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    元スレまどか「それは まぎれもなく コブラだなって」

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    タグ : - コブラ + - 魔法少女まどか☆マギカ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    1 :

    マミ「せっかくのとこ悪いけど、一気に決めさせて…もらうわよ!」

    マミ「ティロ・フィナーレ!!」

    ドォォォ――――ン!!!

    まどか「あっ、あっ」
    さやか「あぁ!」

    脱皮し、マミを喰らおうとする『お菓子の魔女』。

    マミ「!!」

    ドゴォォォ――――!!!

    お菓子の魔女を貫く光。爆発する魔女。

    まどか「な、何?今の…光みたいな…」

    さやか「魔女から出てきた、魔女を…貫いた」

    マミ「…何がどうなってるの…?」




    コブラ「危なかったな、お嬢ちゃん。もう少しでその可愛い顔にギザギザの傷がつくとこだったぜ」

    さやか「ヒューッ!」



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    2 = 1 :

    第1話「異世界の戦火」

    ―― その少し前 ――

    コブラ「どうだ、レディ。タートル号の調子は」

    レディ「あまり良くないわね。この地帯を抜ける程度は出来るでしょうけど、次の星ですぐ整備に入らないと…」

    コブラ「ったく、なんだって急に不調になんかなりやがるんだ」

    レディ「原因は分からないわ。ブースター、反加速装置、シールド…全て異常は無いみたいなのだけれど、どうもスピードがフラついて落ち着きがないのよ」

    コブラ「じゃじゃ馬め。人参でもやれば落ち着くか?」

    レディ「それで直れば苦労はしないわね。とにかく、出来るだけ急いでみるわ」

    コブラ「頼むぜ、レディ。それまで俺は… …ふぁぁ、一眠りしておく」

    レディ「分かったわ。… … …!!あれは!?」

    コブラ「!?どうした?」

    タートル号の目の前に突如現れるブラックホール。

    レディ「ブラックホール!?そんな…予兆もなく突然現れるなんて!」

    コブラ「おいおい、タートル号の不調の次はブラックホールときたか!?俺はまだ厄年じゃないんだぜ、チクショー!」

    レディ「シールド全開!加速でどうにか突っ切って…!… …ダメ!飲み込まれるわ!!」

    コブラ「どわぁぁぁ―――!!」

    ブラックホールに飲み込まれ、コントロールを失いながら闇に沈んでいくタートル号。

    3 :

    楽しみ

    4 = 1 :


    レディ「コブラ… コブラ!!」

    コブラ「…っ! …くぅー、痛ててて…」

    レディ「大丈夫?怪我はない?」

    コブラ「しこたま頭をぶつけたくらいだよ。…ったく、危うく三度目の記憶喪失になりかけたぜ」

    レディ「良かったわ。…どうやら、無事みたいね私達」

    コブラ「ああ。…タンコブが痛いのを見るに、どうも生きているらしい。…にしても…どこだ、ここは?」

    レディ「…座標に無い場所ね。計器は正常に動いているみたいだけれど…」

    コブラ「…!おいおい…なんだ、こりゃあ…」

    タートル号の周りに広がるお菓子の山。そこを彷徨うようにうろつく、ボールのような一つ目の怪物達。

    コブラ「どうやら俺達はヘンゼルとグレーテルになっちまったみたいだぜ。レディ、パンでも千切ってくれ」

    レディ「それじゃあ元の場所に帰れないでしょ。…駄目、タートル号のデータベースでもこの場所の情報は見つからないわ」

    コブラ「そんな馬鹿な!ありとあらゆる情報がこの船のデータベースには詰まってるはず…!… … …なァんだ、ありゃあ?」

    タートル号から少し離れた場所で、死闘を繰り広げるマミとお菓子の魔女。
    マミの銃撃が次々と巨大な人形のような怪物にに炸裂していく。

    コブラ「…レディ、俺はどうもヘンゼルとグレーテルの話を間違えてたらしいぜ。どうも、グレーテルはスカートから銃を出して、そいつで魔女を倒す話だったらしい」

    5 = 1 :

