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元スレ扶桑「私たちに、沈めとおっしゃるのですか?」 提督「そうだ」

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1 :

 不気味なまでの静寂が胸に重く圧し掛かる。
 目の前にいる男が、自分の問いかけに即座に言い放った短い言葉に、一瞬呼吸を忘れそうになる。
 それほどまでに、男の言い渡した命令は非情のもので、ハンマーで頭を殴られたかのようにグワングワンと衝撃が襲う。

「なによ、それ……」

 自分の隣にいたもう一人の女がポツリと呟く。
 そちらに目を向けなくとも、その震えた声が彼女の表情を表していた。
 その気持ちが、痛いほどよくわかる。しかし、自分は彼女のように掴みかかるわけにもいかない。
 男の気持ちも、理解しているつもりだからだ。
 いや、自分だけではない、おそらく彼女も理解はしている。
 それでも彼女は、妹の山城は、男に向かって言葉をぶつける。
 
「わたっ、私たちがっ、どれだけこの鎮守府のためにっ」
「山城……」
 
 扶桑と山城はこの鎮守府でも最古参のメンバーだった。規模の小さな鎮守府で、新米の提督とともに支え合った。
 少ない戦力の中、艦隊の中心戦力であった彼女たちがいたからこそ、ゆっくりとだが確実に力をつけ、鎮守府拡大に大きな役割を果たした。
 鎮守府発展の礎を築いたメンバーである自負は、手前味噌であるが当然持っているし、のちに着任した他の艦娘たちからも多くの尊敬の念を集めてはいた。
 しかし、それももはや過去のもの。現状、二人が主力となって出撃する海域はほぼ0となった。
 海域を進むごとに扶桑型の欠点でもある速度、防御力などが如実に表面化しだした。
 それとともに敵である深海凄艦の強大化にも拍車がかかり、もはや二人の練度を挙げるだけでは対処できないようになったのだ。
 
「確かに私たちは何の戦力にもなっていない! でも、でもこんな作戦むちゃくちゃよ!」
「止めなさい、山城」

 それでも扶桑たちは願っていた。
 またいつの日か、艦隊の中心となって出撃することを。
 どんな小さな作戦でもいい、戦闘が無くてもいい。ただ、艦娘として、戦艦として誇れる出撃をしたかった。
 それさえ叶えば、なんだっていらない。そう思っていた。
 しかし、下された作戦命令を頭で反芻し、そのあまりにもの絶望に叫ばざるを得なかった。そして何より……

「上層部の作戦ミスのために、なんで私たちが死ななきゃならないのよ!」


SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1430845443

2 = 1 :

 軍人たるもの、上官は絶対。それは痛いほどに分かっている。
 しかし、今回ばかりは悪態が口から飛び出る。
 作戦ミス、と山城は言ったが実のところは少し違う。
 上層部は敵の罠にはまったのだ。
 
罠、と言っても本来、対人戦闘であれば基本的すぎて、すぐ見破れるほど簡易なもの。
 これを敵の作戦というべきか、もしくは単なる偶然に過ぎないのか真実は分からない。
 しかし、現実、上層部は罠である可能性を全く考えずに作戦を立案したのだ。
 そのありさまが、今の危機的状況の要因の一つでもある。

「……上層部だけじゃないさ」
 
 沈黙を貫いていた男、この鎮守府を任されている提督が口を開く。

「我々も、正直なところこの状況を予想していなかった。無能と罵られてもおかしくはない」

 提督は椅子から立ち上がると、窓の外を眺める。
 いつもと変わらぬ海原が少し傾きかけた太陽の陽を受けて凛々と輝いている。
 まるで平和な海だとでも錯覚させるほど。

「もう一度言う。扶桑、山城」

 振り向いた提督の顔は、見慣れた優しげな微笑みなどではなかった。
 長年ともに歩んできた扶桑、山城も思わず息をのむ。

「主力艦隊が駆け付けるまでの間、深海凄艦の大群から主要諸島を二人で守り抜け」

 その口から発せられた命令よりも、すべての感情が欠落したかのようなその無表情に、二人は恐れを抱いた。

3 :

