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    元スレ利根「提督よ、お主なかなか暇そうじゃの?」 金剛「…………」

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    1 :

    利根「提督よーお主なかなか暇そうじゃのー?」

    提督「どう考えてもそれはお前が暇なだけだろ」

    利根「提督こそ、さっきから海を眺めているだけではないか。暇なら構ってくれぬか?」

    提督「バカを言え。私は海を眺める事で忙しいんだ」

    利根「それを暇と言うのではないか。良いから構えー」ギュー

    提督「首に手を回すのは構わんが、背中に体重を掛けるな。そんなに暇ならば海の波を見てみろ」

    利根「うむ? うむ」

    提督「…………」ボー

    利根「…………」ジー

    提督「……どうだ?」

    利根「つまらん」

    提督「風流が分かっていない奴め」

    利根「どこに風流があるというのだ、どこに」

    提督「小じんまりとした島に仕立てられていた泊地で、ここへ追いやった本部からの連絡を待って海の波を眺める事に風流を感じないか」

    利根「全くもって感じられぬぞ。それに、その本部からの最後の連絡はどれだけ前の話じゃと思うておるんじゃ」

    提督「確か……二年前だったか?」

    利根「二年と七ヶ月前じゃ。どう考えても厄介者をここへ流しただけじゃろ」

    提督「そうか。忘れた。ほら、私は忘れっぽいだろう?」

    利根「憶える気が無いの間違いであろうに」

    提督「さすが長い間を共に過ごしてきただけある。良く分かっているな」

    利根「まったく……」

    提督「だけど、やっぱり海は良いと思わないか? どこまでも青くて、空との境界線がスッと横に伸びていて、そしてどこまでも広い。自分の物理的な小ささだけではなく考えも小さいって思えるだろ」

    利根「うむ。確かに」

    利根「……で、それのどこが忙しいんじゃ?」

    提督「さて、そろそろ夕飯と明日の分の食材を取りに行こうか」

    利根「あ、こら。話を勝手に切るでない。我輩も付いて行くぞ」

    …………………………………………。

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    2 = 1 :

    提督「さて……食った事だし、運動してから寝るか」

    利根「毎日飽きずによくやるのう」

    提督「いつ何が起きるか分からんし、他にやる事も無い」

    利根「八割がた後者の意見だと思うが、どうなんじゃ?」

    提督「良く分かっているな」グッグッ

    利根「おー……身体、柔らかいのう。脚が頭の上まで上がっておる」

    提督「鍛えるだけではなく、柔軟さも重要だ。ダイヤモンドが鉄のハンマーで砕けてしまうように、柔らかさがなければすぐに壊れてしまう」

    利根「なるほどのー。よっ……とっ? むむ……提督と同じように曲げられぬ」

    提督「いきなりこれだけ曲げられる訳がないだろう。日々の積み重ねが重要だ」

    利根「く、む~……!」グイグイ

    提督「無理をしたら筋が切れて動けなくなるぞ」

    利根「……止めじゃ止めじゃ。つまらんつまらーん。我輩は寝るっ」ボフッ

    提督「…………」ジッ

    利根「うん? どうした、提督よ」

    提督「いや、思ってみればここ最近ずっと私のベッドで一緒に寝ているなと思ってな。どうしてだ?」ググッ

    利根「今更じゃな。何ヶ月前の話をしておる」

    提督「割と気にしていなかった」ギッギッ

    利根「女として傷付くのう……」

    提督「人肌が恋しいだけなのかとも思ったぞ」グッグッ

    利根「あー」

    提督「どうした」グイッ

    利根「や、我輩も初めはなんとなくで潜り込んだのじゃが、人肌が恋しかっただけなのかと思うてな」

    3 = 1 :

    提督「自分の事だろう」グッ

    利根「自分が一番分からぬものじゃよ」

    提督「そうだな。私も自分の事をよく知らない」クイクイ

    利根「似た者同士という訳じゃ」

    提督「根本が同じなだけで何もかも違うような気もするがな」スッ

    利根「む。もう終わりか?」

    提督「ああ。今日はこれだけにしておく」モゾモゾ

    利根「……ふむ。若干じゃが汗の匂いがする」

    提督「嫌なら言ってくれ」

    利根「嫌いではないから安心するが良い」ソッ

    提督「男の汗は臭いと聞くが、どうなんだ?」

    利根「提督は爽やかじゃな。健康的な匂いと言えよう。……あー、何よりも運動で火照っておるのが心地良い」

    提督「私は湯たんぽの代わりか?」

    利根「それだけではないのう」

    提督「湯たんぽには変わりないのか……。それで、別の理由とはなんだ?」

    利根「さっきも言った通り、我輩は人肌が恋しいのかもしれん。心がポカポカじゃ」

    提督「なるほど。身体も心も温まるか」

    利根「うむ。……提督よ。我輩、眠くなってきたぞ」

    提督「そうか。では寝るとしよう」

    利根「おやすみじゃ」

    提督「ああ。おやすみ──」

    ……………………
    …………
    ……

    4 = 1 :

