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    元スレ勇者「すごい美人で有能な僧侶と魔法使いをお願いします」

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    701 = 689 :

    エルフ「ボクが誘導します」ギュッ

    キャプテン「あ、ありがとう」

    僧侶「ここにも勇者様……ああ、天井にも……壁にも……ああ……どうしたらぁ……私の腕も勇者様!?」

    「あれだけは渡すわけにはいかない……」

    勇者「なら船を沈めればいいだけの話でしょう?」

    「……」

    キラーマジンガ「マ゛ズダァァ!!それだげはぁぁぁ!!」ギュゥゥ

    「錆びるのが嫌なら早く魔法銃を見つけろ!!!」

    キラーマジンガ「はい!!」

    勇者「それなら他の三人と協力したほうが効率的だよ」

    キラーマジンガ「流石です。そうさせて頂きます」ダダダッ

    「馬鹿かきさ―――」

    勇者「ここからは僕たちだけの時間にしましょうか?」

    「勇者……」ギリッ

    勇者「君には色々と聞きたいことがある」

    702 = 689 :

    「ふん……」

    勇者「黄金の国で会ったことがあるよね?」

    「……ああ」

    勇者「やはりか」

    「どこで分かった?」

    勇者「匂いかな」

    「ほう?ニンゲンの嗅覚でも俺の正体が分かると?」

    勇者「馥郁たる花の香りが君の脇から匂ってきたよ」

    「……え?」

    勇者「あの鼻腔を通るときの甘酸っぱさ。一度嗅げば忘れたくとも忘れられないね」

    「き、きさま……!!!どこで判断している?!」バッ

    勇者「そんなに恥ずかしがらずともいいですよ。僕は女性が10日間風呂に入っていなくても抱ける派ですから」

    「不潔なだけだろうが!!!」

    勇者「君の垢なら喜んで舐めとりましょう」

    「汚いんだよ!!」

    703 :

    どんな時でもブレないなこの勇者はww

    704 :

    勇者がドラゴンを落としにかかってる…!

    705 :

    だがそれがいい

    706 = 689 :

    ―――幽霊船 Cフロア 宝物庫

    エルフ「ここが怪しいけど……鍵が掛かってるね」ガチャガチャ

    キラーマジンガ「どいてください」

    エルフ「な、なにする気……?」

    キラーマジンガ「はぁっ!!」バコンッ

    キラーマジンガ「開錠しました」

    エルフ「壊したっていうんじゃないの?」

    キラーマジンガ「訂正いたします。壊錠しました」

    エルフ「……君は味方なの?」

    キラーマジンガ「私はマスターの味方です」

    エルフ「じゃあ……敵だね」

    キラーマジンガ「残念ですがそうなります」

    キャプテン「どうでもいいじゃないか。早く探しな」

    エルフ「貴女も目を開けて探してよ……」

    キャプテン「無理だね!!」

    707 :

    そうだな

    708 = 689 :

    僧侶「あ~勇者様がこんなとところにも~♪」テテテッ

    キャプテン「まだ見つからないのかい?!こっちはさっきから首筋が寒くて仕方ないんだよ!!」

    キラーマジンガ「現在の室温は24度。寒いと感じるような温度ではありません」

    キャプテン「いいからはやくさがしておくれよぉ!!」

    キラーマジンガ「了解しました」

    エルフ「幽霊が怖くてよく魔物と戦えるね」

    キャプテン「正体がよくわかんないとか怖いじゃないかい!!なにいってるのですか!?」

    エルフ「ごめん。とりあえず黙ってて」

    キャプテン「し、知らない間にどっかいかないでおくれよ……」

    エルフ「行かないから」

    キラーマジンガ「魔法銃……検索中……検索中……」ゴソゴソ

    エルフ「探索中」

    キラーマジンガ「訂正します。魔法銃……探索中……探索中……」ゴソゴソ

    エルフ「……捜索中」

    キラーマジンガ「訂正します。魔法銃……捜索中……捜索中……」ゴソゴソ

    709 = 689 :

    僧侶「勇者様……キス……ですか……?私は……構いませんが……んー……」

    エルフ「ちょっと、いつまで……あ!」

    キラーマジンガ「どうされましたか?」

    エルフ「貴女が抱いてるの……魔法銃じゃあ……」

    僧侶「勇者様ぁ……うふふふ……」

    キャプテン「見つかったのかい?!」

    エルフ「うん。見つけたよ」

    キラーマジンガ「やりましたね」

    エルフ「よし。ここにはもう用はない。出よう」

    キャプテン「勇者様はどうするんだい?」

    エルフ「早く甲板に出たほうがいい」

    キャプテン「どうして?」

    キラーマジンガ「マスターが増援を呼びました。間もなくこの海域にクラーケンがやってきます」

    キャプテン「海の王者じゃないか!?なんでそんなことに!?」

    エルフ「ここにいたら戦えない。とにかく外に出よう」

    711 :

    サビの恐怖>マスター
    だからさっさと魔法銃を見つけようとしてるんじゃない?

