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    元スレ勇者「すごい美人で有能な僧侶と魔法使いをお願いします」

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    951 = 934 :

    ドラゴン「グァァァァァ!!!!!」

    魔法使い「……!!」

    魔王「ふははははははは!!!!!!」

    ドラゴン「……」

    魔王「ニンゲンを庇い、深手を負うか」

    魔法使い「……」

    魔王「劣等種を救ってなんの意味がある?種から劣っている者など消えて当然だぁ!!!」

    魔法使い「なんですって……」

    魔王「力に溺れ、欲に塗れ、他人から奪うことでしかそれを満たせぬ愚かな存在!!それがニンゲンだぁ!!!」

    魔王「そのような生物に価値などあるはずがない」

    ドラゴン「お、とって……いれば……死んで……も……い、いと……?」

    魔王「より優れた種族が繁栄したほうが世界のためだろう?」

    ドラゴン「そして……お前は部下を何百、何千、何万と……切り捨ててきたのか……ゴミのように……」

    魔王「何が悪い?」

    ドラゴン「―――魔王ぉぉぉ!!!!」ダダダッ

    952 = 934 :

    魔王「馬鹿な……!!動けるはずが?!」

    ドラゴン「オォォォォォォ!!!!」ドゴォ!!

    魔王「うお?!」

    僧侶「きゃぁ?!」

    ドラゴン「ふー……ふー……そして俺も……同じように……!!」

    魔王「お前は違う……。お前はただ、戦略的に仕方なかった」

    ドラゴン「そんな陳腐な理由で、何の躊躇いもなく……俺を切り捨てたのか……」

    魔王「我がニンゲンに勝利するためだ」

    ドラゴン「……」

    僧侶「ゴンちゃん……」ギュッ

    ドラゴン「(しっかり背中につかまっていろ)」

    僧侶「……はい」ギュゥゥ

    魔王(にしても今の攻撃で……どうして動けた……?傷も殆ど治癒している……)

    魔王(まるで傷ついた瞬間に癒えているような……)

    ドラゴン「魔王。お前の考えにはやはりついていけない。盲目的に信じていた俺が馬鹿だったな」

    953 = 934 :

    魔王「……」

    ドラゴン「こい。貴様は魔族にとって害でしかない」

    魔王「今まで魔族が巧く繁栄してこれたのは誰のお陰だ?」

    ドラゴン「……」

    魔王「完璧な存在など居はしないぞ」

    ドラゴン「そうだな」

    魔王「多少の不満も飲み込めない下民がそうやってクーデターを起こすと、王は大変困る」

    魔法使い「多少ですって?!」

    魔王「戦に犠牲は付き物だ。無血で終わる戦争などない」

    ドラゴン「……」

    魔王「兵士は死ぬ。その死ぬ兵士たちを次の戦で役立てる。何が問題だ?」

    ドラゴン「ああ、そうだ。お前はそうやって勝ち続けてきた……」

    魔王「そして魔族も力をつけた」

    ドラゴン「お前のやり方はきっと正しいんだろう……でも……」

    ドラゴン「それを隠してこそ王だろうが!!開き直って自分の主張を臆面もなく翳すな!!!」

    954 = 934 :

    魔王「何も分かっていないな」

    ドラゴン「なんだと?」

    魔王「体裁を気にし、上辺の言葉で飾る。これこそ不満の種になろう」

    魔法使い「……」

    魔王「我の行動と偽りの慰めが矛盾したとき、積もる怏怏は計り知れない」

    魔王「それならば初めからこうして曝け出しているほうがよかろう?」

    ドラゴン「お前……」

    魔王「貴様のような離反者もいる。だが、どうだ?お前に味方かいたか?」

    ドラゴン「……っ」

    魔王「我のやり方に異を唱える者は、我が魔王となったときに離れているか、遥か昔に暴動を起こしていることだろう」

    魔王「しかし、それはなかった。誰も我のやり方に疑問は覚えなかったわけだ」

    ドラゴン「違う……それはお前が……」

    魔王「いい加減、気づけ。お前だけが異常ということにな」

    魔法使い「―――バッカじゃないの?」

    魔王「……ほう?」

    955 = 934 :