    レディ「銀河パトロールと海賊ギルドの争い…じゃないみたいね。…まるで、本当におとぎ話を見ているみたいだわ」

    コブラ「まったくだ。記憶喪失より性質が悪いぜ。これが夢じゃないときてる」

    レディ「…でも…少し危ないわね。あの子の闘い方」

    コブラ「…ああ。何かが吹っ切れたように闘ってる。あれじゃあ…」

    言いながら、コクピットを出て行こうとするコブラ。

    レディ「!どこに行くの、コブラ」

    コブラ「俺のこういう時の勘は鋭いんだよ。特に美女が野獣に喰われそうな時はね」

    タートル号から出て、その様子を伺う。

    マミのティロ・フィナーレを喰らい、脱皮をしてマミに襲い掛かるお菓子の魔女。
    その瞬間、コブラは左腕のサイコガンを抜く。




    コブラ「危なかったな、お嬢ちゃん。もう少しでその可愛い顔にギザギザの傷がつくとこだったぜ」

    さやか「ヒューッ!」

    まどか「え、どうしたのさやかちゃん」

    さやか「いや、なんか言わないといけない気がして」

    まどか「なにそれこわい」

    6 = 1 :


    コブラ「怪我はないかい?」

    マミ「え、あ、ハイ…。…有難うございました…」

    コブラ「そりゃあ良かった。俺が来るのが遅けりゃ、アンタ死んでたかもしれないからな」

    マミ「そ、そうでしたね…本当に…」


    QB「…」

    まどか「ねぇ、キュウべぇ。あの人も魔法少女…?」

    さやか「いや、どう見ても少女じゃないでしょアレ」

    まどか「魔法中年…?」

    さやか「ちょ、ま」

    QB「いや、分からないね。ボクでも、彼が誰なのか見当がつかないよ。魔法少女でもなく、結界の中に入れて、しかも一撃で魔女を倒せる人間なんて」

    コブラ「…!おおっと、俺とした事が。他に2人も淑女がいた事に気付かなかったぜ。…うん?」

    まどか「あ、あの…その… … 初めまして」

    さやか「ねぇねぇ、さっきのビーム、どっからどうやって出たの!?あれもやっぱり魔法!?」

    コブラ「あー、俺はその、魔法ってのはどうも苦手でね。… … …」

    QB「…」

    7 = 1 :


    その時、結界が解けて全員が元の病院前に戻る。

    コブラ「…!!なんだなんだ!?どうなってるんだ!?」

    マミ「結界が解けたのよ。…ひょっとして、それも分からないのに結界の中に入ってこれたの?」

    コブラ「…まぁ、成行きでちょっと。ところで御嬢さん方にお聞きしたいんだけどね、ここは一体どこなんだ?」

    さやか「見滝原だけど」

    コブラ「ミタキハラ星?聞いたことないな」

    さやか「いや、町、町。なに、おじさん、宇宙人?」

    コブラ「おじさんは止してくれよ。アンタ達からならそう見えるかもしれんがね、こう見えてハートは繊細なんだ」

    まどか「ティヒヒヒ」

    マミ「…訳が分からないけれど、とりあえず私の家でお茶にしましょうか?…もちろん、貴方も一緒に、ね」

    コブラ「お、嬉しいねぇ。美女からお茶のお誘い」




    ほむら「おい」

    8 = 1 :


    ――― 巴マミ家。

    まどか「ジョー…ギリアン、さん?」

    コブラ「そ、いい名前だろ。サインだったらいつでも書くぜ」

    さやか「(っていうか…日本人じゃないよね、どう考えてもその名前…)」

    コブラ「…まぁ、俺の事はどうでもいい。おたくらの事を色々聞きたいんだが…さっきの場所といい、あの戦いといい、一体どうなってたんだ?」

    ほむら「…本当に何も知らないのね。魔女の事も、結界の事も…魔法少女の事も」

    コブラ「魔法少女…?」

    マミ「私から説明するわ」

    コブラに魔法少女、魔女との戦い、戦い続けるワケを全て教えるマミ。

    さやか「ちょっ、そこまで教えちゃっていいの?マミさん」

    マミ「あの戦いを見た以上、隠し通せるわけないし…それに、命の恩人だもの。何も教えずにいるのはこちらとしても失礼だと思うわ。…でしょ?キュウべぇ」

    QB「ボクからは特に意見はないよ。さやかとまどか、魔法少女でない人間が2人見学に来ていたのだから、今更1人増えたところで何も変わらないしね」

    マミ「…少なくとも、私の運命は変わっていたと思うの。ジョーさんが助けてくれなければ…本当にあのまま、頭を喰いちぎられていてもおかしくなかったもの」

    QB「…」

    マミ「私もまだまだ、魔法少女としてツメが甘いのかもね。どこか浮かれながら戦っていたのかもしれない」

    ほむら「… … …」

    マミ「貴方も、ごめんなさい。帰りにちゃんと解放するって約束したのに、すっかり忘れちゃってて☆」テヘペロ

    ほむら(…絶対わざとね、巴マミ)