    712 = 689 :

    ―――幽霊船 船長室

    勇者「黄金の国ではお世話になりましたね。ドラゴンさん」

    「ふん。あれはただの小手調べだ」

    勇者「でも、今の姿のほうが何億倍も良いですよ。そのままで居るべきです。というかいなさい。これはお願いじゃない。命令だ」

    「俺に命令できるのは魔王様だけだ」

    勇者「なら、その魔王を僕が倒せば貴女を独占する権利が生まれるわけですね。ひゃっほーい!!」ピョーン

    「……それはできないな」

    勇者「何故ですか?」

    「お前は、ここで―――死ぬからだ!!!」ゴォォォ

    勇者「あぶないっ」バッ

    「独りでは魔物一匹満足に倒せないことは知っている!!貴様だけの力でここまで来たわけじゃないんだろ?」

    勇者「その通り。僕には将来の側室候補生がいる。あの子たちの身を削るほどの献身によって―――」

    「しねえ!!!」ゴォォォ

    勇者「熱っ!くそ!!燃え上がるのはベッドの上だけで十分だこらぁ!!―――丁度、そこにベッドがあるな、寝るかい?」

    「俺はまだ眠くない!!」

    713 = 689 :

    勇者「あははは!!君はやはり処女か!?」

    「ニンゲンの杓子定規で測るなぁ!!!」

    勇者「でも、その反応は―――」

    エルフ『みつけたよー!!!!』

    勇者「おぉ!意外と早い。幻覚が効かないのはいいですね」

    「しまった……!!」

    勇者「ところで、僕の股間を見てください」

    「は?―――おぉ!?なんでそんなに張っているんだ!?」

    勇者「だって、僕の下半身に数十人の裸婦が群がっていて……欲しい欲しいと先ほどから……」

    「汚らわしい……!!死ねぇぇぇ!!!!」ゴォォォ

    勇者「ふっ―――」

    「はぁ……はぁ……はっ?!」

    「逃げたか……!!」

    ゴゴゴゴゴ……!!!

    「この揺れは……来たか……!!勇者ども……深海で眠ってもらうぞ……魔法銃と共にな……!!」

    714 :

    ところでじゃねーよwwwwww

    715 = 689 :

    ―――幽霊船 甲板

    ゴゴゴゴ……!!!

    僧侶「きゃ?!」

    エルフ「海に大きな影……あれがクラーケン……?」

    キラーマジンガ「ゆれる……しずむ……錆びる……」ガクガク

    キャプテン「外かい?!目は開けてもいい?!」

    エルフ「ん?」

    魔法使い「だめ……私たち……そんな関係じゃあ……」

    エルフ「あっちもダメか……となると、戦えるのは……」

    キャプテン「ねえ?!もう目をあけてもいいかい?!」

    エルフ「まだだめ!!開けたらきっと気絶すると思う!!」

    キャプテン「そうかい!!そうだと思ってたんだよ!!!」

    僧侶「勇者様……助けてくださぃぃ……」ギュゥゥ

    エルフ「戦えそうなのはボクと……ギリギリでキャプテンだけ……か……」

    ゴゴゴゴ……!!

    716 = 689 :

    クラーケン「ぬぁっはっはっはっはっは!!!!!」ザパーン

    エルフ「でかい……?!」

    クラーケン「ドラゴン様に言われてきてみればぁぁ!!!矮小な生き物がたったすぅぅひきとはぁぁ!!!」

    キャプテン「……なんか威圧感を感じるねえ」

    クラーケン「このままぁぁ海の底へ船ごと引き摺りこんでくれるぅぅわぁぁぁぁ!!!!」シュルルル

    メキ……メキメキ……!!

    エルフ「うぁ……?!」

    キラーマジンガ「船体に損傷発生。沈みます。エマージェンシー!!メーデー!!メーデー!!」オロオロ

    エルフ「―――くらえぇ!!」ゴォォォ

    クラーケン「ぬぅ?!」

    エルフ「焼きイカになりたくなかったら、その汚い触手を船から離せ」

    クラーケン「ぬぁっはっはっはっは!!!吼えるぁ吼えるなぁ!!!多少の魔法では私に傷などつけられぇぇぇん!!!」

    ―――バァァン!!

