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    元スレ勇者「すごい美人で有能な僧侶と魔法使いをお願いします」

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    801 = 730 :

    エルフ「んと……」ガチャガチャ

    ドラゴン「……」ソーッ

    エルフ「これは……んー……」グイッ

    ドラゴン「おい。そんなに乱暴にしたら壊れるんじゃないか?」

    エルフ「もう壊れてるし」

    ドラゴン「余計に壊れるだろう」

    エルフ「うるさいなぁ。―――そこの部品とって」

    ドラゴン「これか?」

    エルフ「違うよ。右のやつ」

    ドラゴン「これか」

    エルフ「違うよ!!これだよ!!」

    ドラゴン「分かりにくいな」

    エルフ「つかえねー」

    ドラゴン「き、きさま……!!誰に向かって……!!!」

    エルフ「いいから黙っててよ」カチャカチャ

    802 = 730 :

    ドラゴン「……エルフ族は口が悪いな」

    エルフ「一応、敬語は使えるけど」

    ドラゴン「じゃあ、使えよ」

    エルフ「……ドラゴン様」

    ドラゴン「なんだ?」

    エルフ「魔王のことはどう思っているのですか?」

    ドラゴン「我々にとっての絶対的な王だ。それは変わらない」

    エルフ「……」

    ドラゴン「エルフ族でも魔王様に対する信仰は続いているはずだ」

    エルフ「それは……」

    ドラゴン「ニンゲンに手を貸さなければ……お前たちの立場は違っていたのだろうがな」

    エルフ「だから、あれはニンゲンたちが……勝手にしたことなんです……」

    ドラゴン「お前は若いようだが、過去の過ちについては聞いているのか?」

    エルフ「勿論です。―――ニンゲンがボクらを裏切ったと、長老から話は聞きました」

    ドラゴン「……話してみろ。ああ、作業はしながらでいいからな」

    803 = 730 :

    エルフ「かつて、魔族はニンゲンと関係を持たないように暮らしていたと聞きました」カチャカチャ

    ドラゴン「そうだ。魔族は魔族の世界だけで生きてきた」

    エルフ「故に争いは起こらず、互いに干渉もしない遠い隣人でいられた」

    エルフ「ある日、一人のエルフがニンゲンに助けられ、そのお礼に簡易魔法を伝授したのが全ての始まり」

    ドラゴン「火を指先から出すだけの魔法にニンゲンは群がったらしいな」

    エルフ「はい」

    ドラゴン「そうしていく内にニンゲンは欲を出し、様々な魔法を乞うようになったわけだ」

    エルフ「そのうちにエルフ族とニンゲンは互いの不干渉だった境界を無くした。それによってニンゲンの文明は大きく進んだわけですけど」

    ドラゴン「力を持ったニンゲンは世界の掌握に躍起なったがな。魔王様の話では随分と唐突な戦争だったらしい」

    エルフ「……」

    ドラゴン「当初はエルフが魔法を伝授したことは誰も知らなかったし、そもそも不文律を犯す同族がいることすら想像していなかったが」

    エルフ「申し訳ありません」

    ドラゴン「先祖の間違いを子孫が謝罪するか。ふん……100年ほど遅いな」

    エルフ「魔法銃の開発もただニンゲンの文明発展の助力になればと提供したに過ぎません。それを魔王討伐の最終兵器にするなんて……」

    ドラゴン「まあいいさ。もう過ぎたこと。既にどちらかが滅びるまで戦うことになった。悔やんでも怒りを露にしても手遅れだ」

    804 = 730 :

    ドラゴン「幽霊船ではそれを言おうとしたのだな?」

    エルフ「はい」

    ドラゴン「手が止まってるぞ」

    エルフ「あぁ……すいません」カチャカチャ

    ドラゴン「だが、どのような理由があろうともエルフに対する憎悪は消えないだろう」

    エルフ「……」

    ドラゴン「エルフさえいなければニンゲンが欲を出すこともなかったと言う者もいる」

    エルフ「そうですね……ボクたちは……一生……恨まれて―――」

    勇者「お茶いりますか?」

    ドラゴン「おぉ?!」

    エルフ「わぁ?!いつの間に?!」

    勇者「ドラゴちゃんがキリッとして……勇者の側室になるしかねえな、と発言した辺りからいました」

    ドラゴン「どこでそんなこといった?!言ってみろ?!」

    勇者「照れちゃって、このこの」

    ドラゴン「食べるぞ?足から食べるぞ?」

    805 = 730 :

