私的良スレ書庫
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元スレ魔王「俺も勇者やりたい」 勇者「は?」
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こっそり生存報告。お待たせしてしまってすみません。
今後の展開に合わせて伏線+プロットを構築中です。
書き溜めが区切りのいいところまで行ったら、また更新に来ます。
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一か月もお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした。
待っててくださった方々、ありがとうございました。
これより投下します。
待っててくださった方々、ありがとうございました。
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~魔物の隠れ里・入口~
戦士「うわっ……、ひでぇなこれ。村の入り口がめちゃくちゃじゃねえか」
僧侶「奥の家屋まで半壊して……、火の手が回ってないのが、せめてもの幸いでしょうか」
魔法使い「畑も道も踏み荒らされてる。……けっこうな人数が攻めてきたみたいね」
僧侶「それにしても勇者様、この村は……? 初めて来ましたけど」
勇者「 」
僧侶「……勇者様?」
勇者( だれが、こんな―― )
???「うわぁああああああああ!」
勇者「!?」
子供E「ゆ、ゆうしゃだ! おまえも、村をおそいにきたのか!?」
勇者(生存者がいたのか! それにしても、おまえ「も」だと――?)
戦士「なんだあいつ! 魔物の子供か?」
僧侶「ということは、ここは魔物の村……?」
魔法使い「ちょっと君ー、お姉さん達に教えて欲しいことあんだけど……」
子供E「うるさい! ニンゲンなんか、信用できるか! よくも村をメチャメチャにしてくれたな!」
まもののこども は じゅもんをとなえた!
せんしに 34のダメージ! ▼
戦士「うわわっ!? あいつ冷気呪文使えるのか!」
魔法使い「小さくても魔物ってわけね」
僧侶「あの! 落ち着いてください! 私たちに敵意はありません!」
子供E「うるさーい! ニンゲンなんかだいっきらいだーーー!」
勇者(気が動転して、攻撃的になっているようだな。説得が通用するか不安だが……)
勇者「よせ! 俺は、お前たちの味方だ! ここを襲いに来たわけではない!!」
子供E「ふざけんな! ニンゲンの……それも、勇者の言う事なんか信じられるもんか!!」
勇者(やはりか……。こうなったら……)
勇者(変身、解除――!)カッ
子供E「え!?」
戦士「うぉっまぶしっ!?」
僧侶(勇者様の体が、輝いて――!?)
魔法使い(どういうこと!? 勇者を中心に、凄まじい魔力のうねりが……!)
「……久々に、元の姿に戻ったな」
戦士「な、なにっ!?」
僧侶「そんな……! まさか……!」
魔法使い「――マジ?」
子供E「あ、……あぁっ!!」
魔王「さて、我が同胞よ。――この姿を見て、まだ疑うつもりか?」
子供E「 まおーさま!! 」
魔王「よし、それでいい」
僧侶(これは、現実なの?)
僧侶(あの方の正体が、魔王だったなんて……!)
僧侶(それじゃあ、本物の勇者様はどこに!?)
魔法使い(師匠ー、師匠ー。助けて師匠ー)
魔法使い(私、自分のかしこさに自信はあったけど、さすがにこの展開は……ねぇ)
魔法使い(読めなかったし、ついていくのに一苦労だわー)
魔法使い(ていうか、魔王よね、あれ。それじゃあ、なんで――)
魔法使い(なんで、あの時、伝説の剣を装備できたの……?)
戦士(し、知らなかった……!)
戦士(勇者と魔王って同一人物だったのか!!!)
戦士(え、じゃあ、魔王城で戦ってた魔王は……?)
戦士(まさか、影武者ッ!!?)
子供E「よかった! まおーさまが来てくれたら、ニンゲンなんか怖くないや!」
魔王「ああ、安心しろ。それより、この隠れ里を襲ったのは誰の仕業だ?」
子供E「ニンゲンだよ! ニンゲンが大勢で攻めてきたんだ!」
魔王「そうか人間か。わかった、そいつら一人残らず皆殺しだな」
戦士「待て待て待てーい! 年端もいかぬ坊ちゃんと物騒な話をするんじゃない!」
僧侶「あの、えっと、魔王様にいろいろお聞きしたいことが!!」
魔法使い「なんで勇者のフリなんかしてたのさ! 本物はどこよ! ってか、ここどこなわけ!?」
魔王「少し黙ってろ、俺はいまこの子と話しているんだ。貴様らの相手は後だ」
僧侶(意外……。魔王様って子供にやさしいんですね)
子供E「でも、まおーさま。さっき、そっきんさまと広場に行ったよね。どうして戻ってきたの?」
魔王「 なに? 」
魔王(それは、つまり――)
魔王(勇者もここに来ているのか?)
