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    元スレ利根「提督よ、お主なかなか暇そうじゃの?」 金剛「…………」

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    701 :

    ほっぽちゃん…パンツ…うっ頭が

    702 :

    ほっぽちゃんは履いてることに価値があんだよ

    703 :

    良いですね~。
    続きが気になって、
    ヤバイっすわ!!!

    704 :

    イベント海域すら外れて3年近く島流しされている2人
    敵同士がサバイバル共同(家族同然)生活3+2+2人
    しかし悲劇は起こる7-1-3人
    これからのことについて3人
    乗り越えた先に何が待ち受けているか楽しみです。

    705 :

    >>704がラップに見えて笑ってしまった

    706 :

    マジでラップ調で脳内再生出来て笑った

    707 :

    空母棲姫「──では、私達は各地を転々としていた根無し草の姉妹で、料理人募集の張り紙があったから雇われたという形で居れば良いのですね?」

    提督「それで良いだろう。過去の事についてはヲ級が幼い頃に家庭が崩壊でもしたとして、この子は憶えておらずお前がある程度憶えているくらいで良い」

    空母棲姫「父が酒と博打で身を滅ぼし、酔ったまま冬の川に落ちて死亡。生活をする為にコツコツと貯めていた貯金を博打に使われた事と、夫を失った苦悩で母はどこかへ蒸発。その日限りの仕事や拾った物で食い繋いできた──という形だったかしら」

    提督「ああ。だが、細かい部分は聞かれない限り話さなくて構わん。あえてぼかす事で勝手に向こうが『そういうものか』と納得する。軽く言う時は『姉妹で彼方此方を転々としていたらこの場所に行き着いた』とでも言えば良い」

    空母棲姫「なるほど。ぼかせば曖昧のままですから融通は利きますし、あまり話したがっていないようにも聞こえるから深くは聞いてこないという事ですか」

    提督「そういう事だ。相手の態度次第だが、深く聞かれたら一つ二つは答えて後は嫌悪感を示せば良い。人間はあまり語りたくなさそうにしている相手には深く追求しないはずだ。もし追求された場合はハッキリと拒否をして相手しないようにしてしまえ」

    空母棲姫「それが貴方の上官だった場合はどうするの?」

    提督「丁寧に断れば大抵はどうにかなる。どうにもならなかった場合はハッキリと拒絶して構わん。多くは語りたくない事なのでお許し下さい──とでも言えば良いだろう」

    空母棲姫「その上官がゲスだったらどうしましょうか」

    提督「その時は無理矢理にでも話を終わらせてから離れろ。権力のある人間がそこまでやってしまえば槍玉に挙げられるか、もしくは女を口説こうとして失敗したという下らん話になるかのどっちかだ」

    空母棲姫「分かりました。……ここからが本当の問題なのだけれど、この子にはなんて説明をすれば良いかしら」

    ヲ級「くー……」

    提督「この性格だからな……。とにかく何も知らないという事と、知らない人には付いていかない、挨拶はすれど深くは接さないを徹底させたら良いかもしれん」

    空母棲姫「その場合は相手に不快感を与えて憶えられるのでは?」

    提督「それもそうか……。そうだな……姉がいつもなんとかしていたから詳しくは知らないで押し通すか……?」

    空母棲姫「それも無茶がありそうね。……私が大体の事をしてきていて、この子は私の言うとおりに過ごしてきた、とでもしましょうか。それならば奔放になっていてもおかしくはないのでは?」

