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    元スレさやか「奇跡も魔法も……」ほむら「私のは技術よ」

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    タグ : - クロスオーバー + - ジョジョ + - 魔法少女まどか☆マギカ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    501 = 368 :


    パシンッ

    さやか「……!」

    まどか「ビンタ……」

    ほむら「…………」

    マミ「いい加減にしなさいよ。美樹さん」

    マミ「あなたが勝手なことをして、どれだけの人が迷惑を被っているの?」

    マミ「あなたのご両親、友達、幼なじみ、みんな心配しているのよ」

    マミ「もちろん私達だって」

    マミ「やむを得ない理由でゾンビみたいな体になったから幼なじみの子に顔を合わせられない?」

    マミ「私は小さい頃、事故に遭って……死にかけたところをやむを得ず生きたいと願った……」

    マミ「あなたも知らないはずはないわよね」

    マミ「それって、生きたいと願った私を侮辱しているって解釈しちゃっていいの?」

    さやか「…………」

    502 = 368 :



    マミ「私にはあなたが……自分が悪いことをしていると自覚していない真の邪悪に見える」

    さやか「…………」

    マミ「確かに、私の仲間のやったことは誉められたことじゃないわ。法では決して裁けない」

    マミ「決して正当化するつもりで言うんじゃあないけれど、少なくともあなたがそれ攻める資格はないわ」

    マミ「でもそうじゃない。魔法少女は誇り高きものだって話したのに……今のあなたときたら……」

    マミ「イラっときたからって一般人に怪我をさせるし、何も知らない私達を利用して魔法少女の基本を身につけた」

    マミ「しつこいようだけど、あなたはみんなを心配させて、気を使わせた」

    マミ「あなたのご両親はきっと、娘を知らぬ間に傷つけてしまったのではないか、内なる悩みに気づけなかった……と心を痛めていることでしょうね」

    マミ「両親がいるだけでも幸せなことなのに」

    マミ「……ついでに言うとさらっと私のテリトリーを好き勝手に使ってくれたわよね」

    マミ「私が言えたことじゃないけど、中学生だし、そういう自分で自分がわからなくなるのは仕方ないとは言え……」

    マミ「何が救世主よ。笑わせてくれるわ」

    さやか「…………うぅ」

    503 = 368 :



    さやか「……ってますよ」

    マミ「何?」

    さやか「わかってますよそんなの……」ポロポロ

    まどか「涙……」

    さやか「あたしがやってることが……間違ってるって……」

    さやか「少し冷静になりゃあたしみたいな馬鹿でもわかりますって……」

    さやか「でも……あたし、所詮馬鹿だから……気付いたところでどうすればいいのかわからない……」

    さやか「恭介の怪我を、腕を治す気満々だったのにそれができなくなった途端、あたしは自信がなくなって……」

    さやか「この体になったから、奇跡を起こせなくなったから……あたしは、何だか恭介が怖くなって……」

    さやか「後悔しそうだから! 人を救ったことを後悔したら……! そんなことしたら……!」


    504 = 368 :


    さやか「あたしは覚悟をして、した契約なのに……『救わなきゃよかった』と考えちゃったら……」

    さやか「後悔する前に誰かのせいにしないと、正当化しないと……あたしは……」

    さやか「Dioはもういないから、杏子を否定しないと! あたしは、あたしは自分が最低最悪な存在だと認めてしまいそうで怖かった!」

    さやか「あたしは救世主でいたかった! 正義の味方でいたかった! 悪者にはなりたくなかったんです!」

    さやか「……マミさんも転校生もジャイロも……みんな否定しないとあたしの精神が耐えられない……!」

    さやか「もう……もう本当は限界なんです……!」

    さやか「魔女になるって知って……本当に、あたしはもうダメだって……ジャイロがいなかったら、みんながいなかったらあたしは本当に魔女に……!」

    ジャイロ「…………」

    さやか「ごめんなさい……許してもらえるとは思ってないけど、とにかくごめんなさい!」

    さやか「ぐすっ……ごめんなさいぃ……うああぁぁぁ……うぅ……」

    マミ「美樹さん……」

    505 = 368 :



