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    元スレ勇者「すごい美人で有能な僧侶と魔法使いをお願いします」

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    751 = 730 :

    ―――軍事大国 陸地

    勇者「―――行きましょう」

    僧侶「なんか揺れてませんか?」ヨロヨロ

    魔法使い「いや、あんたの足下が揺れてるのよ」

    エルフ「ずっと船に乗ってたからなんか気持ち悪いね」

    キラーマジンガ「そんなことはありません。今、生きていることに感謝しましょう。アーメン」

    勇者「いい考えですね。ここまで生きてこれたのは、主に勝利の女神が微笑みっぱなしだったからでしょう」

    僧侶「本当ですね」

    キラーマジンガ「私たちの戦力ではいつ全滅してもおかしくありません」

    魔法使い「今から敵の本陣に乗り込むんだから、そういうこと言わないでよ」

    勇者「そうだぞ、娘よ。空気を読むんだ」

    キラーマジンガ「空気を読む……?」

    勇者「いいかい?人とのコミュニケーションでは気持ちを察することも大事なんだ」

    キラーマジンガ「ふむふむ」メモメモ

    エルフ「歩きながらでもできるでしょ?いくよー」

    752 = 730 :

    ―――フィールド

    魔法使い「マーちゃんは着いてきてるけど、マスター居ないのにいいのかしら?」

    エルフ「誰かの命令は聞かないって言ってるよ。今、僕たちについてきているのは自分で決めたことだからいいって」

    僧侶「勇者様が仰いましたもの。自分で決めなさいって」

    魔法使い「そっか。あいつはマーちゃんが困らないように……」

    エルフ「心があるのは機械にとっては邪魔でしかないと思ってたけど、そうでもないかもね」

    勇者「―――なぁなぁ」

    キラーマジンガ「どうしました?」

    勇者「昨日さ、彼女ができたんだ」

    キラーマジンガ「本当ですか?」

    勇者「これ、写真」

    キラーマジンガ「うわ。ブッサ」

    勇者「なにをぉ!!!死刑!!!」

    キラーマジンガ「バ、バカな?!」

    勇者「―――な?空気を読んで「綺麗な彼女ですね」と言っていれば、死刑にならずに済んだわけだ。空気を読むことは大事だぞ」

    753 = 730 :

    キラーマジンガ「人間社会とか中々にスリリングですね」

    勇者「気をつけたまえ」

    キラーマジンガ「また一つ勉強になりました」

    勇者「なんのなんの」

    魔法使い「それはただのお世辞でしょ?」

    エルフ「うん……別じゃないかな?」

    勇者「一緒ですよ。僕が演じた男性は彼女を褒めてほしくて話を切り出したわけですから」

    魔法使い「まぁ、そうね」

    僧侶「でも、空気を読むって自分の気持ちを殺すことでもありますから、それができないこともあると思います」

    キラーマジンガ「どういうことですか?」

    僧侶「周囲の人があるモノに対して嫌悪し、悪口を言っているとします。でも、自分にとってはとても大切なモノだった」

    キラーマジンガ「ふむふむ」メモメモ

    僧侶「空気を読むという意味では自分もそのモノに対して罵詈雑言を並べるべきなのでしょう。でも、自分の気持ちを押し込んでまで大切なモノを貶めることは難しいはず」

    キラーマジンガ「つまり……そういうことでしょうか?」

    僧侶「そうですね……では、実演してみます」

    754 = 730 :

    魔法使い「あの勇者、マジでキモくね?」

    エルフ「わかるわかる。なんかオタクっぽいよねー」

    僧侶「うんうん。ほんとにねー」

    キラーマジンガ「……」

    勇者「や、やぁ……こんにちは……」

    魔法使い「うわ、きたよ。かえれ」

    エルフ「キンモー」

    僧侶「ばい菌が移るので半径50メートル以内にこないでください」

    勇者「うぅ……」

    魔法使い「貴女もそう思うよねー?」

    キラーマジンガ「わ、私は……」

    エルフ「えー?なに?もしかして、あいつのこと好きなのー?」

    僧侶「えんがちょ」

    キラーマジンガ「ち、ちが……!!」

    勇者「……」ウルウル

    755 = 730 :