    提督「もう少し何か説得力が欲しいな。……陸にかなり近い場所で釣りや素潜りをして魚介類を手に入れていたとしてもするか?」

    空母棲姫「そうなると、今までは海に近い場所で転々としていたという方向に変えた方が良さそうね」

    提督「ああ。基本的に姉がどこかに働きに出ている間はその日の食材を少しでも集めていたとしよう」

    空母棲姫「ええ、そうしましょう。──とりあえずは『姉がやっていた事は詳しく知らない』『海辺で魚や貝、海草を取ってご飯にしていた』くらいで良いかしら」

    提督「そうしよう。後、知らない人には付いていかないという事と、しつこく聞いてくる人には『やらなければならない事がある』と言って離れるようにさせなければならんな」

    空母棲姫「もう一つあります。私達の名前をどうするか、です。流石に答えられないのは問題があります」

    提督「空姫や空(うつほ)にでもするか?」

    空母棲姫「……うつほとはどういう漢字なのですか」

    提督「空と書いてうつほと読む。本来はうつおと読むんだが、少しでも女らしくなるように古い読みで『ほ』にした」

    空母棲姫「どちらにせよ女らしくないのだけれど」

    提督「……………………」

    空母棲姫「ですが、悪くないと思います。どちらも空母である私達に関連しているものね。それでいきましょう。……一応確認だけれど、空姫は私で空はこの子の事よね?」

    提督「ああ」

    空母棲姫「分かりました。では、貴方の迎えが来るまでの間はこの事を頭に叩き込ませましょう」

    提督「程々にしてやれよ?」

    空母棲姫「……出来るだけ優しくします」

    提督(……少し不安になるな)

    …………………………………………。

    708 = 1 :

    金剛「…………」ボー

    瑞鶴・「…………」

    金剛「……隠れているというのは暇デスね」

    瑞鶴「うん……。加賀さんの案で横須賀の皆には見付からないようにこの島で待機してるけど、中将さんの所より何もする事が無いわね」

    「お弁当や保存食も貰ったし、本当に何もする事が無いよ。……提督の膝の中が恋しい」

    金剛「響は提督にとても懐いているデスね……。サラリとそんな言葉が出るナンテ……」

    「金剛さんはそう思わないの?」

    金剛「私は響や利根のようにして下さった事はないので、あまり……」

    「今度して貰うと良いよ。あれは癖になる」

    瑞鶴「癖になるって……また不思議ね」

    「本当さ。中毒になるとも言える」

    瑞鶴「ふぅん……? じゃあ、私でやってみる?」

    「ん。お願いしたい」

    瑞鶴「良いわよ。……えーっと、胡坐だったわよね、確か」スッ

    「うん」

    瑞鶴「むー……? こんな感じかしら。この座り方ってほとんどしないから分かりづらい……」

    金剛「もう少し閉める感じではないデスか?」

    瑞鶴「こうかしら……」グッ

    金剛「メイビー……」

    「良い?」

    瑞鶴「うん、良いわよ」

    「よいしょ」ソッ

    瑞鶴「どう?」

    「……失礼かもしれないけど、少し小さい」

    瑞鶴「ち、ちいさ……!? ──って、違うわよね……うん。ごめん」

    (……何と勘違いしたんだろう)

    金剛「提督は身長が高いデスからね。そして鍛えていますので、座り心地も違うでショウ」

    「うん。凄く違うよ」

    瑞鶴「同じ胡坐でも違うものなのね……」

    「ありがとう、瑞鶴さん」スッ

    瑞鶴「どういたしまして」スッ

    「……それで、どうしよう」

    金剛「……本当、どうしまショウか」

    瑞鶴「困ったわねぇ……」

    ……………………
    …………
    ……

    709 = 1 :

