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    元スレ利根「提督よ、お主なかなか暇そうじゃの?」 金剛「…………」

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    951 :

    ブログの事は瑞鶴のスレに書いていましたね。……利根さんから入った方は分からないよね。ごめんよ。ブログ名は「まったり猫のblog」です。

    なんか「妖怪艦娘吊るし」で検索すると私のブログが一番上に来るようになっていやがる。どうしてこうなった。

    952 :

    楽しみ

    953 :

    夏イベ始まりましたね

    続きは楽しみですが、
    筆者様のリアル>夏イベ>続き執筆
    の優先順位でお願いしますね。

    954 :

    遅くなったけれどちょっとばかし報告です。
    夏バテでちょっとダウン中。もう少しばかりお待ち下さいませ……。

    955 :

    コミケ前に大丈夫なのか…?
    お大事に

    956 :

    お大事にー

    957 :

    コミケにて新刊買ってきますた
    これからじっくり読ませていただこうと思いますw

    958 :

    同じく新刊買ってきました
    ちょうどパソコン壊れたのでじっくり読もうと思います

    959 :

    長門「……こんな時間に茶の会とは随分とのんびりしているな」

    提督「たまたまだ。こんな事は滅多に無い」

    長門「むしろ『お茶会』は何かの隠語で実際は緊急作戦会議か何かかと疑ったくらいだ。……本当に言葉そのものだとは思いもしなかった」

    「ああ、だからやけに張り詰めた雰囲気だったんだね」

    空母棲姫「何をそんなに身構えているのやら。そんなに私達が脅威に見えるか」

    長門「可能性として考えるのは許してくれないだろうか。私はお前たち二人の事を良くは知らないんだ。……艦娘と深海棲艦が一緒の席に着いているという事も違和感ばかりだ」

    空母棲姫「そうであってくれ。いい加減、信じ過ぎるこの人間や艦娘達に溜め息を吐きたくない」

    提督「単純にお前が頑固なだけという可能性は考えないのか?」

    空母棲姫「む……」

    提督「極論を言ってしまえば、艦娘と深海棲艦の違いは我々人類に危害を加えてきたかどうかの差でしかない。逆に艦娘が人間を襲い、深海棲艦が人間の味方をしていれば立場は逆転している。危害を加えてくるのならば敵。協力するのであれば仲間。それだけだ」

    空母棲姫「確かにそうですが……」

    提督「例えば今のこの世情で艦娘が人間を襲えば、その艦娘はいかなる手段を使ってでも排除されるだろう」

    空母棲姫「……………………」

    提督「全ては認識次第だ。敵という認識ならば敵。味方という認識ならば味方。お前たち二人は味方という認識に置かれているという事だ。行動でな。そもそもの話、お前たち二人は私達に危害を加えてきたか? 逆に協力をしてくれただろう」

    ヲ級「お魚、とか?」

    提督「ああ。あれは本当に助かった。あのままでは飢え死にするのは間違いなかった」ナデ

    ヲ級「えへー」ホッコリ

    空母棲姫「……………………」

    利根「つまり我輩たち艦娘も深海棲艦も在り方が違うだけで、人間から見て違うのは姿だけというものなのじゃな」

    提督「そういう事だ。まだ納得できないか?」

    空母棲姫「…………はぁ……まったく、どうしてそんな風に割り切れるのかしら……」

    提督「変わり者だとは常々言われている」

    960 = 1 :