    9 = 1 :


    さやか「にしても…転校生、どういう風の吹き回しよ。一緒にマミさんの家で話がしたい、だなんて」

    まどか「…きっと、これから一緒に戦おう、って言いに来てくれたんだよね?ほむらちゃん」

    ほむら「…勘違いしないで。そんな気はないわ」

    まどか「ぅ…ご、ごめん…」

    マミ「あら、それじゃ一体どうしてかしら?」

    ほむら「… … …」

    コブラ「…ん?」

    ほむら(なんなの、この世界は…)
    ほむら(今まで巡ってきたどの時間軸の中にも、こんな男が現れる事はなかった)
    ほむら(魔法少女では有り得ない、けれど…魔女を倒す程の力を秘めた存在…)
    ほむら(…インキュベーターの何かしらの陰謀…?分からない…。…ここは、この男の様子をしばらく観察するしかない)

    コブラ「… … …美人に見つめられるのは結構だがね。そう凄まないで、もうちょっと優しく潤んだ目で見て欲しいもんだ」

    ほむら「…くっ!」
    ほむら(なんなの、コイツ…!本当に読めない…!)

    まどか「あはは、ほむらちゃん、照れてるー」

    ほむら「!ちっ、違うわッ!」

    マミ「あら…うふふ」ニコニコ

    さやか「ははは、なぁんだ。転校生でも顔赤くする事あるんだ」ニヤニヤ

    ほむら「」

    10 = 1 :


    コブラ「しかし信じ難いねぇ。おたくらみたいなか弱い少女があんな化け物と常日頃から戦ってる、なんてのは…。まぁ実際に見たんで信じないわけにもいかないが」

    マミ「…説明して納得できるものでもないから、ああして鹿目さんや美樹さんに見学をしてもらっていたのだけれど…ツアー参加者が増えるのは予想外だわ」

    コブラ「いやホント、良い物が見物できたよ。お捻りあげたいくらいだね」

    マミ「それで…2人はどう?これで見学ツアーは終わりにするつもりだけれど…決心はついた?」

    さやか「…」

    まどか「…」

    マミ「これ以上、生身の身体で戦いの傍にいるのは危険だと思うわ。…決断を急かすわけじゃないけれど、何より貴方達が心配なの」

    まどか「…わたしは…マミさんと一緒に戦う、って…そう、決めたから…!」

    ほむら「安易な決断はしないでと忠告したはずよ、まどか」

    まどか「でもっ!マミさんが…マミさんが!」

    マミ「…有難う。でもね、鹿目さん。何度も言うように魔法少女になるのにはとても危険な事なの。…私のためだけに、魔法少女になるという答えを出すのは止めてちょうだい」

    まどか「で、でもっ!マミさん、戦うの怖くて、寂しくて、辛いって…だから、わたし、一緒に…!」

    マミ「だからこそよ。…美樹さんにも言ったのだけれど…誰かのために願いを叶えるというのは、きっとこれから先、後悔する事になるわ」

    まどか「…」

    さやか「…」

    マミ「だから、後悔なんて絶対にしない、魔法少女になって戦い続けられる…その心に揺らぎが無くなった時に、決めてほしいのよ」

    マミ「…鹿目さん。私は、貴方達が戦いに加わろうと、加わらなかろうと…こうしてお友達としていれれば、それだけで…何よりも心強いのよ。それだけは言っておくわ」

    11 = 1 :


    ほむら「…。鹿目まどか、何度も言うけれど…私の忠告、忘れないでね」ガタッ

    まどか「… … …うん。分かってる。…ありがとう、ほむらちゃん」

    マミ「あら、もうお帰り?」

    ほむら「ええ」

    マミ「…今日は、貴方を縛ったままにしておいてごめんなさい。でも、私少し…貴方の事、信じられるかもしれない」

    ほむら「… … …」

    マミ「グリーフシードの奪い合いじゃない…貴方の行動には、何か信念のようなものを感じるの。…私の勝手な勘だけれどね」

    ほむら「…私も、無益な戦いはしたくないわ。…それだけは言っておく」

    マミ「そう…良かった」

    ほむら「…お茶、御馳走様…」バタン

    さやか「… … …」

    さやか「デレたよ!ついにデレたよあの子!鉄壁の牙城にヒビが入ったよ!」

    まどか「ちょ、さやかちゃん、声大きい…!」

    コブラ「…若いってのはいいねぇ、どうも」

    12 = 1 :


