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    元スレ勇者「すごい美人で有能な僧侶と魔法使いをお願いします」

    SS+覧 / PC版 /
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    タグ : - 勇者 + - 神スレ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    202 :

    予想はよそう(キリッ

    203 :

    もういいよそう言うのは(ドヤァ

    204 :

    はよそう言うのやめい(フンス

    205 = 199 :

    これは予想じゃねぇだろ…

    206 :

    展開潰すような事書くなって事だよ分かれよ

    207 :

    >>199の内容でどうやって展開が潰れるってんだ

    208 :

    >>207
    お前ばかだろ

    209 :

    過剰反応し過ぎな気もする、予想レスよりもそれに噛み付いて荒れる方が怖い
    この板って短気な人多いよね

    210 :

    せやろか?

    212 :

    おちんぽカステラ(チンカス)おぃひいいいいぃぃぃぃぃぃ

    213 :

    続きが来たかと思ったら…

    214 :

    もしかして…

    自演?

    215 :

    ほっとけよ
    掘り返すな

    216 :

    >>199-215
    静かに

    >>217に書き込むのは>>1もしくはこのssに対する感想
    違った場合荒らしとする、異論は認めない
    これ以上>>1を困らせるようなことはしないでくれ
    待てない人がいてうざったいのはわかるけどそれでまた騒いだら>>1が困るのくらいわかるでしょ?
    そいつに対する煽りや皮肉はいらない、1人が1回注意すればいい
    その後になにか言うやつはただの荒らしだよ

    >>1待ってるから頑張ってください

    218 :

    多分これコピペ
    どっかで見た覚えがある
    煽ってんじゃね?

    219 :

    僧侶「割と平気そうでしたけど」

    魔法使い「そう……」

    僧侶「でも、これからどうするんですか?本当に魔王を?」

    魔法使い「ええ。こんな体質でも十分に戦えるって分かったのよ?やれるわ」

    僧侶「どのように戦うのですか?」

    魔法使い「相手が攻撃してきたら熱を纏えばいいじゃない」

    僧侶「熱に強い相手だったら?」

    魔法使い「冷気を纏うわ」

    僧侶「魔法に強い相手だったら?」

    魔法使い「そのときは……」

    僧侶「そのときは?」

    魔法使い「考えるわよ」

    僧侶「そ、そうですか」

    魔法使い「今はとにかく魔王に関する情報を集めることが重要なの。わかった?」

    僧侶「は、はい」

    220 = 219 :

    ―――街 酒場

    店主「魔王に関すること?」

    魔法使い「なにかしらないかしら?」

    店主「私はただの酒場のマスターなんでね」

    魔法使い「でも、客から色々話を聞いたりするでしょ?」

    店主「そんな話題を口にするような人は貴女が初めてですよ」

    僧侶「そ、そうですよね」

    魔法使い「それじゃあ、何か魔物に関することでもいいわ」

    店主「そういっても……特には……」

    魔法使い(情報収集ってこんなに難しいの……)

    店主「あ。気になることなら一つありますね」

    僧侶「なんですか?」

    店主「なんでも人身売買組織があるらしいですよ」

    魔法使い「人身売買?」

    店主「はい。今この国に大規模な人身売買組織があるらしく、裏ではかなりエグいこともしているそうです」

    221 = 219 :

    魔法使い「ふーん……」

    僧侶「なんて非人道的な……!!」

    店主「まあ、人身売買自体は珍しいことではありませんがね」

    魔法使い「身寄りの無い子どもが自分を売ったり、借金苦で売るって話はよくあるわね」

    店主「時代が時代ですからね」

    僧侶「でも、組織化されているってことは、人身売買で商売をしているってことですよね?」

    魔法使い「そうじゃないかしら?」

    僧侶「そ、そんなの許せません……!」

    店主「気分のいい話じゃないことは確かですよね。噂では魔物が人間を拉致しているみたいですし」

    魔法使い「なにそれ。人間と魔物が手を組んでるわけ?信じられないわ……」

    僧侶「待ってください。魔物が協力しているなら、もしかすると魔王とも結託しているのではないでしょうか?」

    魔法使い「可能性はあるわね……」

    店主「とはいえ、私もお客さんから聞いただけで信憑性はあまり高いとは言えませんが」

    魔法使い「その組織に迫れば、きっと魔王のことも分かるわ。―――どうやら、目標ができたわね」

    僧侶「はい。その人身売買組織について調べましょう」

    222 = 219 :

