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    元スレ魔王「俺も勇者やりたい」 勇者「は?」

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    851 :

    きてたのか
    おつん

    853 :

    おつ

    855 :

    早くしてくれよ!間に合わなくなっても知らんぞー!!

    858 :

    俺達の本当の闘いはこれからだ!的な終わり?

    859 :

    先生の次回作にご期待ください

    860 :

    まだあと一ヶ月ある

    861 :



      ~村はずれの小屋~




    大賢者「魔力の、胎動を感じる」



    大賢者「…………」



    大賢者「聞こえますか? 使い魔の皆さん」



    大賢者「ええ、あの夥しい魔力の出所を、いち早く知らせてください」



    大賢者「どうやら、狭い小屋で腐るのも、そろそろ終わりみたいです」






    大賢者「わたしも、いい加減、動くことに致しましょう――」

    862 = 1 :



      ~魔物の隠れ里・広場~


    隊長「ばっ、馬鹿な……! あり得ない!!」

    宮廷魔導士「信じられん、只の人間が、魔の眷属に変貌するなんて――ッ!」

    王様「魔王だと……! ふざけるのも大概にしろ勇者ぁッ!!」



    魔王『ハハッ、アンタらには、これがふざけてるように見えるのか?』

    魔王『残念ながら、正真正銘、嘘偽りなく、――オレは本気だぜ』



    王様「ぬぅううッ!」

    863 = 1 :


    魔王 ((それにしても、不思議な感覚だ。底知れない力が、湧いてくる……))

    魔王 ((妙に頭も冴えているし、心も体もすっきりしてる))

    魔王 ((まるで、体のなかの使い古したものが、ごとりと新品に変わっちまったみたいだな))

    魔王 ((毒矢の麻痺の効果も消えたみたいだ。楽に動ける……))

    魔王 ((……今更すぎるが、オレの体に何が起きてるんだ?))



    魔王『……ふはは』



    魔王 ((まあ、どうでもいいか))








    魔王 ((  だってオレ、もう勇者じゃないし  ))

    864 = 1 :



    側近「       」



    側近(声が、うまく、出てくれない)

    側近(……こんなことが、あっていいのか?)

    側近(勇者が、魔王に変貌しただと!?)

    側近(一体何が原因で……!? そもそもあいつは、なぜあんなことを言い出した!?)

    側近(お前は勇者のはずだろう? なぜ突然、魔王などと――)



    子供B「……そっきんさま」

    側近「……不安がる必要はありません、きっと大丈夫」



    側近(もはや、私では手に負えない……。魔王様……、今何処に……?)

    865 = 1 :


    魔王『さーて、気分一新すっきりしたところで、そろそろ攻守交代といくか?』



    隊長「ふん、勇者の力量などたかが知れてる。もう10発ほど、毒矢を浴びていくか?」キリリ…

    宮廷魔導士「変身したところで、この魔導兵器に敵うと思わない方が賢明ですよ、勇者様」フィイイイイ…



    魔王『……わかってねぇな、お前ら』



      たいちょうは さみだれうちをはなった!

      ミス! まおうはダメージを うけない!
      ミス! まおうはダメージを うけない!
      ミス! まおうはダメージを うけない!
      ミス! まおうはダメージを うけない! ▼



    隊長「な、なにぃ!?」

    宮廷魔導士「全ての矢を剣で叩き落としただと!?」

    866 = 1 :


    魔王『別に全部避けても良かったんだが、なにせ、すこぶる調子がよすぎてな……』

    魔王『――剣を振り回したくて、しょうがないんだよ』ニタァ



    隊長(うっ……!)ゾワッ

    隊長(このおれが、恐怖で動けなくなるだと……!?)

    隊長(奴め、なんて笑い方しやがる……!)



    宮廷魔導士「隊長殿、お下がりください! 装填が完了致しました!」

    隊長「く、頼むぞ魔導士!」



    魔王『そう何度も、撃たせてたまるかよ――』

    867 = 1 :



      ――シュッ


    宮廷魔導士「――え」

    魔王『よお、お隣失礼?』

    宮廷魔導士(い、いつの間に!? 速すぎて見えなかった!)

