私的良スレ書庫
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元スレ魔王「俺も勇者やりたい」 勇者「は?」
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青年(しかし、いまの奴ら……勇者一行では?)
従者「海魔人様、あちらをご覧ください……」ヒソヒソ
青年「ん……?」
勇者「…………」
青年(――勇者!?)
青年(間違いない、あいつは勇者だ……)
青年(……しかし、翼竜の話によると、いま魔界の者が勇者に成り代わっているはず)
青年(いっそ、ここで確かめておくべきか?)
青年「毒竜、妹を連れて船内に入っていてくれ」ヒソヒソ
従者「かしこまりました」ヒソヒソ
従者「妹君、しばらく中で休みましょうか」
少女「ええー、嫌ですわ。まだ外にいたいもの」
従者「兄君が、船内の売店で好きなもの何でも買ってあげる、とおっしゃられてますが」
少女「まあ、ほんとですの!? 早く選びに行きましょう!」
青年(なんで僕が、おごることになってるんだ。毒竜……、覚えてろよ……!)
青年(ともかく、妹は行ったか。……さて)
……ザザァン
勇者「…………」
勇者「…………」
青年「Умига Киреидесуне?」
勇者「……!?」バッ
青年「おや、分かりますか、魔界語が。やはり噂は本当だったんですね」
勇者(……こいつ、人間の格好をしているが、魔界の者だな)
勇者(なぜ、俺に魔界語で話しかけた? それに噂とは……?)
青年「表情を見る限り、多少なりとも混乱されてるようですね」
青年「では、混乱を解くために、僕から簡単に自己紹介をさせて頂きましょう」
青年「僕は、魔界の海から来た者です。いま、魔王軍で働いている身で、今日は人間界の視察に来ました」
勇者(……魔界の海から来た者で、人間に化けれるやつといえば、海魔人辺りか?)
勇者(よく見れば、顔立ちに面影があるな……)
青年「あるきっかけで、いま勇者は魔界の者が成り代わっているという噂を聞きました」
青年「戦闘の際に、勇者が魔界語をしゃべったという報告があり、真偽を確かめたかったのです」
勇者(なるほど、昨日の一件が上層部に伝わったということか)
勇者(こんなことなら、迂闊に、魔界語をしゃべらなければよかったな)
勇者「それで、貴様の目的は何だ?」
青年「せっかちな人ですね。とりあえず、ここではない別の所でお話を続けたいです」
勇者「ほう」
青年「貴方にも連れがいて、面倒でしょう? 今晩、二人きりで会うことは可能ですか?」
勇者「…………」
勇者(……話ぶりや、仕草からして、十中八九こいつは海魔人だな)
勇者(お話という名目で、魔王軍の近況を聞きだすことができるかもしれん)
勇者(こいつの目的は不明確だが、まあ付き合って損はないだろう)
勇者「いいだろう。どこで会えばいい?」
青年「そうですね。では、夕方六時に、遊覧船の波止場でいかがでしょうか?」
勇者「分かった」
青年「くれぐれも一人で来られるように。尾行とかされないように、気をつけてくださいね」
勇者「ああ」
青年「では、僕はこれで。また夕方に会いましょう」スタスタ…
勇者「…………」
青年(あの勇者、やはり魔界の者が化けているとみて正解だな……)
青年(変身呪文が使えるということは、魔族か上級魔物だろうか?)
青年(しかしあいつ……、これでもかというくらい、覇気がなかったな)
青年(まるで、なにかショックな出来事の直後みたいな、落ち込みぶりで……)
青年(それほど上の身分ではなさそうだ。没落魔族とか、その辺の出か……?)
