元スレさやか「奇跡も魔法も……」ほむら「私のは技術よ」
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851 = 814 :
ほむら「まどか! あなたなのね……!」
まどか「そうだよ。ほむらちゃん!」
ほむら「ッ! ……そ、その格好……ッ!」
まどか「えへ……契約しちゃった。……ごめんね?」
ほむら「そ、そんな……どうして……」
まどか「わたしはほむらちゃんが大好きだから……ほむらちゃんがいない未来なんて、わたしは……嫌なの」
まどか「最高の友達……なんでしょ? それは、わたしにとってもそうだから……わたしは、みんなと一緒にいたい」
ほむら「まどか……」
マミ「……ツェペリさんは、私達の心の中だけに存在する概念となったわ。生き返らなかった」
杏子「ほむらは、まどかを幸せにする。だが、ほむら。あんたが幸せになることを望む奴もいるんだ。そういうやつのために生きやがれ」
ほむら「まどか……マミ……杏子……」
ほむら「…………ジャイロ」
852 = 814 :
ほむら「…………あ、そうだ。さやかは?」
マミ「気を失ってるわ」
さやか「」
ほむら「あ……よかった……。何とか助かったのね」
ほむら「…………」
ほむら「私…………」
杏子「ほむら?」
853 = 814 :
ほむら「……私……変な『夢』を見たわ」
ほむら「……夢の中で暗闇を歩いていると……光が見えて……」
ほむら「私の憧れた人に会ったの。初めて会った時の『鹿目さん』……」
ほむら「『どこへ行くのほむらちゃん』……って『鹿目さん』が私に聞くの。私は『鹿目さんについて行く』って言った……」
ほむら「だって『鹿目さん』はいつだって私を引っ張ってくれたし……自信に満ちあふれていたから……安心できたから……」
ほむら「そしたら『鹿目さん』は……『あなたが決めて』って言うの……『ほむらちゃん……行き先を決めるのはあなただよ』って」
ほむら「……私はちょっと考えて……『見滝原に行く』って答えたら目が醒めた……」
ほむら「とてもさびしい夢だったわ……」
まどか「…………」
854 = 814 :
まどか「ひどいよ……ほむらちゃん……わたしを幸せにするって……一緒にお出かけするって約束したのに……!」
ほむら「まどか……」
まどか「わたしの幸せは……みんなもそうだけど……ほむらちゃんがいないと成り立たない」
まどか「わたしは……『鹿目さん』として引っ張ることはできないけど……『まどか』としてほむらちゃんを支えたい」
まどか「わたしは……大好きなほむらちゃんを守るわたしになりたい」
ギュッ
まどか「わたしの幸せは……みんな一緒じゃないと、意味がないんだから……」
ほむら「う……うぅ……」
ほむら「ごめんね……。あなたを、置いて逝こうとして……」ポロポロ
ほむら「私も……まどかが好きだから……私も、みんなと一緒にいたいよぉ……!」
ほむら「まどかぁ……グスッ……うぅ……」
まどか「ほむらちゃん……! わたし、あなたに会えてよかった! ……本当にありがとう!」
ほむら「まどかぁ……私も……私もあなたがいてくれてあなたと出会えて……うぅ……」
マミ「これで、良かったのよね」
杏子「ああ。どうせ未来のことなんてわかんねーし、どうにでもなるだろ」
マミ「楽観的ね……あなたらしいわ」
855 = 814 :
「あ、あの~……」
まどか「え?」
少女Ⅰ「……魔法少女の人よね? 私もそうなんだけど……私、死んだはずなんスよぉ」
杏子「は?」
少女Ⅱ「だからさァ、僕達は生き返ったということになるんだよ。とにかくそうなんだ。ドゥーユーアンダースタンド?」
少女Ⅲ「わけがわからないよ」
マミ「……」
少女Ⅳ「『今夜はビート・イット』のパロディ「今夜はイート・イット」を歌ったのはだ~れだ?」
少女Ⅴ「アル・ヤンコビック」
少女Ⅵ「……やれやれ、本物のようね。そんなくだらねーことしってんのは」
ほむら「……え? 何?」
856 = 814 :
ワイワイガヤガヤ
まどか「えっ? えっ? ええっ?」
杏子「」ボーゼン
マミ「」アングリ
ほむら「」ポカーン
ザワザワザワザワ