    キラーマジンガ「―――わ、悪くいうなぁ!!!」

    魔法使い「はぁ?」

    キラーマジンガ「た、確かにちょっと暗いところもあるけど……この人は優しい人です!!」

    エルフ「なにこいつ」

    僧侶「空気読んでくださいよー」

    勇者「あ……あの……」

    キラーマジンガ「大丈夫です。私は貴方のいいところをいっぱい知っていますから……」

    勇者「うぅ……ありがとう……ありがとう……」

    キラーマジンガ「いいんですよ……私が……守ります……」ギュッ

    勇者「素敵……抱いて……」ギュッ

    僧侶「―――はい。終わりです」

    魔法使い「最後の台詞、いらないわよね?」

    エルフ「うん」

    勇者「感謝の気持ちに股を開くって大事だろうがぁよぉ!!!」

    魔法使い「本当にキモイわね!!アンタはぁ!!」

    756 = 730 :

    キラーマジンガ「なるほど……」

    僧侶「どうでしたか?」

    キラーマジンガ「少しだけ理解できました。譲れないモノに対して、空気を読む必要はないということですね」

    僧侶「はい。心があるのなら」

    キラーマジンガ「ありがとうございます」

    僧侶「いえいえ」

    魔法使い「早く行くわよ」

    エルフ「キャプテンに貰った地図によれば、ここから北西に向かえば関所があるみたい」

    勇者「関所?」

    エルフ「門だね」

    魔法使い「どうやって抜けるの?」

    勇者「まずは行ってみないことにはわかりませんね」

    キラーマジンガ「周辺に魔物はいないようです」

    勇者「そうですか。まあ、無理はせずに命を大事にしていきましょう」

    僧侶「はーい」

    757 = 730 :

    ―――関所

    勇者「誰か居ますか?」

    キラーマジンガ「魔物の気配はありません」

    エルフ「蛻の殻なの?」

    キラーマジンガ「状況的にその表現はもっとも適切です」

    魔法使い「通ってもいいのかしら?」

    僧侶「罠では?」

    キラーマジンガ「私のセンサーから逃れる術を有している魔物が大量にいることは考えにくいです」

    勇者「いないなら通りましょう。好都合です」

    エルフ「いいのかなぁ……?」

    魔法使い「ほ、本当にいないでしょうね……」ドキドキ

    僧侶「とおりまーす……」

    勇者「……」

    キラーマジンガ「私の索敵は信じられませんか?」

    勇者「そんなことあるわけないよ。進もう」

    758 = 730 :

    ―――フィールド

    勇者「この街道を進めば、問題の城下町につけますね」

    僧侶「魔王の城と化した……お城なんですね……」

    勇者「貴女がいれば余裕です」

    僧侶「勇者さまぁ……」

    魔法使い「仲いいわね、相変わらず」

    キラーマジンガ「うーん……」

    エルフ「どうかした?」

    キラーマジンガ「いえ……先ほどの授業で少し気になることが」

    魔法使い「なになに?なんでも言って」

    キラーマジンガ「空気を読まなかった結果、皆さんとの間に軋轢が生じました。これは敵対するということですよね?」

    エルフ「うん。そうなるね。意見に沿わない相手を敵視するのは当然の流れだし」

    魔法使い「対立したくない人とも対立しなきゃならなくなる。そういう決断はしなきゃだめね」

    キラーマジンガ「なるほど……相当な覚悟がなければできないことですね」

    魔法使い「それだけ自分にとって譲れないモノなら、時にはそういう決断もいるわね」

    759 = 730 :