    マミ「それじゃあ…別の話をしましょう。私達の事はおしまい。ジョー…さん。次は貴方の話を聞かせてくれる?」

    コブラ「…そうだなぁ、マティーニでも飲みながらじっくり語りたいところだが…生憎この部屋には無さそうだし、仕方ないな」


    コブラ「俺は…まぁ、しがないサラリーマンでね。宇宙観光の最中に突然謎のブラックホールに飲み込まれて…気が付いたらあのザマだ。マミが華麗に戦ってるところにお邪魔したってワケさ」

    まどか「うちゅー…かんこう…?」

    コブラ「ああ」

    さやか「え、え?その、単なるしがないサラリーマンなのに、宇宙船に乗ってたってわけ?」

    コブラ「まぁ、そこまで薄給でもないんでね。宇宙船の1隻くらいは奮発して持っていて、それでちょぃとした旅行に」

    まどか・さやか・マミ・QB「… … …」

    コブラ「…俺、何か変な事言っちまったかな」

    さやか「え、えぇと…どこまで信じればいいのかな…?!正直、全部が嘘っぱちにしか思えないし…ま、まぁ、とにかく…本当に結界の中に入った理由は分からないんだよね?」

    コブラ「そういう事。ここがどこの星かも分からないザマだよ。参った参った」

    まどか・さやか・マミ・QB「… … …」

    コブラ「…どうも俺は、会話教室に通ったほうがいいみたいだな」

    13 = 1 :


    コブラ「地球!?日本!?ここがか!?」

    さやか「…本気でビックリしてるよ、この人…」

    コブラ(この子らの反応を見るに、この星には星間交流の概念が無いようだが…ここが地球だってぇ!?俺の知っている地球とは随分違うぜ)
    コブラ(見たところ、文明はかなり遅れて…いや、俺からすれば太古と言うに近いな、ここは)
    コブラ(あのブラックホールの先は…過去の時代へと続いていたのか?…いや、それとも、この場所は…)

    マミ「でも…仮にジョーさんが宇宙人だとすれば、あの魔女を倒した謎の攻撃にも何となく納得できるわ」

    さやか「そうそう、アレ!あのレーザーみたいな光。どっから出てきたの?」

    コブラ「あ、いやぁ魔法が苦手ってのは実は嘘でね。俺もちょっとした魔法みたいなものが使えるんだ。こう、念じて、ドバァーっ、と」

    まどか「え、じゃあ本当に…契約して魔法を?」

    QB「それは違うね。ボクの見る限り、彼はソウルジェムを持っていない。信じ難いけれど、生身の人間のようだ」

    コブラ「そういう事。察しがいいね、そこの宇宙人は」

    QB「!?」

    まどか「ティヒヒ、ジョーさん。キュウべぇは宇宙人じゃないよ。…わたしにもよく分かんないけど」

    コブラ「…へ?そうなの?」

    QB「…」

    14 = 1 :


    マミ「それじゃあ、元いた世界と、今いる私達の世界、見滝原…ジョーさんは全く違う世界にきてしまったという事?」

    コブラ「どうもそうらしい。しかも帰る方法が分からないときてるし、いやぁ参ったよ」

    さやか「魔法少女の話の次は別世界からきた人、かぁ…。あははは、もうあたしチンプンカンプン」

    マミ「…繰り返すようだけど、キュウべぇは本当にこの事については関与していないわけね」

    QB「もちろん。わけがわからないのはボクも同じさ。ジョーの言う事が全て嘘とは思えないのも同意見だね」

    コブラ(ブラックホールがレーダーにも反応せず、突然タートル号の前に現れるなんてのは明らかに不自然だった。あれは…誰かが俺をこの世界に呼び寄せるための意図だ。…誰かが俺を、ここに来させた)

    まどか「それじゃあ、住む場所も無いわけですよね?…どうするんですか、これから」

    コブラ「ん?あぁ、まぁ適当に考えるさ。生粋の旅行好きでね、どこでも寝れるのが自慢なんだ」

    さやか「いや、そういう事じゃなくて」

    コブラ「分かってますって。それじゃあ、俺もアンタ方の言う『魔法使い』になってみようかね?」

    マミ「え?」

    コブラ「行くアテがあるわけでもない、帰る方法も分からない…ともなれば、願いを叶えられるという魔法少女さんの傍にくっついてるのが一番出口に近いと俺は思うんだ」

    マミ「魔法少女になるという事?」

    コブラ「止してくれよ。マミの服はとってもキュートだがね、俺があんなの着たら蕁麻疹が出ちまうよ」

    まどか(…想像しちゃった)

