保つことが出来なくなってバラバラに崩壊して色んな時空に飛び散ってしまうからである。
つまり暁美ほむらと「盾」が過去へ遡行する時――目には見えない――「重力」という力も暁美ほむらといっしょに移動していると考えるべきだ。
ここで仮に……異次元空間に存在する概念が彼女と出会うことのできる力が、この世にあるとしたなら……
それは「重力という力」であるはずなのである。
「人の出会いとは『重力』であり、出会うべくして出会うもの」とある人は言う。
これは出会うはずのない人間同士が重力に導かれるように出会ってしまった、奇妙な冒険――
「………………」
「また、勝てなかった……」
我々はこの少女を知っている! いや! このまなざしと、この黒い長髪を知っている!
ほむら「…………」
ほむら「敗因は……私の力不足」
ほむら「全て私が弱いのがいけない……」
ほむら「他の戦力でカバーはできない。一ヶ月というタイムリミットで巴マミ達を鍛錬の類はできない」
ほむら「佐倉杏子に美樹さやか……特に巴マミはプライドが高いからそういうこと自体反感を買う」
ほむら「そもそも仲間にならないこともあるし、それ以前に死んでしまうこともある」
ほむら「故に、全ては私の力にかかっている」
ほむら「勝利を求めるなら、私が強くならねば……」
ほむら「……でも」
ほむら「どうしろと言うのよ……」
ほむら「既存の武器や力では限界がある」
ほむら「新しい『武器』が欲しい。新しい『力』が欲しい」
ほむら「…………」
ほむら「新しい『武器』か……」
ほむら「ミサイル、バズーカ、タンクローリーで特攻、重機関銃、爆弾……どれもまともにダメージを与えられなかった」
ほむら「なのに今更何を武器にしろと言うの? 魔法武器は素質の問題で論外として……」
ほむら「ステルス機を乗り回して突撃する? 戦艦大和の主砲を再現する?」
ほむら「そこまでやっても……やはり奴を倒せる自信がない」
ほむら「まだ勝てない。今の私の装備では……今の人間の科学では……奴には勝てない」
ほむら「…………」
ほむら「……私、何言ってるの? 何が戦艦大和よ。バカじゃないの」
ほむら「ハッ……思わず自嘲しちゃうわ」
ほむら(新しい『武器』か……そううまくいかないわ……)
――帰路
ほむら「…………ハァ」
ほむら「鹿目さん……」
ほむら「私、自信なくなってきちゃった……」
ほむら「本当に私はあなたを救えるのかな……幸せにできるかな……」
ほむら「…………」
ほむら「……ダメよ。暁美ほむら。落ち込んではいけないわ」
ほむら「でも溜息ぐらいついても罪はない……ハァ」
ほむら「――ッ!」ピクッ
ほむら「この気配……ッ!」
ほむら「魔女……ッ! この時期に現れるのは初めてね……」
ほむら(バタフライエフェクトのように……何かが影響した? 私は何もしてないけど……)
ほむら「……どの時間軸でも、あってはならないのは『精神力』の消耗」
ほむら「くだらないストレス。それに伴う『体力』へのダメージ。死んだら元も子もないわ」
ほむら「私はこの『時間軸』で『やるべき目的』がある」
ほむら「必ずやりとげてみせる。そのためにはくだらない消耗があってはならない……!」
ほむら「悩むよりも戦いましょう」
――結界
ほむら「……やはり初めて見る結界ね。どんな魔女がいるのやら」
ほむら(ん……? 何やら人の気配がする……。誰かいるの?)
ほむら(巴マミが既に駆けつけている……?)
ほむら(使い魔と……あれは……)
使い魔「KUWAAAA!」
「何だこいつ……ッ!」
ほむら(男……?)
ほむら「何……あの人……?」
ほむら「結界に巻き込まれたといったとこかしら」
ほむら「それにしても変な格好ね。何よあのマント。美樹さやかじゃあるまいし」
使い魔「KWAHHHHH!」バッ
男「ッ!」
ほむら(……ハンドガン)チャキッ
ガァン! ガァン!
