元スレ少女「コミケ行くので泊めてください!」男「は……?」
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1 :
セミ「ミンミィーーーーーーーーンミーーーーンミーンミーンミーンミィーーーーーーーーwwwwwwww」
セミ「ジルルルルルルルルゥルルルルルルジルジルジルルルルゥ……、ルルルゥ……、ル」
セミ「ツクツクボウシ! ツクツクボウシ! ツクツクボウシ! ニィーォニ! ニィーォニ! ニィーォニ! ニィーーーーwwwwww」
男「あ……、暑い……」フラフラ
男「ダメだ……、今年の夏は涼しいんじゃなかったのか? 溶ける、溶けるぞ……」
男「大学も夏休みになったばっかだし、この三連休は、クーラーきかせて家に引き込もるか……」
男「……ん? 俺のアパートの入口……、なんだ? 大家さんと、誰かがモメてる……?」
SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1503641471
2 = 1 :
・全部で600レスほどの予定です
・数日間に分けて更新します
※この作品はフィクションです。実在の人物や団体等とは関係ありません
3 = 1 :
少女「だから! 合鍵を貸してくださいと言ってるんです!」
大家「そう言われてもですね……。何か証明するモノが無い限りは」
少女「証明……? そうだ、このチャーム! 彼なら同じのを持ってるハズですよ!」
大家「そんなの知りませんよ」
男「あのー、どうかしました?」
大家「ああ。男さん。ちょうどよかったです。実はですね……」
少女「男さん!!!」ダキッ
男「うおっ!?」ヨロッ
4 = 1 :
少女(お願い、男さん! ハナシを合わせて!)ヒソヒソ
男(え……、えぇ!?)ヒソヒソ
大家「男さん。この女の子が、あなたの姪っ子だって言うんですよ。本当ですか?」ズッ
男「う……。うぅ、まあ。今は、そんなところです」ダラダラ
大家「今は……?」
男「え! あ。いや。昔から姪っ子ですとも!」
大家「こんなに歳も近そうなのに……?」
男「と、歳の離れた兄貴がおりまして……。その娘で……。ハハハ」
5 = 1 :
大家「ふうん……」
男「ハ、ハハハッ……」ダラダラ
少女「……、…………」ダラダラ
大家「…………」
大家「……まあ、いいでしょう」フゥ
少女「!」パァ
大家「―――ただし!!」
男「はっ!?」
6 = 1 :
大家「その子を部屋に置くのであれば、他の部屋にメイワクにならないように」
大家「また、今後もしばらく一緒にいるのであれば、必ず私に一言お願いします」
大家「……いいですね?」
男「は……、はぁいぃぃぃぃっっ!!!」
少女「すごいな、この大家さん……。威圧感がハンパじゃない」
大家「では、私はこれで」ガチャ
男「ごきげんようございますぅぅぅぅっっ!!!」
バタン
7 = 1 :
少女「……スゴいヒトですね」
男「あのヒト、怖いヒトに見えただろ? 本当に怖いんだよ」
男「……それで、君はいったい?」
少女「あ。その。ええ、と……」アハハ
男「…………」
男「今晩泊まるところとか、無いの?」
少女「え! ハイ! ありません!!」
男「なんでそんなに元気なんだ……」
8 = 1 :
少女「実は私、男さんにお願いがありまして」
男「いちおう聞くだけ聞くよ」
少女「ありがとうございます! それではお言葉に甘えて!!」
少女「コミケ行くので泊めてください!」
男「は……?」
少女「コミケです! 知ってますよね、コミケ!?」
男「コミ……、ケ……」
9 = 1 :
男「……いや、知らないな」
少女「えぇ!? いや、コミケですよ、コミケ! コミックマーケット!」
少女「有明は東京ビッグサイトで行われる、日本最大の同人誌即売会!!」
男「有開……、東狂ビッグサイト……? お前、まさか……」
男「“COMIKE”のコトか……?」
少女「COMIKE……?」
男「どうにもハナシが噛み合わないな」
男「まあ、とにかく部屋に入れ」
10 = 1 :
――男の部屋
少女「わあ! ボロっちいですね! ここに泊めてくれるんですか!」
男「ボロっちくて悪かったな。それにまだ泊めるとはヒトコトも言っとらん」
