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    元スレ勇者「すごい美人で有能な僧侶と魔法使いをお願いします」

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    51 :

    それで「何の音?」とか鬼畜の所業だろ

    52 = 10 :

    魔法使い「……まぁね」

    勇者「さて、進みましょう。もうすぐ森を抜けられるはずです」

    僧侶「は、はい!!」

    勇者「魔力は?」

    僧侶「余力はあります!魔法は一切使ってませんし」

    勇者「なるほど。垂れ流しているだけだから、消費量はいつもと変わらないわけですね」

    僧侶「は、はい……すごく燃費はダメダメですけど」

    勇者「いやいや、便利ですよ」

    僧侶「そ、そうですか……?」

    勇者「ええ。だって一定量の魔力で全快になるんですから」

    僧侶「そ、そういってくださると……嬉しいです……」モジモジ

    勇者「ハッハッハッハ」

    魔法使い「ちょっと……私もがんばったんだけど」

    勇者「大木ハンマー。また、使いましょうね」

    魔法使い「い、いやよ!!」

    53 = 10 :

    ―――城下町

    勇者「はぁ……もう夜になってしまいましたね」

    魔法使い「森から結構な距離があったわよ……嘘つき」

    勇者「地図って難しいですね。ほらほら」

    僧侶「本当ですね。地図上ではたった数センチなのに……」

    魔法使い「馬鹿……。もういいわ。早く休みましょう」

    勇者「では、僕は魔物から得た戦利品を売って来ます」

    僧侶「わかりました」

    魔法使い「じゃあ、私たちは宿をとっておくわね」

    勇者「お願いします」

    僧侶「勇者様、後ほど」

    勇者「はっ」

    魔法使い「……」

    僧侶「どうしたんですか?」

    魔法使い「別に。いきましょう」

    54 = 16 :

    勇者の性格が結構好き
    >>33のやりとりとか
    クセのある正直者なのが良いw

    55 = 14 :

    変態でも紳士たれ、か

    56 :

    木に抱きついた魔法使いと勇者に抱きついた僧侶
    どこで差がついたのか

    57 :

    おっつん
    慢心、努力の差

    58 :

    面白支援。乙

    59 :

    ある意味有能だよな

    60 :

    まさに変態紳士!wwwwww

    61 :

    ―――宿屋

    店主「では、二部屋ということで」

    僧侶「はい。ありがとうございます」

    魔法使い「早く横になりたいわね」

    僧侶「そうですね」

    店主「ちょっといいですか」

    僧侶「は、はい?」

    店主「こちらを持っていってください」

    魔法使い「なぁに、これ?」

    店主「今、冒険者の方たちにお配りしているんです。ここより北へは行かないようにと」

    僧侶「北……ですか?」

    店主「魔王の軍勢が侵攻してきているようで」

    魔法使い「もうこんなところまで……。止められないの?」

    店主「ええ。各国から選出された勇者様も悉く命を落としている現状では……。この国の兵力も長年の戦で疲弊してますし」

    僧侶「そうですか……」

    62 = 61 :

    ―――寝室

    魔法使い「どの国の勇者もダメだったのね」

    僧侶「そういえば最近、勇者様のお話って耳にしませんでしたね」

    魔法使い「このままじゃ世界は……」

    僧侶「……」

    ガチャ

    勇者「ただいま戻りました」

    魔法使い「ノックぐらいしないさいよ!!」

    勇者「どうして着替え中じゃないんですか!!!」

    魔法使い「なんで怒ってるわけぇ!?」

    勇者「ガード固いな!!全く!!!」

    魔法使い「アンタ、本当に勇者なの!?」

    僧侶「まぁ、まぁ」

    魔法使い「あんたも怒りなさいよ!!馬鹿っ!!」

    勇者「これからは常に着替え中でいてくださいよ、ホントに」

    63 = 61 :

