元スレ魔王「俺も勇者やりたい」 勇者「は?」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
751 :
乙
大富豪は事前にルールを確認しておかないとプレイ中に揉めるから困る
752 :
乙
でも大富豪好きだよ
753 :
乙
大貧民って呼んでる俺は異端?
754 :
>>753
VIPに帰ろうか
755 :
>>754
俺らの地区でも大貧民だったけど?革命とは言わなかったし
まあ30年以上前だから今はどうか知らんが
756 :
自分ところでは
大富豪→新ゲーム始めるときに前のゲームの貧民は富豪へ手札で一番強いカードを差し出し、富豪も貧民へ同じ数だけカードを渡す
大貧民→カード交換なし
て感じだった
あと乙
757 :
~魔物の隠れ里~
魔王「側近、ここは……?」
側近「――魔物の隠れ里。魔王様が、人間界の森林地帯深奥部に作った、魔物の居住区です」
魔王「へえ。ぱっと見、木に囲まれたのどかな村って感じだな」
側近「位置的には、魔王城と、勇者様のご自宅がある城下町の、中間地点にあたります」
魔王「けっこう離れてるのか。移動呪文で一瞬で来たから分かんなかったけど」
側近「ええ、ここは魔王様にとって、人間界で一番大切な場所なのです」
魔王「魔王城より大切なのか? でも、なんで……」
側近「それは……」
758 = 1 :
子供A「あ、まおうさまだー!」
子供B「まおーさまー!」
子供C「いっしょにあそんでー!」
魔王「え!? なにこいつら! 魔物の子供!?」
側近「ここに住んでいる魔物たちですよ。住民の半分以上が子供です」
魔王「なんで!? なんで子供ばっかりなの!? うわあ囲まれた!」
759 = 1 :
エルフ「まあ、お久しぶりです魔王様! 来てくださってありがとうございます」
ハーピー「魔王様のおかげで、子供たちも寂しがらずに人間界で暮らせていますわ」
魔王「え? ええ!?」
子供A「ねーねー、まおうさまー! かくれんぼしようよ!」
子供B「だめ! おままごとがいい!」
子供C「まおうさまー! たかいたかいしてー!」
魔王「えええ!? ちょ、ちょっと待った! タイムタイム!」
魔王「そ、側近ー。これどういうことだ? 状況把握できんから、解説頼む」
側近「仕方ないですね」
760 = 1 :
側近「魔王様は、定期的にこの隠れ里を訪問しているんです」
魔王「え、なんでだ?」
側近「ここの子供たちを寂しがらせないように、一緒に遊んであげるためですよ」
魔王「あの魔王が子供と!? でも、どうして……」
側近「――ここにいる子供のほとんどは、片親か親なしです」
魔王「 !? 」
側近「事情は様々、人間に親を殺された者、魔物同志の縄張り争い、育児放棄、病など……」
側近「親なしになった魔物の子供は、よほどの素質でもない限り、魔界にいれば捕食されるか、野垂れ死んでしまう」
側近「そこで魔王様は、魔界よりも比較的安全な人間界に、彼らを隔離することにしたのです」
側近「憐れな子供たちを守るために……」
側近「言ってしまえばここは、ある種の孤児院みたいなものなんですよ」
魔王「…………」
761 = 1 :
魔王(てことは、あのエルフさんたちは、孤児院の職員的な立場なのかな?)