    北上「やっほー提督ー」

    加賀「遅くなってすみません」

    飛龍「救命艇を引っ張ってきました。……何分、色々な事情がありそうですので小型で一人でも操縦できるタイプにしました」

    提督「ありがたい。それに、遅くなどない。すぐに来てくれているじゃないか」

    飛龍「本当はすぐにでも向かおうとしたのですが、夜に出撃するのは危険が多いという事で一晩待ってしまいました」

    提督「それは正しい判断だ。……私の後釜に座ってくれている者はマトモのようで助かる」

    夕立「それでも提督さんが良いわ! 早く提督さんと一緒に暮らしたいっぽいー!」

    時雨「それには僕も同感だよ。……それで、やっぱり連れて行くの?」チラ

    空母棲姫「…………」

    提督「連れて行く。既に敵意は無いと分かるだろう?」

    北上「まあ、確かにそうだけどさ……」

    加賀「…………」ジッ

    空母棲姫「…………」

    ヲ級「?」

    加賀「……私は信じます。提督が信用する程ですから、相応の誠実さがあるのでしょう」

    提督「さり気なく私を貶していないか?」

    加賀「私はアナタが艦娘や妖精以外を信用した姿を見た事が無いのだけれど」

    提督「……確かに無いな」

    加賀「そうでしょう? だから、てっきり忠誠を誓う艦娘や仕事熱心である妖精以外は信用しないのかと思っていました」

    提督「……強ち間違っていないから困る」

    空母棲姫(仲が良いですね。……なぜでしょうか。少し、羨ましいと思いました)

    提督「……この話は置いておこう。二人の扱いについてだが、本土へ戻る前に説明しておく──」

    ……………………
    …………
    ……

    710 = 1 :

    コンコンコン──。

    後任提督「どうぞ」

    ガチャ──パタン

    提督「失礼する」

    後任提督「!!」ピシッ

    提督「いや、手は下げてくれ。私は途中で降りてしまった者だ。敬われるような存在ではない」

    後任提督「分かりました。──お久し振りです、中将殿。だいぶ痩せられてしまいましたね」

    提督「何分、魚しかなかったからな。──それよりもあの子たちが全員、元気そうで安心したよ。迷惑を掛けてしまっていなかったか?」

    後任提督「いえ、そんな事はありません。むしろ私の方が迷惑を掛けてしまい、フォローも受けていました。優秀な子たちで助かっています」

    提督「そうか。それは良かった」

    後任提督「……ここへやってきたという事は、復帰なされるのですか?」

    提督「ああ。やらなければならない事が出来てしまった。三年近くも掛けて、やっと気付いた愚か者だ」

    後任提督「そうですか……。勿論、この鎮守府を使いますよね?」

    提督「いや、ここはもはや君の鎮守府だ。後から来た私が別の鎮守府に行くべきだろう」

    後任提督「そう仰らないで下さい。私ではこの鎮守府は大き過ぎます」

    提督「大き過ぎる? ……まさかとは思うが」

    後任提督「そのまさかです。新しい戦力はほとんど追加しておりません」

    提督「なぜだ? 私の艦隊は軽巡や重巡、大型戦艦の数が少なかったはずだ。色々と苦労しただろう」

    後任提督「なんと言いましょうか……。あまり追加したくなかったというのが本音です」

    提督「ふむ」

    後任提督「私が手を加えてはいけないような、そんな良く分からない感覚です。それと、やはりやるからには自分が一からやりたいと思いました」

    提督「そうか。という事は、三年近くも待たせてしまったという訳だな。すまない」

    後任提督「ハハ……。そこは下積みの時代と考えます。実は上と掛け合って、空いている鎮守府への異動申請もしているんです」

    提督「手が早いな。さぞかし楽しみにしていたと見た」

    後任提督「その通りです。後は中将殿のご許可が頂き、引継ぎが終われば申請は受諾という形になります」

    提督「……よく私が復帰する事を上は承認したな」

    後任提督「なんだかんだで提督に成り得る人は少ないですからね。上も即戦力となる人材が欲しいのでしょう」

    提督「そういう事か。──では、私からも願おう。引継ぎを頼む」

    711 = 1 :

    後任提督「分かりました。それではまず、現在の資材量についてです」スッ

    提督「……ふむ。思ったよりも多いな」ペラ

    後任提督「中将殿の艦娘の錬度が高いおかげで消費量が少ないですからね。──次は新しく進水した艦娘ですが、リストの枠外に記載されている四隻がそれです。この子たちは私が新天地へ連れて行きます」