    「違いないね。ここにも変わった艦娘しか居ないし」

    瑞鶴「待って。まさかそれって私も含まれてる?」

    「にゃぁにゃぁ」

    瑞鶴「ッ!?」ビクンッ

    五人「?」

    瑞鶴「そ、そそそうねぇ……? 確かに変わり者ばっかりよねぇ?」

    金剛「…………? えっと、とりあえず私は紅茶を淹れてきマース」スッ

    利根「ぬ、金剛よ。ついでで悪いのじゃが我輩に紅茶の淹れ方を教えてくれぬか? 日本茶は飛龍に教えて貰ったのじゃが、紅茶の淹れ方も知りたいのじゃ」スッ

    金剛「勿論デース! 一緒に淹れまショウ!」

    利根「うむ! ありがたいぞ!」

    瑞鶴「……へぇ。利根さんって紅茶にも興味あったんだ」

    提督「最近は色々な事に手を出している。勉強熱心だよ。──ところでヲ級、お茶菓子は何を持ってきたんだ?」

    ヲ級「ワッフル! 間宮さん、伊良湖さん、褒めてくれた!」スッ

    空母棲姫「もうベタ褒めでした。甘い方も甘くない方も、初めて作ったとは思えないと言っていたわ」

    長門「! ……確かに、良い香りだ」

    瑞鶴「……ん? もしかして長門さんって甘い物が好きだったの?」

    「そうなんだ?」

    長門「む……いや、そのだな……。…………嫌い、ではない……」

    提督「そうか」

    長門「……なんだ。悪いか? 悪いのか?」ジッ

    提督「味の好みなど個人差が激しいものだ。好みで人を左右するようなものでもないだろう。食の好みに口を挟むような者はここには居らんよ」

    長門「……そ、そうか。うむ。そうだな。味覚で人は決まらない」

    提督「ああ。だから、これからは間宮と伊良湖が甘味を振舞った時も遠慮なく口にして良いぞ」

    長門「~~~~~~っ!」

    提督「恥ずかしがる事でもない。どうせ向こうでは口にしたくても出来なかったのだろう? ここならば誰も気にせん。むしろ、間宮も伊良湖も手を付けない事から甘い物が嫌いなのかと思っていると言っていた」

    長門「……変ではないのか?」

    提督「どこが変になるんだ。さっきも言ったように好みなど個人で大きく違う。堂々としていれば何もおかしく思われん。むしろ変に気にしていると周囲もおかしな目で見るぞ」

    長門「なるほど……ふむ……」

    提督(……長門も頑固な子か。……いや、プライドが高いのか? 自分の好きな物を抑えつけても仕方が無いだろうに)

    …………………………………………。

    961 = 1 :

    利根「待たせてしまったのう。紅茶が出来たのじゃ!」

    金剛「お待たせしまシタ」

    ヲ級「紅茶、始めて……!」キラキラ

    金剛「紅茶は良いものデース。きっとお二人も気に入ってくれマス」スッ

    利根「……ふむ? 金剛よ、最後に淹れた紅茶を提督に出すのは何か意味があるのかのう?」

    金剛「良い所に気が付きまシタね利根。茶葉はティーポットに入っている間も抽出されていマス。最後の一滴はゴールデンドロップと呼ばれていて、一番濃い茶液の一滴が入ると味が引き締まるのデス」

    利根「ほー。そんな意味があるんじゃのう……」

    瑞鶴「へぇ……」

    「同じティーポットの紅茶なのに、そんな違いがあるなんて初めて知ったよ」

    ヲ級「♪」ワクワク

    提督「さて、全員に行き渡ったようだ。頂こう。──ヲ級、少ない包みの方が甘くない方か?」

    ヲ級「うん!」

    提督「うむ。分かった」スッ

    「じゃあ私達はこっちだね」スッ

    長門「…………」スッ

    空母棲姫(素直に甘い方を手に取りましたね)スッ

    利根「我輩も甘くない方を食べてみるかのう」ヒョイ

    提督「ほう、珍しいな」

    利根「そういう気分の日もあるのじゃ」パク

    利根「! ふむ。ふむふむ」モグモグ

    ヲ級「どうっ?」ワクワク

    利根「これもこれで一興があるのう」ズズッ

    金剛「甘い方もとっても美味しいデース!」

    瑞鶴「これが初めてなんて、とても思えないわね……」

    「才能かもね」

    962 = 1 :

    長門「…………」モグモグ

    長門(……非常に美味い。甘さもくどくなくて、すっきりとしている)