少女「えぇ!? てっきり、もう泊めてくれるものかと……」
男「それはハナシを聞いてから考える」
男「で? コミケ、といったか? それは何なんだ?」
少女「はい! コミケとは、全国から数十万の人々が東京に集まる、夏と冬の大イベント!」
少女「集まった人々は、三日間の会期中、自分の創作作品を発表し、また買い求めるのです!!」
11 = 1 :
男「ふうん……。聞く限りでは、COMIKEと大差無いようだな」
少女「アルファベットなのが、そこはかとなく威圧感を覚えますが……。COMIKEというのは、いったい?」
男「いや、概要は、そのコミケとやらと同じだな」
男「お盆と年末の年二回。有開の東狂ビッグサイトで三日間行われる、同人誌の即売会だ」
少女「……なんか、ちょっと漢字、違くないですか?」
少女「どことなくヤバそうというか……」
男「そうか? ムカシから、そういう地名なんでな」
男「……で、COMIKEに行くために、俺の家でどうするって?」
少女「ハイ! 男さんの家に泊めてほしいんです!」
12 = 1 :
男「……なんでまた俺の家なんだ? たしかに有開には近いが」
少女「え!? そ、それはですね……」
少女「……そう、優しそうだったので!!」
男「んな、テキトーな。どこで俺を知ったんだ?」
少女「……男さんの家の中とか?」
男「オイオイオイ盗撮されちゃってるのか」
少女「してませんけど!!」
男「まったく、弱ったな」
13 = 1 :
男「じゃあ、もし俺がココに泊まらせなかったら、どうする?」
少女「え、ええと……。ビッグサイト周辺のホテル、とか……」
男「んなモン、去年のこの時期から予約埋まってるに決まってるだろう」
少女「ぐ。では、都内のどこか、テキトーな場所……!」
男「女の子一人では危ないかもしれんなあ」
少女「ええい、ならば三日間ぶっ通しでビッグサイトに並んでやりますとも!」
男「徹夜組じゃねぇか!!!」
男「……マジでどこも行くトコ無いの?」
少女「はい……」
14 = 1 :
男「この近くに、友達とか知り合いとかは?」
少女「いません」
男「毎日実家からビッグサイトに通うのは?」
少女「……遠すぎます」
男「COMIKEに参加するのは諦めるのは?」
少女「絶対にイヤです」
男「……どうしてそんなにCOMIKEに参加したいんだ?」
少女「…………」
少女「……おじいちゃんから、聞いてたんです」
少女「コミケは、それは楽しい催し物だって」
15 = 1 :
少女「日本中から、星の数ほどの人々が集まり、創った作品を通じて交流する……」
少女「参加するのはタイヘンだけど、みんなイキイキしてて、自分も楽しかったって」
少女「そんなイベントに、私も行ってみたかったんです……!」
男「…………」
男「……わかったよ」フゥ
少女「ほ、本当ですか!!」
男「ああ。そんなハナシ聞かされて、追い出すのも薄情だろうしな」
少女「やったー!!」
16 = 1 :
少女「ありがとうございます、男さん! お礼に何でもしますから!!」
男「……何でも?」
少女「……? ハイ、何でもしますよ」
男「…………、……いや、俺から君に頼むコトは無いよ」
少女「ええっ! どうしてですか、料理くらい作れますよ!」
男「バカ。料理するとして、いったい何を作るつもりだ?」
少女「……? 普通に、冷蔵庫の中のモノを使って……」
男「……そんなコトでCOMIKEを乗り切れると思っているのか」
少女「なんですと」
17 = 1 :
男「いいか? COMIKEは、“戦場”だ」
少女「はい。おじいちゃんも言っていました。コミケは“戦場”そのもの、いや、それ以上であると」
男「調子乗って肉なんか食いまくれば、即リバースだ」
少女「なんですと……」
男「COMIKEに参加するつもりなら、まず食事から厳密に考える必要がある」
男「もちろん注意を払うべきは食事だけじゃない」
男「COMIKEに適した服装、装備、健康状態、心構え……。お前、体力に自信はあるか?」
少女「ハイ! 不肖私、元気なコトだけが取り柄なので!」
男「それはいいコトだ」
18 = 1 :
男「だが、生半可な体力では、COMIKEではとても保たない」