男「!?」
バスッバスッ
使い魔「SYAAAAAAAAAッ!」
ほむら「……」ザッ
男「今度は何だ! お、おまえはッ!?」
ほむら「逃げて」ファサ
男「……何だと?」
ほむら「逃げろと言ったのよ。100mも走ればこの結界から抜け出せる」
男「100m……こいつの射程距離か」
ほむら「いいから早く逃げて。危ないわ」
男「逃げろ……か。それもいいかもな」
男「だがよォ~……。こんな嬢ちゃんに庇われるってのは男が廃るってやつだぜ」ザッザッ
ほむら「!?」
男「よォ――……俺とやるかい?」
使い魔「NUGAAAAABAHHHHHH!」
ほむら「ちょ、ちょっと! 私は退けと言ってるのよ! そいつは危険ッ!」
ほむら(この距離だと爆弾の爆風に巻き込まれるから邪魔だと言うのよ!)
ほむら(無鉄砲な……仕方ない。時を止める)
ほむら(魔力を浪費したくなかったのに余計なこと……)
男「……」パチン
ほむら(? ……ホルスターから何かを取り出した……あれは……)
ドゴンッ
使い魔「!!」
ほむら「え!?」
ほむら(あ、あれは……『球』……? 鉄球を投げつけたの?)
ギャリギャリギャリギャリギャリ
ほむら「な、何ッ!?」
ほむら「か、『回転』してるッ! 鉄球が……!」
ほむら「あの回転は、あまりに不自然ッ! どういう摩擦をしてるのよ!?」
使い魔「GYAAAAHHHHHHHHHHH!」
ボゴンッ
使い魔「」
ほむら「使い魔を貫いたッ!?」
ほむら(な、何……!? 今、使い魔は何をされたの……?!)
ほむら「――ハッ!」
ガォンッ!
「――!」
ほむら「ま、魔女!」
魔女「――」
男「ッ!」
ほむら(逃げていく……。一般人がいる以上、無理に追わない方がいいわね)
男「おいコラァッ! また逃げんのかテメ――ッ!」
ほむら(また……? 既に……会っている……?)
スゥ――
男「チッ……逃げちまった。だが薄ら気持ち悪ぃ空間が解かれたな。まぁいい」
男「どうだ嬢ちゃん。おまえさん俺に逃げろっつったけどよォ~~。俺も捨てたもんじゃねーだろ。ニョホホッ」パシッ
ほむら(鉄球が……意思があるかのように戻っていった……)
ほむら(そしてあの鉄球……高速回転して、使い魔の体を貫いて……)
ほむら(あれは……魔法? 理解を超えている……)
ほむら(あまりに一瞬で、状況がよく理解できない……鉄球……そして回転……)
ほむら「ちょっとあなたっ。その鉄球はなんなの?」
男「ん?」
ほむら「もう一回見せ――」スッ
男「おい触るな! まだ回転している!」
ズギュゥ――z___ッ
ほむら「ほむッ!?」
カクンッ!
ほむら(……ッ!? な、何!? 私は確かに立っていたはずなのに……何が起こったの?)
ドサッ
ほむら(何で私は膝をついてるの……足に力が入らない……!?)
男「足に力が入らないのは一瞬だ。すぐ立てる」
ほむら「私の足に……何をしたの……?!」
男「子どもはとっととお家に帰りな。じゃな」
ほむら「まっ、待って!」スック
ほむら「あなたは何者なの!? その鉄の球は何なのッ!?」
男「……そうだな。名乗ってはおこう。……俺は『ジャイロ・ツェペリ』だ」
ほむら「ジャイロ・ツェッペリン……」
ジャイロ「ツェペリだ」
ジャイロ「一応、助けて貰った礼があるな。……そうだな」
ジャイロ「さっきテキトーな場所から摘み取ったこの花をやるよ。これ食えるんだぜ?」
ほむら「いらないわよ」
ジャイロ「ニョホホ、冗談だ。苦いだけだからな。この手の野草は」
ほむら「……」
ほむら(鉄球という鈍器……。そして、使い魔を貫く謎の回転……)
ほむら(あの回転に……肉体を強化するとかの魔法と兼ね備えれば……)
ほむら(これは直感だけど、奴に対抗する力になりうる……!?)
ほむら(新しい『武器』……!)
