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    元スレ魔王「俺も勇者やりたい」 勇者「は?」

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    802 :

    まだかぁ

    803 :

    煮詰まったか…

    804 :

    こっそり生存報告。お待たせしてしまってすみません。
    今後の展開に合わせて伏線+プロットを構築中です。
    書き溜めが区切りのいいところまで行ったら、また更新に来ます。

    805 :

    >>804
    ゆっくりでいい
    楽しみにしてるわ

    806 :

    大丈夫。待ってるぜ

    807 :

    フヒヒ

    808 :

    山場だしなしっかり書きためてきてくれ、期待してる!

    809 :

    お~い、お茶

    810 :

    おい




    小池

    812 :

    結局一番大事なモノをまるっきり考えて無かったのか?

    813 :

    一か月もお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした。
    待っててくださった方々、ありがとうございました。

    これより投下します。

    814 = 1 :



      ~魔物の隠れ里・入口~



    戦士「うわっ……、ひでぇなこれ。村の入り口がめちゃくちゃじゃねえか」

    僧侶「奥の家屋まで半壊して……、火の手が回ってないのが、せめてもの幸いでしょうか」

    魔法使い「畑も道も踏み荒らされてる。……けっこうな人数が攻めてきたみたいね」

    僧侶「それにしても勇者様、この村は……? 初めて来ましたけど」

    勇者「      」

    僧侶「……勇者様?」





    勇者( だれが、こんな―― )





    ???「うわぁああああああああ!」

    勇者「!?」

    815 = 1 :


    子供E「ゆ、ゆうしゃだ! おまえも、村をおそいにきたのか!?」



    勇者(生存者がいたのか! それにしても、おまえ「も」だと――?)



    戦士「なんだあいつ! 魔物の子供か?」

    僧侶「ということは、ここは魔物の村……?」

    魔法使い「ちょっと君ー、お姉さん達に教えて欲しいことあんだけど……」



    子供E「うるさい! ニンゲンなんか、信用できるか! よくも村をメチャメチャにしてくれたな!」

    816 = 1 :



     まもののこども は じゅもんをとなえた!

     せんしに 34のダメージ! ▼



    戦士「うわわっ!? あいつ冷気呪文使えるのか!」

    魔法使い「小さくても魔物ってわけね」

    僧侶「あの! 落ち着いてください! 私たちに敵意はありません!」

    子供E「うるさーい! ニンゲンなんかだいっきらいだーーー!」



    勇者(気が動転して、攻撃的になっているようだな。説得が通用するか不安だが……)

    817 = 1 :


    勇者「よせ! 俺は、お前たちの味方だ! ここを襲いに来たわけではない!!」

    子供E「ふざけんな! ニンゲンの……それも、勇者の言う事なんか信じられるもんか!!」



    勇者(やはりか……。こうなったら……)

    勇者(変身、解除――!)カッ



    子供E「え!?」

    戦士「うぉっまぶしっ!?」

    僧侶(勇者様の体が、輝いて――!?)

    魔法使い(どういうこと!? 勇者を中心に、凄まじい魔力のうねりが……!)

    818 = 1 :





       「……久々に、元の姿に戻ったな」




    戦士「な、なにっ!?」

    僧侶「そんな……! まさか……!」

    魔法使い「――マジ?」

    子供E「あ、……あぁっ!!」



    魔王「さて、我が同胞よ。――この姿を見て、まだ疑うつもりか?」



    子供E「 まおーさま!! 」

    魔王「よし、それでいい」

    819 = 1 :


    僧侶(これは、現実なの?)

    僧侶(あの方の正体が、魔王だったなんて……!)

    僧侶(それじゃあ、本物の勇者様はどこに!?)



    魔法使い(師匠ー、師匠ー。助けて師匠ー)

    魔法使い(私、自分のかしこさに自信はあったけど、さすがにこの展開は……ねぇ)

    魔法使い(読めなかったし、ついていくのに一苦労だわー)

    魔法使い(ていうか、魔王よね、あれ。それじゃあ、なんで――)

    魔法使い(なんで、あの時、伝説の剣を装備できたの……?)