    勇者「僕が君を食べようかな?―――足の指の間を丹念に舐めてあげる」

    ドラゴン「いやらしい顔をするな!!!」

    エルフ「もう、びっくりさせないでよ」

    勇者「いやぁ、久々に貴女の丁寧な言葉遣いを聴きましてね、もう僕の股間がお祭り騒ぎに」

    エルフ「どんな性癖なの?」

    勇者「君が泣いてあきれるほどに」キリッ

    エルフ「かっこよくないから」カチャカチャ

    勇者「で、キラちゃんはどうですか?」

    エルフ「時間はかかる。短時間ではまず無理かな」

    勇者「じゃあ、今のうちにペロペロしておくか」

    ドラゴン「やめろ、下衆が」

    勇者「ところで今の話、本当ですか?」

    ドラゴン「……エルフ族が言うなら本当なのだろう」

    勇者「ニンゲンって悪いやつだなー。マジでさいてーじゃねーか」

    ドラゴン「てめーだよ!!」

    806 = 730 :

    勇者「僕は勇者。紳士の中の紳士。キングオブジェントルメンである僕を捕まえて、変態とは失敬ですね」

    ドラゴン「ふん……」

    勇者「協力したくない理由の一つでもあると」

    ドラゴン「その通りだな。とはいえ昔の話だ。魔族の中にはどうしてニンゲンと戦をしているのか理解できていないものもいる」

    勇者「エルフ族が人間を嫌うのは根幹にそういう訳があったのですね?」

    エルフ「ボク自身は生まれる前の話だから、ピンとこないこともあるよ。周りの大人からニンゲンは屑だって言われて育ってきたから、先入観で嫌ってるだけ」

    勇者「僕以外の人間は好きになれないと?」

    エルフ「人間は例外なく嫌いだよ」

    勇者「僕がこんなに愛してるのに?!酷いなぁー!!!えー?!」

    エルフ「嘘ばっかり」

    勇者「じゃあ、向こうで裸になろうか」

    エルフ「やだよ!!あっちいけ!!作業の邪魔!!」

    勇者「ガードかてえ。ここまで一緒にやってきのに……」

    ドラゴン「お前は不思議なニンゲンだな」

    勇者「そうですか?割と一般人だと思いますけど……ああ!!そっか!!俺、勇者だった!!一般人とは一線を画しますね!!」キリッ

    807 = 730 :

    ドラゴン「ずっと不思議に思っていたことがある」

    勇者「なんですか?ドーラゴちゃん」

    ドラゴン「どうしてお前は俺を見て驚かなかった?」

    勇者「へ?」

    ドラゴン「洞窟で初めて出会ったときだ。俺を見ても驚いていなかっただろう?」

    勇者「いや、めちゃくちゃ驚いてましたよ。なにせ、側室候補だっためんこい女の子がいきなり巨大なトカゲになったんですから」

    ドラゴン「お前、結構失礼だな」

    勇者「すいません」

    ドラゴン「普通な俺の姿を見れば畏怖し、身を震わせるものだと思うが?」

    勇者「まあ、でも、あれですよ。あれだけ可愛い女の子が元の姿だと考えれば、別にいいかなって思いまして」

    ドラゴン「話がかみ合わないな」

    勇者「貴女が女の子になればいいだけの話」

    ドラゴン「……そんなに気に入ったのか?」

    勇者「うんっ」

    ドラゴン「……」

    808 = 730 :

