元スレ提督「バンドがしたぁい!」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 :
551 = 1 :
ギャーン!!ギャッギョッギューン!!!
長月「あ、前言撤回。やっぱこれ欲しい」キャリローン!!キロリロリィーン!!
吹雪「すごいなー…同じハムなのに私のPRSより全然太いよこれ」
長月「いいなーこれ…来月の給料でこれ買おうかな」ギャラッキャラッ
吹雪「あはは…ん?」チラッ
吹雪「…!」
吹雪「長月ちゃんちょっと値札見てみ?」チョイチョイ
長月「ん?」キュルッ
値札「\265,000」
長月「」
552 = 1 :
長月「…何だかさっき見たような値段だな」キラリロリロギャァァン
吹雪「そうだね…楽器の価値ってよくわかんないな…」
長月「まあ人それぞれみたいな所もあるだろうしな。これは26万なら…別にいいや」アリガトウゴザイマシタ
吹雪「あ、結局いいんだ」
長月「ああ。なんだかんだ言って今のデュオソニックで十分満足だ」
吹雪「あれすっごい音抜け良いしね」
長月「そうなんだよ。おかげでソロなんかはすっごい目立ってるだろ?」
吹雪「うん、なんかソロの時急に音量上がる感じするよね。アレってアンプのチャンネルいじってたりするの?」
長月「アレはピックアップの音量差を利用してるんだよ。ほら、私のギターってフロントがシングルでリアがハムだろ?」
吹雪「あーなるほど」
店員(あの子たち…小さいのに濃い話してるなぁ…)
553 = 1 :
長月「さてと、肝心の弦を見に行くか」
吹雪「そうだね。…この辺がそうかな?」
長月「…色々置いてあって本当に分からんな。ビスマルクさんたちから返事は?」
吹雪「あー忘れてた。どれどれ…うわ、めっちゃ来てる」
554 = 1 :
グループ:ブリザード、Iowa、ビス子、魚酢杯吐(4)
ブリザード『これからギターの弦を買いに行くんですけど、どれが良いとかありますか?』既読3
ビス子『ダダリオかアーニーボールで良いんじゃない?ゲージは9-42か10-46で良いと思うわ』
魚酢杯吐『エリクサーね。ゲージはそれで文句ないけど、エリクサー以外ありえないわよ』
Iowa『アレ高いじゃない、切れたときに結構財布に来るのよ。私はアーニーボールをいつも張ってるわ』
魚酢杯吐『弦が切れるようなセンスの無い弾き方してるのがいけないんじゃない?大体アーニーだって音が死ぬのが早いじゃないの』
Iowa『うるさいわね、ラインの名前をそんな名前にするようなセンスの奴に言われたくないわ』
魚酢杯吐『えっ…ダサいのこれ…?かっこいいわよね…どうなの吹雪…?』
吹雪「…」
ブリザード『ダサいと思います』既読2
555 = 1 :
吹雪「これで良し、と」
長月「ん、どうだった?」
吹雪「んーとね、ビスマルクさんはアーニーボールとダダリオがおすすめだって。アイオワさんも同じ感じかな。ウォースパイトさんはエリクサーって言うの張ってるらしいよ」
長月「あーにーぼーる…だだりお…えりくさー…これとこれとこれか」
吹雪「エリクサーってやつが高いのかな…?あ、ほんとだ値段が違う」
長月「ダダリオやアーニーボールと比べて倍近くするな。とりあえず今回はやめとくか」
吹雪「そうだね。また切るともったいないし」
長月「じゃあ私はこのアーニーボールってやつにしてみるかな、なんかワシの絵がかっこいいし。…でもその中でも種類が色々あって分かんないんだが」
吹雪「あ、ゲージは9-42ってやつか10-46ってやつが良いらしいよ」
長月「ん…?ああ、ここに書いてある数字か。弦の太さを表してたんだな」
吹雪「みたいだね。あとは弦の素材とかで種類が色々あるけど…まあ一番安いやつでいいでしょ」
長月「そうだな。じゃあ…細いほうが弾きやすそうだから9-42にするか」E:ERNIE BALL Super Slinky