少女「あ、お兄様ー!」
従者「遅かったですね」
青年「……何故、中身が溢れそうな買い物カゴを5つも持ってるんだ、妹よ」
本日はここまでです。
読んでくださりありがとうございます。
また今週来ます。
読んでくださりありがとうございます。
また今週来ます。
>青年「Умига Киреидесуне?」
「海が綺麗ですね?」か。別に魔族でもないけど。
「海が綺麗ですね?」か。別に魔族でもないけど。
「目玉焼きにソースと醤油どちらをかけますか?」か。
別にマヨネーズ派だけど。
別にマヨネーズ派だけど。
何で読めるんだ?!って驚嘆したのもつかのま、その下を見て吹き出したどうしてくれる
>>518
ゆで卵「四天王ですらないやつが何を偉そうに…」
ゆで卵「四天王ですらないやつが何を偉そうに…」
>>521
炒り卵「漫画家風情がしゃしゃり出おって!サイン下さい!」
炒り卵「漫画家風情がしゃしゃり出おって!サイン下さい!」
卵かけごはんが俺のジャスティス
宇宙人を肉団子にするのはジャケティス
宇宙人を肉団子にするのはジャケティス
>料理人A「側近様にお断り申し上げたのですが、魔王様きってのお願いと聞き、」
いくらなんでも、これはないだろ。
きって、じゃなくて、たって、だし。
目下の使用人に、お願いする馬鹿がおるかよ。つか、伝言役が翻訳してでも伝えねーぞ、「まおうのオネガイ」なんて。
教養がないのはまだ若いからだろう
いちいち突っ込むのは野暮だよ
いちいち突っ込むのは野暮だよ
いやいや、この魔王なら間違いなく「お願い」してるよ
もっとも、側近がそれをそのまま伝えるとは思えないけどね
もっとも、側近がそれをそのまま伝えるとは思えないけどね
>>524
読点大杉
読点大杉
>>530
ヤメタマエ
ヤメタマエ
>>524
ご指摘ありがとうございます
確かに「きって」と「たって」の用法間違えてました
すみませんでした
× 料理人A「側近様にお断り申し上げたのですが、魔王様きってのお願いと聞き、」
↓
○ 料理人A「側近様にお断り申し上げたのですが、魔王様たってのお願いと聞き、」
あと、まおうのお願いの件ですが、 補足説明というかヒントというか
1.魔王(勇者)は、一人で食事をすることを心細く感じていた(>>344)
2.1を察した側近が、嘘もとい方便で、料理人にその旨を独断で伝えた
3.側近曰く、「たまには私以外の人が食事の場にいたら、寂しい気持ちが紛れるんじゃないかしら」
という感じです
描写不足申し訳ありませんでした
では、投下します
ご指摘ありがとうございます
確かに「きって」と「たって」の用法間違えてました
すみませんでした
× 料理人A「側近様にお断り申し上げたのですが、魔王様きってのお願いと聞き、」
↓
○ 料理人A「側近様にお断り申し上げたのですが、魔王様たってのお願いと聞き、」
あと、まおうのお願いの件ですが、 補足説明というかヒントというか
1.魔王(勇者)は、一人で食事をすることを心細く感じていた(>>344)
2.1を察した側近が、嘘もとい方便で、料理人にその旨を独断で伝えた
3.側近曰く、「たまには私以外の人が食事の場にいたら、寂しい気持ちが紛れるんじゃないかしら」
という感じです
描写不足申し訳ありませんでした
では、投下します
~魔王の部屋~
魔王「オレはやれば出来る子、オレはやれば出来る子、オレは……」ブツブツ
側近(……心配になって様子を見に来てみれば、意外とはかどっているご様子)
側近(やはり、食べ物で釣ったのが効いたみたいですね)
側近(次は、夕食に呼ぶ時にでも、様子を見に来ましょうか)ス…
魔王「よーし、大分さばけてきたな。次の書類は、と……」
『 ……歴ц月における 魔物狩猟家の横行と被害報告書 』
魔王「……これは?」
~遊覧船・波止場~
僧侶「戦士さん、大丈夫ですか?」
戦士「おう……、もう揺れてない地面の上だからな」
魔法使い「でもヘロヘロじゃん。だらしなーい」
勇者「みんな、少し聞いてほしいことがあるんだが……」
僧侶「へ?」
戦士「んん?」
魔法使い「なに?」
:
:
戦士「……自由行動ぉ?」
勇者「そうだ。夜10時まで各自、自由行動の時間とする」
魔法使い「珍しいじゃん、パーティーじゃなくて個別行動OKにするなんて」
勇者「たまにはこういうのもいいだろう。良い息抜きになるんじゃないか?」
僧侶「あの……、どこでも行っていいんですか?」
勇者「10時までに、宿屋に戻ってくるならどこへ行こうと構わん」
戦士「よーし、せっかくだから酒場でも行ってくるか!」
僧侶「私は……、どうしようかな……」
魔法使い「あたしはお土産でも買ってこようかなー」