    ヲ級「ね、ね、どうっ?」

    長門「ぅ……む…………美味い、ぞ」フイッ

    ヲ級「♪」ニコニコ

    長門「…………調子が狂ってしまう」ハァ

    空母棲姫「その気持ちはよく分かるぞ……」

    提督「頑固であれば頑固である程この現状に頭を痛めるぞ」

    長門「全くもってそうだな……。こんな無邪気な顔を見せられたら、今まで警戒していたのは何だったのかと思ってしまう……」

    ヲ級「?」パクパク

    長門「ああほら、欠片が口の端に付いているぞ」スッ

    ヲ級「! ありがと!」ニパ

    長門(……本当に、敵とは思えないな)

    空母棲姫「……私も認識を改めるようにする」

    長門「ん?」

    空母棲姫「…………」フイッ

    長門(……本当、私たち艦娘も深海棲艦も……なぜ戦っているのだろうな。二人に訊いてみたいとは思うが──)チラ

    金剛「今度一緒にスコーンも焼いてみまセンか?」

    ヲ級「すこーん?」

    「英国のお菓子だよ。紅茶と一緒に食べると凄く美味しいんだ」

    利根「我輩も作りたいぞー!」

    金剛「テートク、今度また隣の部屋をお借りしても良いデスか?」

    提督「構わんぞ。その時は私に鍵を取りに来るようにな」

    瑞鶴「あ、私も見てみたい」

    ヲ級「楽しみ! ね、姫?」

    空母棲姫「……新しい料理を覚えるのは楽しみだな」

    利根「おお、少し素直になったぞ」

    空母棲姫「くっ……! からかうのならば、お前のにだけトマトのように赤くなるまで唐辛子を入れてやろう……!」

    利根「す、すまぬ……。激辛は嫌じゃ……」

    空母棲姫「ふん」

    長門(……この空気を壊したくない。機会があったときにでもするか)

    …………………………………………。

    963 = 1 :

    レ級「──あー、あー。えっとぉー! お前ら聴こえてるー!? これから作戦を開始しまーす! 聴いてなかったら殺すから注意しようねぇ!」

    レ級「んじゃあ陽動部隊は今すぐにでも突っ込もうかぁ。テキトーに殴ってたら良いよテキトーにね。あ、でも逃げる時は東に逃げる事! これ大事だから頭無くなっても絶対守ろっか! 打撃部隊は命令するまでここで待機。オッケー? はい陽動部隊は突貫して突貫!」

    ザアアアアアアアァァァァァァ…………────。

    レ級「うぅーん楽しみだ。誰がどのくらい死ぬかなぁ? 出来れば私が蝙蝠クンをぶっ殺したいけど。ま、そう簡単にアイツは死なないし、残ってくれるよね」

    レ級「さあ無意味に殺して殺される戦いを始めよっかぁ!! ギャハハハハハァ──!!!」

    …………………………………………。

    964 = 1 :

    今回はここまでです。たぶんまた一週間後くらいに来ます。投下が遅れてごめん。
    本当に今回の物語は色々な意味で大人しい作品。ちょっと物足りないかもしれないけどごめんよ。

    夏コミ本を買っていって下さった方々、本当にありがとうございます。
    欲しかったけれど買えなかった方への連絡ですが、本自体は余っているので残った部数はネットで委託販売するかと思います。
    その場合はまた連絡をしますのでお待ち下さいませ。

    965 :

    おい……レ級が主任になってんぞ。
    まさかこのレ級、背中にバカでかい大砲を背負ってたりしないだろうな?

    966 :


    これはレ級(CVひろし)ですわ

    969 :

    数時間前から読み始めたけど、やっぱり貴方のssは面白いわ、乙です。 夏コミ行けなかったので、委託の方も楽しみにしてます

    970 :

    乙です、にゃぁにゃぁ。

    971 :

    「惚れちまいそうだぜ、空母棲姫ぃぃ!」

    972 :

    スクラップの時間だぜェ!
    このクソ野郎がァァァッ!

