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    元スレ魔王「俺も勇者やりたい」 勇者「は?」

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    153 :



      ~魔王城~


    魔王「いやー、満腹満腹。本当に美味い飯だったなー」スタスタ

    魔王「それに、あのデコレーションケーキ……。味の芸術だった……」



    魔王(にしても、魔王のやつ。毎食こんな豪華な飯食ってんのか……)

    魔王(……羨ましすぎる!)



    側近「あ、見つけましたよ。魔王様」

    魔王「お、側近。ちーっす」

    側近「ちーっす、じゃありません。あと7分で会議が始まります。一緒に来てください」ガシッ

    魔王「うぇ!? ちょ、いたたた! 角引っ張らないで……!」

    154 = 1 :



      ~魔王城・会議室~


    側近「巨人様、翼竜様、暗黒剣士様、氷精霊様、海魔人様――、全員お揃いのようですね」



    巨人「おぅよぉ。さっさと済ませて、人間喰おうぜぇえ」

    翼竜「ほっほ、巨人の。相変わらず品性の欠ける発言じゃの?」

    巨人「んなにをぉお!?」

    翼竜「ふほほ、挑発に弱いのも相変わらずとは、愉快愉快」



    魔王(……うわー。大きくて、強そうなやつらばっかりだ。こえー)

    155 = 1 :


    氷精霊「どーでもええけど、部屋暑すぎとちゃう? ウチ、溶けてまうわ」

    海魔人「そうですね。湿度も高いし、僕も蒸されそうですよ」

    氷精霊「湿度高いんは、自分のせいやろ? 海モンは、潮臭くて敵わんなァ」

    海魔人「…………」イラッ



    暗黒剣士「……側近、早く始めてくれ。このままじゃ、内戦が起こる」

    側近「そうですね。魔王様も到着しましたし、さっさと会議を開始しましょう」



    魔王(ていうか、なんで、こんなに喧嘩っ早いのばっかりなのさ)

    魔王(しかも、魔王って、こんなやつらといつも会議してたの……?)

    魔王(……魔王って、すげーやつだったんだな)



    魔王(……ていうか、会議ってオレ何したらいいんだろ)

    156 = 1 :


    側近「…………」チラ

    魔王「……ん?」


    魔王(何、いまの側近の目線……。オレ見てから、机を見たけど……)

    魔王(あ、資料読めってことかな?)ガサガサ

    魔王(……お、最後のページになんか書き込まれてる)



      『 魔王様へ、


        本日の会議の進行の大部分は、私が行います。

        ゆえに、無理に発言する必要はありません。

        もし、意見を尋ねられても、即答しないで、相槌だけ打ってください。

        私が全面サポートしますので、安心して会議を聞いていてください。


                             側近より 』


    魔王(側近、あんたってやつは……!)ジーン…

    157 = 1 :


    側近「――では、本日の議題は、北地区の魔物の配備と、西国の侵攻作戦です」



    氷精霊「北地区はウチのテリトリーやな。なぁなぁ、北陸の方にもっと戦力欲しいんやけど」

    側近「ですが、魔界からの援軍の到着は、来月以降になりそうです」

    氷精霊「ええー、困るわー。んなトロトロしてたら、勇者のが早く来てまうやん」

    側近「なので、現在地上で活動している魔物の、一時派遣案を検討しています」

    氷精霊「あー、もう。それでええわ。北陸には伝説の武具があるんやから、死守せぇへんと……」



    魔王(へー。地上の魔物って、魔界から来てたんだ)

    魔王(てか、北陸に伝説の武具あんの? それ初耳なんだけど)

    158 = 1 :


    海魔人「そんな辺鄙なところより、海にも軍隊回して下さいよ」

    氷精霊「はぁっ!? なんでアンタに、魔物分けなあかんねん!」

    海魔人「勇者たちの船の移動が増えてるんです。それに、北陸への移動手段も船ですよ?」

    氷精霊「う……」

    海魔人「ですから、勇者に北陸に侵入されないように、ここは海の魔物を増やした方が……」



    魔王(なるほど、頭いいなー)

    魔王(ていうか、こいつらってボスクラスの魔物だよな)

    魔王(……将来、オレこんな奴らと闘うのか)

    魔王(…………ドキドキ)

    159 = 1 :