    ―――魔王城 城下町

    勇者「静かですね」

    僧侶「城下町なのにゴーストタウンです……」ギュッ

    勇者「魔物は?」

    キラーマジンガ「存在しません」

    魔法使い「不気味すぎるわ……どういうことよ……」

    エルフ「魔王かドラゴンが呼んでいる……ってことかな?」

    勇者「僕も同じ事を考えていました。もしくはこの国はもう戦略的に不要な土地となったか……」

    僧侶「人が生きている感じはないですね」

    勇者「黄金の国と同じでしょう。人間なんて戦って殺されるか生き延びるために逃げるかしか選択肢はありません」

    魔法使い「……」

    勇者「罠の可能性も十分にあります。気を引き締めていきましょう」

    エルフ「うん」

    僧侶「はい」

    キラーマジンガ「……」

    760 = 730 :

    ―――魔王の城 城門前

    勇者「ここが……」

    魔法使い「あ、あけるの?」

    勇者「ここまで誰もいないとなるとご招待されているとみて間違いないでしょう」

    エルフ「そうだね」

    僧侶「あぁ……勇者様……」

    キラーマジンガ「センサーに反応」

    魔法使い「え?!」

    エルフ「どこ……?!」

    僧侶「うぅぅ……!!」

    キラーマジンガ「城内です。数は1」

    勇者「……」

    魔法使い「それって……」

    エルフ「ドラゴンだね」

    勇者「皆さん、装備品のチェックを。確実に総力戦になりますから」

    761 = 730 :

    ―――魔王の城 謁見の間

    勇者「……また、会いましたね」

    ドラゴン「よく来たな」

    エルフ「……」

    僧侶「ド、ドラゴン……!!」

    魔法使い「ついにここまで来たのね……」

    キラーマジンガ「マスターはどこにいるのでしょうか?」

    ドラゴン「木偶人形まで連れてきたか」

    勇者「こちらには……これがある」チャカ

    ドラゴン「……」

    勇者「あのクラーケンですら半身を根こそぎ持っていかれた。お前にも有効なはずだ」

    ドラゴン「魔法銃か……。ああ、確かに脅威だ。その所為で魔王様はまた俺にその力の分析を命じた」

    勇者「相変わらずだな。鉄の橋ですら叩いて渡るのか、魔王は」

    ドラゴン「そうだ。完璧な確証をもってして魔王様は橋を渡る。だが、その魔王様が何百年と魔族を率いて、そして勝利と繁栄をもたらせてきた!!!」

    勇者「防戦になれば凶悪だな。負けない戦いかたを熟知しているから」

    762 = 730 :

    ドラゴン「さあ、撃ってみろ……その魔法銃を!!」

    勇者「しかし、その輝かしい戦歴の影にどれほどの同胞が泥をかぶり、血を流したんだ?」

    ドラゴン「……」

    勇者「負けない戦いには必ず犠牲がいる。側近のお前なら嫌というほどみてきたはずだ」

    ドラゴン「それがどうした?」

    勇者「この戦いも魔王にとっては明日の勝利への布石にすぎないんだろ?」

    ドラゴン「何がいいたい?」

    勇者「お前は捨てられたわけだ。情報収集のために死ねといわれたんだろ?」

    ドラゴン「違う!!!」

    勇者「違わないだろう。大昔、魔法銃という未知の兵器によって魔王は敗戦した」

    勇者「情報が一切なかったからだ。だからこそ、魔王は鉄壁の孤島に引き篭もり、魔法銃の対策を練ろうとした」

    ドラゴン「……」

    勇者「でも、人間の行動は早く、船で攻めてきた。そこで魔王は魔法銃を詰んだ船を永遠に彷徨わせることで戦いを回避した」

    勇者「当時の勇者も海流を操られ、しかも船そのものを幻惑させるという二段構えには意表を突かれたんだろう。抵抗もできずに幻覚の中で溺れ死んだ」

    ドラゴン「そうだ。そしてエルフを弾圧し、人間との交流も絶えた。魔法銃の精製は完全になくなったはずだった……!!」

    763 = 730 :