    提督「…………」モゾ

    利根「──む」パチッ

    提督「おはよう、利根」

    利根「くぁ……はぁぅ…………良い朝じゃの、提督」クシクシ

    提督「ああ。今日も今日とて清々しい晴れ模様だ」

    利根「んっ──くぅー……! さて、朝食を作るとしようかの。今回は我輩じゃったか?」

    提督「ああ。楽しみにしているよ」

    利根「何を言うておるか。いつもと変わらぬ焼いた魚と木の実ではないか」

    提督「人が作った食事というものは、同じ材料でも自分と違う味になるからな」

    利根「火はあれど、魚と塩、木の実……これだけでどうしろと言うんじゃ。あまりハードルを上げるものではないぞ?」

    提督「そうか。では上げたハードルをくぐるか?」

    利根「癪じゃから頑張る」

    提督「くっくっ。そうか。楽しみだ」

    利根「まったく……。では、外へ行こうか」スッ

    提督「ああ、そうしよう」スッ

    利根「火だけは頼んでも良いかの?」

    提督「ああ。調理は頼んだ」

    利根「うむ! 任された!」

    提督「ついでに、流木もあったら持って帰ってくれるか?」

    利根「む? もう薪が無くなっていたかの?」

    提督「いや、まだ少し余裕がある」

    利根「ふむふむ。備えあればなんとやら、じゃな?」

    提督「そういう事だ。生け簀の魚を取ってくる時に、流木があれば持ってきてくれ」

    利根「承知した! では我輩は一足先に向かうからの!」タタッ

    提督「……元気なものだ」

    …………………………………………。

    5 = 1 :

    提督「で、だ。利根」

    利根「なんじゃ?」

    提督「魚はどうした」

    利根「持ってきておらん」

    提督「流木はどうした」

    利根「あったが持ってきておらん」

    提督「……背負っているモノは何だ」

    金剛「うぅ……こ、ここは……?」

    利根「艦娘じゃな」

    提督「どこから拉致してきた」

    利根「失敬な。流木にしがみ付いておったんじゃ。漂流してきたんじゃろうな」

    金剛「っ……」ガクッ

    利根「む。また気絶しおった」

    提督「まったく。面倒なモノを拾ってきたな」スッ

    利根「うん? どこへ行くのじゃ提督」

    提督「あの工廠もどきのガラクタ倉庫だ。修理するから連れてきてくれ」

    利根「面倒だとなんだと言いつつも、しっかり助ける気ではないか」

    提督「悪いか?」

    利根「良い事じゃ。──して、燃料や鋼材はあるのかの?」

    提督「流れ着いたドラム缶に入っていたはずだ。拾っておいて良かったよ」

    利根「修理をするのは誰じゃ?」

    提督「妖精が居ないから私か利根のどっちかだ」

    利根「我輩はそんな技術は持っておらんぞ」

    提督「奇遇だな。私も見た事しかない」

    利根「大丈夫なのかの?」

    提督「成るように成るだろう」

    利根「心配じゃのー」

    提督「とりあえず、やってみるぞ」

    …………………………………………。

    6 = 1 :

    金剛「…………」

    利根「案外うまくいくものじゃのう。完全修復じゃ」

    提督「この島に着いてから色々と手先が器用になった気がするよ」

    利根「そうなのかの? 割と初めから器用だったような気がするが」

    提督「前は包丁すら握れなかったぞ」

    利根「なんと……。生活スキルがアップしておるのう」

    金剛「……あの」

    利根「うん?」

    提督「どうした」

    金剛「助けて頂きまシテ、どうもありがとうございマス」ペコリ

    利根「うむ! 感謝するが良いぞ!」

    提督「修理をしたのは私なんだが、利根?」

    利根「連れてきたのは我輩じゃ」

    提督「では、どっちとも重要だな」

    利根「うむ。提督も我輩も、どちらとも欠かせなかったという訳じゃな」

    金剛(……なんだか不思議な人達ネー)

    金剛「──ハッ! こ、ここは! ここはどこなのデスか!?」

    利根「ここか? …………………………提督、任せた。ほれ、水じゃ。飲めるか?」スッ

    金剛「んっ、んく……」コクコク

    提督「私に振るか。詳しくは憶えておらんぞ。──そうだな。たしか、太平洋のど真ん中だったはずだ」

    金剛「た、太平洋の……ど真ん中……」

    7 :

    みてるよ

    8 = 1 :

    金剛「…………」チラ

    提督「うん? 海を見てどうした。帰るのか?」

    金剛「……帰りたいのは山々デスが、正確な現在位置が分からなければ帰れないデス…………」

    金剛「大事な……大事な作戦中だったのに……」ギリッ

    提督「まあ、なんだ。帰れないのならここで一時滞在すれば良いんじゃないか?」

    金剛「そんな悠長な事を言っていられない戦いだったのデス!! 連合艦隊のフラグシップである私が居なくなったら、どうなる事か!!」

    利根「……提督、連合艦隊とは何じゃ?」

    提督「簡単に言えば、二つ以上の常設艦隊で編成した艦隊だ。主力を集めたエリート艦隊とも言える。……いや待て。利根、お前も連合艦隊に所属していた事があったと耳に──」