    ―――夕方 街 広場

    魔法使い「……」

    僧侶「わかりませんね」

    魔法使い「甘かったわ。裏世界の情報なんて普通、誰も教えてくれないわよね」

    僧侶「そうですね。人身売買を行う組織があるってだけでは……」

    魔法使い「身内が被害に遭ったわけでもないし、私たちは組織を追う法的機関でもない」

    僧侶「そろそろ宿でも探しませんか?」

    魔法使い「そうね。そうしましょうか」

    僧侶「勇者様なら……」

    魔法使い「え?」

    僧侶「勇者様なら、そんな情報でもすぐに手に入れてこられたのでしょうか?」

    魔法使い「もういいでしょ。あんな奴のことなんて」

    僧侶「……」

    魔法使い「行きましょう」

    僧侶「はい」

    223 = 219 :

    ―――宿 寝室

    魔法使い「ふー、いいお湯だったわ」

    僧侶「……」ペラッ

    魔法使い「なにしてるの?」

    僧侶「え?ああ……その……」

    魔法使い「なにこれ?エルフ伝説?」

    僧侶「……知ってますか?」

    魔法使い「エルフって伝説上の種族でしょ?魔法の礎を設計したって言われてるけど……」

    僧侶「はい。人間と共存していたと言われるも、数百年前に歴史から姿を消した人間ではない……魔族の一種です」

    魔法使い「魔物の中でも人間と近しい志向を持っていたから、かなり友好的だったとも言われているわね」

    僧侶「いると思いますか?」

    魔法使い「過去にいたかもしれない連中でしょ?そんなのいるわけ……」

    僧侶「でも、ドラゴンはいました」

    魔法使い「む……。それを言われると……」

    僧侶「魔法を創造した種族。もしいるなら、私たちの体質も改善してくれるかもしれません」

    224 = 219 :

    魔法使い「そうね。夢があっていいわねぇ」

    僧侶「はい」

    魔法使い「でも、どうして急にエルフ伝説なんて……」

    僧侶「実は……勇者様が別れ際に―――」

    勇者『その森にはエルフがいると昔から噂されていました。むろん、眉唾もいいところで誰も真剣に捜索なんてしていませんが』

    僧侶『勇者様はエルフを?』

    勇者『はい。エルフは美形が多い、否、美形しかいないという伝説もあります。一人ぐらい側室に居てほしいと考えています』

    僧侶『探すというわけですか……』

    勇者『ええ。貴重な側室候補が二人もいなくなってしまいましたからね』

    僧侶「―――と、言っていました』

    魔法使い「あっそ……!」

    僧侶「もしエルフがいるなら、私たちの欠陥も直してくれるかもしれないってずっと考えていました」

    魔法使い「可能性としてはあるかもしれないけど……」

    僧侶「人身売買の件も全く分かりませんし、エルフを探すことも私たちにとっては有益なことではないでしょうか?」

    魔法使い「うーん……でも……」

    225 = 219 :

    僧侶「ダ、ダメ……ですか?」

    魔法使い「アイツもさがしているのよね?」

    僧侶「再会するかもしれないとお考えですか?」

    魔法使い「……うん」

    僧侶「いいじゃないですか。もし居合わせても利害は一致してますし」

    魔法使い「……」

    僧侶「恥ずかしい……とか?」

    魔法使い「あんたねえ……!!ブロッコリー食べさせるわよ!?」

    僧侶「そ、それだけは……!!」

    魔法使い「まあ、いいわ。確かにこのまま居ても進展なんてしないだろうし……エルフなら魔王のことも知っているかもしれないし……」

    僧侶「よかったぁ」

    魔法使い「アイツの言っていた森ってどこになるの?」

    僧侶「地図でいえば、この辺りだと思われます。ここからだと半日もあれば……」

    魔法使い「なら、しっかり準備だけはしておきましょう」

    僧侶「はい!」

    226 = 219 :

    ―――フィールド

    僧侶「そういえば魔物に遭遇した場合はどうします?」

    魔法使い「炎を身に纏って体当たりでもしてやればいいわ」

    僧侶「それって魔力の無駄遣いじゃないですか?」

    魔法使い「他にやりようがないから仕方ないでしょ?」

    僧侶「そうですけど……」

    魔物「―――グルルルル!!!」

    魔法使い「って、言ってる傍から……!!」

    僧侶「ひっ」

    魔物「グルルル……」

    魔法使い「来なさい」ゴォォ

    魔物「ガァァァ!!!」ダダダッ

    魔法使い「……っ」

    魔物「ガァァァァ!!!」ガブッ

    魔法使い「いっ?!」

    227 = 219 :