    勇者「魔王はきっと馬鹿じゃない。当時の魔法銃対策は完成しているはず」

    ドラゴン「……」

    勇者「しかし、こうして情報収集をするということは、あることを懸念しているからだろ?」

    ドラゴン「お前がエルフを連れているから……」

    勇者「新しい魔法銃の可能性がある。昔よりも強化されたものかもしれない」

    勇者「それが魔王の憂いなんだろ?」

    ドラゴン「魔王様には説明した。古代の船から見つかったモノ。故に威力に変わりはないと」

    勇者「……」

    ドラゴン「しかしな……魔王様に油断はできないと言われたら俺たちはそれに従うしかない。今までもそれでニンゲンたちに勝ってきたのだからな」

    勇者「こんな下らないことのために死ぬのか?」

    ドラゴン「黙れ。魔王様は絶対だ」

    勇者「やめろ。それよりも俺たちと手を組んで魔王を倒そう」

    ドラゴン「エルフ族のようにニンゲンに尾を振れというのか?馬鹿馬鹿しい」

    勇者「君が尾を振るとこは見てみたいな。可愛いと思うぞ?」

    ドラゴン「ざ、戯言を!!さぁ!!撃て!!でなければ貴様たちをこの場で……八つ裂きにしてやるぞ!!」

    764 = 730 :

    勇者「ここまで言ってもダメか」

    エルフ「魔王信仰を覆せるわけないって」

    魔法使い「説得は無理か……」

    僧侶「た、戦うしかないのですね……」

    キラーマジンガ「マスターはどこですかぁ!!!!」

    ドラゴン「黙れ木偶人形風情がぁ!!!」

    キラーマジンガ「……」

    ドラゴン「貴様が主といい慕っていたニンゲンは初めから存在しない!!あれは俺の仮の姿だぁ!!!一度、見せただろうがぁ!!」

    キラーマジンガ「確かに……そうでしたね……」

    ドラゴン「ふん……使えぬ人形めが」

    キラーマジンガ「では……ここは私の意志で決めます」

    魔法使い「何をよ?」

    キラーマジンガ「空気を読むのならば、ここは貴方たちとの共闘が望ましいのでしょう」

    勇者「そう来ますか……」

    キラーマジンガ「ですが、私の譲れないモノのために―――敵対させていただきます」シャキン

    765 = 730 :

    ドラゴン「なに……?」

    キラーマジンガ「私の知っているマスターはいません。ですが、あのドラゴンがマスターだということも知っています」

    エルフ「うん……そうだね……」

    キラーマジンガ「―――私はキラーマジンガ。マスターを守護するために、勇者という脅威を一掃します」

    僧侶「……」

    勇者「いいでしょう。あの幽霊船での一件から、こうなることは想像していたし」

    ドラゴン「どけ。人形の手などいらん!!!」

    キラーマジンガ「命令は受け付けません」

    ドラゴン「貴様……!!!」

    キラーマジンガ「貴方はマスターであって、マスターではありませんので。私の独断で行動させて頂きます」

    ドラゴン「勝手にしろ!!どうせ魔法銃で―――」

    キラーマジンガ「魔法銃は使用不可です」

    魔法使い「それ言うの?!」

    ドラゴン「なんだと?」

    キラーマジンガ「魔法銃は古いモノで次弾がない可能性もあるためです。もし次弾がない場合、勇者たちは最大の抑止力を失います。撃つ勇気はないでしょう」

    766 = 730 :

    勇者「大正解。魔法銃は撃てない。よく知ってるね」

    キラーマジンガ「勉強しました」

    勇者「大きくなったな……娘よ……」

    キラーマジンガ「私、パパのことが大好きです。だから―――」

    勇者「キラーマジンガは僕に任せてください!!ドラゴンは貴方達が!!!」

    魔法使い「そ、そんなこと!?」

    ドラゴン「―――消し炭にしてやろう!!!!」

    僧侶「きゃぁぁ!!!」

    エルフ「下がって!!―――くらえ!!」バシュッ

    ドラゴン「柔な矢で俺の皮膚を貫けるとでも思っているのかぁ!!!」ゴォォォ

    魔法使い「炎なら!!」コォォォ

    ドラゴン「ふん……。炎は通じないか」

    魔法使い「何回もしないでね」

    ドラゴン「無理な相談だな!!!」ゴォォォ

    魔法使い「意地悪!!!」コォォォ

    767 = 730 :