    さやか「お願いします……あたしを、あたしを許してください……」

    さやか「反省します……! 反省しています……!」

    まどか「さやかちゃん……」

    ほむら「…………」

    マミ「……私達は、あなたを迎えに来たのよ」スッ

    マミ「もし、あなたを見捨てるのだったら、魔女になる様を眺めてグリーフシードとして使わせてもらっていたわ」ナデッ

    さやか「うぅ……本当に、申し訳ありませんでした……グスッ」

    まどか「さやかちゃん。これ、使って……ハンカチ」

    さやか「ぅん……まどか……ほんとにごめん……」

    506 = 368 :



    さやか「転校生……いや、ほむら……」

    ほむら「何?」

    さやか「ジャイロが医者って……本当? グスッ、信じていいの……?」

    ほむら「えぇ。ジャイロは優秀な医者よ」

    ジャイロ「モーチョー手術できるぜ」

    さやか「どうか……どうか!」

    さやか「恭介の腕を治して!」

    さやか「……ください!」バッ

    さやか「あたしの無念を……晴らすチャンスを……!」

    さやか「お願い……します……!」

    507 = 368 :



    ほむら「…………」

    まどか「…………」

    ジャイロ「…………」

    ほむら「……どうしましょっか」

    マミ「暁美さん。あなたの意見を聞きましょう」

    ほむら「…………」

    ほむら「……私達が環境を用意しジャイロが手術する。美樹さやかはその代償に共闘する」

    さやか「!」

    ほむら「つまり、交渉するという形になるわ」

    さやか「な、仲間……!?」


    508 = 368 :



    ほむら「近い将来、この街にワルプルギスの夜という魔女が現れる」

    ほむら「簡単に言えば伝説の魔女。その強さは計り知れない」

    ほむら「私は、その魔女を倒さなければならない」

    ほむら「そこで、あなたを戦力として引き入れるということよ」

    さやか「ワルプルギス……」

    さやか「…………」

    さやか「あたしが……仲間?」

    ほむら「そう。戦力よ」

    さやか「…………」

    509 = 368 :



    さやか「……あたしはあんたを殺そうとした。それに、魔女に簡単になりうるよ……さっきだって、下手したら……なってた」

    さやか「そんなあたしが……仲間だなんて……」

    ほむら「あなたが『NO』と言うなら、取引は無かったことになるし、そもそもあなた、それからどうやって生きるの?」

    さやか「そ、そんな……!」

    さやか「あ、あたしは召使いだろうがパシリにだろうが、何にだってなってやるさ! だけど……共闘は……!」

    ほむら「あなたが躊躇する理由は覚ってあげるけど、私は、あなたを見捨てることに躊躇はない。ここは私達のテリトリーだけど、街を出ていくつもり?」

    さやか「う、うぐぐ……」

    まどか「……わたしも、同意見だよ。さやかちゃんは友達だけど……そういう交渉だもの。さやかちゃんが、今のままでいいなら……止められない」

    さやか「ま、まどかまで……」

    マミ「厳しいことを言うようだけど、私もよ。迎えに来たとは言ったけど、それと仲間にするしないは別の話」

    さやか「うぅ……マ、マミさん……!」

    さやか「あ……あたしは……」

    510 = 368 :



    さやか「あたしなんかが……入ったら……」

    さやか「杏子に……きっと恨まれてるんだよ。あたし」

    さやか「だから……必ずみんなに迷惑をかける……。派閥内で啀み合いが発生すれば……」

    さやか「不信は……命取りになる。あたしはそれがイヤなんだ。足手まといになりたくない」

    さやか「今更踏み込めないよ……みんなの輪に入れない……乱したくない……!」

    ジャイロ「おまえの心情はどうでもいいが……俺ら四人はおまえができないと言うなら仕方ないという意見だ」

    ジャイロ「四人は……な」

    さやか「よ、四人『は』……?」


    「……さやか」

    511 = 368 :