    利根「ほう! では、その連合艦隊の旗艦のお主は凄い艦娘なのじゃな!」

    提督「……無視をするな」コツッ

    利根「いたっ。無視などしておらぬ。都合が悪くなったから話を切ったのじゃ」

    提督「同じ事だ馬鹿者」コンッ

    利根「むー……」

    金剛「…………」

    提督「それはさておき。……名前は金剛か?」

    金剛「……イエス。私は金剛デス」

    提督「単刀直入に言おう。諦めろ」

    金剛「なっ!? そんな事できる訳が──!!」

    提督「話は最後まで聞け。良いな」

    金剛「う……。ハイ……」タジッ

    利根「おー、我輩と同じ反応じゃ。ふむふむ。やはり提督が強く言えばこうなるか」

    提督「茶化すな利根。吊るすぞ」

    利根「はい……!」ピシッ

    9 :

    提督「よろしい。……話を戻そう。金剛、お前は燃料があるのか?」

    金剛「……残り僅かデス」

    提督「弾薬は」

    金剛「これも……」

    金剛「……………………」

    提督「そういう事だ。我々も燃料や弾薬など無いに等しいから支援をしても雀の涙程度だ」

    金剛「……え?」

    金剛「そ、それって……どういう事デスか?」

    提督「ん? そのままの意味だ。極少量しか無い故に──」

    金剛「違いマス! そんなに資材が乏しいのに、どうして戦艦である私の修理をしたのデスか!? 自分達が一番苦しいじゃないデスか!」

    提督「どうしてと言われてもな」チラ

    利根「うむ。我輩、海に出ぬからな」

    金剛「……海に、出ない?」

    利根「出る意味が無いからのう」

    提督「敵を極稀に見掛けど味方は居ない。後はせいぜい何かが流れ着いてくるくらいだ。……艦娘が流れ着いたのは初めてだが」

    金剛「……貴方は提督ではないのデスか?」

    提督「一応提督だ」

    利根「我輩も一応艦娘じゃな」

    金剛「では……こんな敵も味方も居ないアイレットで何を?」

    提督「突然連れてこられて置き去りにされた」

    利根「右に同じくじゃ」

    利根(……アイレットって何じゃろ。この島の事かの?)

    金剛(何か仕出かしたのデスかね……?)

    10 :

    見てるよ
    期待

    11 :

    スレタイでもしかしたらと思ったがやはり貴方か

    12 = 1 :

    金剛「……貴方達は、それで良いのデスか?」

    提督「特に不自由していないから構わないな」

    利根「我輩もノンビリと出来て良いと思うておる。まあ、暇ではあるがの」

    提督「ああ、確かに暇だな。それだけが大敵だ」

    利根「そうじゃのう。何か遊べれば良いのじゃが」

    提督「とりあえずは話を戻そう。完全に脱線している」

    提督「周囲に島の影すら見えない。つまり、今ある燃料をフルに使っても辿り着くとは限らないだろう」

    金剛「それは……そうデスけれど……」

    提督「そんなので野垂れ死ぬくらいなら、生きてまた会える可能性に賭けた方が良いと私は思う。金剛の提督も、いつか会える事を夢見ているはずだ」

    金剛「…………」

    金剛「そうですね。また会える……その日が来るまで生きてみせます」

    提督(……ほう)

    利根「うむ。話が纏まった所で朝食にしようか!」

    提督「ならまずは流木を持ってこい利根。私は野菜と火の準備をする」

    利根「うむ! では行ってくる!」タタッ

    金剛「元気デスねー」

    提督「そうだな。金剛とは大違いだ」

    金剛「え?」

    提督「…………」

    金剛「私、元気が無いように見えますか?」

    提督「現状の整理が出来ていないようにも見える。とりあえずは飯を食え。痩せこけているようには見えないが、長い間を漂流していたのだろう?」

    金剛「わ、分かるのデスか!?」

    提督「ただなんとなくだ。ほら、いい加減座っていろ。体力を回復させておけ」ポンポン

    金剛「…………っ」

    提督「……ふむ」スッ

    金剛「あ……ご、ごめんなさい……」

    提督「すまなかった。──では、飯が出来たら持ってくる。その間は休んでいれば何をしても構わん」スタスタ

    金剛「…………」

    金剛(……本当、不思議な人デス)

    …………………………………………。

    13 = 1 :

    提督「うむ。今日は味がまともだったぞ。利根」

    利根「何を言うておるか。誤解を招くような言い方をするでない。我輩はいつもと同じ味で作ったぞ」

    提督「そうか。では、一昨日の塩焼き魚は何だったんだ?」

    利根「たまには違う味も良かろう?」

    提督「バカを言え。高血圧で心中するつもりかと思ったぞ」

    利根「それも良いかものう?」

    提督「良い案だが、客人の前で言う事ではない」

    利根「むぅ……。すまぬ、金剛」

    金剛「い、いえ。私はノープロブレムです」

    金剛「それよりも、助けて下さるだけでなく食事マデ……お二人共、本当にありがとうございマス」ペコッ

    提督「気にしなくて良い。……しかし、これならもっと固形の食事の方が良かったかもしれないな」

    利根「そうじゃのう。胃が弱ってると思うて具がドロドロになるくらい煮詰めたスープを作ったが、これなら魚でも良かったやもしれぬ」

    金剛(……私のホームカントリィに合わせて作ったのかと思いまシタが、そうではなくて気を遣ってくれていたのデスか)