    15 = 1 :


    コブラ「見滝原とか言ったか。しばらくはこの辺りをブラブラさせて貰いながら、アンタら魔法少女の様子を見せてもらうよ」

    まどか「…本当に大丈夫なんですか?あの、私、お母さんとお父さんに話して泊めてもらうように…」

    コブラ「気持ちは嬉しいがね。年頃の御嬢さんがこんな男を家に連れ込んだら水ぶっかけられて追い出されるのがオチだよ」

    マミ「私の家でもいいのよ、一人暮らしだし」

    QB「マミ、ボクもいるんだけど」

    コブラ「大丈夫大丈夫、心配ご無用。散歩が好きなんだ、気ままにフラフラしてるさ」

    さやか「あたし達も、ジョーさんが何か元の世界に帰る手がかりみたいなの見つけたら教えるよ」

    コブラ「有難いねぇ。いいのか?さやかだって色々忙しいだろうに」

    さやか「あたしは… …大丈夫。マミさんを助けてくれたんだ、何か恩返しをしたいのはあたしもまどかも同意見!でしょ?」

    まどか「うん。今度はわたし達が助ける番だと思うし」

    コブラ「助かるぜ。…それじゃ、一旦この辺で失礼させてもらうよ。また会おう」

    マミ「…ありがとう、ジョーさん。また会いましょう」

    コブラ「レディーが俺を必要とするのなら、宇宙の果てからでも飛んで来るさ」

    16 = 1 :


    ――― マミのアパート、入口。

    コブラ「…さてと」ピッ
    コブラ「レディ、聞こえるか。今どこにいる?」

    レディ「ええ、聞こえるわよコブラ。今はタートル号に乗って太陽系をぐるりと回っているところ。あの場所から現実世界に戻った瞬間に、タートル号で外宇宙に飛んでみたの。…本当に、あなたのいる場所は地球のようだわ」

    コブラ「だろうな。それで、元の世界に帰れそうな方法はあるか?」

    レディ「残念だけれど…分からないわ。この世界に飲み込まれたブラックホールを探してはいるんだけれど、探知は出来ない。そちらはどう?」

    コブラ「こっちも手詰まり。黒幕も何も分かったもんじゃない。…もっとも、あのキュウべぇとかいう生物は怪しいとは思うがね」

    レディ「それじゃあ、あの子達の周辺をしばらく監視するの?」

    コブラ「そうする。俺の直感ではこの事件には何かしら、かの女達が関係している。それに、女の子の傍にいるのは悪い気はしないからな」

    レディ「呆れた。 …コブラ、何点か教えておきたい事があるのだけど、いいかしら?」

    コブラ「よろしくどーぞ」

    レディ「まず、私達が最初に辿り着いたあの場所。かの女達が『結界』と呼ぶ場所ね。分析したのだけれど、あの場所は言っていたように、現実世界とは少し次元の異なる場所のようね」
    レディ「難しい話はしないけど、私達のいた世界にも例のない、亜空間よ。あの場所に何かしら、私達が元に戻れるためのヒントが隠されているかもしれないわ」

    コブラ「ああ。俺はそのヒントを探しに、ここに残ってみる。しかし、どうやったらあの空間に入る事ができるのかが分からない。レディ、何かいい方法はないか?」

    レディ「あるわよ」

    17 = 1 :


    レディ「『結界』のデータをタートル号のコンピューターで分析出来たの。あの空間の一定のエネルギー…かの女達なら『魔翌力』と呼ぶ未知のエネルギーを解析して、こちらのレーダーで感知できるようにしておいたわ」

    コブラ「ほー、流石レディ。仕事が早くて助かるぜ」

    レディ「ただ、その空間に直接入る事は出来ないのよ。空間を断裂してその内部に侵入する方法は私でも分からない。可能ならば、その内部に入る能力を持った魔法少女の後をついていくのが得策でしょうけど…」
    レディ「単身で貴方が結界に入る方法がないわけでもないの」

    コブラ「興味深いね。聞かせてくれるかい?」

    レディ「あの結界を『テント』と考えてくれれば分かりやすいわ。一度開いたテントの中には、入口が見つからない限り不可能よ。…ただし、テントを開く場所さえ分かれば、貴方は結界の中に単身で潜り込めるわ」

