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元スレ魔王「俺も勇者やりたい」 勇者「は?」
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勇者「……いま何て言った?」
魔王「聞こえなかったか? 勇者をやりたいと言ったんだ」
勇者「んなこと言ったって、お前魔王だろ……?」
魔王「500年も続けて魔王やってるんだ。いい加減飽きた」
勇者「いや、だからって……」
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魔王「そもそも、魔王の仕事は退屈すぎるんだ」
勇者「はぁ……」
魔王「魔界の各地域の統治、人間界への侵攻、魔物の編成・訓練・管理……」
勇者「…………」
魔王「幹部たちとの作戦会議、デスクワークやら、弱小勇者の駆除などなど――」
勇者「って、こら! オレは弱小じゃねえ!」
魔王「そうか、弱小じゃないのか」
勇者「当然だ!」
魔王「ところで貴様、俺に挑戦するの何回目だ?」
勇者「17回目だぁっ!」
魔王「で、勝率は?」
勇者「全敗だぁっ!」
魔王「それを弱小と呼ばずに、なんと呼ぶんだ」
魔王「しかも、今回の戦闘もいろいろと不様だったな」
勇者「う……」
魔王「仲間は一人残らず戦闘不能。蘇生・回復アイテムも底を尽き、お前自身MP0、HP一ケタ」
勇者「うう……」
魔王「もはや詰みだろ?」
勇者「うぐぅぅ……!」
魔王「とにかく俺は、心底うんざりしているのだよ。魔物に司令を与え、人間を襲う毎日に」
勇者「…………」
魔王「噂の勇者も、もっと骨のある奴かと思っていたが、どうやら期待はずれのようだ」
勇者「…………」
魔王「というわけで、退屈で死にそうな俺に勇者をやらせろ」
勇者「断る! 魔王の言うことなんか聞けるか!」
魔王「そうか――」
魔王「ところで勇者、呪文と打撃なら、どちらでトドメをさされたいんだ?」
勇者「すんません。言うこと聞きます。何とぞご慈悲を」
魔王「よし、では今日から俺が勇者だ」
勇者(……腑に落ちない)
魔王「で、貴様は今日から魔王だ」
勇者「はあ!? なんで!?」
魔王「当然の対処だ。俺がいない間、誰が魔王をやるというんだ」
勇者「だからって無茶苦茶だろ! オレは嫌だぞ!」
魔王「そうか――」
魔王「ところで勇者、燃えて死ぬのと、凍えて死ぬのと、どちらが好みだ?」
勇者「喜んで魔王やらせて頂きます」
魔王「では、俺の前まで来い」
勇者「ん? ああ……」
魔王「よし、それでいい」
勇者「おい、いったい何を、――わっ!?」
まおうは じゅもんを となえた!
なんと、ゆうしゃは まおうに へんしんしてしまった! ▼
魔王(勇)「うわああ! なんだこれぇええええ!?」
魔王「うむ、これなら簡単にバレることはなかろう。さて、俺も……」
まおうは じゅもんを となえた!
なんと! まおうは ゆうしゃにへんしんした! ▼
勇者「まあこんなところか」
魔王「ああああ! 魔王がオレになったあぁあああっ!?」
勇者「うるさい。俺の姿で取り乱すな」
魔王「いだだっ! 痛い! 角を引っ張らないで!」
勇者「いいか、よく聞け。貴様には、俺の能力を半分与えてやった」
魔王「はぁ……」
勇者「適当に司令を出したり、悪事を働いていれば、まずバレないだろう。
分からないことがあったら、側近にそれとなく聞くがいい」
魔王「あの……」
勇者「なんだ?」
魔王「……オレは、いつ勇者に戻れますか?」
勇者「さぁな、俺の気分次第だ」
魔王「……シクシク」
勇者「俺の顔で泣くな、まったく」
勇者「そうだ。一応これを渡しておこう」
魔王「……これは?」
勇者「魔王城の地図だ」
魔王「へー、でもなんで?」
勇者「ここは広いし複雑だからな。城で迷子にでもなられたら、手下どもに不審がられる」
魔王「あ、そうか」
勇者「トイレは各階に一か所づつあるから、早めに把握しておけ。くれぐれも廊下で漏らすなよ」
魔王「…………」じーっ
勇者「なんだ」
魔王「……魔王もトイレに行くんだな」
ゆうしゃの こうげき!