    提督「ふむ。分かった。……沈んでしまった子も居ないな。素晴らしい事だ」

    後任提督「加賀さんには耳にタコが出来るほど重要視するよう言われていましたので……。私も危ない作戦を立ててしまわないよう注意しました」

    提督「なるほど。その時の加賀の顔が容易に思い浮かぶよ。あいつは怒ると怖いだろう?」

    後任提督「ハハ……黙秘しますね。後が怖いので。──資料や整理に関しては法則を変えておりません。極力手を加えないようにしております。些細な部分は変わっていますので、次の紙に纏めてあります」

    提督「…………」ペラ

    提督「……………………ふむ。把握した。それでも思ったより少ないな」

    後任提督「現在は作戦も終わった直後でして、上からの指示を仰いでいる所です。その間はある程度自由に出来るでしょう」

    提督「ふむ。では、その間は全員と交流しておくか。……どうせ、扉の向こうでは今か今かと終わるのを待っていそうだからな」チラ

    ガタッ!

    後任提督「ハハハ。お見通しですね。ビックリさせようって計画を立てていたんですよ?」

    提督「私を出し抜きたければもっと上手くやらなければならんよ。──首謀者は川内か?」

    ガタンッ!

    提督「……どうやら当たりのようだ」

    後任提督「それだけ自分の艦娘を理解できるよう、私も努めたいものです」

    提督「なれるさ。君ならなれる。私が保証しよう」

    後任提督「これは力強いお言葉です。──それと、もう一つだけ伝えなければならない事があります」

    提督「うん?」

    後任提督「実は、上から厄介な指示を受けていまして……」

    提督「……何があった?」

    後任提督「反抗的な艦娘を教育しろというものでしてね……これがどうにも扱いが難しく……」

    提督「ふむ。その艦娘は今どこに──」

    ガチャ──

    長門「ここに居るぞ」

    川内「ちょっ……!? あ、開けちゃダメでしょ!?」

    長門「あと一つと言っていたから問題ないだろう。むしろ、問題児の私が姿を見せた方が話が早い」

    那珂「うわー……うわー……。那珂ちゃん、どうなっても知ーらないっと……」

    提督「長門か……」

    後任提督「この通り、非常に大きな戦力でもあるので無碍に出来なくて……」

    長門「ふん。──貴様が新しい提督か? 私は長門。下田に居る愚かな提督に愛想が尽きてしまって教育送りだ」

    提督「ほう」

    長門「さて、貴様は私をどう教育する」

    提督(……これは確かに厄介そうだな)

    …………………………………………。

    712 = 1 :

    今回はここまでです。また一週間後くらいにくると思います。
    あと、遅れてごめんよ。黄昏の水平線のサンプルソフトを軽く作っていたりしてて遅くなってしまった。

    ちなみに空母棲姫やヲ級の呼び名ですけど、設定だけで実際はほぼ使わないか全く使わないです。当然、これから出てきても今まで通りの呼び方のままです。
    下田の提督での長門とのやりとりは、この長門の教育の為に描きました。一つの問題が終わった後の問題です。

    713 :

    おつおつ!
    いろいろ物語が進みそうで楽しみやで

    714 :


    まさかの長門
    轟沈した(と思ってた)金剛たちとの再会が楽しみだ

    716 :

    長門きたー
    楽しみだな!

    718 :

    来てたか
    おつおつ

    719 :

    教育か…やっとアレが見れるのかな?