    魔法使い「意味わかんないこといってんじゃないわよ!!」

    勇者「それはさておき、これを」スッ

    魔法使い「え?私に?」

    勇者「はい。路銀も増えたので新しい武器を購入してきました」

    魔法使い「なによ……」ガサゴソ

    僧侶「あの……勇者様?私には……?」

    勇者「申し訳ありません。一つしか買えなくて」

    僧侶「あ、い、いえ!!ごめんなさい!!」

    魔法使い「……鞭?」

    勇者「はい。似合いますよ」

    魔法使い「そう?」パシンッ

    勇者「最高です」

    魔法使い「でも、どうして鞭なの?」

    勇者「なんか……そそるじゃないですか」

    魔法使い「目がいやらしいわよ?」

    64 = 61 :

    魔法使い「……まあ、いいけど」パシンッ

    勇者「お二人は何を?」

    僧侶「あ、実はこれを」スッ

    勇者「これは……なるほど……」

    僧侶「どうしますか?北は危ないとのことですし、ここは……」

    勇者「北に行きましょう」

    魔法使い「え!?」

    僧侶「勇者様!?でも、危ないって……!!」

    勇者「危なくなれば逃げればいいだけです」

    魔法使い「アンタねえ!!正気なの!?」

    勇者「どうしてですか?僕は勇者。いつかは魔王と戦う身。ならば、魔王の軍勢とも戦うべきかと」

    魔法使い「私たちを連れて?」

    勇者「勿論です」

    僧侶「勇者様……」

    魔法使い「無理よ……。死ぬわ。絶対」

    65 = 61 :

    勇者「死にませんよ。僕がいるのですから」

    僧侶「でも……!!」

    勇者「なんですか?」

    僧侶「森のときみたいに、上手くいくとは限りません」

    魔法使い「そうよ。いい?私のこの子も、広範囲に魔法は使えない。集団で襲われたら終わりよ?」

    勇者「ええ。そうでしょうね」

    魔法使い「なら、魔王の軍勢に立ち向かうなんて無謀だわ。勇気と無茶を履き違えないで」

    勇者「物量で勝てるのは恐らく、大国の軍隊だけですよ?」

    僧侶「え……」

    勇者「魔王の軍勢と張り合うだけの兵力なんてどこにもありませんよ」

    魔法使い「そうよ。だから、戦うなんて馬鹿でしょ」

    勇者「ええ。でも、僕は馬鹿ですから」

    僧侶「ゆ、勇者さま?!」

    魔法使い「なっ……!?」

    勇者「魔王を倒すのであれば、その軍勢ぐらい圧倒できなくてどうするんだ!!って考えに至るんですよね。馬鹿だから」

    66 = 61 :

    魔法使い「ちょっと……死ぬ気なの?」

    僧侶「勇者様、危険すぎます!!」

    勇者「僕は死ぬ気なんて更々ありません。僕の夢は魔王を討伐し、国から莫大な報奨金を得て、豪遊しながら老衰死することなんで!!」

    魔法使い「だから!!その下らない煩悩だらけの夢が夢のままで終わるって言ってるでしょ?!」

    勇者「綺麗なお嫁さんをもらって、尚且つ、10人の側室を得るまでは死にません!!」

    魔法使い「軍勢に突っ込んでいってどうやって生き延びるっていうのよ!!馬鹿っ!!アホっ!!」

    僧侶「そ、それは言いすぎですよ……」オロオロ

    勇者「アホ?!アホとはなんだ!!!失礼な!!!」

    魔法使い「怒るポイントがよくわかんないのよ!!!」

    勇者「とにかく。明日は北に向かいます!!」

    魔法使い「私は嫌!!断固拒否!!」

    勇者「分かりました」

    魔法使い「え……?」

    勇者「では、ここで僕の帰りを待っていてくれますか?」

    僧侶「な、何を言っているんですか……?」

    67 = 61 :

    勇者「だってほら、未来の側室候補が死んでしまっては本末転倒ですし」

    魔法使い「だれが側室よ!!だれが!!」

    勇者「貴女たちに決まってるだろうが!!」

    僧侶「側室……」

    魔法使い「せめて嫁候補っていいなさいよ!!」

    勇者「まだお互いを知っていないのに、嫁ですが?え?いいんですか?やったー」

    魔法使い「一人で盛り上がらないで!!!誰がアンタの嫁になるか!!」

    勇者「まあ、ともかく。お二人ともここに居てください。僕が軍勢をなぎ倒して、歩きやすくしてきますから」

    僧侶「そんな……!!勇者様、駄目です!!やめてください!!」

    勇者「僕は勇者ですから。大丈夫です」

    魔法使い「その自信はどこから来るわけ……」

    勇者「知りたいのであれば、今夜僕と一緒にベッドで……寝ます?」

    魔法使い「去れ!!」

    勇者「おっと。失言でしたね。今夜は諦めましょう。それでは、おやすみなさい」

    僧侶「勇者様!!まだお話は―――!!」

    68 = 61 :