    クラーケン「ぬぁった?!―――なんだ?!」

    キャプテン「どうやらどこに撃ち込んでもど真ん中に当たるボーナスステージみたいだねえ!!それなら派手にやるよぉ!!!」

    717 :

    キャプテン一応戦力になるだけマシだけど情けねえwwwwww

    718 = 689 :

    船長「てっー!!!」

    ドォン!!ドォン!!

    クラーケン「ぬぅ?!なんだぁ?!」

    船長「キャプテーン!!!援護砲撃は任せてください!!!」

    キャプテン「よくやったぁ!!おまえらぁ!!」

    船長「援軍がくるまで絶対にここをもたせろぉ!!!」

    「「アイアイサー!!!」」

    エルフ「これなら……!!」

    クラーケン「あまいわぁ!!ぬぅぅるいわぁぁぁぁ!!!!」ドォォン

    エルフ「うわぁ!?」

    キャプテン「うっ……なんだい?!」

    僧侶「きゃぁ?!」

    キラーマジンガ「船体の損傷が999パーセントを超えました。もうやめてください」

    クラーケン「ニンゲンどもがぁぁぁぁ!!!!調子にのるなぁぁぁぁ!!!!」

    エルフ「熱量が圧倒的に足りない……。独りじゃ……!!」

    719 :

    クラーケンは絶対若本

    720 = 689 :

    船長「よくねらえ!!お前らぁ!!!」

    海賊「波が荒れて狙いが定まりません!!」

    キャプテン「おらおらぁ!!!」ドォン!ドォン!

    クラーケン「いてぇぇんだよ!!!」ベシンッ

    キャプテン「ぐぁ?!―――しまった、目を瞑っているから攻撃をよけられないじゃないか」

    エルフ「よく大艦隊を率いてるね」

    キャプテン「目をあけたら気絶するんだろ?!」

    エルフ「そうだけど……」

    クラーケン「今、破壊させてやるぅぅぅ!!!!」メキメキメキ

    エルフ「まずい!!」

    キャプテン「やめないか!!このゲソやろう!!」ドォン!!

    クラーケン「いてえつってんだろ!!!」ブゥン!!

    エルフ「危ない!!」

    キャプテン「え?!どっちから来るの?!」

    勇者「―――今お助けしますよぉ!!お姉様ぁ!!!」ダダダッ

    721 :

    キラちゃんは大変だな、マスターのいうこと聞かにゃならんわ聞いてたら船は沈みそうだししかもマスターは助けてくれそうに無いし

    722 = 689 :

    キャプテン「あ……」

    勇者「大丈夫ですか?」

    キャプテン「た、たすかったよ……」

    勇者「ふっ。なんのこれしき」

    クラーケン「なんだぁ……?」

    勇者「目を開けても大丈夫ですよ」

    キャプテン「ほ、本当だろね……」

    勇者「今、一瞬あけたじゃないですか。何が見えましたか?」

    キャプテン「……アンタの顔だね」

    勇者「守ると言ったでしょう。―――どんな危険からでも」

    キャプテン「あんた……」

    クラーケン「ニンゲンがぁぁぁ!!!一匹増えたところでぇぇぇ!!!なぁぁになぁぁる!!!」

    勇者「ちゃんと見ていて欲しい。僕が貴女だけのナイトになるところを」

    キャプテン「……はい」

    勇者「いくぞ!!!!イカ野郎ぉぉぉ!!!!」

    723 :

    クラーケン「大砲なんぞ使ってんじゃねぇ!」

    724 :

    落ちたな

    725 :

    どっちもやらなくちゃあならないのが(ry

    726 = 689 :

    クラーケン「ぬんっ!!!」ブゥン

    勇者「せいやぁ!!!」ズバッ

    クラーケン「いてぇぇんだよぉ!!!」ベシィ!!

    勇者「ぐぁ?!」

    エルフ「大丈夫?!」

    キャプテン「よくも!!―――化け物がぁ!!!」ドォン!!ドォン!!