ほむら「今、何が起こったのか私は知りたいッ! その回転が原因なのでしょ!」
ジャイロ「妙な期待をするな。おまえさんの事情がどんなものか計り知れないが、脚の力が抜けたのは、単なる肉体の反応でそれ以上のものは何もない」
ほむら「使い魔をブチ抜いておいてそれ以上ないはずがないッ!」
ジャイロ「やれやれ、それを言うか。……使い魔?」
ジャイロ「おい、今、何て言った? 使い魔?」
ほむら「え? えぇ……」
ジャイロ「今のはあの馬鹿でかい奴のスタンド能力の一部かと思っていたが……?」
ジャイロ「それともスタンドの地域限定の呼び方か?」
ほむら「スタンド? 何それ?」
ジャイロ「わからないか? まあ、特別な能力って奴だ。……ほれ、その盾がスタンドの像じゃないのか?」
ほむら「スタンドが何なのかわからないけど、違うわ。盾は能力の要ではあるけど。それにさっきの大きい奴は魔女よ」
ジャイロ「魔女……」
ほむら「あなたこそ、それはスタンドって言うやつなの? その鉄球のことよ」
ジャイロ「俺のは『技術(ワザ)』だ。人間には未知の部分がある」
ほむら「技術……」
ほむら「なら訓練すれば私にもできるわよね?」
ジャイロ「……何だって? おい今なんて言った?」
ほむら「今の鉄球の回転。私はそれを習得したい」
ジャイロ「おいおいおいおい……」
ほむら「……ダメかしら」
ジャイロ「とんでもねーこと言い出すガキだな。何なんだよおまえさんは」
ほむら「私? 私は魔法少女。名前は暁美ほむら」
ジャイロ「魔法……少女? なんだ、ラリってんのか?」
ほむら「失礼ね」
ジャイロ「で、その魔法少女とやらが、何故、鉄球の回転を学びたいって?」
ほむら「私には命を賭して救わないといけない人がいる」
ほむら「そのためには、絶望に立ち向かう必要がある」
ほむら「私はそれに……鉄球の回転に希望を見出した」
ジャイロ「…………」
ジャイロ「おまえさんの事情は計り知れねーが……これはそう易々を教えられるもんじゃあない」
ほむら「どうしてもダメかしら……?」
ジャイロ(……命を賭して、だと? あんなガキが? 冗談じゃねー)
ジャイロ(と、言いたいところだが……)チラッ
ほむら「…………」
ジャイロ(俺は既に夫のために命を賭す14歳を知っているからな。年齢的先入観を抜きに考えても……)
ジャイロ(「命を賭して」……こいつの今の言葉は嘘やハッタリなんかではない。それはマジだ。経験でわかる)
ジャイロ(あのリンゴォやジョニィが宿していたものとは劣るが……目的のためなら人殺しもやりかねない『目』をしている)
ジャイロ(そしてあの正確な銃撃。腕は本物だ。相当の訓練、時間が必要なはずだ。絶望に立ち向かう……か)
ジャイロ(……少し興味が沸いた)
ほむら「…………」
ジャイロ「……まあ、いい。話だけは聞いてやろう」
ほむら「……本当? ……ありがとう」
ジャイロ「話を聞くってのは、教えてやるって意味じゃねーよ」
ほむら「期限は一ヶ月よ」
ジャイロ「聞けよ。……っておい、何つった? 一ヶ月ゥ? マジで言ってくれちゃってんの?」
ほむら「一ヶ月でないといけない理由があるの。例えば……死ぬとか」
ジャイロ「……俺が話を聞くと言ったのは『そーゆーこと』だ。事情を話せ。何故一ヶ月なのか、おまえさんの救いたい人とやらはどんな奴なのか」
ほむら「……」
ほむら(言ったところでそれを信じてくれるかどうか……)
ほむら(嘘をついてもいいけど、後が面倒くさそうだ。正直に言ってしまいたいが……しかし……)
ほむら「……あまりにも突飛すぎて、信じてもらえないと思うわ」
ジャイロ「あのなぁ……俺にとっては、既に何もかもが突飛なんだよ」
ジャイロ「日本にいることもそうだし、遠い未来にいることもそうだ。そして使い魔とかいうわけのわからねー化け物ときたもんだ」
ほむら「……? 何を言ってるの?」
ジャイロ「まず、俺は1891年に死んだはずなんだよ」
ほむら「し、死んだ……? 死んだってどういうこと!?」
ジャイロ「言葉通りだ」
ほむら「それに1891年? 百年以上前じゃない!」
ほむら(どういうこと……? 過去から……私と同じ時間遡行者? いや……だとしても死んだ? 死んだですって?)