    魔法使い「何よ……あいつ……訳わかんないわ……」

    僧侶「本気なのでしょうか……」

    魔法使い「本気だったら……どうするの?」

    僧侶「……」

    魔法使い「……私は同行しないから」

    僧侶「え?」

    魔法使い「もし本気で行くなら……私は足手まといでしかない……」

    僧侶「そうですね……私も……すぐ魔力が空っぽになっちゃいますし……」

    魔法使い「私だって、魔法の効果範囲が零距離だし……」

    僧侶「私たち……」

    魔法使い「……ホント、ダメね」

    僧侶「はぁ……」

    魔法使い「……もう寝ましょう?」

    僧侶「はい」

    魔法使い「アイツもきっと……冗談だろうし……」

    69 = 61 :

    ―――深夜

    僧侶「ん……」ムクッ

    魔法使い「すぅ……すぅ……」

    僧侶(お手洗い……)モジモジ

    僧侶「……」ガチャ

    僧侶(確か……この廊下の突き当たりでしたね……)スタスタ

    勇者「……」

    僧侶「あ……」

    勇者「ん?」

    僧侶「勇者様……どうしたのですか?」

    勇者「いや。催してしまって」

    僧侶「そうですか」

    勇者「貴女も?」

    僧侶「ど、どうしてそんなこときくんですかぁ!!!」

    勇者「おっとっと。深夜だからと許されるものではありませんでしたか。反省します」

    70 = 61 :

    僧侶「何をされていたんですか?」

    勇者「僕の部屋からだと月が見えなくて。今日は綺麗な満月ですよ」

    僧侶「そうですね」

    勇者「実に美しい」

    僧侶「……」

    勇者「なにか?」

    僧侶「もしかして……今から出発を?」

    勇者「……多勢と戦う場合、奇襲は常套的な戦術です」

    僧侶「勇者様……」

    勇者「では。行ってきます」

    僧侶「……」

    勇者「……」スタスタ

    僧侶「―――待ってください!!」

    勇者「なんですか?まさか……粗相をご披露してくれると?なんてこった……」

    僧侶「ち、ちがいます!!―――行かないでください!!って言おうとしたんです!!」

    71 = 61 :

    勇者「何故ですか?」

    僧侶「も、もし……勇者様が帰ってこなかったら……私たちはどうしたらいいんですか?!」

    勇者「それはありえませんが……。まあ、そうなったら諦めて元の傭兵所に戻って頂くしか……」

    僧侶「む、無責任ですっ!!」

    勇者「え?」

    僧侶「余り物の私たちを拾っておいて、勝手なこと言わないでくださいっ!!」

    勇者「……」

    僧侶「さ、最後まで面倒見てください……。それに……私たちの夢も叶えてくれるって言ったじゃないですか……」

    勇者「あぁ……そうでしたね」

    僧侶「それとも……私たちの夢を……約束を反故にするのですか?」

    勇者「何を馬鹿な。守りますよ。勿論」

    僧侶「なら……行かないでください……」

    勇者「僕は死にません」

    僧侶「まだ、出会って日が浅いのに信じられません!!勇者様のお言葉には根拠もありません!!」

    勇者「え?勇者ってことが証明にならないんですか?びっくり」

    72 = 61 :

    僧侶「各国の勇者様だって何名も命を落としていますから」

    勇者「なるほど。他の勇者が僕の信頼度を落としたわけですね。ゆ、ゆるせん!!」

    僧侶「ですから……」

    勇者「……でも、行かないと」

    僧侶「どうしてですか!!」

    勇者「だって、このまま魔王の軍勢を放っておいたら、僕の帰ってくるところが無くなりますからね」

    僧侶「あ……」

    勇者「故郷で超絶美人のお嫁さんと10人の側近をはべらせて老衰死するという目的が達成できないので」

    僧侶「……」

    勇者「だから、止めないと」

    僧侶「……分かりました」

    勇者「ご理解いただけましたか」

    僧侶「わ、私も行きます!!」

    勇者「え?」

    僧侶「あ、足手まといかもしれませんが……それでも勇者様を癒すことは……できますから……」

    73 = 61 :