    勇者「でかすぎる……。クラーケンってこんな手も足も出ないほど大きかったのですか……?」

    エルフ「ううん。これは明らかに異常なでかさ。きっと……」

    勇者「キラちゃんにも使われている生命エネルギーですか」

    エルフ「うん」

    勇者「とりあえず、回復を」

    エルフ「ああ、ごめん」パァァ

    勇者「……はぁ……情緒がないなぁ……抱きついてくれないと……」

    エルフ「できないよ!!文句いうなぁ!!」

    勇者「冗談ですよ、マイハニー」キリッ

    727 = 689 :

    魔法使い「やぁん……だめぇ……」

    僧侶「勇者様……もっと抱きしめてください……」

    勇者「全く。二人は空気と浮気ですか。なんて難易度の高いネトラレ」

    エルフ「どうでもいいけど、早く手を打たないと船が……!!」

    勇者「分かっていますが、こんな怪獣を相手にできるのはそれこそ怪獣だけですよ」

    キャプテン「ちょっと、あんた!!大丈夫なのかい?!」

    勇者「心配ありませんよ、マイディアー」

    キャプテン「そ、それならいいんだよ……うん……」

    勇者「キラちゃんは?」

    エルフ「あそこ」

    キラーマジンガ「マスター……たすけて……」ガタガタ

    勇者「海の上ではただの可愛い女の子型ロボットですか」

    クラーケン「おわりだぁぁぁぁ!!!」メキメキ

    勇者「―――そうだ!魔法銃を使ってみましょうか」

    「―――今、奴らの手には魔法銃がある。あれを使われては状況が一変するな。ここでなんとしても奴らを消しておかなくては!!」メキメキ

    728 = 689 :

    エルフ「確か……魔法銃は……」

    ドラゴン「―――オォォォォォォ!!!!」バサッバサッ

    勇者「なに……?!」

    エルフ「ドラゴン?!」

    キャプテン「おいおい!!今日の海は荒れてるねえ!!!」

    キラーマジンガ「こわいこわい……」ガタガタ

    クラーケン「ドラゴン様!!ここは私だけでも十分ですが?」

    ドラゴン「魔王様がいつもいっているだろう。勝つまで油断はするな、とな」

    クラーケン「分かりました」

    勇者「万事休す」

    エルフ「魔法銃……かえして……!!」ググッ

    僧侶「やめろぉ!!私から勇者様をとるなぁぁ!!!」ギュゥゥ

    エルフ「そんなこと言ってる場合じゃないって!!」

    僧侶「ガルルル……!!!」

    勇者「幻覚の作用が強すぎる……どうしたら……ああ、そうか……」

    729 = 689 :

    勇者「おらぁぁ!!!」バキィ!!

    キャプテン「え?!」

    エルフ「なにしてるの?!」

    勇者「船を破壊してください!!今すぐ!!」

    エルフ「ど、どうして!?」

    キラーマジンガ「やめてください!!パパと雌雄を決することになりますよ!!!」ガタガタ

    勇者「蹲っている君に言われても怖くないな。―――とにかく船を壊します」

    キャプテン「それでどうにかなるんだね?」

    勇者「もちろんだ」

    キャプテン「ふっ。いいね。あんたのこと益々好きになったよ」

    勇者「僕は出会ったときから運命を感じていましたけど」

    キャプテン「よせやい」

    エルフ「とにかく壊せばいいの?!」

    勇者「一気に破壊だ!!船を沈めるぜぇ!!!」

    キャプテン「―――おまえらぁぁ!!!よくきけぇ!!この幽霊船に集中砲火をかけなぁ!!!」

    730 :

    ドラゴン「ははははは!!!気でも触れたか?!」

    クラーケン「これは面白い!!ニンゲンどもは肉体だけでなく精神も脆弱かぁぁ!!!ぬぁっはっはっはっはっは!!!」

    勇者「いやっほーい!!!」バキィ

    エルフ「はぁぁぁぁ!!!!」ゴォォォォ

    キャプテン「おらおらおら!!!全弾撃ち尽くすよぉ!!!」ドォン!!ドォン!!!

    船長「キャプテンを信じろ!!!俺たちはいつだってそうしてきた!!!―――幽霊船を沈めろぉ!!!」

    海賊「「アイアイサー!!!」」

    ドォン!!ドォン!!

    キラーマジンガ「やめてください!!本当にやめてください!!なんでもしますからぁ!!!!」

    勇者(まだか……?!)

    ドラゴン「よーし、自害の手助けをしてやるか」

    クラーケン「ぬぁっはっはっはっは!!!!」メキメキ

    勇者「―――来た!!さよなら!!ヌーディストビーチ!!!」

    僧侶「―――ぁえ?」

    魔法使い「はっ?!え……?!あ、あれ……?」キョロキョロ

    731 = 730 :

    キラーマジンガ「だめです!!もう沈むぅぅ!!!」

    ゴゴゴゴゴ……!!!!