吹雪「よし、じゃあ私はダダリオってやつにしてみるよ」E:EXL120
556 = 1 :
長月「決まりだな!しかし…ギター弦って案外安いんだな」
吹雪「そうだね。これなら別にしょっちゅう張り替えててもそんな気になんないかも」
長月「ベース弦はどうなんだろうな」
吹雪「同じくらいじゃない?」
長月「んーと…これがそうか。って高っ!?」ビクッ
LA BELLA 760FL「\4500」
吹雪「うわほんとだ…一番安いやつでも2000円はするよ…」
長月「ベースにしなくて良かったな」
吹雪「そうだね……」
557 = 1 :
………執務室
提督「~♪」カリカリ
提督「そろそろひと段落つくかな…ん?」コンコン
提督「誰だ?入っていいぞ」
ガチャ
長月「おう、私だ」
吹雪「失礼します」
提督「なんだお前らか。どうしたんだ?」
長月「実はギターの弦を張替えようと思って弦を買ってきたんだが」
吹雪「張り替え方がわからないんですよね」
提督「それで俺に教えてもらおうとしたってわけか」
長月吹雪「「」」コクコク
提督「俺もそろそろ弦を変えようと思っていたから教えるのにも丁度良いな。よし、仕事が片付いたら教えられるから先にスタジオ行っといてくれ」
吹雪「分かりました」
558 = 1 :
………数十分後、プレハブ小屋のスタジオ
提督「待たせたな」ガチャ
吹雪「あ、お疲れ様です」
長月「早速教えてほしいんだが…」
提督「そうだな。俺も重要なことなのに教えるのを忘れていたよ…じゃあまずはお前らのギターを出してくれ」
長月「ああ」スッ
吹雪「はい」スッ
提督「あー、確かに弦錆びちゃってるから二人とももう変えたほうがいいなこれ。長月は一弦が切れたのか」
長月「ああ。それで張り替えようと思ったんだ」
吹雪「実際にはどのタイミングで張り替えればいいんですか?」
559 = 1 :
提督「うーんそうだな…実はギターやベースの弦には寿命があるんだが」
長月「寿命?聞いたことないぞそんなの」
吹雪「あ、ウォースパイトさんが言ってた「音が死ぬ」ってやつかな」
提督「そうそうそれだそれ。張りたての頃はギラギラしててブライトな音が鳴ってくれるんだ。お前らも張り替えればわかると思うぞ」
提督「…で、それが徐々に無くなって行って、大体張ってから2,3週間もしたらブライトな感じは完全に無くなる。これがいわゆる「弦の寿命」だな、このタイミングで変える奴が一番多い」
提督「まあ俺は面倒だから切れるか錆びるかするまでは変えないけどな。どのタイミングで変えるかは人それぞれだ」
長月「ほー…そんなの意識したことなかったな」
提督「実際音も弾きやすさもかなり変わるからな。自分の財布と相談しつつこまめに張り替えることが必要だ」
提督「…で、肝心の張り替え方なんだが、二人ともまずは張ってある弦をだるんだるんに緩めてからこのニッパーで全部切っちゃってくれ」スッ
吹雪「はい。緩めるのには何か意味があるんですか?」キリキリ
提督「単純な話だ。弦を強く張ったまま切ると弦が勢いよく飛んできて危ないからな」パチン!
長月「なるほどな…刺さったら危ないしな…」パチン!
560 = 1 :
提督「よし、全部切ったな。じゃあ六弦から順番に張っていくぞ」
長月「ああ…だが、どこから弦を張るんだ?」
提督「ボディの裏にブリッジとつながってる穴があるだろ。コレだコレ。ここから弦を通すんだ」
吹雪「あ、コレか。えーっと6弦だから…まずはここだな」スススツ
長月「…」スススッ
提督「んで、ペグの穴にそのまま弦を通すんだ。こんな感じだ」スススッ
長月「ほっと…あとはペグを巻けばいいのか?」
提督「いや、そのまま巻く前にちょっと前に引き戻すぞ。こんなもんだな。目安としてよく言われるのはペグ2個分とかだな」スルスル
提督「で、引き戻した分で一周、左巻きに巻く。こんな感じだ」クルッ
吹雪「これで…よっと!できた!」グググ…ピンッ!
