私的良スレ書庫
不明な単語は2ch用語を / 要望・削除依頼は掲示板へ。不適切な画像報告もこちらへどうぞ。 / 管理情報はtwitterでログインするとレス評価できます。 登録ユーザには一部の画像が表示されますので、問題のある画像や記述を含むレスに「禁」ボタンを押してください。
元スレ魔王「俺も勇者やりたい」 勇者「は?」
SS+ スレッド一覧へ / SS+ とは? / 携帯版 / dat(gz)で取得 / トップメニューみんなの評価 : ★
レスフィルター : (試験中)
~村はずれの小屋~
大賢者「魔力の、胎動を感じる」
大賢者「…………」
大賢者「聞こえますか? 使い魔の皆さん」
大賢者「ええ、あの夥しい魔力の出所を、いち早く知らせてください」
大賢者「どうやら、狭い小屋で腐るのも、そろそろ終わりみたいです」
大賢者「わたしも、いい加減、動くことに致しましょう――」
~魔物の隠れ里・広場~
隊長「ばっ、馬鹿な……! あり得ない!!」
宮廷魔導士「信じられん、只の人間が、魔の眷属に変貌するなんて――ッ!」
王様「魔王だと……! ふざけるのも大概にしろ勇者ぁッ!!」
魔王『ハハッ、アンタらには、これがふざけてるように見えるのか?』
魔王『残念ながら、正真正銘、嘘偽りなく、――オレは本気だぜ』
王様「ぬぅううッ!」
魔王 ((それにしても、不思議な感覚だ。底知れない力が、湧いてくる……))
魔王 ((妙に頭も冴えているし、心も体もすっきりしてる))
魔王 ((まるで、体のなかの使い古したものが、ごとりと新品に変わっちまったみたいだな))
魔王 ((毒矢の麻痺の効果も消えたみたいだ。楽に動ける……))
魔王 ((……今更すぎるが、オレの体に何が起きてるんだ?))
魔王『……ふはは』
魔王 ((まあ、どうでもいいか))
魔王 (( だってオレ、もう勇者じゃないし ))
側近「 」
側近(声が、うまく、出てくれない)
側近(……こんなことが、あっていいのか?)
側近(勇者が、魔王に変貌しただと!?)
側近(一体何が原因で……!? そもそもあいつは、なぜあんなことを言い出した!?)
側近(お前は勇者のはずだろう? なぜ突然、魔王などと――)
子供B「……そっきんさま」
側近「……不安がる必要はありません、きっと大丈夫」
側近(もはや、私では手に負えない……。魔王様……、今何処に……?)
魔王『さーて、気分一新すっきりしたところで、そろそろ攻守交代といくか?』
隊長「ふん、勇者の力量などたかが知れてる。もう10発ほど、毒矢を浴びていくか?」キリリ…
宮廷魔導士「変身したところで、この魔導兵器に敵うと思わない方が賢明ですよ、勇者様」フィイイイイ…
魔王『……わかってねぇな、お前ら』
たいちょうは さみだれうちをはなった!
ミス! まおうはダメージを うけない!
ミス! まおうはダメージを うけない!
ミス! まおうはダメージを うけない!
ミス! まおうはダメージを うけない! ▼
隊長「な、なにぃ!?」
宮廷魔導士「全ての矢を剣で叩き落としただと!?」
魔王『別に全部避けても良かったんだが、なにせ、すこぶる調子がよすぎてな……』
魔王『――剣を振り回したくて、しょうがないんだよ』ニタァ
隊長(うっ……!)ゾワッ
隊長(このおれが、恐怖で動けなくなるだと……!?)
隊長(奴め、なんて笑い方しやがる……!)
宮廷魔導士「隊長殿、お下がりください! 装填が完了致しました!」
隊長「く、頼むぞ魔導士!」
魔王『そう何度も、撃たせてたまるかよ――』
――シュッ
宮廷魔導士「――え」
魔王『よお、お隣失礼?』
宮廷魔導士(い、いつの間に!? 速すぎて見えなかった!)
