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    元スレ利根「提督よ、お主なかなか暇そうじゃの?」 金剛「…………」

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    651 :

    しつこい奴はしつこい奴で気持ち悪いで

    652 :

    加賀「──そうですか。ありがとうございます」パタン

    飛龍「利根さん、どうでしたか?」

    加賀「! 飛龍、秘書艦の代理はどうしたの?」

    飛龍「アハハ……提督に利根さんを気にしているのがバレバレだったみたいで……」

    加賀「それで暇を出されたって訳ね」

    飛龍「そういう事です。それに甘えてしまいました」

    加賀「しょうがないわね……。──利根は無事よ。さっき処置をして貰って、容態が安定したらしいわ」

    飛龍「ほっ……良かったぁ……」

    加賀「……それで、そっちの方はどうなの?」

    飛龍「え、えーっと、それなんですけど……。…………出撃の許可は下りませんでした」

    加賀「…………」ピクッ

    飛龍「ちょ、ちょっと待って下さい! 最後まで話を聞いて下さい!」

    加賀「……何があったのかしら?」

    飛龍「すぐに出撃をして提督を迎えに行く、というのは危険過ぎるからだそうです。もう日が暮れていますから空母の私達は戦力外ですし、そんな状況で人を乗せられる船なんて出せない、と仰っていました」

    加賀「……なるほどね。確かに、私達は焦り過ぎていたわ」

    飛龍「ええ……。今出撃をしても、途中で撤退を余儀なくされるのは目に見えている事でした……」

    加賀「それで、夜が明けてからは良いという事かしら?」

    飛龍「はい。明日に出撃をする許可は貰えました。というよりも、明日と明後日の予定は全てキャンセルして下さいました」

    加賀「……よく二日も休日に出来たわね?」

    飛龍「提督の制服が役に立ったようです」

    加賀「そういう事ね。私達の提督は、あの人よりも上の階級だもの。あの人も悪い人ではないから協力してくれたのね」

    飛龍「ええ。本当に感謝で一杯ですよ」

    加賀「それならば、選りすぐりの子達で迎えにいけるわね。……その様子だと、編成の事について私と相談もあるのかしら?」

    飛龍「そうです。明日の事は私達に一任させてくれるので、加賀さんと私で編成を決めましょう。」

    加賀「分かりました。では、空室を一つ借りましょう。その方が良いわよね?」

    飛龍「他の子達に知られてしまうと、絶対に押し寄せてきますもんね……」

    加賀「そうなるわね。──さて、迅速かつ綿密に編成を考えましょう。私は部屋の鍵を借りてきますので、貴女は全員に早く寝るよう伝えてきて。朝一番の出撃の可能性があるもの」

    飛龍「ハイ!」タタッ

    加賀「……提督、無事よね?」

    ……………………
    …………
    ……

    653 = 1 :

    ヲ級「食べ物、採ってきた!」トコトコ

    提督「うむ。助かる」ナデナデ

    ヲ級「~♪」

    空母棲姫「…………」

    提督「どうした、そんなに難しい顔をして。苦手な物でもあったか?」

    空母棲姫「……いや、単純に何もしていない私が食べても良いのだろうかと思っただけだ」

    提督「気にするな。むしろ、その状態であちこち動き回られると心配で堪らん」

    空母棲姫「そう、か……」

    提督「今はその身体を治す事を考えてくれ。命が無ければ何も出来ないだろう?」

    空母棲姫「……………………分かった……」

    提督(無理矢理に納得したのか?)

