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    元スレ勇者「すごい美人で有能な僧侶と魔法使いをお願いします」

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    351 :

    ゲスっぷりが素晴らしいな

    352 = 342 :

    エルフ「は……?」

    勇者「普段からガード固いくせに……更に強化するとか……マジで勘弁してくださいよぉぉ……」ウルウル

    魔法使い「……」

    僧侶「勇者様……私に抱きつかれるの……お嫌いじゃないんですか?」

    勇者「なんで?!むしろ好きですよぉ!!!」

    僧侶「そ、そうですか……よかった……」ホッ

    魔法使い「待って」

    勇者「なんですか?」

    魔法使い「あの……その……なんて言ったらいいか……分からないんだけど……」

    エルフ「サイテー……こんな人間が勇者って……」

    僧侶「あの……きっと勇者様にもお考えがあってのことでは?」

    魔法使い「考えって!!たった今、本音を語ったじゃない!!!」

    僧侶「目に見えること全てが本質とは限りません」

    エルフ「やけに肩持つね。何かあったの?」

    僧侶「い、いえ……私は勇者様のことを信頼しているだけでして……」

    353 = 342 :

    勇者「流石ですね。貴女の側室度が5ポイント上がりました」

    僧侶「わーい」

    魔法使い「ちょっと!!!なによその不愉快なポイントは!!」

    勇者「ええい!!とにかく、今のままで何も問題はありません!!!」

    魔法使い「嘘でしょ……」

    勇者「本当です」

    エルフ「ボクはどっちでもいいけど……どうする?」

    勇者「……」

    魔法使い「……私はまだいいわ。でも、こっちはどうするのよ」

    僧侶「わ、私ですか?」

    魔法使い「この子は常に魔力が漏れている状態、休んだり食事をとったりしないと1時間ほどで魔力が無くなるのよ?」

    勇者「……」

    魔法使い「今後、内部が複雑な塔や洞窟を探索するようなことがあればどうするの?」

    勇者「そのためにエルフ族を仲間にしたのですが?」

    魔法使い「おい!!!いい加減にしなさいよ!!!」

    354 = 342 :

    僧侶「えっと……勇者様……私は……不必要ということですか?」

    勇者「何を言っているのですか。貴重な側室候補なのに、必要ですよ」

    僧侶「ゆうしゃさまぁ……」

    エルフ「あのー……」

    魔法使い「あのねえ!!!!」

    勇者「とまあ、冗談はこれぐらいにして」

    エルフ「どういうこと?」

    勇者「定期的に魔術を施しても一時的にしか効果が得られないのであれば、労力の無駄遣いでしょう」

    エルフ「それは……」

    魔法使い「……」

    勇者「もっと効率のいい方法はないですか?―――例えば普段は魔力漏れを完全に遮断し、治癒が必要なときだけそれを解放させるとか」

    僧侶「いいですね」

    勇者「ええ。それなら長時間の活動もできるようになります」

    エルフ「なるほど。うん。それなら魔力を封じる装飾品を身につければできるかもしれない」

    魔法使い(反論したいけど……できないわ……悔しい……)

    355 = 342 :

    勇者「では、その方法で試してみましょう」

    エルフ「わかった。じゃあ、作業に集中できる場所に行きたいのだけど」

    勇者「それなら街に向かいましょう。宿屋で道具の製作を」

    エルフ「街……か……」

    勇者「……?」

    僧侶「この道をまっすぐいけば着くはずです」

    魔法使い「これからのこともそこで考えたほうがいいわね」

    勇者「はい。情報収集もしないといけませんし」

    僧侶「あの……勇者様」

    勇者「なんでしょうか?」

    僧侶「人身売買を行っている組織のことご存知ですか?」

    勇者「人身売買?」

    魔法使い「ちょっと」

    僧侶「今から行く街にその組織があると……噂で……」

    勇者「……」

    356 :

    魔法使いちゃんのストレスがマッハ

    357 = 342 :

    魔法使い「それ今、言っても仕方ないでしょ?」

    僧侶「でも、私は放っておけません」

    勇者「人身売買……ですか。組織ぐるみでそんなことを」

    僧侶「もしかしたらエルフ族を拉致している人もいるかもしれません。いえ、きっと居ます」

    エルフ「だろうね。人間はそういう生き物だ。見方によってはボクだって誘拐されたようなものだし」

    勇者「営利誘拐です」

    エルフ「はっきり言わないで」

    勇者「わかりました。勇者としてもそのような非人道的行為を看過することは出来ません」

    僧侶「ありがとうございます」

    魔法使い「でも、裏世界の話よ?どうやって調べるの?」

    勇者「裏世界の人物に聞けばいいだけの話です」

    僧侶「どうやって……?」

    勇者「こちらには今、いいエサもありますし。ね?」

    エルフ「え?」

    魔法使い「まさか……」

    358 :

