のくす牧場
コンテンツ
牧場内検索
カウンタ
総計:127,063,045人
昨日:no data人
今日:
最近の注目
人気の最安値情報

    元スレさやか「奇跡も魔法も……」ほむら「私のは技術よ」

    SS+覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : - クロスオーバー + - ジョジョ + - 魔法少女まどか☆マギカ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
    ←前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitter

    751 :

    ショウさん…

    752 :

    ルーシーって凄いよな 何人始末したっけ?

    754 :

    こんな朝っぱらから乙!
    まどかさん、シブイねぇ…

    755 :

    もうすぐ終わっちゃうか
    ラストまで楽しみにしてる

    756 :

    楽しみに待つよ。乙!

    757 :

    まどか、いやまどかさん強いな
    しかしショウさん特に目立った働きなかったな…

    758 :



    ――
    ――――


    ほむら「……あ、あああ……ああ……そ、そんな……」ワナワナ

    ほむら「ジャ……ジャイロ……じ、自分から……」

    ほむら「あんな高さから落ちたら……ジャイロ、即死じゃないの……」

    ほむら「ジャイロ……! 何で……何でそんな……」

    ほむら「そ、そんなのってないわよ……! どうして……?」

    ほむら「Dioを倒すためとは言え……どうして……! うぅ……!」

    ほむら「あなたが死んだら……わ、私は……!」



    ワルプルギス「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」

    使い魔「――」

    使い魔「――」



    759 = 758 :




    ほむら「私達だけで……ワルプルギスを倒せと言うの……?」

    ほむら「無茶に決まってるじゃない! 何回やったと思っているのよ……!」

    ほむら「ジャイロが消えてしまった以上……それを打開する唯一の希望、黄金の回転の答えを知る術がないじゃない!」

    ほむら「知ったとしても、倒せるかどうかもわからない!」

    ほむら「ジャイロ……あなたはどうしてそんな……Dioと共倒れだなんて……他に方法は……あったはず……!」

    ほむら「どうしてさっさと教えてくれなかったのッ!?」

    ほむら「いきなり言われたって、できるわけがないじゃない……!」

    ほむら「できるわけが……」

    ほむら「……ハッ!」

    ほむら(できるわけがない、と4回……)

    ほむら「う、うぅっ……!」



    『4回言ったな……できるわけない……と』

    760 = 758 :



    ほむら「!?」

    『おまえはよォー……たった一ヶ月という短い期間で……黄金長方形、ツェペリ一族と同じステップに立つ可能性を得られた。それは、奇跡だ』

    ほむら「じゃ、ジャイロ……? ジャイロなの……? あなた……どうして……!」

    『掟は掟と言っていたが、バックルはやれねぇ……。申し訳ないと思う。……だが、おまえなら必ずできる。回転を信じろ……そして敬意を払うんだ』

    『ここでヒントをやろう。おたくはすでに答えを掴んでいる。回転させようとする意志を持つならなぜそれを使わない』

    ほむら「答えを……既に?」

    『……じゃあな。俺はあっちへ行くぜ。そうゆうことなら……そうゆうことでいいんだ。俺の趣味は……約束したよな……誰にも言うなよ』

    ほむら「ま、待って! ジャイロ! どこにいるの! いかないでッ!」

    『じゃあな……元気でな』

    ほむら「ああぁ……そんな……!」


    761 = 758 :



    ほむら「ジャイ……ロ……!」

    ほむら「さようなら……ジャイロ」

    ほむら「……さようなら」



    「……って伝えろって言われてさぁ」

    ほむら「!?」バッ

    さやか「めちゃ辛いけどさァ~~……メソメソするのは終わってからにしようね!」

    さやか「それにしても、ほむら。ずいぶんと感情的だなぁ。ちょっとビビッたよ」

    さやか「伝言しただけなのに。そんなに似てた? 声。ちょっとだけ意識したけど」

    ほむら「さやか……? いつの間に……」

    さやか「えぇ~? 気付かなかったの? 浮いてるビルとリボンワイヤーをピョンピョコピョンと乗り継いで来たんだよ? ホントに気付かなかったの?」

    ほむら(今のは……幻聴……?)