長月「ほっ…!こうか!」ググッ
561 = 1 :
提督「そうそう。あとは軽く巻いて締めるだけだな。チューニングは後でまとめてやればいいからそんな気にしなくて良いぞ」
吹雪「はい」クルクル
提督「で、最後に余って飛び出てる弦を切る、と。これで完了だ」パチン
長月「これを一弦まで繰り返せば良いんだな?」パチン
提督「そうだ。巻く方向とかが逆にならないように気をつけろよ」
吹雪「あっ、そういえば私のギターは三弦からペグを回す向きが反対になってた気がするんですけど…弦張るときはどうするんですか?」
提督「あーすまん、言い忘れてたな。そん時は巻く向きも逆にすればいいぞ」
吹雪「はーい」クルクル
562 = 1 :
………
長月「できたー!!」
吹雪「チューニングも…これでよしと。早速弾いてみよっか」
長月「だな。アンプに繋げて…っと」ズコッ
ギャラリラーン♪
長月「す、すごい!全然違うぞ!!」ジャカッギャラッ
吹雪「ほんとだ!!私のギターってこんな音出たんだ…」ギャラリローン♪
提督「あ、弦は張ったばかりだとチューニングが全然安定しないからちょっと気をつけろよ」
長月「ん、ほんとだ。少ししか弾いてないのにすんごい下がったな」キリキリ
提督「安定するまでは4、5回はチューニングし直す必要があるからな、新品の弦を張ってすぐ練習する時とかは気をつけろよ」
吹雪「はーい」ピーン…ピーン
長月「そういや提督はどんな弦を張ったんだ?」
提督「ん、俺か?俺は最近はコレだな」スッ
D’Addario NYXL1046「」
吹雪「あ、ダダリオのちょっと高いやつ」
提督「音がエリクサーみたいに長持ちするんだよなーこれ。全然錆びないし」
吹雪「へー…次はそれにしてみようかな」
563 = 1 :
以上。あとは軽く用語解説を投下します。
ちなみに提督の声はイーグルスのドン・ヘンリーみたいな歌声を想像して書いていますが、細部は読者の皆さんの想像にお任せいたします
564 = 1 :
用語解説
・Youtubeでオリジナル曲が30万回再生
アマチュア、インディーズなら相当すごい。若手バンドでの人気は筆頭だろう。
再生回数だけでそこそこ大きいレーベルから声がかかることもあり得るレベル。
・オリジナルMV
バンドで作ったオリジナルのミュージック・ビデオのこと。古今東西、どんなバンドもやたらと可愛い女の子をMVには出したがる。そして出す。
ちなみに提督たちのMVは、某動画投稿サイトで活動している流田Project氏やRe:ply氏のようにスタジオで撮影しているような形式なのでかわいい女の子は中曽根と渡辺しか出てこない。
・スタジオ練習中に弦が切れる
よくある。特にギターの一弦。
盛り上がりが最高潮のときにこれが原因で練習がストップしてしまうと最高に場がシラける。
替えの弦がないからとかで練習がそれでお開きになると更にシラける。
最低でも1セットは予備の弦を用意しておくのはギタリストとベーシストのエチケット。
・Gibson Les Paul Standard
いわゆる「レスポール」。
Fender社のストラトキャスターと並ぶエレキギターのド定番。
めちゃくちゃ太い音が鳴る。
バランスの整った良いギターであるのは確かなのだが個体差がかなーり激し目なので買うときはしっかり試奏しておこう。
ちなみにけいおんの唯ちゃんが使ってるギターでもある。
・ダダリオ
アメリカに本社を構える世界トップの弦メーカー、D’Addarioのこと。
現在のエレキギター弦のスタンダードであるラウンドワウンド弦を開発したりと、弦の世界のFender的存在。
張った時のテンションが高めで生音でも結構な音量が鳴るのが特徴。一部製品を除いて基本的に寿命は短い。
・アーニーボール
ワシのマークが特徴的な、ダダリオと同じくアメリカに本社を構える世界トップの弦メーカー、Ernieballのこと。
ダダリオに比べると基本的にテンションが弱く、ブライトな音色が特徴。シングル系のピックアップと最高に相性が良い。
ダダリオよりも寿命は短めで、一気に音が死んでいくのでこまめな張替えが必要となる。
・エリクサー
コーティング弦で有名な弦ブランド。とにかく寿命が長くて錆びない。そんなに弾かないなら3か月から半年は持つ。だが高い。
ダダリオやアーニーボールと比べるとやや丸まった音で、レスポールやES-335などハム系のギターとの相性も良い。ただ、あまりとがった感じはしないので嫌いな人は嫌い。
565 = 1 :
・ゲージ
弦の太さのこと。基本的にゲージが太いほど弦の張力が増し、低音がよく出る。
基本的にはスーパーライトと呼ばれる一弦09~六弦42の組み合わせと、ライトと呼ばれる一弦10~六弦46の組み合わせが主流。