    さやか「え……」

    杏子「……久しぶり、だな」

    さやか「きょ、杏子……」

    杏子「あたしも確かに、誉められるようなことは一切していない」

    杏子「あんたの言う邪悪だという自覚がある」

    杏子「別にあんたに許してもらおうだなんて思わないし、許してやるだなんて言わないけどさ……」

    杏子「あたしは反省したんだ。使い魔を見逃したのも、見滝原を乗っ取ろうと考えてたことも」

    杏子「……半歩だ」

    杏子「さやかが一歩を踏み出せないと言うのなら、あたしの方から――半歩だけ近づくよ。ほむらもあたしに半歩だけ近づいてくれた」

    さやか「…………」

    杏子「全てはさやかの決断にかかっているが……それでも無念がさやかの脚を重くするってんなら、あたしもそれを共に背負っていく」

    杏子「信用するしないわどっちでもいい。だが、ほむらに、あたし達に力を貸してほしいんだ」

    さやか「うぅ……」

    512 = 368 :



    ほむら「彼女は使い魔を見逃すなりしてきてまで溜めたグリーフシードを全て私達に提供した」

    さやか「……!」

    マミ「そして佐倉さんは私の家に暮らす……帰る場所を手に入れた」

    マミ「彼女は命を賭けて戦ってくれると誓ってくれたわ」

    マミ「私達は絶望的と言われた幼なじみのための手術の場を提供する。その代わりにあなたは何を捧げてくれる?」

    ジャイロ「俺は、Dioのヤローで無駄になっちまったおまえの無念を晴らしてやりたいと、思ってはいる」

    ジャイロ「だが、じゃあ手術しようっつってしちまったら、誰も納得しない。だからしなかった」

    ジャイロ「納得しなければ前へ進めないんだ。俺達もおまえも」

    まどか「さやかちゃん。さやかちゃんを迎えにいくって言い出したのはほむらちゃんなの」

    まどか「この場所のことも知っていた。そこにさやかちゃんがいることも……」

    まどか「ほむらちゃんは、さやかちゃんを救いたいって思ってくれてるんだよ」

    まどか「……ううん、『を』じゃなくて『も』……。マミさんも杏子ちゃんもわたしも……みんなを助けることを考えてくれている」

    まどか「だから、今度こそ、謝ろう?」



    さやか「…………」

    513 = 368 :



    さやか「みんな……あたしのために色々やってくれてたんだね……」

    さやか「それなのにあたしってば……」

    さやか「あたしって、ホント馬鹿……」

    さやか「みんな……特にほむら。本当に……ごめんなさい」ドゲザ

    ほむら「…………」

    さやか「好き放題やったから、今、許してもらおうだなんて思わないけどさ……謝らせて」

    さやか「あんたのこと誤解してたし……すぐにあんたをやっぱ敵だって思ったり……迷惑ばかりかけて……」

    さやか「本当にごめん」

    ほむら「…………」

    ほむら「……あなたの失踪は『誘拐事件も視野にいれた家出』ということになっている」

    ほむら「今すぐに帰りなさいと、言いたいところだけど今日はマミの家に泊まって、明日病院に来なさい」

    マミ「え? 私の家? 聞いてない……。いえ、別にいいんだけど……」

    ほむら「もう一日、学校をサボってもらう」

    ほむら「病院で手術の話をしてもらうから。それと、ご両親に連絡の一つでも安心させておくように」

    さやか「……うん」

    514 = 368 :



    ――ほむら宅



    まどか「さやかちゃん……誤解が解けて本当によかったね」

    ほむら「そうね。手遅れにならなくてよかった」

    まどか「さやかちゃん、今どうしてるかなぁ」

    ほむら「説教を受けてるところじゃないかしら」

    まどか「マミさん心配してたもんね」

    ほむら「いえ、両親のことよ。電話か何かで延々と」

    まどか「そっちなら……家出ってことで色々悩みを聞いてたりしてるんじゃないかな」

    ほむら「さやかの両親を知らないから何とも言えないわ」

    まどか「ウェヒヒ、それもそうだね」

    515 = 368 :



