私的良スレ書庫
不明な単語は2ch用語を / 要望・削除依頼は掲示板へ。不適切な画像報告もこちらへどうぞ。 / 管理情報はtwitterでログインするとレス評価できます。 登録ユーザには一部の画像が表示されますので、問題のある画像や記述を含むレスに「禁」ボタンを押してください。
元スレ魔王「俺も勇者やりたい」 勇者「は?」
SS+ スレッド一覧へ / SS+ とは? / 携帯版 / dat(gz)で取得 / トップメニューみんなの評価 : ★
レスフィルター : (試験中)
側近「あ、そういえば魔王様」
魔王「ん、なに?」
側近「先ほど郵便受けを確認したところ、魔王様宛にお手紙が届いてました」
魔王「え、オレ宛に? 誰から?」
側近「差し出し人は、魔王様のお母様です」
魔王「えっ? ああ……、母さんか」
魔王(知らなかったー。魔王にも父さん母さんがいたんだなー)
魔王「何の手紙だろ。見せてくれないか?」
側近「はい、こちらになります」
魔王「どれ……」
側近「…………」
魔王「……ん?」
側近「……」
魔王「……白紙?」
側近「そうですね、白紙ですね」
魔王「……だよな。他に何も入って無いし……」
側近「ああ、それと魔王様」キラリ
魔王(……? いま 光っ、――刃!?)
……ガキィイン!!
魔王「くっ……!」
側近「そろそろ正体をお聞かせ願えませんかね。――偽物様?」
魔王(――気づかれた!?)
側近(惜しかった……)
魔王(一体、どの段階で!? 何かまずいことでも言ったか!?)
側近(殺気でも気取られたか? ナイフを、ギリギリ剣の柄で受けられるとは)
魔王(……まだ、誤魔化しが効くか? まあ、やってみるしかないよな)
側近(ばさりと斬り捌いて、虫の息にしてから、いろいろ聞き出そうと思ったのに――)
側近「なかなかの反射神経ですね、偽物様」
魔王「いったい、何のことだかさっぱり分からないぞ、側近」
側近「白々しい口を聞く偽物様ですね。もうあなたが魔王でないことは明瞭です」
魔王「は? どこにそんな証拠が――」
側近「手紙、ですよ……」
魔王「……?」
側近「あなたは届く筈のない手紙を受け取って、平然としていた」
魔王「……なにっ?」
側近「魔王様がご幼少のころに、――魔王様のお母様は、すでにお亡くなりになっているんですよ」
魔王「……!?」
側近「あの手紙は、私が用意したものです。あなたが、魔王か否かを知るために」
魔王「……偽の手紙だったってことか」
側近「ええ。本人であれば、手紙の存在を訝り、母親が死んでいることを必ず指摘するはずです」
魔王「……つまり、オレは謀られたわけだ」
側近「まさしくその通り。今朝方から、あなたの言動が怪しかったので、確認を取らせて頂きました」
魔王(……言い逃れはできそうにないな)
側近「さぁ、偽物様。――喉笛掻き切るお時間です」
魔王「……!?」
――キィン、ガキィン!
魔王(……! 流石は魔王の側近! 女とはいえ、戦闘力がかなり高い!)
側近「なかなかの手練れですね、偽物様」
魔王「おい、もうよせよ! オレの正体教えるから……」
側近「いいえ、やめません」
魔王「なんで!?」
側近「たとえ一時であれ、魔王を騙った下賤の者は、許すに値しません」
魔王「……!」
側近「全身の肉を、死なない程度に細かく刻んで、」
側近「泣き喚くことさえ、忘れるほどの、恐怖を植え付けて、」
側近「それからあなたの正体を、ゆっくり聞くことに致しましょう。ねぇ、偽物様?」
魔王「……っ!?」
魔王(……怖気が、)
魔王(魔物とまともに話すのは、今日が初めてだったけど、)
魔王(こんなに冷酷な奴ら、だったなんて――)
側近「フフフ、怯えてますね。偽物様」
魔王「……、あ!?」
魔王(……しまった! 壁際まで追い詰められた!?)
魔王「やめろ! 話を聞いてくれ!」
側近「もう逃げられませんよ。観念なさい」
魔王「オレは君と闘うつもりはないんだ! だからやめろって!」
側近「……いまさら命乞いとは見苦しい!」
魔王「いいから、とにかくやめてくれ!」
側近「問答無用……!」
魔王(……このっ、)
魔王『 ――オレがやめろと言ってるんだから、 や め ろ !! 』
側近「 !? 」
魔王「……?」
側近「はぁっ、はぁ……」
魔王(……あいつ、一瞬で退いた。あんな遠くまで……)
側近(い、今、何が起きた! 否、何をされた!?)