    空母棲姫「…………」

    空母棲姫「……………………」

    提督「……さて、今回は少しだけ面白い料理を作ってみようか」

    ヲ級「面白い?」

    提督「ああ。今まで作った事のない料理だ」

    ヲ級「楽しみ!」

    提督「恐らく初めて食べる味だろう。嫌だった場合は言ってくれ」ゴソゴソ

    空母棲姫(…………)

    ヲ級「葉っぱ?」

    提督「これはバジルと言ってだな──」

    空母棲姫(……ああ、本当にどうしましょうか…………)

    654 = 1 :

    提督「──とはまた違った────そして────」

    空母棲姫(私達は、艦娘からも深海棲艦からも敵視されるでしょう……。そうすると、もう海の上に居る事は出来なくなります……)

    ヲ級「──辛い……? それって──」

    空母棲姫(そもそも、この人は人間……。絶対的な敵である深海棲艦をどうしようと言うのですか……?)

    空母棲姫(もう、他に私達の安全を確保できる場所も人も居ない……。けれど、この人間が安全だとも絶対には言えません。もしかすると鎮守府に戻った際に実験台にされる可能性もありますし、生きた敵艦のサンプルとして研究されるかもしれない……)

    空母棲姫(そうであるならば、楽に死ねる方がずっと良いです。気が狂ってしまいそうになる環境で生き続けるくらいならば、さっさと死んでしまう方が遥かに良いでしょう……)

    提督「────────」

    ヲ級「────?」

    空母棲姫(……分からない。分かりません。この人間を信用しても良いのか、してはいけないのか……分かりません)

    空母棲姫(今までの行動を省みるならば、私達の身体を修理してくれたり共に協力したりしていましたが……状況が変われば変わってしまうかもしれません……。もしかしたら、抵抗無く鹵獲する為にやってきただけかもしれない。中将の階級である事から、そうであっても不思議では──)

    空母棲姫(…………ああ、思考がループする……。何が本当で、何が嘘で、何がどうなるのかが分かりません……)

    空母棲姫「……どうしたら、良いのでしょうか」ボソ

    提督「ん? 今何か言ったか?」

    空母棲姫「……なんでもない。ただの独り言だ」

    提督「……そうか」

    ヲ級「…………」トコトコ

    空母棲姫「……なんだ?」

    ヲ級「姫、大丈夫。大丈夫だよ」ニコニコ

    空母棲姫「────────」

    ヲ級「ね?」ニコニコ

    空母棲姫「……本当だな?」

    ヲ級「うん」ニコニコ

    空母棲姫「…………ならば、私も信じましょう。諦める事はあっても、後悔だけはしないようにするわ」

    提督(……どういう話なのか分からんな。だが、空母棲姫のさっき見せた壊れてしまいそうな表情を考えれば、私について行くのが不安といった所だろうか)

    655 = 1 :

    提督(口を挟まないようにしておこうか。今ここで私が何を言っても、こいつを困らせてしまうだけだ)

    空母棲姫「……なあ人間」

    提督(と思った矢先にこれか)

    提督「なんだ」

    空母棲姫「私達は、本当に大丈夫なんだな?」

    提督「出来る限りの事をする。艤装を外し、多少の化粧でもすれば深海棲艦とバレなくなるだろう。少なくとも、我々人間からすれば見た目だけでは人間と艦娘の違いが分からん。人型の深海棲艦は肌が青白いから区別が付くくらいだ」

    空母棲姫「……なるほど。そういうものなのね」

    ヲ級「でも、私、艦娘と人間の、違い分かるよ?」

    提督「む、そうなのか?」

    空母棲姫「ええ。私も分かります。感覚としか言えないけれど、なんとなくで分かるわよ」

    提督「ふむ……そうなると、艦娘も同じ可能性があるな」

    空母棲姫「人間を欺く事が出来ても、艦娘はどうするのかしら。何か妙案でも?」

    提督「……二つ例を挙げるならば、人前に極力顔を出さないという事」

    空母棲姫「確実ね。でも、限界はくると思うわ。──もう一つは?」

    提督「私に付き従ってくれている子達には言い聞かせ、他言させないようにする。そうすれば、外部の艦娘でも来ない限り気付かれる事はないだろう」

    空母棲姫「……難しくないかしら」

    提督「ああ、難しい。あの子達ならば時間があれば理解してくれるだろう。だが、何かがあってお前達の情報が外に漏れる可能性も充分にある」

    空母棲姫「綱渡りね」

    提督「ああ、綱渡りだ」

    ヲ級「でも、このままより、ずっと良い」

    空母棲姫「ええ。今よりも良いわ。私は二つ目の案を推したく思います」

    ヲ級「私も!」

    提督「そうか。ならばそれで進めていくとしよう。──だが、それでも問題はまだある。お前達を鎮守府に置いておく理由を作らなければならない」

    656 = 1 :