メタルなんかではチューニングを下げたりするのでテンションを稼ぐためにやけに太いゲージの弦を張ったりする。
・ERNIE BALL Super Slinky
ギター弦の定番中の定番。アーニーボールのスーパーライトの弦である。安い(800円しないくらい)。
・EXL120
ギター弦の定番その2。ダダリオのスーパーライト。安い(これも800円しないくらい)。
ちなみに通販で買うともっと安くなる。
・LA BELLA 760FL
弦がすべすべしているフラットワウンドのベース弦の定番。
ファンクやソウル、ジャズ系のベーシストに好まれる。プレべとの相性が最高。
ちなみに>>1は自分のベースにはほとんどこれを張ってる。ラウンドワウンドに飽き飽きしてきたベーシストはぜひともお試しあれ。
・NYXL1046
ダダリオが数年前に発表した新作の弦。>>1のお気に入り弦。
ダダリオの音っぽい音がちゃんと鳴るのにめっちゃ長持ちする。さらに、チューニングのずれも少ないのでチョーキングを多用しても安定感があって安心できる。
値段はエリクサーと同じくらいするが、それだけの価値はあるので張ったことがない人はぜひ一度試してみてほしい。
566 = 1 :
今回は弦の話が中心でした。マニアックですいません。
次回はもうちょいとっつきやすい話を書こうと思っています。それでは
567 :
乙です。
確かに弦の張り替えは大事な事だな、しかしそんなに色々と細かい事があるとは……そう思うと本体と弦とアンプと、音に拘りだすと本当に際限無いんだな。
ウォースパイト……どこでそんなのを……。
569 :
乙
張り替えがめんどくさいので長持ちなエリクサーばっかり使ってるなあ
>>1おすすめのやつは使ったことないから今度試してみよう
570 :
乙
そういやこのSSのロックバンドって海外のがよく出てくるけど
いわゆる日本のロックバンドについてはどう思ってるんだろう
571 = 567 :
あー今更だけど何か長月に違和感あって気になってたけど、あれか司令官じゃなくて提督呼びだからか。
まぁこの長月なら提督呼びでも気にならないからいいか、今まで気付かなかったし。
572 :
それでは更新開始します。ちなみに今回の話時点での季節は夏ということでよろしくお願いします
>>567
実はそれだけじゃないです。
このSSでは特に触れていませんが、ギターに関してはシールドやエフェクター、ピックなんかにも好みでこだわっている方は多いです。
音楽は本当に拘りだすと手間も金もかかってしまいます…
>>568
めっちゃ好きやねん
>>569
NYXLはヨイゾ。でもちょっとテンションきつめな感じがするんで緩いのが好きならあんまり気に入らないかもです
>>570
世界的に有名なバンドを題材にした話は書きやすいのですが、邦バンドの話はちょっと書きづらいというただの>>1のわがままです。
邦楽も普通に聞きますし好きですよ。特にスピッツは最高のバンドの一つだと思っています。
>>571
やらかした。ほんまや。
今更変えるのも不自然なんでこのSSではこのまま提督呼びで行かせていただきます…申し訳ない
573 = 1 :
………とある日
雲龍「フェスに行きましょう」デデン
長月「何だ藪から棒に」
雲龍「放課後ティータイムの皆が楽しそうだったから。私もあずにゃんみたいに日焼けしてみたいわ」
早霜「私達は海に出ても日焼けしないんだし…それは難しいんじゃないですか?」
雲龍「えっ…?」ガーン!
574 = 1 :
舞風「まーでもフェスに行くってのは面白いかもねー。みんなで行ったら楽しそうだし!」
吹雪「そうだね、季節も丁度夏だし」
長月「でもフェスって言っても色々準備が必要だろう?誰か情報を知っている奴は居るのか?」
武蔵「私は毎年ラウドパークに行ってるからある程度なら分かるぞ」
舞風「あ、そうなんだ。じゃあ安心かな」
吹雪「じゃああとはどのフェスに行くかだね」
雲龍「武蔵さんが言ってるラウドパークって言うのは?」
長月「あれはメタル系のフェスだからなー、メタル聞かないなら行ってもそこまで楽しめないと思うぞ」
武蔵「まあそうだな。開催も10月だしな」
575 = 1 :
舞風「うーん…長月ちゃんはフェスについて何か知らないの?」
長月「私もほとんど知らないな。サマソニやらイナズマやらフジロックやら…名前だけは知っているが」
雲龍「じゃあその中のどれかで良いんじゃないかしら」
早霜「軽く情報を集めてみましょうか」
吹雪「そうですね…ん?誰か来た…司令官かな?」ガラガラ
ガチャ
提督「おうお前ら!フェス行こうぜ!」バンッ!