マミ「な……何が起こっているのッ!? この子達は誰ッ!?」
ほむら「まどか……あなたは、何て願ったの?」
857 = 814 :
まどか「えっと……さやかちゃんの真似して……『ワルプルギスによって傷ついた、死んだ人を元に――』って感じで……」
ほむら「ッ!」
まどか「キュゥべえは無理だって言ったけど、ダメ元でジャイロさんも元に戻るかなぁーって思ってそう願ったんだけど……やっぱりダメだったみたい」
QB「やってくれたね。まどか」
魔法少女達「「「「「「「「キュゥべえッ!!!!」」」」」」」」」
杏子「ンガッ、耳がっ……!」キーン
QB「僕がかつて契約した魔法少女もいれば別個体の僕と契約した魔法少女もいる……。とんでもない光景だよ」
マミ「かつて?」
ほむら「まどか……あなた、何ということを……」
まどか「ふぇ?」
858 = 814 :
QB「まどか。冷静になって聞いてよ。君の願いによってこれまでにワルプルギスとの戦いで死んだ魔法少女達が帰ってきたんだよ」
QB「ワルプルギスに伴う災害で犠牲になった人間はあくまで災害で死んだことになって対象外らしいけど」
まどか「ええっ!?」
QB「この結果は僕も予想外だ。僕だってほむらの肉体と魂が復元されるだけだと思ったんだ。だけど、実際はこの結果だ」
ワイワイガヤガヤ
少女Ⅶ「なんかわからんけどこの方が私達を救済してくれたんだ!」
少女Ⅷ「やったー!」
ワーワーヤイノヤイノワイワイキャーキャー
まどか「え……えっと……」
少女Ⅸ「胴上げだー!」ワーッショイ
少女Ⅹ「やったーバンザーイ!」ワーッショイ
まどか「ちょ、やっ、やめてぇぇぇっ!」
ピョーイピョーイ
まどか「きゃあ! お、降ろしてっ! ちょ、ちょっと! ひゃあ!」
859 = 814 :
ほむら「……なに? これ」
杏子「……わからん」
マミ「……この子達、今まで死んでいたってことは……行方不明になっているのよね。色々大丈夫かしら」
杏子「……どうしようか」
ほむら「そうね……あの魔法少女の集団を何とかしないとね」
マミ「どうしましょう……」
ほむら「学校はしばらく休校になるだろうし、ならないにしてもしばらく欠席するなりして、その間にどうにかするわ」
マミ「どうにかって……どうするのよ」
ほむら「そうね……まずはそれぞれの帰る場所へ帰ってもらって……でも身寄りが既にない場合もあるか……」
ほむら「身よりがいないとて私やマミの家に居候させるわけにもいかない。かと言って施設に預けるというのも……身元調査もしないといけない」
ほむら「……色々裏工作しないといけないようだから。私に任せて。みんなには迷惑かけたからね」
マミ「私達も協力するわよ」
杏子「あたしもな」
860 = 814 :
ほむら「そう……ありがとう」
マミ「……ところで、美樹さんはどうする?」
さやか「」
杏子「あ……忘れてた」
ほむら「…………」
杏子「……なあ、ほむら死んだことにしとこうぜ」
マミ「え? 何で?」
杏子「行方不明者が一斉に帰ってきたとなったら大ごとだ。さやかは口が軽いだろ? 事情を知ってたらうっかり話しそうだ」
ほむら「……確かに、偽造とか隠蔽とか身元探しとか……色々しなきゃいけないし、そういうことにしといた方がいいわね」
マミ「あ~……なるほど。そうね。釘を刺しても志筑さんや上条くんあたりにうっかり喋っちゃいそう」
マミ「美樹さんには悪いけど……、そういうことにしておきましょう」
ほむら「……そうね。まどかには私から言っておくわ。ついでにまどかが魔法少女になったことも伏せておきましょう」
杏子「おう。おもし……忙しくなりそうだな」
マミ「ドッキリじゃないのよ?」
――――
――
861 = 814 :
――ほむら宅
QB「僕は君達人間から学んだことがある。それは、人間はすぐに成長するということだ」
QB「君がジャイロ・ツェペリと出会い、新たな武器を手に入れて……」
QB「たった一ヶ月で君は、その武器でワルプルギスを超えた」
QB「何度もループしたというのにね。遠回りこそが一番の近道だったわけだ」
ほむら「……何か、用?」
ほむら「私はあなたの顔は見たくないんだけど」
QB「まぁ、仕方ないよね」