    ドラゴン「はははははは!!!!深海に眠れ!!!」

    勇者「キャプテン!!」

    キャプテン「それかしなぁ!!!」

    僧侶「え?はい、どうぞ」

    エルフ「そうか。船そのものに掛けられた魔法だから……」

    勇者「船が全壊すれば魔法もとける。対象となるものがなくなりますから」

    ドラゴン「しまっ―――」

    キャプテン「終わりだよ……イカ魔人!!!」チャカ

    クラーケン「はぁぁぁぁ?!そのような玩具でなぁぁぁにができるぅぅぅ?!」

    キャプテン「はっしゃぁぁ!!!」グッ

    ―――パァン!!!

    クラーケン「ごぉ……?!ぁ……?!」

    エルフ「あの巨体の半身が消滅した……?!」

    732 = 730 :

    キャプテン「すさまじいねえ……」

    ドラゴン「まずい!!今すぐに沈めなければ!!!」

    キャプテン「おっと!!」チャカ

    ドラゴン「ぐっ……!?」

    勇者「うつな!!!」

    キャプテン「え?ど、どうして!?」

    ドラゴン「貴様……?!」

    勇者「……」

    クラーケン「ぉぉぉ……!!バ……か……なぁ……!!!」ズズズズ

    僧侶「イカさんが沈んだ……」

    魔法使い「なによ……これ……え……?」

    キラーマジンガ「しずむーしずむー」オロオロ

    勇者「このままでは皆、溺死です。なので、お願いしますね」ポンッ

    魔法使い「凍らせるの?」

    勇者「余裕でしょう?海ぐらい」

    733 = 730 :

    魔法使い「はぁぁぁ!!!」ピキピキピキ

    勇者「やったぁ」

    エルフ「すごい……こんなこと普通の魔法じゃ絶対にできない……」

    キャプテン「あんたすごいじゃないかぁ!!」

    魔法使い「はぁ……はぁ……似たようなことしたことあるから……」

    僧侶「つめたいです」ブルブル

    キラーマジンガ「大地があるのは素晴らしい」

    船長「キャプテン!!ドラゴンが!!!」

    キャプテン「おっと。そうだった!!」チャカ

    ドラゴン「海を凍らせて足場を形成したのか……」バサッバサッ

    勇者「……」

    ドラゴン「撃てばいいだろう……逃げるぞ?」

    勇者「逃げたければ逃げろ。可愛くないお前なんて殺す価値もないんだよ!!」

    ドラゴン「きさまぁぁ……!!!」

    キャプテン「やるなら撃つよ?」

    734 = 730 :

    勇者「それはもう仕舞ってください」

    キャプテン「でも……」

    勇者「俺の言うことが聞けないのか?」

    キャプテン「ご、ごめん……」

    魔法使い「随分、しおらしいわね」

    ドラゴン「くっ……!!」バサッバサッ

    キラーマジンガ「はっ?!マスターは?!マスターはどこに!?」キョロキョロ

    勇者「あのドラゴンの背に乗っていたよ」

    キラーマジンガ「やはり……魔王の下にいかれるのですね……マスター……」

    僧侶「へっきゅしゅん?!―――あ、あの……温かいシチューが欲しいんですけど……」ブルブル

    魔法使い「そ、そうね……これからのことは船で考えましょう」

    キャプテン「そうさね。―――おーい!!乗船するから梯子を!!」

    船長「はい!!」

    エルフ「どうして……?」

    勇者「……」

    735 = 730 :

    ―――海賊船 会議室

    船長「キャプテン!!まさかあの幽霊船から帰還するとは!!俺たちは信じていま―――」

    キャプテン「お前ら、一週間飯抜きだ」

    船長「えぇぇ?!」

    キャプテン「それはさておき、ようやく手に入れられたね、念願の魔法銃」

    エルフ「―――どうして?」

    キャプテン「どうしてって、あたしたちが―――」

    エルフ「どうしてあそこでドラゴンを見逃したの?」

    勇者「……」

    魔法使い「ちょっと」

    エルフ「ドラゴンはボクたちのことを色々知っていた。逃がしたら魔王にボクたちのことが筒抜けになるよ?!」

    勇者「連絡手段を持っていなかったとは考えられません。共に行動した時点で情報の漏洩はしているでしょう」

    エルフ「でも、魔法銃があれば!」

    勇者「……実は幽霊船の日誌に気になる記述を見まして」

    僧侶「あの日誌ですか?」

    736 = 730 :