    勇者「むしろ、あの女の子の姿のほうが威厳があったというか」

    ドラゴン「見え透いた嘘を吐くな」

    勇者「……正直言うと、貴方を見たときは怖かった」

    ドラゴン「ほう……?」

    エルフ「……」カチャカチャ

    勇者「でも、僕が怖がると彼女たちが絶望しますからね」

    ドラゴン「……」

    エルフ「え……」

    勇者「僕は勇者として二人を守ると宣言していたので。そんな勇者様がドラゴンをみて膝を笑わせていたら、どうです?」

    ドラゴン「上に立つものの責任か」

    勇者「最悪の事態が起こっても彼女たちが無事に離脱できる方法は用意していました」

    ドラゴン「ふん。どうやってだ?あの時、俺がお前らを追っていれば今頃、ここには居ないだろうに」

    勇者「簡単じゃないですか。―――僕が貴方と対峙すればいい」

    ドラゴン「な……」

    エルフ「そんなの瞬時に殺されるよ」

    809 = 730 :

    勇者「場所が場所だったので、防戦ならこっちに分がありましたよ。なにせ、この巨体ですからね。小回りは利かないでしょう」

    ドラゴン「お前が囮になって時間を稼いだということか?」

    勇者「万が一外に出ても追いかけてくるようなら、森の中で数日間戦う覚悟でいました。無論、彼女たちとは別れてですけど」

    ドラゴン「お前……」

    勇者「それが上に立つ者の振舞い方だと思います」

    ドラゴン「だが、勇者のお前が死ねば魔王の討伐は終わっていたのだぞ?」

    勇者「僕の意志は誰かに受け継がれるので大丈夫です」

    ドラゴン「……」

    勇者「最終目標は側室10人と綺麗なお嫁さんとの豪遊生活ですが、まあついでに魔王の討伐も目標です」

    勇者「その目標なら僕の亡き後でも必ず達成される。そう信じています」

    ドラゴン「次代にその責務を渡すというのか?だから、お前は危険を省みず、行き急ぐように戦うのか?」

    勇者「違う。俺は死にたくないし、死んだらダメだって分かってる。でも、守りたい者に守られて死ぬのだけは御免だ」

    ドラゴン「……」

    エルフ「……」カチャカチャ

    勇者「見捨てるなんてもってのほか。死ぬなら誰かを守って死ぬ。それが俺の死に方だ」

    810 :

    見捨てるくらいなら誰かを守って死ぬ

    じゃなく?

    811 = 730 :

    ドラゴン「ふん……俺との戦いのときは守れて居なかったくせに」

    勇者「いや、あそこでキラちゃんと交戦していなかったら、それこそ全員ミンチですよ」

    ドラゴン「ふっ……意志は受け継がれるか」

    勇者「これも立派な『負けない戦い方』ですね」

    ドラゴン「……!」

    勇者「じゃあ、そろそろ寝ます。あの二人はもう疲れて寝てますので、間に挟まれるようにして添い寝をしようかと思います。止めないでください」

    エルフ「おやすみ」

    ドラゴン「……」

    勇者「ああ、そうそう。ドラゴちゃん」

    ドラゴン「その呼び方はどうにかならないのか?」

    勇者「主が倒れても仲間は立ち上がりますよ」

    ドラゴン「どういう意味だ?」

    勇者「だからこそ、仲間を信じて主は壁に立ち向かえる。仲間を踏み台にして壁を越えても意味なんてないでしょう?」

    ドラゴン「それは魔王様のことを言っているのか?」

    勇者「おやすみなさい」

    813 = 730 :

    エルフ「ふーん……色々、考えてるんだ」

    ドラゴン「魔王様とは違うな」

    エルフ「それはニンゲンだから」

    ドラゴン「……」

    エルフ「……」カチャカチャ

    ドラゴン「……なあ」

    エルフ「んー?」

    村娘「―――こっちのほうがいいか?」

    エルフ「おぉ!?え?!なにが?!」

    村娘「それとも……」

    「こっちがいいのか?」

    エルフ「だから何が?!」

    「俺はニンゲンには協力しない。勇者に手を貸すことにした」

    エルフ「一緒だと思うけど」

    「奴に興味が出た。ニンゲンに仕えるのは無理だが、勇者になら仕えてもいいかもしれんな」

    814 :

    ドラ子ノリノリやないかーい

    815 :

    ドラちゃんがデレたあああああああああ!!!!!