おっぱいをつねるとどうなると思う?
青くなる……?
青……
赤……
赤くなる?
赤くなる
つまりおっぱいはスイカなのだよ。

4 :

>>3
スイカは黄色いだろ

5 = 3 :

>>4
は?お前ドアか?ハンドルか?
ドライブスルーじゃないなら意見するな窓

6 :

言葉の並べ方に法則性が見いだせるようじゃキチガイのふりすら出来てないぞバカ

7 :

ドヤ顔でキチガイを語ってんじゃねーよバーカw

8 :


続けてくれ

10 :

携帯からこんばんは


今日の夜に可能なら更新します
ある程度書き貯めてるのでパソコンにさわれる機会があれば随時更新していきます

11 = 10 :

あれ?酉が違う……

一応本人です

13 :

おつです 待ってるぜ~

14 :

おう果て無きモノローグやめーや(早とちり)

15 = 1 :


北方海域と南方海域に大規模な深海凄艦の泊地が発見されたとの報が海軍本部及び各鎮守府に入ったのが数日前のこと。
その規模は二つとも前代未聞ともいえるほどの大きさであり、一つの鎮守府だけでは到底太刀打ちできないと上層部は判断。
各鎮守府に主要戦力の出撃命令が発令された。


扶桑たちの所属する鎮守府は発見された泊地のほぼ中間に位置することから北方、南方にそれぞれ別の部隊を派遣。
大和や長門達戦艦を中心に据えた水上打撃部隊、赤城・加賀をはじめとする空母機動部隊。
鎮守府の最大戦力を出撃させ、他の鎮守府との連携をもってこれの撃破に当たる。


 上層部は、これで確実に泊地を潰す算段であったし、そのために十分な戦力を投入したつもりだった。
各鎮守府も同様に考えていた。
もちろん提督もその一人だった。

16 = 1 :

実際に随時入ってくる報告によれば、苦戦しながらも確実に敵勢力を削りつつあり優勢であるという。
 損傷は出てはいるが、傷ついたものは撤退し、遂次戦力を投入。その間に回復に努め、再び出撃。
決して相手に休みを与えないこの戦法で幸いにもこちらの轟沈数は0。
敵の戦力ばかりが減っており、勝利は確実だった。

 そんな折。

 突如、新たに出現した深海凄艦の群れ。
件の泊地ほどではないとはいえ、戦艦が10、重巡が10、軽重15、駆逐艦に至っては50を超えるという。空母がいないことだけが幸いなのかもしれない。
しかもこれは確かの数字ではなく、推測でしかない。というのも遠征に出ていた他国の部隊が帰投中に発見し、命からがら逃げ延びた際に我が国に報告された数字。
これよりも少ない可能性もあるが、上回っている可能性も十分にありうる。
水中からの攻撃を受けなかったことから潜水艦はいないとみられるが、進攻とともに組み込まれるかもしれない。
 
そんな、数個の部隊を持って対処するべき群れが、当鎮守府管轄の諸島に迫っており1両日中にも到達するという。

17 = 1 :


北方海域と南方海域に大規模な深海凄艦の泊地が発見されたとの報が海軍本部及び各鎮守府に入ったのが数日前のこと。
その規模は二つとも前代未聞ともいえるほどの大きさであり、一つの鎮守府だけでは到底太刀打ちできないと上層部は判断。
各鎮守府に主要戦力の出撃命令が発令された。


扶桑たちの所属する鎮守府は発見された泊地のほぼ中間に位置することから北方、南方にそれぞれ別の部隊を派遣。
大和や長門達戦艦を中心に据えた水上打撃部隊、赤城・加賀をはじめとする空母機動部隊。
鎮守府の最大戦力を出撃させ、他の鎮守府との連携をもってこれの撃破に当たる。