    多分、勇者にはちゃんと考えがあって、展開的にも丸く収まるんだろうけど、
    ストレスを与え続けてロクなフォローしない時点で、マジでイカれてるんだろうな

    359 = 342 :

    ―――街 宿屋 寝室

    エルフ「完成。できたよ」

    僧侶「このブレスレットが魔力を封じる……」

    エルフ「そう。名づけて魔封じの腕輪」

    魔法使い「そのまんまね」

    エルフ「うるさい。道具の名称なんて分かりやすいほうがいいに決まっているからね」

    魔法使い「そういう魔法の道具を精製するのもエルフの専売特許なの?」

    エルフ「魔法に関する全てのモノはエルフ族発祥。厳密に言えば、魔族発祥だけど」

    魔法使い「ふーん。じゃあ、店で普通に並んでいる魔法の杖とかもそうなのね」

    エルフ「多分、そういうのはレプリカじゃないかな」

    僧侶「これ、可愛いですね。ありがとうございます」

    エルフ「ふん……」

    魔法使い「ねえ……?」

    エルフ「なに?」

    魔法使い「どうしてついてきたの?アナタなら無理についてこなくても……」

    360 = 342 :

    エルフ「脅されたの聞いてたでしょ?」

    魔法使い「ええ……でも……」

    エルフ「……」

    魔法使い「あんな最低な人間に従うぐらいなら、死んだほうがマシとか考えなかったの?」

    エルフ「それは……」

    僧侶「あの!勇者様に対して失礼ですよ!」

    魔法使い「そりゃ、トロルと戦ったときは結構かっこいいとかも思ったわよ?でも、最近のアイツは度が過ぎているというか、調子に乗っているというか」

    僧侶「ちゃんと勇者様なりに考えているはずです」

    エルフ「ボクもそれは思う」

    魔法使い「え?」

    エルフ「彼、色々隠してる気がする」

    僧侶「隠してる?」

    エルフ「側室とか結婚とか色々言ってるけど……実際のところ―――」

    勇者「ただいま戻りました!!!」

    僧侶「お、おかえりなさいませ!」

    361 = 342 :

    勇者「猥談の最中でしたか?!」

    魔法使い「違うわよ!!!」

    勇者「毛の処理法を言い合ってるものと思って、こうしてノックなしに突撃したのに……」

    エルフ「……馬鹿なの?」

    勇者「え?毛が無いのですが?」

    エルフ「どこ見ていってるの!?」バッ

    魔法使い(本当に色々考えてるの……こいつ……?)

    僧侶「勇者様、それで組織のことは……?」

    勇者「しっぽは掴めました。今から行きましょう」

    魔法使い「嘘!?もう!?」

    僧侶「私たち、1日かけても何の手がかりも得られなかったのに……」

    勇者「酒場で強面の男性中心に色々聞きましたからね。すごく怖かったですよ」

    エルフ「なんて言って近づいたの?」

    勇者「いい女がいるんだけど、いくらで買う?って言いました」

    魔法使い「ばっ?!」

    362 = 342 :

    エルフ「それだと貴方が人身売買をしている商人になるんじゃないの?」

    勇者「ええ。それでいいんです」

    僧侶「どういうことですか?」

    勇者「見たこともない同業者が己の縄張りを荒らすと、黙っていられない人たちっているんですよ。裏社会には特に」

    魔法使い「同業者の振りをしておびき出したってわけ?」

    勇者「はい。数十分で怖そうな人たちが僕に近づいてきました」

    僧侶「何か乱暴をされたのでは?!」

    勇者「いえいえ。こちらにはエルフがいると言ったら、目の色を変えて僕の話を聞いてくれましたよ」

    エルフ「ボクのこと!?」

    勇者「偶然、森でエルフと出会い、恋人関係になった。でも、もう別れたい。別れるなら、金にしたい。そう説明しました」

    エルフ「ぬあぁぁぁぁぁ!!!!!!どうして!!なんで!!!そんなことが平気で言えるのぉ!!!」

    勇者「待ってください。将来の側室候補を渡すわけないでしょう。全ては組織の人間を釣るためのエサに過ぎません」

    僧侶「では……これから、その組織の人間と接触して……」

    勇者「組織を潰しましょう」

    魔法使い「で、できるの……そんなこと……?」

    363 = 342 :