    973 :

    あ、そういうのいいです

    974 :

    不明なユニットが接続されましたただちに使用を中止してください不明なユニッ…
    おつつ

    975 :



    レ級を吊るしたい

    976 :

    ドンドンドンッ──ガチャッ!

    大淀「提督! 大変で──っ!?」

    空母棲姫「なッ!?」

    ヲ級「!!」ビクンッ

    大淀「深海棲艦!? な、なんでここに!?」

    長門(……これは面倒な事になるぞ)

    提督「大淀」

    大淀「っ!」ピシッ

    提督「何があった。先にそれを言え」

    大淀「え……? あ、えっと……?」チラ

    空母棲姫「…………」フイッ

    ヲ級「…………」ヂー

    大淀「……ここらの地域の鎮守府が深海棲艦から襲撃を受けたという情報が総司令部より入りました」

    金剛「え──」

    「…………」

    瑞鶴「ちょっ、それって本当なの?」

    大淀「はい。ほとんどの鎮守府は哨戒が役立ち致命的な被害は出ていないようですが……下田鎮守府は爆発音と共に無線が途切れてしまったらしく、安否は不明のようです」

    金剛「────────」

    提督「全員を叩き起こせ。迎撃──いや、防衛だ」スッ

    利根「周辺の鎮守府に支援を送るのではないのか?」スッ

    提督「組織的に動いているのにも関わらずこの鎮守府だけ襲撃されていない事を考えると、ここに何か用があるはずだ。大淀、電信室で鎮守府内全域に緊急出撃命令を出せ。全員、兵装を確認した上で外へ出すんだ。そして周辺の灯台を全て使い、海へ向けて照らせ。この夜の中ではまともに戦えん」

    977 = 1 :

    大淀「畏まりました。……そこの深海棲艦の事、後で教えて下さいね」タッ

    提督「お前達も自分の兵装を取りに行け。私はここで空母棲姫とヲ級に話す事がある」

    長門「……その命令には従えん。危惧している事がある」

    提督「そうか。利根、金剛、瑞鶴、響、お前達は先に行け。後で長門も向かわせる」

    利根「分かったぞ!」

    瑞鶴「うん、行ってくるわね!」

    金剛「…………分かりまシタ」

    「思う所はあるだろうけど、長門さんも早く来てね」

    ──バタン

    提督「さて長門、手短に済ませたい。話せ」

    長門「私はこの襲撃がそこの二人が手引きしたものではないかという可能性も拭えないと考えている」

    空母棲姫(……まあ、そうなるわね)

    長門「可能性が低いのは分かっている。だが、この場に貴方を一人にして殺されでもしたら指揮系統を一気に失ってしまう。万が一の事も考えて私を残しておくべきだ」

    提督「やはりな。だが、その心配は要らん。この二人は私を襲えない理由がある」

    長門「理由?」

    提督「前にも話した通り、この二人は深海棲艦から敵と認識されている。空母棲姫に至っては沈められる寸前だった。その二人が今ここで私を殺したらどうなる。海は一面に敵。陸も海から遠く離れてしまうと死んでしまう艦娘と同様、深海棲艦も死んでしまうだろう。何よりも兵装が無くて戦う事が出来ん」

    長門「……別の可能性は、まだ一つある。貴様が深海棲艦側に立ったという可能性だ」スッ

    提督「やはりそうなるか」

    長門「その深海棲艦が人と共存を望んでいる? どんな奇跡だそれは。今まで人間を、艦娘を殺してきた奴らが共存を望むなどと馬鹿げた事があるか! それに、貴様自身もイレギュラーな要因を含み過ぎている。深海棲艦と和解しているというのもそうだが、他所の鎮守府の艦娘を手玉に取っている事も怪しい限りだ!」

    長門(……カマを掛けてみたが、さあどうなる)

    大淀『緊急事態発生! 緊急事態発生! 深海棲艦が母港を襲撃してきます!! 全艦娘は兵装を整えた上、即刻外へ出て整列をして下さい!! 繰り返します──』

    978 = 1 :