魔王『お前が兵器を操ってるんだよな? ほら、どいてろ』バシッ
宮廷魔導士「うぐぁっ!」ドサッ
隊長(く、いまのは足払いか……。なんて無駄のない動きだ……)
魔王『さーて、あとはこいつだな』チャキ…
魔王『覚悟しろ、鉄くず。よくも、里をめちゃくちゃにしやがったな――?』
――ヒュッ ――バキャァッ!!
隊長「な、なにぃ!?」
宮廷魔導士「馬鹿な! 魔導兵器を一刀両断しただと!?」
王様「ば、化け物……ッ!」
魔王『ははは! 思いっきりやるのはいいもんだな! 清々しい!』
魔王『さーて、お次は――』
魔王『 お前らが、“こう”なってみるか? 』
隊長「――ッ!?」
宮廷魔導士「うぁあ……!」
王様「ひぃ! た、助け――!」
「待て――――ッ!!」
王様「!?」
側近(今の声は!)
魔王『あぁン?』
魔王「この場にいる全員に、答えてもらう」
魔王「我が同胞の里で、好き勝手しているのは、どこのどいつだ――?」
王様「なにぃ!」
隊長「なんてことだ! 魔王だと!」
宮廷魔導士「もはや、なにがなんだか――」
側近( ! )
側近「エルフ、子供たちを頼む!」
エルフ「……!? 了解しました、側近様!」
魔王 ((……へぇ、ずいぶんと久しぶりに会うな))
側近「魔王様! ご無事でしたか!」
魔王「側近か。お前も無事で何よりだ。なにがあった?」
側近「それが――」
戦士「うぉおおお! なんじゃこりゃああ!」
魔法使い「うそ! なんで王様いんの!? ていうか、え、まさか――」
僧侶「勇者、様? ……そのお姿は、いったい」
魔王『よお、みんな。元気そうで良かった』
戦士「あれ? 勇者、お前、角なんか生えてたっけ?」
魔法使い「……なーんか、しばらく見ない内に、変わったわねぇ。特に、魔力の量が……」
僧侶「勇者様……、いったい何があったんですか?」
魔王『……話すと、長くなるんだよな』
魔王『だから、オレが言いたいことだけ言うわ』
魔王『悪いな、みんな。――オレ、勇者やめることにした』
戦士「は……?」
魔法使い「……?? なに、それ、」
僧侶「…… 、 うそ 」
魔王「――勇者をやめた、だと? 貴様、どういうつもりだ?」
魔王『えー、分かんねーのか? じゃあ、分かりやすく言い直してやるよ』
魔王『オレさ、勇者なんか真面目にやっても、世界は平和にならないことが分かったんだ』
魔王「…………」
魔王『そんなことしても、下衆同然の人間はいなくならないし、魔物の平和は保障されない』
魔王「…………」
魔王『魔物や魔王を倒しても、真の平和は訪れない。それなら、世界を変えるしかない』
魔王「…………」
魔王『そこで、お前に頼みがある』
魔王「…………」
魔王『 このオレに、魔王をやらせろ 』
魔王「 ――そいつは、聞けぬ頼みだな 」
長らくお待たせしてしまいすみませんでした。
今日の更新はここまでです。
いつも読んでくださり、有難うございます。
近頃、月一更新になりがちですが、
なるべく2週に一度のペースを目処に、執筆できるよう努めます。
それでは皆様、メリークリスマス。
今日の更新はここまでです。
いつも読んでくださり、有難うございます。
近頃、月一更新になりがちですが、
なるべく2週に一度のペースを目処に、執筆できるよう努めます。
それでは皆様、メリークリスマス。
乙です
大賢者も動くみたいだしどうなるのか楽しみ
続きも気長に待ってる
大賢者も動くみたいだしどうなるのか楽しみ
続きも気長に待ってる
乙でした
安心しろ、2ヶ月くらいなら俺の体力でも舞ってられる
安心しろ、2ヶ月くらいなら俺の体力でも舞ってられる
魔王になった勇者・・・・・・
魔界の食べ物でってのは無いよね・・・・・・
魔界の食べ物でってのは無いよね・・・・・・
勇者母「あら……」
勇者母「いやだわ。あの子のお気に入りのカップ、取っ手がとれちゃった」
勇者母「…………」
勇者母「今頃は、みんな魔王城に着いてる頃かしら?」
勇者母「あの子、魔王城でも元気にしてるといいんだけれど」
勇者母「…………」
勇者母「無事に、――帰ってきてくれるわよね?」
~魔物の隠れ里・広場~
魔王『…………』
魔王「…………」
魔王『…………』
魔王「…………」
僧侶(二人とも、睨みあったまま動かない……。怖い……)
僧侶(それより、勇者様。なぜ魔王になんかなろうと……)
僧侶(……勇者様、どうして)グスッ
魔法使い(あーあー、下手に口出しできない空気が漂ってるわー)
魔法使い(真の平和がどうたら言ってたけどさぁ、それって、魔王になれば解決する問題なの?)