男「地上に存在する、あらゆるイベントよりもカコクなのが、COMIKE」
男「そう胸に刻んでおくといい」
少女「はい……。あ、質問なのですが」
男「なんだ?」
少女「男さんってCOMIKEに詳しいみたいですけど。今までに行ったコトがあるんですか?」
男「そうだな……。友人の付き添いだが、夏と冬の2回ずつ。計4回だな」
少女「うわあ……。結構なベテランですね」
男「俺なんかまだまだだぞ。その友人は、計20回近く行ってるらしいし」
19 = 1 :
男「まったく……。まさか、この三連休はCOMIKE参加だとはな」
男「しかも自主的に」
少女「というコトは、自分から行ったコトは?」
男「無いな。第一、アニメとかコスプレとか、そんなに詳しくないし」
男「だけど、友人は今回も参加するらしい。いちおう連絡は入れておくか……」
少女「友人さんは詳しいんですか? その、オタク文化ってやつに」
男「ああ。根っからのオタクというか、ロジカルというか、ム○クというか」
男「そういえば、君はアニメとか詳しいのか?」
少女「いやー、実は私も、それほどは」
20 = 1 :
男「……なのに、COMIKEに行きたいのか?」
少女「はい! コミケなのか、COMIKEなのか、わかりませんが」
少女「私はソレに参加するために、ここまで来たので!!」ムフー
男「……元気だなぁ」
少女「ハイ! 元気なコトだけが取り柄なので!!」
男「そうか。わかった。じゃあ、明日から三日間のジュンビをするとしよう」
少女「ジュンビ? 具体的には、何を?」
男「ん……。まあ、COMIKE用の服とか、携帯食料とか、飲み物の用意だな」
少女「えぇー、そんなのまで必要なんですか?」
21 = 1 :
男「さっきも言っただろう。COMIKEは、“戦場”だ」
男「戦場でジュンビを怠れば……、死、あるのみ」
少女「むぅ……。たしかにソレは同意できるところですね」
男「とりあえず、しばらく装備とか考えるから、そこらへんでもテキトーに見ててくれ」
男「……あ」
少女「……? どうしました?」
男「……俺、三日間もCOMIKEに満足に参加できるほど、金が無いぞ」
少女「ふっふっふ。ご心配なく。軍資金なら、ここに!」ビラビラビラッ
男「や、やめなさい! そういうの!!」
22 = 1 :
序章は以上になります。
第一章は、本日18時ごろの開始を予定しています。
24 :
これってなんかの続き?
もしそうならurl貼ってもらえませんかね
25 = 1 :
>>23
検索したらまじで同じ名前で笑いました
>>24
新作ですよ
それでは、第一章を開始します。
200レスほどの予定です。
26 = 1 :
男「おい、起きろ」ユサユサ
少女「んゆ……、もう食べられましぇん……」
男「ベタな夢見てんなァ」
男「ほら、起きろ」ユサユサ
少女「んあ……。……っくぅ、ハァ。あ、朝ですか……」ガバァ
少女「……あれ? いま何時ですか?」
男「朝の3時半だな」
少女「いやソレ深夜でしょう! ほら外、真っ暗じゃないですか!」カーテンシャァッ
27 = 1 :
少女「COMIKEが始まるのって何時でしたっけ!?」
男「朝の10時だな」
少女「まだ六時間半もあるじゃないですかーっ!!」
男「……お前、知らないのか?」
男「“既にCOMIKEは始まっている”」
少女「え……?」
男「今からタクシーを呼ぶ。お前もすぐに支度をしてくれ」
少女「支度……、といっても、何を……?」
男「服を着替えて、顔を洗って、歯を磨くだけだ。他のコトは向こうで済ます」
28 = 1 :
――アパート前の道路
少女「はーい男さん。ジュンビできましたよー……、って何ですかそのカッコウ!?」
男「……? 何かおかしいか?」
少女「完全に登山服じゃないですか! それに何ですかそのバカデカいリュック!!」
男「COMIKEは登山のようなモノだ。実際、登山服が最も適していると友人の奴も言っていた」
男「それに、このくらいのリュックサックでないと、“戦利品”は積み込めない」
少女「おお……。“軍資金”に、“戦利品”。らしく、なってきましたね!」ムフー
男「やる気いっぱいで何よりだ」
少女「ええ! がんばりますとも!」グーキュルルルルルル!!!!