    勇者「待ち合わせ場所は町外れに倉庫でとのことでした」

    エルフ「ボクは行かないから」

    勇者「え?」

    エルフ「人間同士の問題にまで首を突っ込むことはしたくない」

    勇者「はい。むしろ僕から貴女にはお留守番をお願いしようと思っていました」

    エルフ「……はい?」

    魔法使い「エルフ族を連れていくって考えじゃなかったの?」

    勇者「不測の事態も考えられますからね。もし本当に連れ去られたら大問題ですよ」

    エルフ「ふーん……」

    勇者「しかしながら、エルフ族の売買もやはり行われているようですので、貴女にとっても無関係とは言えないでしょう」

    エルフ「うっ……」

    勇者「仲間意識が強いエルフ族が同胞を見捨てるような真似……できませんよね?」

    エルフ「……貴方は本当に卑怯だ」

    勇者「じゃあ、協力してくれますね?」

    エルフ「わかった……する。ボクだって、同胞を助けたいし……」

    364 :

    >>358
    そのイカレ具合を楽しむSSじゃねーの?

    365 :

    勇者は描写されない部分で間違いなくなんか隠してるフラグがビンビンだけど、隠れ蓑にしてるおちゃらけた部分もガチだろうし、まさに趣味と実益を兼ねてる感じ

    366 :

    僧侶ちゃん可愛いすぎ

    367 :

    側室度ポイントのくだりがマジキチすぎるww

    368 :

    おっつん

    369 = 342 :

    エルフ「それで?ボクは本当に留守番をしていればいいの?」

    勇者「はい。ここで大人しくしていてください」

    エルフ「不安なんだけど……」

    勇者「では、その不安を打ち消すために……口付けを……」

    エルフ「へえ……」

    魔法使い「ふぅん……」

    勇者「冗談ですから……あの……殺さないで……」

    僧侶「や、やめてください!!」

    魔法使い「何か作戦があるんでしょうね?」

    勇者「勿論です」キリッ

    エルフ「作戦って……」

    勇者「聞きましたよ?貴女もアレ、できるんでしょう?」

    エルフ「あれ?」

    勇者「対象域の不可視化」

    エルフ「で、できるけど……精々、人一人を隠す程度だよ?」

    370 = 342 :

    ―――街外れ 倉庫

    勇者「そろそろ待ち合わせの時間ですね」

    僧侶「あの……勇者様?」

    勇者「はい?」

    僧侶「大丈夫なのですか?」

    勇者「信用できませんか?」

    僧侶「い、いえ!!滅相もありません!!」

    勇者「変だと思いませんか?」

    僧侶「なにがですか?」

    勇者「人が人を拉致するのは分かります。ですが、エルフを拉致することなんてできるでしょうか?」

    僧侶「長老さんの話では不可視域から出てて狩りをしているエルフがよく攫われるということでしたけど」

    勇者「魔法を使える。狩りの最中なので武器も所持していたでしょう。そんなエルフが簡単に拉致できるでしょうか」

    僧侶「いくらエルフとはいえ数十人で囲めば……」

    勇者「そんな大人数で行動していれば、いくらなんでも気づくはずです」

    僧侶「そ、それもそうですね……」

    371 = 342 :

    勇者「僕の考えが正しければ……」

    僧侶「正しければ?」

    勇者「この組織の裏には―――」

    盗賊「よう。本当に来たんだな?」

    勇者「む?」

    僧侶「……」

    盗賊「へへ。まあ、来なかったら直接、宿に乗り込むつもりだったけどな」

    勇者「そうですか」

    「……」

    「あいつの隣にいるのがエルフか?」

    「へぇ……美人だな。売れそうだ」

    勇者(相手は10人……)

    僧侶「勇者様……」ギュッ

    盗賊「さあ、そのエルフを渡してもらおうか?」

    勇者「金が先だろ」

    372 = 342 :

    盗賊「分かってないみたいだなぁ?」

    勇者「なに?」

    盗賊「てめえに口答えする権利なんてねえんだよ。さっさと渡せ」

    勇者「金が無いなら、この子は渡せないな」

    盗賊「ふざけんなよ……」

    勇者「ふざけてるのはお前らだろう」

    盗賊「けっ。この人数相手に何ができるっていうんだよ?」

    勇者「ドラゴンを相手にするよりは楽勝だな」

    盗賊「てめぇ……!!」

    「調子に乗ってると……痛い目みるぜぇ?」

    「へへへ……」

    勇者「金がないなら破談だ。僕は帰らせてもらおう」

    盗賊「渡せないのはそっちも同じだろうが」

    勇者「なに?」

    盗賊「どうせその女はエルフじゃないんだろう?それぐらい分かってんだよ!!」

    373 = 342 :