    762 = 758 :



    さやか「まあいいか」

    さやか「ねぇほむら、今の4回目の『できない』だよね? すごいな。ジャイロ。そこまで計算してあたしに『4回言ったな』って言えっつったんだよー」

    ほむら「……」

    さやか「ほら、涙を拭きなよ。ネガティブになるなんてほむららしくない」

    ほむら「……あら、泣いてたの? 私……」

    さやか「あたしのマントで涙を拭きなよ」

    ほむら「いらないわよ。そんな埃まみれの汚いの」

    さやか「……そうそう。やっぱほむらは生意気なくらいが丁度いい」

    ほむら「どの口が……ま、そうね。諦めるなんて、私らしくなかったわ」ゴシゴシ

    さやか「ねぇ、ジャイロの趣味ってどういうこと?」

    ほむら「……秘密よ。これは絶対に秘密」

    さやか「ええぇ~……」

    763 = 758 :




    ほむら(黄金長方形……『既に全て説明した』……私は『既に答を持っている』……)

    ほむら「考えるのよ。暁美ほむら……」

    ほむら「答えを持っているということは今の私が回すことができるということ……」

    ほむら「全て説明したということは答えは導き出せるということ……」



    待って……いったいツェペリ家は何が言いたい?



    764 = 758 :



    黄金長方形? 美しさの基本?

    芸術家達やジャイロの先祖は……それをどこから学んだ?

    学者から聞いたとか、定規で測ったわけじゃあないはず……。

    それはコピーってやつで本物じゃあない……。本物があるはず! 本物の美のスケールが! 

    本物はどこにある? 本物に気付かなくては……黄金の回転は、永遠に回せない……。

    本物って……何? 美しいって何?

    私が持っている美しい物? ……鹿目さんとの出会い?



    ほむら「美しい物……」

    さやか「美しいといえば美少女のさやかちゃん!」

    ほむら「黙ってて」

    さやか「スイませェん……」


    765 = 758 :



    キュ―ゥン――


    ほむら「……ハッ!」

    さやか「あっ!」


    ワルプルギス「アハハハハハハハハハハハハハハハ」


    さやか「ヤバイ! 炎の矢が来るッ! 魔女自身の意思だ!」

    ほむら(う、美しいって……何なのよ!)

    ほむら(くっ……)

    さやか「ほむらぁっ!」ガシッ

    さやか「そこのビルに飛び移れぇっ!」


    バァッ


    766 = 758 :



    ドサァッ

    さやか「ぐへぁ!」

    ほむら「ああっ!」

    ほむら「い、痛つつ……」


    ドッバァァァ!

    ほむら「……え?」

    ゴァァァァァ

    ほむら(炎の矢が……さっきまで乗っていたビルをバラバラにした、その破片が!)

    ほむら(も、ものすごい破片飛沫が! その爆発さながらのスピード!)

    ほむら(ま、まずい! 時を止めないと!)

    ほむら「ま、間に合わ――」

    767 = 758 :




    バッ!

    ほむら「!?」

    さやか「当たる面積を最大にして気合ガード!」

    ドガガガガガガッ

    さやか「うがあぁぁぁぁぁ!」

    ほむら「さ、さやか!」

    ドガンッ

    さやか「タコスッ!」

    カチッ


    768 = 758 :