    魔法使い「旅をしてきて思ったけど、アンタに賛同していない魔族もいたわよ?」

    魔王「……」

    魔法使い「でも、革命を起こそうとはしない。魔王が怖いから」

    ドラゴン「……」

    僧侶「エルフ族ですか?」

    魔法使い「単なる恐怖政治じゃない。まるで賢王みたいな言い草だけど、全然違うでしょ」

    魔王「ニンゲン……我を侮辱するか?」

    魔法使い「アンタは愚王よ。部下のことなんて何も考えない、自分の身が一番大好きなね」

    魔王「おのれ……!!」

    魔法使い「アンタなんかより立派な王は人間にいっぱいいるわ。戦争で勝ってこれたのも戦略が巧かったからじゃない」

    魔王「……っ」

    魔法使い「戦力が大きかったからに過ぎない。その証拠に、アンタはたった一人の勇者に翻弄されてきたんだから」

    魔王「翻弄……?ふはははははは!!!!何を抜かすかぁ!!!我の手の平で踊るだけのニンゲンがぁ!!!」

    魔法使い「私たちのリーダーはアンタの幼稚で愚昧で浅はかな考えなんてぜーんぶお見通しだったわよぉ?」

    魔王「きさまぁぁ……!!」

    957 :

    なんというdisりあい…

    958 :

    キラーマジんが!

    959 :

    ん?いつの間にエルフが消えた…
    はよキラーマシンちゃん目覚めよ

    960 = 934 :

    ドラゴン「その辺にしておけ」

    魔法使い「え?」

    ドラゴン「船を壊されたらどうする?」

    魔法使い「そうね……」

    魔王「我を罵った罪は重いぞ……ニンゲン……!!」

    魔法使い「やば」

    ドラゴン「俺の後ろにつけ」

    魔法使い「そうするわ」

    魔王「いくぞぉぉぉぉ!!!!」ゴォォォ

    ドラゴン「ぐっ?!」

    魔王「ふん!!!」ザンッ

    ドラゴン「―――はぁぁぁ!!!」ドゴォ

    魔王「ぬぅ?!」

    魔王(やはり……何かがおかしい。もしや……)

    僧侶「(私がくっついていること……バレませんように……勇者様……早く戻ってきてください……)」ギュゥゥ

    961 = 934 :

    ―――海賊船 甲板

    勇者「早く!!」

    エルフ「待って!!」

    勇者「キラちゃんを目覚めさせないと……!!」

    エルフ「でも、ガーちゃんを起動させるって急すぎるよ!!」

    勇者「仕方ないじゃないですか!!僕だってまだ先だと思っていました!!」

    エルフ「どういうこと?」

    勇者「魔王が引き篭もっている限りはドラちゃんと貴女さえ居ればなんとかなる予定だったんです」

    エルフ「ど、どうして?」

    勇者「魔王が慎重だったのは、こちらの戦力を恐れていたから。それは対抗するだけの手段がなかったからでしょう」

    エルフ「でも、出てきた……」

    勇者「そう。つまり僕たちに勝てるだけの用意ができたということです」

    エルフ「だけど、魔王は魔法銃を敬遠してこっちに来たんじゃ」

    勇者「それなら僕が到着したときにどこかに行くはずです。魔王が先に海賊団を襲ったのは単にリスクの問題でしょう」

    エルフ「リスクって、ニンゲンの反撃?」

    962 = 934 :

    勇者「そうです。今、表立って魔王と戦っているのは飽く迄も海賊船団。魔法銃を有する僕らよりも負けるリスクは少なく、また全人類の士気を大幅に削ぐことができる」

    エルフ「じゃあ、合流したボクたちって……」

    勇者「魔王にとっては手間が省けたというだけでしょうね」

    エルフ「そんな」

    勇者「だからこそ、魔王にとってのイレギュラーが必要なのです」

    エルフ「それが、ガーちゃん」

    勇者「その通り」

    エルフ「ガーちゃん、ボクたちの記憶を持っているか怪しいよ?」

    勇者「言ったでしょう?―――もう一度、ボクに恋をさせると」

    エルフ「……うん」

    勇者「さぁ!!急ぎましょう!!!」ダダダッ

    エルフ「大丈夫かな……」ダダダッ

    海賊「おーい!!こっちだぁ!!!」

    勇者「え?」

    海賊「キラーちゃん、運んできたぜー!!」

    963 = 934 :

    勇者「てめぇぇ!!!なにやってんだぁぁ!!!」

    海賊「はぁ?!」

    勇者「俺の娘にさわるんじゃねえ!!!」

    海賊「わ、わりぃ……」

    エルフ「今は非常時だよ!!お礼!!」

    勇者「……ご協力感謝します」

    海賊「……大事な仲間なんだな」

    勇者「とうぜんだろぉ!!」

    エルフ「エネルギー……どうしよう……」

    勇者「魔力でなんとかなりませんか?」

    エルフ「ボクの全魔力を注げば、起動ぐらいはするだろうけど、すぐに止まると思うよ?」

    勇者「そんな!!」

    エルフ「どうする?」

    勇者「乳頭を押せば、恥らって目を覚ますとは?!」

    エルフ「ないよ」

    964 = 934 :