    僧侶「ひっ……」

    「マジかよ」

    「流石はリーダー!!」

    盗賊「てめえらも少しは頭を使えよ。エルフを連れているなんて下調べしないと信じられないからなぁ」

    勇者「どういう意味だ」

    盗賊「別のグループがてめえの泊まっている宿に向かっている」

    僧侶「そんな……!!」

    勇者「やっぱり、後をつけられていたか」

    盗賊「エルフなんて普通じゃ絶対に手に入らない。ハッタリの可能性は大。仮に本当でもこんな場所に正直に持ってはこない」

    盗賊「ちゃんと金を得るまで隠しとくもんだろ?」

    勇者「馬鹿正直に連れてきていても強奪しただろうに」

    盗賊「当たり前だ。カモがネギと調味料を一緒に持ってきてくれたんだからな。まあ、素直に引き渡せば骨折ぐらいで許してやるよ」

    僧侶「あ、貴方たちは人ではありません!!」

    盗賊「うるせぇ!!!!てめえも!!宿にいる女もちゃんと売買にかけてやるよ!!」

    勇者「屑だな、お前ら」

    374 = 342 :

    盗賊「はぁ?お前も同業だろうが!!」

    勇者「女性を力尽くで奪い、しかも商売の道具にしているお前らを屑と呼ばずになんていえばいい?」

    「リーダー、早く黙らせようぜ」

    盗賊「そうだな」

    勇者「いいか?奪っていいのはなぁ……心だけだぁ!!!」

    僧侶「勇者様……」

    勇者「女性の心も奪えないお前らは男としては底辺だな!!」

    盗賊「黙れ……てめえ!!!何様だ!!こらぁ!!!」

    勇者「勇者様だよ!!!」

    盗賊「勇者……!?」

    「リーダー!!もしかして!!」

    盗賊「ちっ……」

    勇者「お前らのボスは誰だ!!言え!!」

    盗賊「相手は一人だ!!やっちまえ!!!」

    勇者「あぁ!?やっちまうぞ!!!こらぁぁ!!!」

    375 = 342 :

    ―――宿屋

    バンッ!!!

    エルフ「誰!?」

    賊徒「こいつか……」

    エルフ「なんですか!!貴方たちは!!!」

    「その耳!!リーダー!!こりゃあマジもんだぁ!!!」

    賊徒「だな。あの男、結構怪しかったが……へへ……こりゃぁついてる。ボスも大喜びだな」

    「やったぁ!!旨い酒が飲めるぜ!!」

    「やっほー!!」

    エルフ「無礼ですよ!立ち去ってください!!」

    賊徒「そういうわけにもいかねえなぁ」

    エルフ「ならば……」

    賊徒「おぉ!?」

    エルフ「燃えろ!!!」ゴォォォ

    賊徒「魔法か―――!!!」

    376 :

    あれ勇者がかっこいい?

    377 :

    エルフ「え……?!」

    賊徒「くくく……きかねえなぁ」

    エルフ「ど、どうして……!?」

    「大人しくしろって」

    「エルフは傷ものにはできないからなぁ」

    賊徒「抵抗はするなよ?」

    エルフ「くっ……なら、痺れろ!!!」バリバリバリ

    賊徒「ぎゃぁぁぁぁ―――なんてな♪」

    エルフ「な……んで……?!」

    賊徒「無駄無駄ぁ!!俺たちに魔力の篭った攻撃は通用しねえよ」

    エルフ「人間のくせに……」

    賊徒「さあ、こい!!」グッ

    エルフ「やめろ!!」バッ

    賊徒「いいから―――」

    パシンッ!!!

    378 = 377 :

    賊徒「ぃてっ?!」

    「な、なんだ!?」

    「わ、わかんねぇ……」

    賊徒「な、なんだ?魔法はきかねえはずだぞ……!!」

    エルフ「ふっ。魔法にも色々あるんですよ?」

    賊徒「なにぃ!?」

    エルフ「やっ!!!」

    パシンッ!!!