    魔王『お前が兵器を操ってるんだよな? ほら、どいてろ』バシッ

    宮廷魔導士「うぐぁっ!」ドサッ

    隊長(く、いまのは足払いか……。なんて無駄のない動きだ……)



    魔王『さーて、あとはこいつだな』チャキ…





    魔王『覚悟しろ、鉄くず。よくも、里をめちゃくちゃにしやがったな――?』


    868 = 1 :




      ――ヒュッ ――バキャァッ!!



    隊長「な、なにぃ!?」

    宮廷魔導士「馬鹿な! 魔導兵器を一刀両断しただと!?」

    王様「ば、化け物……ッ!」



    魔王『ははは! 思いっきりやるのはいいもんだな! 清々しい!』

    魔王『さーて、お次は――』




    魔王『 お前らが、“こう”なってみるか? 』




    隊長「――ッ!?」

    宮廷魔導士「うぁあ……!」

    王様「ひぃ! た、助け――!」

    869 = 1 :







       「待て――――ッ!!」







    王様「!?」



    側近(今の声は!)



    魔王『あぁン?』

    870 = 1 :






    魔王「この場にいる全員に、答えてもらう」

    魔王「我が同胞の里で、好き勝手しているのは、どこのどいつだ――?」





    王様「なにぃ!」

    隊長「なんてことだ! 魔王だと!」

    宮廷魔導士「もはや、なにがなんだか――」



    側近( ! )

    側近「エルフ、子供たちを頼む!」

    エルフ「……!? 了解しました、側近様!」



    魔王 ((……へぇ、ずいぶんと久しぶりに会うな))

    871 = 1 :



    側近「魔王様! ご無事でしたか!」

    魔王「側近か。お前も無事で何よりだ。なにがあった?」

    側近「それが――」




    戦士「うぉおおお! なんじゃこりゃああ!」

    魔法使い「うそ! なんで王様いんの!? ていうか、え、まさか――」

    僧侶「勇者、様? ……そのお姿は、いったい」




    魔王『よお、みんな。元気そうで良かった』


    872 = 1 :


    戦士「あれ? 勇者、お前、角なんか生えてたっけ?」

    魔法使い「……なーんか、しばらく見ない内に、変わったわねぇ。特に、魔力の量が……」

    僧侶「勇者様……、いったい何があったんですか?」



    魔王『……話すと、長くなるんだよな』

    魔王『だから、オレが言いたいことだけ言うわ』






    魔王『悪いな、みんな。――オレ、勇者やめることにした』







    戦士「は……?」

    魔法使い「……?? なに、それ、」

    僧侶「…… 、 うそ 」

    873 = 1 :


    魔王「――勇者をやめた、だと? 貴様、どういうつもりだ?」

    魔王『えー、分かんねーのか? じゃあ、分かりやすく言い直してやるよ』




    魔王『オレさ、勇者なんか真面目にやっても、世界は平和にならないことが分かったんだ』

    魔王「…………」




    魔王『そんなことしても、下衆同然の人間はいなくならないし、魔物の平和は保障されない』

    魔王「…………」




    魔王『魔物や魔王を倒しても、真の平和は訪れない。それなら、世界を変えるしかない』

    魔王「…………」



    魔王『そこで、お前に頼みがある』

    魔王「…………」

    874 = 1 :





    魔王『 このオレに、魔王をやらせろ 』




    魔王「 ――そいつは、聞けぬ頼みだな 」




    875 = 1 :

    長らくお待たせしてしまいすみませんでした。
    今日の更新はここまでです。
    いつも読んでくださり、有難うございます。

    近頃、月一更新になりがちですが、
    なるべく2週に一度のペースを目処に、執筆できるよう努めます。


    それでは皆様、メリークリスマス。

    876 :

    乙です
    大賢者も動くみたいだしどうなるのか楽しみ
    続きも気長に待ってる

    878 :

    タイトルが、「俺も魔王やりたい」になるな

    879 :

    おつん
    いったいどうなるんだ…

    880 :

    乙乙乙

    881 :

    乙乙乙!