ジャイロ「死んだってことは死んだんだ」
ほむら「か、過去に死んだ人間がここにいるなんてありえないわよ」
ジャイロ「なぁ、おい。……ここで一つ、確かめたいことだある。おまえさん『スティール・ボール・ラン・レース』って知ってるか?」
ほむら「……何?」
ジャイロ「スティール・ボール・ラン・レース。およそ6000kmを馬、あるいは脚、もしくは自動車で行われる北米大陸横断レースだ。1890年9月25日スタート。俺は死ななかったら1981年1月19日にはゴールする予定だった」
ほむら「……聞いたことないわ。何? アメリカを6000km?」
ほむら「6000kmといったら東京からウズベキスタンのタシュケントくらいの距離よ。それを馬で? しかも1890年。まだまだ未開拓地が多いはず」
ジャイロ「そうだ。かなり過酷なレースだ。死者も大勢出た。参加料1200ドル。途中で馬を乗り換えたら失格。本当に聞いたことないか?」
ほむら「あるならこうして驚いてないわよ……とんでもない話だわ。そんな大会なら聞いたことがないってのはありえない」
ジャイロ「存在しないんだな? ならここは『あっち側の世界』だ」
ほむら「は? あっち側? 何を言ってるの?」
ジャイロ「俺もよくわからん。異次元っつーやつだな。とにかくそういうことだ」
ジャイロ(……最初はD4Cの能力の後遺症か何かが死後までついてきているのかと思ったものだが……D4Cなんかよりも理解が超えている)
ジャイロ「さっきのデケー奴いただろ。魔女って言ったよな。気が付いたら死んだはずの俺はそいつの目の前にいたんだ」
ジャイロ「そして気が付けば未来の日本にいるときたもんだ」
ジャイロ「そこで死んだはずの俺は、俺の魂はあのクソッタレ魔女にここに連れてこられた。そうだと決めつけている」
ほむら(パラレルワールドとか……そういう話? いや、それなら死んだとか過去だとか……『並行世界』と言うには何かと食い違う……)
ほむら(魔女の影響で……か。あっち側の世界……異次元を操る魔女がいても不思議ではない……・)
ほむら(信じがたい一方で、嘘は言っていないだろうという確信がある)
ほむら(きっと本当に、冥土とかそういう意味でなく『あっち側の世界』というものがあって……)
ほむら「…………」
ほむら「……異次元からの来訪者、か……」
ジャイロ「信じるのか?」
ほむら「魔女が関わっているとすれば、あり得ない話じゃないわ。前例は聞いたことないけど」
ジャイロ「よし。なら俺もおまえさんの話は何でも信じるぜ。どんな突飛な内容でもな」
ほむら「……ありがとう」
ジャイロ「さ、話せ」
ほむら「……私は、大切な友達を救うために、多数の時間軸を――」
今回はここまで。帰ってきたよ!
前作(マミ「もう何も怖く……」ほむら「勇気とは怖さを知ること!」)と比べて長くなってしまっていることもあって、細かいチェックとかできてないかもしれないです。
誤字脱字や文章が変になってるなんてことが起こりうる。ということです。
内容が前作を似てる所がありますが、その辺はまぁリンクしてるなー、そういうこともあるよなーみたいな感じで……よろしくおねがいいたします
このペースだと八月に投下しきれない可能性もあるかも
前もって言っておきますが「ほむほむの玉いじり」みたいなことを言うの禁止の方向でお願いします
JoJoのにおいがすると思ったら。
前作に引きつづき今作にも期待。
前作に引きつづき今作にも期待。
わたしの名前は――(まぁどうせ覚えてもらう必要はないですけど)鹿目まどか中学二年生……。
わたしは……ただの中学生だった。普通の人々と同じように……
家族を愛し友人を愛し国を愛し学業に一生懸命のただの中学生だった。……魔法少女というものに出会うまでは。
先生「二人の囚人が鉄格子の窓から外を眺めた時……」
先生「ひとりの囚人は壁を見ていた」
先生「もうひとりの囚人は鉄格子からのぞく星を見ていた……」
先生「中沢くん……あなたはどっち?」
中沢「もちろん星を見ます……僕は星の光を見ていたい」
さやか「何だこいつら」
先生「と、いうわけで……はい。転校生が来た」
仁美「転校生……どんな方でしょう……」
まどか「仲良くなれるといいなぁ」
ガラッ
ほむら「……」
カツカツ
ほむら「……暁美ほむらです」
仁美「あら美人」
先生「暁美さんは東京の病院に入院していましたが、色々あって見滝原の病院に移り、ここに越して来ました」
先生「前の学校とは全く異なる環境でわからないことも多いでしょう。皆さん仲良くしてあげて下さいね」
先生「ルックスも美少女です」
先生「……暁美さんの紹介はこんなもんで」
先生「あぁ~イイッすかねェェェ~~~~、と」
さやか「ブッ」
中沢「ガッ」
仁美「やってしまわれましたわ……」
まどか(暁美さん……カッコイイ人だなぁ) パチパチ
ほむら「…………」ジッ
まどか(……あれ? わたしの方見てる?)