    賊徒「ぎゃぁ!?」

    「あいつの後ろから鞭みたいなのが伸びてきたぞ!!」

    「そ、そんな魔法聞いたことねえよ!!」ガタガタ

    賊徒「くそ……!!魔法に対しては無敵のはずじゃねえのかよ!!!」

    エルフ「答えてもらいますよ?誰が貴方達を無敵にしたのですか?」

    賊徒「ちくしょう!!撤退だ!!こいつは変な魔法をつかいやがる!!」

    エルフ「待ちなさい!!」

    379 = 377 :

    ―――待って。

    エルフ「分かってる。追わないよ」

    魔法使い「良かった。不可視化、役に立ったわね」

    エルフ「にしても、情報にない戦力があるってだけで尻尾を巻くとは……。これだから人間は」

    魔法使い「あいつらはチンピラみたいなものだし、魔法に対しては無敵っていうアドバンテージがなくなれば弱腰にもなるわよ」

    エルフ「彼の読み通りだったわけだ……。なんか悔しい……」

    魔法使い「あの賊ども……どこで魔法を無力化する方法を……」

    エルフ「彼らに魔法の素養は無かったから、きっと魔法具の類を身につけているに違いない」

    魔法使い「それって……魔封じの腕輪みたいなもの?」

    エルフ「そう」

    魔法使い「じゃあボスってエルフ?!」

    エルフ「それはないよ。ボクたちは同胞を裏切るような真似だけは絶対にしない。たとえ魔王の命令であっても」

    魔法使い「……」ジーッ

    エルフ「ボ、ボクは!!同胞を守るために!!!!こうして泣く泣く一緒にいるだけで!!!うぅー!!!」

    魔法使い「そうよね。ごめんなさい。じゃあ……誰が……?」

    380 = 377 :

    ―――倉庫

    「がはっ?!」ドサッ

    勇者「……」

    僧侶「かっこいいです!勇者様!!」

    盗賊「こいつ……うそだろ……」

    勇者「お前はドラゴンを相手にしたことがあるか?」

    盗賊「ひっ……!?」

    勇者「奴が放った威圧感と炎を経験したら、お前らみたいな狭小で下劣なだけの人間を恐れなくなる」

    盗賊「……!!」

    勇者「さあ、吐いてもらおうか?」

    盗賊「な、なにをだよ……?」

    勇者「決まってるだろ?」グイッ

    盗賊「おぉ……!!」

    勇者「お前らのボスとその居場所だよ」

    盗賊「い、いえるかよ……!!」

    381 = 377 :

    勇者「……」

    盗賊「へ、へへ……死んでもそれだけは言えねえなぁ……」

    勇者「そうですか。では……死んでいただきましょう」ギラッ

    盗賊「て、てめえ!!それでも勇者かよ?!」

    勇者「僕は残念ながら聖人君子ではありません。人間ですからね」

    盗賊「は?」

    勇者「肩書きが勇者ってだけの人間です。貴方たちと同じ、屑な人間なんですよ」

    僧侶「勇者様!!流石に人を殺めるのは……!!」

    勇者「さあ、答えてください」

    盗賊「……」

    勇者「いえ」

    盗賊「い、いえない!!」

    勇者「なら……」スッ

    盗賊「ひぃ?!」

    僧侶「だ、だめです!!勇者様!!!」ギュッ!

    382 = 377 :

    勇者「―――冗談ですよ」

    僧侶「そ、そうですか……」

    盗賊「……」

    勇者「しかし、口を割ってもらわないと困りますねえ……」

    僧侶「あの」

    盗賊「な、なんだよ……?」

    僧侶「手を」

    盗賊「え?」

    僧侶「少し怪我をされていますね」ギュッ

    盗賊「な?!」

    僧侶「はい。これで大丈夫です」

    盗賊「な、なにしやがる!!このやろう!!!」バッ

    僧侶「ですが……化膿してはいけませんし……」

    盗賊「よ、余計なことすんなぁ!!」

    勇者「お前……俺の側室候補の優しさすら無碍にするのか?!!救えないなぁ!!!こらぁ!!!」

    383 = 377 :

    盗賊「ひぃぃぃ!?!?」

    僧侶「勇者様!?ダメです!!」

    勇者「堪忍袋の尾が切れたぁ!!!もう絶対に許さん!!!」グイッ

    盗賊「やめろ?!なにしやがる?!」

    勇者「くらえ!!―――秘技!!キャメル・クラッチ!!!」グググッ

    盗賊「いだだだだだ!?!?」

    僧侶「あぁぁ……」オロオロ

    勇者「謝れぇ!!!この女神に謝れ!!!」グググッ

    盗賊「あぁ……!!ぁ……!!!」

    勇者「なんか言えよ!!!」グググッ

    盗賊「ふが?!ふがぁ?!」

    僧侶「勇者様!!顎を押さえているのでその人は喋りたくても喋れないです!!」

    勇者「え?!あ、そうですか……」パッ

    盗賊「がはっ……はぁ……おまえ……なんだよ……この女の……男か?」

    勇者「この人は僕の側室候補です」

    384 = 377 :