魔王(こっちは、ただ大声出しただけなのに、)
側近(怒声を浴びせられただけなに、全身の震えが止まらない! 呼吸が…、乱れる!)
魔王(あんなに青ざめた顔して……、そんなに怖いこと言ったか、オレ?)
側近(あの声を聞いた時、身体の全細胞が戦慄した……! その場に居たくないほどの恐怖を覚えた!)
魔王(……わけわかんねぇ)
側近(あいつ、あいつは、いったい誰なんだ!?)
側近「あ、あなたはいったい、何者なんだ!?」
魔王「いや、何者って、」
側近「あなたが放ったのは怒声だけじゃない! 威圧感も凄みも、桁違いだ!」
魔王「はぁ……」
側近「あなたが只者では無いことは分かった! だから、正体を教えなさい!」
魔王(……、最初にオレが正体言うって言ったのに、なんで命令し直されてるんだろう)
魔王「えーっとな、……オレは勇者だ」
側近「 は? 」
側近「そんなことが信じられるものかっ! そうだったら、魔王様は今どこにいるんだっ!?」
魔王「だぁああっ! 分かった分かった! 全部話すから最後まで聞けぇええ!」
――間。
魔王「分かったか? だから、オレはいま魔王をやらされてるんだよ」
側近「そ、そんなことが……」
魔王「うん。要は魔王の気まぐれに付きあわされただけ。むしろオレは被害者だ」
側近「魔王様が、よりにもよって勇者の一味と一緒に……」
魔王「だから、しばらくはこんな感じで、魔王のふりする予定なんだけど……」
側近「…………」
魔王「そのために、手を貸してくれないか?」
側近「……なに? なぜ、私が……」
魔王「あんた、オレが魔王じゃないかもしれないって、もう他の奴に話したか?」
側近「いえ、今回の件は、私の独断で動いたこです。私以外に、あなたを疑っている人はいないでしょう」
魔王「そりゃ、よかった。ところで側近、魔王が勇者のふりして冒険してるって聞いて、どう思った?」
側近「もちろん、そりゃあ……大ショックでしたね」
魔王「――なら、他の魔物にも、同じ気持ちを味わわせたいか?」
側近「……!?」
魔王「つまり、オレの正体がバレないことは、魔物の士気も下がらないことにつながる」
側近「…………」
魔王「むしろ、バレたりしたら、この城は大変な混乱になるだろうな」
側近「ええ、目に見えてますね」
魔王「だから、オレの正体がバレないように、いろいろと助けてほしいんだ。君の助けが必要なんだよ」
側近「…………」
側近「……私は魔王様の側近です」
魔王「…………」
側近「ゆえに、協力するかしないかというのは、愚問に等しい」
魔王「…………」
側近「期間限定ですが、この側近。偽物かつ勇者とはいえ“魔王様”のために、協力させて頂きましょう」
魔王「……! そうか、ありがとう側近!」
側近「では、手始めにデザートのおかわりを、自分で取ってきてもらいましょうか」
魔王「――えっ!? 協力するって言った直後に、その仕打ち!?」
魔王(ちくしょー、側近めぇ……)テクテク
魔王(「偽物魔王様が、城の地理を早く覚えるための策です」なーんて言ってたけど、)
魔王(もっともらしいこと抜かして、オレをこき使おうとしてるんじゃないか?)
魔王(……なんだかんだで肩身がせまいなぁ)
魔王「はぁ……」
魔王「お、ここが厨房か」
魔王「おーい、デザートのおかわりぃ……」
???「……来た! 来たぞ!」
???「今だ! 照明をつけろ!」
???「せーの……っ!」
料理人一同「「「魔王様!! どうもありがとうございます!!」」」
魔王「……へ?」
魔王「なにこれ、なんで厨房が誕生日パーティーみたいな内装に……?」
料理人A「我々の感謝の気持ちを形にしてみました!」
料理人B「魔王様から、料理のお褒めの言葉を頂けるなんて……!」
料理人C「我ら料理人一同、至極感謝感激です!」
料理人D「是非ともその旨を直接魔王様にお伝えしたかったので、」
料理人E「側近様に伝言をお願い致した所存に御座います!」
魔王「……あ、」
魔王(だから、側近のやつ、自分でデザート取りに行けって言ったのか……)
魔王「じゃあ、いわゆるサプライズってやつなんだな」
料理人A「はい! しかしこれだけではございません」
料理人B「魔王様のために、皆でこちらを調理しておりました!」
魔王「おおっ!?」
料理人C「季節の魔界フルーツ特盛りデコレーションケーキでございます!」
魔王「すっげぇーー! めちゃくちゃ美味そうーー!」
料理人D「ああ、またもやお褒めの言葉が……!」
料理人E「我々……、感動の極みにございます!」
魔王「ありがとうな! お前ら、最高の料理人だぜ!!」
料理人一同「「「おおおーっ! 魔王様万歳ーーー!」」」
~魔王の部屋~
側近「…………」
側近(てっきり他の魔物か、人間が魔王様に化けてるのかと思いきや、)
側近(まさか、勇者が魔王様に成りかわっていたなんて……)
側近(それにしても、あの時の勇者の声は何?)