    海魔人「なので、どなたかから軍をお借り出来たらというのが、僕の意見ですが……」

    巨人「それは構わねぇけどよぉ、海魔人」

    海魔人「はい、なんでしょう」

    巨人「おぉれの軍の奴ら、獣ばっかだから、たぶん泳げねぇぞぉお?」






    海魔人「……あ」

    160 = 1 :


    暗黒剣士「我が軍も、陸上で活動できる戦士系や死霊系の魔物ばかりだ」

    側近「陸上の魔物を、海上に派遣するには、せめて船がないとですね……」


    暗黒剣士「だが、勇者を討つには、大型の船が少数あるより――」

    側近「ええ。小型の船を多数用意した方が、勇者を迎えうてるかと」


    翼竜「じゃが、そんな予算どこから捻出するんじゃ?」

    暗黒剣士「……短期間で実行するには、現実味が無さすぎる案だな」




    氷聖霊「ぶははは! だっさー! 盲点もええところやな、この海鮮物!」

    海魔人「……貴様ら、僕をコケにしやがって……!」




    魔王(……だから、なんで一瞬で、こんなに一触即発な会議になるんだよ!?)

    161 = 1 :


    翼竜「ほっほ、若いのは血気盛んじゃのぉ」

    海魔人「……笑ってる暇あったら、軍貸して頂けませんかね」

    翼竜「ほ? なにゆえ?」


    海魔人「貴方の軍は、竜や鳥や、空を飛べるものばかりでしょう? ならば、海上だって……」

    翼竜「いかにも。だが――、やなこった」

    海魔人「なっ!」


    翼竜「それが人にモノを頼む態度か、海の? わしの軍が欲しければ、手土産くらいよこさんかい」

    海魔人「貴様ぁっ……!」

    翼竜「ふむ、ざっと人間の小娘2000人ほど欲しいの~。なんせ、わしの竜軍は、大飯喰らいばかり……」






    海魔人「頭に乗るなよ、老いぼれぇええっ!」

    翼竜「そりゃこっちの台詞じゃ、ヒヨっ子めがぁ!」

    162 = 1 :


    巨人「ぎゃははは! 乱闘だぁああ!」

    氷聖霊「マジウけるーー! なぁなぁ、剣士ぃ、どっちが勝つか賭けへん?」

    暗黒剣士「興味が無い。どちらも沸点が低すぎるんだ」

    氷聖霊「はン、つまらん男やな。遊びもせえへんようじゃ、女が寄りつかへんで?」

    暗黒剣士「頭の軽すぎる女に寄られるのは、ただの迷惑だ。とくに、お前みたいな女はな」

    氷聖霊「なんやて、この餓鬼ッ!」

    巨人「ぎゃはははは! 面白すぎて腹いてぇええ!」



    側近(……まずいわね。このままじゃ、会議もままならない)

    側近(こんな時、魔王様だったら、こいつらを殴って魔法でねじ伏せて、軌道修正してくれるんだけど……)

    側近(ここにいるのは、魔王のふりした勇者しか――)



    魔王「…………っ!」

    163 = 1 :






    魔王『 ――いい加減にしろぉ! てめぇらぁっ!! 』






    海魔人「……ひっ!?」

    翼竜「むぉ!?」

    氷精霊「ひゃぁ!?」

    暗黒剣士「…………!」

    巨人「ぎゃは?」



    側近(……っ!? 勇者!?)

    164 = 1 :


    魔王「さっきから聞いてりゃあ、貶しあうわ、喧嘩寸前だわ……」

    魔王「お前ら、今日、ここに何しに来たんだ? オレ達の目的はいったい何だ?」



    海魔人「……そ、それは」

    魔王「海魔人、言ってみろ」

    海魔人「……勇者を倒し、人間界を我々のものにすることです」



    魔王「じゃあ、そのためには、お互いのこと悪く言ってる暇なんか、無いって分かってるか?」

    翼竜「…………」

    氷精霊「…………」

    165 = 1 :


    魔王「みんなで力合わさなきゃ駄目なんだよ」

    魔王「ただ集まるだけじゃ、何も達成できないんだよ」

    魔王「仮にも、お前ら魔王軍幹部だろ?」

    魔王「お前らは強いし、凄いんだからさ……」



    魔王「――みんなで協力したら、現状より、もっと凄いことができるはずじゃないのか?」



    海魔人「……」

    翼竜「……」

    氷精霊「……」

    暗黒剣士「……」

    巨人「……」

    166 = 1 :


    側近「…………」



    側近(……これが、勇者か)