    魔物「―――オォォォ……」ドサッ

    魔法使い「やった……」

    僧侶「大丈夫ですか?!」

    魔法使い「腕を噛まれただけよ。傷は深くないわ。すぐに燃えたし」

    僧侶「そうですけど……」

    魔法使い「さ、行きましょう」

    僧侶「あ、まってください」ギュゥゥ

    魔法使い「ちょっと……!!」

    僧侶「どうですか?」

    魔法使い「……治ったわ。ありがとね」

    僧侶「いえ。早めに有効活用してもらえないと、私はすぐに魔力が無くなるので」

    魔法使い「あんたに触れられたら傷が癒えるなんて、誰も気がつかなかったわよね……」

    僧侶「そうですね。魔法がすぐに使えなくなるって点は大きなマイナスでしかないですし。でも、勇者様は―――」

    魔法使い「早く行くわよ」

    僧侶「あ、は、はい!」

    228 :

    このコンビは良いな

    229 = 219 :

    ―――エルフの森

    魔法使い「はぁ……ここなのね……」

    僧侶「勇者様が言うには……ここですね」

    魔法使い「探索する前に休憩しておく?」

    僧侶「いえ。パンを食べながらなら多少は大丈夫ですから」

    魔法使い「雀の涙じゃない?」

    僧侶「本当に危なくなったら言いますから」

    魔法使い「そう……」

    魔法使い(アイツは私たちの体調管理までしてたのよね……今、思えば……)

    僧侶「にしても未踏の地だからでしょうか、鬱蒼としてますね」

    魔法使い「住んでいる魔物も多いでしょうね。今までで一番、気合を入れないとダメかもしれないわ」

    僧侶「が、がんばります」

    魔法使い「こんなことなら用心棒の一人ぐらい雇えばよかったわね」

    僧侶「そんなお金があればとっくに……」

    魔法使い「言ってみただけよ」

    230 = 219 :

    魔物「ガァァァァ!!!!」

    僧侶「きゃぁぁぁ!!!」

    魔法使い「させない!!」

    魔物「ガァァ!!」ザシュ

    魔法使い「うぁ!?」

    僧侶「あぁ!!!」

    魔法使い「ふ、ふれたわね……!」

    魔物「ガ……?―――ガァァァァ!!!!」メラメラ

    魔法使い「ふぅー……ふぅー……」

    僧侶「今、治癒を!!」ギュッ

    魔法使い「……」

    僧侶「うーん……!!うーん……!!」ギュゥゥゥ

    魔法使い「もう限界でしょ?」

    僧侶「は、はい……き、休憩しましょうか?」

    魔法使い「賛成。私ももう魔力が尽きかけてるし」

    231 = 219 :

    魔法使い「疲れた……」

    僧侶「まだ住んでいる形跡すら見つかりませんね」

    魔法使い「まあ、これぐらいで見つかるなら伝説にはならないでしょうし」

    僧侶「そうですね。エルフさんも意地悪です」

    魔法使い「でも、考えないといけないわね」

    僧侶「何をですか?」

    魔法使い「引き際に決まっているでしょ?いない人をずっと探すつもり?」

    僧侶「それは……」

    魔法使い「意味の無い時間を費やすなら、魔王討伐に向けての準備をしたほうがいいわ」

    僧侶「準備と言っても……具体的になにをすればいいのか……」

    魔法使い「魔王の弱点を探すとか」

    僧侶「判明できているなら人間側がこんなにも劣勢には……」

    魔法使い「魔王の兵力を調べるとか」

    僧侶「大国が全兵力を投じても、防戦しかできないぐらいの兵力です」

    魔法使い「……あら、私たちじゃ勝てないじゃないの」

    232 = 219 :