    僧侶「はぁ……あの……大丈夫ですか?」

    盗賊「なわけねーだろ!!」

    勇者「逆エビ固めだぁ!!」グググッ

    盗賊「あだだだだだ!!!!」

    僧侶「あの貴方に指示を出しているのは誰なのですか?」

    盗賊「い……え……な―――」

    勇者「ふんっ!」グキィ

    盗賊「ぎゃぁぁああ!?!!」

    僧侶「教えてください」

    盗賊「ボ、ボスのことは本当にしらねえ!!姿なんてみせてくれねえんだ!!!か、金をくれるから従ってるだけでぇ!!!」

    僧侶「そのボスさんはどこに?」

    盗賊「こ、ここからずっと北にいった塔にいるよ!!!」

    勇者「そこに拉致した人もいるのかぁ!?!」

    盗賊「いる!!いる!!そこで人間やエルフを売ってるんだぁ!!!もういいだろう!!やめてぇ!!!」

    勇者「なるほど。ご協力感謝いたします」

    385 :

    勇者が激怒した時に一人称が「俺」になるけど
    あっちが素なんだろーな

    勇者の過去とかけっこー楽しみ

    386 = 377 :

    盗賊「ちくしょう……!!」

    僧侶「……」ギュッ

    盗賊「え……?」

    僧侶「これで少しは痛みも和らいだはずです」

    盗賊「おま……」

    僧侶「もう悪いことはしないでください。お願いします」

    盗賊「……」

    勇者「行きましょう。宿にいるお二人も心配です」

    僧侶「分かりました」

    盗賊「まて」

    勇者「なんですか?」

    盗賊「最近、ボスは勇者……多分、アンタのことだと思うけど、随分気にしているみたいだった」

    勇者「僕を?」

    盗賊「いつか邪魔してくるだろうから警戒しておけって……言われてたんだよ……」

    勇者「分かりました。貴重な情報、ありがとうございます」

    387 = 377 :

    ―――宿

    勇者「ただいま戻りました」

    魔法使い「おかえり。どうだったの?」

    僧侶「組織の本拠地が分かりました。ここから北にある塔のようです」

    エルフ「北っていうと……この辺りか」

    勇者「すぐに出発しましょう。相手のボスにまで騒ぎが届いてしまうと奇襲がかけにくくなります」

    魔法使い「賛成ね」

    エルフ「ボクは反対」

    僧侶「ど、どうしてですか?」

    エルフ「それは―――」

    勇者「相手は人間でなく、魔族だからですね?」

    僧侶「……」

    魔法使い「それは私も思っていたわ。あいつらただの盗賊のくせに魔法具を持っていたみたいだもの」

    勇者「ボスは勇者を気にしているといっていました。人間の犯罪者なら国の兵士を警戒するはずなのに、勇者に気を回すのは少々不自然ですしね」

    エルフ「エルフの魔法すら掻き消す道具を大量に作れる相手だから、慎重になったほうがいいと思う」

    388 = 377 :

    僧侶「でも……どうして同じ魔族であるエルフまで……」

    勇者「エルフ族は人間には見世物にされ、他の魔族からは蔑視されている種族ですからね」

    魔法使い「でも……魔族が商売をするってちょっと意味が分からないわ」

    勇者「それは相手に聞いてみないとわかりませんね」

    エルフ「……」

    魔法使い「どうするの?行くの?」

    勇者「……」

    僧侶「勇者様……」

    勇者「行きましょう。逃げられては困ります」

    エルフ「でも?!」

    勇者「こちらには貴女がいます。万が一、魔法戦になっても引けは取らないでしょう」

    エルフ「……ボクを信じていいの?本気で戦わないかもしれないのに」

    勇者「裏切るならここで裏切ってください。戦いの最中に裏切られては死ぬのが僕だけで済まなくなりますから」

    エルフ「なにいって……」

    勇者「ここで里に帰るというなら僕は止めません。貴女も魔族です。蔑まされているとはいえ同族と争うのは嫌でしょうし」

    389 = 377 :