29 = 1 :
少女「あ……」
男「……。まあ、そりゃ腹くらい減るよな」
少女「お恥ずかしい……。そういえば朝食はどうするんですか?」
男「向こうで食べる。だが、完全に空腹というワケにもいかないな」
男「そら。エナジーバーだ。他にもノドが渇いたり、頭が痛くなったりしたら、言えよ」
少女「ありがとうございます!! むむ、カンソな見た目ながらオイシイ……」モキュモキュ
男「…………」フッ
男「……おっと。タクシーが来たぞ」
キキー
30 = 1 :
カパッ
少女「よいしょ、っと……。入っちゃっていいんですね?」
男「ああ」
運転手「では、どちらまで?」
男「有開の、ビッグサイトまで」
運転手「おお……。この時間から並ぶんですか!」
男「いえ、並ぶワケじゃないんですけどね」
男「正確には、ビッグサイト近くの、鷲ントンホテルまでお願いします」
31 = 1 :
運転手「承知しました」ブオー
少女「……? どういうコト、男さん?」
少女「こんな早くに行くからには、ビッグサイトに並ぶんじゃないの?」
男「ばか。電車の始発の時間、つまり朝5時半よりも前に待機列を形成しているのは」
男「“徹夜組”といってだな、COMIKE準備会はこういった徹夜行為を禁止している」
少女「ほーん、なんで?」
男「主な理由は近隣のメイワクになるからだが……。まあ、見ればわかる」
男「とにかく、到着はすぐだ。身を構えておけ」
少女「はーい」
32 = 1 :
――秋羽原
ゴー
少女「……誰も、歩いてませんね……」
男「いくら東狂といっても、夜明け前だからな」
男「人口1000万近いメトロポリスの中心地といっても、夜は寝静まるものさ」
少女「そう、ですか……。朝になったら、みんな出歩くんですよね?」
男「まあ、そうだろうな」
少女「そっか。良かった」
男「……?」
33 = 1 :
――豊州
ゴー
男「……さすがに人も車も増えてきたな」
少女「みんながビッグサイトのほうに吸い込まれていきますね」
運転手「実は、さっきもCOMIKEへ行くヒトを送ったのですがね」
運転手「ビッグサイトはタクシーの降車が禁止でして」
運転手「スタッフの隙を見つけて、こう、ずずいっと駐車するのですよ」
男「へぇー」
少女「運転手さんもタイヘンなんだなぁ」
34 = 1 :
――鷲ントンホテル前
運転手「さて、到着しました」
男「ああ、ありがとう」
少女「うっわー、すっごいおっきいビル!!」
男「ここは鷲ントンホテル、正しくは……なんていったかな」
男「とにかく、通称“鷲”と呼ばれる、ビッグサイト最寄りのホテルの一つだ」
少女「ほうほう。それで、今日からここに泊まるんですか?」
男「いいや。昨日も言ったが、キャンセルでも出ない限り、予約は一年前から埋まってる」
35 = 1 :
男「今日は、ここに泊まってる友人にアイサツしておこうと思ってな」
少女「おお! 何回か話に出てた、男さんの友人さんですね!」
男「既に話は通してある。行くぞ」
――鷲ントンホテル ロビー
少女「ひゃぁ~、豪華なエントランスだなぁ……」
男「こういうホテルは初めてか?」
少女「うん、そんなところ。でも、勝手に入って怒られないかなぁ?」
男「堂々としてりゃバレないモンさ。友人がいるのは10階だ、行くぞ」
36 = 1 :
――鷲ントンホテル 1029号室
男「ブジに到着できたな。それじゃあ、呼ぶぞ」
リンゴーン
少女「どんなヒトなんだろう……」
ガチャ
友人「おおwwww男氏! ヤケモーニンwwwwwwぴゃっwww」
男「久しぶりだな、友人。元気にしてたか?」
友人「んんwww健勝以外ありえないwww」
37 = 1 :
少女「…………」ポカン
男「……? どうした?」
少女「えぇ……。ええと。なんていうか、その」
少女「メガネで、シャツで、バンダナで……」
少女「……す、スゴい」
友人「おお! これはキャワイイおにゃのこではありませんかwwwwww」
友人「男氏! この、この! ヌケガケとは卑劣ですぞwww」
男「そういうんじゃないって。昨日会ったばかりだから」
友人「なんと、ナンパ……!? 男氏、いつの間に……」
38 = 1 :
男「だからそういうんじゃないから!!」
友人「照れ隠しは見苦しいですぞwwwおうふwww」
友人「失敬。しかし、知り合ってすぐにCOMIKEとは、いささかハードではありませんかなwww」