    魔王「ふんっ!!!」ザンッ

    ドラゴン「オォォォォォォ!!!!!!」

    魔王「……」

    ドラゴン「オォォォォォ!!!!!」ゴォォォ

    魔王「……っ」バッ

    魔法使い「やぁぁぁぁ!!!」ゴォォォ

    魔王「なに!?」

    魔法使い「マグマ……パーンチ!!!」ドゴォ

    魔王「―――所詮は魔法か。少し魔力を流すだけで簡単に相殺できるな」

    魔法使い「ウソ……」

    ドラゴン「下がれ!!!」

    魔王「逃がさん!!!」

    魔法使い「ひっ……!?」

    ドラゴン「―――ドラゴンテール!!!」パシンッ

    魔王「ぬお!?」

    965 = 934 :

    僧侶「(その尻尾、武器にもなるんですね)」

    ドラゴン「普通はしない」

    魔王「……」

    魔法使い「た、助かったわ」

    ドラゴン「余計なことはするな」

    魔法使い「できると思ったのよ……」

    ドラゴン「考えなしに行動するところ、勇者に注意されたことはないのか?」

    魔法使い「う……」

    魔王「ハァァァァ!!!!」ゴォォォ

    ドラゴン「ふんっ!!」

    魔王「……どうやら、お前は無敵のようだな」

    ドラゴン「……」

    魔王「その背中に出来損ないの術士がいるな?」

    ドラゴン「だったら、どうする?」

    魔王「そやつから先に―――殺す!!」シュッ

    966 = 934 :

    ドラゴン「離れろ!!!」

    僧侶「わぁ!!」バッ

    魔王「―――やはり貴様かぁ!!!」

    僧侶「うぁ―――」

    ドラゴン「させるかぁぁぁぁ!!!!」ドゴォ

    魔王「力比べか……!!完全復活を遂げた我に勝てるとでも……思っているのかぁ!!」ググッ

    ドラゴン「そんなこと微塵も思わないな。貴方は……魔族の王……最強でなければならない……!!!」ググッ

    魔王「分かっているようだな……ならば……」スッ

    魔法使い「危ない!!」

    僧侶「ゴンちゃぁん!!」

    魔王「―――弾け飛べぇぇぇ!!!!」

    ドラゴン「しまっ―――」

    ドォォォォォン!!!!!

    魔法使い「くっ……!!」

    僧侶「きゃぁぁ!!!」

    967 = 934 :

    勇者「爆発……!!」

    エルフ「でかい……」

    勇者「急いで戻りましょう!!」

    エルフ「うん!!」

    勇者「にしてもキラちゃん、キスしたら目覚めませんか?」

    エルフ「だから、そんな機能無いってば。一番いいのは一時的に起動させて、ガーちゃん本人に適当な生命体を殺させることなんだけど」

    勇者「周囲には腐るほどいますが」

    エルフ「弱ってないとダメだよ。戦っている最中にエネルギーが切れちゃったら洒落にならないし」

    勇者「どっちにしても危機であることは間違いないですね」

    エルフ「うん」

    勇者「キラちゃん……俺の愛情で奇跡的な起動とか……」

    キラーマジンガ「……」

    勇者「ないかぁ!!」

    エルフ「ガーちゃんは機械兵士なんだから、ちゃんとした手順を踏まないとどうやっても動かないってば」

    勇者「くそぉ!!目覚めのキッスはいらんのかぁ?!」

    968 = 934 :

    エルフ「だからぁ」

    勇者「……」ピタッ

    エルフ「ど、どうしたの?」

    勇者「……」

    エルフ「え……?―――ドラゴン様!?」

    魔王「ふふふふ……ふはははははは!!!!!」

    僧侶「ゴンちゃん!!」ダッ

    魔法使い「ダメ!!」ガシッ

    魔王「―――砕けろぉ!!」

    ドォォォン!!!

    僧侶「きゃぁ?!」

    魔法使い「危ないでしょう?!」

    魔王「さぁ、どうする?お前たちの主力が倒れたぞ?」

    僧侶「ゴンちゃん……ゴンちゃぁぁぁん!!!」

    ドラゴン「ぅ……ぉ……」

    969 = 934 :