かいしんの いちげき! ▼
魔王「へぶしッ!」
勇者「う……」フラ…
魔王「ん、どうした? なんか疲れてるみたいだぞ」
勇者「ああ、どうやら変身魔法を使った際に、貴様のパラメータもコピーしてしまったようだ」
魔王「……それってつまり、MP0で、HP一ケタってこと?」
勇者「そういうことだ」
魔王「……ふーん(ニヤリ」
勇者「なんだその顔は」
魔王「死にさらせぇええ!!」
勇者「あ、しまっ――」
まおうの こうげき!
ゆうしゃに 109のダメージ!
ゆうしゃたちは ぜんめつしてしまった…… ▼
魔王「……なにこれ超爽快」
~城~
勇者「……ん、ここは?」
王様「おお勇者よ、死んでしまうとは情けない!」
勇者(……ああ、さっきので死んだのか)
勇者(確かにあれは、我ながら情けなかった……)
勇者(それにしても、これが人間の城か)
勇者(中からじっくり見るのは、初めてだ)
勇者(ふむ、煉瓦造りの壁に、貧弱そうな兵士ども……)
王様「どうしたんじゃ、勇者? 突然きょろきょろして」
勇者「いや、この程度の城なら、魔物が200体もいれば、半日とかからず
制圧できるなと思って……」
王様「生き返って早々、ずいぶんな口を聞くようになったな、おぬし」
王様「くだらんことを言ってる暇があったら、さっさと仲間を生き返らせにいかんか!」
勇者(……なるほど、全滅したときに生き返るのは、勇者だけなのか)
王様「そなたにもう一度機会を与えよう! では行くが良い、勇者よ!」
勇者「はい」
勇者(……しかし、誰かから命令されるというのは新鮮だな)
勇者(普段は命令する立場だからな)
~城下町~
勇者(…………)
勇者(……行くが良いとは言われたものの、どこへ行くべきか)
勇者(…………)
勇者(あ、でも、自分が行きたい所を選べるのか)
勇者(魔王やってる時は、毎日が過密スケジュールだったからな……)
勇者(とにかく魔王の仕事以外のことができるのは、楽しみだ)
勇者(…………♪)
勇者「――それにしても、あの“弱小”は上手いことやってるだろうか」
~魔王城~
魔王「えーっと、魔王の間を抜けたら、左に曲がって……」
魔王「真直ぐ突きあたりまで歩いたら、階段が見えてきて……お、あった」
魔王「階段あがったら、今度は右に曲がって歩いて、そしたら十字路を左に……」
魔王「で、道なりに歩いたら、また上がる階段が前方に……」
魔王「……だぁああ! なんで一か所に階段つくってないんだよ、面倒くさい!!」
魔王(でも、魔王の姿だからか、魔物に襲われないのはありがたいよな)
魔王(極悪モンスターがはびこる魔王城を、こんなに楽々歩けるなんて……)
魔王(……これはこれで嬉しい)
魔物A「4階異常なーし」
魔物B「よーし、次のフロア行くかー」
魔王(……! 階段の上から声!? 見張りの魔物たちか!?)
魔王(どうする、どうするオレ!? なんか上手い事切り抜ける方法は……)
魔物A「あ」
魔物B「これはこれは魔王様」
魔王(降りてきた! そして、気づかれた!)
魔王(ええい、こうなったら、『魔王になりすましてやり過ごす大作戦』だ!!)
魔王「いやぁ諸君! 見張りご苦労っ!! わーっはっはっはっはっは!!」
魔物A(え、っええーー!? なにこのハイテンション!?)
魔物B(良く分かんないけど、魔王様、超ご機嫌!?)