    ほむら「時を止めて瓦礫を何とかした」

    ほむら「さやかッ!」

    ほむら「あ、あなた……! 私を庇うなんて……なんて馬鹿なこと……」

    さやか「へ、へへ……あたし、ほむらに迷惑かけたからさ……」

    さやか「それどころか……恭介を治して……くれた恩がある……も……」

    さやか「どうってこと……ないさ……」

    ほむら「今治療して――」

    さやか「……ん」

    カクッ

    ほむら「さ、さやかァッ!?」

    ほむら「……き、気を失っただけ、か……」

    ほむら「この傷……頭に瓦礫がぶつかったからか……」


    769 = 758 :



    ほむら「ごめんなさい。さやか……私のせいで……。そして、ありがとう。助けてくれて……」

    ほむら「…………」

    ほむら「この状況……ジャイロのように……タフなセリフを吐きたい」

    ほむら「ジャイロなら……『こりゃ頭が馬鹿になっちまうな。ニョホホ』とか言うでしょうね……」

    ほむら「さやか……あんな風に庇ってくれるだなんて……」

    ほむら「あなた……なんか、ちょっぴりカッコイイじゃないの……」


    ほむら「……あ」

    ほむら「さやか……」

    ほむら「さやかで思い出したわ」

    ほむら「ずっと、どっかで引っかかってたのよね……」


    770 = 758 :



    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    マミ「それで、美樹さんが持ってきたお花は何の意味が?」

    ジャイロ「……手術が長引くほど赤色をよく見ることになるからな。補色の緑を見ないと目が疲れる」

    ジャイロ「胡蝶蘭は葉が大きい。緑を見る必要がある」

    ほむら「……緑なら何でもいいじゃない。布とか」

    ジャイロ「……いいだろっ。花でも何でも」


    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    ほむら「……花」

    ほむら「あの手術の日……」

    ほむら「ジャイロがさやかに持ってこいと言われたものは、花……」

    ほむら「ジャイロは、手術をする時、花を見ていた。無菌にしておくべきなのにわざわざ持ち込んで」

    ほむら「緑を見る分なら何でもいいはずなのに。よりによって手術室に土を持ち込む? 普通……」

    771 = 758 :



    ほむら「……いや、待って」

    ほむら「既に説明した」

    ほむら「…………」

    ほむら「あの時はいつもの気まぐれかと思ってたけど……」

    ほむら「もし……もしも……」

    ほむら「それが『必然』だとすれば?」


    ほむら「……つまり、ジャイロは手術する時……『回転』させる時……『花』が『必然』だとすれば?」

    ほむら「あの理に叶っていない行動が、きたるべきレッスン4のために『布石』だとしたら? ヒントになるから隠していたとすれば?」

    ほむら「回転は……花が必然だった?」

    ほむら「……花? 植物?」


    ほむら「今まで、ジャイロが回転させる時……どうだった?」

    772 = 758 :



    ほむら「初めて会った時……ジャイロは野草を持っていた」

    ほむら「薔薇園の魔女ではジャイロは薔薇の感想を言っていた」

    ほむら「お菓子の魔女ではジャイロは肩に葉っぱをくっつけてきてた」

    ほむら「病院ではまどかがガーベラの花かごを持ってきていた」

    ほむら「手術の時はジャイロは胡蝶蘭をガン見していた」

    ほむら「それ以外の魔女や使い魔の時はどうだったかしら……?」

    ほむら「今は……街路樹とかは全て飛ばされてそれらが『ない』と仮定して、その回転を『改めて見せられなかった』とする」

    ほむら「そして……私が『持っているもの』……クローバーの押し花……」

    773 = 758 :


    ほむら「…………」

    ほむら「……ジャイロ」

    ほむら「あなたの言いたいこと、黄金長方形の軌跡っていうのは……」

    ほむら「美の基本っていうのは……」

    ほむら「今、私が考えていることで正しいの?」

    ほむら「私が今、見えているもので正しいの?」

    ほむら「既に持っているもの?」

    ほむら「私が既に見てきたもの?」

    ほむら「じゃあ……投げちゃうわよ?」

    774 = 758 :



    スッ

    ほむら(…………)