魔王(だとしたら、奴は今頃人間共を相手に――)
魔王(だが、奴が大勢の人間を前に、里の魔物たちを守りながら、十分に戦えるだろうか)
魔王(……否、だな)
魔王(俺が行くしかないようだ)
魔王「広場に急ぐぞ!」
子供E「あ! 待って、まおーさま!」
戦士「うおーい! 待て待て! おれ達を置いていくなっつーの!」
僧侶「魔王様、まだお話の途中です!」
魔法使い「質問ぐらい答えなさいよ、こらーー!」
魔王「走りながら話す! ついてきたければ、ついてこい!」
魔法使い「もー! 今日ずっと走りっぱなしじゃんよー!!」
~村はずれの小屋~
大賢者「…………」コポコポ
大賢者「…………」ズズズ…
大賢者「……うん」
大賢者「今日の薬草茶は格段と美味――」
大賢者「――――――――」
大賢者「 産声が、 聞こえる 」
~魔物の隠れ里・広場~
勇者(……そうか、オレ、元の姿に)
子供A「ねえねえ、そっきんさま! まおーさま、いなくなっちゃったよ!」
子供B「まおーさま! まおーさまはどこにいったの!?」
子供C「あのひと……、ゆうしゃ?」
側近(……今更、変身呪文をかけ直しても遅いか。到底、ごまかしきれない)
側近(私やエルフが助太刀に行ってしまったら、この子達を守る者がいなくなる)
側近(この子達が、無事でいられるか、この隠れ里が、守られるかは、)
側近(全て、勇者次第――)
隊長「魔導士……、奴は一体……!?」
宮廷魔導士「それはこちらのセリフです。さっき、城で会ったはずの勇者様がなぜここに……」
王様「……貴様、本当に勇者なのか?」
勇者「…………」
勇者「信じてもらえないかもしれないけれど、正真正銘、オレは勇者だ」
勇者「訳あって、魔王の呪文で姿を変えられていたんだ」
勇者「だから、ここ最近王様達が会ってた勇者は、呪文で姿を変えた魔王だったんだよ」
隊長「俄かに、信じがたいな……」
宮廷魔導士「しかし、確かに先ほど出会った勇者様は、いつもと雰囲気が違ったような……」
王様「そもそも、なぜお主と魔王は、お互い姿を変えていたのだ?」
勇者(……魔王曰く「暇つぶし」だけど、これ言ってもいいのかなぁ。魔王の名誉的な意味で)
勇者(…………)
勇者(まあ、一応伏せておくか)
勇者「理由はオレにも分からない。そんなことより、オレにも聞かせてほしいことがある」
勇者「王様たちは、この隠れ里に何の用があってきたんだ? なんで突然、襲撃なんか……」
宮廷魔導士「理由は、大きく分けて、二つですね」
宮廷魔導士「一つは、この魔導兵器の威力のテストです」
宮廷魔導士「長年の研究の末、最初は図面でしかなかった兵器が、ようやく形となったのです」
宮廷魔導士「代々、城内の研究者や学者、魔導士に継がれて、実に500年の歳月を要したのですよ」
宮廷魔導士「そして、ついに完成の時が来た。だから試した」
宮廷魔導士「他に、何か不明な点が?」
勇者「ある!」
宮廷魔導士「では、どうぞ仰ってください」
勇者「兵器のテストまでは分かる。けど、なんでこの里を狙ったんだ!」
勇者「ここにいる魔物たちは何も悪さしていないだろう? それに子供ばっかりだ」
勇者「どうしてここを……」
王様「愚問だな。――魔物は、非常に利用価値がある」
勇者「!?」
王様「魔物は、魔術の実験材料にもできるし、武具の材料にもなる」
王様「捕えて研究すればするほど、我々は魔物に対して有利な立場になれる」
王様「お主らが普段使っている装備品も、全てではないが、魔物の皮や骨、角、牙などを活用して作られている」
王様「この完成したばかりの魔導兵器だって、強力な魔物を素材に造られている」
王様「そして、成体の魔物よりも幼体の魔物の方が、はるかに捕えやすい」
王様「加えて、この里には、そんな幼い魔物が山ほどいる」
王様「あとは、もう分かるな? なぜ我々が、この里を襲ったかは」
勇者「……ッ!」
側近(……さしずめ、この里の場所を教えたのは、魔物狩猟家でしょうね)
側近(結界が張られているから、侵入はできないものの、王国に報告だけした……、そんなところかしら)
側近(まさか、このタイミングで襲撃してくるなんて、思ってもみなかったけれど……)
王様「さて、お互いの疑問が解消したところで、勇者――」
勇者「……なんだ?」
王様「わしらに協力してはくれんか? まだ魔物の残党がいるはずだからな」
勇者「……!?」
勇者「ふざけんな! そんなこと出来るわけないだろ!!」
王様「なぜだ? 魔物を捕えれば、強い武具が作れるやもしれんのだぞ?」
勇者「オレが、魔物の子供を材料に使った武具を、喜んで使うとでも――?』
王様(うっ……!?)