    金剛「本当に、何から何までありがとうございマス」ペコッ

    利根「ほれ、そう簡単に頭を下げるでない。我輩達はやりたいと思うたからやっただけじゃ。感謝の言葉はあれど、そこまで深くなくても良いのじゃぞ?」

    金剛「で、でも……」

    提督「私も利根と同意見だ。ここでは助け合って生きねばならない。頭を下げるよりも知恵や力を貸してくれる方が嬉しい」

    金剛「んん……サバイバル知識の無い私でも役に立てるのでショウか」

    提督「少なくとも、私達が身に付けている知識は覚えられるだろう」

    金剛「……そうデスね! 頑張りマース!」

    14 = 1 :

    提督「よろしい。なら金剛、まず初めに私の目を見ろ」

    金剛「? ハイ」ジー

    提督「今からする質問に答えてくれ。──身体におかしいと思う部分はあるか?」

    金剛「…………? 無いデス」

    提督「よろしい。ならば次の質問だ。──疲れているか?」

    金剛「特には」

    提督「ふむ。最後の質問だ。身体はバッチリ動かせるか?」

    金剛「ノープロブレムねー」

    提督「なるほど。ではまず最初にするべき事を言い渡そう」

    金剛「ハイ! 何でも言って下サーイ!」

    提督「風呂に入ってこい」

    金剛「……ホワッツ?」

    提督「聴こえなかったか? 風呂にのんびり入ってこい」

    金剛「……………………?」

    利根「ふむ。我輩は準備しに行けば良いか?」

    提督「ああ。今日は晴れているから多少は温まっていると思うが、快適でないのならば薪を使っても構わないから沸かしてやってくれるか」

    利根「了解した! では、行ってくるからのー!」タタッ

    金剛「……あの?」

    提督「どうした」

    金剛「どうして入浴なのデスか? むしろ、そんなのに回せる水があるのデスか?」

    提督「水は一昨日の雨で大量に確保してある。それ以外にも塩を作る際に蒸発する水や他の方法でもしっかりと貯めてあるから気にするな」

    金剛「デモ……何が起こるか分からないのに──」

    提督「むしろ使ってくれ。流れていない水は腐ってしまう。そうなる前に使ってしまいたい」

    金剛「なるほど。腐ってしまうのデスか」

    提督「ああ。節度さえ守ってくれれば好きに使ってくれて構わない。あと、喉が渇いたと思ったら絶対に飲め。本来は喉が渇いたと感じる前に飲むべきだ」

    金剛「……え、と…………」

    提督「うん?」

    金剛「……………………お礼、言っても良いデスか?」

    提督「……なぜそんな事に許可が必要となるのかが分からないが、言いたいと思えば言えば良いのではないか?」

    金剛「ソ、ソーリィ。変な事を聞いてしまいまシタ」

    提督「謝る必要もないだろう。不思議な子だな、金剛は」

    金剛「…………」ジー

    提督(……ん?)ジッ

    金剛「──これから、よろしくお願いしマス」ニコッ

    提督「うむ。こちらこそ頼む」

    …………………………………………。

    15 = 1 :

    利根「うーむ」チャプチャプ

    提督「どうした、利根」チャポン

    利根「んー、分からん」パチャパチャ

    提督「何がだ?」

    利根「金剛の事なのじゃが、どうにも引っ掛かってのう」

    提督「ほう。引っ掛かるか」

    利根「うむー。何に引っ掛かっているのかは分からぬ。ただ、どことなーく普通ではない気がするのじゃ」

    提督「普通ではないお前なら、何もかもが普通に見えないんじゃないのか?」

    利根「むっ。鏡でも見るか?」

    提督「あるのなら是非見たいな」

    利根「目の前に居るじゃろう」

    提督「言うようになったな。私も利根と同じように普通ではないと言いたいか」

    利根「違っておるか?」

    提督「いや、何も違わないな」

    利根「そうじゃろうそうじゃろう」パシャパシャ

    提督「さっきから暴れすぎだ。湯が零れる。ついでに余計に狭くなるから止めろ」

    利根「むー……」ブクブクブク

    提督「ほら、後ろを向け。髪を洗ってやる」

    利根「ん、頼む」

    提督「痒い所はあるか?」コシコシ

    利根「んー無いぞー。心地良いのう」ホッコリ

    提督「髪、伸びてきたな」コシコシ

    利根「そうじゃのぅー。ここまで伸びたらもう充分じゃなかろうかー」

    提督「邪魔だと思ったら言ってくれ。ハサミならあるぞ」コシコシ

    利根「んー……提督は我輩の髪を見てどう思うのじゃー?」

    提督「綺麗だと思っている。弄りがいもあって楽しいな」コシコシ

    利根「ならばこのままが良いぞー」

    提督「そうか」コシコシ

    16 = 1 :