    僧侶「ですから、こうして―――!」

    魔法使い「分かってるわよ。冗談だから」

    僧侶「なら、いいんですけど……」

    魔法使い「そうよね。あの魔王と戦おうとしているんだから、いくら補強しても補強し足りないことはないわ」

    僧侶「はい。あと人数も……」

    魔法使い「……」

    僧侶「……」

    魔法使い「もう少し休憩したら出発するわね」

    僧侶「あの、その前に……」ギュッ

    魔法使い「いいって」

    僧侶「そう言うわけにはいきません。薬草では限界もありますし」

    魔法使い「もう……。アイツ、薬草持っていったわよね?」

    僧侶「私がきちんとお渡ししておきましたから」

    魔法使い「そう……」

    僧侶「まだ、この森のどこかにいるんでしょうか……?」

    233 = 219 :

    ―――同時刻 エルフの森 深部

    勇者「……」ガサガサ

    勇者「お……」

    勇者「ここは……もしかして……ようやく……見つけた。やはりいると確信していれば、奥まで進むことが苦にならなかったな」

    エルフ「だ、だれ!?」

    勇者「……!?」

    エルフ「ニ……ニンゲン……!?」

    勇者「これはどうも」

    エルフ「あ……れ……?」

    勇者「え……?」

    エルフ「……」

    勇者「あの……?」

    エルフ「何の用ですか?」

    勇者「僕の結婚相手を探しています。貴女、結婚してくれませんか?」

    エルフ「ど、どうして人間なんかと……!!」

    234 = 219 :

    エルフ「おかえりください」

    勇者「そういうわけにはいきません」

    エルフ「なら……容赦はしませんよ?」

    勇者「まさか……夜は常に3ラウンドですか?」

    エルフ「……?」

    勇者「腰が痛くなりそうですね……いやはや……困った困った」

    エルフ「訳のわからないことを……!!」

    勇者「む!?」

    エルフ「立ち去らないというなら……!!」

    勇者「まさか……」

    エルフ「魔法を使ってでも……去っていただきます!!」

    勇者「せめてお話だけでも」

    エルフ「……」

    勇者「弱りましたね。僕のどこがいけませんか?」

    エルフ「全部です!!人間であることが罪です!!」

    236 = 219 :

    勇者「なんて宗教的な考え……」

    エルフ「種族としての考えです」

    勇者「僕は勇者なのに?」

    エルフ「関係ない!!帰って!!帰れ!!!」

    勇者「人間を嫌うのは魔族共通ですか?」

    エルフ「当然です」

    勇者「でも、貴女たちエルフ族は大昔、人間と友好関係を築いていたはず」

    エルフ「数百年前のことです」

    勇者「どうしてその関係は崩れてしまったのですか?」

    エルフ「……」

    勇者「……」ジーッ

    エルフ「……そんなに強くボクを見つめても言わないから」

    勇者「え?どうしてですか?」

    エルフ「どうしてって……人間が嫌いだからに―――」

    勇者「違います!!貴女、女性ですよね!?なのに、今、ボクっていいましたよね?!え!?どうしてそんな一人称になったんですか!?」

    237 = 219 :

    エルフ「は……?」

    勇者「まさか。現実にはほぼいないと思っていたのに……。まさか、このような辺境にいようとは……流石はエルフ!!」

    エルフ「……っ」ビクッ

    勇者「で、どうして自分のことをボクというようになったのですか?」

    エルフ「理由なんてないです」

    勇者「生まれつき?それはもしかして、親が男の子として育てたというすごい事情があったりするわけですか?」

    エルフ「そんなのない!!ボクの家庭はいたって平凡だ!!」

    勇者「また言った!!ボクっていった!!もう一回言ってください!!」

    エルフ「な……!?」

    勇者「アンコール!!アンコール!!!」

    エルフ「うぅ……」

    勇者「アンコール!!アンコール!!!はい、ワンモアセッ!!」

    エルフ「うぅぅぅ……!!!―――ちょーろー!!!変な人きたー!!!!」ダダダッ

    勇者「ああ、待ってください!!ボクっ娘さん!!!」

    エルフ「いやぁぁぁ!!!」

    238 :

    ほんとブレないな

    239 :

    >>235てめーは俺を怒らせた

    240 = 219 :