    空母棲姫「……こればかりは思い付けそうにないわ。ごめんなさいね……」

    提督「ああ……。私が鎮守府の運営をしていた時も足りないと思った役職など特に無かった。秘書として仕えさせるのは色々と問題があるから除外だ」

    ヲ級「どうして?」

    提督「秘書に就くという事は、それだけ外部の人間と接する機会が増える。その分だけお前達の存在がバレやすくなるだろう。そして、深海棲艦を秘書にするまでいってしまえば流石に反対意見を出す者が多く出てくるのが目に見える」

    空母棲姫「加賀という艦娘なんかは猛反発しそうね」

    提督「ああ。だから、何か良い理由があれば良いのだが……」

    空母棲姫「…………」

    提督「……………………」

    ヲ級「!」ピン

    ヲ級「ご飯!」

    空母棲姫「……どうしたの? 待ちきれなくなったのかしら」

    提督「ああ、そうだな。そろそろ作ると……………………ふむ……そうだな。ふむ……」

    空母棲姫「…………?」

    ヲ級「ご飯、作る! 私達が!」

    空母棲姫「…………」

    提督「良いかもしれん。流石に間宮と伊良子の二人で鎮守府の食事を作るのは大変なはずだ。艦娘の数が増えた事による食事を作る人手不足を理由に二人を正式に在籍させてしまえば良いか」

    空母棲姫「在籍させるという事は、上に報告書を通すのではなくて?」

    提督「そうなる。だが、そういう事例は既にある。大艦隊を率いている大将が居るのだが、元は一般の料理人を在籍させている。詳しくは憶えていないが、確かその大将が募集を掛けて集めた者達という話だ」

    空母棲姫「……良いですね。現状、それが一番可能性が高いでしょう」

    提督「だが、お前達は料理の事を一切知らない。料理の事について勉強をして貰う事になる」

    ヲ級「美味しいもの、作りたい!」キラキラ

    空母棲姫「……興味が無いとは言いません。確かに貴方の作る料理はおいし──」ハッ

    提督「…………」

    空母棲姫「……………………その……」

    提督「…………」

    空母棲姫「……美味しい、と……思いました」フイッ

    ヲ級「照れてる」ニコニコ

    空母棲姫「口に出して言わないで下さい……!」

    ヲ級「姫、良い顔してる」ニコニコ

    空母棲姫「…………っ! ふん……」

    提督「気に入ってくれているのならば良かった。では、晩飯を一緒に作ってみようか」

    ヲ級「うん!」

    空母棲姫「ぅ……はい……」

    …………………………………………。

    657 = 1 :

    今回はここまでです。また一週間後くらいに来ますね。

    問題が解決したら、なぜか解決した事によって問題が生まれるんですよね。
    提督も、利根さんも、他の子達もどうなるかな。

    658 :

    乙ですぜ

    659 :

    乙乙、一週間後が待ち遠しい

    661 :


    丸くなった姫カワイイ

    662 :

    おつおつ
    提督もずいぶんと信頼されるようになってきたな

    663 :



    空母棲姫の全力戦闘見てみた気もする

    664 :

    乙です
    これからも頑張ってください!