魔王(人間界にこんな場所があるなんて、知らなかったなぁ……)
魔王(……そういえば、魔王の奴も、両親を亡くしてるんだよな)
魔王(なんだか、この姿になってから、魔王のこと見直す機会が増えたな)
魔王(自分も苦労してるのに、同じ境遇の子供たちを……、大した奴だよ、あいつ)
魔王(それに比べて、オレの方は両親健在。勇者やってるけど、魔王も倒せず非力も同然……)
魔王(情けないなぁ、オレ……)
子供A「ねーねー、まおーさまー。遊ぼうってばー」
魔王「……ん、ああ、そうだったな。ごめんよ」
子供B「…………」
762 = 1 :
子供B「……まおーさま、げんきないよ? おなか痛い?」
魔王(……! 驚いたな、子供ってけっこう見てるっていうか、鋭いな)
魔王「いや大丈夫だよ。心配してくれてありがとな」
子供B「ほんと? まおーさま、げんきだしてね」
魔王「おう、ありがとな」
子供C「まおーさま! たかいたかい!」
魔王「よし、任せろ! おりゃー、たかいたかーい!」
子供C「きゃー!」
子供A「あー、ずりい! 次、おれの番ー!」
子供B「わたしもー!」
魔王「分かった分かった! 順番な!」
763 = 1 :
エルフ「ふふふ、みんな楽しそうですね、魔王様も」
ハーピー「魔王様も、最近は、うかない顔をされていましたからね」
側近「…………」
側近(……魔王様に言ったら怒られるかもしれないけれど、)
側近(やはり勇者をここに連れてきて良かった)
側近(子供たちの為にもなったし、おそらく勇者の為にもなった)
側近(魔物と人間の関係について悩んでいたようだから……)
側近(もしかしたら、今回のことで、より悩むかもしれないけれど、)
側近(彼にはこうして懸命に生きる魔物の姿を、見せる必要があった)
側近(それでも魔物と戦うかどうかは、勇者が決めること……)
側近(それにしても……)
側近(あんなに一生懸命子供の相手をしてくれるなんて、さすが勇者と言ったところかしら)
764 = 1 :
魔王「うっし、次なにして遊ぶ?」
子供A「缶けりー!」
子供B「あー、やりたい!」
子供C「ぼくもー!」
魔王「じゃあ、缶見つけないとな! これより缶の捜索に向かう! 総員続けー!」
子供ABC「あいあいさー!」
魔王「へへ……」
魔王(きっと、魔王が人間界を支配しようとしているのは、この子たちの為でもあるんだろうな)
魔王(人間界の領地を手に入れたら、こういう奴らをもっと助けられるだろうから……)
魔王(…………)
魔王(なんとか、人間も魔物も平和に暮らせる方法ってないのかなぁ……)
765 = 1 :
――ドォオオオオン!!
魔王「 !? 」
766 = 1 :
子供A「わぁーーーー!?」
子供B「きゃーーーーー!」
子供C「ひっ!? うぇええええん!」
側近「今の爆発音は!?」
エルフ「わかりません! 里の入り口からのようです!」
ハーピー「私見てきます!」バサァ!
魔王(なんだ? 何が起こった!?)
魔王(あの爆発音……、呪文とは違う感じだった)
魔王(人為的な何か――大砲とか、そんな感じ……)
魔王(一体、誰が……?)
767 = 1 :
子供A「まおーさまー!」
子供B「ううう、こわいよお……」
子供C「ふぇええ、ままぁ……」
魔王「みんな安心しろ、大丈夫だ。オレが守ってやるから」
子供A「……ぅ、うん」
子供B「ふぇ、ぐすっ……」
子供C「…………」ギュゥ
魔王「そうだ偉いぞ。泣くの我慢したな。怖がらなくていいからな、オレがついてる」
魔王(何が起きてるかは、まったく分からないけれど……)
魔王(オレは勇者だ。そして……、いまは魔王の代役なんだ)
魔王(何が起きようとみんな守ってやる――!)
768 = 1 :
本日はここまでです。
読んでくださってありがとうございます。
また来週か、運が良ければ今週来ます。
769 :
乙乙
待ってる
770 :
乙です!楽しみにしています
771 :
乙!すげぇいいところで終わった!魔王?無双に期待
773 :
だああああ!楽しみすぎる!
乙!
774 = 772 :
これは続きが気になる。乙!
775 :
~フィールド~
戦士「よーし、今日も張り切っていくぞー!」
魔法使い「伝説の武具をもっての魔王戦かあ。いやー、心強いことこの上なし」
僧侶(……本物の勇者様には、ちゃんと会えるかな)
勇者(…………)
勇者(……短い旅だったが、それなりに楽しめた)
勇者(これからは、また魔王としての生活が待っているのか……)
勇者「…………」
勇者「……はぁ」
僧侶(勇……、あの方、まだ元気がないみたい……)
776 = 1 :
――ドォオオオオン!!