    勇者「キラーマジンガの起動、お願いします」

    エルフ「でも……魔物が……」

    勇者「……」

    エルフ「待って。ドラゴン様を……?」

    勇者「……」

    エルフ「嘘だよね?」

    勇者「時間がないのです」

    エルフ「嫌だ!!」

    勇者「しかし!!他に方法がない!!!」

    エルフ「そんなの魔王と一緒だよ」

    勇者「……っ」

    エルフ「ボクは反対だよ、そんなの。―――そんなことするなら、軽蔑する。ボクの好きな勇者じゃないもん」

    勇者「じゃあ、どうしたら……」

    エルフ「それは……」

    勇者「とにかく、ドラゴンをあのままにはできません。治癒をお願いします。僕がなんとか魔王の気を逸らしますから」

    970 = 934 :

    勇者「魔王!!!」

    魔王「……来たか」

    僧侶「勇者様!!ゴンちゃんが!!」

    勇者「いい加減にしろよ……!!俺の女に何度手を出すつもりだぁぁぁぁぁ!!!!!」

    魔法使い「もっと言ってやって!!」

    魔王「ふん……我に歯向かうものは全て処刑だ」

    勇者「貴様にそんな権利なんてないだろうがぁ!!!」

    魔王「我は魔族の王!!!世界を統べる王だ!!!兎の毛ほどの小国で満足するようなニンゲンとは違う!!」

    勇者「そんな人間相手に熱くなってる時点で器が知れるな」

    魔王「……」

    勇者「お前なんか足下が見えていない、独活の大木だぜ」

    魔王「……ふふ……くくく……」

    勇者「なんだ……」

    魔王「安い挑発だな。―――何をしようとしているのか、手に取るようにわかるわぁ!!!」バッ

    エルフ「なっ?!」

    971 = 934 :

    魔王「ドラゴンの治癒など……させるかぁぁぁ!!!!」ゴォォォォ

    エルフ「壁よ!!」キュゥィィン

    魔王「ふははははは!!!耐えられるのかぁ!!!」

    エルフ「がっ……!?無理……かも……」

    勇者「それ以上はぁぁぁぁ!!!!」ダダダッ

    魔王「ふん」ブゥン

    勇者「つっ!?」

    魔王「貴様らでは我には勝てない。何故、それが分からん」

    エルフ「うぐぐぐ……!!!」

    魔法使い「助けなきゃ!!」

    魔王「できるのか?」ゴォォォォ

    魔法使い「まじぃ?!」コォォォ

    魔王「我の炎すらも受け止めるか……実に面白いニンゲンだな……」

    魔法使い「まりょ……く、がぁ……!!」

    僧侶「……ここは……私が……」

    972 = 934 :

    勇者「やめろ!!!」

    僧侶「……っ」ビクッ

    魔王「……」

    勇者「魔王……これがなにか分かるな……」チャカ

    魔王「魔法銃か……」

    エルフ「あっ……はぁ……はぁ……」

    魔法使い「し、死ぬかと思ったわ……」

    僧侶「ゴンちゃんの治癒を!!」

    エルフ「分かってるよ!!」

    勇者「これで終わりにしてやる」

    魔王「ぬ……」

    勇者「……」

    魔王「……」

    勇者「くらえぇぇぇ!!!!」グッ

    魔王「今の我ならば受け止められる!!―――壁よ!!!」

    973 = 934 :

    カチンッ

    勇者「……」

    魔王「……」

    勇者「……」カチッカチッ

    魔王「……ほう?」

    勇者(やっぱり弾切れだったか……)

    魔王「どうやらこれで我の勝利はより確実なものとなったな」

    勇者「みたいだな」

    魔王「覚悟は……できたな?」

    勇者「みなさん!!カバーを!!!」

    僧侶「は、はい!!」

    魔法使い「作戦は?!」

    勇者「えーと……特にありません」

    魔法使い「ちょっと……!?」

    勇者「もう……勝機は殆どありませんから……」

    974 = 934 :

    僧侶「勇者様……」

    魔法使い「……」

    勇者「やはり……人間では魔王になど勝てなかったのです……」

    魔法使い「殆どっていったわね?」

    勇者「……」

    魔法使い「まだあるんでしょ?勝つ方法が!!それを試しなさいよ!!」

    僧侶「勇者様!!私たちはどんなに無茶なことでもやりますから!!」

    勇者「キラちゃんが目覚めれば……あるいは……」

    魔法使い「どうすればいいの?」

    勇者「起動させるためには大量の魔力が必要です。その後で生命エネルギーもいります」

    僧侶「魔力は?」

    魔法使い「私のはもうスッカラカンよ?」

    僧侶「私は抱きつけば魔力を送ることもできますが、少しずつなので時間がかかるかと……」

    勇者「だから……絶望的なんです……」

    魔法使い「ごめんなさい……最後まで役立たずで……」

    975 = 934 :