    勇者「貴女はじっくりと読んだみたいなので覚えているでしょう?」

    僧侶「な、なにをですか?」

    勇者「幽霊船の船長他多数の乗組員が魔法銃を使い魔物を虐殺している日の記述です」

    僧侶「ああ……はい……」

    勇者「魔法の銃も使いすぎるとダメになる。そう書かれていませんでしたか?」

    僧侶「そういえば……」

    魔法使い「ダメになるって、撃てなくなるってこと?」

    勇者「恐らく」

    僧侶「でも。一丁で十数匹の魔物を撃っていたみたいですし、まだ余裕はあるんじゃないでしょうか?」

    勇者「それは何年前の銃だと思っているのですか?」

    キャプテン「……」

    勇者「それに当時の乗組員はストレス解消のため無駄に発砲しています。残り何発なのか分かりません」

    エルフ「じゃあ……さっきのが最後の一発だった可能性もあるってこと……?」

    勇者「二発目がなかった場合、あの場でドラゴンに食い殺されていたでしょうね」

    魔法使い「そういうことだったの……」

    737 = 730 :

    キャプテン「じゃあ、意味なんてないねえ」

    勇者「いや。ありますよ」

    キラーマジンガ「はい。魔王はその武具を恐れていると見て間違いありません」

    キャプテン「抑止力か」

    勇者「その通りです。それを持っているだけでも僕たちにとってはプラスです」

    魔法使い「問題はそのハッタリがどこまで通用するかね」

    勇者「あの異形のクラーケンを一発で仕留められたのは大きいでしょう」

    エルフ「でも、それだけじゃあ……」

    勇者「魔王はただの人間を殺すのにも慎重に慎重を重ね、準備をし、勝利が磐石になったときに初めて動く」

    勇者「絶対に負けない戦にしか乗ってこないとしたら、僕らが魔法銃という新兵器を手にしたことによって奴の進撃は必ず遅延するはずです」

    キャプテン「更なる兵の強化が必要になるものね」

    勇者「はい。ドラゴンの報告は魔王にとってこの上ない凶報になる」

    僧侶「ということは……仕掛けるなら……」

    勇者「今しかないでしょう。絶好のチャンスです」

    キャプテン「ふふっ!!よし……!!者共!!!戦争の準備をおっぱじめなぁ!!!」

    738 :

    てっきり魔法の銃の副作用で魔物化するのかと思った

    739 = 730 :

    ―――夜 海賊船 甲板

    勇者「……」

    キャプテン「こんなとこにいたのかい。会議が始まるよ」

    魔法使い「アンタがいないとダメなんだって」

    キャプテン「あ、たしは別にぃ!!」

    勇者「僕たちが会議に参加する意味は殆どありません」

    キャプテン「どうしてだい?」

    勇者「僕たちは僕たちで魔王と戦います」

    魔法使い「それって……」

    キャプテン「あたしたちは陽動役かい?」

    勇者「いいえ。違います。―――魔王は城から出てこないはずです」

    キャプテン「そ、そりゃあ……大将だからそう簡単に……」

    勇者「それだけじゃありません。ドラゴンという戦力が戻った今、魔王が前線に出てくるわけがない。きっとあの用心深さからして、高みの見物を図る」

    魔法使い「まあ、そうでしょうね」

    勇者「そして……危なくなったら、例の孤島に逃げ込む気でいるのでしょう」

    740 = 730 :

    キャプテン「それって……数百年前と一緒じゃないか」

    勇者「そうなったら終わりです。なので、僕たちはその孤島に先回りしておきます。で、戻ってきたときにポカッと叩く。完璧です」

    魔法使い「あそこはどんな船でも近づけないって話じゃなかった?」

    勇者「魔法で海流を操っているのでしょうね」

    キャプテン「わかった。また海を凍らせて……」

    魔法使い「あれをするの?疲れるんだけど……」

    勇者「いやいや。戦う前から貴重な戦力を削いでしまっては勝てるものも勝てなくなります」

    キャプテン「じゃあ、どうするのさ」

    勇者「空を飛べればいいんですけどねえ……」

    魔法使い「馬鹿なこといってるわ」

    勇者「ドラゴンの背なら5人ぐらい余裕だと思うんですけどねぇ……」

    魔法使い「はぁ?」

    キャプテン「あいつは帰っちまったじゃないか」

    勇者「はぁ……そうなんですよね……」

    魔法使い「結局、いい手がないってことでしょ?」

    741 = 730 :

    勇者「……ドラゴンを倒しましょうか」

    魔法使い「え?」

    キャプテン「ドラゴンをかい?!」

    勇者「何気に彼女は言うこと聞いてくれそうなんですけど」

    魔法使い「ほんの少しの間、一緒にいただけでしょ。情が移ってるとも思えないわ」

    勇者「まあ、どっちにしても今のところ空を飛ぶ方法はそれしかありません」

    キャプテン「奴が魔王のところに戻ったとするなら、ここから北にあるかつての軍事大国にいるだろうね」

    魔法使い「どういう国なの?」

    キャプテン「高い壁に囲まれて息が詰まりそうになる国さね。魔王の侵攻対策でそうしたみたいだけど、意味はなかったね」

    勇者「国に入るもの中々厳しそうですね」

    キャプテン「ああ。今は人間に代わって魔物が警備しているだろうし」

    魔法使い「行くの?」

    勇者「もちろん」

    魔法使い「……ドラゴンに拘る理由は?」

    勇者「あのドラゴンさん、可愛い女の子に変身できるんですよ?これは毎夜毎夜、僕を飽きさせない側室になること請け合いです」

    742 = 730 :