    勇者「いや、こう体を反らしてくれるだけで目は癒されますけどねぇ」

    僧侶「勇者様!!私は真剣なんです!!」

    勇者「付いて来てくれるのは嬉しいですが……いいのですか?」

    僧侶「わ、私は勇者様のお供ですから!!」

    勇者「ふっ……。40秒で支度しなっ!!」

    僧侶「え!?あ、いや!!あの!!お手洗いにも行きたいので……!!」モジモジ

    勇者「じゃあ……400秒まで待ちましょう!!」

    僧侶「あ、ありがとうございます!」タタタッ

    勇者「……」

    僧侶「あの!!勝手に出発しないでくださいね!!」

    勇者「しませんよ。ここで貴女が奏でる水の音に耳を傾けてますから」

    僧侶「や、やめてください!!!」

    勇者「さあ、あと375秒ですよ!!」

    僧侶「あああ!!!」タタタッ

    勇者「……」

    74 = 61 :

    ―――寝室

    僧侶「起きてください!!」ユサユサ

    魔法使い「ん……?なに?まだ夜じゃないの」

    僧侶「あと250秒しかありません!!」

    魔法使い「え?なんの話?」

    僧侶「今から魔王の軍勢と戦いに行くんです!!」

    魔法使い「はぁ!?なんで?!どうしてよ!?」

    僧侶「ダメ……ですか?」

    魔法使い「いや……なんでそうなったか説明してくれないと……」

    僧侶「勇者様は本気でした。故郷を守るために……戦おうとしているんです」

    魔法使い「故郷を……?」

    僧侶「はい」

    魔法使い「……私でも役に立てると思う?」

    僧侶「勇者様は出来れば私たちにも力を貸して欲しいって言っています」

    魔法使い「そう……そうなの……」

    75 = 61 :

    ―――宿屋 入り口

    魔法使い「……おはよ」

    僧侶「お待たせしました」

    勇者「ありがとうございます」

    魔法使い「……ちゃんと守ってくれるの?」

    勇者「もちろん。傷一つつけないようにしますよ。それが勇者の役目です」

    魔法使い「ふん……。早死にするわね」

    勇者「いえ。90歳までは生きます。魂だけでも現世に噛り付く勢いで」

    魔法使い「そこまで行ったら潔くくたばりなさいよ!!」

    勇者「生きるっ!!!」

    魔法使い「もういいわ……。出発前から疲れる……」

    僧侶「そ、それより……勇者様?奇襲をかけるといっても……夜ですし、魔物のほうが有利じゃないでしょうか?」

    勇者「夜行性の魔物も配備されているみたいですが、地図を見る限り、山の裏側に回り込めば十分に奇襲はかけることはできます」

    魔法使い(こいつ……いつからそんな下調べを……?)

    勇者「では!出発!!」

    77 = 61 :

    ―――山道

    魔物「グルル……」ピクッ

    魔物「グルル……?」

    勇者「ふっ!!」ザンッ

    魔物「ガッ!?」

    勇者「よし、行きましょう」

    僧侶「は、はい!!」

    魔法使い「はぁ……はぁ……」

    勇者「少し休憩しますか?」

    魔法使い「大丈夫。先に進みましょう……」

    勇者「裏側の道なので荒れていますし、無理をすることは……」

    僧侶「でも、時間をかければ魔物たちが異変に気づいてしまいますし」

    勇者「そうですね。行きましょう」

    僧侶(できるだけ魔力を残しておかないと……!)

    魔法使い(本当にこんなことで勝てるの……?)