    利根「はぁ~……」

    提督「…………」スーッ

    利根「ん、そろそろ終わりかの?」

    提督「ああ。今終わった所だ」

    利根「では、今度は我輩が提督の髪を洗うぞ」クルリ

    提督「そうか。頼む」クルリ

    利根「……ああ、なるほどのう」ワシャワシャ

    提督「どうした」

    利根「や、提督の髪は割りと伸びぬと思うたら、切っておったのか」ワシャワシャ

    提督「今更だな」

    利根「仕方が無かろう。ハサミなんて使わぬのじゃから、ある事自体を初めて知ったぞ」ワシャワシャ

    提督「それこそ今更だな」

    利根「まあ、無くてもどうとでもなるから要らぬがのう」ワシャワシャ

    提督「そうだな。有れば便利というくらいだ」

    利根「じゃのー」ワシャワシャ

    提督「…………」

    利根「……ん、このくらいで良いかの?」スッ

    提督「ああ。──しかし、やはり風呂は良いものだな」

    利根「そうじゃのう。身も心も温まって潤され、そして洗われるのう」ノビノビ

    提督「ああ。この島で一番の極楽だと言える」

    利根「それにしても、朝から風呂とは初めてじゃ」

    提督「今回は事情が事情だからな」

    利根「じゃのう。金剛も大変じゃったらしいのう」

    提督「まったくな」

    利根「んー……温くなってきた」

    提督「沸かすか?」

    利根「んー」ピトッ

    利根「薪も勿体無いからこっちの方が良い」スリスリ

    提督「猫かお前は」ナデナデ

    利根「いつもやっておるではないかー」スリスリ

    提督「まったく」ナデナデ

    …………………………………………。

    金剛「え……二人でお風呂に行きまシタよね……?」

    金剛「確かに冷める事を考えたら当然だと思いマスが……男女デスよね……?」

    金剛「…………そういう事をする仲なのでショウか……?」

    金剛「利根が手を引っ張って行ったので、提督が無理矢理なんて事は無いでショウけど……」

    金剛「それとも……これが普通なのデスか……? うーん……」

    ……………………
    …………
    ……

    17 = 1 :

    今日はここまでにしておきます。
    またいつか来ますね。

    今度こそまったりでほのぼのなお話。
    頭を空っぽにして読んでも良いくらい軽いお話になる予定です。

    それよりも、タイトルで分かられるとは思っていなかった。そんなに特徴無いと思っていたけど、不思議。

    18 :

    おつおつ

    19 :


    瑞鶴SSの時に利根出せなかったって言ってたけど今回はその利根が主役か
    期待してます

    20 :

    俺の勘違いだったら申し訳ないんだけど、金剛「提督のハートを掴むのは私デース」の人?

    21 = 20 :

    俺の勘違いだったら申し訳ないんだけど、金剛「提督のハートを掴むのは私デース」の人?

    22 :

    その人であってるよ

    23 :

    名作じゃないですか!

    24 :

    乙です
    貴官のブログから来ました〜

    25 = 24 :

    sage忘れた…
    吊るされてきます(ブランブラン)

    26 :

    もう上のレスだけで見る気無くしたわ
    信者呼び込まなきゃ書けないなら渋とかで書いてろよ

    28 :

    揃いも揃って喧嘩っ早い奴らだな

    29 :

    スレタイだけ見たら金剛が提督物なのかと思ったが貴方だったのか

    30 = 1 :

    提督「だいぶ暗くなってきたな」

    金剛(……ご飯を食べて、畑の世話を少しだけしたらずっとダラダラしていましたケド、本当にこんなので大丈夫なのデスかね?)

    利根「さて、日も沈んだ事じゃし、そろそろ寝るとするかの」

    金剛「……え!? も、もうデスか?」

    提督「明かりに火を使う余裕など無い。現状、燃料となる流木や枯れ落ちた枝葉は水以上に貴重だ」

    利根「じゃが、明かりを使わないのであれば自由にしても良いのじゃよな?」

    提督「無論そうだ。その辺りは好きにしてもらって構わない」

    金剛「え、えっと……? それでは、今日のお風呂はナゼ──」

    提督「眠くなってきた。利根、寝るぞ」モゾッ

    利根「ん? うむ。了解じゃ」モゾモゾ

    金剛「あ、あの──!」

    提督「いつもこの時間になったら寝ているんだ。すまないが、また今度にしてくれ」

    金剛「……ハイ」

    利根「割り当てた部屋は憶えておるか? 暗くても大丈夫かの?」

    金剛「ハイ。その点は問題ナッシングです。お気遣い、ありがとうございマス」

    利根「むぅ……」ジー

    金剛「…………? どうかしまシタか?」

    利根「やはり金剛は謝り過ぎたりお礼を言い過ぎたりしておるのう。そこまで気にせんでも構わないんじゃぞ?」

    金剛「そ、そうデスか……?」

    利根「うむ。ここではのんびり過ごせば良い。肩肘張っていては疲れるだけじゃ」

    金剛(……私、そんなに謝ったりお礼を言ったりしているのでショウか。それとも、テートクが──……いえ、それは考えてはいけない事デス。ごめんなさい、テートク……)