    665 :

    ヲ級「はむはむ……」ガジガジ

    空母棲姫「…………」モグモグ

    提督「ふむ……味はどうだ?」モグモグ

    ヲ級「美味しい! ……けど、何か違う?」

    提督「うん? 違う?」

    ヲ級「良く分からない。けど、何か違う、気がする」

    提督「ふむ……バジルを使ったから味が違うという意味ではないのか?」

    ヲ級「うん。自分のより、提督が、作ったの、好き!」

    提督「……………………」

    提督(……金剛が昔言っていた、料理には愛情をとか言っていたのは本当なのか? ──いや、まさか。単純に腕の違いなだけだろう。それか、料理を知らない自分が作ったものという偏見でもあるのだろうか?)

    提督「お前はどうだ? 苦労していた分、愛着が沸いていそうだが」

    空母棲姫「……正直に言うと、微妙です」

    提督「微妙?」

    空母棲姫「あなたが作っていた物が料理ならば、私の作った物は料理と言えないような……そんな不思議な微妙さです」

    提督「……お前も難しい事を言っているな」

    空母棲姫「私自身もよく分かっていないの。ごめんなさいね」

    提督「……そうか。それで、自分で食事を作ってみた感想はどうだ?」

    ヲ級「楽しかった!」

    空母棲姫「私は難しかったという印象です。ただ焼くだけだと思っていましたが、火加減や魚の様子を見てどうするべきなのかを判断しなければならないとは思いもしなかったわ」

    提督「慣れれば難しくはなくなる。何事も経験あってこその実力だ」

    ヲ級「頑張る!」

    提督「良い子だ」ナデナデ

    ヲ級「んー♪」ホッコリ

    666 = 1 :

    空母棲姫「……本当、驚くくらいに懐いているのね」

    ヲ級「提督、優しくて、頭、撫でてくれる。気持ち良い!」

    提督「……そんな事で懐いたのか?」

    空母棲姫「あとは人徳ではないでしょうか。初めは敵でしたが、修理をしてくれたのは事実ですし、私達の事も考えて下さっています。……むしろ、今では敵と思いたくないですね」

    提督「ほう。随分と素直になってきたな」

    空母棲姫「ですが、そうやって私をからかうのは嫌いです」フイッ

    提督「なに。私の性分だ」

    空母棲姫「今までからかった事はほとんど無かったと思うのだけれど」

    提督「それだけ私にも余裕が出てきたという事だ」

    空母棲姫「……困った人ね。そういう事をするのだったら、私にも考えがあります」

    提督「ほう。何をする気だ?」

    空母棲姫「ひとり二航戦サンドだったかしら。あれをします」

    提督「やらせるものか。むしろ、恥ずかしくないのか?」

    空母棲姫「どうせもう裸を見られているもの。今更どうって事はありません」

    提督「…………そういう問題か?」

    空母棲姫「そういう問題よ。証明しましょうか?」スッ

    提督「やるんじゃない。私には心に決めている人が居る」

    空母棲姫「意外ね。仕事一筋のような印象だったのだけれど」

    提督「私も人の子だからな。愛したら一筋だ」

    空母棲姫(……そう言う割には結婚指輪を付けていないわね。まだ籍を入れていないという事なのでしょうか?)チラ

    667 = 1 :

    提督「…………」

    ヲ級「ね、提督」

    提督「ん、どうした」

    ヲ級「寝る場所、無くなったけど、どうするの?」

    提督「……そうだな。こうもバラバラだと、寝るどころか雨風も凌げん」

    空母棲姫「困りましたね……」

    提督「……一先ずは台のようなものを作って、その上に生き残っている布団を敷こう。大きい板は辛うじて残っているから、それで雨を凌ぐしかない。風は諦めるか」

    空母棲姫「それしかないわね。……改めて空爆が厄介だと認識しました」

    提督「空爆の鬼が何を言っているんだ……」

    空母棲姫「やるのと受けるのとでは大きく違うというのも実感しているわ……」

    提督「そういうものなのか……?」

    空母棲姫「貴方は指揮を受けるのと指揮するのとでは大きく違うと思わないのかしら?」

    提督「なるほど、そういう事か」

    空母棲姫「……それにしても、作るのは大変そうね」

    提督「ああ、本当にな……。さっさと作ってしまおう。暗くなってからでは遅い」

    ヲ級「はーい!」

    空母棲姫「分かりました」

    …………………………………………。

    668 = 1 :