    ほむら(まどかから貰った……この『クローバー』の押し花の栞……)


    ほむら(深い観察から……芸術家達が学んだ同じスケールで……自然から――クローバーの葉から学ぶ、本物の美のスケール……)

    ほむら「既に答えを持っている」

    ほむら「本物の美。それは自然。神の創造物。『自然』こそが、全ての『美の基本』……」

    ほむら「美の基本から、黄金長方形を見出したッ! 黄金の比率を発見したッ!」

    ほむら「さやか……」

    ほむら「あなた、鋭いわね」

    ほむら「美樹、美しい樹。美=樹=自然……面白い奇跡だわ」


    ほむら「ジャイロは……『これ』を見て鉄球を回転させていた……!」

    775 = 758 :



    ほむら「まどかからの……贈り物」

    ほむら「四つ葉のクローバーの栞。幸運の象徴……」

    ほむら「黄金長方形」



    『ほむらちゃん。これ……お守り!』



    ほむら「ま……」

    ほむら「まどかぁ……!」



    ガォンッ

    776 = 758 :



    ほむら「――ッ!?」

    ギャルギャルギャルギャルギャル
          ギャルギャルギャルギャルギャル

    ほむら「何……この回転は……!?」

    ほむら(明らかに……違う! 感覚でわかる!)

    ほむら(この回転は……! この回転は……!)



    使い魔「――」ブアッ

    ほむら「…………」ヒョイッ

    ズギャンッ!

    ギャルギャルギャルギャルギャルギャルギャル

    使い魔「!」

    ドグチアァッ

    777 = 758 :



    ほむら「つ、使い魔が……バラバラに……」

    ほむら「感覚だけでなく、実感と共にわかった……威力が、圧倒的に違う……!」

    ほむら「これが……」

    ほむら「これがッ!」

    ほむら「これが無限の回転ッ!」 

    ほむら「黄金長方形の軌跡ッ!」

    ほむら「ジャイロ! 私はツェペリ一族の領域に踏み込んだわッ!」

    778 = 758 :



    ワルプルギス「アハハハハハハハハハハハハハハハ」


    ほむら「…………」

    ほむら「レッスン4……『敬意を払え』」

    ほむら「ワルプルギスの夜……」

     ゴゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴ ゴ ゴ

    ほむら「あなたは、何度も私を嘆かせた。何度もマミをさやかを杏子を、そしてまどかを絶望させてきた」

    ほむら「私はどれだけあなたを憎んだか。いつしか私はあなたを殺すことを常に考えていた」

    ほむら「ワルプルギス! 私の気持ちを聞かせてあげる……」

    ほむら「女子中学生として恥ずべきことだが正直なとこ、今の暁美ほむらは……」

    ほむら「恨みをはらすために! ワルプルギスの夜! 貴様を殺すッ!」

    ワルプルギス「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」

    ほむら「夜はとっとと明けてもらうわッ! あなたを殺さなければ、私に、私達に、暁は来ないッ!」

    779 = 758 :


    カチッ


    ほむら「……ワルプルギス」

    ほむら「あなた……喰らうのは初めてよね。回転の力」

    ほむら「死ぬほど味わいなさい……私の回転を。私の究極の回転を」

    ほむら「勇気と幸運のクローバーッ!」

    ほむら「そして肉体を強化する魔法で、回旋筋腱板、足腰の筋肉、全身を強化するッ!」

    ググッ

    ほむら「全身のエネルギーを、鉄球に込めるッ!」

    ほむら「肉体の限界と、無限の回転!」

    ギャルギャルギャルギャルギャルギャルギャルギャル


    ほむら「これが私の全て! 私の全力だッ!」


    ブォンッ

    780 = 758 :



    ワルプルギス「」

    ピタァ…


    ほむら「……一球だけだと思った?」

    ブンッ

    ピタッ

    ほむら「残念。ストックの鉄球を全部投げさせてもらうわッ!」

    ほむら「これもッ! これもッ! これもッ!」

    ブンッ! ブンッ! ブンッ! ピタアァ――ッ

    ほむら「私の全てだアァァァァ――――z____ ッ!!」


    ドォ――――z____ ッ!!