    816 = 730 :

    エルフ「ドラゴン様……」

    「お前も無理はするな。明日も早いのだろう?」

    エルフ「ありがとうございます」

    「これでドラゴン族も裏切り者か……」

    エルフ「でも、ドラゴンは元々神の使いでしたよね」

    「言い伝えではな。ドラゴン族は地上を監視する目的で天から降りてきたといわれている」

    エルフ「それロマンチックですね」

    「そう……魔王様に仕えるのが全てではない。俺は神の使いとしてこの世界を見守る使命があったはずだ。うん、だからドラゴン族に泥をかけるわけじゃない」

    エルフ「自分にそう言い訳しておくんですね」

    「こういうのはなぁ!!心構えが大事なんだよ!!」

    エルフ「わかりました。そこのやつとってください」

    「え?これ?」

    エルフ「違うよ!」

    「怒るなよ?!すこし間違えただけだろ?!」

    エルフ「もう!!もうちょっと勉強してください!!ガーちゃんのマスターなんですよね?!」

    817 = 730 :

    ―――翌朝

    僧侶「おはようございまーす」

    魔法使い「んー……結構寝たわね」

    勇者「二人とも寝相悪いですねー。首を絞めてくるとかありえませんよ、全く」

    魔法使い「アンタが添い寝してこようとするからでしょ?!」

    勇者「え?!あれわざと?!」

    僧侶「ドラゴンさんはどこに……?」キョロキョロ

    エルフ「だーかーら!!これはここの部品なんですってばぁ!!」

    「えー?だが、形状的に言えばここだろう?」

    勇者「おはようございます」

    エルフ「あ、おはよう」

    「よく眠れたか?」

    勇者「な……?!なんで、その姿に!?まさか……まさか……!!!」プルプル

    「か、勘違いするな!!お前のためではないからな!!!」

    魔法使い「別にその姿になっておく必要はないでしょうに……」

    818 = 793 :

    ツンデレドラゴン……
    ま、まあ、あの[ピーーー]気で照れ隠ししてくるようなドラゴンはそうそういないよな

    819 = 730 :

    「昨晩、勇者が言っていた。確かに巨体では小回りが利かないからな。この姿でのメリットもある」

    勇者「人間が嫌いなくせにー、このこの」プニプニ

    「う、うるさい!!頬を突くな!!!それにこれは一時的なものだ!!目的が達成されれば、元の姿に戻るわぁ!!」

    僧侶「かわいいのに」プニプニ

    「にゃめりょ!!しゃべりぇんだりょうがぁ!!!」

    魔法使い「マーちゃんは?」

    エルフ「とりあえずあとはエネルギーの補給をしたら動くようになると思う」

    勇者「やったー!!じゃあ、んー……魔王を生け捕りにしてキラちゃんの血肉にするっていうのはどうですか?」

    ドラゴン「魔王様を生け捕りとか無理に決まっているだろうが」

    エルフ「でも、動かしたところで……」

    魔法使い「どういうこと?」

    エルフ「ボクたちのことを覚えているかどうかわからないよ。ボクの矢は色んなところを傷つけたから」

    勇者「また僕に恋をするのは間違いないので大丈夫ですよ」キリッ

    魔法使い「いつ恋をしてたのよ?!」

    勇者「あーん?肉便器は黙ってろよ!!」

    820 = 730 :

    魔法使い「なっ……!?」

    ドラゴン「人間とはやはり汚らわしいな」

    エルフ「不潔」

    勇者「ねー?」

    魔法使い「名誉毀損よぉ……」

    僧侶「あの!」

    ドラゴン「なんだ?」

    僧侶「どうしてドラゴンに変身するんですか?!」

    ドラゴン「頬を突くからだろうがぁ!!」

    僧侶「じゃあ、尻尾を突きます」

    ドラゴン「そこならいいけど」

    僧侶「……」ツンツン

    勇者「じゃあ、キラちゃんはキャプテンの船に置いておくとして、僕たちは魔王のところに行きましょう」

    魔法使い「いよいよね」

    エルフ「うん」

    821 = 730 :