    コブラ「…なるほど。確かマミの話じゃあ、『グリーフシード』ってヤツが孵化する瞬間に魔女が生まれ、同時に結界がその場所に生じると言うが…」

    レディ「そのグリーフシードの発する魔翌力のエネルギーのデータを、タートル号にインプットしたわ。つまり貴方が結界を張り、孵化をする前にその場所に立ってさえいれば」

    コブラ「俺も晴れて、テントの中で楽しくお食事出来るってわけか」

    レディ「そういう事。私とタートル号はしばらく地球周辺の宙域でそちらの探知をするわ。貴方の周辺に魔翌力が探知でき次第、リストバンドに位置を送る事が可能よ」

    コブラ「了解。助かるぜレディ」

    レディ「でも…単身で戦うのは十分気を付けたほうがいいわ。あの魔女という怪物がどれほどの力を持つものか、未だ分からない点が多いから」

    コブラ「分かってますよ。…魔女狩りはかの女達の専売特許だ。あんまりやりすぎないようにはするさ」

    18 = 1 :


    レディ「それと…もう一つ、これは関係がないかもしれないのだけど…伝えておきたい事があるの」
    レディ「…貴方と私が見た魔法少女…巴マミと言ったかしら。あの子が例の化け物と戦っているところを、タートル号のモニターで分析してみて、分かった事があるの」

    コブラ「分かった事?」

    レディ「かの女の身体から、生体が発生させるエネルギーが探知できないの」

    コブラ「!?どういう事だ!?」

    レディ「私にも分からない。ただ、人間が本来発生させるべきエネルギーが、かの女の身体からは検知できなかった。…ある一部分を除いては」

    コブラ「一部分…?」

    レディ「右側頭部の髪飾りの留め具部分。唯一、生体エネルギーがこちらで探知できた場所よ」

    コブラ「…ソウルジェム。かの女達が魔法少女になるために必要な道具と言っていたが…」

    レディ「そのソウルジェムの発生させるエネルギーが、抜け殻の巴マミを動かしていた…と言っても過言ではないわ。まるで…マリオネットのように」

    コブラ(どういう事だ…?あの宝石は魔翌力の源…契約の証、としかマミからは教えられなかった)
    コブラ(かの女はこの事実を知っているのか?いや、隠し事をしている様子は無かったし、そんな大事な物だと知っているのなら余計に伝えなければいけない事だ。…まさか、知らないのか?)
    コブラ(…キュウべぇ、とか言ってたか。あの野郎、やはり食えないヤツみたいだぜ)

    コブラ(しかし、こいつはまだ俺の中に仕舞っておいた方がいいな。…いつか、分かる日はくる。いきなりそれを知っても混乱を招くだけだ)
    コブラ(その事実を知る時まで…俺がソウルジェムを、かの女達を守ればいい。それだけだ)

    19 = 1 :


    レディ「報告は以上ってところかしら。何か質問は?」

    コブラ「あー…一つ心配事があるんだがね、レディ」

    レディ「何かしら?」

    コブラ「この国の通貨さ。酒もメシも食えないんじゃあ、魔法使いどころか動けもしないぜ」

    レディ「ああ、そうね。…ごめんなさい、通貨については私も調べられないわ。ただ、タートル号に換金していない金塊があるから、どうにか売り払えれば不自由はしないはずよ」

    コブラ「おー、そうだったそうだった!やっぱり持っておくべきはデキる相棒と資産だね、ハハハ」

    レディ「ふふふ。夜が更けて人目が無くなったら、一度地球に降りて必要な物を渡す事にしましょう。…それじゃあね、コブラ。十分気を付けて」

    コブラ「了解。そっちもよろしく頼むぜ」ピッ

    コブラ「さて…色々分かった事は多いが、何から始めるかねぇ」

    葉巻に火をつけて、一服をするコブラ。

    コブラ「…先は長そうだな。それじゃあまず…軽い運動でもしてきますか」

    20 = 1 :


    ――― 一方、ほむらの家。

    ほむら(私は…数えきれないほどの時間を、繰り返し、やり直してきた。その度…あの夜を越えられず、また同じ時間を巻き戻しをして…)
    ほむら(巴マミ、美樹さやか、佐倉杏子…そして、私と、まどか)
    ほむら(それぞれの時間に、それぞれの運命が存在し、違った展開を見せていた。…それでも、まどかを助けられる時間軸は、まだ見つからないのだけれど)