魔法使い(……なーんてツッコミも、まともにできなさそうな雰囲気。やだなー、息がつまりそう)
戦士(…………)
戦士(…………)
戦士(……なるほど、そうか)
戦士(……そういうことだったのか)
戦士(ようやく、分かったぜ)ニヤリ
戦士(どうやらこの現状――、おれが考えたところで、どうにもならないらしい!!)
側近(誰もが、固唾を呑んで、見守っている)
側近(人間の王も、兵士たちも、勇者の仲間も、里の者たちも……)
側近(魔王様は、どうなさるのだろう?)
側近(勇者が、万が一にでも魔王になったら、魔物や魔界はどうなるのだろう?)
側近(そして、魔物の私が、心配すべきことなのか疑問だが、)
側近(この世界は、一体どうなってしまうんだ――?)
魔王『…………』
魔王「…………」
魔王『……ふっ』
魔王「……?」
魔王『ははは! やっぱりそう来るよなぁ!』
魔王「何がおかしい?」
魔王『いや、あまりにも予想通りの反応でさぁ。こうも見事に速攻拒否られるとは』
魔王「当然だろう。貴様が魔王になったところで、俺になんのメリットがあるんだ?」
魔王『馬鹿かお前。オレがいつ、損得の話なんかしたんだ?』
魔王「なに?」
魔王『思い知らせてやるぜ。これが取引なんかじゃねぇってことを――!!』ダッ!
魔王「……要は、力づくってことか。魔王にしては、短絡的だな」
魔王『んん? オレに勇者やらせろって言った、どっかの誰かさんも、同じ手を使ってなかったっけ?』
魔王(剣を突きの型で構えての猛進――。勇者だった頃よりも、足が速くなっている)
魔王 ((あいつ、剣に手をかけない、か。となると狙いは、回避してからカウンターだな?))
魔王(真っ直ぐに突っ込んでくる馬鹿は、横に避けて、軽く小突――!?)
――ズシャァ!
魔王(飛び込んでこない!? 目前で急ブレーキだと!)
魔王 ((オレが突進をやめたせいで、案の定、回避のタイミングを失ったな))
魔王(どういうことだ? 今までの弱小の動きと違う!)
魔王 ((暗黒剣士と、特訓しててよかったぜ。さぁて、一泡吹かせてやろうか――))
前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 次へ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitterで / SS+ スレッド一覧へ
みんなの評価 : ★類似してるかもしれないスレッド
- 魔王「お前、実は弱いだろ?」勇者「……」 (333) - [48%] - 2016/6/11 10:15 ★
- 提督「俺の嫁艦をバカにすると言うのか?」 (218) - [47%] - 2016/3/17 7:15 ☆
- 魔王「助けてくれぇ勇者ぁ!」 (76) - [45%] - 2018/10/15 2:47
- 姫「疲れた、おんぶして」勇者「はいはい」 (815) - [45%] - 2012/7/11 15:45 ★
- 上条「そろそろ怒っていい?」 イン「ん?」 (465) - [43%] - 2011/5/30 6:31 ★★★
- 魔王「余は何をやっておるのだ……」 (827) - [42%] - 2012/1/15 14:30 ★
トップメニューへ / →のくす牧場書庫について