    ―――船着場

    キャプテン「へー、仲間になったのかい」

    「一時的なものだ。誤解はするな」

    勇者「キャンディーいる?」

    「いらん!!!」

    勇者「あーん」

    「もがっ?!」

    キャプテン「じゃあ、この子は責任持って預かるよ」

    エルフ「ガーちゃんをお願い」

    キャプテン「傷一つつけやしないよ」

    魔法使い「それで、いつ仕掛けるの?」

    キャプテン「ああ、そうだ。他の船から気になる情報があったんだけどさ」

    僧侶「なんですか?」

    キャプテン「魔王の軍勢が南下していくのを見たらしい。しかもかなりの規模だったみたいだ。魔王の姿はなかったみたいだけどね」

    勇者「南下……?」

    822 = 730 :

    キャプテン「戦争を仕掛けるタイミング的には好都合なんだけどさ」

    魔法使い「南というと……」

    「もぐもぐ……ああ、以前トロルが陣取っていた国を攻め落とすつもりらしいな……もぐもぐ」

    勇者「なに!?」

    魔法使い「どうしてそれを先に言わないのよ?!」

    「関係のないことだろう。俺たちは魔王様を倒しに行くのだから」

    エルフ「まあ……そうだけど」

    勇者「―――ふざけんなぁ!!!このトカゲ!!」

    「今は違う!!」

    僧侶「そうです!!あの国にも大勢の人がいるんです!!」

    勇者「俺の側室だっている!!」

    魔法使い「ああ、あのお姫様ね」

    「あの国を救いに戻るのか?それでは魔王様に時間を与えてしまい、万全の態勢を整える手助けをすることになるぞ?」

    勇者「しるか!!魔王と側室なんて比べるまでもねえだろうが!!!」

    「お前は何をいっているんだ?それより、キャンディーはもっとないのか?」

    823 = 730 :

    キャプテン「どうすんだい?戻るのか進むのか」

    勇者「もどろー!!!」

    エルフ「本気?」

    勇者「魔王が万全の態勢を整えたところで意味ねーし!!そもそも魔王のほうが圧倒的に有利だし!!」

    「もっと有利になるかもしれないぞ?」

    勇者「えーい!!姉さん!!」

    キャプテン「なんだい、ダーリン?」

    勇者「貴女は戦争を仕掛けてください」

    キャプテン「魔王を追い詰めりゃあいいわけだね」

    勇者「はい」

    キャプテン「旦那の頼みとあっちゃあ!!やるしかないねえ!!!―――錨をあげろ!!帆をはりなぁ!!!」

    勇者「僕たちは南に行き、姫様を助ける!!!」

    魔法使い「ちょっと!!他の人は?!」

    勇者「二の次だこらぁ!!!」

    僧侶「いつもの勇者様です」

    824 :

    キャプテン可愛すぎる

    825 = 730 :

    ドラゴン「―――乗れ!!」

    勇者「俺の腰の上にはいつ乗ってくれますか?」

    ドラゴン「やめろ!!変態がぁ!!!」

    僧侶「落ちないように命綱とかは……?これ海に叩きつけられて内臓破裂のパターンでは……?」

    魔法使い「怖い妄想しないの。しっかりしがみ付いていれば大丈夫よ」

    エルフ「行くなら急ごうよ。犠牲者が増えちゃうよ」

    勇者「その通りだ!!側室姫を失うわけにはいかねえ!!!」

    魔法使い「側室姫って……まあ、いいわ」

    ドラゴン「本当にいいのか?俺が行動を共にしていることこそ、お前にとっては最大の隠し玉だったはず。魔王様の意表を突くことはできなくなるぞ?」

    勇者「言ったでしょう。死ぬなら誰かを守って死ぬと」

    ドラゴン「お前のいう誰かとは……」

    勇者「目に映る者、全てだ」

    ドラゴン「……お前は絶対に死なせん」

    勇者「簡単に死ぬつもりもないですけどね」

    ドラゴン「ふっ。―――しっかり掴まっていろ!!最大速度で飛ぶぞ!!!」バサッバサッ

    826 = 730 :