側近(まるで聞く者を、否が応でも従わせるような、威圧に満ちた声は……?)
側近「…………」
側近(……考えても、答えが出なさそうね)
側近(まあ、いつか分かる時が来るかもしれないし、)
側近(ああ、そんなことよりも今は――)
側近「……魔王様」
側近「この側近、貴方様のお帰りを心待ちにしております」
本日はここまでです。
読んで下さった皆さま、どうもありがとうございます。
コメや乙は心の糧です、心底感謝です。
次回は、たぶん来週になると思います。
>>113 脱字発見
× 側近「いえ、今回の件は、私の独断で動いたこです。私以外に、~~」
↓
○ 側近「いえ、今回の件は、私の独断で動いたことです。私以外に、~~」
読んで下さった皆さま、どうもありがとうございます。
コメや乙は心の糧です、心底感謝です。
次回は、たぶん来週になると思います。
>>113 脱字発見
× 側近「いえ、今回の件は、私の独断で動いたこです。私以外に、~~」
↓
○ 側近「いえ、今回の件は、私の独断で動いたことです。私以外に、~~」
~フィールド~
戦士「おーい、僧侶ー。古代の迷宮まで、どんくらいかかるんだー?」
僧侶「そうですね……、このルートを使えば、夕刻前には到着するかと……」
魔法使い「僧侶ちゃーん。地図ばっか見てないで、ちゃんと前見ないと、転んじゃうよ?」
僧侶「あ、はぃ……、と、わわっ!?」コテンッ
勇者「……言ったそばから」
僧侶「い、痛いです……」
戦士「気をつけろよー。いやー、それにしても、昼飯マジ美味かったなー!」
勇者(魔王とはいえ、さすがに疑問に思う……)
勇者(……世界平和の旅が、こんなにゆるくていいのだろうか?)
勇者「……ん?」
まもののむれが あらわれた! ▼
魔物A「シャギャー!」
魔物B「フシュルルル!」
勇者「魔物か……」
戦士「来たな! ちょっくら食後の運動に付き合ってもらうぜ!」
魔法使い「いいねぇ、ドンパチ派手に行きますか!」
僧侶「魔法使いさん、魔力は温存した方が……」
勇者(初戦闘か……)
勇者「…………」
勇者(よくよく考えてみると、俺が魔物と闘うということは……)
魔物A「ギシャシャー!」
戦士「うぉっ!? こいつらかなり手強いぞ!?」
勇者(……我が魔王軍の戦力が削られるということか)
魔物B「フシャー!」
魔法使い「きゃー! いったーい!」
僧侶「魔法使いさん、今回復します!」
勇者(俺が魔王に戻った時のために、無駄な被害は出したくないところだが……)
魔物A「グルルル…、シャギャァ!」
戦士「痛ててて、噛むな! このぉ!」
勇者(魔物に攻撃しない勇者というのは、さすがに怪しまれる気がする)
魔物B「フー……、フシュシャー!」
僧侶「あ、あれ……? なんか、眠く……zzZ」
魔法使い「げぇ! あいつ催眠呪文使えるの!?」
勇者(しかし、何も知らない同胞を傷つけるのも癪だ……)
勇者「……さて、どうしたものか」
魔法使い「勇者ーーー! ぼーっとしてないで加勢してーーー!」
勇者(……気がつけば、仲間がそこそこピンチに)
戦士「勇者ー! 僧侶が眠っちまったから、回復たのむー!!」
勇者「ああ……」パァアア…
戦士「ふう、助かったぜー……」
僧侶「……zzZ」
魔法使い「どうすんのよぉー、この展開」
勇者「そうだな……、ここは――」
勇者「逃げよう」
戦士 & 魔法使い「はあ?」
勇者(魔王軍を傷つけず……、かつこの状況を切りぬけられる方法となると、これしかない)
戦士「おいおい、なんだよそれ。腰ぬけな作戦だなー」
魔法使い「ちょっとがんばれば、倒せる相手でしょ、こいつら」