QB「話を聞いてよ」
QB「ジャイロ・ツェペリという人間は、実に不思議なものだった」
QB「魔女の影響で現れたと考えれば……その魔女はお手柄だったというわけだ」
862 = 814 :
ほむら「……」
QB「ただの人間の技術であんなことになるなんて……」
QB「純粋に僕は驚いた。そこで、物は相談なんだけど……」
QB「無限の回転。僕達に『研究』させてほしい」
ほむら「研究? ……何が目的?」
QB「魔法少女が絶望する感情のエネルギーは膨大で魅力的だけど……」
QB「はっきり言って効率的じゃあないんだ」
QB「感情の研究はまだまだだけど、上の方では『ワルプルギスの夜を倒した力』ということで、回転の技術に注目する一派ができた」
QB「だから研究させてほしいんだ。僕は君にその交渉をしにきた」
ほむら「もう騙されないわ」
QB「騙すだなんてとんでもない。そもそも僕は最初から騙してなんか……いや、その話はよそう」
QB「これは、契約とかそういう話ではなく、直々の要望なんだ」
863 = 814 :
ほむら「要望……」
QB「まず前置きなんだけど……」
QB「君達やまどかはまだ気付いていないがまどかには特異な能力がある」
ほむら「ええ……そうね。私が時間を繰り返すほど、まどかに因果が集中する」
QB「そうだね。だからまどかはあそこまでの素質があった」
QB「そして彼女は、願いにより君を含む大勢の魔法少女のソウルジェムと肉体を復元してしまった」
QB「問題はその復元なんだ」
ほむら「……何が問題なの?」
QB「常に冷静で聡明な君なら、少し考えたらわかるんじゃないかな?」
864 = 814 :
QB「結論から言おう」
QB「理論上、まどかはソウルジェムを『穢れた状態』から穢れる『前の状態』に戻すことができる」
ほむら「……それって」
QB「簡単に言えば、まどかはソウルジェムを『浄化できる』……ということだ」
ほむら「……ッ!」
ほむら「そ、それは……かもしれないという話でなく?」
QB「確定的だね」
ほむら「……だとすれば、あなたにとって都合が悪い。何故それを私に話したの?」
QB「どうせいつかわかることだからね」
865 = 814 :
QB「それでここからが問題なんだ。……そうだね」
QB「普通、グリーシード一個でソウルジェムを二人分浄化できるとしよう」
QB「穢れの程度やその器量によって燃費が違うからね。例えばの話だ。例えばグリーフシード一個でソウルジェム二個」
ほむら「えぇ……」
QB「まどかの能力の場合……まどかがグリーフシードを一つ使ってその魔力を浄化に使うとすれば」
QB「……グリーフシード一個で恐らく十人分のソウルジェムを浄化できてしまう」
ほむら「十人……!」
QB「魔法少女全員が集団を結成したとすれば……単純に考えて回収能率は十分の一になるね」
QB「感情エネルギーの回収率が悪くなる。魔女にならないからね」
866 = 814 :
ほむら「…………」
QB「しかもまどかが成長すればするほど、その能力が強まるほど、その能率は悪くなる」
QB「かと言って、恐竜に立ち向かうくらいに精神的に成長した彼女を絶望させて魔女に……というのも非常に難しい」
ほむら「恐竜? まどかが?」
QB「あぁ、君は知らなかったね。その辺りはまどかに聞いておくれ」
QB「話を戻すと……そんなまどかがいる以上、いっそ新しいエネルギーの研究に手を出してみよう。というのがさっき話した一派の考えの一つだ」
QB「僕は君達と知り合いだから、その一派として研究する命を授かった」
QB「そもそも僕がこの能力を容認させたんだからね。責任がある」
ほむら「…………」
QB「研究させて欲しいんだ。だから要望と言った」
867 :
増えてるwwwwww四人分wwwww
868 = 814 :
ほむら「……黄金の回転は私しかできないわよ」
QB「わかってるよ。だから君にとっていい交換条件を考えている」
QB「僕は新しいエネルギー開発の協力を要請する。そして開発に成功した暁には……」
QB「全ての魔法少女を普通の人間に戻す……というのはどうだろう?」
ほむら「!」
