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元スレ魔王「俺も勇者やりたい」 勇者「は?」
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魔王『――オラァ!』
魔王「っぐは!?」
隊長「勇者の奴! 剣でなく蹴りで攻撃だと!?」
宮廷魔導士「剣は囮。本命の膝蹴りが、綺麗に鳩尾に入りましたね」
側近(本命は膝蹴り? いいや違う。勇者の狙いは――!)
魔王『ああ……、頭に詠唱が流れ込むッ!! ――喰らいやがれ、魔王!!』
『まおう』は のろいをかけた!
まおうは のろわれてしまった!! ▼
魔王「!!?」
側近(蹴りでひるませてから、呪いで動きを封じること! ――魔王様!!)
魔王『おー。初めてやったのに、案外うまくいったな』
魔王(迂闊だった……! 弱小め、いつのまに呪術なんか……!)
魔王『なんかこの姿になってから、面白いんだぜ。体は軽いし、知らない特技や呪文も使えるようになるし』
魔王(か、体が動かない……! 舌も……! これでは呪文が使えない!)
魔王『さーて、これで魔王様は、抵抗も口ごたえもできなくなったわけだ』
魔王(魔王であるこの俺に呪いをかけるとは……、生半可な魔力では到底できないこと……)
魔王『まあ、はじめから、お前の返答に従う気なんてなかったけどな』
魔王(まさかこいつ……、本当に、『魔王』になってしまったのか――?)
魔王『その目……、理解したな? そうだ。――今日から、オレが魔王だ』
側近「魔王様!! 今、呪いを解きま――」
魔王『させるわけねぇだろ、側近』ガシッ
側近(なっ! ――いつの間に、背後に!?)
魔王『お前には、オレと一緒に魔王城に行ってもらう。新魔王として、全魔物にご挨拶しなきゃいけないからな』
側近「ッ! 手を離せ! 私は魔王様を助けなければ――!」
魔王『聞こえなかったのか? 今 日 か ら オ レ が 魔 王 だ 』
側近「……!!」
側近(あの時と、同じだ。初めて、刃を交わした時と。ああ、全身に怖気が )
魔王『つーわけでみんな。王様。それから元魔王――』
魔王『オレはオレのやり方で、世界を平和にしてみせる。刃向う奴はタダじゃおかねえ』
魔王『それじゃあな。楽しみにしてろよ。この理不尽な世界を着々と変えてやる――』
『まおう』は じゅもんをとなえた! ▼
僧侶「ああっ! 勇者様ぁーーー!!」
魔法使い「移動呪文か……。それも、里の魔物も全員一緒に……!」
戦士「おー……。おれ今、びっくりするぐらい、なにもわっかんねーわ」
魔王(…………)
魔王(……、なんてことだ)
魔王(このままでは、魔界が。それに、側近も……)
王様「今じゃあーーー! 魔王と勇者の仲間をひっ捕らえろーーー!!」
兵士たち「「「ハッ!!」」」
戦士「ん? え? なに?」
僧侶「え!? えええ!? イヤぁ! こないで!!」
魔法使い「ちょっとちょっとー! なんであたし達、捕まえられないといけないのよー!」
魔王(……!?)
隊長「決まってるだろう。貴様らには、事情を説明してもらう」
僧侶「そんな! 私たちだって、なにも知りません!」
宮廷魔導士「貴方達は、仮にも魔王と旅し、勇者をやめて魔王になった彼とも旅をしてたわけです」
魔法使い「それがなんだっていうのよ!」
宮廷魔導士「事件の重要参考人として、城に連れ帰るのは、当然の対処ということですよ」
魔法使い「普通、参考人を縛り上げたりするものかしら?」
宮廷魔導士「途中で逃げられるのも面倒ですからね」
戦士「なぁにすんだぁあああああ! おれ達は無実だあああああああああああ!」
兵士A「うるさい! 少しは静かにしてろ!」
戦士「やなこったああああああ!! 縄を解いてくれたら静かにするぜえええええええええええええ!!」
兵士B「おい、猿ぐつわ噛ましとけ。いくらなんでもうるさすぎる」
兵士A「了解」
戦士「あ! てめっ卑怯な――ぅ゛っ! モガー!モガー!」
王様「やれやれ、うるさくないのは、魔王くらいじゃな」
魔王(…………)
王様「城の呪術師に、貴様の舌にかけられた呪いだけ解かせよう。その後は分かるな?」
魔王(…………)
王様「何故こんな馬鹿げたことが起きたのか、洗いざらい話してもらうぞ……?」
魔王(…………)
魔王(そんなの、俺が聞きたいくらいだ)
魔王(なにが起きているんだ)
魔王(なぜ、弱小が魔王に……。いや、そんなことより、)
魔王(魔界や魔物たち、魔王軍、そして――)
魔王(俺はこれから、どうなってしまうんだ?)