勇者「では、ここで解散だ。宿屋はとっておくから、好きなところへ行くといい」
戦士&魔法使い「了解ー」
僧侶「…………」
魔法使い「というわけでさ、勇者ちゃん。お小遣いおくれー」
勇者「む?」
戦士「そうだぜ、文無しじゃ酒飲めねぇ」
僧侶「あ、私も少し欲しいです……」
勇者(個別行動にすると、こういう弊害も出てくるのか……)
勇者(まあ、仕方ないか。背に腹は代えられん)
勇者「では、一人200Gだ。これで足りるな?」
魔法使い「わーい、ありがと。勇者ちゃん」
戦士「サンキュー。一杯目は、何にすっかなー」
僧侶「充分すぎるくらいです。ありがとうございます」
勇者「ちなみに、釣り銭が余ったら、返すように」
魔法使い(ちぇっ、変なとこしっかりしてるなー……)
勇者「…………」
勇者「…………」
勇者「……みんな行ったな」
勇者(しかし、夕方までまだ時間があるな……)
勇者(……何してよう)
勇者(ひとまず、宿屋をとって、部屋で休憩でも……)
勇者「…………」
勇者「…………」
勇者「…………」
勇者(いや……、その前にもう一周遊覧船に乗っておこう)ワクワク
~南の港町・宿屋~
少女「きゃー! 私、宿屋初めてですわー!」
青年「こら、妹。走り回らない」
主人「一晩36Gですが、お泊りになりますか?」
従者「はい」
主人「では、ごゆっくりお休みください」
少女「見てみて、お兄様ー。この宿屋、お魚もお泊りできるみたいですわ!」
青年「いや、その魚は水槽で飼われてるだけで、宿泊してるわけじゃないぞ。断じて」
少女「宿屋って広いんですねー」
青年「そうだな」
少女「あ、窓から海が見えますわ!」
青年「港町だからな」
少女「まあ、さっきの遊覧船がまた走ってますわー。すてきー」
青年「…………」
青年「毒竜、ちょっと……」
従者「何ですか、海魔人様」
:
:
従者「なるほど、では夕方六時には、勇者に会いに行くということに」
青年「ええ、ですからそれからの時間、妹を見ていてほしいんです」
従者「かしこまりました」
青年「日付が変わる前には戻ります。こんなことばかり頼んで、申し訳ありませんが……」
従者「自分は構いません。今朝、貴方を刺してしまった詫びにしては、足りないくらいです」
青年「……そうですか」
従者「六時までは、まだ時間がありますね? では、自分は市場でも見て参ります」
青年「え? 僕らと一緒にいないんですか?」
従者「せっかくの兄弟水入らず。妹君と二人きりで、楽しんであげてください」
青年「……すみませんね、気を遣わせてしまって」
従者「無理言ってついてきたのは、自分ですから。では、これにて……」スタスタ
少女「あら、お兄様。毒竜様はどこへ行かれるのですか?」
青年「市場に行くんだってさ。夕方にはまた戻ってくるよ」
少女「そうですか」
青年「それより、これからどうする? 久々に一緒になれたわけだが」
少女「そうですわねー。また、お外に出てもいいんですけど……」
少女「その前に、お兄様に髪をとかしてほしいですわ!」
青年「ん、わかった」
~南の港町・市場~
商人A「安いよ安いよー!」
商人B「今朝あがったばかりの鮮魚ばかりだぞー!」
魔法使い「さすが港町。魚介類が多いわねぇ」
魔法使い「でも生鮮食品だと、腐るのが怖いし……」
魔法使い「スルメとか干物とかでいいかな?」
従者「そこの『おさかなさんクッキー』ください」
商人C「はいよ、15Gだ」
魔法使い「おさかなさんクッキーとなッ!?」
従者「……何か?」
魔法使い「い、いえ別に」
魔法使い(良い年した大人の男が、おさかなさんクッキーって……普通にウケるんですけど!)
商人C「お、姉ちゃんもいるかい? 魚の形したクッキーだぞ」
魔法使い「あー……。じゃ、じゃあ見てみます」
従者「ふむ、美味ですね」バリボリ
魔法使い(店の前で早速食べてる……。大物だわね、こいつ)
魔法使い「……へー、いろんな魚の形があるのね。これは、クジラかな?」
商人C「あたりですよ。全12種類の魚を模し、バター味、チョコ味、イチゴ味の三種の味の詰め合わせ!」
従者「チョコ味が美味しいです」ボリボリ
商人C「さらに、お子様に優しくカルシウム配合! 加えて、DHA配合で、骨も頭もよくなるクッキーだ!」
魔法使い「むう、なかなかやるじゃない」
魔法使い(……もっと港町ーって感じの探そうかとも思ったけど、)
魔法使い(まあ、こういうのって“あの人”好きそうだし……)
魔法使い「じゃ、お一つください」
商人C「まいどあり! 15Gだぜ!」
従者「自分も、もう一つください」
魔法使い(もう食べ終わってる!? 21枚入りなのに!)
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