    戦士(し、知らなかった……!)

    戦士(勇者と魔王って同一人物だったのか!!!)

    戦士(え、じゃあ、魔王城で戦ってた魔王は……?)

    戦士(まさか、影武者ッ!!?)

    820 = 1 :


    子供E「よかった! まおーさまが来てくれたら、ニンゲンなんか怖くないや!」

    魔王「ああ、安心しろ。それより、この隠れ里を襲ったのは誰の仕業だ?」

    子供E「ニンゲンだよ! ニンゲンが大勢で攻めてきたんだ!」

    魔王「そうか人間か。わかった、そいつら一人残らず皆殺しだな」



    戦士「待て待て待てーい! 年端もいかぬ坊ちゃんと物騒な話をするんじゃない!」

    僧侶「あの、えっと、魔王様にいろいろお聞きしたいことが!!」

    魔法使い「なんで勇者のフリなんかしてたのさ! 本物はどこよ! ってか、ここどこなわけ!?」



    魔王「少し黙ってろ、俺はいまこの子と話しているんだ。貴様らの相手は後だ」



    僧侶(意外……。魔王様って子供にやさしいんですね)

    821 = 1 :


    子供E「でも、まおーさま。さっき、そっきんさまと広場に行ったよね。どうして戻ってきたの?」



    魔王「 なに? 」



    魔王(それは、つまり――)






    魔王(勇者もここに来ているのか?)






    魔王(だとしたら、奴は今頃人間共を相手に――)

    魔王(だが、奴が大勢の人間を前に、里の魔物たちを守りながら、十分に戦えるだろうか)

    魔王(……否、だな)

    魔王(俺が行くしかないようだ)

    822 = 1 :


    魔王「広場に急ぐぞ!」

    子供E「あ! 待って、まおーさま!」



    戦士「うおーい! 待て待て! おれ達を置いていくなっつーの!」

    僧侶「魔王様、まだお話の途中です!」

    魔法使い「質問ぐらい答えなさいよ、こらーー!」



    魔王「走りながら話す! ついてきたければ、ついてこい!」

    魔法使い「もー! 今日ずっと走りっぱなしじゃんよー!!」

    823 = 1 :



      ~村はずれの小屋~



    大賢者「…………」コポコポ

    大賢者「…………」ズズズ…

    大賢者「……うん」

    大賢者「今日の薬草茶は格段と美味――」





    大賢者「――――――――」












    大賢者「 産声が、 聞こえる 」

    824 = 1 :




      ~魔物の隠れ里・広場~



    勇者(……そうか、オレ、元の姿に)



    子供A「ねえねえ、そっきんさま! まおーさま、いなくなっちゃったよ!」

    子供B「まおーさま! まおーさまはどこにいったの!?」

    子供C「あのひと……、ゆうしゃ?」



    側近(……今更、変身呪文をかけ直しても遅いか。到底、ごまかしきれない)

    側近(私やエルフが助太刀に行ってしまったら、この子達を守る者がいなくなる)

    側近(この子達が、無事でいられるか、この隠れ里が、守られるかは、)

    側近(全て、勇者次第――)

    825 = 1 :


    隊長「魔導士……、奴は一体……!?」

    宮廷魔導士「それはこちらのセリフです。さっき、城で会ったはずの勇者様がなぜここに……」

    王様「……貴様、本当に勇者なのか?」



    勇者「…………」



    勇者「信じてもらえないかもしれないけれど、正真正銘、オレは勇者だ」

    勇者「訳あって、魔王の呪文で姿を変えられていたんだ」

    勇者「だから、ここ最近王様達が会ってた勇者は、呪文で姿を変えた魔王だったんだよ」



    隊長「俄かに、信じがたいな……」

    宮廷魔導士「しかし、確かに先ほど出会った勇者様は、いつもと雰囲気が違ったような……」

    王様「そもそも、なぜお主と魔王は、お互い姿を変えていたのだ?」



    勇者(……魔王曰く「暇つぶし」だけど、これ言ってもいいのかなぁ。魔王の名誉的な意味で)