 上層部は、これで確実に泊地を潰す算段であったし、そのために十分な戦力を投入したつもりだった。
各鎮守府も同様に考えていた。
もちろん提督もその一人だった。

19 :

ただの書き込みミスだろ

20 = 1 :

17はミスです


ーーーーーーーーーーーーーーーーー



 
 この諸島はこの国を南北に二分するように東西に連なっている。
 もし、これらの諸島が深海凄艦の手に渡ってしまったら。
 もし、この諸島に件の泊地と同規模のものができてしまったら。 

 それだけは何があっても阻止しなければならない。
 しかし、問題は誰が、ということであった。

 管轄は扶桑たちの鎮守府。
 応援を頼もうにも、泊地撃滅のため他の鎮守府も主力艦隊を出撃中のため応援は見込めない。
報告された大群に太刀打ちできるような艦隊は同じく出撃中。
 まともに運用できる艦は数えるほど。
 なるべく犠牲を出したくない。

 その中で白羽の矢が立ったのが――


「お前たちというわけだ」

21 :

淡々と、ただ紙上の文面だけを読み上げたかのように、無機質な声で語る。
 敵の勢力を、鎮守府の現状を、諸島防衛の意義を。簡潔明瞭に、速やかに伝える。
 一切の感情を殺したような冷たさを、扶桑は感じていた。

「一応確認してもよろしいですか?」
「なんだ」
「護衛は本当につかないのですね」
 
 扶桑の問いかけに、短く、ああ、とだけ答える。
 思わず目を伏せ、フルフルと首を振ってしまう。隣の山城が震えているのがよくわかる。
 伝えられた作戦が、間違いであってほしかった。そんなことはないだろう、と心の片隅で期待していた。
 それも、その一言で潰される。

「念のため、諸島近くまでは駆逐艦数名を護衛につけさせる。だが、そこから先は2人だけで行ってもらう」

 先ほど提督は、できるだけ犠牲を小さく、と言った。それの意味すること。

「つまり、提督は、私たちは犠牲にならないといけない、と言うのねっ……」
「……そうだ」

 震えた声で話す山城に、扶桑は何も声をかけてあげることができなかった。
 何を、言えるというのだろう。ここでどんな言葉をかけても、それはただの気休めにしかならない。
 今、目の前で、死の宣告を告げられて。
 かける言葉など、持ち合わせてはいない。

22 = 1 :


「は……ははっ」
「山城……?」
「ははっ、あははははっ」

 両目を片手で覆い、声高らかに笑い声をあげる。
 通常ならば気でも触れたのかと思われても仕方がない。
 痛々しくて、憐みの視線を受けることだろう。
 だが、分かっている。

「ふ、不幸だ不幸だって言い続けてきたけどっ。まさかこんな最高級の不幸が待っていたなんてねっ」

 その眼を覆ったてのひらは、零れるものを隠すためだと。
 高らかな笑い声は、必死で我を保たせるためなのだと。
 知っているからこそ、痛いほど気持ちがわかるからこそ扶桑は心を痛める。
 最愛の、たった一人の妹が、ここまで追い詰められている。
 
「欠陥扱いされてっ、大した活躍もできないままでっ」

 隠れきれないものがその手から溢れ出る。袖でごしごしと擦り涙をふき、キッと提督をにらみつける。
 山城自身、敵意を込めて精一杯睨んだつもりだった。
 ただ、実際の山城の視線には一寸の怒気も含まれてはいなかった。

 必死で訴える、弱弱しい、懇願の眼だった。

「あんたに捨て駒として使われるなんてねっ!」

23 :

こんな絶望的な戦力差の中に航空戦艦二隻だけ投入してなにをしろというのか
数分の足止めにもならずに轢き殺されて終わりじゃないですかヤダー

24 = 1 :

とりあえず、今日はここまでで
今回は小分けして投稿してみたけど、もうちょっとある程度の長さで投稿したほうがいいかな?