QB「感情より効率的なエネルギーができたら、魔法少女の制度と並行って意向もあったんだけど……」
QB「君の性格から推測するにそういうことを望むと思ってね」
869 :
あれ…既視感が
870 = 814 :
QB「死なないために契約した魔法少女は死の運命をねじ曲げたまま。蘇生を望まれれば生き返った者も存命のまま。君達も死ななきゃ生き続ける」
QB「何なら君の心臓病もおまけに治してあげたっていい。しつこいようだけど感情を超えるエネルギーができたらね」
ほむら「そんな……随分と都合のいい……怪しいわね」
QB「本来なら失った命が元に戻ること自体都合がいい話じゃないか」
QB「それくらい僕達は今切羽詰まっているという世界なんだよ」
QB「君達の未来のためにも、宇宙のためにも、エネルギーは必要なんだ」
ほむら「……わかったわ。キュゥべえ。その話、乗ってあげる」
QB「本当かい? ありがとう」
871 = 814 :
QB「そこでお願いがあるんだ。早速協力を要請したい」
ほむら「…………」
QB「色んな魔法少女に回転を使えるようにしてほしいんだ」
ほむら「……え?」
QB「データはたくさんあった方がいいし、今後も魔女や使い魔は普通に現れるから……つまりいつ君が死んでも、絶望してもおかしくないままなんだ」
QB「君を死なせないということはできないからね。替えが必要。……当然の欲求だろう?」
ほむら「……私に、教育しろ、と」
QB「そうだよ。ツェペリ一族の技術を伝える組織でも集団でもコミュニティでも作ってほしいんだ。僕もできる範囲でなら協力する」
QB「集団を作られては感情エネルギーという視点では困るけど、研究素材を増やすにはやむを得ない」
QB「魔法少女同士で争うのを嫌っていただろう? Win-Winな希望だと思うんだけどね」
ほむら「……」
全国各地で行方不明になっていた少女達が、見滝原で起きたスーパーセルの日に、突然、一斉に発見された。
この出来事は、神隠しにかけて「神返し」として、少女を攫った悪い神から見滝原の善良な神が救った……という都市伝説となっている。
ちなみにその善良な神は『まど神様』と呼ばれ、その悪い神に挑んだ魔法少女だけがその真相を知っている。
――見滝原の七不思議。その⑦
872 = 814 :
~~~~~~~~~~~~~~~
少女Ⅰ~Ⅲ「ドッキリ大成功~! ヒャッハー!」
ほむら「ドッキリじゃないわよ」
さやか「こ、こいつらは何なんだよ!」
ほむら「仲間」
さやか「仲間ァッ!?」
まどか(最初はわたしも……さやかちゃんにドッキリをしかけるのかと思ったけどね……)
まどか(さやかちゃんをずっと落ち込ませてたのは心は痛んだよ)
少女Ⅰ「ハッピー」
少女Ⅱ「うれピー」
少女Ⅲ「よろピくねー!」
さやか「うっせ! うっせ!」
まどか(元気そうだし……でもま、いっか~って思ったのでした)ツン
873 = 867 :
今回は前作がまとめられたサイトにまとめられない方がいいな・・・・荒れるな、絶対・・・・
874 :
前と同じオチっすか
875 = 814 :
さやか「そ、そうだ! ほむら!」
ほむら「ん?」
さやか「あんたの従妹がこの結界にいる! 眼鏡が落ちてたからきっとヤバイことに……!」
ほむら「あれは私の変装よ」
さやか「」ズコーッ
ほむら「眼鏡、拾ってくれてありがとう。魔法少女の格好してたらバレちゃうからね。そういう理由もあって隠れてた」
マミ「それにしても変装するってのは知ってたけど眼鏡と三つ編みだなんて……」
杏子「眼鏡と髪型だけで変わるもんだよな。本当にほむらなのかちょっとわからなかったもん」
まどか「すごい可愛かったよっ。またあの格好して欲しいなって」
ほむら「そ、そんなこと言われても……///」
876 = 814 :
さやか「に、にゃにお~~んッ! そこまでやるか……よくもあんたら……一人ぼっちは寂しいんだぞ。グスン」
まどか「ウェヒッ、ごめんね。さやかちゃん」
杏子「普段の行いということで勘弁しろよ」
さやか「ひどい……」
マミ「ちゃんとそれなりに理由があるのよ?」
さやか「理由?」
ほむら「例えばそうね……あなた、部活に入ったらそのことを友達や家族に話すでしょ?」