戦士「うわわっ!? なんだ今の音!」
僧侶「きゃぁあああ!」
魔法使い「なになになに!? 爆発!? どこで!?」
勇者「……!?」
777 = 1 :
勇者(あの方角、煙が上がってるあの位置は……!)
勇者(間違いない! 魔物の隠れ里だ!)
勇者(何が起こっている……? まさか敵襲か!?)
勇者「おい、行くぞ!」
戦士「ちょっ!? 魔王城はいいのか!?」
僧侶「ああ! 勇者様、待ってください!」
魔法使い「寄り道は別に良いけど、そんなに急がないでよー!」
勇者(頼む、みんな無事でいてくれ……!)
778 = 1 :
~魔物の隠れ里~
ハーピー「魔王様! た、大変です!」バサァ
魔王「どうした!? 敵の正体はつかめたのか!」
ハーピー「それが……」
ハーピー「人間です! 人間の兵隊が、攻めてきました!」
魔王「 ! 」
側近「人間が!? ありえない! 隠れ里には、強力な結界が張り巡らされてるはず!」
ハーピー「その結界を破壊されたのです! なにやら特殊な大砲のようなものを使って……!」
エルフ「そんな! 他の子供たちは!?」
ハーピー「人間たちに捕えられつつあります! 急がないと、みんなが――!」
779 = 1 :
ヒュン――、ドスッ!
ハーピー「ぁ……!」ドサ
エルフ「ハーピー!!」
ハーピー「う、ごけ、な……」
側近「この矢……! おのれ、毒か!」
魔王(いったい、どういうことなんだ?)
魔王(人間が、攻めてきただと……?)
魔王(でも、どこのだれが……。ん、あれは――!?)
魔王「みんな、一旦隠れるぞ!」
子供A「え、わ、わかった!」
子供B「ほら、こっちよ」
子供C「うん」
780 = 1 :
エルフ「さあ、ハーピー。私に掴まって」
ハーピー「すみ、ま、せ……」
側近「これを……、毒消し草よ」
ハーピー「ぅ……。側近様、ありがとうございます」
魔王(みんな隠れたな……。それにしても、さっき一瞬見えたあいつは――)
隊長「……ふん、毒矢で一発か。他愛もないな」
兵士A「隊長、順調に魔物の捕獲が進んでおります!」
隊長「いいぞ、その調子だ。どんどん馬車に積み込め」
魔王(やっぱりだ! あいつ見たことある! たしか国王の城にいた奴だ!)
781 = 1 :
兵士B「いいか、確実に毒矢を当てるんだぞ! 子供とはいえ、魔物だ! 油断するな!」
兵士C「見つけたぞ! さあ、こっちに来い!」
兵士D「ちっ、泣きわめくな! おとなしく歩け! 殴られたいのか!?」
子供A「ああ、みんなニンゲンに捕まっちゃうよ……!」
子供C「……こわい」
子供B「まおーさま、わたしたちも捕まっちゃうの……?」
魔王「…………」
子供B(……!? まおーさま、こわい顔してる。おこってる……?)
魔王( あいつら、絶対許さねぇ )
782 = 1 :
宮廷魔導士「それにしても、新作の魔導具の成果は、なかなかのものですね」
宮廷魔導士「強力な結界すらも、魔力を一瞬で霧散させ、消し去ってしまうとは」
宮廷魔導士「この魔導具――いえ、魔導兵器は素晴らしい威力ですよ」
魔王(……あれが結界を消したという大砲か?)
魔王(ということは、呪文の効果を消し去るみたいな力を持ってるのか……)
魔王(――ん?)
魔王( え )
魔王( おい、嘘だろ? )
魔王( あれは――! )
783 = 1 :
王様「確かに、中々の威力だな。長い歳月と高い費用をかけた甲斐があったわ」
宮廷魔導士「ええ、魔法効果を消すだけでなく、物理ダメージも与えられるなんて」
魔王(なんでだ? どうして、こんなところに王様がいるんだよ!?)
魔王(ということは、ここにいる奴らは、国王軍!?)