魔物A「ま、魔王様どうなさいましたか?」
魔物B「な、何か良い事でもあったんですか?」
魔王(げっ、どうしよ。なんとか誤魔化せるか……?)
魔王「うむ、先ほど勇者どもをこてんぱんにしてきたのでな。気分爽快なのだ!」
魔物A「そ、そうですか」
魔王「というわけで、オレは少し休んでくるぞ! 引き続き見張りを頼む!」
魔物B「は、はい……、いってらっしゃいませ」
魔王「わーっはっはっはっはっは……!!」
魔物A「……」
魔物B「……」
魔物A「なぁ」
魔物B「なんだ」
魔物A「魔王様、大丈夫かな? なんかキャラ変わってたような……」
魔物B「さぁなあ、高貴な身分のお方の心理は、下々の俺等じゃ計りかねる」
魔物A「……ですよねー」
魔物B「ハイ、それじゃあ見張りの続きー。三階異常なーし」
魔物A「いやいやいや! 今のは異常ありだろ!?」
~魔王の部屋~
魔王「……ぜぇ、はぁ、やっとここまで来れた」
魔王「それにしても危なかったなー。一時はどうなるかと……」
魔王「お、魔王のベッドだ。でけー。うりゃー、ダーイブ!!」
魔王「……うーむ、思った通りふかふかベッドだ。さすが魔王だな」
魔王「ふぅー、疲れたぁー……」
魔王「……」
魔王(戦士、僧侶、魔法使い……。みんな無事かな)
魔王(……いつまでオレ、このままなんだろ)
魔王(……ねむ)
魔王「……zZZ」
勇者「さて、そろそろ仲間でも生き返らせるとするか」
勇者「教会とやらに行ってもいいが、蘇生呪文を使った方が早いだろうな」
勇者「まずは……」
ゆうしゃは じゅもんをとなえた!
なんと! そうりょが いきかえった! ▼
僧侶「……ぅうん」
勇者「起きたか、僧侶」
僧侶「……あ、」
僧侶「ゆ゛うしゃさまぁ゛ああ~~~……」ボロボロ
勇者(……!? なぜ、こいつは生き返った途端、号泣するんだ!?)
勇者(……落ち着け魔王、この程度のことでうろたえるな)
勇者(こんな時、勇者だったらどうする。勇者なら……)
勇者「…………」
僧侶「ふぇ、……ぅうっ」
勇者「…………」
僧侶「うぅうーっ……ひっく」
勇者「……おい、いつまでも泣くんじゃない」
僧侶「はい、すみませ……ぐすっ、うっ」
勇者(……違うな、なにかもっと別の言葉を)
勇者「……何故、泣いているんだ?」
僧侶「だって……、ぅえ、また負けちゃって」
勇者「……」
僧侶「今度こそ、ぐす、勝とうって、でも…、」
勇者「……」
僧侶「私が、ぅう、不甲斐ない、ばかりに……ふぇえ」
勇者(……つまり、勝てなかったのは自分のせいと思っているのか)
勇者(その程度のことで泣くのか、人間は……)
勇者(……疲れる)
勇者「――そうだな、貴様は爪が甘すぎる」
僧侶「はい……、……ん、え?」
勇者「回復ばかりでなく、守備や素早さなどの補助魔法にも専念した方がいい」
僧侶「あっ、……。ごめんなさい」
勇者「勘違いするな。これは叱責ではない。助言だ」
僧侶「え……?」
勇者「つまり、次回から、そこを気をつければ、勝てるということだ」
僧侶「……」
勇者「勝ちたいんだろ? ならば、泣くより先にすることがあるんじゃないか?」
僧侶「……!」
勇者「早く涙を拭け、そして仲間を蘇生させろ。魔王に勝つためにな」
僧侶「(ゴシゴシ)……はい!」
勇者「よし、それでいい」
勇者「……」
勇者(……まてよ、)
勇者(まさか、勇者のやつ、毎回“これ”をやってるのか……?)
勇者(……案外、苦労してるんだな。あの弱小)
そうりょは じゅもんをとなえた!