    側近(力も魔法も使わず、わずかな言葉で皆をまとめあげようとしている)

    側近(このリーダーシップは、天性のものか、それとも冒険を通して手に入れたものか……)



    魔王「…………」ス……

    側近「……? 魔王様、どちらへ?」

    魔王「部屋に戻る。会議は、側近が進めてくれ」

    側近「……か、かしこまりました」


      バタン……


    側近「…………」

    167 = 1 :


    氷精霊「…………」

    暗黒騎士「……おい」

    氷精霊「うへぁ!? 何さいきなり!」

    暗黒騎士「北陸に軍が欲しいんだろ?」

    氷精霊「そりゃまあ、そうやけど……」

    暗黒騎士「我が死霊軍の一部を貸してやる。霊魂なら、極寒の地でもなんなく活動できるだろうからな」

    氷精霊「え? あ、ああ……、おおきに」

    168 = 1 :


    翼竜「のお、海の?」

    海魔人「何ですか」

    翼竜「そんな怖い顔しなさんな。さっきの手土産云々じゃが、無しにしてくれてもええぞ?」

    海魔人「……!?」

    翼竜「なぁに、ちょーっくら竜共を、北海に飛ばすだけじゃからな。なんのことはない」

    海魔人「……」

    翼竜「そのかわりと言っちゃなんだが、最近、久々に魔界産の地酒が飲みたくなってきてのぉ……」

    海魔人「……分かりましたよ。近いうちに、樽で奢ります」

    翼竜「ほっほ、話の早い若者じゃ!」



    側近(…………!)

    169 = 1 :


    側近(……少しづつ、幹部たちがまとまってきている)

    側近(こんな光景、魔王様のままだったら、見られなかったかもしれない……)



    側近(……勇者の力は、まだまだ未知数ね)






    巨人「おぉい、側近。今度おぉれらも、飲みにいこうぜぇええ♪」

    側近「仕事で忙しいので、丁重にお断りさせて頂きます」



    巨人「…………」ショボーン

    170 = 1 :




      ~魔王の部屋~


    魔王「…………」ガチャリ

    魔王「…………」スタスタ

    魔王「……ダーイブ」ボフッ



    魔王(……超疲れたぁあああああ!)

    魔王(会議ってマジ慣れない。ずっと緊張しっぱなしで、死ぬかと思った……!)

    魔王(こんなん、いつもやってるなんて、魔王って大変なんだなぁ……)



    魔王(……最後の最後で、苛ついてしゃべっちゃったけど、)

    魔王(偽物だってバレてないといいなぁ……)

    魔王(それより、気になったのは――)

    171 = 1 :


    魔王(会議室に入ってから、ずっと殺気みたいなのがあった)

    魔王(……よくわかんないけど、オレ――おそらく魔王に向けられた殺気)

    魔王(故意に隠してるのか、わずかな量だけだったけど、)

    魔王(肌がチリチリするような、嫌な感じだった……)

    魔王(でも、会議室はずっと剣呑な雰囲気だったから、)

    魔王(誰が放ってたかは、まったく分からなかったんだけどな……)


    魔王(……誰、だったんだ?)



    魔王(………… … 誰……)






    魔王「……zZZ」

    172 = 1 :

    今日はここまでです。
    読んでくださりありがとうございます。コメと乙も感謝です。
    また、今週来ます。

    173 :

    コメってなんですか

    174 = 1 :

    >>173
    コメント、感想のことでした

    175 :

    おつかれー

    178 :

    Оту

    179 :

    おつ

    181 :



      ~古代の迷宮~


    ゴーレム「グォオオオン!」

    戦士「ちくしょう。かなり硬いぜ、こいつ……!」

    魔法使い「僧侶ちゃーん! こっちも回復お願い!」

    僧侶「はい! 只今!」

    勇者「…………」



    勇者(……しばらく、観察していて分かったことは)

    勇者(こいつはただの雑魚ではなく、ボスクラスの魔物だということだ)



    勇者(最初はただの模様だと思っていたが、こいつの身体中に刻まれている紋様は……)

    勇者(力、素早さ、防御などを倍化する、魔法陣や呪文の詠唱のようだな)

    勇者(……古代人め、粋なことをしてくれる)

    182 = 1 :


    勇者(……だが、幸い呪文無効化の陣は、書き込まれていない)

    勇者(ならば、ここは……)



    勇者「僧侶! ゴーレムに守備力低下の呪文を! 余裕が出たら、幻惑呪文もかけろ!」

    僧侶「は、はい!」

    勇者「魔法使い! 俺に、攻撃力倍化の呪文をかけろ! 次に戦士に頼む!」

    魔法使い「あいあいさー!」

    勇者「戦士は、俺と一緒にゴーレムを叩け! 痛恨の一撃に気をつけろ!」

    戦士「おう! 任せろ!」



    ゴーレム「ゴァアアア!」

    183 = 1 :


      そうりょは じゅもんをとなえた!