    720 :


    長門が吊るされるのか……胸が熱くなるな

    721 :

    その前に飛龍が先じゃね

    722 :

    読み直したら言葉の誤用とか修正のし忘れとかいつも以上に滅茶苦茶多い。今度はもう少し気を付ける。
    分かりづらく書いてごめんよ……。

    723 :

    乙です
    わかってるつもり(ミスに気づいていない)から大丈夫

    724 :

    引き込まれてミスとか全然気付かんかった

    725 :

    ミス?知らない子ですね。
    続きが読めればそれでいいのです

    726 :

    期待してます
    雪風をボタンの押し間違えで轟沈させてしまったので那珂ちゃんのファンやめます

    727 = 726 :

    期待してます
    雪風をボタンの押し間違えで轟沈させてしまったので那珂ちゃんのファンやめます

    728 :

    ミスなんて気付かなかったわ。

    729 :

    空母棲姫「…………」

    金剛「…………」

    空母棲姫「……何も無いな、この島は」

    瑞鶴「うん……私達も来た時に思ったわ。こんな島で何日も隠れるのって、ちょっとキツいかも」

    ヲ級「魚、捕ってきた方が、良い?」

    金剛「ノー。魚を捕ってきても、クッキングする方法が無いデス。しばらくは頂いた保存食と木の実で過ごしまショウ」

    「捌いて食べるっていうのはダメなのかな。刺身とか」

    金剛「魚はそのまま食べると寄生虫が居たりするので危ないデス」

    「そういえば、そんな事を言ってたね。……提督の事だからすぐに来てくれそうだけど、今の内に食べられそうな物を集めておこうか」スクッ

    空母棲姫「…………」

    空母棲姫(……どうしましょうか。満足に動けない私は、何をしたら……)

    金剛「? どうかしたデスか?」

    空母棲姫「……いや、なんでもない。行こうか」スッ

    瑞鶴「歩きながらで良いんだけどさ、だいぶ酷くやられちゃってるっぽいけど大丈夫なの?」

    空母棲姫「気にするな」

    金剛(……なんとなくデスが、無理をしているように見えるデス。もしかしたら、動きづらいトカでは……)

    金剛「うーん……」

    「どうしたんだい、金剛さん」

    金剛「いえ、食べ物を採ってくるのは良い事だと思うのデスが、管理をする人が欲しいと思ったのデス。どのくらい日数が掛かるか分からないデスから、誰か一人が把握しておくべきだと思うデス」

    瑞鶴「あー、確かに」

    空母棲姫(……こいつ、まさか)

    金剛「この中で一番しっかりしていそうな空母棲姫に頼んでも良いデスか? その代わり、私達が食べられそうな物を採ってくるデース」

    空母棲姫「……分かった。すまない」

    (ああ、そういう事なんだね)

    ヲ級「姫。行ってくる、ね?」

    金剛「日が高くなってきたら帰ってくるデース」

    瑞鶴「いってきまーす」

    「一杯持って帰るね」

    空母棲姫「ああ。……気を付けてこい」

    空母棲姫「……………………」

    空母棲姫(……まさか艦娘から気遣われるとは思いませんでした。本当、私達は本来敵同士だというのを忘れてしまいそうになるわ)

    空母棲姫「……争わないというのも、良いものですね」

    ……………………
    …………
    ……

    730 = 1 :

    提督(ここも変化や異常、共に無し。ふむ。本当に大事に鎮守府を使ってくれているな)サラサラ

    後任提督「…………」チラ

    長門「なんだ? 私に何か用か?」

    後任提督「あ、いや……ただ気になって……」

    長門「特に気にする必要は無い。気にせず引継ぎ作業を続けてくれ」

    提督「そういう事だ。──中佐、もし気が散ってしまうのだったら荷造りをしていても構わんぞ。大事に使ってくれているおかげで私一人で確認するだけでも良さそうだ」

    後任提督「いえ、それは──」

    提督「何。忠実に規則を守るのは良い事だが、こうも大事に使ってくれているのを見ていれば問題など無いと分かる。全ては確認するが、何か分からない点があった所のみ伺うとしよう」