    空母棲姫「…………」スッ

    提督「待て、空母棲姫。手を出すな」

    空母棲姫「このままでは貴方の身が危険です。兵装が無いとはいえ、生身で艦娘と戦う貴方をただ見るだけなんて出来ません」

    提督「前提からして間違っている。私は戦う気など毛頭無い。下がれ」

    空母棲姫「……分かりました」スッ

    長門「つくづく分からん人間だ」

    長門(信用させる為の罠か、それとも私の危惧している事が空振ってくれたのか……。後者ならば良いのだが……)

    提督「よく言われる」

    長門「……そうだな。お前はそういう人間だった」

    提督(だいぶ時間を取ってしまった。そろそろ話を終わらせなければならんが、長引くようであれば実力行使も視野に入れておくか)

    提督「さて長門。お前はここでのんびりとしているが、船着場で集まっている艦娘をどう思っている」

    長門「どういう意味だ」

    提督「分からんのか。こうしている間にも深海棲艦はここへ来ている。そこに指示を出す者が居なかったらどうなるか、と訊いているんだ」

    長門「……………………」

    提督「仮に私が深海棲艦の手先になっていたとしても、私を殺したからといって何が変わる? お前が艦隊の指揮作戦を取れるのならば私を殺すのも一手だが、お前にそれが出来るのか?」

    長門「……………………」

    提督「ハッキリと言おう。今この場で利敵行為をしているのはお前だ。──時間はもう無いぞ。さあ、どうする長門」

    長門「!」

    長門(……初めて敵意を向けてきた。今ここで敵意を出してくるのは、深海棲艦へ寝返ったならばタイミングがおかしい。この方の言う通り、放っておけば艦娘は全滅しかねない。敵であれば、ここは時間稼ぎをしてくるか、もっと前から敵意を見せてくるはず)

    長門「…………」

    提督「…………」

    ヲ級「…………」ハラハラ

    空母棲姫(…………)

    979 = 1 :

    長門「……すまない。私の杞憂だったようだ。後で罰を受けさせてくれ」

    提督「ああ、後でな。──では長門。お前は金剛達と同じ場所で待機しておけ」

    長門「了解した。……頼むぞ。貴方は私の新しい提督になってくれなければならんのだからな」タッ

    ヲ級「……怖かった」ホッ

    提督「味方と仲間割れだけは勘弁願いたいから助かったよ」

    空母棲姫「…………」

    提督「さて、二人には話さなければならない事がある。二人は出来れば隣の部屋で大人しくしていてくれないだろうか。勿論、危険だと判断したら外へ逃げてくれ。これが鍵だ」スッ

    空母棲姫「……逃げた先に貴方の艦娘が居たらどうしましょうか」スッ

    提督「……そうだな。私の予備の軍服を預けておく。それを見せれば攻撃しないようにと指示しておこう」カチャ

    空母棲姫「ありがとうございます」スッ

    提督「それとだな……」

    空母棲姫「? 何かしら。珍しく歯切れが悪いようだけれど」

    提督「……かつての同胞を私達が沈めるのに抵抗はあるか?」

    空母棲姫「ありません。私達はただそこに居るだけです。なんとなくの目的が同じなだけであって、特に意識をして集まっているという事はありません」

    ヲ級「うんうん」コクコク

    提督「目的か」

    空母棲姫「ええ。艦娘を沈める──という目的です。今となっては、どうでも良い事ですけれど」

    ヲ級「そんな事よりも、皆と居る方が、楽しい!」

    提督「そうか。安心したよ。──では、いってくる」スッ

    空母棲姫「いってらっしゃいませ」

    ヲ級「負けないで!」ブンブン

    空母棲姫「……………………」

    空母棲姫「……ヲ級」

    ヲ級「?」

    空母棲姫「いざとなったら工廠へ行くぞ。場所は憶えているか」

    ヲ級「? うん、憶えてるよ。どうしたの?」

    空母棲姫「……あの長門の言ったように、私のも杞憂であれば良いのだが」

    ヲ級「? ??」

    空母棲姫「一先ず移動するぞ。ついてきなさい」

    ヲ級「うん!」

    空母棲姫(もしもの時は……そうですね、私が盾になる事も考えておきましょうか。この子はすぐに皆とも溶け込めるでしょうけれど、私は……)

    空母棲姫(そうするのが、きっと一番良いはずです)

    …………………………………………。

    980 = 1 :

    今回はここまでです。また一週間後くらいに来ます。

    ちょっとACVを見返してた。良いよね、OWって。

    983 :


    そろそろ次スレ立て?