    魔法使い「もう……」

    キャプテン「あっはっはっはっは!!いいね!!サイコーじゃないか!!」

    勇者「それほどでも」

    キャプテン「まあいいさ。とにかく細かい打ち合わせはしなきゃダメだ。会議室にきな」

    勇者「了解」

    魔法使い「……」

    勇者「なんですか?」

    魔法使い「勇者は誰かを何かを守る者、だ」

    勇者「……」

    魔法使い「ねえ……やっぱり……そういうことなの?」

    勇者「何のことでしょうか?」

    魔法使い「アンタがそこまで側室を……求める理由……」

    勇者「それは老後の―――」

    魔法使い「時々、貴方は空虚な顔をしているときがあるわ。さっきも夜の海を見ているときになってたわよ?」

    勇者「これは僕としたことが……失礼しました。貴女たちの前では絶対に見せないよう努めていたのですが、やはり共にいる時間が長いとダメですね」

    743 = 730 :

    魔法使い「そろそろ話してくれてもいいんじゃない?」

    勇者「……」

    魔法使い「どうして貴方が戦うのか、聞きたい。勇者だから?それとも……」

    勇者「―――俺の故郷は魔王によって滅ぼされた」

    魔法使い「え……?」

    勇者「数人の村民だけが生き残っただけだった。でも、途中で魔物に襲われ、ついには俺と友人の二人だけになった」

    勇者「励まし合いながら俺たちは逃げた。そして行き着いた場所が、あの街」

    勇者「程なくして俺たちは生きるために二人で一緒に兵士になった。でも、ちょっとした問題があったんだ」

    魔法使い「なに?」

    勇者「見知らぬ土地の人間たちを守るなんてこと……俺にはできなかった」

    魔法使い「……」

    勇者「兵士なのに市民を守る意識が全然沸いて来なかった。だから、いつまで経っても戦闘技術は上達しないし、よく兵士長にも怒鳴られたよ」

    魔法使い「よく今まで続いたわね……」

    勇者「あるとき友人が、自分を守るために強くなってほしいって言ってくれた。―――この国の民を守れないなら、同じ故郷の友人を守るために強くなれと」

    勇者「俺はそいつのためだけに強くなることを決めた。だけど……そいつは、死んだ。勇者として」

    744 = 730 :

    魔法使い「勇者としてって……」

    勇者「努力の糧だった友人が死んだ。俺はその瞬間、きっとどこかで無様に死ぬんだろうって思ったよ」

    勇者「翌日、勇者に任命されても思ってた」

    魔法使い「貴方は優秀だったんでしょ?剣術は……」

    勇者「ええ。誰にも負けないほど強かった。でも、守るものがないとやっぱり行き急ぐから」

    魔法使い「勇者として死ぬつもりだったの?」

    勇者「さっさと旅立って死んでやろうって考えていたけど……でも、やっぱりアイツの仇は取ってやりたいって思うようになって」

    勇者「それで……どうするか考えた結果……」

    魔法使い「側室?」

    勇者「そう。お嫁さんになってくれそうな人とは生憎出会えなかったし、そもそもお嫁さんだけでは強くなれないって感じた」

    勇者「なら、守る候補を多くしてやればいいって結論になって……側室探しを始めた」

    魔法使い「馬鹿じゃないの?一緒に旅をしたら意味ないでしょう」

    勇者「死なせたく人が傍にいるから余計に自分を追い詰めることができる。後ろの人だけは絶対に死なせない。死なせないためには強くなるしかない」

    魔法使い「……」

    勇者「そして、そう思わせてくれる人だったんです。貴女たちは」

    745 = 730 :

    勇者「とはいえ、褒められたことではないけど」

    魔法使い「そうね。結局は貴方も私たちを同じじゃない」

    勇者「そう。仇を討つために強くなりたかった。それだけのために俺は貴女たちの心を弄んだ」

    魔法使い「……」

    勇者「側室だのなんだの言いましたが、根底では復讐の道具として扱ってきたのも事実です」

    魔法使い「そう……」

    勇者「別れるとき、貴女を怒らせるためにいった台詞は、自分に対してでもありました」

    魔法使い「……」

    勇者「もうしわけありません」

    魔法使い「最低ね」

    勇者「自分でもそう思います」

    魔法使い「……」

    勇者「でも、ここまで来たのですから最後まで側室候補して貴女とは接します」

    魔法使い「その言い方……側室にする気なんてないってこと?」

    勇者「ないというか、無理でしょう?」

    746 = 730 :