    31 = 1 :

    金剛「……では、私ものんびりとスリーピングしマスね。グッナイ、提督、利根」

    利根「うむ。おやすみじゃ」

    提督「良い夢を見ろよ」

    利根「なんじゃ。起きておるではないか提督よ」

    提督「そんなにすぐ寝られる訳がないだろう」

    利根「そうかのう? まあ、そういう事にしておいて──」

    提督「そう言うお前はすぐに──」

    利根「そ、それは言わない約束じゃと──」

    提督「さて。それは──」

    利根「────」

    提督「────」

    金剛(……………………)トコトコ

    カチャ──パタン

    金剛(……埃っぽくはありマスが、やはり少しクリーンにしてくれているそうデス)

    金剛(ベッドは……あの鎮守府と同じデスね)ギシッ

    金剛「…………」モゾモゾ

    金剛「……同じ、デスね」

    金剛(硬くて、冷たくて……寂しいデス……)

    金剛(知らない場所で──知らない天井で──知らないベッドなノニ……同じデス)

    金剛「…………」ジワッ

    金剛「っ!!」ブンブン

    金剛「……はやく、帰らなければなりまセン」

    金剛「帰って、テートクに謝って、お仕事をして……戦場に出て……それから、敵を……倒し、て……」ウトウト

    金剛(ダメ……もう、眠気が…………習慣に、なってるから……デスかね……?)

    金剛(…………グッナイ……テートク………………)

    ……………………
    …………
    ……

    32 = 1 :

    金剛「…………」パチッ

    金剛「ん……私、何時間寝ていましたか?」クシクシ

    金剛「……………………ホワッツ? 比叡、榛名、霧島……?」キョロ

    金剛「……ああ、そうでシタ」

    金剛(私、遭難してしまったのデスよね……)

    金剛「結構明るくなっているネ。朝の七時くらいでショウか?」

    金剛「……起きるのが遅いと怒られてしまいマスかね?」タタッ

    金剛「…………」ヒョコッ

    提督「……………………」スー

    利根「…………ん」クゥー

    金剛(寝てる……? もう結構明るいデスよね? それとも、ここではこれが普通なのでショウか……)

    金剛(……とりあえず、起きるまで待っていまショウ。何をするべきかのインストラクションも仰がなければなりまセンし)

    金剛(それにしても……)

    利根「…………くー……」ギュウ

    提督「……………………」

    金剛(見事にくっついて寝ていマスね。まるで、新婚夫婦みたいデス)

    金剛(この二人は恋仲なのでショウか……? それとも、仮のケッコンをしているのデスかね?)チラ

    金剛「…………」ジッ

    金剛(……私の薬指に付いている、この指輪。それと同じ物が、二人にはあるのでショウか)

    金剛(…………ノー。私の指輪とは、きっと意味も何もかも違うはずデス……)

    金剛「……羨ましいデス」ボソッ

    利根「んー…………」モゾリ

    提督「…………」

    …………………………………………。

    33 = 1 :

    利根「……んぁ?」パチッ

    提督「む……」スッ

    金剛(あ、やっと起きました。……あれから二時間経っても寝ているなんて、随分と寝ていまシタね)

    利根「んっ……! くぁ~……っ! おはようじゃ。提督」

    提督「ああ、おはよう利根、金剛」

    利根「んん……?」クシクシ

    金剛「おはようございマス、提督、利根」

    利根「…………あー、そうか。昨日から金剛が居ったのじゃな」

    提督「失礼な事を言うんじゃない。私と同じように接するな」コツン

    利根「む。確かに失礼であった。すまぬ、金剛」

    金剛「い、いえ。気にしていまセンから」

    利根「ふむ。ありがたい。──ところで、どうして朝なのにグッドモーニングじゃないのじゃ?」

    金剛「あ、それはデスね」チラ

    ザァー──ッ!

    金剛「良い朝とは言えないからデス」

    提督「ほう。これはこれは」

    利根「すこぶる良い朝じゃな」

    金剛「……え?」

    提督「金剛、この雨はいつから降っている?」

    金剛「え、えっと、一時間くらい前デス」

    提督「なら問題ないな。利根、行くぞ」スッ

    利根「うむ。すぐに出ようかの」スッ

    金剛「あの? どこへ行く気デスか?」

    34 = 1 :

    提督「外だ」

    金剛「雨デスよ?」

    利根「雨じゃから外に出るのじゃよ。雨水は出来れば確保したいからのう」

    金剛「ああ、なるほど。私も手伝いマス」スッ

    提督「いや、金剛は中で待機していてくれ」

    金剛「え?」

    利根「む? どうしてじゃ、提督?」ヌギヌギ

    金剛「ホワッツ!?」

    提督「お前は感覚が麻痺しているようだから言っておく。普通の男女がほぼ裸で外を出歩くなんて事は出来ないだろ」

    利根「……あー。なるほどのう」ポイポイ

    金剛「あ、あの!? 提督の前デスよ!?」

    利根「まあ、今更じゃし。慣れた」

    金剛「慣、れ……ッ!?」

    提督「そういう事だ。金剛は中で待機していてくれ。私達は貯蓄した水の入れ替えをしてくる」スタスタ

    利根「提督、今日は脱がぬのか?」ペタペタ

    提督「別の場所で脱ぐに決まっているだろ。さっきも言ったように、この場で脱げば困るのは金剛だ」

    利根「ふむう……」

    金剛(ほ、本当に裸で行っちゃいまシタ……。無人島では、誰しもこんな風になるのデスかね……?)