    984 :

    愛してるんだあああああああああ君たちをオオオオオオオオオオオ
    おつつ

    985 :

    防衛戦か、怖いな

    986 :

    のんびり待ってます

    987 :

    前作を読んでないから響の「にゃあにゃあ」がよくわからなかった

    988 :

    更新の方はもう少しお待ち下さいませ。夏コミで出させて頂いた金剛飛龍本のネット委託の詳細が決まり次第、次スレを立ててから投下致します。

    >>987
    >>960の事でしたら>>868の瑞鶴の真似をしています。ちなみに瑞鶴も>>322で響が言った冗談を間に受けて言いました。

    989 :

    レ級「アハハハハァッ!! 艦載機が敵味方問わずにドンドン墜ちてるよぉ! こんなに見栄えの悪い花火大会は初めてだねぇ!!」

    レ級「……うんうん。ま、当たり前だけど戦況は今の所こっちが有利って所かぁ。数の暴力って素晴らしいよねぇホント。おまけにゴミムシ共の艦載機は夜だと性能を発揮できない。そりゃあこっちの方が有利になるってもんさッ。なんか一部の艦載機だけ動きが良いように感じるけど、まあそれの数は少ないから良っかぁ!」

    レ級「……………………」

    レ級「だが……奴等も馬鹿ではないらしい。指揮官が優秀といった所か。わざと隙を作らせているというのに進軍してこないとは……。ここまで統率の取れている艦娘を相手にするのは面倒だ」

    レ級「さあ、早く攻めてこい。殲滅する為にかかってくると良い。……その時が貴様らの最後だ」

    …………………………………………。

    990 = 1 :

    大淀「!! 提督、緊急連絡が入りました。周辺に設置してあった灯台の一つが敵の砲撃により破壊されたとの事です」

    提督「やはり長くは保たないか。戦線より下がった艦娘に照明弾を撃たせるとしよう。本当は吊光投弾が良いのだが、制空権が劣勢の状況では使えん」

    大淀「はい、そうしましょう。撤退した中で射撃精度が一番高い五十鈴さんと名取さんに任せてよろしいですか?」

    提督「いや、天龍と龍田に任せよう。早々に撤退してしまって悔しがっているはずだ。二人ならば射撃精度も充分にあるし、連携も取りやすいだろう」

    大淀「分かりました。──妖精さん、船着場で待機している天龍さんと龍田さんに指示書を送ってもらって良いですか?」スッ

    妖精「はーい。分かったなのー」テテテ

    提督「……しかし、戦局が動かんな」

    大淀「そうですね……。ですが、あの突いて下さいと言わんばかりの隙を提督は罠だと仰いましたけど、どういう事なのですか?」

    提督「これだけ大規模な作戦を展開している奴が、こんなミスをする訳がない。仮にミスをしていたとしても、ここまで気付かないとなると不自然だ。何を考えているのかは分からんが、もしかしたら潜水艦部隊が待ち構えているかもしれんぞ」

    提督「あの隙を狙うという前提ならば相当な数の艦娘を動員せねばならん。本当に待ち構えているとしたら、こちらの戦力が半分以上沈んでしまう事になる。そんな事を私はさせたくない。ついでにその時はこちらの敗北が決定される」