    まどか「これからどうするの?」

    ほむら「そうね……。さっき話した通り、明日さやかとジャイロが手術の話をするわ」

    まどか「どんな感じにするの?」

    ほむら「まずジャイロが闇医者ということになる。だから闇医者、患者、依頼人の三人で話をさせるわ」

    まどか「そ、そうなの……」

    ほむら「まどかは普通にお見舞いしてちょうだい」

    まどか「う、うん……。ほむらちゃんは?」

    ほむら「見舞いするしないはともかく、私も病院に行くわ」

    ほむら「さやかをつれてくから目立たせないためにも早退することにするわ」

    ほむら「手術の予定の有無とか監視カメラの場所とか調べないといけないものね」

    まどか「……へ、へぇ~」


    516 = 368 :



    ほむら「そろそろ寝ましょうか?」

    まどか「そうだね」

    ほむら「まどかは私のベッドを使って」

    ほむら「私は隣でお布団敷いて寝るわ。でも室内で寝袋を使うのも一興かもしれないわね」

    まどか「寝袋?」

    ほむら「杏子と一緒にホームレス生活してみた時間軸があったからよ」

    ほむら「ちなみに今はベッド置いているけど、お布団で寝たい気分になればベッドを盾にしまってお布団で寝ることもできる」

    ほむら「実はたくさんの時間軸を遡行する上でこういう変化を持たせたりしてるのよ」

    ほむら「ハンモックを自作しちゃったりして」

    まどか「なるほど……スゴイうらやましいね……ところでほむらちゃん」

    ほむら「なに?」

    517 = 368 :



    まどか「一緒に寝よ?」

    ほむら「へ?」

    まどか「だからぁ、ほむらちゃんのベッドに二人で……」

    ほむら「そ、それはちょっと……」

    まどか「えぇ~でも寝袋はどうかと思うよ? ほむらちゃんちなのに」

    ほむら「一緒に寝るとなると恥ずかしいわ……そもそも寝袋で寝るだなんて言ってないし」

    まどか「……えいっ!」

    ギュッ

    ほむら「あっ、ちょっと……」

    518 = 368 :



    まどか「えへへ……わたし、ぬいぐるみとかに抱きついて寝るの好きなんだ」

    ほむら「えぇ……知ってるわ」

    まどか「不安な時とか、何かに抱きついてると落ち着いて……」

    ほむら「そう……」

    まどか「…………」

    ほむら「……わかったわ。一緒に寝ましょう」

    まどか「ウェヒヒ、やったぁ。うれピー」

    ほむら「もう……。電気消すわよ」

    まどか「うん」

    519 = 368 :


    ほむら「大丈夫? 狭くない?」

    まどか「大丈夫だよっ。わたし小さいもん」ギュー

    ほむら「そう? ならいいけど……さも当然のように抱きついてくるのね」

    まどか「……ほむらちゃんあったかい」

    ほむら「何だか……やっぱり恥ずかしいわ……」

    まどか「ウェヒッ」

    ほむら「……ふふ」

    まどか「……ほむらちゃんってほんとに優しいよね」

    ほむら「ん? 急にどうしたの?」

    まどか「だって、いつも気遣ってくれるもん」

    まどか「さやかちゃんをマミさんの家に泊まらせて二人きりにしてくれるし……」

    ほむら「ふ、二人きりって……私は別に杏子との親睦を深めさせるつもりで……」

    まどか「ウェヒヒ、わかってるよ。ちょっとからかってみただけ」

    ほむら「もう……」

    520 = 368 :


    ほむら「言っておくけど、私は優しくなんかないわ……まどかが特別なだけよ」

    まどか「そんなことないよ。だって、さやかちゃんのことだって、色々頑張ってくれたじゃない」

    まどか「杏子ちゃんだって面倒見てあげてたし、マミさんを助けようと戦った」

    ほむら「この時間軸だって、ジャイロから言われなかったらマミも杏子もさやかも、いざという時は見捨てるつもりだったのよ」

    ほむら「あなたを救うことを一番に考え、あの三人は、犠牲になるというなら、それはまあ仕方がない……」

    ほむら「その程度のとらえ方しかしていなかったのよ」

    ほむら「私は一つの目的のためにその人間性までも捨てる」

    まどか「ううん……。そんなことない……」

    まどか「そういうことを言っていても、本心ではみんなを救いたいって……」

    ほむら「……望むだけなら誰にでもできる」

    まどか「…………」

    521 = 368 :