      めいきゅうのゴーレムの しゅびりょくは 108さがった! ▼



    僧侶「勇者様! 効いてますよ!」

    勇者「よし、それでいい。そのまま続けろ!」



      まほうつかいは じゅもんをとなえた!

      ゆうしゃの こうげきりょくが 2ばいになった! ▼



    魔法使い「こっちもOK! 調子はどうだい? 勇者ちゃん!」

    勇者「ああ、すこぶるいいぞ。戦士! 俺に続け!」

    戦士「あ―― 勇者、危ねぇ!」

    勇者「!?」



    ゴーレム「グゴァアアアアア!!」

    184 = 1 :


     めいきゅうのゴーレムの こうげき!
     つうこんの いちげき!

     ゆうしゃに 198のダメージ! ▼



    勇者「――がはっ」

    戦士「勇者!」

    魔法使い「勇者ちゃん!?」

    僧侶「勇者様ぁっ!!」



    勇者「………っ、ぅ」

    勇者(……アバラが何本か、逝ったか? 血が、止まらな――)



    ゴーレム「ゴゴゴゴゴ!」



    勇者(……ふ、あの木偶の坊、笑ってやがる)

    185 = 1 :


    戦士「この野郎! よくも勇者を!」


      せんしの こうげき!
      かいしんのいちげき!

      めいきゅうのゴーレムに 206のダメージ! ▼


    ゴーレム「ゴォオオオオ!?」

    戦士「っしゃあ! 効いてるぜ!」

    魔法使い「僧侶ちゃんの補助魔法のおかげね! このまま、押すわよ!」

    186 = 1 :


    勇者(……こんなに生々しい痛みは、久々だな)

    勇者(魔王ではなく、人間の身体だからか? ずいぶんと脆い身体だ……)

    勇者(勇者どもは、こんな粗末な身体で、今まで俺に立ち向かっていたのか……)


    勇者(……それにしても)



    僧侶「勇者様! 今すぐ、回復しますから……!」

    勇者「……に、……な…」

    僧侶「え?」






    勇者「…、木偶が…調子に、乗るな」

    僧侶「……っ!?」

    187 = 1 :


    勇者(この俺に、この魔王にこんな仕打ちを与えるとは……)

    勇者(其れ相応の覚悟ができている、ということだな?)

    勇者(……悔やむといい、貴様が生まれたことを)

    勇者(……憎むといい、貴様を生み出した古代人を)

    勇者(ああ、それにしても……)






    勇者「――楽しくなってきたなァ?」






    僧侶「……ゆ、う者、様?」

    188 = 1 :


    僧侶(勇者様が、笑ってる……? 瀕死の状態なのに?)

    僧侶(それに、この禍々しい笑みは何?)

    僧侶(まるで、魔物が人間を襲う時のような、邪悪な笑み……)

    僧侶(なんだか、勇者様が勇者様じゃないみたいな――)



    勇者「……僧侶、回復は?」

    僧侶「え、あ! はい、只今!」



      そうりょは じゅもんをとなえた!

      ゆうしゃのHPは ぜんかいふくした! ▼



    勇者「よし、それでいい」

    僧侶「…………」

    189 = 1 :


    戦士「お、勇者! 傷は大丈夫か?」

    魔法使い「勇者ちゃんの治療の間に、あいつにダメージ与えといたよ!」

    勇者「ああ、ご苦労だった」

    僧侶「…………」

    戦士「勇者! 早く、次の指示を!」

    魔法使い「呪文なら、なんでもバンバン打っちゃうよ!」

    勇者「ああ、そうだったな……」



    勇者「――全員、防御だ。できるなら、少し離れるか伏せてるといい」



    戦士「は?」

    魔法使い「え?」



    勇者「あいつは、俺がケリをつける」

    僧侶「勇者様……?」

    190 = 1 :


    ゴーレム「ゴゴ……ゴゴォ!」

    勇者(……だいぶダメージが蓄積されているようだな。あいつら、良い仕事をしてくれた)

    ゴーレム「ゴワァアアア!」

    勇者(人間に造られながらも、素晴らしい性能だった。だが、それも今日で終わりだ)



      ゴーレムの こうげき! 