さやか「まあ……そうだね」
ほむら「だからよ」
さやか「…………」
さやか「……え? 何? まさか魔法少女部を作るって学校に申請するの?」
杏子「まさかだろ」
877 = 814 :
ほむら「私達は魔法少女の『組織』を作るつもりでいる」
さやか「何だって!?」
ほむら「名称未定。メンバーは現在9名。私達4人は勿論、あの3人もそう。そしてもう2人。……あなたが加入すれば記念すべき10人目よ」
ほむら「主な活動目的は、魔法少女同士の集まりを作ろう。……というというのが暫定的なものよ」
ほむら「帰る場所、その意味を求める魔法少女のため……と言えば聞こえはいいんだけどね」
ほむら「まだ大したことは決まっていないから、追々決めていく予定よ」
杏子「色々トラブルは起こりそうだけど、ほむらが作るって言ったからにはあたしは従うんだけどな」
マミ「人付き合いの苦手な暁美さんが? って最初は思ったけどね、面白そうでしょ?」
まどか「魔法少女同士で啀み合うなんて、そんなの絶対おかしいもの!」
さやか「グリーフシードは大丈夫なの? 奪い合いにならない?」
ほむら「その必要はないわ。ね、まどか」
まどか「え? わたし?」
ほむら「ふふっ」
まどか「?」
878 = 814 :
ほむら「ちなみに、鉄球の回転の後継者も育てたいとも考えている」
さやか「回転を?」
ほむら「去ってしまった者から受け継いだ物はさらに『先』へ進めなければならない」
ほむら「ジャイロから受け継いだ黄金長方形の回転を伝えたいのよ」
ほむら「そして、私は回転の技術を研究し続ける。どういう事情があってかはまぁ、追々話すわ」
まどか「魔法少女の組織。とっても楽しそうでしょ? さやかちゃん!」
さやか「うーん……そりゃ、まぁ興味はあるけど……」
ほむら「決まりね」
さやか「わーお。入るって言ってないのに。いやまぁ入るけどさ」
まどか「……ねぇ、ほむらちゃん」
ほむら「なぁに?」
まどか「わたしね……ずっと考えたんだけど、わたしも回転やってみたいなって」
879 = 814 :
ほむら「……厳しいわよ?」
まどか「大丈夫だよ! わたしだって魔法少女だもん!」
ほむら「……い、いえ、どっちかと言うとまどかに厳しくできない私が厳しい……」
まどか「やっぱダメかな……」
ほむら「そ、そんなことないわ! ちゃんと教えてあげるから」
まどか「ウェヒィ~、やったぁ!」
マミ「相変わらず鹿目さんには甘いんだから」
ほむら「いいじゃない。最高の友達なんだから」
杏子「私情を混合しちゃうのはまずいぜー」
ほむら「善処するわ」
さやか「それならあたしもやってみようかな~」
ほむら「音を上げさせてあげる」
さやか「差別だ!」
ほむら「これは区別よ」
880 = 814 :
マミ「さ、雑談はこれくらいにして……魔女をいい加減追いましょう」
ほむら「ああ、そうだったわ。行きましょう。まどか」
まどか「うんっ!」
さやか「存在を忘れられそうになるもんじゃないでしょ」
杏子「おい、さやか。あいつらを引率しろよ」
さやか「えぇ!? あたしが!?」
少女Ⅰ~Ⅲ「お願いしまーす」
さやか「え!? ちょ、え!? ま、待ってよぉ!」
さやか「あ、聞いてねぇやあいつらちくしょー」
さやか「……そういやあんた達ってまどかがに生き返らせてもらったんだよね?」
少女Ⅱ「そーだよ」
さやか「ほむらも生き返らせたし……なんか神様みたいだねぇ……」
さやか「まどか。神様。……まど神様ってかぁ? あっはっは! さ、いこっか」
少女Ⅰ「…………」
881 = 814 :
――結界最奥
魔女「――――」
まどか「……」ドキドキ
ほむら「まどかは魔女の相手をするのは初めて?」
杏子「ああ。もっぱら使い魔が相手だったからな」
さやか「あたしが知らない間に? マミさんと杏子にグリーフシードあげるから休んでなさいって半強制的に言われてた間に?」
ほむら「あら、そんな事情があったのね。どうでもいいけど」
さやか「ちょ」
マミ「鹿目さん。私達がついてるからそんな緊張しなくていいのよ」
ほむら「そうよ。なんてったって、私がいるもの」
まどか「ウェヒヒ、そ、そうだよねっ」