    まどか「ねぇ、ほむらちゃんは、どこにも行かないよね?」

    ほむら「……え?」

    まどか「……たまに、ほむらちゃんが遠くへ行っちゃうそうな気がするの」

    まどか「みんなで一緒にいたいのに、ほむらちゃんだけ、何も言わずにスッと消えてっちゃいそうな、そんな感じがするの」

    まどか「どこかで、そんな感じの夢を見た気がするからかな……」

    ほむら「…………」

    ほむら「……大丈夫よ。今はあなたの側にいるから」

    まどか「今は……?」

    ほむら「さっ、明日は色々忙しい、学校だってあるんだからもう寝ましょう。私も疲れてるし」

    まどか「えっ、あっと……」

    ほむら「おやすみなさい。まどか」

    まどか「……う、うん。おやすみ……」

    まどか「……」

    まどか(むぅ……せっかくのお泊まりなのに……。もっとお喋りしたいかったなぁ)

    522 = 368 :



    ほむら(……ごめんね。まどか)

    ほむら(今の流れで……これ以上、これ以上話すと……)

    ほむら(弱い私をさらけ出してしまいそう……。あなたに弱い私を見せたくない)

    ほむら(だから、せっかくのお泊まりなのに、お喋りを無理にうち切って……本当にごめんね)

    ほむら(あなたの優しさは……本当に、美しい、誇るべきものよ)

    ほむら(でも……今の私には……それが辛いの)

    ほむら(ジャイロに言われなかったら……最初から見滝原を去るつもりでいた私にとっては……)

    ほむら「…………」





    夜の見滝原には、剣(一説には刀)を持った中学生くらいの少女が現れる。という噂がある。

    切り裂きジャックならぬ、スクワルタトーレ・アズーロ(青い切り裂き魔)と呼ばれ、無闇に絡まなければ危害はないとされる。

    いくつか目撃情報があり、怪我をして血まみれだったり、無傷であったりとその姿は極端。

    べっこう飴が好物だとかポマードと言うと逃げるだとか、多様な噂が尾ひれに付いていく。

    見滝原の七不思議。その④

    523 = 368 :



    さやかちゃんを普通に一般人斬らせちゃったりと大変な扱いしつつ、今回はここまで。お疲れさまでした。

    気持ち展開が早い気がする。次回、上条恭介どきどき☆オペレーションの巻


    あとはちょっとしたネタバレになりますが手術してワルプってエピローグすれば完結です。

    1スレで収められる、と、思う。何か収めたい。



    ちなみに七不思議がどうこう書いてますが、ボヨヨン岬的なのをイメージしてたけどそれは実は「新名所」で、

    七不思議なのは刑務所の方だったと今気付きました。勘違いしてました。おやすみなさい。

    524 = 485 :

    いつの間にかキマシタワー展開だった
    何を(ry

    525 = 363 :

    乙乙
    七不思議は結構好きだぜ
    クロスネタって感じで

    526 = 365 :

    乙ですー

    一時はどうなることやらと思ったけど、どうにかゴールが見えてきた……のかな

    527 :

    乙! レス数なんて気にしない気にしない

    528 = 364 :

    乙。
    あと3場面ってとこかな。1つ百レスでも余裕じゃありませんか☆
    ジャイロまさかの医者回wwwwww期待。


    ジャイコとあんあんあんあん♪で吹いた

    529 :


    ジョジョ知らないが前作から楽しめてる


    あと>>493の仲がいい表現は
    気のおけるじゃなくて気のおけないだと思う
    勘違いならすまない

    530 :


    なんか前以上にパロネタが絶好調な気がする、元にした部の違いか…?