勇者「この後、ダンジョン探索が待っているんだろう? 体力を温存しておくに越したことは無い」
戦士「そりゃ、そうだけどよー」
魔法使い「なんか、らしくないねぇ、勇者ちゃん。いつもの猪突猛進はどうしたのさ?」
勇者「…………」
勇者「俺の命令が聞けないなら、酒場に帰ってもらうが?」
戦士「まじすんませんした」
魔法使い「もう文句言いませんから、なんなりとご命令を」
勇者「よし、それでいい」
勇者「では、行くぞ。戦士は僧侶を頼む」
戦士「あいよ」
魔法使い「うーん、かけっこは得意じゃないんだけどなぁ」
僧侶「……ZZZ」
魔物A「グルルル…(おい、見ろよ。あいつら逃げる準備してるぜ?)」
魔物B「フシュウ(まじかよ。噂の勇者一行も大したことねぇな。回りこんでやるか)」
勇者「今だ! 逃げろ!」
戦士「うぉおおおお!」
魔法使い「ひぇえええええ!?」
魔物A「シャギャア!(そうは行くか!)」
魔物B「フシュルァア!(逃がすわけねーだろ、アホ共め!)」
戦士「なっ!?」
魔法使い「うっそ! 回りこまれそうじゃん!?」
勇者「…………!」
勇者「Миногасе! Ореъа накамада!」
魔物A「……ギャ!?(えっ!?)」ビクッ
魔物B「……シュア!?(なにっ!?)」ビタッ
ゆうしゃたちは にげだした……▼
勇者「……ここまで来れば、安心だな」
戦士「た、助かったー……! 危機一髪だったな!」
魔法使い「一時はどうなるかと思ったよ…! あーしんどー!」
戦士「にしても勇者よー、さっきの何だったんだ?」
勇者「さっきの……?」
魔法使い「なんか呪文の詠唱みたいなやつよ。あたし、初めて聞いたわ」
戦士「勇者のあの言葉聞いたら、魔物たち、ピタッと止まって追ってこなくなったよな」
魔法使い「あれって、古代魔法か何か? そのわりには、魔力を使った気配は無かったけど」
勇者(しまった、なんて誤魔化そう……)
勇者「ああ、あれか……。えーとな……」
勇者「……おばあちゃんの、とっておきのおまじないだ」
戦士「まじでーーーーっ!?」
魔法使い「おばあちゃん凄すぎ!!」
勇者(……馬鹿ばかりで助かった)
魔物A「…………」テクテク
魔物B「…………」スタスタ
魔物A「なー」
魔物B「うん?」
魔物A「さっきの勇者の言葉さぁ……」
魔物B「ああ、紛れもなく“魔族語”だったよな」
魔物A「魔界にしかない特殊言語……、それを人間が使えるなんてな」
魔物B「あの勇者、いったい何者なんだろうな」
魔物A「やっぱり気になるか?」
魔物B「ああ当然だろ? 魔族語で、あんなこと言われたら、な……」
魔物A「『見逃せ、俺は仲間だ。』――だっけか?」
魔物B「そうそう。あー、もう、わけわからーん」
魔物A「一応、指揮官殿に報告しとくか?」
魔物B「さんせー。それが一番楽だ」
魔物A「じゃあ、報告書頼むわー」
魔物B「こら! 押し付けるな! 自分でやれ!」
~古代の迷宮・入口付近~
僧侶「ん、……ふわぁあー。なんかぐっすり眠ってしまいました」
勇者「起きたか僧侶。迷宮は間近だぞ」
僧侶「え、いつのまに着いたんですか?」
勇者「貴様が寝てる間だ」
僧侶「あ、私……、そうか。戦闘中なのに、寝ちゃってたんだ……」グスッ
勇者「おい、もう泣くのはよせ。貴様に、してもらいたいことがある」
僧侶「ん……、え? なんですか?」
戦士「ぜへぇー……、ぜへぇー……」
魔法使い「もう、無理……、これ以上走れない……」
勇者「あいつらの回復を頼む」
僧侶「あ、はい」
そうりょは じゅもんを となえた!
せんしの たいりょくが かいふくした!