    ヲ級「できた!」

    提督「……なんとか一つは作れたな」

    空母棲姫「……予想はしていましたが、やはり不恰好ですね」

    提督「思ったより大きい板が少なかったな……」

    空母棲姫「こんなバラバラになる程だったのに、よく死ななかったですね……」

    提督「私の悪運は強いという事か」

    空母棲姫「悪運なのか天運なのかは分かりませんが、生きているという事はまだ何かやらなければならない事があるのでしょう。……だからと言って無茶はしないでちょうだいね?」

    提督「状況によるが、概ね大事にしようか」

    空母棲姫「……貴方の事は信用しているけれど、今の言葉は信用できないわね」

    ヲ級「無理、しそう」

    提督「…………」

    空母棲姫「その様子だと、貴方の艦娘からも同じ事を言われていそうね」

    提督「……勘が良いな。その通りだ」

    空母棲姫「貴方の普段の言動を見ていれば何となく想像がつくわ。それで頭を悩ませた子が一体何人居るのかしら」

    金剛『────────!』

    瑞鶴『────……?』

    『────。────────』

    提督「……さて、何人だったかな」

    空母棲姫(……これは踏んではいけない話だったかもしれませんね)

    669 = 1 :

    提督「話を戻すが、二人はこの簡易ベッドに乗ってみてくれないか。バランスや傾きが無いか確かめて貰いたい」

    ヲ級「はーい!」ピョン

    空母棲姫「飛び乗らないの。壊れたら危ないでしょう?」ギシッ

    ヲ級「……ごめんなさい」

    空母棲姫「分かれば構いません。──バランスや傾きは特に問題ないと思うわ。上々です」

    提督「そうか。良かった」

    空母棲姫「では、貴方も乗って貰いましょうか」

    提督「ん? なぜだ」

    空母棲姫「三人が乗れるかの確認は必要で──……まさかとは思いますが、自分は地面で寝ようと考えていたとか言うのかしら」

    提督「…………いや、地面ではないぞ」

    空母棲姫「ハッキリとした答えではないという事は、地面ではなく板の上だとか言うのでしょうね」

    提督「……………………」

    空母棲姫「やはりですか……」

    ヲ級「それ、だめだよ?」

    提督「……心に決めている人が居るというのに、お前達と寝床を共にするのは──」

    空母棲姫「利根という艦娘とは共に寝ていたわよね」

    提督「……………………」

    ヲ級「…………」ヂー

    空母棲姫「…………」ジッ

    提督「……はぁ…………。どうしてこうなるんだ……」

    空母棲姫「それはこちらの台詞です。どうして貴方はそうなのですか。自分勝手かと思えば変な所で自己犠牲があって困ります。まるでどこか壊れてしまっているかのようで……なんて言えば良いのかは分からないけれど、冷静なその顔の向こうは焦っているような……そんな気がします」

    提督「……そうか」

    空母棲姫(……落ち込ませてしまいました。私は、もう少し言葉を穏やかにした方が良いのかしら……)

    提督「…………」

    空母棲姫(気遣うような言葉を使えば良いのでしょうか。……いえ、今はこの話題を置いて話を戻しましょう。なるべく、そうしなければならないように思わせて……)

    ヲ級「…………?」

    空母棲姫「……とりあえず、貴方は体調が悪くならないようにベッドで寝るようにして下さい。貴方の艦娘の為にも、貴方自身の為にも」

    提督「……分かった」

    …………………………………………。

    670 = 1 :

    一先ずはこれで区切ります。
    また夜に来るかもしれませんが、あまり期待しないで下さいませ。

    これ一スレで終わるのかな。割と本当に怪しくなってきた。

    671 :

    乙です~!!
    楽しみにしてます♪

    672 :

    何スレでも望む所よ

    673 :


    なに、この雷が成長したような甲斐甲斐しい世話女房

    今回で
    自分の中では空母棲姫がヒロイン枠勝ち取ってしまったんだが

    674 :

    おつおつ
    この空母棲姫に甘えたい

    675 :

    乙です
    待ってます!