長らくお待たせしてしまい申し訳ございませんでした。
いろいろと忙しくしていて、なかなか来れず、すみませんでした。
今日の更新はここまでです。
読んでくださった方、コメントくださった方、どうもありがとうございます。
また来月来ます。
いろいろと忙しくしていて、なかなか来れず、すみませんでした。
今日の更新はここまでです。
読んでくださった方、コメントくださった方、どうもありがとうございます。
また来月来ます。
魔王=伝説の勇者の末裔
勇者?=魔王の末裔
過去にも同じように姿を入れ替えた?
勇者?=魔王の末裔
過去にも同じように姿を入れ替えた?
>>913
でも、だとしたら勇者母が伝説の装備使えたのがおかしくならんか?
でも、だとしたら勇者母が伝説の装備使えたのがおかしくならんか?
よくあるSS見たいに勇者と魔王がどこかで交わってるんじゃないの?
~勇者の家~
勇者母「…………」
勇者母「もう、すっかり暗くなっちゃったわね」
勇者母「大丈夫かしら、あの子達」
――コンコンコン
勇者母(!! ……あの子かしら!?)
勇者母「はい、おかえりなさ――」ガチャ
勇者母「……?」
勇者母「あの、どちら様で?」
大賢者「どうも初めまして、わたしはとある村のはずれに住む大賢者です」
勇者母「あら、ご丁寧にどうも。勇者の母です」
大賢者「勿論、存じてますとも。今宵は、突然お邪魔してしまいすみません」
勇者母「いえいえ、構いませんわ。ところで、大賢者さんが、何の御用事で……?」
大賢者「単刀直入に言います。――貴女の息子さんを助けるために、力を貸して頂きたいのです」
勇者母「……!?」
~城・取調室A~
魔法使い「だーから、あたしらは何も知らないって言ってんでしょー!!」
宮廷魔導士「まあまあ、そうカッカせずに」
魔法使い「これで怒らない方がどうかしてるわよ! さっきから、何遍も同じ質問して!」
宮廷魔導士「取り調べとはこういうものなんです」
宮廷魔導士「質問を何度も繰り返し、少しでも違った返答・反応があったら、徹底的に追及する」
宮廷魔導士「話の矛盾や、つじつまの合わない部分というのは、たいてい嘘であることが多いですからね」
宮廷魔導士「お分かりいただけましたでしょうか?」
魔法使い「お分かりどころか、最初から知ってるわよ、そんなもん」
宮廷魔導士「でしょうね。さすが頭脳明晰。では、気をとりなおして続けましょうか」
魔法使い「あーもー、うんざりする……。早く終われー……」
~城・取調室B~
老学者「えーと、次の質問。勇者の挙動が怪しいと思ったのは、いつからかの?」
僧侶「…………」グスッグスッ
老学者「…………」
僧侶「……ぅ、ふぇ」グスン
老学者「のう、お嬢ちゃん。泣いてばかりでは、こっちも困るんじゃが」
僧侶「だって、勇者様が、魔王様に……! 私、これからどうしたら……、ぅ、うぁああああん!!」
老学者「泣き虫という噂は聞いておったが、まさかこれほどまでとはの……」
僧侶「ぇええええん!」
老学者「かれこれ二時間、この調子か……。城中のちり紙が無くなってしまうわ」
~城・取調室C~
兵士A「な、なぁ……」
兵士B「あ? なんだよ」
戦士「…………」ゴゴゴゴゴ…
隊長「…………」ドドドドド…
兵士A「さっきからなんなんだよ。あのヤバい空気」
兵士B「え、お前知らないの? あの戦士、二か月前までこの城で兵士やってたんだぜ」
兵士A「まじで?」
兵士B「でも、あの隊長と物凄い喧嘩してクビにされたんだと」
兵士A「あー、それで……、あんなに火花が散ってるわけか」
兵士B「良く言う『会ってはならない二人が出会ってしまった……!』ってやつだな」
戦士「…………」
隊長「…………」
戦士「ばかあほまぬけー! あんぽんたん!」
隊長「うっさいゴミが! この役立たず!」
戦士「相変わらず、人の風上にもおけねぇ隊長様だな! もはや見損ないすぎたぜ!」
隊長「馬鹿同然の貴様に言われても痛くもかゆくもないわ! 愚図め! 木偶め!」
戦士「おれ知ってるぜー、お前みたいなやつ『れーけつ』って言うんだぜー?」
隊長「無能の分際で、塵にも劣る語彙を披露してくれるとは、礼も言いたくないな?」
兵士A「う、うわぁ……」
兵士B「醜い争いとは、まさにこのことだな」