    531 :

    1です。>>529さんの言うとおりでした。

    やっべーです。「気の許せる」から「気の置けない」に書き直した際のミスです。気付かなかった……
    と、いうことで

    ×ジャイロ「俺にはよォ……気の置ける奴がいるんだよ。生前の話な」
    ○ジャイロ「俺にはよォ……気の置けない奴がいるんだよ。生前の話な」

    に脳内変換お願いします。

    ジャイロは日本人じゃないから仕方ないですよね(震え声)

    532 :

    一歩を踏み出せないならこっちが半歩近づくって何のセリフだっけ?ジョジョ?

    533 :

    >>532
    恥知らずのパープルヘイズ

    534 :

    >>533
    調べたら著者が上遠野浩平……だと……

    535 = 531 :



    ――病院


    恭介「…………」

    コンコン

    恭介「……誰?」


    「可愛い女の子と思った? 惜しい。さやかちゃんでした」

    恭介「!?」

    さやか「やっほ」

    恭介「さ、さやかッ!?」

    さやか「……えへ、久しぶり」

    さやか「はい。お見舞い。抹茶クリーム団子」

    536 = 531 :



    恭介「さやかッ! 行方不明になったって聞いて心配したんだよ!」

    恭介「どこに行ってたのさ!? 今まで何を……」

    さやか「……恭介も心配してたの?」

    恭介「当たり前じゃないか!」

    さやか「そっか……うん。色々あってね」

    恭介「説明してくれないかな。その色々を」

    さやか「ひと口サイズのお餅で蜜のようなごまとかクリームがくるんであるんだよね」

    さやか「ごま蜜団子が王道だけど抹茶クリーム味買ってみた。『敢えて』だ……敢えて別の味にした」

    恭介「その説明じゃないよッ!」

    さやか「あはは……冗談だよ」

    恭介「誘拐事件かもしれない」

    恭介「……って言うもんだから、警察の人に何か知らないか聞かれたよ」

    さやか「そっか……迷惑かけてほんとにごめんね」

    537 = 531 :



    恭介「……さやか」

    さやか「うん? 何?」

    恭介「ごめん……ってどういう意味なんだい?」

    さやか「え?」

    恭介「いつだったかな、髪の長い人が尋ねてきて……」

    恭介「さやかが謝ってたって言ってたんだけど……あれからさやかは見舞いに来てくれなくなったね」

    恭介「いや、何だかその辺の記憶が曖昧なんだけど……」

    さやか「じゃあ夢じゃないかな」

    恭介「そ、そうかい? うーん……」

    恭介「それよりも、学校でも大騒ぎだっただろう」

    538 = 531 :



    さやか「あ、学校には行ってないよ。実を言うとまだ家にも帰ってない」

    恭介「な、何だって!?」

    恭介「だったらすぐに帰るべきだよ!」

    さやか「もちろん帰るけど、今は色々あるんだよ」

    さやか「ところで恭介、あたしがお見舞いに来れなくてボッチ生活だった?」

    恭介「いやいや……クラスの友達も来てくれたよ。中沢くんとか……。特に志筑さんは本当気を使ってもらったし」

    さやか「仁美が……仁美にも心配かけたなぁ」

    恭介「彼女には会ったかい?」

    さやか「いや、まだだよ」

    さやか「次からちゃんと学校に行くからね。うん。もう大丈夫」

    恭介「そうかい……? ならいいんだけど」

    539 = 531 :



    さやか「……ねぇ、恭介」

    恭介「何だい?」

    さやか「その腕、さ……」

    恭介「……言わないでくれ。もう、望みはないって言われたんだ。希望もないし、奇跡も起きない」

    恭介「さやかも知らないことはないだろう……?」

    さやか「もし、治るとしたら……それは本当に恭介の望み?」

    恭介「……当たり前じゃないか」

    さやか「治るなら……何でも捨てられる?」

    恭介「ばっ、馬鹿にしないでくれ……。音楽は僕の全てだからね」

    恭介「僕は今マイナスなんだ。……ゼロに向かって行きたい」

    恭介「せめてチャンスを手に入れて、自分のマイナスをゼロに戻したい」

    さやか「そう。わかってるよ」

    恭介「さやかは僕を苛めているのかい?」

    540 = 531 :