みんな「「「…!?!?」」」ビクゥ!
576 = 1 :
吹雪「は、はぁ…」
武蔵「…これはまた」
長月「タイムリーだな」
提督「ん?お前らどうした鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔して」
雲龍「実は今、皆でフェスに行こうかって話を丁度してたところなんですよ」
吹雪「それで急に司令官が入ってきてフェスに行こうって言ってくるから…びっくりしちゃいました」
提督「なるほど、驚かせてすまなかったな」ハハハ
長月「でもなんで今になってフェスなんかに行く気になったんだ?今までは毎年行ってなかったよな?」
吹雪「あ、そう言えばそうだね。司令官っていっつも休みも取らずにずっと鎮守府に篭ってたし」
提督「あー、それはなー…俺が昔よく一緒に対バンしてた友達で、今はデビューしてそこそこ人気になった奴がいるんだけどな」
早霜「横澤さんでしたっけ」
提督「そう、そいつだ。で、この間そいつに連絡を取ってみたんだよ」
提督「そしたら…」
577 = 1 :
………
プルルルル…
横澤『もしもし…どなたですか?』
提督『おうヨッ君久しぶりだな!!俺だ、海兵のヒロシだ!!』
横澤『は…?海兵のヒロシって…Groove Barrettのか!?』
提督『そうだっつってんだろ!!最近頑張ってるみてえだから久々に電話したんだよ。今や大人気らしいじゃねえか』
横澤『ははは、おかげさまでなー。それで、お前は今まで何してたんだよ。どこのハコ行っても見かけねえから失踪したのかと思ったぜ?』
提督『俺は真面目に軍人やってるよ。今や海軍大将だぜ?すげえだろ』
横澤『はっはっは、そいつは偉くなったなオイ』ハハハ
提督(こいつ絶対信じてねえな)
578 = 1 :
横澤『そうだ、俺今度デカいフェスに出るんだよ。良かったら見に来ないか?』
提督『お、マジでか?ヒマ取れたら行ってみるわ』
横澤『お前がバンドから離れてる間にいろんな奴がデビューしたんだぜ。そいつらもこぞって同じフェスに参加する予定だから…まあ久々に皆で酒でも飲もうや』
提督『いろんな奴って…西沢とか高田のバンドとかもか?』
横澤『おう。あいつらもおととしにとっくにデビューしてるぜ。今度アニメの主題歌やるの決まったらしいな』
提督『マジでか!?鈴木とかはどうなんだ?』
横澤『ああ、あいつは去年失踪した』
提督『失踪!?!?』
………
579 = 1 :
提督「てな感じでな、昔なじみのツラがこぞって同じフェスに出るみたいだからちょっと見に行ってやろうかなと思ったんだ」
吹雪「へー…司令官ってやっぱりバンドマンの友人が多かったんですね」
提督「いろんなハコ回ってるうちになー。まあバンドマン同士の付き合いは重要だぞ。一緒にイベントやったりして新しいファンを獲得することもできるしな」
早霜「なるほど…」
雲龍「で、結局なんていうフェスに行くんですか?」
提督「おう。「ロック・オン・ジャパン・フェスティバル」だ」
長月「なんだと!?」バッ
580 = 1 :
舞風「ん?長月ちゃん知ってるのー?」
長月「知ってるも何も…国内最大規模の邦楽フェスじゃないか!!毎年茨城でやってるっていうアレだろ!?」
提督「お、なんだ知ってるのか。それだそれ」
吹雪「じゃあ司令官はそのフェスに連れてってくれるんですか?」
提督「そうだな。一人だとやっぱり感想とかを語るやつがいなくて寂しいしなー」
長月「やったー!!」キラキラ
吹雪「ところで…司令官は一人でフェスに行ったことがあるんですか…?」
提督「まあ学生時代に…ちょくちょく…」
舞風「うわぁ寂しい…」
武蔵(フェスってふつう一人で行くモンじゃないのか…?)モンモン
581 = 1 :
………フェス当日の早朝
提督「よしお前ら!!持ち物の確認だ!!」
みんな「「「はい!!」」」ビシッ
提督「帽子とグラサン!!」
みんな「「「あります!!」」」
提督「レインコート!!」
みんな「「「あります!!」」」
提督「虫よけスプレー!!」
みんな「「「あります!!」」」
提督「ウエストポーチ!!」
みんな「「「あります!!」」」
提督「防寒用の上着!!」
みんな「「「あります!!!」」」
提督「よし、全艦車に乗り込めェ!!」