    金剛「いずれ私も……?」

    金剛「っ!」ブンブン

    金剛「私は……そういう時が来ても服を着て外に出まショウ」

    金剛「……それにしても、二人には指輪が付いていまセンでシタね。普段は付けていないのか、それとも仮のケッコンをしていないのか……」

    金剛「行動を見る限りではしていてもおかしくないのデスが……うーん……?」

    …………………………………………。

    35 = 1 :

    一旦ここまでにしておきます。また後で来ますね。

    36 :


    ジュウコン提督か…

    37 :

    ブログやってんならブログで書きゃよくね?
    どちらにせよ支援せざるを得ない

    38 :

    ブログとかTwitterとかやってると、アホかお子様が自慢気に凸してくるから嫌なんだよなぁ

    39 = 28 :

    すでに上の方にアホが一人凸してきてるよねもう

    40 :

    初見なるか…期待。ついでに、過去スレ見に行く。

    41 :

    おおまた懐かしい人が
    ながもん荘も復活したしまた楽しみが増えたよ

    42 :

    なんとなくブログ見たら新しく投稿されてたから来た

    43 :

    吊るすってフレーズでピンときました

    44 :

    ほむほむ提督か
    今回はどんなのを書くのやら

    45 :

    おお某あの人の新作!
    しかし金剛、瑞鶴と来たから次あるとしたら響かと思ったら利根とは

    ともかく期待期待やで

    46 :

    吊しさんか、利根好きだから期待

    47 :

    利根「いやー、今日は大雨じゃな! これならばしばらく水には困らなさそうじゃ!」ペタペタ

    提督「ああ。本当に良い朝だ。身体は拭けても髪を乾かせられないのは少し残念だとは思うが」スタスタ

    金剛「おかえりなサイませ」

    利根「大雨で楽しかったぞ! 金剛もどうじゃ?」モゾモゾ

    金剛「いえ……私は遠慮しておきマスね」

    金剛(本当に裸で居る事に抵抗がないのデスね……。って、あれ? どうして利根は羽織るだけなのデスか? というか、なぜ下着を着けないデス……?)

    利根「残念じゃのう」ピトッ

    金剛「…………オーゥ……」

    利根「うむ。やはり提督の身体は温かいぞ」スリスリ

    金剛「あ、あの……?」

    提督「いつもは雨で冷えた身体を、こうしてお互いの体温で温めているのだが……利根、今日は控えてくれ」

    利根「なぜじゃ? 温かい方が良いに決まっておろう」ギュー

    提督「人の目を考えろと言っているんだ」

    利根「むー……」

    金剛「えっと……私は席を外しマスので……」

    提督「いや、構わん。そういう事をする訳ではない。──それよりも、今日は金剛に色々と覚えてもらおうか。座学だ」

    利根「座学は嫌いじゃ……。……それよりも提督よ」

    提督「ああ。毛布に包まっていろ。風邪を引いたら一大事だ」

    利根「やったぞ! って、そうではない。提督も風邪を引いたら問題があるじゃろう。やはり一緒に温まるべきじゃ」

    提督「しかしだな──」

    利根「我輩と提督、どちらかが倒れればもう片方も倒れてしまうんじゃぞ。ここは人の目など気にする場合ではないのではないか?」

    提督「……金剛に判断を委ねよう」

    金剛「え……ええっと……」

    利根「…………」ジー

    金剛「…………うぅ……」

    利根「…………」ジー

    金剛「……二人共、温まって下サイ。その状態で話してもらって、私は提督の教えを頭に入れます」

    利根「うむ! さあ提督よ、我輩は少し寒い。早く毛布に包まろうぞ」モゾモゾ

    提督「金剛、助かる」モゾモゾ

    利根「はー……温かいのー……」ホッコリ

    金剛(……なんだか、お風呂に入っているみたいデスね)

    提督「では、この状態ですまないが必要最低限の事を教えていく。紙やペンは無いが、大丈夫か?」

    金剛「ハイ。ノープロブレムです」

    提督「よろしい。ではまずは水についてだが──」

    …………………………………………。

    48 = 1 :