      しかし ゆうしゃは すばやくみをかわした! ▼



    魔法使い「なっ!? ゴーレムの突き出された拳を、飛んでかわしたわ!」

    戦士「しかも、そのまま拳に着地! 腕を駆けあがっていくぞ!」

    僧侶(……勇者様の目当ては、ゴーレムの頭部!?)






    勇者「さあ、泣いてを許しを乞うがいい――」

    191 = 1 :


      ゆうしゃの こうげき!
      かいしんの いちげき!

      めいきゅうのゴーレムに 385ダメージ!



    ゴーレム「――グギャァアアア!」

    戦士「ああっ! 勇者のやつ!」

    魔法使い「ゴーレムの目のとこに、剣を突き刺した!」

    僧侶(それも、あんなに、深く……)



    勇者「ははは、いいぞ。もっと喚け」ゴリッゴリッ

    ゴーレム「ギャァアアアア!」



    戦士「げぇっ! しかも傷を抉るように、剣を刺しっぱなしで動かして……」

    魔法使い「ゴーレムのやつ、ご愁傷様ね」

    僧侶(……勇者様が、また笑ってる)

    192 = 1 :


    ゴーレム「グゴ、ゴ、ゴゴゴゴォ!」


    戦士「うわわっ、ゴーレムが暴れ出した!」

    魔法使い「激痛で我を失ってるわ。だから、勇者ちゃん、離れろって言ったのね」


    勇者「さぁ、そろそろ終わりが見えてきたな」

    ゴーレム「ゴォオオオオ!」


    勇者「貴様のようなやつと一戦交えられて、俺は満足だ」ス…

    僧侶(勇者様が、ゴーレムの頭部に手を……)

    勇者「最高に楽しかったぞ。こいつは褒美だ。受け取れ」

    魔法使い(あの構え、それにあの詠唱は……、火炎魔法!?)



      ゆうしゃは じゅもんをとなえた!

      めいきゅうのゴーレムに 186のダメージ! ▼

    193 = 1 :


    魔法使い「頭部に直接、火炎魔法!」

    戦士「火力も申し分ねぇな! いけるか……!?」



    ゴーレム「ゴワァアア、ァア、ァ………!」



      めいきゅうのゴーレムを たおした! ▼



    戦士「おおお! 倒したぁ!」

    魔法使い「勇者ちゃん、やったねー!」



    勇者「……フゥ」

    勇者(久々にいろいろと動いたな。それにしても、楽しかった)

    194 = 1 :


    魔法使い「……いやー、にしてもびっくりだね。流石、勇者様ってことかしら?」

    勇者「何を言ってるんだ。貴様らのサポートがなければ、こう上手くはいかなかっただろう」

    戦士「へ?」



    勇者「――礼を言う。よく戦ってくれた」



    戦士「……へへ、仲間なんだから、当たり前だろ?」

    魔法使い「こちらこそ、ありがとね。みんなーお疲れー」

    僧侶(ゆ、勇者様に……褒められた)ジーン…

    戦士「よーし、それじゃあとっととダンジョン攻略にいこうぜ!」



    勇者「いや、今日はここまでだ」

    戦士「へぁ?」

    195 = 1 :


    勇者「さっきの戦闘で、みんなかなり体力と魔力を消費しただろう」

    戦士「うーん、そりゃあ……」

    魔法使い「まー、そうだけど」

    勇者「この状態のまま冒険するのは、あまり適切じゃない。一時帰還だ」

    僧侶「なるほど、確かに……」

    勇者「魔法使い、ここを出たら、移動呪文を頼む。それから宿に泊まろう」

    魔法使い「ほいさっさー」





    勇者(……というより、)

    勇者(……一度でいいから宿屋とやらに、泊ってみたかったのが本音だが)ワクワク





    僧侶(……勇者様、楽しそう?)

    196 = 1 :

    今日はここまで。たぶん次回は来週になります。
    いつも読んでくださり、ありがとう御座います。

    199 :

    乙だぜ!

    200 :

    もし死んだら教会で蘇るのかな?
    おつ


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