    大淀「なるほど……。確かにそうなってしまうと背筋が凍ってしまいます。──それともう一つ、気になった事があるのですが」

    提督「何かあったか」

    大淀「……交戦している敵なのですが、何かおかしくありませんか?」

    提督「おかしい?」

    大淀「はい。確かに私達は提督の手で育てられた実力のある軍集団です。ですが、それを考慮しても少し上手くいき過ぎているような気がして……」

    提督「……………………」

    大淀「提督、これは私の杞憂なのでしょうか」

    提督「……いや、大淀の言う通りだ。確かにこれは少しおかしい。下田鎮守府は悪名を聞くとはいえ、随時補給の出来る鎮守府での戦闘で早々に陥落する程だ。他の鎮守府も抑えるので手一杯。なのに、どうしてこの鎮守府だけ反攻できそうな状況になっている」

    大淀「……提督、これはあまり考えたくないのですが」

    提督「悪い予感は的中するものだ、大淀。……今戦っている深海棲艦の大群は陽動と考えて良いだろう。その遥か後ろに本丸が控えているかもしれん。あの隙はもしかすると、それが本当の目的かもな」

    大淀「という事は、わざと戦線を後退させていって艦娘を引き寄せ、鎮守府の守りが手薄になった所を叩いてくる可能性があると」

    提督「そうだ。もし奴らが退いていった場合、その方向とは逆から奇襲が来るはずだ」

    大淀「ただ、そうとしてもやっぱりおかしい部分があります。それだけの物量があるのであれば、どうして一気に攻め込まないのでしょうか。その方が確実にこの鎮守府を落とせるはずです」

    991 = 1 :

    提督「……………………」

    大淀「……提督、何か知っているのではありませんか? ……例えば、提督のお部屋に居たあの深か……二人の事とか」

    提督「……間違いなく関係しているだろう。だが、敵としてではないはずだ」

    大淀「どういう意味ですか?」

    提督「あの二人は深海棲艦から攻撃を受けた過去がある。恐らくだが敵はあの二人を狙ってこんな手段を取ってきているのだろう。一気に攻めてしまえば陸へ逃げられてしまう。だからこうして、勝てるかもしれないという錯覚をさせているのだろうな」

    大淀「……それが本当だとしても、どうしてこの場所を突き止められたのでしょうか」

    提督「以前、空母棲姫から聞いた話がある。装備の質で言えば深海棲艦が圧倒的な優位に立っていると。こちらのレーダーも最新を使っているとはいえ、誤検出も反応しないというのもあって精度が悪い。艦載機もそうだ。だとすれば、こちらの索敵範囲外から位置を知られていてもおかしくない。追跡された可能性は大いにある」

    大淀「…………」

    提督「残念ながら装備の差は事実だ。それは、戦っている皆も薄々ながら気付いているだろう」

    大淀「……提督、失礼な事を聞いても良いでしょうか」

    提督「構わん」

    大淀「……提督は、どうしてあの深海棲艦を受け入れたのですか?」

    提督「端的に言うならば命の恩人だからだ。あの二人が居なければ、私も利根も餓死していた。それと、大事な事を気付かせてもくれている」

    大淀「大事な事、ですか?」

    提督「金剛に瑞鶴、響の事だ。……私が沈ませてしまった方の、な」

    大淀「……………………」

    提督「あの二人が居るからこそ、私はこうして帰ってきた。あの二人が居なかったら、私は死ぬまであの島で暮らしていただろう」

    大淀「そうでしたか……。もしかして、提督の軍服を預けている相手というのは、その二人の事ですか?」

    提督「そうだ」

    大淀「……信用しているのですね」

    提督「それだけあの二人には助けられた。共に生活もして、信用に足る者だと思えたよ」

    大淀「…………」

    提督「……………………」

    大淀「……深海棲艦って、何なのでしょうか」

    提督「さあ、な……」

    …………………………………………。

    992 = 1 :

    レ級「はぁー……。ここまで誘いに乗ってこないのは感心しちゃうねぇ。お姉さん、ちょっとだけショックだ。ちょっとだけね」

    レ級「さって、では次の手に移るとしよっか! ──おーい、そこのお前」

    リ級「?」

    レ級「そう、お前。作戦は変更。さっさと灯台壊したら好き勝手突っ込んで良いって陽動部隊に伝えて。今すぐ! ここに居る本部隊の連中がテキトーな所で援軍に入るから、後は逃げる時には東へ逃げろっていうのももう一回言っちゃって!」