    勇者「とりあえず両名とも僕に抱きついてくれますか?」

    僧侶「え?」

    魔法使い「こんなときに何言ってるのよ!?」

    勇者「最後のお願いです」

    魔法使い「もう……」ギュッ

    僧侶「勇者様……」ギュッ

    勇者「ぬほほぉ……これが……最後に味わう抱擁……」

    魔王「終わりだ……!!」

    勇者「好きにしろ」

    魔法使い「……っ」ギュゥゥ

    僧侶「うぅぅ……」ギュゥゥ

    勇者「む……そんなに胸を押し付けて、興奮するじゃないですか。貴女もお尻がたまりませんなぁ」ゴソゴソ

    魔法使い「きゃぁ?!どこ触ってるのよ!!」

    勇者「……大事にしてくれて、感謝します」

    魔法使い「え?」

    976 = 934 :

    エルフ「まずい……治癒が追いつかない……」パァァ

    ドラゴン「もういい」

    エルフ「でも!!ドラゴン様!!」

    ドラゴン「もう……俺は駄目だ……それよりも……人形をもってこい……」

    エルフ「ドラゴン様……」

    ドラゴン「俺の命だ……好きなようにさせろ……」

    エルフ「……」

    ドラゴン「あの人形は俺のために働いた……その褒美はいるだろう……」

    エルフ「……わかりました」

    ドラゴン「はやくしろ……勇者が……」

    エルフ「ガーちゃん……いくよ……んっ……!!!」

    ドラゴン「はぁ……はぁ……」

    キラーマジンガ「―――おはようございます」

    ドラゴン「おお……」

    キラーマジンガ「マスター……代理ですね。どうしたのですか?酷い外傷です。早急な治療を推奨いたします」

    977 = 934 :

    エルフ「ガーちゃん……良く聞いて……」

    キラーマジンガ「なんでしょうか?」ズイッ

    エルフ「ちかい……」

    ドラゴン「俺を殺せ。木偶人形」

    キラーマジンガ「……殺す?何故ですか?理由がありません」

    ドラゴン「後ろを見ろ」

    キラーマジンガ「……状況、把握しました」

    ドラゴン「俺を殺し、お前の力に変えろ。そして、勇者と共に魔王を……討て……」

    キラーマジンガ「マスター代行とはいえ、私がマスターを手に掛けることは許されません」

    ドラゴン「やれ……」

    キラーマジンガ「できません」

    エルフ「そ、そんな……でも、今のままじゃあ、ガーちゃんはすぐに機能停止になっちゃうよ?!」

    キラーマジンガ「これは私の意志です。できません」

    ドラゴン「―――俺はもう死ぬ……だがな……無駄死にだけはしたくない……。俺が死ぬことで勇者を守れるのなら……そう死なせてくれ……」

    キラーマジンガ「……」

    978 = 934 :

    魔王「勇者ぁ!!!貴様が消えれば……我の天下となるのだぁぁぁぁぁ!!!!!」ブゥン

    勇者「二人ともはなれて!!」ドンッ

    僧侶「わっ?!」

    魔法使い「ちょっと!!無茶よ!!!」

    魔王「ハァァァァ!!!」

    勇者「なんのぉ!!!」ギィィン

    魔王「そのような鈍らで何ができる!!!」ボキィ

    勇者「ふっ!!」バッ

    魔王「燃え盛れ!!!」ゴォォォ

    勇者「―――甘い!!」ズバッ

    魔王「つっ!?」

    勇者「剣はもう一本あるんだよ!!」

    僧侶「あ、私の……いつのまに?!」

    魔王「非力よな……ふんっ!!」ボキィ

    勇者「よくも……!」

    979 = 934 :

    魔王「これで―――」

    勇者「―――おわりだぁぁぁぁ!!!」ギラッ

    魔王「貴様!?」

    勇者「突き刺されぇぇぇぇぇ!!!!」

    グサッ!!

    魔王「ガァァァァァアアアアアァァァァァア!!!!!!」

    勇者「キャプテンと同じ痛みを思い知れ!!!」

    魔王「おの……れぇぇぇ……我の目を……そのような玩具でぇぇ……!!!」

    魔法使い「あれは……私のナイフ……」

    勇者「はぁ……はぁ……」

    魔法使い「……」

    僧侶「勇者様!!」

    魔王「ぐ……ふふ……これが……精一杯なのだろう……!!!」

    勇者「はぁ……はぁ……はぁ……まだ……立つのか……」

    魔王「―――この程度で図に乗るなぁぁ!!!」ザンッ!!!