    826 = 1 :


    勇者(…………)

    勇者(まあ、一応伏せておくか)



    勇者「理由はオレにも分からない。そんなことより、オレにも聞かせてほしいことがある」

    勇者「王様たちは、この隠れ里に何の用があってきたんだ? なんで突然、襲撃なんか……」



    宮廷魔導士「理由は、大きく分けて、二つですね」

    宮廷魔導士「一つは、この魔導兵器の威力のテストです」

    宮廷魔導士「長年の研究の末、最初は図面でしかなかった兵器が、ようやく形となったのです」

    宮廷魔導士「代々、城内の研究者や学者、魔導士に継がれて、実に500年の歳月を要したのですよ」

    宮廷魔導士「そして、ついに完成の時が来た。だから試した」

    宮廷魔導士「他に、何か不明な点が?」



    勇者「ある!」

    宮廷魔導士「では、どうぞ仰ってください」

    827 = 1 :


    勇者「兵器のテストまでは分かる。けど、なんでこの里を狙ったんだ!」

    勇者「ここにいる魔物たちは何も悪さしていないだろう? それに子供ばっかりだ」

    勇者「どうしてここを……」



    王様「愚問だな。――魔物は、非常に利用価値がある」

    勇者「!?」



    王様「魔物は、魔術の実験材料にもできるし、武具の材料にもなる」

    王様「捕えて研究すればするほど、我々は魔物に対して有利な立場になれる」

    王様「お主らが普段使っている装備品も、全てではないが、魔物の皮や骨、角、牙などを活用して作られている」

    王様「この完成したばかりの魔導兵器だって、強力な魔物を素材に造られている」

    王様「そして、成体の魔物よりも幼体の魔物の方が、はるかに捕えやすい」

    王様「加えて、この里には、そんな幼い魔物が山ほどいる」

    王様「あとは、もう分かるな? なぜ我々が、この里を襲ったかは」



    勇者「……ッ!」

    828 = 1 :


    側近(……さしずめ、この里の場所を教えたのは、魔物狩猟家でしょうね)

    側近(結界が張られているから、侵入はできないものの、王国に報告だけした……、そんなところかしら)

    側近(まさか、このタイミングで襲撃してくるなんて、思ってもみなかったけれど……)



    王様「さて、お互いの疑問が解消したところで、勇者――」

    勇者「……なんだ?」



    王様「わしらに協力してはくれんか? まだ魔物の残党がいるはずだからな」



    勇者「……!?」

    829 = 1 :


    勇者「ふざけんな! そんなこと出来るわけないだろ!!」

    王様「なぜだ? 魔物を捕えれば、強い武具が作れるやもしれんのだぞ?」





    勇者「オレが、魔物の子供を材料に使った武具を、喜んで使うとでも――?』





    王様(うっ……!?)

    隊長(……こいつ! なんだ、この殺気染みた威圧感は)

    宮廷魔導士(勇者の奴、あんな目ができたのか――?)



    王様「まあいい、魔物ごときに、なぜそこまで肩入れするかは理解に苦しいが……」

    王様「勇者よ、何か勘違いしてはおらぬか?」

    勇者「何をだ?」

    830 = 1 :