ほむら(ジャイロから回転の技術を学ぶようになって……流石にまだ何も成果はない)
ほむら(一ヶ月で果たして勝てるのか……正直、不安なとこでもある。それでも……まどか)
ほむら(今度こそあなたを救ってみせる。今回はいつもと違う。新たな希望がある……回転の力!)
まどか(ん――……どこかで……夢? 夢かなにかで会ったことがあるような、ないような)
ほむら(早く回転をマスターしたい。グルグルしたい。グルグル)
まどか(クールビューティーな雰囲気……きっとインテリジェンスなことを考えてるんだろうな)
ほむら(グルグルグルグル……)
ワイワイ
仁美「何だか、鹿目さんのことを見てましたよね」
さやか「なんつーか、どっちかと言えば睨んでたね」
まどか「そ、そうかな?」
仁美「漆黒の意志が瞳に宿ってますわ。仁美だけに」
まどか「ちょっと何言ってるのかわからないよ!」
さやか「あたしの嫁にガン飛ばすとは気に入らねぇ~」
さやか「ちょいと挨拶にいってこよう」
まどか「ちょ、ちょっと……さやかちゃん……」
さやか「ヘイッ! 転校生!」
ほむら「…………」スック
スタスタ
さやか「お? お? ど、どうした。あ――」
スルゥ―z__
さやか「さやかちゃん素通りされるの巻」
ほむら「…………」
ピタァ…
まどか「…………」
仁美「…………」
さやか「…………」
ほむら「…………」ジ…
まどか「えーっと……あ、暁美さん?」
ほむら「グ……鹿目まどかさん」
まどか(グ……?)
さやか(グ……?)
仁美(グ……?)
ほむら「保健室へ……連れてってくれる?」
まどか「あ、うん……」
ほむら「……」ツカツカ
まどか「あっ、待ってっ」
仁美「ミステリアスな方ですわ」
さやか「うん」
――廊下
まどか「…………」
ほむら「…………」ゴソゴソ
まどか(何か……何か手に持ってる……何だろう)
まどか「あの……えっと、暁美さん……」
ほむら「ほむらでいいわ」イジイジ
まどか「じゃあ、そ、その……ほむらちゃん。……えぇっと……か、かっこいい名前だよね!」
まどか「何というか……燃えよドラゴンズドリーム! って感じで」
ほむら「…………」ニギニギ
ほむら「鹿目まどか」グリグリ
まどか「は、はいっ」
ほむら「あなたは家族が――」モジモジ
まどか「…………」
ほむら「…………」ゴソゴソ
まどか(何か……何か手に持ってる……何だろう)
まどか「あの……えっと、暁美さん……」
ほむら「ほむらでいいわ」イジイジ
まどか「じゃあ、そ、その……ほむらちゃん。……えぇっと……か、かっこいい名前だよね!」
まどか「何というか……燃えよドラゴンズドリーム! って感じで」
ほむら「…………」ニギニギ
ほむら「鹿目まどか」グリグリ
まどか「は、はいっ」
ほむら「あなたは家族が――」モジモジ
ほむら「――ということで、自分を大事にして」コロコロ
まどか「え、えーっと……うん。……それで、ほむらちゃん?」
ほむら「何かしら」モゾモゾ
まどか「さっきから何を手持ちぶさたにイジってるの?」
ほむら「右手のこれ? ビー玉だけど」スッ
まどか「う、うん……何で?」
ほむら「別に」ビシビシ
ほむら「………………」
まどか「……?」
そう……一人目はこの女の子だった。暁美ほむらちゃん……。
この人にわたしは恐怖は感じなかった。炎という意味の名前ではあるけれど、知性と、氷のようなクールな態度があった。
ほむら「…………」
まどか(何だろう……黙り込んじゃった。手も止まっちゃったし)
まどか(この顔……よく見てみれば……)
まどか(クール……と、言うより何か、迷いのある表情をしているように見える……)
ほむら「……か、鹿目まどか」
まどか「なぁに?」
ほむら「…………」
まどか「…………」
まどか(何だろう……急に家族の話をしてたけども……)
まどか(もしかして、家族のことで悩んでいるのかな……)