    ―――上空

    僧侶「うわっ……うわっ……」

    魔法使い「高所恐怖症?」

    僧侶「いや……こんな乗り物初めてで……」

    ドラゴン「乗り物扱いするなぁ!!振り落とすぞ!!」

    勇者「やめい!!」ペチペチ

    ドラゴン「頭を叩くなぁ!!!」

    エルフ「それにしてもどうして南にある小さな国を狙ってるの?」

    勇者「あの国が占領されてしまえば、隣国は意図も簡単に魔王の手に落ちるでしょう。立地的に戦略拠点に向いているのですよ」

    エルフ「そうなんだ」

    ドラゴン「お前は何でもできるのか?」

    勇者「夜の四十八手は完璧です」

    ドラゴン「なんだそれは?戦術か?」

    勇者「今度じっくり教えてあげましょう……実演でなぁ!!」

    魔法使い「馬鹿なこといってないの!本当に落ちるわよ?!」

    828 :

    魔法使いちゃんを肉便器とか冗談でもいうなぁ!

    829 :

    正直、姫さまのことをすっかり忘れていたぜ!

    830 :

    俺は覚えてたがな!

    831 :

    見捨てるくらいなら誰かを守って死ぬ

    って、よくわからんな
    見捨てるくらいなら囮に使ってやるとか、ネガティブ方向の発言にならんか?
    だから、見捨てるなんてもってのほかって下りで正しいと思ふ

    832 :

    見捨てるのはNOってのを強調してるだけだろ

    833 :

    というかどっちも同じ意味にしか読めないから>>810>>831も何が言いたいのかよくわからないし、どっちでもいい

    834 :

    この場所に国語の先生はいらない
    この場所に必要なのは乙と書き込む心である

    835 :

    ドラゴンちゃんとおまんまんしたらどんな子が生まれてくるの?卵生なの?

    これが正解のレスだ、覚えておけ

    836 :

    逆に掘られてしまう事もあるな、これは

    837 :

    そうか、卵生というのもアリか…

    838 :

    パーティーに女はいらないを書いた人?

    839 :

    目に映る者、全てだ

    勇者さんかっけーっす
    俺勇者さんになら掘られてもいいっす

    840 :

    目に映るもの全て

    勇者様の守備範囲が広すぎる

    841 :

    更新乙

    そろそろクライマックスか。胸熱だが寂しい気も…
    何だかんだでブレない勇者を最後まで応援したい

    842 :

    ―――城下町

    兵士長「ここだけは死守するんだ!!!王も姫様もいるのだからな!!」

    兵士「「はいっ!!」」

    魔物「ギギギ」

    キマイラ「小さき生き物でも束になれば、どうして中々厄介だな」

    兵士長「怯むな!!指揮官を落とせば―――」

    キマイラ「やれぇ!!!」

    魔物「「ガァァァァ!!!」」ダダダダッ

    兵士「「うおぉぉぉぉ!!!」」ダダダッ

    キマイラ「無駄なことはやめろ。貴様らに勝ち目はない」

    兵士長「王族が逃げるための時間を稼ぐぞ!!」

    キマイラ「抵抗するな。痛いだけだぞ?―――それにニンゲンは皆殺しにしろと言われている」

    兵士長「なんだと?!」

    キマイラ「誰一人、生きてこの国から亡命できはしなぁい!!!なーっはっはっはっは!!!!」

    兵士長「王……!!姫様……!!」

    843 = 842 :

    「はぁ……はぁ……!!」

    「大丈夫か?」

    「はい……」

    「ここを抜ければ逃げられ―――」

    魔物「グルルル……」

    「なに!?」

    「ひっ……お、お父様!!」

    「向こうだ!!向こうに逃げろ!!」

    「しかし!!」

    「生きろ!!生きて勇者様に会うんだ!!」

    「お父様ぁ!!」

    「いけ!!」

    「で、できません!!」

    「お前さえ生きていれば国はまた蘇る!!逃げろ!!」

    「うぅ……!!」ダダダッ

    844 = 842 :