    677 :


    空母棲姫が一気に正妻空母の座に上り詰めたね
    しっかり意見も気配りも出来る、正に正妻の余裕と貫禄。
    うちにもほしい、加賀さんの改三が空母棲姫にならんかな

    678 :

    むしろヲ級が可愛い

    679 :

    乙です
    >>1の書きたい長さで書いていただきたい

    680 :

    >>677
    キラキラつければ夜戦でも艦載機飛ばせるようになるのかな?

    681 :

    ちょっと久々に書き溜めじゃない投下をしますね。
    たぶん二十分おきくらいに投下するかも。筆が乗るようならば十分おきになるかと。

    682 = 1 :

    ヲ級「くー……くー……」

    提督「…………」スー

    空母棲姫「…………」

    もぞ……

    提督(……む?)

    空母棲姫「…………」ソロソロ

    提督(朝か……。空母棲姫はベッドから抜け出してどこへ行く気だ?)モゾ

    ヲ級「みぃーやぅぁ……」ギュー

    提督「…………」

    ヲ級「あぅぁたかぃ……ぃー……」クー

    提督(……これでは起こさなければ出られなさそうだな。しかし……なんて言っているんだ、これは……?)

    ヲ級「んぅー……」

    提督(改めて思ったが、深海棲艦は体温が低いな。こうしてくっつかれていると良く分かる。……いつもは海の上に居るからか?)

    提督「…………」

    提督(ふと思ったが、普段はどうやって寝ているんだ……? 周りに海しかない場所でも昼夜問わず現れるという事を考えると、海の上で寝ているか……それとも水底で……?)

    提督(……本当にそうしていそうと思えてしまう。なんというか、そうしている姿が容易に想像できる)

    提督「……少し甘えさせてやった方が良いかもしれん」ナデ

    ヲ級「みゅぅ……」スリ

    …………………………………………。

    683 = 1 :

    空母棲姫(さて……昨日教えて貰った事を思い出しながら作ってみたけれど、あまり上手くいったとは思えないわね……。少し焦げてしまったわ)

    空母棲姫(味は……)モグ

    空母棲姫「……昨日より微妙ね。どうしましょうか、これは……」

    空母棲姫(だからと言って捨ててしまうと食材が足りなくなりますし……難しいです。本当に上手く料理が出来るようになるのかしら……)

    空母棲姫「困ったわ……」

    提督「何が困ったんだ?」

    ヲ級「どしたの?」

    空母棲姫「ひゃっ……!」ビクンッ

    提督「…………」

    空母棲姫「……何ですか、その驚いた顔は? そんなに今の声がおかしかったのですか?」ジトッ

    提督「意外だっただけだ。そう噛み付いてくれるな」

    空母棲姫「ふん……どうだか」

    ヲ級「ね、姫。料理、してたの?」

    空母棲姫「……料理と言えるかどうかは分からないけれど、作っていたのは事実よ」

    提督「ふむ。お前が一人で作った料理か。楽しみだ」

    空母棲姫「嫌味かしら、それは?」

    提督「いや、期待している方の意味だ。苦労をして会得する技術は総じて良いものだと私は考えている。だから、楽しみだ」

    空母棲姫「……おだてても何も出ないわよ」

    提督「朝食は出てくるだろう?」

    空母棲姫「……なんですか、その返しは。……もう良いです。さっさと食べて下さい。味は保障しませんが」

    684 = 1 :