    提督「それに、一日でも早く異動したくて堪らないんじゃないか? 長門の事もあるとはいえ、どことなく別の事を考えているようにも見える」

    後任提督「……本当に構いませんか?」

    提督「構わんよ。今はこの鎮守府の事を忘れ、新天地を考えてしまえ」

    後任提督「ありがとうございます。……では、お気を付けて」スッ

    提督「…………」

    長門「…………」

    提督「……何を気を付けろというのか分からんな。長門、お前は中佐に何か危害でも加えたのか?」

    長門「そんな事は一切していない。ビッグセブンの名に懸けて手を上げていないと誓おう」

    提督「という事は、心労は掛けたんだな」サラサラ

    長門「掛けただろう。何せ、私は問題ある艦娘だからな」

    提督「そうか。ならば、お前の事を訊いても良いか」

    長門「ん?」

    提督「言うなれば、下田で何があったかを訊きたい。艦娘が主である提督の愛想を尽かせる程だ。よっぽどの事でもあったのだろう?」

    長門「……なるほど。お前は懐柔するタイプか」

    提督「そう思ってくれても構わん。答えたくなければ答えなくても良い。お前のやりたいようにしてくれたら、本当にお前が問題ある艦娘なのかどうかが分かる」

    長門「…………」

    提督「…………」サラサラ

    長門「……………………」

    提督「後はそうだな。下田の話は耳にしているから多少の理解は出来る」

    長門「……ほう?」

    提督「艦娘三人に轟沈命令を出した、とかな」

    長門「!! 待て、なぜお前がそれを知っている!」

    731 = 1 :

    提督「大声を出すな。あまり知られたくない事だろ」

    長門「…………っ!」

    提督「さて……訊きたいのならば教えてくれ。下田で何があってお前は反抗した」

    長門「……………………」

    提督(……葛藤か? まだ下田の提督の事を想っているのか、それとも別の何かがあるのか……)

    長門「轟沈命令を…………」

    提督「……轟沈命令を?」

    長門「……出した理由は、艦の把握が面倒だから、というものだった。私はそれを聞いて、本当に愛想が尽きてしまった。ただそれだけだ」

    提督「……そうか」

    長門「本当は残されている他の艦娘も心配だが、私の権限ではどうしようもない。諦めるしかないだろう。だからと言って、あいつの下で動くというのも我慢ならない」

    提督「ふむ、そういう事か」

    提督(これならば、教えると協力をしてくれるかもしれんな)

    長門「さて……私は教えたぞ。次はそっちの番だ」

    提督「簡単な話だ。私はその三人を知っている」

    長門「な……!? ……どこだ。どこに居る」

    提督「そう遠くではない場所、とだけ言っておく」

    長門「勿体振るな。さっさと教えろ」

    提督「場所はまだ教えられん。こちらにも計画があるんだ」

    長門「計画……?」

    提督「そうだ。その三人はこの鎮守府に来る予定だ。だが、それには理由を付けねばならん。今の所、一番良いのは海から拾ってきたというものだろう」

    長門「…………」

    提督「中佐がこの鎮守府を去った後、その三人を迎え入れる。……本当はもう二人居るのだが、そっちは現地で説明しよう。──今話せるのはこれで全てだ」

    長門「……そうか……無事なんだな?」

    提督「ああ。三人とも元気だ」

    長門「良かった……」ホッ

    提督「もし三人がこの鎮守府に来たら、長門はどうするんだ?」

    長門「……そうだな。出来れば、また海で共に戦いたい。最後に同じ艦隊で戦ったのがどれほど前なのか、もう分からないくらいだからな……」

    提督(……問題のある艦娘、か。おかしいと思ったが、やはり向こうの問題じゃないか。大方、反論が出来なくなって教育送りにしたといった所か?)