戦士「ほんと最低なやつだよな、あんた! 仕事好きすぎて、人間的な心はどーこにポイしてきちまったんですかぁ?」
隊長「そういう貴様は自分が仕事できなさすぎてることを自覚しろ! 勇者のとこに行っても、役立たずとは嘆かわしい」
戦士「あーっと、あんたが好きなのは、仕事っていうか権力だったな? そんなに偉くなりたいですかー、たいちょーさまー?」
隊長「高い目標をもって何が悪い。貴様はもっと賢さをあげる努力をしろ!」
戦士「王様に尻尾ふって毎日楽しいですかー? さっきから、好き放題言いやがって、ぶん殴ってやるから覚悟しやがれ!」
隊長「力だけが取り柄の力自慢が、おれに敵うとでも? あの日の決着つけてやろうか!?」
兵士A「うわぁああ、隊長ーー! ストップストップ! やめてくださーい!」
兵士B「つーか、取り調べしろよ」
~城・地下牢~
魔王「…………」
魔王(……幾重にも巻かれた鎖。呪いのせいで、引きちぎることは不可だな)
魔王(こんな鉄格子、呪文さえ使えれば、粉微塵にしてやるのに……)
魔王(あれから、どれくらい時間が経ったのだろう。窓もないから、知ることすら叶わん)
魔王(この呪いも、いつ解けるのやら……)
魔王(…………)
魔王(早く、魔王城に帰らねば……)
魔王(あの弱小に、好き勝手される前に……!)
~魔王の部屋~
側近「……命令通りに、人間界にいる全ての魔物を招集しました」
魔王『おう、ご苦労さん』
側近「ただし、広間には全ては入りきらなかったので、大多数は城外で待機しております」
魔王『外の奴らにも、オレの声が届くようになっているか?』
側近「ええ、音波を操る魔物達に、要請済みです」
魔王『相変わらず、仕事が早いなぁ、側近』
側近「…………」
魔王『側近?』
側近「あ、はい、なんでしょう?」
魔王『側近がぼーっとしてるなんて、珍しいな』
側近「申し訳ありません、少し考え事を……」
魔王『どうせ、あっちの魔王の事だろ?』
側近「……!?」
魔王『図星だな。側近は、魔王様のことが大好きだもんなぁ』
側近「…………!」
魔王『まあ、あいつも邪魔するようなら、容赦しないけど……なっ、と』バサッ
魔王『っし、着替え完了。ちょうどいいサイズがあって良かったぜ』
側近「……魔王様のお古ですけどね」
魔王『似合うか?』クルッ
側近「そう、ですね……。生えた角や牙も相まって……、外見は十分、魔王です」
魔王『ははっ、そうか。無性にワクワクしてきたな』
魔王『さーて……、ちょっくら就任演説といきますか』
側近「……皆、一様に驚くでしょうね」
魔王『まあ、顔は勇者の時のままだからな。びっくりされて攻撃されるかも』
側近「可能性は無きにしも非ず」
魔王『だな。とはいえ、そんな奴いたら返り討ちだけど』
側近「…………」
魔王『そんなあからさまに、心配そうな顔すんなよ。半殺し程度にしとくからさ』
側近「……左様ですか」
魔王『オレが、みすみす戦力を減らすような真似すると思うか? じゃ、行ってくるわ』
側近「……どうぞ、お気を付けて」
――バタン
側近「…………」
側近(……演説は、一時間程度。この隙に、魔王様の元へ――)
魔王『おい、側近』ガチャ
側近「!? な、なんですか?」
魔王『お前のことだから、どうせ魔王様のとこに行きたいんだろ?』
側近(考えが、読まれていたか……!)
魔王『行くのは構わないけどさ、演説終わってからにしてくれないか?』
側近「……かしこまりました。そのように……」
魔王『良い子だ。じゃ、今度こそ行ってくる』
側近「行ってらっしゃいませ。私も後ほど――」
――バタン
側近(…………)
また来月くると言って、今日まで遅れてしまいすみませんでした。
今日の更新分はここまでです。
読んでくださった方、どうもありがとうございます。
>>980まで行ったら、次スレを立てようと思います。
それでは、また来週を目標に書き溜めてきます。
今日の更新分はここまでです。
読んでくださった方、どうもありがとうございます。
>>980まで行ったら、次スレを立てようと思います。
それでは、また来週を目標に書き溜めてきます。
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