明日も一応更新できると思う

25 = 23 :

おつー
投稿の長さは好きにしていいんじゃない? 目が滑る人もいるだろうけどそういうタイプは地の文の時点である程度回れ右だろうし

26 = 1 :

あと、作中に出てくる

「北方海域」「南方海域」「国」「他国」

といった言葉はすべて独自設定ですので悪しからず
特に海域名は本家とは全く関係ないものだとお考えください

それでは

27 :

おつー
扶桑姉さま嫁の俺には読んでてかなりクルものがあるな

28 :

乙、楽しみにしてます

29 :



長さは自分のペースでOK

会話は行間空けたほうが見やすいかも

30 :



悲しいけどこれ戦争なのよね

31 :

こういうスレは会話の行間ないほうがすき

32 :

19時頃から投稿開始します
大体1レス500~600字を目処に投稿していきます

33 = 30 :

結局好みと慣れなんだろうけど

会話は行間あったほうが読みやすいな

でも、書きやすいほうで構わないよ

34 :

 不幸型と揶揄されても。
欠陥戦艦だと馬鹿にされても。
それでも戦艦としての誇りだけは捨てなかった。

 盛大な砲撃音に、身も心も揺さぶるような振動。鼻を突く火薬の匂い。
 生と死の狭間で、唯一自分の存在意義を確認できた。
 兵器でもなく、純粋な人間でもない。そんな自分の存在意義を。

 だが、この作戦での自分の役割は勝つことじゃない。
 生き残ること能わぬ場で、1刻でも長い時間を稼ぐこと。
 もしかすると、数分も持たないかもしれない。
主力艦隊が駆け付けるまでの間耐え抜いたとしても、その間身を貫くような痛みや苦しみを味わうだろう。
 どちらに転んでも、それは地獄でしかない。

「……違う」

 力なく零したその声音は、いつもの勝気な山城からは想像もできないものだった。

「私が望んだ海戦は、こんなものじゃ……」

 血が湧き立ち、心躍る戦を。
 いつの日か、と待ち望んでいた。
 こんなの、望んでなどいない。提督は分かってくれているはず。
 これほどまで強く訴えているのに……。

――どうして何も言ってくれないのっ

 言葉もかけてくれない。表情も崩さない。 
 自分たちがこの戦でどうなるかくらい、分かっているはずだ。
 心配を見せるでもない。この作戦は正しいものなのだ、そう言葉に出さず投げかけてくる。

信頼する男から、死ねと言われて、願いも打ち砕かれて。
 どうして、気を保っていられようか。

「山城っ!?」

 逃げたい、この場から今すぐに。
 そんな考えが頭によぎった、瞬間、体が動き出していた。
 扶桑の制止も振り切り、提督室から飛び出した。

35 = 1 :

扶桑ののばした手は虚空を掴む。何も言ってあげられなかった。
 山城は自分のただ一人の妹だ。考えや思いなど簡単にわかる。
 そして、それは山城のことだけではない。
この表情を崩さない男のことも、また同じように。
 
 山城が飛び出た扉を見つめ、すぐに提督と向かい合った。

「……妹が、ご無礼を」
「かまわんさ。……君も私に悪態をついてもいいんだぞ?」

 その言葉にフルフルと首を振る。薄らとだが笑みも浮かんでいた。
 それが、喜の感情ではないことは、誰が見ても明らかであったが。

「そんなことをすれば、貴方を助けてしまいますから」
「……君は見かけによらず厳しい女性だ」
「私から提督への、せめてもの仕返しです」

 ふふっ、と今度はおかしそうに笑う。
 優しげな眼に、何もかもお見通しですよ、とでも言いたげなその瞳に、思わず提督は頭を下げる。

「……すまない」
「……なにを、謝ることがあるのですか」
「おかしいと思うべきだったんだ。突然泊地が、同時に2つも発見されるなんて」

 前代未聞、というべき規模の泊地が、同時に見つかる。何か裏がある、対人であるならば、そう思って然るべきだった。
 だが、相手は謎の深海凄艦。これまでも突然出現して手あたり次第襲っていく、というただそれだけの行動しかとっていなかった。
 