みんな「「「はいっ!!」」」ゾロゾロゾロ
582 = 1 :
………車内
ブロロロロ…
吹雪「それにしても出演バンドが豪華だね」E:フェスのフライヤー
長月「そうだな。普段邦楽を聞かない私でも知ってるバンドがちらほらある」
舞風「しかも4日間開催なんでしょ?私たちが見れるのは2日だけだけど、本当に大規模だよね」
早霜「ステージの数も多いし…すごい盛り上がりそうね」
武蔵「今のうちにどうやって回るか計画を立てておくか…」キュッキュッ
雲龍「武蔵さん何してるの?」
武蔵「これだけステージが多いと計画的に回らないと目当てのバンドが見れないだろうからな…。ある程度周るルートの目星を立てておいてるんだ」
長月「はーなるほどな。私たちもやっとくか」
舞風「うわっ!!私見たいバンドの時間が重なってる!!」
吹雪「あはは、それは残念だったね」
583 = 1 :
舞風「そういえば提督のバンドって男女混合だけどさー、バンド内恋愛とかやっぱりあったのかなー」
武蔵「…どうしたんだ急に」
舞風「この間ネットでそういうコラム見たんだよ。バンド内恋愛は解散の原因になるからやめましょう!!って」
吹雪「そうなの?楽しそうだけどね」
提督「バンド内恋愛か…まああるにはあったぞ」
舞風「あっ提督聞いてた!?」
提督「運転してるとはいえ話は聞いてるぞ」
長月「へー…あったんだな。誰と誰だ?提督と…渡辺さんあたりか?」ウキウキ
早霜「長月ちゃんはなんでこんなにウキウキしてるのかしら…」
提督「うーん、そうじゃなくてな」
長月「そうじゃなくて?」
提督「中曽根と…渡辺がな…」
みんな「「「…!?!?」」」
584 = 1 :
吹雪「えっ…どういうこと…?二人とも女性ですよね…?」
提督「あっ、お前ら気づかなかったか?中曽根はガチのレズだぞ」
雲龍「えっ…」ビクッ
提督「それで渡辺はバイだ。男と女両方いけるんだよなあいつ」
舞風「えええ…なにそれ…」
提督「…これは俺が3回生だったころの話なんだが」
585 = 1 :
………提督の学生時代、防音室の前
田中『よーし補習も終わったぜー。練習練習!!』
提督『…お前に付き合わされる俺の身にもなれよな』
田中『ははは!そう言いつついっつも付き合ってくれるじゃねえか!!愛してるぜ!!』バシバシ
提督『やめろよ男同士で気色悪い…よっと』ギィィ
渡辺『んむっ…ちゅっ…ふふふっ…ね、良いでしょ?』ガサゴソ
中曽根『あっ…ダメよこんなところで!ヒロシ君たち来るかもしれないじゃない…』ガサゴソ
渡辺『えへへへ…大丈夫だよ。ヒロシ達は今頃補習だから来るはずないって…ん?』チラッ
提督『…』ジトッ
渡辺『』
中曽根『』
586 = 1 :
提督『…邪魔したな』スッ
中曽根『えっいやちょっと待っ…』ガチャリ
田中『…ヒロシ、青い顔してどうしたんだ?』
提督『…なんでもない、俺は自分の部屋に戻るぞ。お前も絶対に入るなよ!!絶対だぞ!!』スタスタ
田中『あっおい待て!!何があったか俺にも教えろぉ!!』ダッ
587 = 1 :
………
提督「…っていうことがあってな。後日、あいつらは正式にお付き合いをしていることが判明した。今でもまだ付き合ってるらしいが…あれは肝が冷えたぞ」
舞風「そ、そうなんだ…」ピクピク
長月「それは…何というか…」
雲龍「私たちの求めてた話とはちょっと違うわね…」
提督「…そんなイカれた女どもに恋心を抱くほど俺も田中も斉藤も心が太くなかったからな、よくある男女の仲のもつれが原因で解散の危機とかはなかったよ」
早霜「まぁ…それは平和で良いというか…」
舞風「な、なにも起きないに越したことはないしね…」
588 = 1 :
………フェス会場
ワイワイワイ…
でかいゲート「ROCK ON JAPAN FESTIVAL」デデン
長月「ついたぞー!!」
早霜「良い天気ねー」
提督「そうだな。こんだけ天気が良いと日射病とかには気を付けたほうがいいかもしれないな」
吹雪「そうですねー。水分補給とかはこまめにしないとね」
提督「あ、7人で」スッ
スタッフ「はーいどうぞー」
提督「あ、ありがとうございます。ほらお前ら、コレつけろ」
リストバンド「」デデン
589 = 1 :
早霜「なんですかコレ」スルスル…カチッ!