    980 = 934 :

    勇者「がぁ……」

    魔王「ふふふ……ふはははは……!!」

    僧侶「勇者様ぁ!!!」

    魔法使い「いや……」

    勇者「あ……ぁ……」ヨロッ

    勇者(傷が……深すぎる……)

    僧侶「勇者さ―――」

    魔王「お前も……目障りだ!!!」ゴォォォォ

    魔法使い「どいて!!」ドンッ

    僧侶「え―――」

    魔法使い「アァァァァァ―――!!!!!」

    勇者「やめろぉぉ!!!」

    僧侶「きゃぁぁぁ!!!!」

    魔王「ふははは……ここまでやるとはな……驚いたぞ。だが……万策尽きな……」

    勇者「かっ……ぁ……くそっ……」

    981 = 934 :

    魔王「ドラゴン……」

    ドラゴン「……」

    エルフ「はぁ……はぁ……」

    魔王「ふん……治癒が間に合わなかったか……」

    エルフ「……」

    勇者(意識が……)

    魔王「ここで終幕だな。楽しかったぞ……ふはははは……」

    勇者「まて……」

    僧侶「いやです!!私のせいで……こんな……こんなぁ……!!」ギュゥゥ

    魔法使い「ぅ……」

    魔王「仲良く海の底で戯れていろぉ!!!」

    キラーマジンガ「―――錆びるのでお断りさせていただきます」

    魔王「!?」

    キラーマジンガ「最終目標補足。魔王……私は貴方を倒すために生まれた機械兵士」シャキン

    魔王「貴様は……魔道士の……」

    982 = 934 :

    キラーマジンガ「はぁ!!!」ザンッ

    魔王「ぐぉ!?」

    キラーマジンガ「……」

    魔王「あやつめ……我を暗殺し、魔王の座を狙っていたというのは本当だったか……」

    キラーマジンガ「覚悟して頂きます」

    魔王「それはできんな!!!」バッ

    キラーマジンガ「あ……」

    魔王「一先ず退くとしよう……!!」

    勇者「それは……ぁ……!!」

    エルフ「ここで逃げられたら……終わる……!!」

    魔王「我は負けん……負けるわけにはいかぬ!!!」

    キラーマジンガ「逃がしません」バッ

    魔王「くるなぁ!!化け物めぇぇ!!」ゴォォォ

    キラーマジンガ「―――はぁぁぁぁ!!!」ギラッ

    魔王「なんだと―――!!」

    984 = 934 :

    キラーマジンガ「成敗」ザンッ

    魔王「がはっ……?!」

    勇者「……」

    僧侶「ジーちゃん……」

    エルフ「やった……?」

    魔法使い「うぅ……っ……」

    魔王「おのれぇ……オノレェェェ……!!!」

    勇者「もう一撃だぁ……!」

    キラーマジンガ「了解」

    魔王「―――遅いわぁ!!!」スッ

    キラーマジンガ「!?」

    ドォォォォン!!!!

    エルフ「ガーちゃぁん!!!」

    魔王「機械兵士までいるとはな……ふふふふ……態勢を立て直すしかあるまい……」

    勇者「まて……に、げるなぁ……」

    985 = 934 :

    魔王「ここまでの深手を負わされるとは……あやつの機械兵士……侮れぬ……な……」

    エルフ「魔王……まて……」

    勇者「くそ……」

    魔王「ふふふ……また相手になってやろう……今度会うときは更なるエネルギーを蓄えて……」

    勇者「まてぇ……!!」

    ドラゴン「―――魔王」

    魔王「なに……」

    ドラゴン「往生際が悪いな……」

    魔王「死にぞこないがぁぁ!!!!」

    ドラゴン「逃がしはしない!!!」ガシッ

    魔王「ぬぉ!?」

    ドラゴン「勇者よ!!キラーマジンガはもう限界だ!!!お前が立ち上がらせろ!!」

    勇者「俺も限界だけど……」

    僧侶「勇者様!!手を!!」

    勇者「あ……あぁ……」ギュッ

    986 = 934 :

    勇者「よし……これで少しは動ける……」グッ

    僧侶「勇者様、急いでください!!」

    勇者「ああ……わかってるよ」

    勇者「キラーマジンガ!!」グイッ

    キラーマジンガ「パパ……お腹が空きました」

    勇者「あそこに飯があるぞ」

    キラーマジンガ「……」

    魔王「おのれぇぇ!!!」ガッ

    ドラゴン「勇者よ!!早くしろ!!!」

    キラーマジンガ「パパ……」

    勇者「走れるか?」

    キラーマジンガ「無理です」

    勇者「じゃあ、早く乗れ!!」

    キラーマジンガ「よっと。―――合体!!勇者マジンガ!!」

    勇者「ネーミングセンスねえな!!―――いくぞぉぉ!!」ダダダッ

    987 = 934 :