    僧侶「勇者様!!」

    魔法使い「馬鹿なの?!ここでこの子が抜けたら……!!」

    勇者「魔封じの腕輪を頂いただけでも感涙モノです」

    エルフ「え……」

    勇者「貴女のおかげでこの先の旅がかなり楽になりました。ありがとうございます」

    エルフ「ここで抜けてもいいの?」

    勇者「はい」

    エルフ「ど、どうせ抜けたら……里のことを……」

    勇者「言うわけないじゃないですか。その代わり、魔王を倒した後に迎えにあがりますので」

    エルフ「ど、どうして?!」

    勇者「貴女を側室にするためにですよ」

    エルフ「はっ。強引に連れ出したと思えば、もう帰ってもいいって?かなり無茶苦茶だと思うけど?」

    勇者「あの里にいては、どなたも微々たる協力もしてくれなったじゃないですかぁ?!」

    エルフ「そういう戒律が―――もしかして……貴方……ボクを外に連れ出したのは……」

    勇者「旅を共にして貴女を僕に惚れさせるためですよ?なに深読みしているでござるかね?」

    390 :

    なんだいつもの勇者だったか

    391 = 377 :

    エルフ(言ってることがおかしいって、分かってるの……?)

    勇者「とにかく急ぎましょう」

    魔法使い「待って!!本当にいいの?!」

    勇者「構いません。無理強いなんてできませんから」

    魔法使い「脅して連れ出しておいてよく言えるわね?!」

    勇者「えーい!!僕について来い!!可愛い側室ちゃんたち!!」

    僧侶「はーい♪」テテテッ

    魔法使い「だれが側室よ!!!」

    エルフ「あ……」

    魔法使い「どうするの?」

    エルフ「ボクは……」

    魔法使い「アイツは私たちにも帰っていいって言ってくれたことがあるわ」

    エルフ「そうなんだ」

    魔法使い「エルフの里のことはきっと言わないと思うわ。口外して貴女が攫われたら側室にできないとか考えてそうだもの」

    エルフ「……やっぱり、彼は卑怯だ」

    392 = 377 :

    ―――フィールド

    勇者「いいのですか?」

    エルフ「同胞を売り物にしているなら、許せないよ」

    勇者「なるほど。つまり、僕の側室になる決心をしたということでよろしいですね?」

    エルフ「違うけど」

    勇者「ちがうのー?!」

    魔法使い「当たり前でしょう?」

    勇者「全く……!!なんで近頃の女子はこうも防御力が高いのか!!!けしからん!!!」

    僧侶「ごめんなさい……勇者様……」

    勇者「いえいえ。貴女ぐらいの守備力ならいいのですが、ふふふ」

    僧侶「え?でも、防御が弱いのは……勇者様にとっては足手まといでは……」

    勇者「何をいいますやら。いいですか?貴女から許可が出て夜這いするとき、守りが薄いほうがいいですよ、はい」

    魔法使い「―――良かったの?」

    エルフ「同胞は放っておけないし……それに彼はやっぱり色々隠してるから……それが少し気になって……」

    魔法使い「……?」

    393 :

    僧侶ちゃんワンコかわいい

    394 = 377 :

    ―――魔道士の塔 最上階

    魔道士「あっひゃっひゃっっひゃっひゃ~!!今日も良質なニンゲンのメスが手に入ったぞぉ!!!」

    ドラゴン「―――久しぶりだな」

    魔道士「あっひゃっひゃっひゃ!!これはこれは!!今日はどのような件で?先日、魔王様に納品したばかりですが」

    ドラゴン「勇者一行がこちらに向かっているようだ」

    魔道士「おぉ!!噂の魔王様が注目しているという?」

    ドラゴン「そうだ。油断はしないようにな」

    魔道士「あっひゃっひゃっひゃ。油断?この私には魔法は通じません。―――この魔抗石で作った鎧がある限りは」

    ドラゴン「魔法が通じないだけだろう?勇者は剣術にも秀でているのだぞ?」

    魔道士「剣術?!あっひゃっひゃっひゃっひゃ!!!物理的な攻撃こそ戒心する必要すらないですよ~!!!」

    ドラゴン「……」

    魔道士「過去に魔法を打ち破った剣術がありましたか?!ないでしょう?!」

    ドラゴン「まあいい。奴らの弱点だけでも教えておこうか」

    魔道士「はぃ~」

    ドラゴン(さてこちらも作戦に移るか……。魔王様も本当に慎重だ……約束された勝利にすらすぐに手をつけないとは……)

    395 = 377 :