    提督「時が来たらそうしても良いだろう。ならば、それまでの間は教育を終わらせる訳にはいかないな」

    長門「……教育をなんだと思っているんだ貴様は」

    提督「お前に教育など必要ないだろう。それとも、最高錬度になっていないから錬度を上げたいとでも言うのか?」

    長門「…………不思議な人だ」

    提督「よく言われる。──さて、チェックもここで終わりだ。私はやらなければならない事がある。お前は自由にして構わんぞ」

    長門「なんだ? 何をするんだ?」

    提督「まあ、あまり気分の良いものではないのは確かだ」

    …………………………………………。

    732 = 1 :

    提督「──という訳で飛龍。覚悟は出来ているな?」ポン

    飛龍「ひっ……!」ビクンッ

    提督「確かに言っていたよな? 私がこの鎮守府に帰ってきたらいくらでも吊るされる、と」

    飛龍「は、はい……!」ビクビク

    長門(吊るす……?)

    提督「提督室は中佐が荷造りをしていて使えん。だからこうして空室を使う。……良かったな、飛龍? ここにはお前と私、そして長門しか居ないぞ」

    飛龍「うぅ……良かったのやら良くなかったのやら……。不思議な気分です……」

    提督「良かったと思え。ここまで人が少ないのは飛龍が初めてだ」グルグル

    長門(……毛布で簀巻きにして、縄で縛って……何だ? 何をするんだ?)

    提督「…………」グッグッ

    提督「……良し。問題無いようだな。──では飛龍。お仕置きだ」グイグイ

    長門(お仕置き? ……お仕置き…………?)

    飛龍「わ、わわっ」ブラーン

    長門「……は?」

    提督「さて飛龍。あの時の弁明をして貰おうか。本当にこの鎮守府に帰ってきて貰いたいが為にあんな事をしたのか?」

    飛龍「そ、それは……」

    長門(…………お仕置き……こんな事がか……?)

    提督「なんだ? 言い淀むという事は別の思惑があったのだろう?」

    飛龍「あの……えっと…………実は──」モジ

    コンコンコン──。

    提督「入れ」

    飛龍「なっ!!」

    ガチャ──パタン

    「提督、少し伺いたい事が…………え?」

    飛龍「…………!!」

    「飛龍が吊るされてる……!? 一体何をやったのよ飛龍……」

    733 = 1 :

    飛龍「そ、それは……」

    提督「ひとり二航戦サンドと言いながら、私を膝枕させた状態で屈んできた」

    「え」

    長門「…………」

    飛龍「わーっわーっ!!」

    「……飛龍、本当にアレやったの?」

    飛龍「うぅ……うん……」コクリ

    「よくそんなチャンスが巡ってきたわね……というよりも、本当にやるとは思わなかったわ……」トコトコ

    飛龍「だって……あのチャンスを逃したら永遠に出来そうになかったから……」

    提督(……そういう理由か)

    「ふぅーん?」チラ

    飛龍「──って!? な、なんでスカートの中を覗くの!?」

    「いやー、これがこのお仕置きの醍醐味だし、飛龍が今どんな下着を着けてるのかも気になるしね?」ジー

    飛龍「蒼龍はいつも私と居るんだから知っているでしょ!? メッですよ! メッ!!」

    「ふふーん。かーわいい♪ 提督も見てあげたらどうですか? きっと、飛龍なら喜びますよ?」

    飛龍「提督はそんな事しません! …………あの、本当にしませんよね……?」モジモジ

    「ほらほら、今が押し時ですよ提督」ニヤニヤ

    提督「……どうやら蒼龍も吊るされたいらしいな」

    「や、やだやだやだ! 冗談ですってばぁ……!」ビクッ

    提督「ところで、何の用があって来たんだ?」

    「あ、いえ。飛龍の姿が見えないので、提督なら知っているかなーって思ったの。それで場所を聞いてここへ来たのだけれど……まさか吊るされているとは思いませんでした」

    飛龍「うぅ……」

    「提督の事が好きなのはよーく分かるけど、あんまり迷惑を掛けちゃダメよ?」ツンツン

    飛龍「私だって欲はあるんですっ。あと、揺らさないでよ蒼龍……」ユラユラ

    734 = 1 :