882 = 814 :
杏子「ほむらの方こそ、時間停止ができなくなったようだが大丈夫なのか?」
さやか「え、そうなの?」
ほむら「ええ。まどかとの出会いをやり直せたからね」
ほむら「でも心配には及ばないわ。鉄球があるもの」ファサ
マミ「でも、無茶しないでね?」
さやか「まどかのためならどんな無茶もしかねないよねー」
ほむら「あなたはハラワタブチ撒けながら戦うのはやめなさいよ」
さやか「う、ここであの時のことを蒸し返すか……」
杏子「さやか。あんた体なまってねーだろうな」
さやか「大丈夫だよ。わかんないけど、いざって時は回復するし」
杏子「…………」
883 = 814 :
QB「ほむら! ほむら!」ピョンコピョンコ
マミ「あら、キュゥべえ。久しぶりね」
ほむら「……何よ。人懐っこい小動物みたいに寄りつかないで」
まどか「そういえばキュゥべえも全然見なかったなぁ」
さやか「……ほむらと一緒にいたの?」
QB「うん。しばらく一緒に行動してたんだ」
ほむら「つきまとっていた、の間違いでしょ」
杏子「で、ほむらに何の用だ?」
QB「そうだよ、ほむら」
QB「僕に例の回転を見せてくれるって約束してたのにすっぽかすなんてひどいじゃないか」
まどか「そんな約束してたの?」
QB「実に興味深いからね。今まで渋ってなかなか見せてくれなかったんだ」
QB「僕の熱心な交渉の結果、やっと見せてくれることになったんだよ」
884 = 814 :
ほむら「何が熱心よ。粘着の間違いじゃないの?」
QB「僕にはわからないな」
杏子「何で鉄球の回転を?」
QB「考えてみてよ。あのワルプルギスを倒した力だよ?」
QB「上では黄金長方形の回転を新エネルギーの可能性として研究してみようという一派ができたんだ」
QB「もし無限の回転という言葉をそのままの意味で捉えたら、半永久的に回転する発電機のモーターだよ」
まどか「ちょっとよくわからない例えだね」
QB「研究する価値があるよ。回転の後継者を育てて欲しいと言ったのは何せ僕なのだから」
マミ「ああ、そういう事情があったのね」
杏子「ほえー。キュゥべえに協力するなんてますますほむららしくねーじゃん。まぁいいけど」
QB「回転の後継者を育てる、その組織の運営を手伝う。ちゃんと取引したじゃないか。なのにほむらは……」
ほむら「ハァ……。うるさいわね。もう。何にしたって、魔女が出たんだから仕方ないでしょ」
QB「君以外にも魔法少女がいるんだし、いいじゃないか。そもそもここは君達のテリトリーじゃない……」
ほむら「あなた私が何で単独行動してたかわかってないじゃない」
ほむら「ここのテリトリーの主は既に組織に加入しているのよ。10人の内の残りの2人よ」
さやか「いつのまにそんな……」
ほむら「それに、この魔女は私が決着をつけなければならない」
885 = 867 :
今更だけど、このまどかは「ウェヒヒ」なんだね
実は「ティヒヒ」が正しいんだけどね・・・・
886 = 814 :
魔女「――――」
ほむら「さ、決着をつけるわよ。重力の魔女『エリナ』……」
まどか「重力の魔女……?」
杏子「エリナ……?」
ほむら「私は勝手にそう名付けて呼んでるだけよ」
マミ「暁美さんが名前を付けるなんて、何だか新鮮ね」
ほむら「……なんだか釈然としないけど、まあいいわ」
QB「それで、この魔女に何の因縁があるというんだい?」
ほむら「この魔女がジャイロをこの世界に連れてきたのよ」
ほむら「ジャイロがこの世界に来たとき、目の前にいたのがこいつだった。根拠はそれで十分」
まどか「そ、そうだったんだ……!」
887 = 814 :
杏子「ジャイロは異次元がどうこうって言ってたよな」
まどか「パラレルワールドの境界を操る呪い? っていうのかな?」
さやか「えーっと、うーん?」
ほむら「ま、あなたにとって難しい話でしょうから簡単に言ってしまえば……」
ほむら「エリナは多数存在する異次元の、さらにその次元の過去にいた者を呼び寄せることができる」
ほむら「……と、いったところかしら。異次元の一言で解決できない『何か』という可能性もあるけれどね」