まどか(真剣な表情……。何かしら悩んでいるに違いないよ)
まどか(悩んでいることがあるのなら……力になれるといいな)
ほむら「……ハ」
まどか「うん?」
ほむら「ハッ……」
まどか「はっ?」
ほむら「ハッピーうれピぃ、よ、よろピクねぇんっ」ピース
まどか「…………え?」
ほむら「…………」
まどか「…………」
ほむら「…………」
ほむら「ま、前の学校で……」
まどか「…………うん」
ほむら「流行ってたのよ……」
まどか「……そ、そうなんだ」
ほむら「…………お願い。今の忘れて////」プイッ
まどか「う、うん……」
ほむら「誰にも言わないでね……////」プルプル
まどか(あの……クールそうなほむらちゃんが……ピースして……ウィンクして……恥ずかしくなって俯いてほっぺ真っ赤にして……)
まどか(ああ……ピースした手がプルプル震えながらフォークボールを投げるみたいになってるよ!)
まどか(これが萌え!? 萌えってやつなのかなー!?)
まどか(打ち解けようとしたのかな? だとしても唐突すぎる! 不器用すぎるよほむらちゃん!)
ほむら(前の学校で流行ってたって……嘘をついた……でもこのくらいの嘘許されるハズ……)
ほむら(……うあああああああやってしまったああああああああ!)
ほむら(絶対に絶対に絶っ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~対に!)
ほむら(変に思われたぁぁぁぁぁ! 冒険しすぎたぁぁぁぁぁ! やっぱりやめときゃ良かったぁぁぁぁ!)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ほむら「――だから、私はまどかを救うことだけを考えて生きている」
ほむら「それが私の全てだから」
ジャイロ「……」
ほむら「以上」
ジャイロ「……なるほどねぇ。まどかっつー、お友達を」
ほむら「…………」
ジャイロ「……いいだろう。回転を教えてやる」
ほむら「本当?」
ジャイロ「おまえさんは、俺が『教えてやってもいーか』と思えるような……覚悟と目を持っている」
ほむら「覚悟はある」
ジャイロ「それに魔法少女というものに少し興味が沸いた」
ジャイロ「どうせこの世界で何をすればいいのかわからんからな」
ジャイロ「おまえに回転を教えるためにつれてこられた神のお導き、とポジティブに考えるぜ。神っつーか魔女だけどな」
ほむら「…………ありがとう」
ジャイロ「二つ確認させろ」
ほむら「何かしら」
ジャイロ「マミ、サヤカ、キョーコ……どんな奴かは知らんが、そいつら全員、救おうとはしていたんだろう?」
ジャイロ「そしてそのまどかさえ救えれば、そいつに嫌われようが構わない。そう考えているんだろう?」
ほむら「……諦めたと言えば聞こえが悪いでしょうけど、そうよ。犠牲も孤立も仕方ないと考えている」
ほむら「何度やっても無駄だった。無理だった。なら、そう考えている方が気が楽だから」
ジャイロ「……そうか」
ジャイロ「なら俺から一つ条件を出す」
ほむら「……条件?」
ジャイロ「全員救うぞ。まどかだけだなんて考えるな。もちろんおまえ自身もだ」
ほむら「……」
ジャイロ「無理だとか無駄だとかは生前に聞き飽きた。いいか。全員生きてワルプルギスとやらを超え、みんな仲良く丸く収めやがれ」
ジャイロ「まどかとさっきの三人と仲良かった時間軸もないことはないんじゃないか? あるならそれをやりつつでいいんだよ」
ジャイロ「できないかも、とか考えてしまうのも無理はないが、とにかくやれ。できる限りなら協力してやる」
ジャイロ「友達として守ることを誓ったのなら、友達として生きるのが筋ってもんだろう。だからそう努力すると誓え」
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