    ヲ級「姫、ありがと!」ニパッ

    提督「うむ。頂こう。──ふむ。昨日の焼き魚のバジル風味からバジルを抜いたのか」

    空母棲姫「ええ。本当はバジルを使いたかったのだけれど、あれはもう無いので使えませんでした。……おかげで、本当にこれで良いのか迷ったわ」

    提督「構わんよ。あれは薬味みたいなものだ。無くても美味いものは充分に美味い。──では、頂く」ガジ

    ヲ級「いただきます!」ガジガジ

    提督「……ふむ」モグ

    ヲ級「あむあむ……」ガジガジ

    空母棲姫「……どうですか? 不味くはありませんか?」

    提督「少し焦がしてしまっているが、充分に美味いよ」

    ヲ級「うん! おいしい!」

    空母棲姫「……本当ですか? 私が味見した時は昨日よりも微妙だったのだけれど」

    ヲ級「本当だよ?」

    提督「ああ。昨日よりは上手く出来ている」

    空母棲姫「…………本当だとしたら、どうして私だけ美味しいと思わなかったのでしょうか」

    提督「先入観かもしれんな」

    空母棲姫「それが何か関係があって?」

    提督「無いとは言い切れないくらいのものだが、あるのは確かだろう。──『自分の腕はまだまだ未熟だから美味しい訳がない』『初めが微妙だったのだから、今回も微妙かもしれない』と思っていたりするとな」

    空母棲姫「……驚きました。どうして私が作っている時に思っていた事を言い当てられたのですか?」

    提督「それはただの偶然だ。なんとなく、そう思っていそうだと予想した」

    ヲ級「…………」ガジガジ

    空母棲姫「…………そうですか」フイッ

    提督(照れているのか、これは)

    ヲ級「…………」ガジガジ

    空母棲姫「……まあ、良いです。私も頂きましょう」ガジ

    空母棲姫「…………」

    提督「どうした?」ガジ

    空母棲姫「……なぜか少し味が良くなっている気がします」

    提督「そうか。良かったじゃないか」

    空母棲姫「何かしたの?」

    提督「何もしていないのはお前も分かっているだろう……。単純にお前の意識が変わっただけじゃないのか?」

    空母棲姫「……良く分からないわね。料理というものは」ガジ

    提督「難しい事は確かだ。色々とな」ガジ

    ヲ級「…………」ガジガジ

    …………………………………………。

    685 = 1 :

    ヲ級「ごちそうさま!」

    提督「馳走になった」

    空母棲姫「お粗末さまです」

    空母棲姫「…………ん?」

    提督「どうした」

    空母棲姫「……いえ、なんでもありません」

    空母棲姫(何か今、心の奥が温かくなったような……? 気のせいでしょうか)

    ヲ級「ね、何する?」

    提督「……そうだな。以前にも増してやる事が少ないから困るな……」

    空母棲姫「今後の事について事前に打ち合わせをしておくのはどうかしら」

    提督「なるほど。確かにそれが良いな」

    ヲ級「打ち合わせ?」

    提督「お前達は今までどこで何をしていたか、というのを決めておく。もし外部の人間に聞かれても問題の無いように、簡単にでもな」

    ヲ級「ヲー……」

    空母棲姫「たぶん分かっていないわね、この子」

    提督「だろうな。後で要点だけ教えておく方が良いかもしれない」

    空母棲姫「それが最善かと」

    提督「しかし、打ち合わせをする間は暇をさせてしまうな……」

    空母棲姫「……………………そうですね、こっちに来なさい」スッ

    ヲ級「?」トコトコ

    空母棲姫「膝の上に座って」

    ヲ級「うん」チョコン

    空母棲姫「…………」クシクシ

    ヲ級「ヲー……?」

    提督「ふむ。髪を梳くか」

    686 = 1 :