まほうつかいの たいりょくが かいふくした! ▼
戦士「うぉおー! 疲れがふっとんだー!」
魔法使い「いやー、ありがとねー、僧侶ちゃん!」
僧侶「いえ……。それより、なんでそんなに疲れてたんですか?」
戦士「……僧侶が寝てる間に、あらゆる戦闘を逃げまくってきたんだよ」
魔法使い「ずっと走り詰めだったし、疲れるのは当然……」
僧侶「はぁ、なるほど」
勇者「軟弱だな。その程度で音を上げるとは」
戦士「俺はずっと僧侶運んでたんだぞ! 勇者は一度も手伝わないしよぉ!」
魔法使い「あたしだって、もともと体力ないんだからさ。長距離走はバテちゃうってば」
戦士「魔法使いはあれだろぉ? もう三十路だから、持久力が足らなく――」
魔法使い「――なにか、言ったかしら?」ギュウウウ
戦士「いたたた! ギブギブギブ!」
勇者(スリーパーホールド……、体力ないっていうのは、嘘じゃないか?)
僧侶(口は災いの元って、このことですね……)
勇者「さて、ここが“古代の迷宮”か」
戦士「げほっげほっ……。なーんか、只の洞窟みたいに見えるんだけど」
僧侶「洞窟の中に、古代の人々が造った地下遺跡が眠っているんですよ」
魔法使い「村人さんの情報によると、かなり難解なトラップが張り巡らされてるらしいわ」
勇者「なるほど……」
僧侶「さらに、興味深いことに、この遺跡には古代の魔術師が造った、人造の魔物が棲みついているそうです」
勇者「ほう……」
魔法使い「おおかた、伝説の武具を守らせるための、衛兵ってところかしら? 古代人やるわねー」
勇者(人間の造った魔物と、ダンジョンか……、興味津津だな)
勇者(それに、人造の魔物ということは、魔王軍ではない。つまり、俺も遠慮なく闘えるということか)
勇者(…………♪)
僧侶(……? 勇者様、なんだか楽しそう?)
戦士「まあー、よくわかんないけどさ! 要は、ダンジョン入って攻略しろってことだよな! なっ!」
勇者「……貴様は、もっと細かいことを気にした方がいい」
戦士「いいーじゃん、そんなの。だっておれ、あたま使うの苦手だし!」
勇者(ここまで高らかに馬鹿宣言されると、反応に困る)
勇者「まあ、とりあえず行ってみるか」
戦士「いえーい! テンション上がるー!」
僧侶「あの、何が待ってるか分からないですから、ここは慎重に……」
魔法使い「そうねー。仮にも伝説の武具のあるダンジョンだしねー」
???「グゴゴ……」
勇者「……む?」
~古代の迷宮~
めいきゅうのゴーレムが あらわれた!
勇者「――! 人造魔物か!?」
戦士「げぇ、初っ端から、そりゃねーだろ!?」
僧侶「ゆ、勇者様ぁ!?」
魔法使い「あー、忘れてた。前に来た時も、迷宮入って一歩目で、こいつ出てきたんだった」
ゴーレム「グゴォオオ!」
めいきゅうのゴーレムは いきなり おそいかかってきた!
戦士「ぐぁっ!?」
めいきゅうのゴーレムの こうげき!
つうこんの いちげき!
せんしに208のダメージ!
せんしは しんでしまった…… ▼
僧侶「せ、戦士さん!」
魔法使い「そうそう、前もこんな感じで戦士がやられてたような」
勇者(ゴーレムの癖に素早いな……、どうやら魔術で強化されているようだ)
僧侶「勇者様、どうすれば!」
勇者「僧侶、戦士を蘇生させろ。魔法使い、防御の強化呪文を――」
魔法使い「おっけー、任せな」
勇者「――さて、楽しくなってきたな」
今日はここまでです。
読んでくださった方、コメや乙くださった方、どうもありがとうございます。
また、明日か明後日に書きに来ます。
読んでくださった方、コメや乙くださった方、どうもありがとうございます。
また、明日か明後日に書きに来ます。
前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 次へ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitterで / SS+ スレッド一覧へ
みんなの評価 : ★類似してるかもしれないスレッド
- 魔王「お前、実は弱いだろ?」勇者「……」 (333) - [48%] - 2016/6/11 10:15 ★
- 提督「俺の嫁艦をバカにすると言うのか?」 (218) - [47%] - 2016/3/17 7:15 ☆
- 魔王「助けてくれぇ勇者ぁ!」 (76) - [45%] - 2018/10/15 2:47
- 姫「疲れた、おんぶして」勇者「はいはい」 (815) - [45%] - 2012/7/11 15:45 ★
- 上条「そろそろ怒っていい?」 イン「ん?」 (465) - [43%] - 2011/5/30 6:31 ★★★
- 魔王「余は何をやっておるのだ……」 (827) - [42%] - 2012/1/15 14:30 ★
トップメニューへ / →のくす牧場書庫について