    882 :

    乙でした

    883 :

    乙でした
    安心しろ、2ヶ月くらいなら俺の体力でも舞ってられる

    884 :


    そしてメリクリ

    885 :

    もつ

    886 :

    もう魔王が勇者でいいよ

    887 :

    魔王になった勇者・・・・・・
    魔界の食べ物でってのは無いよね・・・・・・

    888 :



    しばらく読まんうちにつまらなく感じる事がある

    889 :


    ここまで一気に読んだ。続き楽しみに待ってる

    890 :

    続き楽しみにしてますのでがんばって下さい。

    891 :

    それぞれの記録上書きしちゃったからかな?

    892 :

    続き期待して待ってますよ

    893 :

    これも一種のスレタイ回収か

    894 :














                 ――パキン


    895 = 1 :


    勇者「あら……」

    勇者「いやだわ。あの子のお気に入りのカップ、取っ手がとれちゃった」

    勇者「…………」



    勇者「今頃は、みんな魔王城に着いてる頃かしら?」

    勇者「あの子、魔王城でも元気にしてるといいんだけれど」

    勇者「…………」





    勇者「無事に、――帰ってきてくれるわよね?」

    896 = 1 :



      ~魔物の隠れ里・広場~



    魔王『…………』

    魔王「…………」

    魔王『…………』

    魔王「…………」



    僧侶(二人とも、睨みあったまま動かない……。怖い……)

    僧侶(それより、勇者様。なぜ魔王になんかなろうと……)

    僧侶(……勇者様、どうして)グスッ

    897 = 1 :


    魔法使い(あーあー、下手に口出しできない空気が漂ってるわー)

    魔法使い(真の平和がどうたら言ってたけどさぁ、それって、魔王になれば解決する問題なの?)

    魔法使い(……なーんてツッコミも、まともにできなさそうな雰囲気。やだなー、息がつまりそう)



    戦士(…………)

    戦士(…………)

    戦士(……なるほど、そうか)

    戦士(……そういうことだったのか)

    戦士(ようやく、分かったぜ)ニヤリ



    戦士(どうやらこの現状――、おれが考えたところで、どうにもならないらしい!!)

    898 = 1 :


    側近(誰もが、固唾を呑んで、見守っている)

    側近(人間の王も、兵士たちも、勇者の仲間も、里の者たちも……)



    側近(魔王様は、どうなさるのだろう?)

    側近(勇者が、万が一にでも魔王になったら、魔物や魔界はどうなるのだろう?)

    側近(そして、魔物の私が、心配すべきことなのか疑問だが、)



    側近(この世界は、一体どうなってしまうんだ――?)

    899 = 1 :


    魔王『…………』

    魔王「…………」

    魔王『……ふっ』

    魔王「……?」



    魔王『ははは! やっぱりそう来るよなぁ!』

    魔王「何がおかしい?」

    魔王『いや、あまりにも予想通りの反応でさぁ。こうも見事に速攻拒否られるとは』

    魔王「当然だろう。貴様が魔王になったところで、俺になんのメリットがあるんだ?」

    魔王『馬鹿かお前。オレがいつ、損得の話なんかしたんだ?』

    魔王「なに?」



    魔王『思い知らせてやるぜ。これが取引なんかじゃねぇってことを――!!』ダッ!


    900 = 1 :


    魔王「……要は、力づくってことか。魔王にしては、短絡的だな」

    魔王『んん? オレに勇者やらせろって言った、どっかの誰かさんも、同じ手を使ってなかったっけ?』




    魔王(剣を突きの型で構えての猛進――。勇者だった頃よりも、足が速くなっている)

    魔王 ((あいつ、剣に手をかけない、か。となると狙いは、回避してからカウンターだな?))



    魔王(真っ直ぐに突っ込んでくる馬鹿は、横に避けて、軽く小突――!?)



     ――ズシャァ!



    魔王(飛び込んでこない!? 目前で急ブレーキだと!)

    魔王 ((オレが突進をやめたせいで、案の定、回避のタイミングを失ったな))

    魔王(どういうことだ? 今までの弱小の動きと違う!)

    魔王 ((暗黒剣士と、特訓しててよかったぜ。さぁて、一泡吹かせてやろうか――))


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