提督「リストバンドだよ。これが入場券の代わりになるからな、ここにいる間は絶対に外すなよ」パチン!
舞風「へー…なんかフェスっぽくていいねコレ」パチン
武蔵「開門には間に合わなかったが結構早く着いたし…今から並べば物販とかも間に合うかもな」
雲龍「いいわね、並びましょう」
舞風「私は個人的にグッズがほしいバンドがあるからそっちのブース並んでくるね」
長月「じゃあ私たちはオフィシャルの方行くか。さっきネットで情報を調べててな、かわいいTシャツがいくつかあったんだ」ウキウキ
提督「俺はその間にテント張ってくるから…終わったらあの辺で適当にたむろしててくれ。クロークにでかい荷物を預けるのはそのあとにするか」
吹雪「了解です!!」
590 = 1 :
「OFFICIAL GOODS SHOP」
ザワザワザワ…
早霜「なんだかんだ言ってめちゃくちゃ並んでるわねー」
武蔵「でもまだかわいい方じゃないか?これなら3,40分で済みそうだな」
長月「嘘だろ…?これでか?」
武蔵「…舞風が行ったアーティストの方はもっとやばいと思う」
吹雪「ええ…あの子一人で大丈夫かなぁ…」
雲龍「ま、死にはしないわよ。それよりあの4番のシャツかわいいわね。私アレ着るわ」
武蔵「あ、それ私が狙ってたのに…じゃあ私は12番のやつにするかな」
早霜「タオルとか帽子も結構かわいいわよね」
吹雪「そうだね。…鎮守府じゃあ正直使いづらいけど」
長月「でも…こういうの見てると全部欲しくなるな」
吹雪「あはは、わかるわかる」
591 = 1 :
………約一時間後
舞風「し…死ぬかと思った…」ゼーハー
吹雪「お、お疲れ舞風ちゃん…大丈夫だった…?」
舞風「な、なんとか…目当ての奴は買えたよ…」グッ
武蔵「やるな」
提督「ははは、まあここで根を上げてたらステージの熱気には到底ついてこれないぞ」
舞風「そうだ!これで終わりじゃないんだ…!」
早霜「っていうか始まってすらないわよね」
提督「あ、テントはもう張ってきたから着替えたかったらそこで着替えちゃってくれよ」
吹雪「はい…あれ?司令官は物販とか行かなくて良いんですか」
提督「実はな…俺は事前予約をしてるんだよ」
舞風「えっなにそれ!?」
592 = 1 :
提督「事前予約をしていればいつでも好きな時に取りに行けるんだ。まあ経験からくる知恵だな」ハハハ
舞風「そんなぁー…もっと早く教えてよぉ…」グデン
提督「…ちなみにアーティストのブースでは使えないぞ?」
舞風「あ、そうなの?ならいいやー」ケロッ
雲龍「この切り替えの早さ…見習いたいわね」
早霜「私は雲龍さんのマイペースさの方が不思議だと思うんですが…」
593 = 1 :
………数十分後、テントの中
吹雪「装備完了!!」E:夏フェス完全装備
舞風「おーいいじゃん!!それっぽいね」E:夏フェス完全装備
武蔵「まずい…Tシャツのサイズをちょっと間違えたな…」ピチッ
雲龍「私のと交換する?」ダボン
武蔵「いや、せっかくだしこのままでいくよ」
早霜「それにしても長月ちゃんダッボダボねー…」
長月「う、うるさい!!XSを用意しないのが悪い!!」ダボーン
提督「お前ら着替え終わったかー?」
吹雪「あ、はい。今出ますねー」ジー
594 = 1 :
提督「よし、じゃあここからは各自周るルートも違うだろうから別行動だな」
長月「だな。私は大体舞風についていく感じだが」
舞風「あ、そうなの?」
長月「ああ。正直邦楽はよく分からんからな」
吹雪「わたしはバンドとかと別にDJとかもちょっと見てみたいからねー」
武蔵「なんだかんだ言って結構ばらけそうだな」
早霜「まあこれだけステージがあればばらけるわよねー」
595 = 1 :
提督「全艦静聴!!」ビリッ
みんな「「「」」」ビシッ