    リ級「…………」コクリ

    レ級「んでもって本部隊のキミ達ー! 突っ込んだら私の護衛とか援護とか何も要らないから、絶対にくっついて回らないように! もしそんな事したら容赦無く水底へ直行させるから注意しようねぇ!」

    レ級「そんじゃ、合図したら突っ込もっかぁ!」

    …………………………………………。

    993 = 1 :

    大淀「!! 提督、今の報告……」

    提督「……このタイミングで積極的に攻撃をしてくるとはどういう事だ?」

    大淀「痺れを切らしたのでしょうか……」

    提督「分からん。だが、何かの策がある事には違いない。あの二人を追ってきたのであれば強攻策を取るとは考えにくい」

    大淀「そうですよね……。どうなさいますか? 流石に今以上の戦力を投入されると厳しいと思いますが」

    提督「そうだな……。引き撃ちの指示を出して──……ん?」

    大淀「え? これってどういう……?」

    提督「……現状の敵戦力であれば迎撃が可能? 殲滅する事も視野に入れられる?」

    大淀「私の聴き間違いではないようですね……。何があったのでしょうか……」

    提督「分からん……。敵が痺れを切らしたかのような動きで向かってくるのを迎撃しているようだが……。これではいつもの統率の取れていない深海棲艦と同じだ。明らかにおかしい」

    大淀「こちらの被害も大きくなっているようですが、それよりも敵の消耗の方が激しいと……。提督、どうしましょうか」

    提督「……………………」

    提督「大破した者は変わらず撤退だ。そして、撤退した者は母港にて高速修復材を出し惜しみせず使用。休憩を挟んで疲れが取れ次第、再度出撃をして前線の支援と戦闘だ」

    大淀「無理をしようとしている方には?」

    提督「後で吊るすから覚悟しろと伝えておけ」

    大淀「ふふっ。やっぱり提督は提督ですね。──私もその作戦で問題無いと思います」

    提督「そうか。ではそう伝えてくれ」

    大淀「分かりました。──全艦娘に告げます。作戦内容に修正を加えます。撤退した者は母港にて高速修復材を出し惜しみせず使用の許可を与えます。休憩を取って疲れが取れ次第、再度出撃。前線への支援と戦闘をして下さい。なお、大破した者は変わらず撤退する事を必ず意識して下さい」

    大淀「そして提督からの個人的な伝言です。命令に背いたり無理無茶無謀をする者は後で吊るす、との事ですのでお気を付け下さい」

    大淀「……なぜかは分かりませんが、最後の伝言を伝え終えたら全員の気が引き締まったかのような気がしました」

    提督「よっぽど吊るされたくないようだ」

    大淀「そうみたいですね」ニコッ

    提督「……さて、何が起きるか分からん。私達も考えられる限りの対策を練るぞ」

    大淀「はい!」

    …………………………………………。

    994 = 1 :

    今回はここまでです。また一週間後くらいに来ますね。

    金剛飛龍本の通販委託が決まりましたので告知しておきます。
    タイトルは『その笑顔が好きデスから』です。分かる人には分かると思いますが、その笑顔が好きという台詞は飛龍のケッコンボイスだったりします。
    http://eden1943.booth.pm/items/141653

    それでは次スレを立ててきます。

    995 = 1 :

    次スレはこちらです。残りの5レスは感想や雑談などご自由にお使い下さいませ。

    利根「提督よ、お主なかなか暇そうじゃの?」 金剛「…………」 二隻目
    http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1442473049/

    996 :

    おつおつばっちしやな!
    次スレで逢おう!

    997 :


    空母棲姫とヲ級は生き残って欲しいな

    999 :

    乙〜
    次スレが楽しみだ

    1000 :


    >>1000ならみんな無事だがみんな吊るされる


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