    魔法使い「おぶって……つっこむき……?」

    僧侶「いけー!!」

    勇者「アァァァァァ!!!!」ダダダッ

    キラーマジンガ「エネルギー値限界です」

    勇者「気合で我慢だ!!!」

    キラーマジンガ「スパルタパパ……好きじゃない……」

    魔王「くぅぅぅ!!!!」

    ドラゴン「最後だ……魔王……!!!」

    魔王「なぜだぁぁ!!!何故ニンゲンに加担する!!!」

    ドラゴン「俺はニンゲンに手を貸した覚えはない!!」

    魔王「我が……我が死んでもぉぉぉ―――!!!」

    勇者「やれぇぇ!!!」

    キラーマジンガ「一刀両断っ」

    魔王「オォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!」

    ―――ザンッ!!!

    988 = 934 :

    魔王「ガァ……ァァ……」

    勇者「はぁ……はぁ……」

    キラーマジンガ「……」

    ドラゴン「魔王……様……」

    魔王「死なぬ……我……は……しな―――」

    僧侶「……」

    魔法使い「……たお……したの……?」

    エルフ「魔王……」

    勇者「はぁ……はぁ……はぁ……」

    キラーマジンガ「エネルギー補給完了しました」

    エルフ「勝った……んだ……」

    魔法使い「や、やった……のね……?」

    僧侶「私たちが……魔王を……!!」

    ドラゴン「ああ……魔王は倒れた……我々の手によってな……」

    勇者「ふっ……ふふふ……はははは……やった……ついに……やったんだ……」ガクンッ

    989 = 934 :

    魔法使い「大丈夫?!」

    勇者「腰が抜けました……」

    ドラゴン「情けないな」

    エルフ「そういうドラゴン様も足がガクガクしてますけど?」

    ドラゴン「これはあれだ……8ビートを刻んでいるだけだ」

    キラーマジンガ「全然8ビートではありません」

    僧侶「勇者さまー!!!」ギュッ

    勇者「おぉ?!」

    僧侶「やったのですね!!私たち!!!」ギュゥゥゥ

    勇者「はい……やりました。僕たちの勝ちです」

    僧侶「勇者様……夢みたいです……私……私……!!」ギュゥゥ

    勇者「ええ……まさか、本当にここまでこれるとは……っと、僕は初めからこうなることが分かっていましたけど」キリッ

    魔法使い「腰が抜けた状態でいわれてもかっこよくないわよ。―――ほら、手」

    勇者「ど、どうも……」ギュッ

    魔法使い「お疲れ様……かっこよかったわよ?」

    990 = 934 :

    勇者「でも、殆どキラちゃんの活躍によるものですし」

    ドラゴン「そうだな……。俺を殺していれば、もう少し楽に勝てたものを」

    キラーマジンガ「最終的な決断は自分の意志で下してもいいと言ったのはマスターです。私はそれに従いました」

    ドラゴン「まぁ……な……」

    キラーマジンガ「私にも譲れないモノがありますから」

    エルフ「まるでニンゲンみたいだね、ガーちゃんは」

    キラーマジンガ「それは最高の褒め言葉です」

    ドラゴン「周囲にいた魔物も撤退しているようだな」

    キラーマジンガ「はい。魔物の反応が遠ざかっていきます」

    僧侶「勇者様、これからどうされるのですか?」

    勇者「まずはキャプテンの治療を行いましょう」

    魔法使い「勝利の余韻に浸っている場合じゃないのね」

    勇者「魔物が襲ってこないとも限りません。疲れているとは思いますが、お願いします」

    僧侶「分かりました」

    ドラゴン「この船も時期に沈む。移動しよう」

    991 = 934 :

    ―――海賊船 医務室前

    船長「キャプテンはどうなったんだよ?!」

    エルフ「右目はもう……駄目だったよ」

    勇者「どうにもならないと?」

    僧侶「神経がやられていました。傷を癒すことはできても……そこまでは……」

    船長「そんなぁぁ……!!!」

    勇者「面会はできますか?」

    僧侶「はい。まだ、意識は戻っていませんが」

    勇者「では、失礼します」スタスタ

    船長「俺も面会する!!!するぞぉぉぉぉ!!!」

    エルフ「騒がしいから貴方はダメ」

    船長「なんだとぉ!!」

    僧侶「キャプテンさんの体に障りますから」

    船長「キャプテェェェン!!!!」

    エルフ「大人しくしててよ!!」ドガァ

    992 = 934 :