    エルフ「やぁぁ!!!」バッ

    ドラゴン「ぬ?!」

    エルフ「風よ!!」ヒュゥゥゥ

    ドラゴン「下らない!!」バサッバサッ

    エルフ「翼の風……?!」

    僧侶「怪我したらすぐに私に抱きついてくださいねー」

    魔法使い「風の魔法使ったら?」

    僧侶「もし通じなかったら回復する手段が減ります」

    魔法使い「そうだけど……これじゃあ……」

    エルフ「凍れ!!」コォォォ

    ドラゴン「無駄だぁ!!!」ゴォォォ

    エルフ「うっ?!」

    僧侶「大丈夫ですか?!」ギュゥゥ

    エルフ「あ、ありがとう」

    魔法使い「触れることができれば火傷ぐらい負わせられるのに……!!」

    769 = 730 :

    勇者「はぁ!!」ギィィィン

    キラーマジンガ「ふっ!!」

    勇者「まだ燃料は切れないのか……!!」

    キラーマジンガ「貴方たちから学ばせてもらったことはとても有意義でした」ギィン

    勇者「そうか」

    キラーマジンガ「楽しかったです」

    勇者「え……」

    キラーマジンガ「とても……」

    勇者「キラちゃん……」

    キラーマジンガ「でも、私には使命があります!!!」

    勇者「そうだな」

    キラーマジンガ「貴方たちから貰った温情を反故にしてまでも、守りたいものがあるのです!!」

    勇者「僕はそういう君が大好きだ」

    キラーマジンガ「はぁぁぁぁ!!!」ブゥン

    勇者「ぐっ!?」

    770 = 730 :

    ドラゴン「オォォォォォ!!!!!」バリバリバリ

    エルフ「まずい!!二人とも距離をとって!!」

    魔法使い「な、なにあれ……?!」

    僧侶「雷ですか?!」

    ドラゴン「消えうせろぉぉぉ!!!」バチバチバチ

    エルフ「はっ!!」キュィィィン

    ドラゴン「これも通さぬか。エルフ族め……!!」

    エルフ「……」

    魔法使い「倒せる見込みは?」

    エルフ「ゼロじゃない。だけど……ボクたちじゃ無理かも」

    僧侶「勇者様の手助けがいりますか?」

    エルフ「武器が欲しいね……」

    魔法使い「ええと……鞭と……ナイフはあるわ」

    僧侶「盾と一度も抜いたことのない剣なら」

    エルフ「あとはボクのボーガンか……うーん……」

    771 = 730 :

    エルフ「そうだ」

    魔法使い「なになに?」

    僧侶「なんでしょうか?」

    ドラゴン「次で終わりにしてやろう!!!」

    エルフ「―――じゃあ、それでやってみよう」

    魔法使い「怖いけど……やるしかないわね」

    僧侶「守ってるだけじゃ勝てません。―――どうぞ、大事に使ってください」

    魔法使い「任せて!」

    ドラゴン「なんのつもりだ?!」

    魔法使い「この盾がある限り!!あんたの攻撃なんて通じないわよ!!」

    エルフ「そーだ!!そーだ!!」

    ドラゴン「貴様らぁ!!!舐めるのも大概にしろ!!!盾もろとも溶かしてくれるわぁ!!!」ゴォォォォ

    僧侶「きたー!!!」

    エルフ「盾に隠れて!!」

    魔法使い「わ、わかってるわよ!!」

    772 = 730 :