 断定はできない。
 だが、もしこれが、深海凄艦の作戦だとしたのならば。
 それは深海凄艦が策を立てて攻撃をする段階まで成長した、ということではないだろうか。
 
 泊地は囮だった。
 真偽がどうあれ、現状、この国は窮地に陥った。これもそれも、敵を舐めていたからだ。

36 = 1 :

「少しでも、多くの可能性を考えていれば、こんなことにはならなかった」
「それは提督の責任ではありません」
「だが、気付けていれば、君たちを……」

 その先の言葉が、紡げなかった。
 自分が立案した作戦だ。わざわざ言うべきではないし、どの口が言えるというのだろうか。
 いや、そんなことを言い出すなら、謝ることすらおこがましいことではないか。
 自分で死地に追いやるくせに、本人の前で謝罪など。罵声の1つや2つで済むような話ではない。

 扶桑と山城は大切な人だ。何もわからない自分を、ここまで成長させてくれたのはほかならない、この2人だ。
 艦娘たちに対しては、皆平等に扱っているつもりだ。艦隊の編成も、だからこそ実力主義で組むこともできたし、鎮守府の規模も国内有数のものとなったのだ。
 平等であるがゆえに、扶桑と山城の出撃頻度も減らした。理由も二人にはきちんと説明した。
 山城は怒り、扶桑とともに宥めるのに苦労したが。とはいえ、扶桑の悲しそうな顔は片時も忘れたこともなかった。そして、扶桑の言葉も。

「提督の、お考えのことですから……」

 扶桑は知っていた。
 提督が、誰よりも強くこの鎮守府を愛してくれていることを。すべての艦娘を強く愛していることを。 
 そして、誰よりも、この海を、この国を、愛しているということを。
 

37 = 1 :

少し席を離れます
今気づいたけど、深海棲艦の字ずっと間違ってた……?

38 :

長門型だったらよろこんで向かったのかね

39 = 31 :

>>38
二人とも察しが良さそうだし、喜んで行くわけではないだろうが、恨んで逝くこともないだろうな

場合によっては、提督に重荷を背負わせてすまないとか思うかもしれん

40 = 29 :

自分達にしか出来ないなら
そこに価値を見出して逝くだろうな

自分達が1時間でも1分でも持ちこたえれば
仲間がきっと戦況覆してくれると信じて

41 :

戦線維持が考えられる数分で間に合うわけがないし、犬死に確定の自分達は行動を起こしましたよってポーズだけの行為だから
流石の長門型でも納得行くかどうか・・・たった数分で味方が間に合うなら待って連合でなんとかしろだし
戦力外通告されてる二隻で半刻以上持たせられるならそもそも敵の戦力設定がおかしい
数分すらかなり甘い想定だし本来なら持って数秒の戦力差

42 = 38 :

いや長門は国のシンボルとされながらも出撃できずに終戦
陸奥はボカンだからさ。また違ったんじゃないかなぁと

43 :

ゲームなら数分、数秒かもしれないが実際の会戦が数時間で終わるわけない
相手だって精確な戦力は把握していないのなら作戦しだいで数日は粘れる
それに扶桑以外にも何隻かいるようだし、地の利があり守るだけ時間稼ぎに徹すれば可能性はある

44 = 27 :

籠城戦(?)相手には10倍の戦力が必要とか言うしな
まぁこの場合10倍でも20で足りるわけだが……

45 = 1 :