    ほむら「…ジョー・ギリアン…」

    ほむら(あんな男が存在する時間なんて、今まで一度も無かった。…私の存在を皆が覚えていないように、彼の事を知っている人物もいない。…インキュベーターでさえも知らないようだった)
    ほむら(私と同じ…いいえ、彼自身、自分がこの世界に何故来たのかを知らないのだとすれば、完全なるイレギュラーの存在)
    ほむら(この繰り返す時間の中に投じられた、一つの駒。…でも、それがどんな影響をもたらすのか未だに分からない)

    ほむら(…巴マミは、あそこで死んでいてもおかしくなかった。彼の存在が、もし…魔法少女を救うために、運命を変えるために、あるのだとすれば…)
    ほむら(この先…まどかと私の運命…『ワルプルギスの夜』も…)

    ほむら「…倒せるというの?」

    21 = 1 :


    ――― 見滝原から少し離れた場所。その結界内部。

    結界内部は、さながら巨大な書物庫のようであった。幾つもの小さな本が飛び交い、交差する。その本達はどれも手足が生え、笑いながら飛んでいた。
    その中央に佇む『辞典の魔女』は結界内の侵入者に攻撃を続けている。
    自らのページを開き空間内に文字を具現化させ、弾丸のようにそれらを高速で目的に飛ばし、コブラを攻撃するのだった。

    コブラ「どわぁぁっ!っと、っと!うひぃぃーっ!」

    叫び声をあげながら結界内を駆けまわり、次々と繰り出される文字の弾丸を避けるコブラ。

    コブラ「ったく、活字アレルギーになりそうだぜ!悪趣味な攻撃してくれちゃって」

    言いながら左腕のサイコガンを抜き、膝をついた体勢で止まり、『辞典の魔女』へ向けて銃口を構える。

    コブラ「さあ、撃ってきな。相手してやるよ」

    辞典の魔「!!」

    止まった目標に向け、今まで以上の頻度で文字の弾丸を打ち続ける魔女。

    ドォォォォ―――ッ!!

    だがその攻撃の全てはサイコガンの連続放射で防がれ、それらを貫いた光は本体である辞典の魔女へと向かっていく。

    辞典の魔「!!!」

    攻撃を受けたせいか、一瞬魔女の攻撃が怯み、動きが止まる。その隙にコブラはにぃ、と笑って立ち上がり、サイコガンに意識を集中した。

    コブラ「喰らえーーーッ!!」

    威力の高い、精神を集中させたサイコガンの一撃は辞典の魔女の瞳を貫く。

    崩れるように地面に落ちていく巨大な本。その姿に背を向け、コブラは静かに左手の義手をつけた。

    22 = 1 :


    コブラ「っとぉ!」

    魔女が倒れた事を現す結界の解除。元の世界に戻ったコブラの手にはグリーフシードが握られていた。

    コブラ「こいつがグリーフシードか。…しかし、こいつ一つ手に入れるのにも相当苦労するもんだな、一筋縄じゃいかなそうだ」

    手にしたグリーフシードを掌の上で転がしながら、呆れたように見つめる。

    コブラ「それで…何か用かい。こそこそ隠れてないで出てきたらどうだ」

    静かにそう言うコブラの後ろ。ビルの物陰から、ひょっこり姿を現すキュウべぇ。

    QB「君の目的を知りたくてね。少し観察させてもらっていたのさ」

    コブラ「そりゃ光栄だ。先生は今の戦いに、何点をつけてくれるのかな?」

    QB「君は一体何者なんだい?契約もしていないのに魔女と戦う力を有する存在…。魔法少女である暁美ほむらもそうだけれど、君はそれ以上にイレギュラーな存在だね」
    QB「何よりも、君は何故魔女を倒すんだい?ソウルジェムを持たない君にとっては、無意味そのものの行為であるはずだよ」

    コブラ「…無意味ねぇ」

    23 = 1 :


    コブラ「…ソウルジェム、っていうのは願いを叶えてくれる魔法の宝石。そんな風にかの女達は思っているかもしれないが…」
    コブラ「だが、このグリーフシード、ってヤツは…そんなメルヘンチックなもんじゃないね。あんな化け物の身体から出てくるんだからな」