マミ「私個人の意見で言えばエレナってよりルーシーって名前の方が似合いそうよ」
ほむら「何を基準でそう言ってるのよ……。まぁいいわ。武器を構えて」
まどか「うん!」
888 = 814 :
少女Ⅰ「きゃーっ! まど神様ーっ!」
少女Ⅲ「ヤッベ! カッコイイ! 5人ともヤッベ! あんたどっち? どっちにすんのよ!」
少女Ⅱ「僕はほむほむ派です」
マミ「可愛い後輩達の手前、かっこわるいとこ見せられないわ」
ほむら「そういって調子のってマミるなんてないように」
マミ「マミるって何!?」
まどか「ちょ、ちょっと待って。まど神様ってなに?」
さやか「さ、さぁ~? な、何だろうねぇ~?」
杏子「んー、やっぱ、ワルプルギスと比べたら見劣りするなぁ」
さやか「あたしと同じようなこと言ってる……」
889 = 814 :
ほむら「さ、みんな。戦闘開始よ」
まどか「うん! わたし、足を引っ張らないよう頑張る!」
マミ「私は鹿目さんの援護に期待してちょうだい!」
杏子「ちゃっちゃとやっつけて飯食い行こーぜ。小腹が空いたよ」
さやか「あたし達の戦いはこれからだッ!」
890 = 814 :
――「魔法少女の蘇生」という願いが反映され、わたし(鹿目まどか)はソウルジェムを「浄化」する能力を手に入れた。
詳しい原理はよくわからないけど、わたしが穢れたグリーフシードに触れることで、穢れが消えていくのだ。
結論から言えば、わたしはグリーフシード一個で九、十人分のソウルジェムを一気に浄化できる。
都合の良い能力だけど、因果の力がどうこうでできちゃったらしい。グリーフシードの回収率が減ったとか言ってキュゥべえは何やら困ってた。
そしてその因果の力でわたしは究極の魔女になりうるため、全力を出してはいけないという奇妙な戦闘スタイルになった。
一方、ほむらちゃんは「わたしとの出会いをやり直す」ことを達成したため、時間を止める能力を失ってしまった。
「足手まどいになるだろうから、ワルプルギスを越えたら見滝原を去るつもりだった」と言っていたが、今は鉄球の回転がある。
その必要もない。何より、ずっと一緒にいると約束をしたのだから。
ちなみに一度死んだことで盾の能力が一時的に消滅し、中身の全てが消滅したらしい。
892 = 814 :
『エリナ』から三週間が経った。
行方不明者が一斉に帰ってきた。
この奇想天外なニュースに全国各地が注目し、今でもマスコミ関係者がワルプルギスが出没した地域をうろついている。
水底に得体の知れない鉄の球や銃弾が多量に沈んでいた。というニュースが流れるのはずっと先の話だ。
この奇妙な事件の真相……「まど神様」の伝説は、魔法少女達の間で、何年も何十年も語り継がれるだろう……。
魔法少女達とキュゥべえはと言うと――
893 = 814 :
生き返った魔法少女達は……
大半の子はそれぞれの帰る場所へ帰っていった。彼女達が帰った先では既に他の魔法少女がテリトリーとして戦っているかもしれない。
彼女達がその魔法少女達と、対立をするのか、共闘を結ぶのか、残念ながらわたしに知る術はない。
一方、既に帰る場所がない(身寄りがない等)魔法少女達は、見滝原や風見野に残り、「組織」のテリトリー内で活動している。
ただ困ったことに彼女達はわたしのことを意地でも「まど神様」と呼んでくる。
キュゥべえは……
ほむらちゃんの「無限の回転」に興味を抱き、新たなエネルギーがどうとか言ってわたし達……特にほむらちゃんと積極的に接してくるようになった。
新たなエネルギーを求めて感情の研究だけでなく、無限の回転を研究したがっているみたい。
その研究に集中するためかほむらちゃんに釘を刺されてか、詳しい事情はわからないけど最近は契約をしていない。
感情に代わるエネルギーが生み出せれば、みんなを普通の女の子に戻すとほむらちゃんと約束したらしい。それはとっても嬉しいなって。
894 = 814 :
マミさんは……
お出かけ中に芸能関係の人にスカウトされ、受験と魔法少女とレッスンを兼ねながら驚異的な速さで『恋のティロ・フィナーレ』という曲でアイドルデビューを果たした。
ライブやイベントの最中に魔法少女を探しだし「組織」へ勧誘しているらしい。もちろん多忙の中わたし達の面倒も見てくれている。