    兵士「とまれ!!」ギラッ

    勇者「邪魔だぁ!!!」ギィィン

    兵士「うお!?」

    勇者「俺の恋路を邪魔するなぁぁ!!!!」

    兵士「誰か止めろー!!ニンゲンだぁぁ!!!」

    勇者「うおぉぉぉぉ!!!!」ダダダッ

    兵士「これ以上は!!!」

    勇者「どけぇぇぇ!!!」ギィィン

    兵士「おい!!手の空いている者を全員よべぇ!!緊急事態だ!!長老のところに向かっている!!!」

    兵士「了解!!」

    勇者「勇者をなめるなぁぁぁ!!!!」

    兵士「ええい!!先日きたばかりだろうが!!!」

    勇者「ボクっ娘さぁぁん!!!側室になってくれぇ!!」

    エルフ「やだぁぁ!!!」

    兵士「いいから取り押さえろー!!!」

    241 :

    ブレない人って素敵

    242 = 219 :

    ―――長老の屋敷

    長老「―――この者か?」

    兵士「はっ」

    勇者「むぐぐぐ……!!!」

    エルフ「はぁー……はぁー……」ドキドキ

    長老「話がしたい。口を自由にしてやれ」

    兵士「はい」

    勇者「ぷはぁ?!」

    長老「人間よ聞こえるか?」

    勇者「ボクっ娘さんの息遣いが聞こえます。お姿も確認したいので目隠しを解いてもらえませんか?」

    エルフ「ひっ……」

    長老「悪いが人間の言うことなど聞けん。おぬしは訊かれたことだけを答えればいい」

    勇者「側室とはいえ大事にします。ですが、贔屓もしません」

    長老「黙れ。―――訊きたいことは一つだ。どうしてまた攫おうとした?」

    勇者「攫うなんてとんでもない。僕が攫うとしたら、それは心のほうですからね」キリッ

    244 = 219 :

    長老「今年になって既に同胞が10人も拉致され売られていることは知っているのだ」

    勇者「売られている?」

    長老「大昔から人間は我々の生み出した魔法、同胞をよく盗んでおった。表向きは友好関係を続けているように振舞いながらな」

    勇者「……」

    長老「約600年前、我々は貴様らと縁を切った。だが、数年前からまた始まった……」

    勇者「エルフの人身売買ですか?」

    長老「ふん……知っておるくせに……」

    勇者「噂が流れたぐらいだから、少なからずエルフを見た人がいるとは思っていたけど、まさかオークションの現場で見たとかそういうのか……?」

    長老「どんなに森の奥へと進んでも、貴様たちの執念には驚かされる。なぜ、放っておいてくれんのだ……!!」

    勇者「……」

    長老「答えろ!!」

    勇者「それは……美人だからですよ」

    長老「……」

    エルフ「え?」

    勇者「美人でスタイルもよい。しかも一人称がボクときた。これは放っておくほうが失礼というものでしょう」

    246 :

    長老「話にならんな」

    勇者「待ってください!!僕は勇者!!魔王を討伐するために旅をしている者です!!」

    エルフ「え……!!」

    勇者「貴女を側室に迎えるだけの理由はあるのですよ!!!」

    長老「魔王を倒すだと……?」

    勇者「はい!!」

    長老「関係がないな」

    勇者「え?」

    長老「魔王を倒したからといってエルフの扱いが変わることなどない」

    勇者「そんなことありませんよ」

    長老「変わるのはお前たち人間の生活だけだ。魔族からも疎まれ、人間にはその身を狙われるワシたちの立場に変化などない」

    勇者「疎まれるって……人間と仲良くしていた過去があるからですか?」

    長老「そういうことだ。真実は脅されていたとしてもな」

    勇者「なるほど……」

    長老「わかったのなら、それでいい。―――牢屋に入れておけ。処刑は3日後に執り行うものとする」

    247 = 246 :

    兵士「はっ!!」

    勇者「待ってください!!まだ死にたくないんです!!」

    長老「それはそうだろうな」

    勇者「ボクっ娘さん!!貴女と添い遂げるまではぁぁ!!」

    エルフ「……」

    兵士「こっちにこい!!」

    勇者「やめろぉ!!このハゲ!!」

    兵士「殺すっ!!」

    長老「まて。きちんと儀式に則り処刑するのだ。無闇に殺しては野蛮な人間と変わらない」

    兵士「も、もうしわけありません!!」

    勇者「くそぉ!!!もう一度だけボクと耳元でささやいてぇぇぇ!!!!」

    長老「……人間とは理解できない生き物だな」

    エルフ「はい」

    長老「魔王を倒すといえば解放されるとも思ったのか……あやつめ……」

    エルフ「……」

    248 :

    何してるんだ、このアホ勇者…

    249 :

    ほんとにブレない変態紳士だ・・・


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