隊長(……こいつ! なんだ、この殺気染みた威圧感は)
宮廷魔導士(勇者の奴、あんな目ができたのか――?)
王様「まあいい、魔物ごときに、なぜそこまで肩入れするかは理解に苦しいが……」
王様「勇者よ、何か勘違いしてはおらぬか?」
勇者「何をだ?」
王様「お主は、わしらを目の敵にしているようだが、貴様にも責任の一端があるのだ」
勇者「どういうことだ!」
王様「もしもお主が、さっさと魔王を退治していたなら、この里を襲撃する必要は無かったということだ」
勇者「なっ……!?」
王様「お主がノロノロしているせいで、魔王は未だに我がもの顔で、魔物をこの地に蔓延らせておる」
王様「お主が、早く魔王を倒してくれたなら、わしらも武具や兵器を作る必要はなかった」
王様「この強力な魔導兵器は、多少の心得さえあれば、誰でも作れる」
王様「大量生産すれば、この兵器で魔王を倒すことも容易いだろう」
王様「進歩の遅い勇者は頼りにならん。だが、魔導兵器や武具を強化すれば、勇者よりは頼りがいがある」
王様「まだ分からぬか?」
王様「この里の惨劇を引き起こしたのは、勇者――貴様が弱いせいでもあるのだ」
勇者「 」
( なんだよ、それ )
( オレが弱いせいだって? )
( 魔物の子供たちが泣いているのも、里が破壊されているのも、 )
( オレが弱くて、まだ魔王を倒せていないから――? )
( じゃあ、オレはどうすればいいんだ )
( 強い勇者になれば、世界は救われるのか? )
( だが、それじゃあ、魔物の平和はどうなる )
( 人間を守ろうとすれば、魔物の平和が乱れる )
( 魔物を守ろうとすれば、人間の平和が乱れる )
( オレは…… )
( オレは…… )
( それなら、オレは―― )
王様「さあ、勇者。分かったのなら、我々に協力を……」
勇者『 断る 』
王様「ぬぅ!?」
隊長「あいつ、また……」
宮廷魔導士「不可解、ですね」
側近(……勇者?)
勇者『オレは、お前らなんかに、協力しない』
勇者『強くなるためだからって、弱い魔物の子供を狙うゲス共に、誰が協力するもんか』
勇者『オレが守りたかったのは、お前らみたいなゲスじゃない』
勇者『オレが守りたかったのは、弱き者や小さき者、何よりも――』
勇者『 平 和 を 守 り た か っ た ! 』
側近(これは――!)
側近(勇者を中心に、ほとばしるほどの魔力が渦巻いている……!)
側近(それも、なんて力強い魔力! まるで――、)
勇者『もう、勇者なんかやめだ』
勇syあ『そんなことしても、世界は平和になんかならない』
mユusyお『だから決めたぜ。オレはこれから、この愚図だらけの世界を再建する』
王様「い、いったい、何が起きている!?」
兵士A「見ろ、勇者の姿が変化していくぞ!」
兵士B「ああっ! 勇者の頭から、二本の角が!」
兵士C「角だけじゃなく、……牙まで生えてきたぞ!」
兵士D「信じられん、体格まで、一回り大きく……!」
側近(魔力に合わせて、あの姿はまるで――魔族。否、むしろあれは――!)
王様「お前は、お前は……、いったい何者なんだ!?」
mAyぅ王『ははは、見て分かんねぇのかぁ?』
魔王『 ――オレは、魔王だ 』
今日はここまでです。
読んでくださりありがとうございます。
また来週か、再来週に来ます。
読んでくださりありがとうございます。
また来週か、再来週に来ます。
ちょっとちょっとちょっとwww
まじ展開が胸熱すぎて背筋ぞくぞくしたwwww
この先どうなるんだろ。
楽しみだ!おつ!
まじ展開が胸熱すぎて背筋ぞくぞくしたwwww
この先どうなるんだろ。
楽しみだ!おつ!
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