    魔法使い「……」

    勇者「側室になってくれるのですか?」

    魔法使い「な、ならないわよ」

    勇者「ですよね」

    魔法使い「……バカ」

    勇者「言っているだけです。本気にしてる人なんていないと思います。―――ああ、でも一人だけいるみたいですけど」

    魔法使い「そういえば、彼女となんかあったの?」

    勇者「以前、側室でもいいと言われました。どこまで本気なのかはわかりませんが」

    魔法使い「ふーん……」

    勇者「まあ、擬似ハーレムを作りたいだけですし、もう少しみなさんには協力してもらいましょうか」

    魔法使い「よくこんなこと話したわね」

    勇者「大好きになってしまった人に隠し事はできないでしょう?」

    魔法使い「なっ……!?」

    勇者「それだけですよ。―――さ、そろそろ戻りましょうか。キャプテンも待っています」

    魔法使い「ああ!ちょっと!!」

    747 :

    なんという落とし神…

    748 = 730 :

    ―――海賊船 会議室

    キャプテン「―――では、以下の通り行動するってことでいいね?」

    勇者「まずは僕たちがドラゴンとちんちんかもかもな関係になる。そして、その瞬間を見計らい、海賊船団が一気に攻撃を始める」

    キャプテン「ここであたしたちが魔王の軍勢を叩き、魔王をあぶりだすってわけだ」

    勇者「ドラゴンさえ居れば魔王がどこに移動しようとも、僕たちの勝利は揺るがない」

    エルフ「裏返すと、ドラゴンが居なきゃ成功はしないってことだね」

    勇者「そうなりますね」

    僧侶「はぁ……ドキドキします……」

    キラーマジンガ「あの……」

    勇者「キラちゃんはどうする?」

    キラーマジンガ「私が決めてもいいのですか?」

    勇者「君には心がある。君自身が決めたほうがいい」

    キラーマジンガ「……」

    キャプテン「何はともあれ、まずはドラゴン懐柔作戦を成功させなきゃ始まらないんだ!!しっかりやりなよ、あんたたちぃ!!!」

    僧侶「イエス、ボス!」

    749 = 730 :

    ―――魔王の城

    魔王「魔法銃……だと……」

    ドラゴン「申し訳ありません」

    魔王「まさか、そのような遺産が……」

    ドラゴン「ここは我が身にかえましても……やつらを……」

    魔王「よい。今は勇者のことよりも重大な作戦が控えている」

    ドラゴン「トロルの領地だった場所へもう一度攻め込むのですか?」

    魔王「イレギュラー因子がもういないことは確認済みだ。敗走はまずない」

    ドラゴン「……」

    魔王「あそこさえ落とせば、隣国は支援を一切受けられない孤立状態となる。そうなればニンゲンどもに残された道は絶望的な消耗戦だけ」

    魔王「一気に我の領土を広げられる」

    ドラゴン「では、私は……」

    魔王「ここの守りを任せたい。お前の報告を聞く限り、恐らくすぐに攻めてくるはずだ」

    ドラゴン「魔王様は?」

    魔王「ここを離れ、機を待つ。魔法銃の対策を練る必要もあるしな」

    750 = 730 :

    ―――数日後 海賊船

    勇者「見えてきましたね」

    僧侶「高い壁が見えますね」

    エルフ「あそこがかつての軍事大国」

    魔法使い「上陸は問題ないの?」

    キャプテン「警備が薄いところは把握しているよ。まあ、そこから壁の向こうにいくのはちょっと骨だろうけど」

    勇者「ここまでありがとうございました」

    キャプテン「いいさ。―――生きて帰ってきなよ」

    勇者「未亡人にはさせませんよ」キリッ

    キャプテン「もう!冗談ばっかりだなぁ!!やめろよぉ!!テレるじゃないのさぁ!!」

    勇者「あっはっはっはっはっは!!かわいいお姉さんもいいものですねえ!!」

    キラーマジンガ「は、はやく……陸へ……大地が恋しい……」ガタガタ

    エルフ「一緒に行くって、船にいたくないから?」

    キラーマジンガ「違います。マスターが心配なだけです」

    僧侶「あの子……戻ってきてくれるでしょうか……?」


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