    ドラゴン「オォォォォ!!!!」ゴォォォォ

    僧侶「危ない!!」バッ

    エルフ「くっ……!!」バッ

    魔法使い「きゃぁぁぁぁあああああ!!!!!!」

    僧侶「なっ?!」

    エルフ「大丈夫?!」

    ドラゴン「―――終わったな」

    僧侶「あぁ……盾が……とけて……」

    ドラゴン「ふんっ。跡形もなく消えたか」

    エルフ「嘘……そんな……」

    ドラゴン「次はお前だ!!!」

    僧侶「そうは行きません……!!」シャキン

    ドラゴン「はははははは!!!!そのような剣でなにができる!!お前の戦闘力のなさは承知しているぞ?!」

    僧侶「わ、私だって……これぐらいのことは……」ガクガク

    エルフ「―――今だ!!!」

    773 = 738 :

    さあ、どうなる……?

    774 = 730 :

    ドラゴン「なに?!」

    魔法使い「はっ!!」ダダダッ

    ドラゴン「なんだと?!どこから―――」

    エルフ「エルフ族の得意魔法を忘れてたの?」

    ドラゴン「不可視化か!!」

    魔法使い「よし!!懐に入ったぁ!!」

    ドラゴン「何ができる!!」

    魔法使い「私の全身全霊の冷気をくらえぇ!!!」ピトッ

    ドラゴン「なっ!?」

    魔法使い「はぁぁぁ!!!」コォォォ

    ドラゴン「ぐっ……ぁ……」ピキピキ

    魔法使い「まだまだぁ!!」

    ドラゴン「―――オォォォォォォ!!!!」ドガァ!!

    魔法使い「ぎ……ぃ……!?」

    僧侶「きゃぁぁ!!」

    775 = 730 :

    勇者「な?!モロに?!」

    キラーマジンガ「まずい!!」ダダダッ

    勇者「君は……!!」ダダッ


    ドラゴン「はぁ……はぁ……くそ……」

    魔法使い「ぁ……ぁ……」ピクッピクッ

    僧侶「今、治癒を!!!」タタタッ

    ドラゴン「させ……るか……!!―――終わりだ!!」

    エルフ「―――貴方がね」

    ドラゴン「……?!」

    エルフ「そのお腹、今とっても繊細でしょ?」

    ドラゴン「まさか―――」

    エルフ「魔法で強化した矢なら貫ける!!!」バシュッ

    キラーマジンガ「マスター!!!」

    ドラゴン「お前……!!」

    ―――ガギッ!!

    776 = 730 :

    エルフ「え……」

    僧侶「あぁ……」

    魔法使い「ぅ……ぁ……」

    勇者「……」

    キラーマジンガ「マ……タ……ダ、い……じょ……で……す……?」

    ドラゴン「お前……手出しは無用だと……」

    キラーマジンガ「ま……す、タ……ゴ……ぶじ……で……?」

    ドラゴン「……」

    勇者「ああ。無事だよ」

    キラーマジンガ「よか……た……マ……す……」

    キラーマジンガ「わ、たし……ま、すた……が……ガ、ガ……ダ、イ……す―――」ガクンッ

    エルフ「そんな……ボクはそんなつもりは……」

    僧侶「ジーちゃん……」

    魔法使い「……」

    ドラゴン「木偶人形め……最後まで無駄なことをしたな。全く使えなかったな」

    777 = 730 :

    勇者「本心か、それは?」

    ドラゴン「魔法で強化した程度で俺は貫けない。そんなことも判断できずに敵の攻撃に当たりにいくとは……」

    僧侶「……っ」

    魔法使い「ダメ……魔法は使わないで……」

    エルフ「ボクは……」

    ドラゴン「出来の悪い人形はこれだからな」

    勇者「―――そう自分に言い聞かせて、魔王の捨て駒にされた同胞を見捨ててきたのか?」

    ドラゴン「きさまぁ!!!」

    勇者「そうなんだろう?」

    ドラゴン「違う!!魔王様は魔族の繁栄のために!!!」

    勇者「繁栄のためにお前を慕った奴らをボロ雑巾のように扱う」

    ドラゴン「黙れ!!!黙れぇぇぇぇ!!!!!!」

    勇者「この木偶人形でも自分の譲れないモノのために戦った!!!お前にはそれがないのか!!!」

    ドラゴン「俺は……俺は……魔王様の……ために……!!!」

    勇者「お前は人形にも劣るな。自分をそうやって押し殺すことしかできないならな」

    778 = 730 :