    ―――医務室

    勇者「……あ」

    キャプテン「ダーリンじゃないか……」

    勇者「気がついたのですね」

    キャプテン「どうだい?眼帯つけて……海賊らしくなったろ?」

    勇者「……」

    キャプテン「こっちのほうが……かっこいい……ね……」

    勇者「貴女の美しさは損なわれていませんよ」

    キャプテン「……」

    勇者「貴女は綺麗です」

    キャプテン「ほ、本当だろうね……?」

    勇者「勿論」

    キャプテン「じゃ、じゃぁ……こんな……顔でも……あたしを……お、お、およめに……してくるの……?」モジモジ

    勇者「拒む理由がどこにありますか。むしろ、こちらから頭を下げて懇願したいぐらいです」

    キャプテン「も、もう……ダーリンの……そ、そういうところが……あ、あたしは……好きだ……ぞ……」

    993 = 983 :

    えんだああああああああああ

    994 = 934 :

    ―――甲板

    「……沈んでいく」

    キラーマジンガ「……」

    魔法使い「魔王の最後ね。船を一緒に海の底か……」

    「これでよかった……これで……魔族も変わる……」

    キラーマジンガ「私にはよくわかりませんが、マスターがそういうのでしたらきっと変わるのでしょう」

    魔法使い「でも、新しい魔王がいないと魔族が混乱しちゃうんじゃないの?」

    「だろうな」

    魔法使い「どうするの?」

    「まだ分からない」

    キラーマジンガ「マスターが新魔王になるべきでは?」

    魔法使い「あ、それいいわね。私も応援するわよ?」

    「馬鹿いうな。俺は裏切り者だぞ。そんなことをすれば余計な混乱を生むだけだ」

    魔法使い「そうかしら?」

    「そうだ。それに……俺にはできないな……統治なんて……」

    995 = 934 :

    ―――夜 甲板

    勇者「……」

    「勇者よ」

    勇者「どうしました?」

    「俺は何も感じないが、夜は冷えるのだろう?中に入ったらどうだ?」

    勇者「……」

    「……どうした?」

    勇者「もうそろそろ来るかなと思っています」

    「誰がだ?」

    勇者「僕は魔王を殺してしまった」

    「おい」

    勇者「きっと僕は魔族に恨まれている」

    「……」

    勇者「このままじゃ……また、繰り返すだけ……」

    「お前……まさか……」

    996 = 934 :

    勇者「……」

    「まて……!!」

    勇者「来たようです」

    「?!」

    キマイラ「―――ここに居たか」

    勇者「船を直接狙ってこなかったのは、感謝するべきですね。紳士的な対応に感服する次第です」

    キマイラ「……」

    「おい……やめろ……!!」

    勇者「俺も復讐から始めたようなものだった……」

    「勇者!!考え直せ!!こいつ程度なら俺が―――」

    勇者「俺にだって親友や最愛の人はいた……魔王はそれを全て奪った……」

    勇者「だから、死んで当然だって思っていた」

    「勇者よ!!目を覚ませ!!」

    勇者「でも……それは……魔族だって同じだった……。ドラゴンのように……仲間のために苦心し、涙を流せるなら……」

    勇者「魔王を倒せば俺は誰かに恨まれる……。終わらない……何も解決しない……」

    997 = 934 :

    キマイラ「では、どうする?」

    勇者「俺一人の命で済むか?」

    キマイラ「大人しく殺されるのなら」

    「やめろ……!!」

    キマイラ「ここで殺せばまた戦火は広がるな」

    ドラゴン「―――やめろぉ!!!」

    勇者「でも、俺を殺さないと気がすまないだろ?」

    キマイラ「勿論だ」

    勇者「ドラゴちゃん」

    ドラゴン「勇者……」

    勇者「これで復讐は終わりです」

    ドラゴン「なぜだ……!!」

    勇者「俺で終わりにする……そう決めたのです……ずっと前に」

    ドラゴン「間違っている!!!」

    勇者「俺は人知れず死ぬのです。何人もの女性を口説き、収集がつかなくなったから蒸発した。そういうシナリオです」

    998 = 934 :

    キマイラ「では、こい」グイッ

    勇者「ああ」

    ドラゴン「まて……!!」バサッバサッ

    勇者「ドラゴちゃん」

    ドラゴン「行かせはせんぞ……!!」

    キマイラ「本調子ではないのでしょう、ドラゴン様?」

    ドラゴン「ぐっ……」

    勇者「ドラゴちゃん!!」

    ドラゴン「な、なんだ!?」

    勇者「僕は死なない」

    ドラゴン「ふざけるなぁ!!!」

    勇者「可愛い側室がいっぱいいるんだ。必ず帰ってくるよ」

    ドラゴン「やめろぉぉ!!!」

    勇者「おかしいなぁ、僕を信じられないの?」

    ドラゴン「当然だ!!」

    1000 = 999 :

    頼む


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