    王様「お主は、わしらを目の敵にしているようだが、貴様にも責任の一端があるのだ」

    勇者「どういうことだ!」



    王様「もしもお主が、さっさと魔王を退治していたなら、この里を襲撃する必要は無かったということだ」



    勇者「なっ……!?」



    王様「お主がノロノロしているせいで、魔王は未だに我がもの顔で、魔物をこの地に蔓延らせておる」

    王様「お主が、早く魔王を倒してくれたなら、わしらも武具や兵器を作る必要はなかった」

    王様「この強力な魔導兵器は、多少の心得さえあれば、誰でも作れる」

    王様「大量生産すれば、この兵器で魔王を倒すことも容易いだろう」

    王様「進歩の遅い勇者は頼りにならん。だが、魔導兵器や武具を強化すれば、勇者よりは頼りがいがある」

    王様「まだ分からぬか?」

    王様「この里の惨劇を引き起こしたのは、勇者――貴様が弱いせいでもあるのだ」




    勇者「     」

    831 = 1 :



       ( なんだよ、それ )

       ( オレが弱いせいだって? )

       ( 魔物の子供たちが泣いているのも、里が破壊されているのも、 )

       ( オレが弱くて、まだ魔王を倒せていないから――? )


      
       ( じゃあ、オレはどうすればいいんだ )

       ( 強い勇者になれば、世界は救われるのか? )

       ( だが、それじゃあ、魔物の平和はどうなる )



       ( 人間を守ろうとすれば、魔物の平和が乱れる )

       ( 魔物を守ろうとすれば、人間の平和が乱れる )




       ( オレは…… )

       ( オレは…… )

       ( それなら、オレは―― )

    832 = 1 :


    王様「さあ、勇者。分かったのなら、我々に協力を……」






    勇者『 断る 』






    王様「ぬぅ!?」

    隊長「あいつ、また……」

    宮廷魔導士「不可解、ですね」

    側近(……勇者?)

    833 = 1 :



    勇者『オレは、お前らなんかに、協力しない』


    勇者『強くなるためだからって、弱い魔物の子供を狙うゲス共に、誰が協力するもんか』



    勇者『オレが守りたかったのは、お前らみたいなゲスじゃない』






    勇者『オレが守りたかったのは、弱き者や小さき者、何よりも――』








    勇者『 平 和 を 守 り た か っ た ! 』







    834 = 1 :


    側近(これは――!)

    側近(勇者を中心に、ほとばしるほどの魔力が渦巻いている……!)

    側近(それも、なんて力強い魔力! まるで――、)




    勇者『もう、勇者なんかやめだ』

    勇syあ『そんなことしても、世界は平和になんかならない』

    mユusyお『だから決めたぜ。オレはこれから、この愚図だらけの世界を再建する』




    王様「い、いったい、何が起きている!?」

    兵士A「見ろ、勇者の姿が変化していくぞ!」

    兵士B「ああっ! 勇者の頭から、二本の角が!」

    兵士C「角だけじゃなく、……牙まで生えてきたぞ!」

    兵士D「信じられん、体格まで、一回り大きく……!」



    側近(魔力に合わせて、あの姿はまるで――魔族。否、むしろあれは――!)

    835 = 1 :



    王様「お前は、お前は……、いったい何者なんだ!?」


    mAyぅ王『ははは、見て分かんねぇのかぁ?』








    魔王『 ――オレは、魔王だ 』








    836 = 1 :

    今日はここまでです。
    読んでくださりありがとうございます。

    また来週か、再来週に来ます。

    838 :

    乙です
    予想外の展開で次回が楽しみ

    839 :

    ちょっとちょっとちょっとwww
    まじ展開が胸熱すぎて背筋ぞくぞくしたwwww

    この先どうなるんだろ。
    楽しみだ!おつ!

    841 :


    超展開

    842 :

    まさかの展開にポテチがやめられねぇとまらねぇ

    843 :

    おっつー
    >>819
    >戦士(し、知らなかった……!)

    >戦士(勇者と魔王って同一人物だったのか!!!)
    単純馬鹿が正鵠を射てるww

    844 :

    乙でした

    845 :

    待った甲斐がった

    846 :

    追いついたー 続きが楽しみだ

    847 :

    ようやく追いついた
    そして展開が胸熱杉

    850 :


    王様ざまぁ


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