 悩んだことだろう。苦しんだことだろう。
 全くの犠牲を出すことなく、この海を守りきる方法を、必死で考えたことだろう。
 だが現実は無情で、残酷だ。そんな方法あるわけがない。
 敵勢力に対して、運用できる艦はごくわずか。
中には練度が十分ではないものもいるし、戦闘に不向きなものもいる。
それらをすべて投入したところでいたずらに犠牲を増やすだけだ。
 深海棲艦から諸島を守り切りたい。犠牲は出したくない。両方が提督の強い本心で、優劣をつけたくなかった。
 だが、提督の立場がそうはさせてくれない。

 覚悟を、決めざるを得なかった。

 必死で考えた。最小限の犠牲で、守り抜く方法を。
 鎮守府に残っている艦娘のリストを眺め、諸島の周辺の地形をくまなく調べた。
 誰を行かせれば勝率が上がるか、どうやって戦えば生存率が上がるか……。
 

誰が沈んだら、一番痛手になるか……。


 ズキズキと胸が痛んだ。自分の立案した作戦を見返して、吐き気を催した。
 作戦が成功する確率は、ほぼ0だ。しかし、このまま何もせず敵の進攻を眺めるわけにもいかない。 
 2人から恨まれるかもしれない。それでも、命令を下すべきなのだ。
 自分は、この鎮守府の提督だ。所属する艦娘たちだけではない。市民の生命を守る必要がある。
 私情は挟むな、冷酷な人間になれ。


――2人から恨まれろ。

46 = 1 :

設定についてですが、色々とガバガバなところがあったり突っ込みどころが多数見受けられると思います。

それは単に、私の技量不足です。申し訳ありません

47 :

まぁSSだしそこまで細かい設定とか間違いとか気にせんよ
続き期待してる

48 :


「提督、少し……お話を聞いてくれませんか?」
「扶桑?」

 比較的穏やかな表情と声色で、語り掛ける。
 なぜ、それほどまでに落ち着いていられるのか。山城のように、怒りをぶつけてほしいのに。
 そんな提督の思いも、扶桑はお見通しだった。提督が、自分たちに恨まれようとしている。
 そんな幼稚な考えなど、扶桑には通用しない。
 
「ずっと、考えてきました。出撃をほとんどしなくなってから、ずっと」

 皆が出撃していく中、自分たちだけが鎮守府に残り皆の帰りを待つ日々を思い出す。

「傷ついて帰ってきた者がいれば、私は何をやっているのだろう、と情けなく思いました」
 
 何もできない、ただ無事を祈るだけの日々が、歯痒くて、辛くて。

「帰投し、皆がつくる歓喜の輪を大外から眺めるしかなくて、素直に喜べませんでした」

 輪の中心にいる娘たちが眩しくて、目を背けてしまった、浅ましい自分の心。

「私たちは、艦娘は、海に出てこそ、艦娘なのだと……そう思い知らされました」

 ただの兵器でもない。純粋な人間でもない。そんな自分たちが存在する理由。
 艦娘という存在の意義など、考えるまでもなかった。

 大海原を駆け巡り、力の限りを尽くして戦うこと。

 それが使命という訳でもない。
ただ、それだけで、この心にできた空洞を埋めることができる。

「思えば、戦艦扶桑は、あの日、既に死んでいたのかもしれません」

 出撃がなくなった日。 
 戦に出ることがなくなったあの時から、既に存在の意味がなくなっていた。
 戦えない戦艦など、艦娘など、それはただの1人の女だ。
 それもそれで、一つの選択肢なのだろう。だが、自分はそれに納得がいかない。
 自分だって、誇りある戦艦なのだ。敵と撃ち合わず終える人生など、いらない。

「だから、提督……」

 例え、生きて帰ることが不可能な道でも。絶望しか待ち受けていないものであっても。
 
「ありがとう、ございます」

 艦娘として、最後にこのような場を与えてくれたことに。
 嘘偽りがない、本心を曝け出す。いつもと変わらない微笑みだった。

49 = 1 :

キリがいいし、今日はここまでにします

明日は、更新できるか不明なんで……
できるだけ時間作れるようにします

50 :

でも扶桑型改二って普通に強いよね


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