魔王(だめだ、何がどうなってるのか、何も分からねぇ)
魔王(なんで国王軍が、魔物の村を襲ってるんだよ――!?)
784 = 1 :
子供D「うう、助けて……」ガサ
側近「あれは、逃げ遅れた子供か……?」
エルフ「大変、あの位置じゃ、人間たちに見つか――」
王様「おっと、あんなところに魔物が」
宮廷魔導士「見たところ、ウェアウルフの幼児のようですね」
隊長「フン、生け捕りにしてくれる」ギギギ……
子供D「ひっ!? ニンゲン!!」
側近「まずい――! あいつ、また毒矢を!」
ヒュン――、
ドスッ!
785 = 1 :
隊長「……なに!?」
宮廷魔導士「馬鹿な……!」
王様「貴様は――!?」
子供D「あ……、」
魔王「――危なかったな、もう大丈夫だぞ」
786 = 1 :
エルフ「魔王様!?」
側近「まさか、子供をかばって自らが毒矢の餌食に……!」
子供D「まおーさま! 矢が! 痛くない!?」
魔王「こんなん痛くもかゆくもねーよ。お前は怪我はないか?」
子供D「……うん、。でも、ごめんなさい。僕のせいで……」
魔王「謝るなって、オレは平気だからな」
魔王(とはいえ、ちっとばかしきついかな)
魔王(背中に刺さったこの毒矢……。たぶん、麻痺毒)
魔王(魔王の体だから、そこそこ動けるけど、反応が鈍る感じかな……)
787 = 1 :
王様「信じられん……! なぜ、魔王がここに!?」
魔王「そいつはこっちのセリフだ。人間がこの村に何の用だ?」
王様「ふん、魔物に答える義理などないわ。魔導士!」
宮廷魔導士「――言われなくても、装填完了ですよ」フィイイイ……
魔王(あいつ、あの大砲、使う気か!?)
魔王(でも、この子供を抱えて避けたら、後ろに隠れてるみんなに、被害が――)
魔王(攻撃しようにも、相手は人間だし、それに麻痺毒が……)
魔王(くそっ! いちかばちかだ――!! オレが盾になるしかない!)
魔王(もってくれよ、オレの体力!)
宮廷魔導士「魔導兵器――、発射ッ――!!」
788 = 1 :
――ドォオオオオン!!
戦士「おいおいおい! またあの音だぜ!」
僧侶「いったい、何が……」
魔法使い「ド派手な音だねー。まるで戦争だよ」
勇者(くそっ……、間に合え! 間に合えッ!!)
789 = 1 :
ォオオオオオ……
側近(砂埃と煙が巻き起こって、視界が悪い……)
側近(魔王様は、大丈夫なの? なんて無謀。あの直撃をくらうなんて……)
王様「どうだ? 仕留めたか?」
宮廷魔導士「分かりません。念のため、再装填を開始します」
隊長「おい見ろ、煙が晴れて……」
「……さすがに、効いたぜ」
王様「 !? 」
790 = 1 :
隊長「なん……だと……!」
宮廷魔導士「嘘だ……、まやかしだ! こんなこと、ありえない!」
「おい、なんて顔してんだよ。こちとら一気に体力削がれて……」
側近(しまった、やられた――!)
側近(あの兵器の効果は、きっと、かけられた呪文や魔力の効果を消し去るというもの)
側近(そんなものをまともに喰らったら――)
王様「なぜお前が、其処に立っているのだ!? 勇者ァッ!!」
勇者「 ――え? 」
791 = 1 :
また来てしまいました。今日はここまでです。
読んでくださりありがとうございます。
魔導兵器の効果は、作中で何度か書いてますけれど、
イメージ的には、「いてつくはどう+物理ダメージ」みたいなものと思っていただければ幸いです。
また来週来ます。目標は今月中です。
792 :
おつ
今回も面白かった
793 :
ふぅ、魔王様には幸せになってほしい。側近と。
794 = 793 :
言い忘れた、おつ
795 :
乙
勇者の務めを果たす時だな
796 :
おつ
これからが気になるな!
797 :
ええい!まだかぁ!
799 :
乙、楽しみにしてる
800 :
乙
更新遅い…orz
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