    提督「……とりあえず、お仕置きはこのくらいにしておくか」スルスル

    飛龍「良かったぁ……。物凄く恥ずかしかった……」

    提督「反省したか?」ホドキホドキ

    飛龍「はい……それはもう……」

    提督「ならば良し」ポンポン

    飛龍「……でもですね、提督。私が提督の事を好きなのは本当ですからね?」

    提督「……そうか。だが、ああいう事は時と場を弁えるように」

    「時と場を弁えたらやっても良いんですか?」

    提督「飛龍と私がそういう関係になった時に場所も弁えていればという話だ」

    飛龍(……あ、この言い方だとチャンスはまだあるかもしれないわね。……あるかもしれない、ですけどね)

    提督「では二人共、下がっても良いぞ」

    飛龍「はいっ。──では長門さん、私達は失礼しますね」

    「またね。……それでさ飛龍、古い九九艦爆の事なんだけど──」

    ガチャ──パタン

    長門「……随分と慕われているようだな」

    提督「……艦娘だから、だろう」

    長門「否定できそうにないのが虚しいな……」

    提督「実際、否定できないだろう? そこに付け込んでいる私は悪党だよ。──さて、この話はあまりするものでもない。他の子達が私を探し回る前に皆に弄られるとしようか」

    長門「とても弄られる立ち位置にあるようには見えないのだが、以前はそうだったのか?」

    提督「そうだな。飛龍や蒼龍のように私を困らせようとする子は多い。私だからなのか、それとも私があの子達の提督だからなのかは区別が付きにくいがな……」

    ガチャ──

    長門「…………」

    長門(あの提督の所に居る飛龍や蒼龍とは大違いだな。本来の二人は、あんなにも明るくて元気なのだろうか……)

    長門(本当に……なぜあんな人間が提督になれているのか理解に苦しむ……。いっその事、あの鎮守府に居る全員がここへ来ればどれだけ救われる子が居るか……──いや、そんな事は起こりえないだろう。あんな環境でも、異動を拒絶する者は出てくる)

    長門「艦娘だから、か……」

    提督「……………………ああ。艦娘だから、だ」

    ──パタン

    ……………………
    …………
    ……

    735 = 1 :

    今回はここまでです。次もたぶん、また一週間後あたりになるかと思います。
    お仕事の予定も入っているので、一週間後に来れるかどうかちょっと微妙ですけど頑張りますね。

    飛龍を吊るす事になるだなんて、このスレを始めた当初では思い付きもしなかった。

    736 :

    サンドイッチできる素質持ちだからな
    一部の艦娘じゃこうはいかない

    738 :

    おつおつ

    740 :

    乙デース
    お仕事頑張ってくだサーイ!
    無理をしちゃノーなんだからネ

    741 = 740 :

    乙デース
    お仕事頑張ってくだサーイ!
    無理をしちゃノーなんだからネ

    742 = 740 :

    乙デース!
    お仕事頑張ってくだサーイ!
    でも無理をしちゃノーなんだからネ!

    743 = 740 :

    乙デース!
    お仕事頑張ってくだサーイ!
    でも無理をしちゃノーなんだからネ!

    744 = 740 :

    乙デース!
    お仕事頑張ってくだサーイ!
    でも無理をしちゃノーなんだからネ!

    745 = 740 :

    すみません何かバグって連投を携帯ダメだな..
    ちょっと吊るされて来ます 

    746 = 740 :

    すみません何かバグって連投を携帯ダメだな..
    ちょっと吊るされて来ます 

    747 = 740 :

    本当にごめんなさい 

    748 :

    [ピーーー]ば

    749 :

    エラー吐いた時点でそのレスは諦めろよ
    それがあってもなくても大して影響しないのは分かるだろ

    750 :

    乙です。
    自分にもひとり二航戦サンドやってほしいなぁ・・・


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