    さやか「……もし」

    さやか「もし、その腕が治るとして……」

    さやか「それが誰かの魂とかと引き替えに、とかだったら……どうする?」

    恭介「え……?」

    さやか「例えば……そうだな。あたしでいいか。あたしが化け物か何かになる代わりに、腕が治るとしたら……どうする?」

    恭介「……な、何を言っているんだい?」

    さやか「例え話だってば。『た・と・え・』だよ」

    恭介「……へ、変な話はしないでくれ! 所詮は例え話じゃないか……ッ。気分が悪いよ。ほんと」

    さやか「そだね……ごめん」

    541 = 531 :



    さやか「……こっからが本題なんだ」

    恭介「え?」

    さやか「たった一つだけ、あるんだ」

    恭介「一つ? 何が……?」

    さやか「ただ、覚悟が必要になるね。恭介に、そういう覚悟はある?」

    恭介「……何が、言いたいんだい?」

    さやか「あたしの知り合いの知り合いにさ……まぁ、なんつーか……」

    さやか「うーん。良い言葉が思いつかないけど……闇医者がいるんだよね」

    恭介「!?」

    さやか「あたし馬鹿だから詳しくないけどさ……無免許だけど……それはもう何かすごい技術があるの」

    さやか「もう見込みがないと言われた恭介の腕も……可能性がある。あくまで可能性」

    542 = 531 :



    さやか「今の段階で、腕を治せるかもしれない唯一の方法だよ……」

    恭介「……!」

    さやか「どう? 賭けてみたい?」

    恭介「ま、まさか、さっきの例え話って……」

    さやか「…………」

    恭介(あの失踪は……その人を捜して……?)

    さやか「答えて」

    恭介「…………」

    恭介(闇医者……さやかを犠牲にしてまで、この、腕を……?)

    恭介(さやかが犠牲だって……? 想像するだけで怖気がする)

    恭介「じょ、冗談はよしてくれ……」

    さやか「冗談なら、こんな話はしない」

    恭介「…………冗談と言ってくれ」

    さやか「マジだよ」

    恭介「そんな冗談は笑えないって!」

    さやか「冗談なんかじゃないッ!」

    恭介「……ッ!」

    543 = 531 :



    恭介「…………」

    恭介「……それなら、いい」

    さやか「……え?」

    恭介「卑怯だよ……。さやかを犠牲にしろなんて……。さやかは大切な友達だ」

    恭介「そこまでして、さやかに辛い目を合わせてまで腕を治すだなんて……」

    恭介「僕は必ず後悔する。……そこまでして腕は、いいよ」

    さやか「恭介…………」

    恭介「ごめんよ……せっかく捜してくれたのに」

    さやか(……え? 捜す? 何を?)

    恭介「さやかを失うくらいならこの腕を受け入れるさ。……そんなこと、できるわけがない」

    恭介「……まさか、さやかをそこまで心配をかけさせていたなんて……本当にごめんよ」

    さやか「そっか……。ありがとう……」

    544 = 531 :



    さやか「だってさ。ドクター」

    恭介「え?」

    「失礼するぜ」

    恭介「え、え……!?」

    ジャイロ「勝手なことを言うようだけどよォ~……別の生き甲斐を見つけるとか……そういう意志はないのか?」

    ジャイロ「俺はQ太郎・ジョースターだ。もちろん偽名だ。で……さやかが言った通り、俺らはちょいとした知り合いだぜ」

    さやか「クラスのみんなには内緒だよ」

    恭介「…………」

    恭介「……あれ?」

    恭介「失礼ですが……あの……ジョースターさん。どっかでお会いしたことありませんでした?」

    ジャイロ「……覚えがないならないんだろ」

    恭介「は、はぁ……」

    恭介(夢か何かで、会ったような……)

    545 = 531 :