    ―――魔道士の塔 入り口

    勇者「ここか……」

    僧侶「雰囲気……ありますね」

    魔法使い「嫌な空気が流れてくるわね……」

    エルフ「吐きそう……」

    勇者「僕の口でそれを受け止めましょう」

    エルフ「え?それはちょっと」

    魔法使い「バカなこと言ってないで進むわよ!!!」

    勇者「気を引き締めていきましょう!!」

    僧侶「はいっ!!」

    魔法使い「アンタが一番、気を引き締めて……お願い……」

    勇者「僕は常に緊張状態ですよ?隙さえあれば、貴女達のお尻に接触したいと思っている所存であります」

    魔法使い「あのね、宣言したら無理になるってわかってるの?」

    勇者「戦闘中なら?」ニヤァ

    魔法使い「アンタから棺桶に入れてやるからね」ニコッ

    396 = 377 :

    ―――最上階

    魔道士「あっひゃっひゃっひゃっひゃ!!」

    魔物「キー!!!キー!!」

    魔道士「分かっているよ。勇者一行が到着したんだろう?」

    ドラゴン「ほう……来たのか?」

    魔道士「そこでご覧になっていますか?わたしがぁ!!勇者を消し炭にしてあげましょう!!」

    ドラゴン「いや。俺も忙しい身でな。勇者はお前に任せよう」

    魔道士「ははー!!―――ところで、勇者の身柄は私がジユーにしても?」

    ドラゴン「好きにしろ」

    魔道士「やったぁ!!あっひゃっひゃっひゃ~!!新しい素体が欲しいと思ってたところなんですよね~!!」

    ドラゴン「相変わらずだな」

    魔道士「私の夢は無尽蔵のエネルギーを持ち!!心をもった機械兵士の開発ですからねええ!!!」

    ドラゴン「キラーマンジガ……だったか?本当にできるのか?」

    魔道士「プロトタイプはお見せしたじゃないですか。あっひゃっひゃっひゃ」

    ドラゴン「ふん……あの悪趣味な木偶人形か……」

    398 = 377 :

    ―――魔術師の塔 一階

    勇者「魔物もいそうですね」

    エルフ「居ないほうがおかしいでしょう」

    僧侶「こ、こわい……」ギュッ

    魔法使い「敵の本拠地って感じのところは初めてな気がするわ……」

    僧侶「は、はい……」ギュゥゥゥ

    魔法使い「あの……歩きにくいけど……」

    僧侶「うぅ……」ギュゥゥ

    魔法使い「まあ、いいわ」

    勇者「ここには拉致された人もいるんですよね?」

    エルフ「そうか……どうする?先に捕まっている人たちを探す?」

    勇者「いえ。あくまでもボスの打倒が最優先です。監禁されている人たちはボスを倒してからにしましょう。途中で発見しても足手まといになりますから」

    魔法使い「そうね。助けるならボスを先に叩いたほうがいいわね」

    僧侶「では……どうしましょう?」

    勇者「ボスはきっと最上階にいますね。僕がボスだったら確実に最上階で側室たちとランデブーですし」

    399 = 377 :

    ―――魔道士の塔 三階

    魔物「キー!!!」バサッバサッ

    勇者「とうっ!!!」ザンッ

    エルフ「燃えろぉ!!!」ゴォォォ

    魔物「ギャァァァ―――!!!」

    勇者「愛の勝利!!」

    エルフ「違う」

    魔法使い「……」

    僧侶「やりましたね」パチパチ

    勇者「ふっ」

    エルフ「ボクのおかげだけど」

    勇者「その通りです!!貴女がいて良かった!!うん!!」

    エルフ「簡単に認めて……プライドもないの?」

    魔法使い「ほら、早く次の階に行きましょう」

    勇者「はっ」

    400 = 377 :

    ―――魔道士の塔 四階

    僧侶「勇者様!!」

    勇者「なんですか?抱かせてくれるのですか?」

    僧侶「怪我してませんよね?抱く必要はないかと」

    勇者「え……」

    僧侶「ここに扉があります」

    魔法使い「怪しいわね」

    エルフ「一応、中を確認しておくほうがいいと思う。監禁されている人もいるかもしれないし」

    勇者「そうですね。肉奴隷化した少女が居たらお持ち帰りしないと」

    魔法使い「……早く、開けて」

    勇者「はい」グッ

    ギィィィ……

    僧侶「……!?」

    エルフ「え……?!な、なに……あの……子……?!」

    勇者「は、は、裸の少女が変な水槽にはいってるぅぅぅぅ!!!!」


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