    提督「──こんな所だろう。分からない所はあったか?」

    金剛「ノー。ありませんでシタ。とても分かりやすかったデス」

    提督「ふむ。それは良かった。後は実践できるかだな」

    金剛「…………」

    提督「うん? どうした」

    金剛「あ、いえ……その……」

    提督「気遣う必要は無い。思った事を言ってくれ」

    金剛「…………え、と……」

    提督「……ふむ。金剛にはこう言った方が良いみたいだな。──金剛、命令だ。思っている事を言え」

    金剛「ハ、ハイ……」

    提督(やはりな。金剛の心の奥では上下関係がしっかりと根付いているようだ)

    金剛「……正直に言いマスと、実践できるかどうかは何とも言えないのデス。頭に入れただけでは、どうしても想像の域でしかないノデ……」

    利根「なんじゃ。そんな事か」

    金剛「え、え……?」

    提督「予想通りというべきか」

    金剛「…………?」

    提督「初めに言っておくべきだったな。金剛、これからは思った事をしっかりと口にしてくれ。例え、それがネガティブな内容であってもだ」

    金剛「それは流石に……」

    提督「何度も言うようだが、気遣う必要は無いんだ。それに、金剛は私の直属の艦娘ではない。初めから気を遣う必要も無いぞ」

    金剛「……………………」

    提督「ふむ……。言い方を変えるか。金剛、不安な事は不安だと言って良い。無理だと思ったならば無理だと言って良い。むしろ言ってくれ。命令だ」

    金剛「……ハイ」

    提督「よろしい」

    49 = 1 :

    金剛(本当に言っても良いデスか……? 凄く怖くて……そして不安デス……)

    提督(……これはある意味、利根以上に手を焼きそうだ)

    利根「む。今何か失礼な事を考えておらんかったか、提督よ」

    提督「察しが良いな。その通りだ」

    利根「むー……。まあ、温かくて気持ち良いから許す」ギュー

    提督「単純な奴め」ナデナデ

    利根「単純で結構じゃ」スリスリ

    金剛「……なんだか猫みたいデス」

    利根「おお、金剛もそう思うか」

    金剛「私も、デスか?」

    利根「うむ。昨日、一緒に風呂へ入っている時にの、提督から猫のようだと言われたのじゃ」

    金剛(本当に一緒に入っていたのデスか……)

    利根「我輩も薄々そう思っておったからのう。やはり、提督が温かいのが原因じゃな!」スリスリ

    提督「…………」ナデナデ

    金剛(それは何だか違うと思うデス)

    提督「さて、そろそろ朝食にするとしようか」スッ

    利根「えー……。提督、我輩はもう少し温まりたいぞ」

    提督「毛布に包まったまま齧れば良いだろう」スタスタ

    利根「それもそうかの」スッ

    金剛(齧る?)

    50 = 1 :

    利根「ところで金剛よ」

    金剛「? ハイ、なんでショウか」

    利根「ずーっと立っていては疲れるじゃろ。ほれ、ベッドに腰掛けておれ」ポムポム

    金剛「……え? い、良いのデスか?」

    利根「むしろなぜダメなのじゃ。ほれ、座って待っておれ」

    金剛「ハ、ハイ……」スッ

    利根「では、我輩達は食料を取ってくるからのー」トコトコ

    金剛「いってらっしゃいマセ」

    金剛「……………………」

    金剛(……不思議なのは提督だけかと思っていまシタけれど、利根も相当不思議な艦娘デスよね)

    金剛(提督にあんな態度や言葉を使っていマスし、まるで提督を上官だと思っていないような──いえ、まるで思っていないデス)

    金剛(提督も提督で許しているというよりも、そうであって欲しいと思っているような……? そんな雰囲気がしマス)

    金剛「……本当、テートクと私とは大違いデス」

    金剛(少しだけ……ほんの少しだけデスが、良いなと思った自分を叱りたいデス……)

    利根「ほれ金剛ー。持ってきたぞー」トコトコ

    金剛「おかえりなさいま……せ?」

    利根「うん? どうしたのじゃ?」

    金剛「あの……それって何デスか?」

    提督「魚の干物と水だ」

    利根「味を付けたまま保存に向いておってのう。割と長持ちするから、今日みたいな火の使えぬ日には持ってこいなのじゃ」

    金剛「ォー……」ジー

    提督「さて、食べるとしようか」ガジッ

    利根「うむ!」ガジガジ

    金剛「頂きマス」ハムハム

    金剛(…………? なんだか、淡白で塩っぽい味デスね?)モグモグ

    金剛(でも……とっても美味しいと感じるのは、なぜでショウか……)

    利根「うーむ。今日の出来は割りと良くないのう」ガジガジ

    提督「今回は塩が少なかったかもしれん。保存している時間で塩の加減を変えねばならんから難しいな」

    利根「うむ。多過ぎると辛いが、少な過ぎると味の劣化が顕著じゃのう。これだと多過ぎる方がマシじゃ」

    提督「そうだな。今度からはそうしよう」

    利根「提督よ、そっちの魚は美味いかの?」

    提督「変わらんと思うぞ。ほれ」スッ

    利根「あむっ……。んー…………本当じゃ。変わらんのう」モグモグ

    提督「だから言っただろう。利根、お前のを一口貰うからな」

    利根「うむ。ほれ」スッ

    金剛(……この二人が居るから、デスかね?)

    …………………………………………。


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