    ほむら「壮観だわ……ワルプルギスに鉄球がたくさん襲いかからんとしている」

    781 = 758 :



    ほむら「そして時は動き出すッ!」


     ド ガガ ガ ガガガォンッ!

    ギャルギャルギャルギャルギャルギャルギャル
             シュルシュルシュルシュルシュルシュル
    ワルプルギス「アハハハハハハハハハハハ…ハハハハハハ…ハ…」
     ガリガリガリガリガリガリ 
               シルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシル


    ピシッ ピキピキ……ベリッ  ベギベギベギ


    ほむら(ワルプルギスの体が……顔面が割れていく……!)


    ワルプルギス「Ahhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh!!」

    ボゴォッ!

    ほむら「ワ……ワルプルギスの顔、体……そのものが……音を立てて完全に割れていく」


    ほむら「…………勝った」

    782 = 758 :



    ほむら「……ついに」

    ほむら「私は……ついに……」

    ほむら「奴を超えたんだ……悲願だった……」


    『おい! おい! ほむら!』


    ほむら「…………テレパシー」

    杏子『やったなオイ! ついに倒したんだな! ほむらオメーマジでやるじゃねぇかおい!』

    マミ『よくやったわ! でもワルプルギスが死ぬということは、今あたなと美樹さんが乗ってるビルも落下する! すぐに戻って!』

    ほむら(黄金の長方形の回転は……正解だった……)

    ほむら(ありがとう……ジャイロ。ありがとう……それしか言えない)


    ほむら「……さて」

    ほむら「ワルプルギスが消滅するまでの時間、私がすべきことがある……」

    783 = 758 :



    ほむら(……もう)


    ほむら(もうソウルジェムが真っ黒だわ)

    ほむら(……グリーフシードのストックも尽きた)

    ほむら(このままだと……魔女になる)

    ほむら(そう……魔女に……)

    ほむら「…………」

    ほむら「さやか……」

    ほむら「あなたは生きなければならない。私の残った命……あなたのために使ってあげる」

    ほむら『みんな……聞こえるかしら?』

    784 = 758 :



    ほむら『……私にはまだやることがある』

    マミ『あ、暁美さん? 何を言ってるの……?』

    ほむら『私のソウルジェムは……真っ黒になってしまった。浄化もきっともう間に合わない』

    杏子『お、おい! なにをする気だ!?』

    ほむら『もうダメなのよ……ソウルジェムがもう真っ黒……ここで破壊しないと、私は魔女になってしまう』

    杏子『は、破壊!? おい! 待て! 何言ってんだよ!』

    マミ『へ、変なこと言わないで! 鹿目さんが待っているのよ!』

    ほむら『まどかには、暁美ほむらはあなたと出会えて嬉しかった。普通の女の子として幸せに暮らして欲しい。と伝えてちょうだい』

    杏子『おい! ふざけんなよこの野郎!』

    マミ『そうよ! 生きて帰るって約束したんでしょ?!』


    785 = 758 :




    ほむら『さやかはここから落下したらそのままこのビルの下敷きになるとかして死んでしまう』

    ほむら『何も二人も死ぬことはない。私はさやかを救うわ』

    ほむら『私はここで死ぬ』

    ほむら『死ななければならないの』

    マミ『暁美さん! 聞こえてるんでしょ! すぐに浄化すればまだ間に合うわ!』

    ほむら『もし私の早とちりでワルプルギスが死んでいなかったら……その時はよろしく』

    ほむら『ティロフィナーレ一発で済むんじゃないかしら』

    杏子『おい! 馬鹿! 早まるな! 今行くから待っ――』

    ほむら『まどかを……さやかを……そして見滝原をよろしく』

    786 = 758 :