    空母棲姫「どうかしら。嫌じゃない?」

    ヲ級「んー……? ちょっと、よく分からない」

    空母棲姫「……そうですか」

    ヲ級「でも、もっとして欲しい、気がする? ような感じ」

    空母棲姫「そうですか」クシクシ

    ヲ級「あ、そこ。気持ち良い」

    空母棲姫「ここ?」クシクシ

    ヲ級「もう少し、左。──そこ!」

    空母棲姫「ここね」クシクシ

    ヲ級「んー♪」

    提督「どうやら気に入ったようだな」

    空母棲姫「……少しだけ、不思議な気持ちになるわね」クシクシ

    提督「ああ、分かる」

    空母棲姫「あら、貴方も分かるのですか?」クシクシ

    提督「既に経験済みだからな。……本当にこれが気持ち良いのかが今でも疑問だ」

    ヲ級「良いよ? これ」

    提督「だ、そうだ。お前もされてみるか?」

    空母棲姫「私の髪は長過ぎて梳くに梳けないと思うのだけれど」クシクシ

    提督「そうだな。せめて地面に付かないくらいには短くした方が良いだろう。料理をするから特にな」

    空母棲姫「それでも普通よりかなり長くないかしら」クシクシ

    提督「長いのは確かだが、何か思い入れでもあるんじゃないのか?」

    空母棲姫「……確かにそうですが」

    687 = 1 :

    提督「ならば必要な分だけ切って、長いままにしても構わないだろう。料理の際にしっかりと束ねて邪魔にならないようにすれば問題無い」

    空母棲姫「そんなものなのですか」クシクシ

    提督「そんなものだ」

    空母棲姫「分かりました。ある程度は切っておきます」クシクシ

    提督「切る時は私が切ろう。……確認しておくが、変な物で切ったりしようとするなよ?」

    空母棲姫「流石にそんな事はしません。どういった想像をしているのかしら」クシクシ

    提督「まあ……海の上にハサミなど無いと思ったからだ」

    空母棲姫「だからこそ、ここまで伸びてしまったのだけれどね」クシクシ

    提督「なるほど。──さて、それではそろそろ打ち合わせに入るとしよう」

    空母棲姫「ええ、そうしましょうか」クシクシ

    ヲ級「んぅー……?」ウトウト

    空母棲姫「貴女は寝ていても構わないわ。起きた時にちゃんと話します」

    ヲ級「分かったー……」

    提督(……しかし、改めて見ると子供を世話する母親に見えるな)

    空母棲姫「今、何か失礼な事を考えていなかった?」

    提督「何も。ただ単に仲睦まじい親子のようだと思っただけだ」

    空母棲姫「……微妙ですね、それは」

    提督「……そうか」

    空母棲姫「まあ、流しておきましょう。──それで、まずは何から決めましょうか」

    提督「そうだな。まずはどういった経緯で鎮守府にやってきたのかを──」

    …………………………………………。

    688 = 1 :

    二時にもなりましたし、一区切りが付けられる場所にもなりましたので今回はここまでにしておきます。たぶん、また一週間以内に来ると思います。

    今回は状況がほとんど変わらないお話だったからつまらなかったかも。ごめんよ。

    689 :

    いつの間にかに空母棲姫が正妻っぽい

    690 :

    利根頼むはやく来てくれ!!

    691 :

    おつおつ

    692 :

    そういえば空母棲姫ってスカートはいてたっけ?
    えらい格好でウロチョロしてる絵柄が浮かぶんだが

    693 :


    ん?空母棲姫が髪短くしたら

    ??「やりました」

    シルエットだともう見分けつかなくなる

    695 :

    名前は空母棲姫だけど格好としては空母棲鬼なのかもしれない

    696 = 1 :

    >>695
    そういえば分かるように書いてなかった。ごめんよ。

    普段は空母棲鬼の姿ですけど、中破大破になるにつれ空母棲姫のような破廉恥な格好になっていってます。提督が直した直後辺りが鬼の方で、今現在は姫の方の姿です。

    697 :

    そんな素敵な。。。じゃなく、けしからん格好してたのか

    698 = 697 :

    そもそも空母棲姫、
    履いてないって噂も……

    699 :

    噂どころかどう見たってですね

    700 :

    そもそも深海棲艦に下着という概念があるかどうか…


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