    78 = 61 :

    ―――山頂

    勇者「―――ここですね」

    トロル「待っていたぜ?」

    勇者「!?」

    魔法使い「え……!?」

    僧侶「そ、そんな……」

    魔物「グルルル……!!」

    魔物「ギギギ……!!!」

    勇者「待ち伏せされていたとは」

    トロル「馬鹿が!!人間の臭いは熟睡してても飛び起きるぐらいにおうんだよぉ!!」

    勇者「なるほど」

    トロル「やれぇ!!」

    魔物「「ガァァァァ!!!」」ダダダッ

    勇者「退却!!!」ダダダッ

    トロル「追え!!逃がすな!!!」

    79 = 61 :

    トロル「グフフフ……!!たった三匹で勝てるものか……!!!」

    トロル「さぁて……もう死んでるころかな……。様子でも見てくるか」ズンズン

    トロル「……おい!!人間はどうなったぁ!!!」

    トロル「……」

    トロル「おーい!!!誰かこたえろぉ!!!」

    「―――まさか一斉に嗾けてくれるとは、ありがとうございます」

    トロル「ん!?」

    勇者「……」

    トロル「貴様……!?」

    勇者「とりあえず、増援が来る前に終わらせるか」

    トロル「俺様の部下は……!?」

    勇者「埋めてやった」

    トロル「はぁ!?」

    勇者「さあ、三対一だ!!覚悟しろよ!!」

    トロル「何をした!!貴様ぁ!!!」

    80 = 61 :

    ―――山道

    僧侶「さあ、早く勇者様を追いましょう!!」

    魔法使い「ええ!」

    僧侶「でも、まさかこんなにも上手く行くなんて」

    魔法使い「落とし穴なんて古典的な罠だったのに……」


    勇者『いいですか?今から落とし穴を作ります』

    魔法使い『落とし穴?今から?!』

    僧侶『そんなことできませんよ!!道具もないですし!!』

    勇者『道具は鞭だけで十分です』

    魔法使い『これ?』

    勇者『今から貴女に巨大な穴を掘っていただきます。魔物を一網打尽にするために』

    魔法使い『ど、どうやって?!』

    勇者『全身ファイヤーで地面を溶かせてください』

    魔法使い『馬鹿か!?そんなことできるわけ……!!!』

    勇者『出来なければ他の方法を考えますけど、土を融解させるぐらい訳ないでしょう?』

    81 = 61 :

    魔法使い『できなくても文句言わないでよ……』

    僧侶『が、がんばってください!!』

    魔法使い『うおぉぉ……!!!』ジジジジ

    勇者『おぉ……すごいすごい。溶けてる溶けてる』

    魔法使い『んぐぐ……!!!』ジジジジ

    僧侶『人間マグマ……』

    魔法使い『で、これどうやって外に出るわけ!?』

    勇者『鞭を使います。ひっぱり上げますから』

    魔法使い『護身用じゃなかったのね……』

    勇者『兼用ですよ』

    魔法使い『あー!!もう!!魔力がぁ!!!たりないわよぉ!!!!』ジジジジッ

    勇者『チョコ要ります?』


    魔法使い「―――魔力が枯渇したわ……全く……」

    僧侶「私の魔力も時間的に余裕はありませんし……急がないと……」

    魔法使い「アイツ……私がついてこなかったらどうするつもりだったのかしら……」

    82 = 61 :

    ―――山頂付近

    トロル「おぉぉぉ!!!」ガキィン

    勇者「ずっ……!?」

    トロル「はんっ!!部下を排除したところで人間一匹に後れを取るわけないけどなぁ!!!」

    勇者「ふっ!!」ザンッ

    トロル「きくかぁ!!」ドゴォ

    勇者「がっ!?」

    僧侶「―――勇者様!!」

    勇者「あ。首尾は?」

    魔法使い「大丈夫。すぐにはあがってこれないから」

    僧侶「壁が恐ろしいほど湾曲するようしてますからね……」

    勇者「よし……。さあ、トロル。今のうちに降伏するんだ」

    トロル「誰がするかぁ!!」

    勇者「回復を!!」

    僧侶「は、はい!!」ギュゥゥ

    83 = 61 :

    勇者「ぬほほぉ」

    魔法使い「なんで抱きつくわけ!?」

    僧侶「え?」

    トロル「余裕だなぁ!!きさまらぁ!!!」

    僧侶「きゃぁ!!!」

    ギィィン!!!