男「そうは言っても、この子が言い出したんだ。俺だって家で寝てるつもりだったからな」
友人「なんと! 少女氏、見かけによらずオタクであらせられますかなwww」
少女「うーん……。まだオタクではないと思うんですけど、私、COMIKEに行ってみたくて!」
友人「んんwwwCOMIKEに行きたいなら、既にリッパなオタクですぞwww」
少女「そ、そうかな……。エヘヘ……」
友人「んんwwwwww照れるところではありませんぞwwwwww」
39 = 1 :
友人「それで、男氏www今日は何用ですかなwww」
男「いや、今日から三日間、俺たちもCOMIKEに参加するから」
男「“戦友”に、アイサツくらいしておこうと思ってな」
友人「……!」
友人「男氏……。さすが、我が認めた漢……」
男「いや、お前こそ。毎度COMIKEに参加する気力には感服するよ」
友人「んんwww今回も無事、一日目でサークル当選できましたからなwww」
友人「一日目の今日は多忙ゆえ、次、会う時は戦場ですぞwww」
男「ああ。もしハケてなかったら、一冊買っていくとしよう」
40 = 1 :
友人「しかし男氏www参加するのがわかっていれば、ファンネルをサクチケで頼めたものをwww」
男「カンベンしてくれ、女の子連れなんだ。そこまでガッツリ参加するワケじゃない」
友人「おうふwww失敬失敬wwwいかに戦士といえど毎年は堪える内容でしたなwww」
少女「……ファンネル? サクチケ?」
男「ああ、そのへんの用語はさすがに知らないか」
男「ファンネルってのは、COMIKEで頒布物が欲しい本人に代わって、お使いを頼まれるヒトのコトだ」
男「自分の持ち場から動けないサークル主の他にも、大手の頒布物を狙う参加者が手を組んだりする」
友人「由来は某有名ロボットアニメですなwwwガノタでなくとも常識ですぞwww」
41 = 1 :
男「そして、サクチケについては……」
男「コレは直接見たほうが早いだろう」
少女「……?」
男「友人、部屋の窓、貸してもらえるか?」
友人「んんwwwこんなところで立ち話も何ですからなwww歓迎以外ありえないwww」
男「ありがとうな」
少女「友人さん、見た目や喋り方は変わってるけど、良いヒトですね」
男「ああ。俺もそう思うよ」
42 = 1 :
男「ビッグサイトのほうが見えるか?」
少女「はい。……うわぁ、もうとんでもない数のヒトが並んでますね」
男「あれが徹夜組だ。一説によると、始発までに10000人以上が集まるという」
少女「10000人? もうヘタなイベントより人数多いんじゃないですか!?」
男「ああ。だが、徹夜組による徹夜行為を、COMIKE準備会は禁止している」
少女「そういえば、タクシーの中でも言ってましたね。何でなんですか?」
男「うーん、理由は色々あるんだが……。これは友人のほうが詳しいだろう」
友人「んんwwwお呼びですかなwww」
男「COMIKEで徹夜が禁止されている理由を説明してくれないか?」
43 = 1 :
友人「んんwww承知以外ありえないwwwwww」
少女「よろしくお願いします!」
友人「まずは当然の理由としてwww大人数が長時間集まると、普通にメイワクですなwww」
友人「ビッグサイト以外の場所への不法侵入www器物損壊wwwゴミのポイ捨てwww」
友人「草も生えない悪行ですなwwwオタクは常に紳士淑女であらねばならないwww」
男「草、生えてるぞ」
友人「近隣にメイワクがかかれば、COMIKE存続の危機にも関わる由々しき事態www」
友人「合理、道徳、双方の観点から徹夜組は推奨されないのですなwwwwww」
少女「なるほど……。たしかにキンジョに知らないヒトがいっぱいいるのは、ちょっとコワいですね」
44 = 1 :
友人「第二に、東狂都の条例に反しますなwwwwww」
友人「条例では、18歳未満の青少年の深夜徘徊は認められていないwww」
友人「いかに狂った都といえど、子供は守られるべきですなwwwwww」
少女「良かった……。じゃあ私は大丈夫だね」
男「18歳以上なんだ」
友人「ちなみにwwwこの問題はCOMIKEだけでの問題ではないのでwww」
友人「警察からも強い指導を受けて取り締まっていますぞwww」
少女「あっ、本当だ。待機列の外に警察のヒトがいる」
男「COMIKEの時期はパトロールの警察官を増員しているらしいな」
45 = 1 :