    ドラゴン「いい加減にしろぉ……!!!殺す……!!殺す……!!!!」

    勇者「……」チャカ

    僧侶「勇者様!?」

    エルフ「魔法銃……」

    ドラゴン「ふぅー……ふぅ-……!!!」

    勇者「確かに弾はないかもしれない。でも、あるかもしれない」

    ドラゴン「俺は……俺はぁ……!!!」

    勇者「お前が決めろよ」

    ドラゴン「……っ?!」

    勇者「キラーマジンガだってお前を守るって自分で決めたぞ?」

    ドラゴン「俺は……!!」

    勇者「魔王に疑問の一つぐらいあっただろ?」

    ドラゴン「うぅぅぅ……!!!!!」

    勇者「答えろ。お前の答え次第では引き金を引く。たとえ、弾が出なくても今のお前を倒す方法なんてごまんとある」

    ドラゴン「オォォォォォォ!!!!!!」

    779 = 730 :

    魔王『―――そうか。では撤退だ』

    ドラゴン『魔王様。私の部下がまだ敵地に』

    魔王『捨て置け。我が死なぬ限り、負けではない。そう教えたはずだ』

    ドラゴン『は……』

    『ドラゴンさまぁ……!!お助けをぉ……!!!』

    『いたい……いたい……いたい……』

    ドラゴン『弱い奴らは必要ない』

    『ドラゴンさ……ま……!!!』

    『たす……け……!!』

    ドラゴン『だまれぇ!!!』ゴォォォォ

    『ギャァァァ……!!!』

    ドラゴン『魔王様が捨て置けを言った。貴様たちは捨てられたのだ』

    『アァァ……ァ……ァ……』

    ドラゴン『役立たずはいらない……いらない……』

    ドラゴン『役立たずは必要ない……必要ない……』

    780 = 730 :

    ドラゴン「―――いらない……いらない……」

    勇者「崩れたか……」

    僧侶「……」

    魔法使い「ど、どうなったの……?」

    エルフ「側近だからこそ、色々思っていたのかな?」

    勇者「ずっと魔王のやり方には疑問だった。確かに勝利を揺るがないものにすることは大事です」

    勇者「でも、有能な部下を次の勝利に繋げるために捨てるなんて俺にはできない」

    魔法使い「……」

    勇者「トロルも魔人も……先兵以上の役割はなかったのでしょう。全ては最終的な勝利のための布石にすぎない」

    僧侶「勇者様……」

    勇者「魔王……俺はお前を許さない……。人間だけじゃなく仲間をもずっと苦しめてきたんだからな……」

    勇者「仇討ちをするのは俺たちで最後だ……!」

    魔法使い「そうね。それが理想ね」

    僧侶「仇討ち……」

    ドラゴン「いらない……いらない……わけが……ない……」

    781 = 730 :

    エルフ「ガーちゃん……ごめんね……ボクの所為で……ごめん……」

    キラーマジンガ「……」

    僧侶「ジーちゃん……安らかにお眠りください……貴方の御心は神が愛してくれることでしょう……」

    魔法使い「マーちゃん……楽しかったわ……今までありがとう……」

    ドラゴン「俺をどうするつもりだ……?」

    勇者「仲間になってください」

    ドラゴン「……」

    勇者「魔王を倒すためには手を貸せないと?」

    ドラゴン「お前の言うとおり魔王様の考えについていけないときもあった。だが、恩義があることもまた確かだ」

    ドラゴン「でなければ、自分を誤魔化すことなどせず謀反を起こしている」

    勇者「でしょうね」

    ドラゴン「ふん……どちらにせよ……俺はもう……立ち上がれない」

    勇者「……では、こうしましょう」

    ドラゴン「なんだ?」

    勇者「これから人間として生きるというのはどうですか?」

    782 = 730 :