    ジャイロ「さて、俺は『納得』が全てを優先すると考えている」

    ジャイロ「おまえさんの腕を治すこと、それは正しいのか、納得する必要がある」

    ジャイロ「おまえが自分のためなら他人を省みないような野郎か否かとか、覚悟があるかとかを判断する」

    ジャイロ「そしておまえはそれなりの覚悟があると見受けられた」

    ジャイロ「ちなみに今の例え話の下りはそういう冗談だ。嘘も方便ってな」

    恭介「そ、そうなのか? さやか」

    さやか「うん」

    ジャイロ「部分的にはな」

    恭介「え?」

    ジャイロ「いや、何でもない」

    546 = 531 :


    ジャイロ「いいか、ミスター上条」

    ジャイロ「この手術。保険がなければ、成功する保証もない。失敗すればそれなりのリスクを負うかもしれねぇ」

    ジャイロ「それこそ、今後の『表』の医学が発展してやっぱり治すことができるようになったとして……」

    ジャイロ「その治療が受けられないかもしれない」

    ジャイロ「それにしつこいようだが、治せる可能性があるだけだ」

    ジャイロ「実際によく診てみないことには治せるか否かはわからない」

    ジャイロ「やっぱ無理だったとなったら、おまえさんを『一度希望を持たせておいて突き落とされた』と落ち込ませるだけかもしれねぇ」

    ジャイロ「どうだ? それでも、受けてみっか? あぁ、費用は心配しなくていい」

    恭介「…………」

    さやか「あたしは……受けてみてもいいと思うな」

    547 :

    砂漠の砂粒…ひとつほども後悔はしない>>1

    548 = 531 :



    さやか「他人事みたいにって思うかもしれないけどさ……もし無理なら無理で途中でやめてもらえるんだし……」

    さやか「あたし、こないだまで恭介がまたバイオリンを弾けるようになることが一番の望みだっ

    さやか「でも……やっぱり恭介が元気なのが一番なんだなって気付いたよ」

    さやか「受けないのもいい。受けて失敗したとしても。あたしは恭介を支えるよ。依然変わりなく」

    恭介「…………」

    恭介「……さやか」

    さやか「何?」

    恭介「ネットにひっかかったボールはどちら側に落ちるのか?」

    恭介「……何もしなければ永久に闇に浮かんだまま。どちらにも落ちない」

    恭介「かと言って、結局のところネットに弾かれたテニスボールはどっちに落ちるのかだれにもわからない」

    恭介「そんな時こそ……いてほしいのが女神なんだよ。それならどっち側に落ちても……納得がいく」

    549 = 531 :



    恭介「さやかを女神と言うには誤用の方の役不足だけどさ……」

    さやか「何だよそれぇ! さやかちゃん女神だろ!」

    恭介「も、もし……もし治せなかったら……手術に失敗して本当に望みが絶たれたら……」

    恭介「ボールが自分のコートに落ちた時……別の生き甲斐を探すのを手伝ってくれないかな……」

    恭介「引っ張ってほしいんじゃあない。支えてほしいとも言わない」

    恭介「手伝ってくれれば……後押ししてくれればそれでいい」

    さやか「あぁ……うん。わかってるよ」

    さやか「でも、失敗したら、でしょ? 祈ろうよ。ネットに弾かれたボールが相手のコートに落ちることを」

    恭介「……ああ。僕は奇跡の存在を信じることにする」

    550 = 531 :




    さやか「奇跡も魔法も、あるんだよ」

    ジャイロ「俺のは『技術』だがな。で、手術を受けるつもりなんだな?」

    恭介「……はい!」

    ジャイロ「それじゃ、準備を今からするとして……今夜にでも」

    恭介「こ、今夜!? いくらなんでも急すぎじゃ……!?」

    ジャイロ「とにかく今夜だ。これからおまえさんのお友達が来るけど、そいつらにも秘密だぜ」

    ジャイロ「じゃあな」

    恭介「は、はぁ……よろしくお願いします」

    さやか「うん。ありがとう。ドクター」


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