友人「最後にwwwヨッパライのオヤジを辻強盗するオヤジ狩りという犯罪がありますがwww」
友人「これのオタク版、オタク狩りが夜な夜な行われているのですなwww」
少女「オ、オタク狩り……」
男「オタクだからって全員戦闘力が高いワケじゃないからな」
友人「参加者が被害に遭いwww犯罪の温床となる事態はwww避けたいところですなwww」
友人「もっともwww我は始発の時間までホテルで待機するwww善良なオタクですがwwwwww」
少女「うーん、でも無防備なほうが悪いんだし、仕方ないんじゃないかな?」
男「君、けっこうシビアだね」
少女「でも、どうしてそんなに問題があるのに、徹夜組のヒトは夜から並ぶんですか?」
46 = 1 :
友人「それはwwwひとえにwww目当ての頒布物を入手するために他ならないwww」
男「COMIKEでは、創作を発表するための数人のグループを、サークルと呼ぶ」
友人「我は今回もサークル側での参加ですなwww」
友人「むろん、サークルを出展できるのは一日だけなのでwww二日目以降は一般参加ですがwww」
少女「へえ。友人さんは、何を創ったんですか?」
友人「んんwww同人誌とだけ言っておきますぞwww」
少女「同人誌! 知ってます! マンガとかアニメとかゲームのキャラを使った、えっちぃ本ですよね!」
友人「少女氏wwwwwwそれではただのウ=ス異本wwwwww」
少女「あ、あれ……? 違うんですか?」
47 = 1 :
男「まあ、薄い本も、広義では同人誌と同じ意味なのだが……」
男「同人誌っていうのは、カンタンにいえば、仲間内で作る非商業の本だな」
男「完全なオリジナルの作品もあれば、二次創作の場合もあるし、全年齢対象のモノも多い」
男「……別にエロ同人のコトだけじゃない」
友人「同好の人が作る雑誌だから同人誌、ですなwww」
少女「あ……、そうだったんですか。ハズカシ……」
友人「ちなみに、同人制作ゆえにあまりページ数は多くならないから、厚さが薄くなるのですなwww」
友人「もっとも単に薄い本と言った場合は、ほとんどの場合はR18な内容ですがwwwwww」
友人「んんwwwですがえっちぃ表現をオブラートな言い方に変えるwww雅な文化ですぞwww」
48 = 1 :
男「そして、そういった同人誌も含めた頒布物をいち早く手に入れるために、徹夜組は並んでいる」
男「だが、そんな徹夜組よりも、さらに早く会場に入る手段があるんだ」
少女「ほ、本当ですか? それはいったい!?」
友人「んんwwwそれこそが、このサクチケですなwwwwww」
男「サクチケってのは、サークルチケットの略。正式名称は別にあったと思うが……」
男「サークル参加者は当然、頒布物を用意するために、一般参加者よりも早く入場する必要がある」
男「その通行証として、このサクチケはあるんだ」
友人「また、当然サークル参加者は自分のブースの頒布があるので、他の買い物に行けませんなwww」
友人「そんなサークル参加者が知人に依頼し、他の頒布物を手に入れるためにもあるのですぞwww」
49 = 1 :
少女「なるほど。だから、ファンネルがどうこう……」
友人「そうwwwサクチケを使えば、徹夜組をはじめとした一般参加者より有利に列に並べるwww」
友人「サクチケを持ったファンネルならば、大手の頒布物でも確実に入手できるのですなwwwwww」
少女「友人さんは、その、他のヒトにファンネルを頼んだんですか?」
友人「むろんwww一日目にも興味深い頒布物は多いゆえwwwwww」
友人「しかし売り子も我一人では人手不足な現状www気合いで何とかする以外ありえないwwwwww」
男「友人……。お前もタイヘンだな」
友人「なんのこれしきwww年に二回の大イベントなればwww」
友人「全力には全力をもって応えるのが礼儀ですぞwwwwww」
50 = 1 :
少女「…………」ホゥ
男「……どうした? ため息なんかついて」
少女「ああ、いや。やっぱりCOMIKEには、こんなに真剣に参加するヒトがいる……」
少女「とっても魅力的なイベントなんだなって」
男「……そうだな」
友人「おうふwwwいつの間にかこんな時間www」
友人「国際展覧場駅にシーサイド線の始発電車が到着する時刻ですぞwww」
男「おお……。もうそんな時間か」
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