アイドル、進学で忙しくなったらマミさんは魔法少女を引退することも視野に入れている。寂しいけど、マミさんのやりたいことならそれでいいと思う。
ちなみに杏子ちゃんの将来を考えてか、杏子ちゃんをアイドル、またはバックダンサーとしてデビューさせる計画を立てている。
杏子ちゃんは……
依然マミさんの家でお世話になりながら「組織」の一員として魔女と戦いつつ後輩魔法少女達の面倒を見ている。
さやかちゃんとは一時期色々あったけど、今ではとっても仲が良い。二人で遊んでいる所をよく目にする。
学校へ行くつもりはさらさらないようで、風見野で年齢を誤魔化してアルバイトをしつつ暮らしているらしい。
いつか普通の人間に戻れた時のことを考えると、杏子ちゃん芸能界デビュー計画の成功を祈るばかりである。
さやかちゃんは……
わたし達の中で一番「組織」という集団を楽しんでいる。……後に「まど神様」という名前を広めた張本人と発覚した。
魔法少女として腕をあげながら、杏子ちゃんとは最高のコンビになっている。将来的には剣術を人に教えたいらしい。
勉強面では魔法少女を兼ねてなので苦戦を強いられ(わたしもだけど)ていて、ほむらちゃんに勉強を教えてもらっている。
上条くんのバイオリンコンサートの日程が決まったと喜んでいた一方で、その上条くんを巡る仁美ちゃんとの女の戦いは、災害の影響もあって少し長引きそうだ。
895 = 814 :
わたし(鹿目まどか)は……
勉強と魔法少女を両立しながら、浄化する能力と弓矢の練習に明け暮れる「普通の子」として暮らしている。
たまに魔法少女の運命がどうこう考えると溜息が出るけど、みんなと一緒ならどんなことでも乗り越えられると信じてる。
「組織」の名前は未だ決まってないけど、その組織の一員として、みんなに迷惑かけないよう努力は惜しまない。
浄化してもらうためにグリーフシードを持って複数人組の魔法少女が訪れることがあり、たまに本当に神様となった気分になる。
ほむらちゃんは……
盾の中身がリセットされ時間停止の能力がなくなったことをきっかけに、銃器とは決別した(というより補充ができない)。
わたし達と同じように暮らす一方で、魔法少女、回転の後継者を育成している。その中にはわたしもいる。
だからほむらちゃんはわたしの最高の友達兼師匠兼先生だ。ほむらちゃんもこの生活に満足してくれている。
そして、鉄球の回転の新しい領域を研究している。だからほむらちゃんはもっともっと強くなるだろう。
ほむらちゃんもわたしも、みんな……ジャイロさんには本当に感謝している。
896 = 814 :
――こうして何度も繰り返された一ヶ月は……ほとんどの人々にとっていつもの一ヶ月と同じように、当たり前のように過ぎていった。
バ ァ ――――z____ ン
さやか「奇跡も魔法も……」ほむら「私のは『技術』よ」 (完)
897 = 869 :
乙
前回とオチ同じようなもんじゃねーかwwwwwwwwwwww
ほむらの最期はシーザーが元ネタ?
898 = 867 :
乙
結果がどうあれおもしろかったよ!
エレ速さんはまとめないでね
899 = 814 :
ジョジョ25周年。尊敬と感謝の気持ちで前作と今作の二作を書きためましたが、ようやく完結できました。消化して完結。
同時に書きためてたはずなのにどうしてこんな長さとかに差が出たのかはわかりませんが、色々と楽しかったです。
長いばかりでお見苦しい点も多々ありましたが、みなさまからのレスは大変励みになりました。
ほむらを生き返らすのは無粋という意見もあり、前作と同じオチでしたが「前作の並行世界」ということを意識して……
っていうかさやかがポルナレフるのが確定事項だったこともあるのでこの展開は最初から決まっていました。その辺割り切ってください。
ここまでお付き合いしていただき、ディ・モールト グラッツェ!
900 = 874 :
正直同じオチはどうかと思うが、それ以外は面白かった
まあとにかく乙
みんなの評価 : ☆
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