    マミ「あ、暁美さん!? 暁美さんっ!」

    マミ「……魔法少女の姿を解いてる……テレパシーが通じない……!」

    杏子「ち、ちきしょう……! ま、魔力が……!」

    杏子「動けよクソッ! あたしの体ァッ! あたしはまだ……ほむらに借りを返せてねぇぞッ!」

    マミ「いや……! 暁美さんは、私の大切な友達なのに……! 私は誰も失いたくないのにッ!」

    杏子「ほむら……頼む! 嘘だと言ってくれ! 冗談だと言ってくれ! ほむら! ほむらァッ!」

    杏子「やめろオオオオォォォォォッ!!」

    マミ「やめてエエエエェェェェェッ!!」


    787 = 758 :


    ワルプルギス「ハ……ハハ……ア……ハ……」

    ほむら(ワルプルギスはもう息絶える……完全に消え去るまで……)

    ほむら(足場が落下するまでもって十数秒というとこかしら)

    ほむら(魔法少女の姿はもう維持できない。元よりもう鉄球が一つも残っていない。だから……「コレ」を使う。破壊を兼ねて)

    さやか「」

    ほむら(さやかを助ける。ソウルジェムを破壊する。両方やらなきゃいけないところが、辛いところね)

    ほむら(肉体強化の反動で、全身が痛いけど……すぐに終わる)

    ほむら「…………」


    シルシルシルシル……


    ほむら(まどかからもらったこの栞……)

    ほむら(これを使って……本を読みたかった)

    ほむら(休日の夕方、温かくも涼しくもない部屋で、ソファーに座って、温いコーヒーを飲みながら……)

    ほむら(小説を……勿論ハッピーエンドの物語を読みたい。そう、考えていた……)

    ほむら(そしてまどかに感想を言って、良かったら読んでみてって言って渡したかった)

    ほむら(だけど……ごめんね。まどか)

    ほむら(一度も使えなかったどころか、これ……どこかへ無くしちゃうかも……)


    788 = 758 :




    ほむら「……さて、さやか。聞こえてないでしょうけど、覚悟を決めなさい」

    ほむら「まず、この高さから落ちるだけなら魔法少女なら死なない」

    ほむら「でも、足場……もといビルが降り注いでくる」

    ほむら「きっと瓦礫で肉体もソウルジェムもぐしゃぐしゃになるわ」

    ほむら「お互いスプラッタよ」

    ほむら「だから今から、私のソウルジェムを回転させて……」

    ほむら「あなたの体を『硬質化』する。あなたの魂を庇ってあげる」

    ほむら「あなたの肉体と魂を救ってみせるわ」

    ほむら「大丈夫。私の魂は粉々になるでしょうけど、あなたの体と魂を守るのに何てことないわ」

    ほむら「なんたって、無限の回転なんだもの」ファサ

    ほむら「…………」


    789 = 758 :



    ほむら「ジャイロ。あなたのおかげで私は目的を達成できたわ」

    ほむら「ありがとう……本当にそれしか言えないわ……。ありがとう」

    ほむら「マミ、杏子、そしてさやか。私がいなくなった後……まどかを、見滝原をよろしく」

    ほむら「お父さん。お母さん。……今まで何から何まで迷惑かけて、親不孝な娘でごめんなさい」

    シルシルシルシルシルシル…

    ほむら「さようなら。まどか。あなたと出会えて……本当によかった。あなたと友達になれて、本当に幸せだった」


    ほむら「まどか。幸せにね」





    ワルプルギス「」

    ドシュゥ……


    バァァァ――――z____ ッ


    790 = 758 :



    ――
    ――――


    ガラガラ…ガラ…


    杏子「この中だ……! この……ビルの……瓦礫の中に……! さやかがいるッ……!」

    ガタンッ

    杏子(さやかは生きている。それは間違いない。あのほむらが死なせないと言ったからだ)

    杏子(あいつの言うことは全て、信用できる)

    杏子(だからこそ……だからこそ、さやかの名しか呼べない)

    杏子(ほむらの名を口にするのが怖いんだ)

    杏子(ほむらの名を口にして、もし返事が来なかったら……)

    杏子(瓦礫をどけるガラガラて音だけしか聞こえなかったら……)

    杏子(認めたくない……ほむらの名を呼ぶのが恐ろしくてたまらない……!)