なんと! せんしは いきかえった! ▼
戦士「はっ、おれは……!?」
勇者「目覚めたか、戦士」
戦士「お、勇者。久しぶり」
勇者(よかった、こいつは普通に生き還ってくれた……)ホッ…
戦士「悪かったなー。また、お前より先に死んじまったよ」
勇者「気にするな、いつものことだろ」
戦士「ああ……、え?」
勇者「貴様は魔法耐性が低いからな。装備を対魔法用に整えなければ、すぐやられるのは当然だ」
戦士「……?」
勇者「加えて、素早さも低いから先手を取られやすい。体力以外もいろいろ鍛える必要があるだろうな」
戦士「……???」
勇者「なんだ、その顔は。俺の話が理解できたか?」
戦士「なっ! 当たり前だろ! おれを馬鹿にすんなよ!」
戦士「要は、いつかは魔王に勝てるってことだよな!? なっ!?」
勇者「明らかに肝心なところが理解できてないぞ、貴様」
そうりょは じゅもんをとなえた!
なんと! まほうつかいは いきかえった! ▼
魔法使い「ふわぁ……。あら、勇者ちゃん。お早うー」
勇者「お早う、魔法使い」
魔法使い「ん? どしたの勇者ちゃん。いつもよりクールじゃない?」
勇者(……勘が鋭いな。迂闊なことは言えなさそうだ)
勇者「そうか? 気のせいじゃないか?」
魔法使い「あー、なるほどねー。気のせいかー。あるあるそういうの」
勇者(勘は鋭いが、深く考えるタイプではないようだな……)
魔法使い「にしても、この間の魔王戦惜しかったわねー」
勇者「そうだな」
魔法使い「んー、まだまだレベルが足りないのかしら?」
勇者「レベルの問題でなく戦術の問題だ」
魔法使い「……へ? どういうこと?」
勇者「いままでの戦術は、基本力押しだったろ?」
魔法使い「ん、まあね」
勇者「力押しは、長期戦に弱いんだ。加えて、アイテム補充もぬるいから、すぐにやられる」
魔法使い「ふーん……」
勇者「戦術さえあれば、レベルが多少低くても、勝利できるはずなんだがな」
魔法使い「…………」
魔法使い「……ねーねー、勇者ちゃーん」
勇者(しまっ……、感づかれたか?)
魔法使い「お腹空いたから、なんか食べに行こうよ」
勇者「貴様、恐ろしいほどマイペースだな」
戦士「あー。そういえば、おれもなんか腹減ってきたなぁ」
僧侶「あの、勇者様。もしよろしければ、私も少し休憩の時間がほしいのですが……」
勇者(しかも、何故、みんな便乗してくるんだ……?)
勇者(少人数精鋭だと、こういうのが当たり前なのだろうか……?)
勇者(いままでずっと、軍や大人数を相手にしてたから、いまいち扱い方がわからん……)
勇者(……だが、正体がばれないためにも、こいつらに合わせておいた方が無難な気がする)
勇者「……では、昼食がてらに、どこかへ食べに行くとするか」
魔法使い「きゃっほーい! 勇者ちゃん、大好きー!」
戦士「うーし、たらふく食うぞー!」
僧侶「ありがとうございます、勇者様!」
勇者「ところで魔法使い、志願したからには、どこか食べに行きたい店があるか?」
魔法使い「ん? あたしに選ばせてくれんの?」
勇者「『言いだしっぺの法則』というのは、よく聞く言葉だろ?」
魔法使い「なるほどねー、勇者ちゃん優しいー」
勇者(まあ、法則云々より、どんな店があるか知らないからという理由が大きいが……)
勇者(俺が知らないままに選ぶより、選ばせた方が自然だろう)
勇者(人間の食物が、口に合うかは不安だが……、人間の飲食店に入るのは、初めてだから楽しみだな)
勇者(…………♪)
魔法使い「じゃあ、お昼は、勇者ちゃんのお家で決ーまりっ!」
勇者「――なにっ!?」
戦士「おっ。いいねー、勇者の母上様の料理は最高だもんな」
魔法使い「でしょー。あたしも最近食べてないから、無性に食べたくなっちゃって」
僧侶「そういえば、近頃、勇者様のお母様に会ってませんからね」
魔法使い「ねー。たまには息子さんのお顔も見せてあげないとねー」
勇者「…………」
勇者(……まずい、まずいぞ)
勇者(交換初日から、勇者の肉親に顔を合わせる羽目になるとは……)
勇者(この状態では、ぼろを確実に出さないという可能性はかなり低い)
勇者(かといって、実の息子が、自分の家に帰りたくないと言いだすのも不自然だ)
勇者(ここは、合わせるしか……、ないのか……?)