    QB「何が言いたいんだい?」

    コブラ「俺は宝石にはちょいと五月蠅くってね。いやー、なかなかこのグリーフシードとソウルジェム…似ていると思ってさ」

    QB「…」

    コブラ「ひょっとしたらこいつを持っていたら俺の願いが叶って元の世界に戻れる手がかりになるかも…なぁーんてね」

    QB「説明はマミから受けたはずだよ。グリーフシードはソウルジェムの穢れを吸い取る存在だと」

    コブラ「分かってるよ。ま、折角この世界にきた記念だ。お土産の一つに貰っておこうと思ってさ」

    QB「わけがわからないよ。君の存在は、暁美ほむら以上に理解不能だ」言いながら立ち去るキュウべぇ。

    コブラ「…へっ」

    葉巻を口から離し、紫煙を吐くコブラ。月を見上げながら、不適な笑みを浮かべる。
    その顔には、どんな運命にも立ち向かう、自信のような感情が溢れていた。

    24 = 1 :


    ―― 次回予告 ――

    青春ってのはいいねぇ。男と女、色恋沙汰っていうのはどこの世界でもあるもんだ。
    ここは恋という分野で宇宙一と言われるコブラ教授の出番ってワケ。他人の恋愛に首突っ込むのはあんまり好きじゃないんだが、ここは恋のキューピッドになってやろうじゃないの。
    だが一方で次々と事件が起こりやがる。妙な赤い魔法少女が俺に斬りかかるの、まどかとその友達が魔女に襲われるので忙しいったらないよ全く。
    どの世界でも、モテる男ってのは辛いもんだねぇ、ほーんと嫌になっちまうぜ。


    次回【魔法少女vsコブラ】で、また会おう!

    25 :

    乙ですたー!
    ネタとしてはよく見かけるけど、まさか本格のSSが見れるとは思ってなかったから嬉しいぜ。
    頭の中で那智さんの声とTV版EDが自然に流れてきたよ。

    26 = 1 :

    と、いうわけで1話終了です。
    初めまして!SSというものを書くのも、投稿をするのも初めてな新参者ですがどうかよろしくお願いします。
    まどマギ×コブラはどうしても見てみたいクロスで、今回自分が形にしたのも情熱あっての事なのですが…なにぶん、文章力が追いつくのかどうか不安でいっぱいなのですが、見てくださる方が1人でもいらっしゃってくだされば幸いです。

    更新頻度はかなり遅くなるかも…纏めて投稿しようかと思いますので、1週間以上かかると思います。

    それでは、また会おう!

    27 :


    脳内再生余裕だわ

    28 :


    目欄にsaga入れとけ

    30 :

    コブラさん的にはマミはギリギリストライクゾーン、他は圏外なんだよな。年齢と体格的に。

    コブラ定番のヒロイン全滅の法則だけは発動して欲しくないとこだけど期待。

    31 :

    鬱ブレイカーなんてのは嘘だしな
    大抵ヒロインは死ぬ
    しかしなかなか面白かったぜ

    32 :

    乙!
    らしい台詞回しでした

    33 :

    マドコブ… 乙!

    34 :

    セリフの再現度がすばらしいwww

    35 :

    もう、ヒューッ! って言うしかないじゃない!!

    36 :

    本当にまどマギとコブラ好きなのがわかるssだわ
    これから超期待

    37 :


    なにこれ面白い

    38 :

    やべぇコブラのセリフが全部脳内再生余裕だったぜ

    39 :

    >>31
    そうでもないぞ。連載を追っていけば最後まで生存したヒロインやゲストキャラは意外と大勢いる
    とにかくこれは期待!

    40 :

    つーか鬱ブレイカーになったのって公式じゃなくてふたばだっけ

    41 :

    もともとはそうだったような気がするよ

    考えてみると、ふたば発ネタは結構あるよね

    42 :

    さぁ誰かこの画像に魔法少女をコラするんだ

    43 :

    コブラとか俺得
    クリスタルボーイが出てきたら嬉しいな

    44 :

    コブラ知らないけど読んでた
    面白いな乙

    45 :

    クリスタルボーイがでたらマミさんがぬっころされる気がしてならない…ターベージならマミさんの脳に植物が…
    ハンマーボルトジョーなら安心だw

    47 :

    >>42
    ほらよ。

    48 :

    >>47
    すごいっちゃすごいんだろうがな…

    しかしクリスタルボーイが来てもQBと手を組むメリットはないし、勝手に暴れて場をかき乱すだけではあるまいか

    49 :

    >しかしクリスタルボーイが来てもQBと手を組むメリットはないし、勝手に暴れて場をかき乱すだけではあるまいか

    QB「君はエントロピーと言う言葉を知っているかい?」

    クリボー「知るか馬鹿!そんな事よりオ○ニーだ!!」

    こうですね、分かります。

    50 :

    >>47
    ウオーッ!コブラが二人いる!

    ウワァ!コブラの幽霊だーッ!


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