    ―――上空

    ドラゴン「見ろ。街は既に戦火に包まれているぞ」

    勇者「急がないと。僕はこの辺りで降りる」

    魔法使い「じゃあ、手筈通りに」

    エルフ「行こう!」

    僧侶「勇者様、お気をつけて」

    勇者「心配は無用です。ドラゴちゃん!!君の使命は?」

    ドラゴン「勇者に代わり、三人の術者を守護することだ」

    勇者「君も無理だけはするな」

    ドラゴン「分かっている」

    勇者「では、僕は王族が使う逃走用の通路に向かいます」

    魔法使い「生きて帰ってきてよ」

    エルフ「死んだらダメだよ。ちゃんとボクたちを守ってくれないと、困るし」

    僧侶「勇者さまー!!!フレーフレー!!」

    勇者「声援ありがとう!!僕の可愛い側室レディたち!!」

    845 = 842 :

    ―――城下町

    キマイラ「お前で最後だな」

    兵士長「くっ……」

    キマイラ「では―――」

    ドラゴン「そこまでだ」

    キマイラ「!?」

    兵士長「な……ド、ドラゴン……」

    キマイラ「ドラゴン様。どうしてこちらに?!」

    ドラゴン「何、魔王様からの新たな指令を届けにきただけだ」

    キマイラ「そんな。ドラゴン様がわざわざ足を運ぶことでは」

    ドラゴン「いや。俺が出向かないとダメなんだ」

    キマイラ「ど、どういうことですか?」

    ドラゴン「それはな―――俺はお前たちの敵だからだぁ!!!!」

    キマイラ「ドラゴン様!?気は確かですか?!」

    ドラゴン「殺しはしない。だが、反抗されると勢い余って致命傷を与えかねない。だから、何もするな」

    846 = 842 :

    魔法使い「怪我人の手当てを!!」

    エルフ「分かってる!!」

    僧侶「が、がんばります!!」

    キマイラ「ニンゲン……ドラゴン様……裏切ったのですね……!!!」

    ドラゴン「俺は元々神の使いだ。魔族だけに肩入れしているわけではない」

    キマイラ「屁理屈を……!!!」

    ドラゴン「ふん」

    キマイラ「お前ら!!やつらを殺せ!!」

    魔物「「オォォォォ!!!!」」

    僧侶「ひっ?!」

    魔法使い「来るなら来なさい!!」

    ドラゴン「下がっていろ。―――こいつらに手を出すものは決して許さん!!焼かれる覚悟のある奴だけが前にでろぉ!!!」

    魔物「「グルル……!!」」

    魔法使い「容赦ないわね。元同僚でしょ?」

    ドラゴン「俺には譲れないモノがある。それを奪うというなら同胞だろうと敵に回す。それが俺の戦い方だ」

    847 = 842 :

    「はぁ……はぁ……!!!」ダダダッ

    「きゃっ―――」ドタッ

    「い、た……」

    魔物「ギギギギ!!!!」

    「もう……ダメ……」

    「生きて……もう一度……勇者……さま……に……あいたかった……」

    魔物「ガァァァァァ!!!!」

    勇者「―――俺の寵姫になにしてくれんとんじゃぁ!!!!」

    「え……」

    魔物「がぁ?!」

    勇者「天誅!!!」ザンッ

    魔物「ギギィ……!!!」

    勇者「姫様。ご無沙汰しております。貴女が大好きな俺です」

    「ゆ……しゃ……さまぁ……」ウルウル

    勇者「怖かったでしょう。もう大丈夫です」ギュッ

    848 = 842 :

    「勇者様!!お父様が!!お父様が!!」

    勇者「なんですって?」

    「助けてください!!お父様を助けてください!!」

    勇者「わかりました。姫様はここにいてください」

    「は、はい……」

    勇者「心配しないでください。貴女を悲しませるようなことはしません」

    「おねがいします!!」

    勇者「無事に王を助け出したら、きちんと告白します」

    「な、なにをですか?」

    勇者「姫様を側室にくださいと」

    「はい……!嬉しいです!!」

    勇者「え……。あ、はい」

    「勇者さま!!お父様を!!」

    勇者「分かりました!!」ダダダッ

    「勇者さま……」

    849 :

    おいおい

    850 :

    たぶん気づいてないんだよな


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