魔法使い「というわけで、勇者の家にレッツゴー!」
戦士「おーーー!」
僧侶「おーー、です!」
勇者「…………」
勇者(退屈しのぎに、勇者をやってみてはいるものの……)
勇者(……なぜこんなにも早く、窮地が訪れるんだ?)
~魔王城~
側近「魔王様、魔王様」
魔王「ぐがー」
側近「起きてください、魔王様」
魔王「ふごー」
側近「……」
そっきんは じゅもんを となえた!
まおうは めをさました! ▼
魔王「…ん、ふぁ……なに?」
側近「間もなく会議が始まります。準備してください」
魔王「……へ?」
側近「本日の議題は、北地区の魔物の配備と、西国の侵攻作戦です」
魔王「え、あの……」
側近「こちらが資料です。お着替えは、鏡台の前に用意しております。時間がないので、食事は後回しです」
魔王「ちょ、ちょっと待って」
側近「質問でしたら、手短にお願いします」
魔王「えーと、君だれ?」
側近「……大分お疲れのようですね。よもや、側近の顔を忘れるとは」
魔王「あっ、ああ! 側近か! いやあ、いつも御苦労!」
側近「労いのお言葉ありがとうございます。魔王様もお疲れのようですし、会議は午後からに致しましょうか?」
魔王「ああっ、そうだな! そうしてくれると助かる!」
側近「かしこまりました。その様に手配します」
そっきんは へやを でていった…… ▼
魔王「……ふう、なんとかごまかせたみたいだぜ」
側近(……今日の魔王様、すっごく変)
~勇者の家~
勇者母「――あら」
戦士「どうもー、お世話になってます」
僧侶「こんにちはー」
魔法使い「御邪魔しまーす」
勇者「……」
魔法使い「ほら勇者ちゃん、なに黙りこくってんのさ。挨拶、挨拶」
勇者「あ、ああ……。ただいま……」
勇者母「ふふ、おかえりなさい」
勇者「……」
勇者(……つ、ついに来てしまった)
勇者(こんなに緊張するのは、何十年ぶりだ……?)
勇者母「それにしても、久しぶりに帰ってきてくれて、嬉しいわ」
戦士「すんません、なかなか来れなくて……」
勇者母「ふふ。でも、それだけ忙しくしてるってことでしょ?」
僧侶「え?」
勇者母「最近、魔王との戦いが大変なんですってね。王様から聞いてるわよ」
魔法使い「ああ、王様から」
勇者母「この子はお父さんに似て、がんばり屋さんだから」
勇者(…………)
勇者母「さあ、みなさん疲れてるでしょ? 今日は、うちで休んでってくださいな」
戦士「あ、いや。今日はそういうつもりではなくてですね」
勇者母「?」
僧侶「その、誠に申し上げにくいんですけど……」
魔法使い「勇者ちゃんのお家で、お昼御飯をいただきたいなーと思ったわけですよ」
勇者母「あらあら、そうだったのね。もちろん、お安い御用よ」
戦士「ひゃっほー! ありがてぇ!」
僧侶「ありがとうございます!」
勇者母「さて、みなさん何が食べたいですか? あまり手の込んだものは作れませんけど……」
魔法使い「だってさ勇者ちゃん。久々の家だし、好物の一つでも頼んどきなよ」
勇者(……!? お、俺が頼むのかっ!?)
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