    トロル「ぐぅ!?」

    勇者「らぁ!!!」ザンッ

    トロル「ぬぅ?!」

    魔法使い「私だって……!!」バッ

    トロル「なに!?」

    魔法使い「はぁぁぁ!!」ゴォォォ

    トロル(な……!?発動前からこの熱気……!?なんて魔力だ!!)

    魔法使い「でぁぁぁ!!!」

    トロル「しまっ―――」

    84 = 61 :

    トロル「……あれ?」

    魔法使い「……」

    勇者「隙ありぃ!!!」

    トロル「魔法はどうなったんだぁ!?」

    勇者「彼女は火の玉一つ飛ばせないんだよ!!!」

    トロル「えー!?」

    勇者「今の熱気が全力の火炎放射だ、バカ野郎!!」

    トロル「そんなポンコツ術士がいるのか!?」

    勇者「僕にとっては有能な魔法使いだ!!」

    魔法使い「……!!」

    トロル「小癪ぅ!!!」

    勇者「はぁぁぁぁ!!!!」

    ザンッ!!!

    トロル「くそ……こ、こんなやつらに……ぐぁ……ぁ……」

    勇者「ふぅー……よし。作戦完了」

    85 = 61 :

    僧侶「す、すごい!!勝ちました!!勝ちましたよぉ!!!」

    魔法使い「え……ええ。そうね……」

    勇者「さあ、早く退散しましょう。雑魚が群がってきては流石に困るので」

    僧侶「あ、そ、そうですね!!」

    魔法使い「でも、いいの?軍勢はそのままってことになるけど」

    勇者「指揮系統が乱れた軍団など小国の兵力でも十分に勝てます」

    僧侶「じゃあ、町に帰って王様に報告をするのですね?」

    勇者「はい。三人でできるのはこれが限界ですから」

    魔法使い「……」

    勇者「なにか?」

    魔法使い「いえ。そういうことなら早く行きましょう」

    勇者「はっ」

    僧侶「勇者様、お体は大丈夫ですか?」

    勇者「そうですね。若干、痛いので手を握ってください」ギュッ

    僧侶「あ……そ、そんな急に握ってこないでください……」

    86 = 61 :

    ―――城下町 宿屋 入り口

    僧侶「夜が明けましたね……」

    魔法使い「疲れた……これは……だめ……ね……」

    勇者「では、僕は王に謁見してきます」

    僧侶「少し休まれてからでも」

    勇者「このタイミングで軍に動いてもらわないと。新しい指揮官が到着したら苦労が水の泡ですから」

    僧侶「そ、そうですか」

    勇者「では」

    僧侶「……」

    魔法使い「さ、お言葉に甘えて私たちは休みましょう。流石にきつい……」

    僧侶「そ、そうですね。私も魔力が完全になくなりましたし……」

    魔法使い「まさかこの私に全力を出させる奴がいるなんて思わなかったわ……」

    僧侶「あはは」

    魔法使い「もうだめ……倒れる……」

    僧侶「が、がんばってください……もうすぐですから……」

    87 = 61 :

    ―――寝室

    魔法使い「つかれたー!!」ドサッ

    僧侶「はい……」

    魔法使い「にしても……よく私に穴を掘らせる……正確には溶かしたわけだけど、あんな方法を思いついたわね」

    僧侶「普通の魔法使いだと継続して高温の魔法を放ち続けるのは至難の業ですからね」

    魔法使い「零距離で効果が切れる私のダメダメ体質を逆手に取ったのよね……アイツ……」

    僧侶「旅立ってすぐ魔物に襲われたとき、魔物を抱きしめたじゃないですか」

    魔法使い「まさか、あのときに思いついてたの……?」

    僧侶「結構豪快に魔物を炎上させてましたからね。土を融解させるほどの温度を出せるかどうかは分かってなかったと思いますけど」

    魔法使い「……」

    僧侶「これでこの地域も平和になってくれるといいんですけど」

    魔法使い「ホントね」

    僧侶「……ところで、お腹すいてませんか?」

    魔法使い「ペコペコ」

    僧侶「勇者様が戻られたら、何か食べましょうね」

    88 = 61 :