提督「本日はこれより自由行動とし、再集合は日没の後とする!!各員水分補給を怠るなよ!!」
提督「それでは全艦!!全力で楽しんで来い!!」
みんな「「「はいっ!!」」」ビシッ
周りの客(なにやってんだアレ)
596 = 1 :
とりあえず以上。あとは用語解説を投下します。
ちなみにフェス完全装備は>>1の想像的には帽子+Tシャツ+タオル+リストバンドって感じです。
597 = 1 :
用語解説
・フェス
大勢のミュージシャンが一堂に会しパフォーマンスを行う、いわゆる音楽フェスティバル。
夏がシーズンで八月は毎週どこかででかいフェスが行われている。
泊りがけになることもあるのでキャンプ気分で楽しめる。が、死ぬほど疲れる。
また、基本的に屋外での開催になるので虫刺されと日焼け対策はバッチリしていかないと痛い目に合う。
・ラウドパーク
毎年10月に首都近郊で行われる日本最大のメタルフェス。世界中からメタルの大物バンドを集める。年によってはめちゃくちゃ豪華。
>>1の体感では物販がほかのフェスよりかなりシビアで売り切れも続出するイメージ。
出演アーティストによるサイン会もある、他にはない面白いフェス。メタル聞かない人でも行ってみたら案外普通に楽しめると思う。
・サマソニ、イナズマ、フジロック
どれも日本最大級のロックフェス。特にフジロックには外人さんもよくいらっしゃる。
ちなみに今年のイナズマは台風の影響で残念ながら中止になってしまった。
・バンドマンの失踪
ごく稀に聞く。ちなみに理由は借金で首が回らなくなったり養っている女性に家を追い出されたり自分探しの旅に出たりと以外に様々である。
598 = 1 :
・フェスの持ち物
フェスに行く場合はちゃんと事前に情報収集をして、何が必要なのかを絶対に確認しておこう。
ちなみに帽子とサングラスは熱中症対策、レインコートは雨具、虫よけスプレーは蚊対策、ウエストポーチは財布やスマホを入れる用、防寒対策の上着は夜の冷え対策である。
他にも必要となるであろう物は色々あるので行く前には一回ググるか詳しい人に話を聞いてね…
・バンド内恋愛
禁物。これが原因でメンバーの誰かが辞めた後のバンドの空気は最悪なものとなる。
アマで活動しているバンドの解散の原因の4割はこれなんじゃないかというくらいよく見る。
ちなみにそのほかの主な原因は金か音楽の方向性の違い(ガチ)である。
・フェスのゲートとリストバンド
フェスの入場券の代わりとなるリストバンドは、多くのフェスでは入口にあるでかいゲートで交換してもらえる。
開門時間の直前には物販やテントの場所取り目当てで多くの人でごった返す。
ちなみにリストバンドは相当うまくはめないと一度つけたら外れないのでフェスが終わったら名残惜しくても切るしかない。
・フェスの物販
大きく分けてそのフェス自体のグッズとを販売するオフィシャルショップと、アーティストごとのグッズを販売するアーティストショップの二つに分かれる。定番はシャツ・帽子・タオル・リストバンドあたり。
どちらもゲートの開門直後には多くの人でごった返すが、特に人気バンドのアーティストショップには狭いスペースにものすごい人数が並ぶので熱気がやばいことになる。売り切れもすぐに出てしまうので目当てのバンド次第では相当シビアな勝負に。
599 = 1 :
以上です。
ちなみに今回みんなで行ってるフェスはモデルにしているフェスはありますが架空のフェスです。
いろいろと現実と違うところがあるかもしれませんがそこはご容赦ください。
600 :
乙です。
ダボーンな長月……いいね可愛いね、まぁ端から見たら保護者の男と数人の女の子達にしか見えんからなそりゃ。
みんなの評価 :
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