    ドラゴン「なにを馬鹿な……これでも俺は由緒正しきドラゴン族の末裔だぞ?」

    勇者「人間として生きて、ドラゴンになるときはなんかそれっぽい呪文詠唱して変身することにしたら―――」

    ドラゴン「できるかぁ!!!ふざけるなぁ!!!」

    勇者「できるっ!!あんなに可憐な女の子になれるんだから!!!」

    ドラゴン「あのなぁ……」

    勇者「結構、疑問だったんですけど、どうしていつも女の子になってたんですか?」

    ドラゴン「ニンゲンの殆どは女児に甘い顔をすると聞いていたからだ」

    勇者「貴女はメス?オス?」

    ドラゴン「性別などない。元々ドラゴン族は神の使いとして―――」

    勇者「えぇ?!」

    ドラゴン「なんだ?」

    勇者「両性具有ってやつですか?」

    ドラゴン「そうだ」

    勇者「これは……ほうほう!!益々、気に入りました。ようこそ、側室ワールドへ」ニコッ

    ドラゴン「気持ち悪いなお前」

    783 = 730 :

    勇者「とにかく、僕たちは魔王と戦うために貴女の力が必要なのです。そして側室へ」

    ドラゴン「しかし……」

    勇者「どうしてもダメですか?」

    ドラゴン「……」

    勇者「お願いします」

    ドラゴン「……」プイッ

    魔法使い「―――私からもお願い」

    ドラゴン「……」プイッ

    僧侶「あっちむいて、ほい」

    ドラゴン「……」プイッ

    僧侶「かったー」

    ドラゴン「邪魔だ!!お前ら!!!今は独りにしてくれぇ!!!」

    勇者「分かりました。では、後ほど」

    僧侶「お願いします」

    ドラゴン「ふん……」

    784 :

    最近大量更新が多くて嬉しいばかり

    785 :

    ここで終わりか…
    キラちゃん…

    786 :

    僧侶ちゃんさりげなく精神崩壊してない?

    788 :

    朝から楽しかった

    789 :

    ンちゃん死んじゃったの?

    792 :

    面白いと思ってやってるのかなぁ

    793 :

    そもそも既存キャラのAA貼ったところでお前の自己満にしかならないぞ
    支援のつもりなら自作イラストぐらい描いてこい

    つーか、作者以外がAA貼るとかマナー違反違反以外の何物でもないからな

    794 :

    僧侶さんが完全にアホキャラに・・・労しいな

    796 :

    幻覚の内容からいって
    やっぱり魔法使いは勇者にべた惚れだったんだなw

    あと勇者の見てた幻覚って本当にヌーディストビーチだったのかな?
    実は違うものを見てたんじゃないのかな?
    ヌーディスト達が見えるっていうのも自己申告だし

    しっかし魅力的なキャラばかりだけど
    勇者が一番好きだなぁ

    797 :

    >>796
    おっきくしてたんだしヌーディストビーチであってるんじゃないか?
    なんだかんだ言っても女好きは真実だろ

    798 :

    いつからヌーディストが女だと思ってた?

    799 = 730 :

    ―――夜 魔王の城

    ドラゴン「……」

    エルフ「……」カチャカチャ

    ドラゴン「……」

    エルフ「えっと……ここは……」カチャカチャ

    ドラゴン「なにをしている?」

    エルフ「え?」

    ドラゴン「動かぬ人形で人形遊びか?」

    エルフ「今は動かないだけで、動くよ」

    ドラゴン「……」

    エルフ「ガーちゃんは動くよ。まだ、生きてるから」カチャカチャ

    ドラゴン「……そうなのか?」

    エルフ「うん。エネルギーはなくなっちゃったし、動力部の損傷も激しいけど、きっと……動く」

    ドラゴン「動くのか……」

    キラーマジンガ「……」

    800 :

    なん…だと…

    しかし、残りの側室数的にまだまだ続くのかな。
    その方が嬉しいけど。


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