    魔法使い「―――ふわぁぁ……遅いわね……」

    僧侶「王様への謁見ですから時間はかかると思いますよ?」

    魔法使い「そうはいっても。もうかれこれ三時間……」

    トントン

    僧侶「あ、勇者様!?」

    魔法使い「ノックすること覚えたの?」

    ガチャ

    僧侶「え……」

    兵士「勇者様のお連れのかたですね?」

    僧侶「は、はい……」

    魔法使い「なに?」

    兵士「とても勇敢なお人です。我々は出来うる限りの恩を―――」

    僧侶「あの……勇者様は?」

    兵士「それが……王への謁見中に倒れてしまって……教会のほうに運ばれました」

    魔法使い「え?!ど、どうして!?」

    89 = 61 :

    ―――教会

    僧侶「失礼します!!!」

    神父「静かにお願いします」

    僧侶「あ、す、すいません……」

    魔法使い「あの……」

    神父「今、眠ったところです」

    勇者「……」

    僧侶「えっと……容態は?」

    神父「熱が出ただけです。しばらく安静にしていれば大丈夫でしょう」

    僧侶「よかったぁ……」

    魔法使い「風邪ですか?」

    神父「心身の疲労からでしょうね……」

    僧侶「疲労って……」

    魔法使い(そういえば……こいつ、昨日から殆ど寝ずに動いてたんじゃ……)

    勇者「……」

    90 = 61 :

    僧侶「勇者様……」

    神父「では、私はこれで。何かあれば言って下さい」

    僧侶「ありがとうございます。何から何まで」

    神父「いえいえ。王から話を聞きました。貴方たちはこの国の英雄だと」

    魔法使い「英雄って……」

    神父「あの軍勢の首領を倒したのでしょう?紛れも無く英雄です」

    僧侶「そ、そんなこと……」

    神父「それでは」

    魔法使い「英雄……」

    僧侶「全部、勇者様ががんばったから……ですよね」

    魔法使い「いつの間にか道具を買い揃えてたり、情報収集もしてたり……」

    僧侶「わ、私たち何もしてませんね……」

    魔法使い「そうね」

    僧侶「わ、わたし!何か食べ物を用意します!!勇者様が起きた時のために!!買出しに行ってきます!!」

    魔法使い「あ、うん。よろしくぅ」

    91 = 61 :

    魔法使い「……」

    勇者「……」

    魔法使い「……」ピトッ

    魔法使い「酷い熱……」

    魔法使い「ふっ……」パァァ

    勇者「ん……?」

    魔法使い「あ、気がついた?」

    勇者「きもちいい……貴女の手……冷たい……」

    魔法使い「氷の魔法よ」

    勇者「……体温が低い人は……心が温かいらしいですね……」

    魔法使い「いや、だからこれは魔法だから」

    勇者「……」

    魔法使い「寝たの?」

    勇者「……」

    魔法使い「……お疲れ様。今はゆっくり休んでて……」

    92 = 61 :

    ―――魔王城

    魔物「―――報告は以上です」

    魔王「……なるほど。下がってよい」

    ドラゴン「まさか、トロルがやられるとは……」

    魔王「どうやらあの国には中々骨のあるやつがいるようだな」

    ドラゴン「どうされますか?私が攻め落としに……」

    魔王「いや。想像以上の敵かもしれん……慎重になったほうがいいだろう」

    ドラゴン「そうですか」

    魔王「そやつの情報を集めることが肝心だ。我の脅威となるやもしれん」

    ドラゴン「人間がですか?まさか……」

    魔王「油断はできん」

    ドラゴン「慎重になりすぎるのは如何なものかと」

    魔王「世界を手に入れるためだ。小さな石でも排斥しておくことに越した事はない」

    魔王「トロルを打ち倒した者を探せ」

    ドラゴン「御意」

    93 = 60 :

    これからの変態紳士の戦いに期待!!

    95 :

    乙!
    すごい事に気がついたけど、この勇者って実は変態じゃね?

    96 :

    まだ序盤なのに二人の好感度がすごいことになってる

    97 :

    変態紳士というか変態イケメンというか

    98 :

    実はこの魔法使い肉弾戦なら最強じゃね?

    99 :

    >>96
    あと8人攻略しないといけないからじゃね?

    100 :

    嫁を入れると9人だな


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