    791 = 758 :



    マミ「……ッ! こ、こっちに来てッ!」

    杏子「なんだッ! いたかッ!?」


    さやか「」

    杏子「さやかッ!」

    マミ「美樹さんを避けるように瓦礫が……偶々じゃあない……まるで全ての瓦礫が弾かれたかのように……」

    杏子「さやかのソウルジェム……。無事だ。息もある!」

    杏子「怪我をしているな……だがこの程度ならなんてこともない」

    杏子「だ、だが……一つ、気になることがあるんだ。マミ……」

    マミ「…………」

    792 = 758 :



    杏子「さやかの周りに落ちてる……破片のようなものって、さ……」

    マミ「…………」

    杏子「ビルの窓の……だよな? な?」

    マミ「…………」

    杏子「そうなんだろッ!?」

    杏子「そうだと言えよバカヤローッ!」

    マミ「…………」ギリッ

    杏子「なあッ!?」

    マミ「ソウルジェムの破片に決まってるじゃないッ! 

    マミ「……暁美さんのッ!」

    杏子「――ッ!」

    杏子「うぅ……うぅぅ……」

    793 = 758 :



    杏子「クゥゥゥゥ……ッ!」

    マミ「遺体をッ!」

    杏子「ッ!?」

    マミ「……遺体を、探し、ましょう……!」

    杏子「……ああ」

    マミ「…………くっ」

    杏子(……今一番に泣き叫びたいのはあたしよりマミの方だ。付き合いはあたし以上に長いんだからな……)

    杏子(あたしにも感情をおさえろってことか……)

    杏子「…………ん?」

    794 = 758 :



    杏子「……ハッ!」

    ツツ…

    杏子「ち……血が」


    マミ(……………………)

    ガクガク

    杏子「が……瓦礫の下から血が……」


    杏子「ほむらが……いるのは……そ、そのでかい瓦礫の下……ほむら……が……そこに……」

    795 = 758 :


    杏子「ほむら…………が……そこに…………ほむら」

    マミ「……」ワナワナ

    マミ「あああ……っ!」

    ブワッ

    マミ「暁美さん…………うぅぅ……」

    ガクリ

    杏子「ほむら――――――ァァァッ!!」


    杏子「うあああああああああああああ――――ッ!!」

    マミ「うぅ……そんなのって……そんなのって……!」




    杏子は叫んだ。ほむらの名を! マミは流した。悲しみの涙を!

    けれどもほむらの名をよんでも返ってくるのは残酷な静寂だけ……


    ジャイロ・ツェペリに次いで、暁美ほむらも死んだのだ……杏子とマミは静寂によってこの事実を実感した……

    796 = 758 :




     

    その身尽きてもその魂は死なず……

    暁美ほむら十四歳ここに眠る。

     
     

    797 = 758 :



    今日はここまで。お疲れさまでした。


    次回、最終回です。あと80レスちょっとで終わると思われます。


    所謂オリキャラが出てきます。オリキリさん達じゃあないです。

    そういうのが苦手な方はオリキャラ出没注意です。

    798 :


    あんまりだァ…

    799 = 645 :


    救いはないんですかー


    ←前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitterで / SS+一覧へ
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : - クロスオーバー + - ジョジョ + - 魔法少女まどか☆マギカ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。

    類似してるかもしれないスレッド


    トップメニューへ / →のくす牧場書庫について